JP2018160500A - 電子部品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電子部品に配置される外部電極に空隙の生じない電子部品の製造方法を提供する。
【解決手段】積層された複数のセラミック層14を含む積層体12と、積層体12内に配置され、セラミック層14と交互に積層された複数の内部電極16と、内部電極16に接続される外部電極24と、を備える、電子部品の製造方法である。本電子部品の製造方法は、積層体を準備する工程と、外部電極用ペーストが充填されている定盤40のペースト貯蔵部44に、積層体12を浸漬させ、積層体12の両端面に外部電極用ペーストを塗布する工程と、を備える。積層体12の両端面に、幅方向に見て幅方向全体に亘って凹湾曲状の凹湾曲状面を有しており、ペースト貯蔵部44の底面46には、複数の凸部48が設けられ、外部電極用ペースト42を塗布する工程では、凸部48が凹湾曲状面に当接するように外部電極用ペーストが塗布される。
【選択図】図7

Description

本発明は、電子部品の製造方法に関し、特に、たとえば、積層セラミックコンデンサの製造方法に関する。
電子部品として、たとえば、積層セラミックコンデンサは、たとえば、チタン酸バリウムなどによりなるセラミック層と内部電極層とが交互に積層されて積層体を構成し、内部電極はその端面が積層体の対向する両端面に交互に露出するよう積層されており、積層体の両端面に形成された一対の外部電極に交互に接続されている。
一般的に、積層セラミックコンデンサのセラミック層と内部電極層とは、焼成される際に収縮率が異なることが多く、金属成分を有する内部電極層の収縮率が大きくなることが多い。したがって、内部電極層の収縮に引っ張られ、セラミック層も収縮する傾向にある。その結果、たとえば、特許文献1の図1に記載されるように、チップ素体(積層体)の両端面が湾曲するように窪んだ形状となることがある。なお、これは、内部電極の積層枚数が多くなるほど顕著に現れる。
実開昭61−144628号公報 特開平8−97108号公報
ここで、両端面に外部電極を形成するために、上記のような両端面が湾曲するように窪んだ素体において、たとえば、特許文献2に記載されているように、電子部品素地(積層体)をディップテーブルの外部電極ペーストに浸漬し、外部電極ペーストを塗布しようとした場合、電子部品素地の端部における湾曲している窪みに空気が入り込み、その空気が入り込んでしまった状態で外部電極ペーストが塗布されてしまうことがある。その結果、最終的に焼付けの際などに空気が抜けた際の抜け道となった空隙が外部電極に生じてしまうことになり、その空隙からめっき液などの水分が進入し、積層セラミックコンデンサなどの電子部品の耐湿信頼性の低下に繋がることがある。
それゆえに、この発明の主たる目的は、電子部品に配置される外部電極に空隙の生じない電子部品の製造方法を提供することである。
この発明にかかる電子部品の製造方法は、積層された複数のセラミック層と複数のセラミック層と交互に積層される複数の内部電極層とを含み、積層方向に相対する第1の主面および第2の主面と、積層方向に直交する幅方向に相対する第1の側面および第2の側面と、積層方向および幅方向に直交する長さ方向に相対する第1の端面および第2の端面と、を含む積層体と、少なくとも第1および第2の端面上に配置された外部電極と、を有する電子部品の製造方法であって、積層体を準備する工程と、外部電極用ペーストが充填されている定盤のペースト貯蔵部に、積層体を浸漬させ、積層体の第1および第2の端面に外部電極用ペーストを塗布する工程と、を備え、積層体は、第1の端面および第2の端面において、幅方向に見て幅方向全体に亘って凹湾曲状の凹湾曲状面を有しており、ペースト貯蔵部の底面には、複数の凸部が設けられ、外部電極用ペーストを塗布する工程では、凸部が凹湾曲状面に当接するように外部電極用ペーストが塗布される、電子部品の製造方法である。
また、この発明にかかる電子部品の製造方法は、凸部が千鳥状に配置されていることが好ましい。
さらに、この発明にかかる電子部品の製造方法は、凸部が凹湾曲状面に3つ以上当接するように配置されていることが好ましい。
また、この発明にかかる電子部品の製造方法は、凸部について、直線状に複数の凸部が間隔Aを隔てて配置される第1の凸部群と、直線状に複数の凸部が間隔Aを隔てて配置される第2の凸部群とを含み、第1の凸部群と第2の凸部群とが、間隔Bを隔てて交互に配置され、かつ、第1の凸部群の凸部と第2の凸部群の凸部とがA/2ずれて配置されている場合に、第1の凸部群の凸部と第2の凸部群の凸部との最短距離である間隔Cについて、積層体の幅方向の寸法Wおよび積層方向の寸法Tと、間隔Aおよび間隔Bとの関係が、W>A、およびT>Bの場合、C=√((A2/4)+B2)であることが好ましい。
さらに、この発明にかかる電子部品の製造方法は、凸部について、直線状に複数の凸部が間隔Aを隔てて配置される第1の凸部群と、直線状に複数の凸部が間隔Aを隔てて配置される第2の凸部群とを含み、第1の凸部群と第2の凸部群とが、間隔Bを隔てて交互に配置され、かつ、第1の凸部群の凸部と第2の凸部群の凸部とがA/2ずれて配置されている場合に、第1の凸部群の凸部と第2の凸部群の凸部との最短距離である間隔Cについて、積層体の幅方向の寸法Wおよび積層方向の寸法Tと、間隔Aおよび間隔Bとの関係が、W=Tであって、A=B<W,Tの場合、C=(A/2)×√5であることが好ましい。
また、この発明にかかる電子部品の製造方法は、凸部について、直線状に複数の凸部が間隔Aを隔てて配置される第1の凸部群と、直線状に複数の凸部が間隔Aを隔てて配置される第2の凸部群とを含み、第1の凸部群と第2の凸部群とが、間隔Bを隔てて交互に配置され、かつ、第1の凸部群の凸部と第2の凸部群の凸部とがA/2ずれて配置されている場合に、第1の凸部群の凸部と第2の凸部群の凸部との最短距離である間隔Cについて、積層体の幅方向の寸法Wおよび積層方向の寸法Tと、間隔Aおよび間隔Bとの関係が、W<T、またはW>Tであって、A=B<W、またはA=B<Tの場合、C=A×√(1/2)であることが好ましい。
さらに、この発明にかかる電子部品の製造方法は、凸部の高さが0.020mm以上0.1mm以下であることが好ましい。
さらにまた、この発明にかかる電子部品の製造方法は、凸部の先端部分における平坦部が直径0.04mm以上0.06mm以下であることが好ましい。
この発明にかかる電子部品の製造方法によれば、外部電極用ペーストが充填されている定盤のペースト貯蔵部に、積層体を浸漬させ、積層体の両端面に外部電極用ペーストを塗布する工程において、積層体の両端面において、幅方向に見て幅方向全体に亘って凹湾曲状の凹湾曲状面を有していても、積層体を外部電極用ペーストに浸漬させる際に、ペースト貯蔵部の底面に複数の凸部が設けられ、その複数の凸部が、積層体の両端面の凹湾曲状面に当接するようにして外部電極用ペーストが塗布されるので、積層体の両端面と外部電極用ペーストとの接触面積を多くすることができることから、積層体の両端面と外部電極用ペーストの濡れ性を確保することができ、積層体の両端面の凹湾曲状面に確実に外部電極用ペーストを塗布することができる。したがって、外部電極用ペーストの塗布の際に、積層体の両端面の凹湾曲状面に空気が入り込んだ状態で外部電極用ペーストが塗布されてしまうことを抑制することができる。
また、この発明にかかる電子部品の製造方法では、定盤のペースト貯蔵部の底面に設けられる複数の凸部が、千鳥状に配置されていると、積層体の両端面と外部電極用ペーストとの接触面積をより多くすることができるため、積層体の両端面と外部電極用ペーストの濡れ性を確保することができ、積層体の両端面の凹湾曲状面に確実に外部電極用ペーストを塗布することができる。
さらに、この発明にかかる電子部品の製造方法では、凸部が、積層体の両端部の凹湾曲状面に3つ以上当接するように配置されていると、積層体の両端面と外部電極用ペーストとの接触面積をより多くすることができるため、積層体の両端面と外部電極用ペーストの濡れ性を確保することができ、積層体の両端面の凹湾曲状面に確実に外部電極用ペーストを塗布することができる。
さらにまた、この発明にかかる電子部品の製造方法では、複数の凸部が、直線状に複数の凸部が間隔Aを隔てて配置される第1の凸部群と、直線状に複数の凸部が間隔Aを隔てて配置される第2の凸部群とを含み、第1の凸部群と第2の凸部群とが間隔Bを隔てて配置され、かつ、第1の凸部群の凸部と第2の凸部群の凸部とがA/2ずれて配置している場合に、第1の凸部群の凸部と第2の凸部群の凸部との最短距離である間隔Cが、積層体の幅方向の寸法Wおよび積層方向の寸法Tと、上述した間隔Aおよび間隔Bとの関係を用いることによって、
W>A、およびT>Bの場合、
C=√((A2/4)+B2
により規定した場合に、
積層体の幅方向の寸法Wおよび積層体の積層方向xの寸法Tと、間隔Aおよび間隔Bとの関係が、
W=Tの場合であって、
A=B<W,Tの場合、
C=(A/2)×√5
で規定され、
積層体の幅方向yの寸法と積層体の積層方向xの寸法Tと、間隔Aおよび間隔Bとの関係が、
W<T、またはW>Tの場合であって、
A=B<W、またはA=B<Tの場合、
C=A×√(1/2)
で規定することで、仮に、積層体の位置がずれていたり、角度がずれていたりする場合においても、凸部が積層体の端面に接する設計にすることができる。これにより、本発明の効果をより確実に発揮することができる。
また、この発明にかかる電子部品の製造方法では、凸部の高さが、0.020mm以上0.1mm以下の範囲であると、外部電極の膜の厚みを所望の厚みにすることができる。
さらに、この発明にかかる電子部品の製造方法では、凸部の先端部分における平坦部の直径が、たとえば、0.04mm以上0.06mm以下の範囲であると、より確実に、積層体の両端面の凹湾曲状面に凸部の先端部分を当接させることができる。
この発明によれば、電子部品に配置される外部電極に空隙の生じない電子部品の製造方法を提供することができる。
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための形態の説明から一層明らかとなろう。
この発明にかかる電子部品の製造方法により製造される積層セラミックコンデンサの一例を示す外観斜視図である。 この発明にかかる電子部品の製造方法により製造される積層セラミックコンデンサを示す図1のII−II線における断面図である。 この発明にかかる電子部品の製造方法により製造される積層セラミックコンデンサを示す図1のIII−III線における断面図である。 この発明にかかる電子部品の製造方法に用いられる定盤の断面模式図である。 この発明にかかる電子部品の製造方法に用いられる定盤に設けられる凸部の配置状態を示す平面図であり、さらに、積層体との位置関係を示す。 この発明にかかる電子部品の製造方法に用いられる定盤に設けられる凸部の断面模式図である。 図1に示した積層セラミックコンデンサの製造方法を説明するための断面模式図であり、積層体を定盤に当接させている状態を示す。 図1に示した積層セラミックコンデンサの製造方法を説明するための断面模式図であり、第1の保持治具が積層体を保持している状態を示す。 図1に示した積層セラミックコンデンサの製造方法を説明するための断面模式図であり、第1の保持治具により積層体を外部電極用ペーストに浸漬させている状態を示す。 図1に示した積層セラミックコンデンサの製造方法を説明するための断面模式図であり、第1の保持治具が積層体を引き上げた状態を示す。 図1に示した積層セラミックコンデンサの製造方法を説明するための断面模式図であり、第2の保持治具が積層体を保持している状態を示す。 図1に示した積層セラミックコンデンサの製造方法を説明するための断面模式図であり、第2の保持治具により積層体を外部電極用ペーストに浸漬させている状態を示す。 図1に示した積層セラミックコンデンサの製造方法を説明するための断面模式図であり、第2の保持治具が積層体を引き上げた状態を示す。 実験例において、実施例の試料を作製するために準備された定盤の説明図である。 実験例において、比較例の試料を作製するために準備された定盤の説明図であり、(a)は定盤の斜視模式図であり、(b)は積層体を比較例用の定盤に当接させている状態を示す断面模式図である。
1.電子部品
この発明の電子部品の製造方法により製造される電子部品の一例として、積層セラミックコンデンサの構造について説明する。図1は、この発明にかかる電子部品の製造方法により製造される積層セラミックコンデンサの一例を示す外観斜視図である。図2は、この発明電子部品の製造方法により製造される積層セラミックコンデンサを示す図1のII−II線における断面図であり、図3は、この発明電子部品の製造方法により製造される積層セラミックコンデンサを示す図1のIII−III線における断面図である。
図1ないし図3に示すように、積層セラミックコンデンサ10は、直方体状の積層体12を含む。
積層体12は、積層された複数のセラミック層14と複数の内部電極層16とを有する。さらに、積層体12は、積層方向xに相対する第1の主面12aおよび第2の主面12bと、積層方向xに直交する幅方向yに相対する第1の側面12cおよび第2の側面12dと、積層方向xおよび幅方向yに直交する長さ方向zに相対する第1の端面12eおよび第2の端面12fとを有する。
この積層体12の第1の端面12eおよび第2の端面12f、幅方向yに見て幅方向y全体に亘って凹湾曲状の凹湾曲状面を有する。その結果、積層体12の第1の端面12eおよび第2の端面12fにおいて、積層方向xの中央部が幅方向y全体に亘って窪んだ形状を有する。
また、この積層体12には、角部および稜線部に丸みがつけられている。なお、角部とは、積層体12の隣接する3面が交わる部分のことであり、稜線部とは、積層体の隣接する2面が交わる部分のことである。また、第1の主面12aおよび第2の主面12b、第1の側面12cおよび第2の側面12d、ならびに第1の端面12eおよび第2の端面12fの一部または全部に凹凸などが形成されていてもよい。さらに、積層体12の長さ方向zの寸法は、幅方向yの寸法よりも必ずしも長いとは限らない。
さらに、積層体12の寸法は、特に限定されない。
積層体12のセラミック層14は、外層部14aと内層部14bとを含む。外層部14aは、積層体12の第1の主面12a側および第2の主面12b側に位置し、第1の主面12aと最も第1の主面12aに近い内部電極16との間に位置するセラミック層14、および第2の主面12bと最も第2の主面12bに近い内部電極16との間に位置するセラミック層14である。そして、両外層部14aに挟まれた領域が内層部14bである。
セラミック層14は、たとえば、誘電体材料により形成することができる。このような誘電体材料としては、たとえば、BaTiO3、CaTiO3、SrTiO3、またはCaZrO3などの成分を含む誘電体セラミックを用いることができる。上記の誘電体材料を主成分として含む場合、所望する積層体12の特性に応じて、たとえば、Mn化合物、Fe化合物、Cr化合物、Co化合物、Ni化合物などの主成分よりも含有量の少ない副成分を添加したものを用いてもよい。
なお、積層体12に、圧電体セラミックを用いた場合、電子部品は、セラミック圧電素子として機能する。圧電セラミック材料の具体例としては、たとえば、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)系セラミック材料などが挙げられる。
また、積層体12に、半導体セラミックを用いた場合、電子部品は、サーミスタ素子として機能する。半導体セラミック材料の具体例としては、たとえば、スピネル系セラミック材料などが挙げられる。
また、積層体12に、磁性体セラミックを用いた場合、電子部品は、インダクタ素子として機能する。また、インダクタ素子として機能する場合は、内部電極層16は、コイル状の導体となる。磁性体セラミック材料の具体例としては、たとえば、フェライトセラミック材料などが挙げられる。
焼成後のセラミック層14の厚みは、0.5μm以上10μm以下であることが好ましい。
積層体12は、複数の内部電極層16として、たとえば略矩形状の複数の第1の内部電極層16aおよび複数の第2の内部電極層16bを有する。複数の第1の内部電極層16aおよび複数の第2の内部電極層16bは、積層体12の積層方向xに沿って等間隔に交互に配置されるように埋設されている。
第1の内部電極層16aは、第2の内部電極層16bと対向する第1の対向電極部18aと、第1の内部電極層16aの一端側に位置し、第1の対向電極部18aから積層体12の第1の端面12eまでの第1の引出電極部20aを有する。第1の引出電極部20aは、その端部が第1の端面12eに引き出され、露出している。
第2の内部電極層16bは、第1の内部電極層16aと対向する第2の対向電極部18bと、第2の内部電極16bの一端側に位置し、第2の対向電極部18bから積層体12の第2の端面12fまでの第2の引出電極部20bを有する。第2の引出電極部20bは、その端部が第2の端面12fに引き出され、露出している。
積層体12は、第1の対向電極部18aおよび第2の対向電極部18bの幅方向yの一端と第1の側面12cとの間および第1の対向電極部18aおよび第2の対向電極部18bの幅方向yの他端と第2の側面12dとの間に形成される積層体12の側部(以下、「Wギャップ」という。)22aを含む。さらに、積層体12は、第1の内部電極層16aの第1の引出電極部20aとは反対側の端部と第2の端面12fとの間および第2の内部電極層16bの第2の引出電極部20bとは反対側の端部と第1の端面12eとの間に形成される積層体12の端部(以下、「Lギャップ」という。)22bを含む。
内部電極層16は、たとえば、Ni、Cu、Ag、Pd、Auなどの金属や、これらの金属の一種を含む、たとえば、Ag−Pd合金などの、それらの金属の少なくとも一種を含む合金などの適宜の導電材料を含有している。内部電極層16は、さらにセラミック層14に含まれるセラミックスと同一組成系の誘電体粒子を含んでいてもよい。
内部電極層16の厚みは、0.2μm以上2.0μm以下であることが好ましい。また、内部電極層16の枚数は、特に限定されない。
積層体12の第1の端面12e側および第2の端面12f側には、外部電極24が配置される。外部電極24は、第1の外部電極24aおよび第2の外部電極24bを有する。
第1の外部電極24aは、積層体12の第1の端面12eの表面に配置され、第1の端面12eから延伸して第1の主面12a、第2の主面12b、第1の側面12cおよび第2の側面12dのそれぞれの一部分を覆うように形成される。この場合、第1の外部電極24aは、第1の内部電極層16aの第1の引出電極20aと電気的に接続される。
第2の外部電極24bは、積層体12の第2の端面12fの表面に配置され、第2の端面12fから延伸して第1の主面12a、第2の主面12b、第1の側面12cおよび第2の側面12dのそれぞれの一部分を覆うように形成される。この場合、第2の外部電極24bは、第2の内部電極層16bの第2の引出電極20bと電気的に接続される。
積層体12内においては、第1の内部電極層16aの第1の対向電極部18aと第2の内部電極層16bの第2の対向電極18bとがセラミック層14を介して対向することにより、静電容量が形成されている。そのため、第1の内部電極層16aが接続された第1の外部電極24aと第2の内部電極層16bが接続された第2の外部電極24bとの間に、静電容量を得ることができ、コンデンサの特性が発現する。
第1の外部電極24aは、第1の下地電極層26aと、第1の下地電極層26aの表面に配置された第1のめっき層28aとを含む。同様に、第2の外部電極24bは、第2の下地電極層26bと、第2の下地電極層26bの表面に配置された第2のめっき層28bとを含む。
第1の下地電極層26aは、積層体12の第1の端面12eの表面に配置され、第1の端面12eから延伸して第1の主面12a、第2の主面12b、第1の側面12cおよび第2の側面12dのそれぞれの一部分を覆うように形成される。
また、第2の下地電極層26bは、積層体12の第2の端面12fの表面に配置され、第2の端面12fから延伸して第1の主面12a、第2の主面12b、第1の側面12cおよび第2の側面12dのそれぞれの一部分を覆うように形成される。
第1の下地電極層26aおよび第2の下地電極層26b(以下、単に下地電極層ともいう)は、金属とガラスとを含む。下地電極層の金属としては、たとえば、Cu、Ni、Ag、Pd、Ag−Pd合金、Au等から選ばれる少なくとも1つを含む。また、焼付け層のガラスとしては、B、Si、Ba、Mg、Al、Li等から選ばれる少なくとも1つを含む。下地電極層は、複数層であってもよい。下地電極層は、ガラスおよび金属を含む導電性ペーストを積層体12に塗布して焼き付けたものであり、セラミック層14および内部電極層16と同時に焼成したものでもよく、セラミック層14および内部電極層16を焼成した後に焼き付けたものでもよい。下地電極層のうちの最も厚い部分の厚みは、10μm以上50μm以下であることが好ましい。
第1のめっき層28aは、第1の下地電極層26aを覆うように配置される。具体的には、第1のめっき層28aは、第1の下地電極層26aの表面の第1の端面12eに配置され、第1の下地電極層26aの表面の第1の主面12aおよび第2の主面12bならびに第1の側面12cおよび第2の側面12dにも至るように設けられていることが好ましい。
同様に、第2のめっき層28bは、第2の下地電極層26bを覆うように配置される。具体的には、第2のめっき層28bは、第2の下地電極層26bの表面の第2の端面12fに配置され、第2の下地電極層26bの表面の第1の主面12aおよび第2の主面12bならびに第1の側面12cおよび第2の側面12dにも至るように設けられていることが好ましい。
また、第1のめっき層28aおよび第2のめっき層28b(以下、単にめっき層ともいう)としては、たとえば、Cu、Ni、Sn、Ag、Pd、Ag−Pd合金およびAu等から選ばれる少なくとも1つが用いられる。
めっき層は、複数層によって形成されてもよい。この場合、めっき層は、Niめっき層とSnめっき層の2層構造であることが好ましい。Niめっき層が、下地電極層の表面を覆うように設けられることで、積層セラミックコンデンサ10を実装する際に、実装に用いられるはんだによって下地電極層が侵食されることを防止することができる。また、Niめっき層の表面に、Snめっき層を設けることにより、積層セラミックコンデンサ10を実装する際に、実装に用いられるはんだの濡れ性を向上させ、容易に実装することができる。
めっき層一層あたりの厚みは、1μm以上15μm以下であることが好ましい。
積層体12、第1の外部電極24aおよび第2の外部電極24bを含む積層セラミックコンデンサ10の長さ方向zの寸法をL寸法とし、積層体12、第1の外部電極24aおよび第2の外部電極24bを含む積層セラミックコンデンサ10の積層方向xの寸法をT寸法とし、積層体12、第1の外部電極24aおよび第2の外部電極24bを含む積層セラミックコンデンサ10の幅方向yの寸法をW寸法とする。
積層セラミックコンデンサ10の寸法は、特に限定されないが、長さ方向zのL寸法が1.6mm以上3.2mm以下、幅方向yのW寸法が0.6mm以上2.5mm以下、積層方向xのT寸法が0.6mm以上2.5mm以下である。
2.電子部品の製造方法
次に、本発明にかかる電子部品の製造方法について説明する。ここでは、電子部品のうち、上述した図1に示す積層セラミックコンデンサを例に挙げて説明する。
(1)積層体を準備する工程
まず、誘電体シートおよび内部電極層16を形成するための内部電極用導電性ペーストが準備される。なお、誘電体シートおよび内部電極用導電性ペーストには、有機バインダおよび溶剤が含まれるが、公知の有機バインダや有機溶剤を用いることができる。
そして、誘電体シートの表面に、例えば、所定のパターンで内部電極用導電性ペーストを印刷し、誘電体シートには、内部電極パターンが形成される。なお、内部電極用導電性ペーストは、スクリーン印刷やグラビア印刷などの公知の方法により印刷することができる。
次に、内部電極パターンが印刷されていない外層用誘電体シートが所定枚数積層され、その上に、内部電極パターンが印刷された誘電体シートが順次積層され、その上に、外層用誘電体シートが所定枚数積層され、積層体シートが作製される。
続いて、この積層体シートは、静水圧プレスなどの手段により積層方向xにプレスされ、積層ブロックが作製される。
その後、積層体ブロックが所定の形状寸法に切断され、セラミック層および内部電極層を有する未焼成の積層体チップが切り出される。このとき、バレル研磨などにより積層体の角部や稜線部に丸みがつけられてもよい。
続いて、未焼成の積層体チップを焼成し積層体を作製する。焼成温度は、セラミック層や内部電極層の材料にもよるが、900℃以上1300℃以下であることが好ましい。
(2)外部電極用ペーストを塗布する工程
次に、積層体12の両端面12e,12fに外部電極用ペーストを塗布する。以下、外部電極用ペーストを塗布する方法について、詳細に説明する。
図4は、この発明にかかる電子部品の製造方法に用いられる定盤の断面模式図であり、図5は、この発明にかかる電子部品の製造方法に用いられる定盤に設けられる凸部の配置状態を示す平面図であり、さらに、積層体との位置関係を示す。また、図6は、この発明にかかる電子部品の製造方法に用いられる定盤に設けられる凸部の断面模式図である。さらに、図7は、図1に示した積層セラミックコンデンサの製造方法を説明するための断面模式図であり、積層体を定盤に当接させている状態を示す。
まず、定盤40に外部電極用ペースト42が充填される。図4に示すように、定盤40は、外部電極用ペースト42を充填するためのペースト貯蔵部44を有する。外部電極用ペースト42の粘度は、16Pa・s以上20Pa・s以下であることが好ましい。なお、粘度は、E型粘度計におけるローターの回転数が1rpmで測定したときの粘度を示す。
また、図4および図5に示すように、ペースト貯蔵部44の底面46には、複数の凸部48が設けられている。
定盤40あるいはペースト貯蔵部44の材質は、特に限定されることがないが、SUS304、SUS316、などの金属を用いることができる。
また、ペースト貯蔵部44の底面46に設けられる複数の凸部48は、図5に示すように、千鳥状(互い違い)に配置されている。また、複数の凸部48は、凹湾曲状面を有する積層体12の両端面12e,12fに対して、3以上の凸部48が当接する(入り込む)ように配置されている。
凸部48は、図6に示すように、ペースト貯蔵部44の底面46から上方に向けて径が除々に小さくなるように凸状に形成される。そして、凸部48の先端部分には平坦部49が設けられている。ペースト貯蔵部44の底面46に設けられる凸部48の高さは、特に限定されず、外部電極24の膜の厚みによって調整することができる。たとえば、複数の凸部48の高さは、0.020mm以上0.1mm以下の範囲とすることができる。
複数の凸部48の先端部分における平坦部49の直径は、特に限定されないが、小さければ小さいほどよい。複数の凸部48の先端部分における平坦部49の直径は、たとえば、0.04mm以上0.06mm以下の範囲とすることができる。
複数の凸部48の配置について、より詳細に説明する。
図5に示すように、複数の凸部48は、第1の凸部群48Aと第2の凸部群48Bとを含む。第1の凸部群48Aは、たとえば、直線状に複数の凸部48aが間隔Aを隔てて配置される。また、第2の凸部群48Bは、たとえば、直線状に複数の凸部48bが間隔Aを隔てて配置される。そして、第1の凸部群48Aと第2の凸部群48Bとは、それぞれの凸部48a,48bの配置方向に対して垂直な方向に間隔Bを隔てて交互に配置される。さらに、第1の凸部群48Aの凸部48aと第2の凸部群48Bの凸部48bとは、A/2ずれて配置されている。その結果、ペースト貯蔵部44の底面46に設けられる複数の凸部48は、千鳥状(互い違い)に配置される。
ここで、図5に示すように、各凸部48がペースト貯蔵部44の底面46に設けられる間隔Cは、積層体12の幅方向yの寸法Wおよび積層方向xの寸法Tと、上述した間隔Aおよび間隔Bとの関係を用いることによって、以下の関係式で規定することができる。間隔Cは、第1の凸部群48Aの凸部48aと第2の凸部群48Bの凸部48bとの最短距離をいう。すなわち、
W>A、T>Bの場合、
C=√((A/2)2+B2)=√((A2/4)+B2)、
である。
なお、凸部48の上記の間隔Cは、以下の計算式で規定されていることが好ましい。
積層体12の幅方向yの寸法Wおよび積層体12の積層方向xの寸法Tと、間隔Aおよび間隔Bとの関係が、
W=Tの場合であって、
A=B<W,Tの場合、
C=√((A/2)2+B2)=√((A/2)2+A2)=√(A2/4+A2
=√((5/4)×A2)=A×√(5/4)=(A/2)×√5、
である。
また、積層体12の幅方向yの寸法と積層体12の積層方向xの寸法Tと、間隔Aおよび間隔Bとの関係が、
W<T、またはW>Tの場合であって、
A=B<W、またはA=B<Tの場合、
C=√((A/2)2+B2)=√(A2/4+B2
=√(A2/4+A2/4)=A×√(1/2)、
である。
続いて、積層体12の両端面12e,12fに外部電極ペーストを塗布する方法について説明する。
図8ないし図13において、図1に示した積層セラミックコンデンサの製造方法を説明するための断面模式図を示す。
まず、図8に示すように、第1の保持治具50aの第1の粘着層52aは、積層体12の一方端面(第1の端面12e)を保持し、他方端面(第2の端面12f)が、ペースト貯蔵部44に対向するようにする。第1の保持治具50aは、弾性体により一方端面を弾性保持しても良いし、粘着剤で一方端面を保持してもよい。また、積層体12を保持することが可能な溝の形成された定盤により保持してもよい。
その後、図9に示すように、外部電極用ペースト42が充填されるペースト貯蔵部44に、積層体12の他方端面(第2の端面12f)を浸漬し、他方端面(第2の端面12f)に外部電極用ペースト42を塗布する。この際、ペースト貯蔵部44の底面46に設けられている複数の凸部48が、積層体12の凹湾曲状面の内部に当接(入り込む)ように外部電極用ペースト42を塗布することができる。そのため、積層体12の他方端面(第2の端面12f)と外部電極ペースト42との接触面積を多くすることができるため、積層体12の他方端面(第2の端面12f)と外部電極用ペースト42との濡れ性を確保することができ、積層体12の第2の端面12fの凹湾曲状面に確実に、外部電極用ペースト42を塗布することができる。したがって、外部電極用ペースト42を塗布する際に、積層体12の凹湾曲状面に空気が入り込んだ状態で、外部電極用ペースト42が塗布されてしまうことを防止することができる。
次に、図10に示すように、積層体12を引き上げ、積層体12の他方端面(第2の端面12f)に塗布された外部電極用ペースト42を、積層体12に一方端面(第1の端面12e)を第1の粘着層52aに粘着保持させたまま乾燥させ、第2の下地電極層26bを形成する。
それから、図11に示すように、積層体12の外部電極用ペースト42が塗布された他方端面(第2の端面12f)を、第1の保持治具50aの第1の粘着層52aよりも粘着力の強い、第2の保持治具50bの第2の粘着層52bに押し付けることにより、積層体12は、第1の保持治具50aから第2の保持治具50bに移し替えられる。
続いて、図12に示すように、積層体12の一方端面(第1の端面12e)を、外部電極用ペースト42に浸漬して、積素体12の一方端面(第1の端面12e)に外部電極用ペースト42を塗布する。この際、ペースト貯蔵部44の底面46に設けられている複数の凸部48が、積層体12の凹湾曲状面の内部に当接(入り込む)ように外部電極用ペースト42を塗布することができる。そのため、積層体12の一方端面(第1の端面12e)と外部電極用ペースト42との接触面積を多くすることができるため、積層体12の一方端面(第1の端面12e)と外部電極用ペースト42との濡れ性を確保することができ、積層体12の第1の端面12eの凹湾曲状面に確実に外部電極用ペースト42を塗布することができる。したがって、外部電極用ペースト42を塗布する際に、積層体12の凹湾曲状面に空気が入り込んだ状態で、外部電極用ペースト42が塗布されてしまうことを防止することができる。
その後、図13に示すように、積層体12を引き上げ、積層体12の一方端面(第1の端面12e)に塗布された外部電極用ペースト42を、積層体12の他方端面(第2の端面12f)を第2の粘着層52bに粘着保持させたまま乾燥させ、第1の下地電極層26aを形成する。
続いて、焼付けを行い、外部電極24の下地電極層を形成する。焼付け温度は、700℃以上900℃以下であることが好ましい。
必要に応じて、下地電極層の表面にめっき層を形成する。
上述のようにして、図1に示す積層セラミックコンデンサ10が製造される。
なお、本発明にかかる電子部品の製造方法について、積層セラミックコンデンサ10を製造する場合を例にとって説明したが、本発明は、積層セラミックコンデンサに限らず、積層体の端部に外部電極を備えた種々の電子部品を製造する場合に広く適用することができる。
上述のこの発明にかかる電子部品の製造方法によれば、外部電極用ペースト42が充填されている定盤40のペースト貯蔵部44に、積層体12を浸漬させ、積層体12の両端面12e,12fに外部電極用ペースト42を塗布する工程において、積層体12の両端面12e,12fにおいて、全体的に凹湾曲状面を有していても、積層体12を外部電極用ペースト42に浸漬させる際に、ペースト貯蔵部44の底面46に複数の凸部48が設けられ、その複数の凸部48が、積層体12の両端面12e,12fの凹湾曲状面に当接する(入り込む)ようにして外部電極用ペースト42が塗布されるので、積層体12の両端面12e,12fと外部電極用ペースト42との接触面積を多くすることができることから、積層体12の両端面12e,12fと外部電極用ペースト42の濡れ性を確保することができ、積層体12の両端面12e,12fの凹湾曲状面に確実に外部電極用ペースト42を塗布することができる。したがって、外部電極用ペースト42の塗布の際に、積層体12の両端面12e,12fの凹湾曲状面に空気が入り込んだ状態で外部電極用ペースト42が塗布されてしまうことを抑制することができる。
また、積層体12の両端面12e,12fの凹湾曲状面と定盤40のペースト貯蔵部44の底面46の複数の凸部48との当接具合により、図7に示すように、積層体12を傾けることができ、空気Gを抜けやすくすることができる。
また、上述のこの発明にかかる電子部品の製造方法によれば、定盤40のペースト貯蔵部44の底面46に設けられる複数の凸部48が、千鳥状に配置されているので、積層体12の両端面12e,12fと外部電極用ペースト42との接触面積をより多くすることができるため、積層体12の両端面12e,12fと外部電極用ペースト42の濡れ性を確保することができ、積層体12の両端面12e,12fの凹湾曲状面に確実に外部電極用ペースト42を塗布することができる。
さらに、上述のこの発明にかかる電子部品の製造方法によれば、定盤40のペースト貯蔵部44の底面46に設けられる複数の凸部48が、積層体12の両端部12e,12fの凹湾曲状面に3つ以上当接するように配置されているので、積層体12の両端面12e,12fと外部電極用ペースト42との接触面積をより多くすることができるため、積層体12の両端面12e,12fと外部電極用ペースト42の濡れ性を確保することができ、積層体12の両端面12e,12fの凹湾曲状面に確実に外部電極用ペースト42を塗布することができる。
また、上述のこの発明にかかる電子部品の製造方法によれば、複数の凸部48が、直線状に複数の凸部48aが間隔Aを隔てて配置される第1の凸部群48Aと、直線状に複数の凸部48bが間隔Aを隔てて配置される第2の凸部群48Bとを含み、第1の凸部群48Aと第2の凸部群48Bとが間隔Bを隔てて配置され、かつ、第1の凸部群48Aの凸部48aと第2の凸部群48Bの凸部48bとがA/2ずれて配置している場合に、第1の凸部群48Aの凸部48aと第2の凸部群48Bの凸部48bとの最短距離である間隔Cが、積層体12の幅方向yの寸法Wおよび積層方向xの寸法Tと、上述した間隔Aおよび間隔Bとの関係を用いることによって、
W>A、およびT>Bの場合、
C=√((A2/4)+B2
により規定した場合に、
積層体12の幅方向yの寸法Wおよび積層体12の積層方向xの寸法Tと、間隔Aおよび間隔Bとの関係が、
W=Tの場合であって、
A=B<W,Tの場合、
C=(A/2)×√5
で規定され、
積層体12の幅方向yの寸法と積層体12の積層方向xの寸法Tと、間隔Aおよび間隔Bとの関係が、
W<T、またはW>Tの場合であって、
A=B<W、またはA=B<Tの場合、
C=A×√(1/2)
で規定することで、仮に、積層体12の位置がずれていたり、角度がずれていたりする場合においても、凸部48が積層体12の端面12e,12fに接する設計にすることができる。これにより、本発明の効果をより確実に発揮することができる。
さらにまた、上述のこの発明にかかる電子部品の製造方法によれば、定盤40のペースト貯蔵部44の底面46に設けられる複数の凸部48の高さが、0.020mm以上0.1mm以下の範囲であると、外部電極24の膜の厚みを所望の厚みにすることができる。
また、上述のこの発明にかかる電子部品の製造方法によれば、定盤40のペースト貯蔵部44の底面46に設けられる複数の凸部48の先端部分における平坦部49の直径が、たとえば、0.04mm以上0.06mm以下の範囲であると、より確実に、積層体12の両端面12e,12fの凹湾曲状面に凸部48の先端部分を当接させることができる。
3.実験例
次に、上述した本発明にかかる電子部品の製造方法にしたがって、電子部品として積層セラミックコンデンサを作製し、外部電極の損傷の有無(穴の有無)を確認した。
以下、前述の製造方法を使用して、以下の条件に基づいて実験例の実施例にかかる試料である積層セラミックコンデンサが作製された。すなわち、実施例にかかる試料である積層セラミックコンデンサの作製において、ペースト貯蔵部44の底面46に複数の凸部48を設けた定盤40を用いて、外部電極用ペーストを塗布した試料を用いた。
実施例に用いた試料である積層セラミックコンデンサの仕様は、以下のとおりである。
・積層セラミックコンデンサのサイズ(設計値、外部電極を含む):長さ×幅×高さ=1.6mm×0.8mm×0.8mm
・積層体の端面形状:凹湾曲状面
・セラミック層の材料:BaTiO3
・内部電極の材料:Ni
・外部電極の構造
下地電極層:Cuとガラスを含む
下地電極層を形成する際に用いた外部電極用ペーストの粘度:18Pa・s
めっき層:NiめっきとSnめっきの2層構造
実施例に用いた定盤40の凸部48の詳細は以下のとおりであり、図13に、凸部48の配置関係を示す。
凸部の配置:千鳥状の配置
凸部の高さ:0.05mm
凸部の上面の平坦部の直径:0.05mm
凸部の間隔:A=0.06、B=0.22
また、ペースト貯蔵部の材質には、SUS304を用いた。
また、比較例では、ペースト貯蔵部の底面に凸部を有さない定盤であって、図15に示すような定盤を用いて、積層セラミックコンデンサを準備した。すなわち、比較例における定盤1は、複数の帯状の溝2が定盤1の表面に形成されており、その溝2に外部電極用ペースト3が充填されている。なお、比較例に用いた試料である積層セラミックコンデンサの仕様は、実施例と共通である。
なお、実験例で用いた第1の保持治具および第2の保持治具において、積層体は、弾性体からなる粘着層により保持した。
(外部電極の損傷の確認方法)
外部電極の損傷の確認は、以下の方法により行った。すなわち、積層体の端面に外部電極ペーストを塗布し、乾燥させた後、積層体の端面上の外部電極に斜光を当てながら実体顕微鏡を用いて観察を行い、大きさに関わらず、外部電極表面に円形の穴(窪み)があるものを不良としてカウントした。
実施例および比較例の各試料に対する外部電極の損傷(穴)の発生数(発生率)の確認結果を表1に示す。
表1に示すように、実施例の試料では、外部電極の損傷(穴)は、3300個中43個で確認され、その発生率は1.3%と良好であった。
一方、比較例1の試料では、外部電極の損傷(穴)は、2000個中228個で確認され、その発生率は11.4%と、実施例と比較して、大幅に悪化した。
以上の結果から、本発明にかかる電子部品の製造方法によれば、外部電極用ペーストが充填されている定盤のペースト貯蔵部の底面に複数の凸部が設けられているため、積層体の端面において凹湾曲状面を有している積層体であっても、積層体を外部電極用ペーストに浸漬させる際、定盤のペースト貯蔵部の底面の複数の凸部が、積層体の凹湾曲状面の内部に当接(入り込む)ように外部電極用ペーストを塗布することができる。そのため、積層体の端面と外部電極用ペーストの接触面積を多くすることができることから、積層体の端面と外部電極用ペーストの濡れ性を確保することができ、積層体の凹湾曲状面に確実に外部電極用ペーストを塗布することができたと考えられる。したがって、本実験の結果から、外部電極用ペーストを塗布する際に、積層体の両端面の凹湾曲状面に空気が入り込んだ状態で外部電極用ペーストが塗布されてしまうことを抑制することができることが確認された。
なお、この発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々に変形される。
すなわち、本実施の形態にかかる定盤40のペースト貯蔵部44の底面46に設けられる複数の凸部48は、千鳥状(互い違い)に配置されているが、これに限るものではない。
また、複数の凸部48は、凹湾曲状面を有する積層体12の両端面12e,12fに対して、3以上の凸部48が当接する(入り込む)ように配置されているが、これに限るものではない。
10 積層セラミックコンデンサ
12 積層体
12a 第1の主面
12b 第2の主面
12c 第1の側面
12d 第2の側面
12e 第1の端面
12f 第2の端面
14 セラミック層
14a 外層部
14b 内層部
16 内部電極層
16a 第1の内部電極層
16b 第2の内部電極層
18a 第1の対向電極部
18b 第2の対向電極部
20a 第1の引出電極部
20b 第2の引出電極部
22a 側部(Wギャップ)
22b 端部(Lギャップ)
24 外部電極
24a 第1の外部電極
24b 第2の外部電極
26a 第1の下地電極層
26b 第2の下地電極層
28a 第1のめっき層
28b 第2のめっき層
40 定盤
42 外部電極用ペースト
44 ペースト貯蔵部
46 底面
48,48a,48b 凸部
48A 第1の凸部群
48B 第2の凸部群
49 平坦部
50a 第1の保持治具
50b 第2の保持治具
52a 第1の粘着層
52b 第2の粘着層
G 空気
x 積層方向
y 幅方向
z 長さ方向

Claims (8)

  1. 積層された複数のセラミック層と前記複数のセラミック層と交互に積層される複数の内部電極層とを含み、積層方向に相対する第1の主面および第2の主面と、積層方向に直交する幅方向に相対する第1の側面および第2の側面と、積層方向および幅方向に直交する長さ方向に相対する第1の端面および第2の端面と、を含む積層体と、
    少なくとも前記第1および第2の端面上に配置された外部電極と、を有する電子部品の製造方法であって、
    前記積層体を準備する工程と、
    外部電極用ペーストが充填されている定盤のペースト貯蔵部に、前記積層体を浸漬させ、前記積層体の第1および第2の端面に外部電極用ペーストを塗布する工程と、
    を備え、
    前記積層体は、前記第1の端面および前記第2の端面において、幅方向に見て幅方向全体に亘って凹湾曲状の凹湾曲状面を有しており、
    前記ペースト貯蔵部の底面には、複数の凸部が設けられ、
    前記外部電極用ペーストを塗布する工程では、前記凸部が前記凹湾曲状面に当接する(入り込む)ように前記外部電極用ペーストが塗布される、電子部品の製造方法。
  2. 前記凸部は、千鳥状に配置されている、請求項1に記載の電子部品の製造方法。
  3. 前記凸部は、前記凹湾曲状面に3つ以上当接するように配置されている、請求項1または請求項2に記載に記載の電子部品の製造方法。
  4. 前記凸部は、
    直線状に複数の凸部が間隔Aを隔てて配置される第1の凸部群と、
    直線状に複数の凸部が間隔Aを隔てて配置される第2の凸部群とを含み、
    前記第1の凸部群と前記第2の凸部群とが、間隔Bを隔てて交互に配置され、かつ、前記第1の凸部群の凸部と前記第2の凸部群の凸部とがA/2ずれて配置されている場合に、
    前記第1の凸部群の凸部と前記第2の凸部群の凸部との最短距離である間隔Cは、前記積層体の幅方向の寸法Wおよび積層方向の寸法Tと、前記間隔Aおよび前記間隔Bとの関係により、以下の関係式で規定される、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の電子部品の製造方法。
    W>A、およびT>Bの場合、
    C=√((A2/4)+B2
  5. 前記凸部は、
    直線状に複数の凸部が間隔Aを隔てて配置される第1の凸部群と、
    直線状に複数の凸部が間隔Aを隔てて配置される第2の凸部群とを含み、
    前記第1の凸部群と前記第2の凸部群とが、間隔Bを隔てて交互に配置され、かつ、前記第1の凸部群の凸部と前記第2の凸部群の凸部とがA/2ずれて配置されている場合に、
    前記第1の凸部群の凸部と前記第2の凸部群の凸部との最短距離である間隔Cは、前記積層体の幅方向の寸法Wおよび積層方向の寸法Tと、前記間隔Aおよび前記間隔Bとの関係により、以下の関係式で規定される、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の電子部品の製造方法。
    W=Tであって、
    A=B<W,Tの場合、
    C=(A/2)×√5
  6. 前記凸部は、
    直線状に複数の凸部が間隔Aを隔てて配置される第1の凸部群と、
    直線状に複数の凸部が間隔Aを隔てて配置される第2の凸部群とを含み、
    前記第1の凸部群と前記第2の凸部群とが、間隔Bを隔てて交互に配置され、かつ、前記第1の凸部群の凸部と前記第2の凸部群の凸部とがA/2ずれて配置されている場合に、
    前記第1の凸部群の凸部と前記第2の凸部群の凸部との最短距離である間隔Cは、前記積層体の幅方向の寸法Wおよび積層方向の寸法Tと、前記間隔Aおよび前記間隔Bとの関係により、以下の関係式で規定される、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の電子部品の製造方法。
    W<T、またはW>Tであって、
    A=B<W、またはA=B<Tの場合、
    C=A×√(1/2)
  7. 前記凸部の高さは、0.020mm以上0.1mm以下である、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の電子部品の製造方法。
  8. 前記凸部の先端部分における平坦部が、直径0.04mm以上0.06mm以下である、請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の電子部品の製造方法。
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