JP2018166919A - イントロデューサー用シースおよびイントロデューサー - Google Patents

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Abstract

【課題】生体に対するシース部の留置性が向上されたイントロデューサー用シースおよびイントロデューサーを提供する。
【解決手段】イントロデューサー用シース100の固定部140は、シース本体部120の軸心c1に交差する回転軸145を有し、先端部材130は回転軸によりシース本体部に対して回転運動可能であり、さらに、シース本体部は、先端部材と重なる部分に拡張可能な柔軟領域124を有している。
【選択図】図3

Description

本発明は、イントロデューサー用シースおよびイントロデューサーに関する。
従来から、カテーテル等を生体管腔に挿入するための医療器具として、イントロデューサーが知られている。
イントロデューサーは、一般的に、シース部(シースチューブ)と称される中空管状のチューブ体およびシース部に設けられたハブ部を備えるイントロデューサー用シースと、イントロデューサー用シースに組み付けて使用されるダイレーターと、を備えている(下記特許文献1を参照)。
イントロデューサーを使用した手技では、術者等は、イントロデューサー用シースのシース部にダイレーターを挿入した状態で経皮的に生体管腔(例えば、血管)へシース部を挿入する。術者等は、シース部の先端側を血管内に挿入した後、シース部からダイレーターを抜去する。そして、術者等は、シース部の内腔を生体管腔と生体外部とを繋ぐアクセス経路として利用してバルーンカテーテル等の医療デバイスを生体管腔に挿入する。
上記のようなイントロデューサーを使用した手技において、術者等は、イントロデューサー用シースのシース部を所定の期間に亘って生体管腔に留置した状態に維持する。
特開2016−152841号
イントロデューサー用シースは、イントロデューサー用シースのシース部が生体の挿入部位に対して急峻な角度(例えば、垂直に近い角度)で挿入される場合、挿入部位付近における皮下組織(脂肪層や筋肉層等)の影響により、シース部の抜けが発生し易くなる場合がある。シース部の抜けが発生した場合、術者等は、生体管腔に新たにイントロデューサー用シースを挿入する必要があり、手技時間の長時間化を招く。
術者等は、シース部の挿入角度を比較的小さく(浅く)することにより、シース部の抜けをある程度抑えることができる。しかしながら、術者等が人的な作業で挿入角度を微調整する方法では、シース部の抜けを十分に防止することは難しいと考えられる。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、生体に対するシース部の留置性が向上されたイントロデューサー用シースおよびイントロデューサーを提供することを目的とする。
本発明に係るイントロデューサー用シースは、医療用長尺体を挿入可能な内腔を有するシース部と、前記シース部の内腔と連通する内腔を有し、前記シース部の基端部に配置されたハブ部と、を有し、前記シース部は、シース本体部と、前記シース本体部の先端部に前記シース本体部と少なくとも一部が軸方向に重なるように配置された先端部材と、前記シース本体部と前記先端部材を連結する固定部と、を備え、前記固定部は、前記シース本体部の軸心に交差する回転軸を有し、前記先端部材は、前記回転軸により、前記シース本体部に対して回転運動可能であり、前記シース本体部は、前記先端部材と重なる部分に拡張可能な柔軟領域を有する。
本発明に係るイントロデューサー用シースは、シース部を血管等の生体管腔に留置するために、イントロデューサー用シースからダイレーター(ダイレーターのダイレーター本体部)を抜去した際、先端部材が生体管腔の内壁との接触により、回転軸を介して回転運動する。これにより、術者等は、先端部材を斜めに屈曲又は湾曲させた状態でシース部を留置できる。そのため、本発明に係るイントロデューサー用シースは、生体に対するシース部の留置性を向上できる。また、シース部のシース本体部は、先端部材と軸方向において重なる位置に拡張可能な柔軟領域を有する。そのため、シース部が生体管腔に屈曲又は湾曲して留置された状態でシース部に医療用長尺体を挿入する際、本発明に係るイントロデューサー用シースは、シース部と先端部材とが軸方向において重なる位置でシース部の内径を十分に確保できる。このため、術者等は、シース部を介して医療用長尺体を円滑に生体管腔に挿入できる。
実施形態に係るイントロデューサーを示す図である。 実施形態に係るイントロデューサー用シースの軸方向に沿う断面図である。 実施形態に係るイントロデューサー用シースの先端側を示す拡大断面図である。 実施形態に係るイントロデューサー用シースのシース本体部と先端部材を分解した状態で示す斜視図である。 実施形態に係るイントロデューサー用シースの使用例を模式的に示す断面図である。
以下、各図を参照して本実施形態に係るイントロデューサー10を説明する。
図1〜図4は、イントロデューサー10、イントロデューサー用シース100、およびダイレーター200の各部を説明するための図、図5は、イントロデューサー10の使用例を説明するための図である。
図2を参照して、本明細書では、イントロデューサー用シース100においてハブ部150が配置される側(図2中の上側)を「基端側」とし、イントロデューサー用シース100において基端側とは反対側に位置し、生体内に挿入される側(図2中の下側)を「先端側」とする。また、イントロデューサー用シース100が延伸する方向(図2中の上下方向)を「軸方向」とする。
<イントロデューサー>
図1に示すように、本実施形態に係るイントロデューサー10は、イントロデューサー用シース100と、ダイレーター200と、を有している。
イントロデューサー用シース100は、血管等の生体管腔に留置されて、ガイドワイヤーや医療デバイス(例えば、バルーンカテーテルやステントデリバリーカテーテル)等の医療用長尺体を挿通し、生体管腔へ挿入するために使用される。
ダイレーター200は、イントロデューサー用シース100のシース本体部120を生体管腔に挿入するときに、シース本体部120の折れを防いだり、皮膚の穿孔を広げたりするために用いられる。
<ダイレーター>
図1に示すように、ダイレーター200は、イントロデューサー用シース100のシース本体部120に挿通可能な管状部材により構成されたダイレーター本体部210と、イントロデューサー用シース100のハブ部150と接続可能に構成されたダイレーターハブ220と、を有している。
ダイレーター本体部210は、イントロデューサー用シース100のシース部110に挿通されると、その先端部211がシース本体部120の先端側から突出する。ダイレーター本体部210の先端部211は、先端側へ向けて先細るテーパー形状に形成している。
ダイレーター本体部210は、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)等のポリオレフィン、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)等のフッ素系ポリマーなどで形成できる。
ダイレーターハブ220は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリスチレン等の硬質樹脂で形成できる。
<イントロデューサー用シース>
図2および図3に示すように、イントロデューサー用シース100は、ガイドワイヤーや医療デバイス等の医療用長尺体を挿入可能な内腔111を有するシース部110と、シース部110の内腔111と連通する内腔151を有し、シース部110の基端部に配置されたハブ部150と、シース部110の基端側に配置されたストレインリリーフ部160と、を有している。
図3および図4に示すように、シース部110は、シース本体部120と、シース本体部120の先端部に配置された先端部材130と、シース本体部120と先端部材130を連結する固定部140と、を有している。
先端部材130は、基端側の少なくとも一部がシース本体部120と軸方向(図3の左右方向)に重なるように配置している。
図4に示すように、固定部140は、シース本体部120の軸心に交差する回転軸145を有している。先端部材130は、回転軸145により、シース本体部120に対して回転運動可能である(図5(A)の矢印rを参照)。
図4に示すように、シース本体部120は、先端部材130と軸方向において重なる部分に拡張可能な柔軟領域124を有している。
柔軟領域124は、シース本体部120に形成されたスリットで構成している。柔軟領域124を構成するスリットは、図4に示すように、シース本体部120をシース本体部120の肉厚方向に貫通している。なお、スリットの数、スリットが軸方向に延在する長さ等は特に限定されない。また、スリットは、シース本体部120をシース本体部120の肉厚方向に完全に貫通していなくてもよい。
図3および図4に示すように、シース本体部120は、大径部122と、大径部122の先端側に形成された小径部123と、を有している。
図3に示すように、シース本体部120の小径部123は、シース本体部120の軸方向において、小径部123の先端側が所定の長さだけ先端部材130と重なるように先端部材130の内腔131に挿入されている。
大径部122の内部に形成された内腔121Aと、小径部123の内部に形成された内腔121Bは、互いに連通することにより、シース本体部120の内腔121を形成している。また、シース本体部120の内腔121と先端部材130の内腔131は、互いに連通することにより、シース部110の内腔111を形成している。
小径部123の先端側には、小径部123の内腔121Bと連通する先端開口部123aを形成している。
図3および図4に示すように、シース本体部120の先端部をなす小径部123(小径部123の端面)は、シース部110の先端側から基端側に向けて傾斜している。小径部123が傾斜する角度(小径部123がシース本体部120の軸心c1に対して傾斜する角度)は特に限定されないが、例えば、20°〜60°である。
シース本体部120の小径部123の内径d1は、シース部110の内腔111に医療用長尺体が挿入されていない状態(図3に示す柔軟領域124が拡張していない状態)において、先端部材130と重ならないシース本体部120の大径部122の内径d2よりも小さく形成している。
また、図3に示すように、シース本体部120の大径部122の外径と先端部材130の外径は、先端部材130が回転していない状態において、シース本体部120と先端部材130とが軸方向に略平行に重なる大きさで形成している。イントロデューサー用シース100は、大径部122と先端部材130が上記のような外径で形成され、かつ、図3に示すように両部材の間に段差が形成されないような位置関係で配置されることにより、シース部110を生体内に挿入する際、生体に対する挿入抵抗が低減する。
シース本体部120の小径部123の内径d1は、例えば、1.15mm〜3.80mmに形成でき、シース本体部120の大径部122の内径d2は、例えば、1.35mm〜4.00mmに形成できる。なお、上記各内径d1、d2の寸法例は、シース部110の内腔111に医療用長尺体が挿入されていない状態の寸法である。
また、シース本体部120の小径部123と先端部材130とが軸方向に重なる範囲の長さは、先端部材130をシース本体部120に対して回転させていない状態で、例えば、3mm〜5mmに形成できる。
先端部材130のX線造影性は、シース本体部120のX線造影性よりも大きくなるように形成している。シース本体部120および先端部材130には、例えば、Pt、Pt合金、W、W合金、Ag、Ag合金等により形成された金属製の部材を埋設等により配置したり、上記のような金属材料からなる金属粉末などを混入させたりすることにより、造影性を付加することができる。なお、先端部材130のみにX線造影性を付加する一方で、シース本体部120にはX線造影性を付加しなくてもよいし、シース本体部120には先端部材130よりも低いX線造影性を付与してもよいし、シース本体部120の一部(例えば、先端側の所定の範囲)のみにX線造影性を付加してもよい。
図3および図4に示すように、固定部140は、シース本体部120の小径部123と先端部材130とが軸方向に重なる位置の少なくとも2箇所でシース本体部120と先端部材130を連結している。
図4に示すように、固定部140は、先端部材130に形成された二つの凸部145と、シース本体部120の小径部123に形成された二つの孔部146とにより形成している。凸部145は、孔部146に挿入された状態で、シース本体部120に対して先端部材130を回転自在に支持する回転軸としての機能を持つ。
なお、凸部145をシース本体部120の小径部123に形成し、孔部146を先端部材130の内周面に形成してもよいし、小径部123および先端部材130の各々に一つずつ凸部145と孔部146を形成してもよい。また、孔部146は、孔(空洞)ではなく、凸部145を回転可能に受容する凹部等であってもよい。
図4に示すように、柔軟領域124は、シース本体部120の隣り合う固定部140(凸部145および孔部146)同士の間に形成される。具体的には、柔軟領域124は、図4において矢印Rで示すシース本体部120の周方向において、隣り合う固定部140の間に位置する上面側に形成している。なお、上面側とは、シース本体部120において、シース本体部120が生体管腔に挿入される際に、生体の皮膚表層と向かい合う側と周方向の反対側に配置される部分およびその周辺部を意味する(図5(A)を参照)。
図3に示すように、先端部材130は、先端部材130の延在方向に沿って内部に形成された内腔131を有している。先端部材130の先端側には、内腔131と連通する先端開口部133aを形成している。先端部材130の基端側には、内腔131と連通する基端開口部136aを形成している。
図4に示すように、先端部材130の内腔131、先端開口部133a、および基端開口部136aは、相互に対向する上下面が略対称な凸状の曲面で形成されており、相互に対向する左右面が略平行な直線形状で形成されている。なお、先端部材130の内腔131、先端開口部133a、および基端開口部136aの形状は図示したような形状に限定されず、例えば、円形や楕円形等の断面形状を有するものであってもよい。
先端部材130の先端部133は、先端側に向けて先細るように傾斜するテーパー形状に形成している。
図3および図4に示すように、先端部材130の基端部136(基端部136の端面)は、先端側から基端側に向けて傾斜している。先端部材130の基端部136が傾斜する角度(先端部材130の基端部136がシース本体部120の軸心c1に対して傾斜する角度)は特に限定されないが、例えば、20°〜70°である。
図2に示すように、先端部材130は、シース本体部120よりも軸方向の長さが短く形成されている。シース本体部120の軸方向の長さL1は、例えば、30mm〜500mmに形成できる。また、先端部材130の軸方向の長さL2は、例えば、10mm〜50mmに形成できる。
シース本体部120および先端部材130は、例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、またはこれら二種以上の混合物など)、ポリオレフィンエラストマー、ポリオレフィンの架橋体、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリエステル、ポリエステルエラストマー、ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー、フッ素樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアセタール、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトンなどの高分子材料またはこれらの混合物などで形成できる。
図2に示すように、ハブ部150には、シース部110の内腔111(シース本体部120の大径部122の内腔121A)と連通する内腔151と、当該内腔151に連通するサイドポート153と、を設けている。
図1に示すように、サイドポート153には、生理食塩水等の液体が注入される可撓性を有するチューブ154が液密に接続される。
ハブ部150の基端側には、シース部110内に流入した血液等の液体が外部へ漏洩するのを防止する弁体170を設けている。弁体170は、ダイレーター本体部210の挿通を可能にするスリット170aが形成された弾性部材により構成している。弁体170は、略楕円形の膜状(円盤状)に形成されており、キャップ部材180によりハブ部150に対して液密に固定している。
シース本体部120の基端部は、ハブ部150に固定している。シース本体部120とハブ部150は、例えば、接着剤により固定できる。
図2に示すように、ストレインリリーフ部160は、シース本体部120およびハブ部150に対して外装されている。ストレインリリーフ部160の先端側は、シース本体部120の基端側の一定の範囲を囲むように配置している。
図1および図2に示すように、ハブ部150には、シース本体部120の周方向における柔軟領域124の位置を示す指標部155を設けている。
指標部155は、ハブ部150において、柔軟領域124と周方向において重なる位置に形成している。指標部155は、例えば、ハブ部150に付された色と異なる色のマーカー(記号、文字、数字等を含む)や、ハブ部150の表面に形成された凸部や凹部、これらを任意に組み合わせたもの等で形成できる。
なお、指標部155は、例えば、シース本体部120の基端部(ハブ部150やストレインリリーフ部160により覆われていない部分)に形成してもよい。
ハブ部150は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリスチレン等の硬質樹脂で形成できる。
弁体170は、例えば、弾性部材であるシリコーンゴム、ラテックスゴム、ブチルゴム、イソプレンゴム等で形成できる。
ストレインリリーフ部160は、例えば、天然ゴム、シリコーン樹脂等で形成できる。
次に、図5(A)および図5(B)を参照して、イントロデューサー用シース100の使用例を説明する。
術者等は、イントロデューサー用シース100を血管Bに挿入する際、イントロデューサー用シース100のシース部110(シース本体部120および先端部材130)にダイレーター200のダイレーター本体部210を挿入する。
イントロデューサー用シース100のシース部110にダイレーター本体部210を挿入すると、イントロデューサー用シース100のシース部110および先端部材130は、シース部110の軸方向に沿って略直線状に配置される(図1および図2に示す状態)。また、この状態において、先端部材130は、ダイレーター本体部210によりシース本体部120に対する回転運動が生じないようにその動作が制限される。
術者等は、患者の皮膚Sを通して、ダイレーター本体部210を挿入した状態のシース部110を血管B内に挿入する。この際、イントロデューサー用シース100は、シース本体部120と先端部材130とが軸方向において重なった状態となるため、シース本体部120の先端部の剛性が高くなる。したがって、術者等は、イントロデューサー用シース100を血管B内に挿入する際、イントロデューサー用シース100の先端部が座屈するのを防止できる。
術者等は、シース本体部120の先端側および先端部材130を血管B内に挿入した後、シース部110からダイレーター本体部210を抜去する。術者がダイレーター本体部210を抜去すると、図5(A)に示すように、先端部材130は、血管Bの内壁との接触に伴ってシース本体部120に対して回転運動し、血管Bの走行に追従するようにその向きを変更させる。この状態において、イントロデューサー用シース100は、テーパー形状に形成された先端部材130の基端部136とテーパー形状に形成されたシース本体部120の小径部123との間に隙間gを形成する。イントロデューサー用シース100は、隙間gが形成されることにより、先端部材130の内腔131を流れる血流を確保できる。
先端部材130は、図5(A)に示すように血管B内に留置された状態で、血管Bの走行に追従するように配置される。そのため、先端部材130は、シース本体部120を抜去する方向の力が付与されるような場合に、血管Bに対してシース本体部120の抜去を阻止する方向の抵抗力を生じさせる。これにより、術者等は、シース本体部120が生体内から不用意に抜け出るのを防止できる。
また、術者等は、図5(B)に示すように、シース本体部120を介して血管B内に医療デバイス300を挿入する際、シース本体部120に形成された柔軟領域124を押し広げるように変形させることで、医療デバイス300を血管B内へ容易かつ円滑に挿入できる。
次に、本実施形態に係るイントロデューサー10およびイントロデューサー用シース100の作用を説明する。
本実施形態に係るイントロデューサー用シース100は、医療用長尺体を挿入可能な内腔111を有するシース部110と、シース部110の内腔111と連通する内腔151を有し、シース部110の基端部に配置されたハブ部150と、を有している。シース部110は、シース本体部120と、シース本体部120の先端部に当該シース本体部120と少なくとも一部が軸方向に重なるように配置された先端部材130と、シース本体部120と先端部材130を連結する固定部140と、を備えている。そして、固定部140は、シース本体部120の軸心c1に交差する回転軸145を有し、先端部材130は、回転軸145により、シース本体部120に対して回転運動可能である。さらに、シース本体部120は、先端部材130と重なる部分に拡張可能な柔軟領域124を有している。
上記のように構成されたイントロデューサー用シース100は、シース部110を血管Bに留置するために、イントロデューサー用シース100からダイレーター200のダイレーター本体部210を抜去した際、先端部材130が血管Bの内壁との接触により、回転軸145を介して回転運動する。これにより、術者等は、先端部材130を斜めに屈曲又は湾曲させた状態でシース部110を留置できる。そのため、イントロデューサー用シース100は、生体に対するシース部110の留置性を向上できる。また、シース部110のシース本体部120は、先端部材130と軸方向において重なる位置に拡張可能な柔軟領域124を有する。そのため、シース部110が生体内に屈曲又は湾曲して留置された状態でシース部110に医療用長尺体を挿入する際、イントロデューサー用シース100は、シース部110と先端部材130とが軸方向において重なる位置でシース部110の内径を十分に確保できる。このため、術者等は、シース部110を介して医療用長尺体を円滑に血管B内に挿入できる。
また、先端部材130は、シース本体部120よりも軸方向の長さが短く形成されている。このため、イントロデューサー用シース100は、シース本体部120により血管Bと生体外とを繋ぐアクセス経路を確保した状態で、血管Bの走行に追従するように先端部材130を湾曲させることができる。
また、先端部材130のX線造影性は、シース本体部120のX線造影性よりも大きい。このため、術者等は、手技の最中に先端部材130の位置や回転状態を容易に把握でき、手技を円滑に進めることができる。
また、固定部140は、シース本体部120の先端部と先端部材130とが軸方向に重なる位置の少なくとも2箇所でシース本体部120と先端部材130を連結している。そして、柔軟領域124は、隣り合う固定部140同士の間に形成されている。このため、イントロデューサー用シース100は、固定部140によるシース本体部120と先端部材130との連結状態を良好に維持しつつ、各固定部140の間に形成された柔軟領域124により医療デバイスの挿入性を高めることができる。
また、シース本体部120の先端側は、先端部材130の内腔131に配置されている。そして、先端部材130と軸方向に重なる位置(小径部123)におけるシース本体部120の内径は、シース部110の内腔111に医療用長尺体が挿入されていない状態において、先端部材130と重ならない位置(大径部122)におけるシース本体部120の内径よりも小さい。このため、イントロデューサー用シース100は、先端部材130の内腔131にシース本体部120の先端側を挿入して配置でき、先端部材130とシース本体部120を軸方向において重ねた状態に維持できる。
また、柔軟領域124は、シース本体部120に形成されたスリットである。このため、イントロデューサー用シース100は、簡便な構成でシース本体部120に柔軟領域124を設けることができる。従って、イントロデューサー用シース100は、医療デバイスがシース部110に挿入された際、スリットを押し広げるように変形することで医療デバイスを血管B内に容易に挿入できる。
また、ハブ150部またはシース部110の基端部には、シース本体部120の周方向における柔軟領域124の位置を示す指標部155を設けている。このため、術者等は、シース部110を介して医療デバイスを血管内に挿入する際、柔軟領域124の位置を容易に把握でき、手技を迅速に進めることができる。
また、先端部材130の基端部136およびシース本体部120の先端部(小径部123)は、テーパー形状である。このため、先端部材130は、先端部材130が血管B内で回転運動した際、先端部材130の内腔131に血流を確保するための隙間gを形成できる。これにより、術者等は、シース本体部120および先端部材130を血管B内に留置した状態において、血管Bの血流を好適に確保できる。
本実施形態に係るイントロデューサー10は、イントロデューサー用シース100と、イントロデューサー用シース100のシース部110の内腔111に挿通可能なダイレーター本体部210を備えるダイレーター200と、を有している。先端部材130は、シース部110の内腔111にダイレーター本体部210が挿入された状態で、シース本体部120に対する回転運動ができず、シース部110の内腔111にダイレーター本体部210が挿入されていない状態で、シース本体部120に対して回転運動できる。
上記のように構成されたイントロデューサー10は、イントロデューサー用シース100のシース部110の内腔111にダイレーター本体部210を挿通させて、イントロデューサー用シース100とダイレーター200と組み付けた状態で、先端部材130の不用意な回転が生じるのを防止できるため、手技を開始する際の利便性が向上する。また、術者等は、イントロデューサー用シース100のシース部110の内腔111からダイレーター本体部210を抜去することにより、先端部材130の回転運動が制限された状態を容易に解除できる。
以上、実施形態を通じて本発明に係るイントロデューサー用シースおよびイントロデューサーを説明したが、本発明は明細書内で説明した各構成のみに限定されるものでなく、特許請求の範囲の記載に基づいて適宜変更することが可能である。
例えば、柔軟領域は、スリットで構成されていなくてもよく、シース本体部に形成された孔部、シース本体部の他の部分よりも柔軟な材料で形成された部分、シース本体部の他の部分よりも肉厚を薄くした部分、こられの構造やスリットを組み合わせたもの等で構成してもよい。
また、例えば、回転軸は、シース本体部や先端部材に形成される凸部でなくてもよく、シース本体部や先端部材に形成された孔部や凹部に対してシース本体部や先端部材を回転運動自在に連結する軸状の部材であってもよい。また、固定部および回転軸の個数等は、シース本体部に対して先端部材を回転可能に連結可能である限り、設置位置、個数等は特に制限されない。
また、先端部材とシース本体部の配置関係は、先端部材の内腔にシース本体部の内腔が挿入された形態に限定されず、例えば、シース本体部に先端部材が挿入された形態であってもよい。また、先端部材の形状やシース本体部の先端側の形状等は、シース本体部に対して先端部材が回転運動可能に連結される限り、特に限定されない。
また、イントロデューサーおよびイントロデューサー用シースを構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置き換えることができる。また、医療用長尺体は、明細書内において特に説明のなかった任意の構成物(部材)等が適宜付加されてもよい。
10 イントロデューサー、
100 イントロデューサー用シース、
110 シース部、
111 シース部の内腔、
120 シース本体部、
121 シース本体部の内腔、
122 大径部、
121A 大径部の内腔、
123 小径部、
121B 小径部の内腔、
124 柔軟領域、
130 先端部材、
131 先端部材の内腔、
140 固定部、
145 回転軸(凸部)、
146 孔部、
150 ハブ部、
151 ハブ部の内腔、
155 指標部、
200 ダイレーター、
210 ダイレーター本体部、
300 医療デバイス。

Claims (9)

  1. 医療用長尺体を挿入可能な内腔を有するシース部と、
    前記シース部の内腔と連通する内腔を有し、前記シース部の基端部に配置されたハブ部と、を有し、
    前記シース部は、シース本体部と、前記シース本体部の先端部に前記シース本体部と少なくとも一部が軸方向に重なるように配置された先端部材と、前記シース本体部と前記先端部材を連結する固定部と、を備え、
    前記固定部は、前記シース本体部の軸心に交差する回転軸を有し、
    前記先端部材は、前記回転軸により、前記シース本体部に対して回転運動可能であり、
    前記シース本体部は、前記先端部材と重なる部分に拡張可能な柔軟領域を有する、イントロデューサー用シース。
  2. 前記先端部材は、前記シース本体部よりも軸方向の長さが短い、請求項1に記載のイントロデューサー用シース。
  3. 前記先端部材のX線造影性は、前記シース本体部のX線造影性よりも大きい、請求項1または請求項2に記載のイントロデューサー用シース。
  4. 前記固定部は、前記シース本体部の先端部と前記先端部材とが軸方向に重なる位置の少なくとも2箇所で前記シース本体部と前記先端部材を連結しており、
    前記柔軟領域は、隣り合う前記固定部同士の間に形成される、請求項1〜3のいずれか1項に記載のイントロデューサー用シース。
  5. 前記シース本体部の先端側は、前記先端部材の内腔に配置されており、
    前記先端部材と軸方向に重なる位置における前記シース本体部の内径は、前記シース部の内腔に前記医療用長尺体が挿入されていない状態において、前記先端部材と重ならない位置における前記シース本体部の内径よりも小さい、請求項1〜4のいずれか1項に記載のイントロデューサー用シース。
  6. 前記柔軟領域は、前記シース本体部に形成されたスリットである、請求項1〜5のいずれか1項に記載のイントロデューサー用シース。
  7. 前記ハブ部または前記シース部の基端部には、前記シース本体部の周方向における前記柔軟領域の位置を示す指標部が設けられている、請求項1〜6のいずれか1項に記載のイントロデューサー用シース。
  8. 前記先端部材の基端部および前記シース本体部の先端部は、テーパー形状である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のイントロデューサー用シース。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のイントロデューサー用シースと、
    前記イントロデューサー用シースのシース部の内腔に挿通可能なダイレーター本体部を備えるダイレーターと、を有し、
    前記先端部材は、前記シース部の内腔に前記ダイレーター本体部が挿入された状態で、前記シース本体部に対する回転運動ができず、前記シース部の内腔に前記ダイレーター本体部が挿入されていない状態で、前記シース本体部に対して回転運動できる、イントロデューサー。
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