JP2018160638A - 高周波基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】高密度実装された高周波基板の放熱性を高め、長期にわたって電子機器を発熱から保護できる、安価で放熱性に優れた高周波基板を提供することを目的とする。【解決手段】本発明の高周波基板は、窒化アルミ二ウム層及び酸化アルミニウム層が表面に形成された大電力供給用ガラスエポキシ基板(FR-4)と、比誘電率が5以下(1GHz)の低誘電率を有するフッ素樹脂、シクロオレフィンポリマー(COP)、液晶ポリマーの群から選ばれる一種の基材の少なくとも片面に銅層が形成された高周波信号高速伝送用基板との間に、接着層を備える高周波基板である。【選択図】なし

Description

本発明は、大電力の伝送機能と高周波信号の高速伝送機能とを備える高周波基板に関する。さらに詳しくは、高い熱伝導率を有する窒化アルミ二ウム及び酸化アルミニウムからなるセラミックス膜が形成された大電力伝送用ガラスエポキシ基板と、低誘電率を有する基材に銅層が形成された高周波信号高速伝送用基板と、を備える放熱性に優れた高周波基板に関する。
近年、電子機器の高性能化、小型化の要求に伴い、半導体等の電子部品の高密度化、高機能化が要求されている。特に高周波帯域を使用する通信機器の小型化に加え、通信速度の高速化によって、単位体積あたりの発熱量が増加している。
このような高周波信号の高速伝送デバイスの実用化には、種々の課題が指摘されているが、最も大きな課題の一つに発熱問題がある。高出力・高密度で作動させるため高温になり、その信頼性が大きく低下してしまう。従って、この発熱を早く効率的に放熱することにより、信頼性の低下を防止し、長期信頼性を向上することが重要な課題となっている。
高周波信号の高速伝送を実現するために、種々の配線基板の改善が検討されている。通常、高周波回路に採用されるプリント基板は、使用する周波数・許容されるサイズ・コストなどを総合的に判断して最適なプリント基板の材質を選択するが、ガラス繊維とエポキシ樹脂、アラミド繊維とエポキシ樹脂、フレキシブル性を備えたポリイミド樹脂に電解銅箔を貼り付けた基板が用いられてきた。
例えば、特許文献1には、プリント基材に貼り付ける銅箔との密着性を高めるために、モリブデン、鉄、コバルト、ニッケル、タングステンを添加し、銅の粒径を粗大化した高周波基板が開示されている。しかしながら、高周波伝送にはこの粗大化した場所で信号が反射して信号の伝送損失が増加するという問題があった。
特許文献2には、伝送損失の低減を目的として、高周波基板の銅箔に、直径が0.05μm〜1.0μmの球状粒子による粗化処理を施し、その上にモリブデン、ニッケル、タングステン等の金属耐熱層とクロメート皮膜層とシランカップリング剤層を積層する高周波基板の製造方法が開示されている。しかしながら、これらの積層体を形成するには、複雑な工程を要することや、得られる銅箔の表面粗さは、高周波基板用として十分とは言えないなどの問題があった。このように、高周波基板として幅広く採用され旺盛な需要に対応するためには、高品質で、且つ低価格である高周波基板が要求されている。
特開平11−256389号公報 特開2006−210689号公報
本発明は、高密度実装された高周波基板の放熱性を高め、長期にわたって電子機器を発熱から保護できる、安価で放熱性に優れた高周波基板を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、高周波基板の構成として、窒化アルミ二ウム層及び酸化アルミニウム層が基板表面に形成された大電力供給用ガラスエポキシ基板(FR-4)と、低誘電率を有するフッ素樹脂、シクロオレフィンポリマー、液晶ポリマーの群から選ばれる一種の基材の少なくとも片面に銅層を備える高周波信号高速伝送用基板とが、接着層により貼り合わされる構成とすることで、安価で優れた放熱性を備えることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の高周波基板は、窒化アルミ二ウム層及び酸化アルミニウム層が基板表面に形成された大電力供給用ガラスエポキシ基板(FR-4)と、比誘電率が5以下(1GHz)の低誘電率を有するフッ素樹脂、シクロオレフィンポリマー、液晶ポリマーの群から選ばれる一種の基材の少なくとも片面に銅層が形成された高周波信号高速伝送用基板と、を備えることを特徴とする。
本発明の高周波基板は、汎用の銅貼りガラスエポキシ基板(FR-4)と銅層を積層した低誘電率を有する基板とが、接着層により貼り合わされる構成であり、大電力用配線と高速伝送用配線とを、一つの基板内に配線することを可能とし、安価な高周波基板を提供することができる。また、銅貼りガラスエポキシ基板の表面に高い熱伝導性を有する窒化アルミ二ウム層及び酸化アルミニウム層からなる放熱層を備えるため放熱性に優れており、信頼性の高い高周波基板として好適に使用することができる。
以下に、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明の高周波基板は、窒化アルミ二ウム層及び酸化アルミニウム層が基板表面に形成された大電力供給用ガラスエポキシ基板(FR-4)と、比誘電率が5以下(1GHz) の低誘電率を有するフッ素樹脂、シクロオレフィンポリマー、液晶ポリマーの群から選ばれる一種の基材の少なくとも片面に銅層が形成された高周波信号高速伝送用基板と、を備えることを特徴とする。
本発明の高周波基板は、高密度に実装された基板の放熱性を高めており、長期間の使用による発熱を効率的に放熱することで、実装された電子機器の信頼性の低下を防止し、高周波基板として放熱性に優れている。本発明の高周波基板は、優れた放熱性を有している限り、その形状に特に制限はなく、例えば高速伝送用基板の基材の樹脂フィルムや配線用銅層の厚さは、使用目的など必要に応じて調整することができる。
本発明の高周波基板は、窒化アルミ二ウム層及び酸化アルミニウム層が基板表面に形成された大電力供給用ガラスエポキシ基板と、高周波信号高速伝送用基板とを備え、これらは接着層を介して貼り合わされている。
以下に、本発明について、(1)窒化アルミ二ウム層及び酸化アルミニウム層が基板表面に形成された大電力供給用ガラスエポキシ基板、(2)高周波信号高速伝送用基板、(3)接着層、(4)高周波基板の製造方法、の順に説明する。
(1)窒化アルミ二ウム層及び酸化アルミニウム層が基板表面に形成された大電力供給用ガラスエポキシ基板
本発明の高周波基板では、大電力供給用の基板として安価で汎用的に使用されるガラスエポキシ基板を使用する。本発明では、ガラスエポキシ基板としては、市販されている銅貼りガラスエポキシ基板(FR-4、以下ガラエポ基板と称することがある)を使用することができる。大電流から微細配線まで対応でき電子機器には広く用いられているガラエポ基板のFR−4は、「Flame Retardant Type4」の略で、ガラス繊維の布にエポキシ樹脂をしみ込ませ熱硬化処理を施した、高強度で耐熱性と絶縁性を有する基材である。この基材に銅箔を貼り付けプリント基板として多用されている。例えば、日立化成株式会社製ガラスエポキシ基板(品番:MCL‐E‐770G、MCL‐E‐700G、MCL‐E‐705G等、電解銅箔5μm、12μm、18μm、35μm等)が挙げられる。
本発明では、放熱性と絶縁性を付与するために、ガラスエポキシ基板の表面に窒化アルミ二ウム層及び酸化アルミニウム層が形成されている。
本発明では、絶縁体でかつ高い熱伝導率を有するセラミックスとして、窒化アルミ二ウムを選択した。窒化アルミ二ウムの熱伝導率は285W/mKと、配線材料の銅の熱伝導率の398W/mKに近い熱伝導性を有する材料である。窒化アルミ二ウムを選択することにより、高周波基板に要求される高い絶縁性と効率的な放熱性が付与される。また、酸化アルミニウムも、絶縁体であり、30W/mKと比較的高い熱伝導率を有するセラミックスである。
本発明の高周波基板の高い放熱性は、この窒化アルミ二ウム層と酸化アルミニウム層により確保できる。
本発明の窒化アルミ二ウム層は、効率的に放熱させるために、緻密な膜質で、基板への密着性が高いことが要求される。したがって、この要求を満足させるためには、化学蒸着法、物理蒸着法、スパッタリング法などの乾式法により形成される膜とすること実現できる。
窒化アルミ二ウム層の厚さは、1μm以上10μm以下の範囲であることが好ましく、1μm以上3μm以下がより好ましい。厚さが1μm未満であると放熱効果が不十分となり、厚さが10μmを超えても放熱効果の向上は見られず、コスト高となるため好ましくない。
本発明では、ガラスエポキシ基板と窒化アルミ二ウム層との間に、酸化アルミニウム層が形成されている。酸化アルミニウム層は、粒径1μm以上5μm以下の酸化アルミニウム粉末からなる。酸化アルミニウム粉末による酸化アルミニウム層を形成する方法としては、例えば、酸化アルミニウム粉末をガラスエポキシ基板の表面にブラスト処理することで、微細な酸化アルミニウム粒子が基板表面に打込まれ、酸化アルミニウム層を形成することができる。このようにして下地層の酸化アルミニウム層が形成され、アンカー効果で基板との密着性を高めた酸化アルミニウム層に直接スパッタリング法により窒化アルミ二ウム層を形成することで、極めて高い放熱効果と、高い密着性を付与することができる。
酸化アルミニウム粉末としては、粒径1μmから5μmの粉末を好適に用いることができる。粒径で1μmから5μmの範囲の酸化アルミ二ウム粉末を選択することによりブラスト処理した際に、基板に適度に打ち込まれ、アンカー効果で基板上に残留し酸化アルミニウム層を形成する。酸化アルミニウム粉末の粒径は、1μm未満では基板に残留しにくくなり被覆率が低下するため好ましくない。5μmを超えると、その後に積層して成膜する窒化アルミ二ウム層の平滑な膜の形成が困難となるため好ましくない。
この酸化アルミニウム粉末を用いて、0.6MPaから1.0Mpaの圧縮空気でガラエポ基板に吹き付けることにより酸化アルミニウム層を形成することができる。酸化アルミニウム層は、ガラエポ基板表面に形成されるが、被覆率として20%以上、好ましくは50%以上とする。被覆率は高いほうが好ましいが、基板全面を100%被覆する必要はなく、少なくとも20%の範囲が被覆されていれば、アンカー効果を発揮できる。本発明で優れた放熱性を奏するための窒化アルミ二ウム層を形成するための下地層として酸化アルミニウム層を形成する。以上のようにして、窒化アルミ二ウム層及び酸化アルミニウム層が基板表面に形成された大電力供給用ガラスエポキシ基板を作製する。
(2)高周波信号高速伝送用基板
本発明の高周波信号の高速伝送用基板には、誘電率や誘電正接が小さく、信号の損失が少ないことが求められるため、基材には低い誘電率を有する材料であるフッ素樹脂、シクロオレフィンポリマー、液晶ポリマーの群から選ばれる一種の基材を用いる。
誘電率は、信号の高速化に大きく影響し、誘電率が低ければ低いほど信号速度は速くなる。また、高速伝送用基板として信号の損失が少ないことも同時に要求される。誘電正接が小さければ小さいほど信号の損失が少なくなる。このように、高速伝送用基板には、誘電率や誘電正接が小さいことが要求されている。本発明では、誘電率の範囲として、比誘電率で5以下(1GHz)である基材を使用することが必要である。また、誘電正接は0.02以下(1GHz)である基材を使用することが好ましい。本発明では基材として、フッ素樹脂、シクロオレフィンポリマー、液晶ポリマーを好適に使用することができる。
具体的には、例えば、日本ゼオン株式会社製シクロオレフィンポリマー ZEONOR (登録商標、品番:ZF14、厚さ100μm、比誘電率4.73、誘電正接0.02)、日本バルカー工業株式会社製フッ素樹脂(品番:TLY−5A、厚さ380μm、比誘電率2.17、誘電正接0.0009)、住友化学株式会社製液晶ポリマー (品番:LCPE4008、厚さ100μm、比誘電率4.5、誘電正接0.018)などを挙げることができる。
基材の形態としては、フィルム状、シート状、板状など特に限定されないが、高密度に実装し高速伝送用配線基板として使用することから、表面の平滑性が高いフィルム状の基材を選択することが望ましい。
本発明の高周波基板の用途、使用目的により、その厚さを選択することができるが、基材として使用する樹脂フィルムの厚さとしては、10μm以上400μm以下の範囲が好ましく、20μm以上200μm以下の範囲がより好ましい。
樹脂フィルムの厚さが、10μm未満では、配線用銅層を支持する基板としての強度が不足するため好ましくない。樹脂フィルムの厚さが、400μmを超えると、配線側で発生した熱が効率よく放熱機能を有する窒化アルミ二ウム層に伝わりにくくなるため好ましくない。また、加工性やハンドリング性が悪くなるため好ましくない。
本発明の高周波基板の高周波信号高速伝送用配線層には、電気抵抗が少なく電気配線回路に汎用的に使われている銅を用いる。銅は、コスト的にも比較的安価で、配線加工しやすいので好ましい。
配線用銅層の厚さは任意に設定できるが、高密度に実装した高周波基板として使用する場合の配線用銅層の厚さとしては、1μm以上20μm以下の範囲とすることができる。さらに高密度化するには、1μm以上4μm以下の厚さの銅層とすることが好ましい。厚さが1μm未満では、配線層が薄すぎて、断線のおそれが生じ、厚さが20μmを超えると、配線の断面が台形状になり、配線上部と下部の配線幅に差が生じ、高密度に配線した際に配線間でショート不良のおそれが生じ好ましくない。
本発明の高周波信号高速伝送用配線層の銅層は、前記した基材の少なくとも片面に配線層を備えている。両面に配線層を備えてもよい。
本発明の高周波信号高速伝送用配線層の銅層は、下地層にスパッタリング法により成膜した銅層を形成することが望ましい。スパッタリング法で成膜した銅層と基材との密着性は、化学結合により極めて高い。表面が平滑な基材を選択することで、表面を粗面化処理することなく、平滑な基材の表面上に直接成膜するため、得られるスパッタリング法による銅層も、平滑な膜となり、さらにめっき法で成膜された銅層も平滑な膜が得られる。従って、本発明の高周波基板を使用して高周波信号を高速伝送した時に、信号の反射や乱れが生じにくく、信号の伝送損失を少なく抑えることができる。
本発明の高周波基板の配線用銅層は、高周波信号の高速伝送用の配線として用いるため、後で配線加工する際にエッチング性の良い膜質であることが要求される。これらの要求特性を満足させるための配線用銅層は、化学蒸着法、物理蒸着法、スパッタリング法などの乾式法により成膜することで実現することができる。特にスパッタリング法は、膜が緻密になり、且つ平滑な膜や、より密着性の高い膜を得るのに適している。但し、成膜時間が長くなり、コスト的には不利な面がある。
そこで、スパッタリング法の特徴を生かし、且つ生産性の低下を補うために、本発明の高周波基板の配線用銅層は、まず基材表面に下地層として銅層をスパッタリング法で成膜した後に、電気めっき法で銅層を所定の膜厚に成膜することにより得られる。
すなわち、本発明の高周波信号高速伝送用配線層の銅層は、下地層の銅層をスパッタリング法で50nm以上300nm以下の厚さで成膜し、その後、電気めっき法で配線用銅層として最終的に厚さが1μm以上20μm以下となるように成膜することにより配線用銅層を形成することができる。
下地層の銅層は、銅ターゲットを用いて、スッパッタリング装置に基材をセットして、アルゴンガスを導入しながらスパッタリングして、所定の膜厚の銅層を成膜することにより得られる。なお、基材と銅層との密着性をより高めるためには、銅層を成膜する前に、クロム、ニッケル、ニッケル−クロム合金の群から選ばれる下地層を20nm以上100nmの厚さで成膜することが好ましい。その他、アルゴンイオンにより基材表面を洗浄したり、酸素プラズマを発生させて基材表面を活性化させる処理を施すことも密着性を高めるのに有効である。
次に、下地層の銅層を形成した基材を、めっき装置により銅めっきを施し、最終的に厚さが1μm以上20μm以下になるように配線用銅層を形成する。銅めっきには、毒性が少なく、操作性に優れる硫酸銅を用いた酸化浴のメッキ装置を使用することが望ましい。
(3)接着層
本発明の高周波基板は、窒化アルミ二ウム層及び酸化アルミニウム層が基板表面に形成された大電力供給用ガラスエポキシ基板と低誘電率を有する基材の少なくとも片面に銅層が形成された高周波信号高速伝送用基板とが、接着層を介して貼り合わされている。
接着層は、基板に使用される基材に対して、接着できるものであれば、特に制限はなく、接着剤やプリプレグを使用することができるが、使用する基板に適する熱硬化型樹脂のプリプレグが市販されておりこれを使用することが好ましい。
(4)高周波基板の製造方法
本発明の高周波基板の製造方法について以下に説明する。本発明の高周波基板は、以下の(A)から(C)の工程により得られる。
(A)大電力供給用銅貼りガラスエポキシ基板(FR-4)の基板表面に窒化アルミ二ウム層及び酸化アルミニウム層を形成する工程
(B)高周波信号高速伝送用基板を作製する工程
(C)(A)窒化アルミ二ウム層及び酸化アルミニウム層が表面に形成された大電力供給用ガラスエポキシ基板と、(B)高周波信号高速伝送用基板とを貼り付けて高周波基板とする工程
以下、それぞれの工程について説明する。
(A)大電力供給用銅貼りガラスエポキシ基板(FR-4)の基板表面に窒化アルミ二ウム層及び酸化アルミニウム層を形成する工程
前述したように、大電力供給用基板として準備するガラスエポキシ基板(FR-4)は、特に限定されるものではなく、使用目的に合わせて市販のガラエポ基板を入手する。配線層の銅層が貼り付け、配線パタンが設定されているものが市販されており、これを入手する。
次に、粒径1μmから5μmの酸化アルミニウム粉末を0.6MPaから1.0Mpaの圧縮空気でガラエポ基板に吹き付けブラスト処理することにより酸化アルミニウム層を形成する。酸化アルミニウム層は、ガラエポ基板表面に形成されるが、被覆率としては高いほうが好ましいが、基板全面を100%被覆する必要はなく、少なくとも20%以上被覆されていればよい。
続いて、窒化アルミ二ウム層を形成する。本発明の高周波基板の高い放熱性を確保するためには、放熱膜として機能する窒化アルミ二ウム層に対し、基材との高い密着性が要求される。これらの要求特性を満足させるための窒化アルミ二ウム層は、化学蒸着法、物理蒸着法、スパッタリング法などの乾式法により成膜することで実現することができる。窒化アルミ二ウムを合成し、粉砕し微粒子化して窒化アルミ二ウム層とする方法も考えられるが、基材との密着力はあまり期待できず、緻密な膜を得ることも難しい。従って、緻密でより密着性の高い窒化アルミ二ウム層を得るには、スパッタリング法が適している。
窒化アルミ二ウム層をスパッタリング法により成膜する際の条件は、以下のとおりである。窒化アルミ二ウム層は、金属アルミニウムターゲットを用いて、スッパッタリング装置に基材をセットして、窒素ガスを導入しながらスパッタリングして、所定の膜厚の窒化アルミ二ウム層を成膜することにより得られる。膜厚としては、1μm以上10μm以下の膜厚に成膜することが好ましく、1μm以上3μm以下がより好ましい。膜厚が1μm未満であると放熱効果が不十分となり、膜厚が10μmを超えても放熱効果の向上は見られず、コスト高となるため好ましくない。
(B)高周波信号高速伝送用基板を作製する工程
まず、高周波信号高速伝送用基板を作製する。高周波信号の高速伝送用基板の基材には、低い誘電率(1GHzにおける比誘電率で5以下)を有する材料であるフッ素樹脂、シクロオレフィンポリマー、液晶ポリマーの群から選ばれる一種の基材を用いることができる。例えば、日本ゼオン株式会社製シクロオレフィンポリマー ZEONOR(登録商標、品番:ZF14、厚さ、100μm、誘電率4.73、誘電正接0.02)、日本バルカー工業株式会社製フッ素樹脂(品番:TLY−5A、厚さ380μm、誘電率2.17、誘電正接0.0009)、住友化学株式会社製液晶ポリマー(品番:LCPE4008、厚さ100μm、誘電率4.5、誘電正接0.018)などを挙げることができる。
上記のように低い誘電率を有する基材を準備し、まずこの基材をスパッタリング法で下地層の銅層を50nm以上300nm以下の厚さの銅層を成膜し、その上に電気めっき法により合計で1μm以上20μm以下の厚さの銅層を成膜する。
高速伝送用配線の厚さは、所望の配線幅に合わせて任意に設定することができ、特に限定することはないが、通常の配線基板の銅箔の厚さは36μm程度であり、これと比較して1μm以上20μm以下の薄い銅層の厚さとすることができるので、エッチング時間が短くて済み、微細な配線を形成しやすいというメリットがある。
また、下地層にスパッタリング法による銅層を形成するため、基材との密着性も良好であり、また平滑で緻密な膜質が得られ、抵抗の低い、信号の減衰の少ない配線用銅層とすることができる。
(C)(A)窒化アルミ二ウム層及び酸化アルミニウム層が基板表面に形成された大電力供給用ガラスエポキシ基板と、(B)高周波信号高速伝送用基板とを貼り付けて高周波基板とする工程
最後に、(A)窒化アルミ二ウム層及び酸化アルミニウム層が基板表面に形成された大電力供給用ガラスエポキシ基板と、(B)高周波信号高速伝送用基板とを接着剤またはプリプレグを用いて貼り合せ、熱圧着することにより、本発明の高周波基板を得ることができる。
接着層には、基板に使用される基材に対して、接着できるものであれば、特に制限はなく、接着剤やプリプレグを使用することができるが、使用する基板に適する熱硬化型樹脂のプリプレグが市販されておりこれを使用することが好ましい。
以下に、実施例を示して本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されることはない。
(実施例1)
まず、大電力供給用のガラスエポキシ基板として日立化成株式会社製ガラスエポキシ基板(品番:MCL‐E‐770G、基板厚さ110μm、電解銅箔12μm)を準備した。 なお、ガラスエポキシ基板には電力供給用の配線パタンが形成されているものを使用した。
次に、ガラエポ基板に、住友化学株式会社製酸化アルミニウム粉末(粒径3μm品)を1.0Mpaの圧縮空気でガラエポ基板に吹き付けることにより酸化アルミニウム層をガラスエポキシ基板表面に形成し、ガラエポ基板の表面を光学顕微鏡を用いて目視で観察したところ、被覆率は約30%であった。
その後、酸化アルミ二ウム層を形成したガラエポ基板をスパッタリング装置(芝浦メカトロニクス株式会社製、CFS−4ES)にセットした。この基板表面に窒化アルミ二ウム膜を成膜した。成膜条件としては、ターゲットに金属アルミ二ウムターゲット(純度99.99%)を用いて、到達真空度を6.5×10-3Paとし、DC出力を350Wとし、かつ、反応ガスとして、アルゴンガス(流量15sccm)と窒素ガス(流量15sccm)とを導入し、40分間成膜して膜厚1.4μmの窒化アルミ二ウム膜を得た。
次に、高速伝送用基板として、日本ゼオン株式会社製シクロオレフィンポリマー ZEONOR(登録商標、品番ZF14、基板厚さ100μm、比誘電率4.73、誘電正接0.02)を用意し、20cm四角にカットし、スパッタリング装置(芝浦メカトロニクス株式会社製、CFS−4ES)にセットした。
まず、このポリイミドフィルムの両面に下地層としてNi−25質量%Crを20nm、銅を200nm成膜した。具体的には、ターゲットに、Ni−25質量%Cr合金(純度99.9%)と銅(純度99.9%)の3インチ径の円板状ターゲットを用いて、到達真空度を6.5×10-3Paとし、DC出力を200Wとし、かつ、反応ガスとして、アルゴンガス(流量15sccm)を導入することにより、回転治具を用いて両面に先に膜厚20nmのNi−25質量%Cr下地層を成膜した。続いて、DC出力を300Wとし、到達真空度を6.5×10-3Paとし、かつ、反応ガスとして、アルゴンガス(流量15sccm)を導入することにより室温で、膜厚200nmの銅の下地層を成膜した。
得られたフィルムに電解銅めっきを施すために、硫酸銅を用いた両面めっき装置に下地層を成膜したフィルムをセットした。めっき条件は、浴温度は45℃で、電圧5Vとし、電流密度3A/dm2にして15分めっきして、フィルムの両面に銅層をめっきした高速伝送用基板を作製した。得られた銅層の厚さは配線用銅層が両面とも4μmであった。
接着層の材料として、日立化成株式会社製プリプレグ(品番:GEA−770G、厚さ25μm)を準備した。上記の窒化アルミ二ウム層と酸化アルミニウム層を形成したガラスエポキシ基板と、上記の銅層を備えた高速伝送用基板とをプリプレグで貼り合せ、270℃で10分間熱圧着して接合し、高周波基板を得た。
得られた高周波基板の放熱性能を評価した。得られた基板に合計10WのLEDライトを取付け、毎秒100回点滅させながら1時間動作させ、基板の裏面にサーモテープを貼り付けて、動作後の基板温度を測定した。その結果、一時間動作後の基板の温度は30℃であった。また熱伝導率測定装置(アドバンス理工株式会社製、レーザーフラッシュ法、型番:TC−9000)を用いて、得られた基板の熱伝導率を測定した。その結果、4.2W/m・Kであった。
(実施例2)
高速伝送用基板の基材に日本バルカー工業株式会社製フッ素樹脂基材(品番:TLY−5A、厚さ380μm)を用いて、接着層として日本バルカー工業株式会社製ボンディングフィルム(品番:HT1.5)を用いた以外は、実施例1と同様にして高周波基板を得た。
得られた高周波基板の放熱性能を実施例1と同様にして評価した。一時間動作後の基板の温度は48℃であった。また、基板の熱伝導率は3.0W/m・Kであった。
(実施例3)
高速伝送用基板の基材に住友化学株式会社製液晶ポリマー基材(品番:LCPE4008、厚さ100μm)を用いて、接着層として日本バルカー工業株式会社製ボンディングフィルム(品番:HT1.5)を用いた以外は実施例1と同様にして高周波基板を得た。
得られた高周波基板の放熱性能を実施例1と同様にして評価した。一時間動作後の基板の温度は51℃であった。また、基板の熱伝導率は2.8W/m・Kであった。
(比較例1)
窒化アルミ二ウム層及び酸化アルミニウム層を形成せずにガラスエポキシ基板を用いたこと以外は、実施例1と同様にして高周波基板を得た。実施例1と同様に高周波基板の放熱性能を評価した結果、基板の温度は70℃であった。また、基板の熱伝導率は0.4W/m・Kであった。
以上のように、本発明の高周波基板は、放熱性能は良好であり、放熱性に優れる基板であることが分かり、高周波伝送用配線基板として最適な基板である。

Claims (4)

  1. 窒化アルミ二ウム層及び酸化アルミニウム層が表面に形成された大電力供給用ガラスエポキシ基板(FR-4)と、比誘電率が5以下(1GHz)の低誘電率を有するフッ素樹脂、シクロオレフィンポリマー(COP)、液晶ポリマーの群から選ばれる一種の基材の少なくとも片面に銅層が形成された高周波信号高速伝送用基板と、を備えることを特徴とする高周波基板。
  2. 前記窒化アルミ二ウム層は、厚さが1μm以上10μm以下である、請求項1に記載の高周波基板。
  3. 前記酸化アルミニウム層は、粒径1μm以上5μm以下の酸化アルミニウム粉末からなる、請求項1又は請求項2に記載の高周波基板。
  4. 前記高速伝送用銅層の厚さは1μm以上20μm以下である請求項1から請求項3のいずれかに記載の高周波基板。
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