JP2018158377A - 無機鋳型およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 注湯時に鋳型からのガス発生がなくブローホール等のガス欠陥を防止し、軽合金から鋳鋼品までの鋳造に利用でき、鋳型の強度調整が可能でかつ崩壊性が優れた無機鋳型とその製造方法を提供する。【解決手段】有機バインダで造形した鋳型に、SiO2/Na2O、SiO2/K2OまたはSiO2/Na2O+K2Oのモル比が3.1以上4.4以下の無機バインダを含浸させ、乾燥後、高温で焼成し有機バインダを焼失させ、無機バインダで鋳型形状を保持した崩壊性の優れた無機鋳型を得る。【選択図】なし
Description
本発明は、鋳型及び鋳型の製造方法に関する。
鋳型にはシェルモールド法やコールドボックス法など有機バインダを使用した鋳型造形法がある。シェルモールド法は鋳物砂に有機バインダがコーティングされたレジンコーテッドサンドを使用した鋳型造形法でレジンコーテッドサンドは型枠への良好な流動性を特徴に持ち、複雑な形状の鋳型を精度良く造形することができ、速硬性など優れた生産性を有し自動車産業をはじめ多くの分野で採用されている。コールドボックス法も有機バインダを用いて硬化剤としてアミンガスで鋳型硬化を行う鋳型造形法でシェルモールド法同様に優れた生産性を有する。
しかしながらシェルモール法やコールドボックス法は、その造形性や優れた生産性を有するという利点はあるものの、鋳造の際に鋳型に使用している有機バインダから高温による燃焼によりガスが発生し、ガス欠陥といわれるブローホール等の重大な欠陥が発生するという欠点があった。
これらを解決しようと、ガス欠陥が発生しない無機鋳型の製造方法として、特開平3−248740号公報では、鋳物砂に有機バインダを加えて造形した鋳型に、SiO2/Na2Oモル比が4.5〜6.0の無機バインダを含浸させ、乾燥後、大気中高温下で有機物を焼失させ、無機粘結剤で鋳型形状を保持するようにした鋳型造形法の記載がある。
しかしながら、特開平3−248740号公報記載の鋳型の製造方法では、無機バインダのSiO2/Na2Oのモル比が4.5〜6.0と高く、モル比が低い無機バインダと比較して短時間でゲル状になりやすく、ゲル化が僅かでも始まると鋳型に含浸ができなくなり、無機鋳型の製造作業上に困難が生じる。
本発明は上記課題に鑑み、その解決課題とするところは、有機バインダを用いた生産性の高い製造方法で鋳型を造形し、管理が容易な無機バインダで処理することで、鋳型の強度調整が可能でかつ崩壊性が優れた無機鋳型を得ることにある。
本発明者は、有機バインダで造形した鋳型をSiO2/Na2O、SiO2/K2OまたはSiO2/Na2O+K2のモル比を特定した無機バインダで処理することでガス欠陥が発生しないかつ崩壊性が優れた無機鋳型を得られることを見いだし、本発明に至った。
すなわち本発明の製造方法によれば、有機バインダを使用して造形した鋳型に対しSiO2/Na2O、SiO2/K2OまたはSiO2/Na2O+K2Oのモル比が3.1以上4.4以下の無機バインダを含浸させ、乾燥後、高温で有機バインダを焼失させることで、無機鋳型を製造することができる。またSiO2/Na2O、SiO2/K2OまたはSiO2/Na2O+K2Oのモル比を変更することにより、無機鋳型の強度を調整できる。
本発明の製造方法によれば、有機バインダで造形した鋳型に無機バインダを含浸させ、乾燥後、高温で焼成することで無機鋳型が得られる。本発明の無機鋳型は、注湯時に鋳型からのガス発生がなくブローホール等のガス欠陥を防止し、軽合金から鋳鋼品までの鋳造に利用でき、鋳型の強度調整が可能で優れた崩壊性を有している。また無機バインダの含浸の際も特別な設備が必要なく、簡易な方法で無機鋳型が製造できる。
なし
以下に、本発明の実施形態について、詳細を説明する。
本発明の無機鋳型は、有機バインダで造形した鋳型に、無機バインダを含浸させ、乾燥後、高温で有機バインダを焼失させ、無機バインダで鋳型形状を保持することで無機鋳型を得られる。
無機バインダは、SiO2/Na2O、SiO2/K2OまたはSiO2/Na2O+K2Oのモル比が3.1以上4.4以下からなるものである。
無機バインダのSiO2/Na2O、SiO2/K2OまたはSiO2/Na2O+K2Oのモル比調整剤としてコロイダルシリカ、苛性ソーダ及び苛性カリが添加することができ、モル比を高くするにつれて鋳型強度をより低くすることが可能となる。
有機バインダはシェルモールド法で用いられるフェノール樹脂の熱硬化樹脂や、コールドボックス法等に使用される自硬性のウレタン樹脂やフラン樹脂、フェノール樹脂が挙げられる。
界面活性剤はノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤または両性界面活性剤を挙げることができ、これらの中からその1種又は2種以上を適宜選択して使用できる。
以下、実施例を示して本発明について具体的に説明するが、本発明が下記実施例により限定されるものでないことはもとよりである。
実施例1
〈試験片の作成〉
シェルモールド法で100mm×10mm×10mmの試験片を作成し、SiO2/Na2Oのモル比が3.5の無機バインダを含浸させ、乾燥後、1000℃で焼成し有機バインダを焼失し試験片を作成した。
〈試験片の作成〉
シェルモールド法で100mm×10mm×10mmの試験片を作成し、SiO2/Na2Oのモル比が3.5の無機バインダを含浸させ、乾燥後、1000℃で焼成し有機バインダを焼失し試験片を作成した。
〈抗折強度試験〉
試験片を3点折り曲げ法にて強度を測定した。
そして強度の評価を、抗折強度が20kgf/cm2未満を×、20kgf/cm2以上30kgf/cm2未満を○、30kgf/cm2以上を◎として評価した。
また、崩壊性の評価を、抗折強度が50kgf/cm2未満を◎、50kgf/cm2以上100kgf/cm2未満を○、101kgf/cm2以上を×として評価した。
これらの結果を表1に示す。
試験片を3点折り曲げ法にて強度を測定した。
そして強度の評価を、抗折強度が20kgf/cm2未満を×、20kgf/cm2以上30kgf/cm2未満を○、30kgf/cm2以上を◎として評価した。
また、崩壊性の評価を、抗折強度が50kgf/cm2未満を◎、50kgf/cm2以上100kgf/cm2未満を○、101kgf/cm2以上を×として評価した。
これらの結果を表1に示す。
実施例2
SiO2/Na2Oのモル比が4.1の無機バインダを使用し、実施例1と同様にして試験片を作成し、強度測定及び評価を行った。これらの結果を表1に示す。
SiO2/Na2Oのモル比が4.1の無機バインダを使用し、実施例1と同様にして試験片を作成し、強度測定及び評価を行った。これらの結果を表1に示す。
比較例1
比較用にSiO2/Na2Oのモル比が6.0の無機バインダを使用し、実施例1と同様にして試験片を作成し、強度測定及び評価を行った。これらの結果を表1に示す。
比較用にSiO2/Na2Oのモル比が6.0の無機バインダを使用し、実施例1と同様にして試験片を作成し、強度測定及び評価を行った。これらの結果を表1に示す。
比較例2
比較用に1号珪酸ソーダ(SiO2/Na2Oモル比6.0)の無機バインダを使用し、実施例1と同様にして試験片を作成し、強度測定及び評価を行った。これらの結果を表1に示す。
比較用に1号珪酸ソーダ(SiO2/Na2Oモル比6.0)の無機バインダを使用し、実施例1と同様にして試験片を作成し、強度測定及び評価を行った。これらの結果を表1に示す。
表1から、実施例1及び2は無機バインダ中のSiO2/Na2Oのモル比を3.1以上4.4以下を範囲として含浸し、焼成を行っているので、鋳造時に必要な鋳型強度を有しかつ崩壊性が良好な無機鋳型となっている。
比較例1はSiO2/Na2Oのモル比6.0の無機バインダを製造した直後から一部ゲル化が始まっており、試験片の外側の部分にしか含浸できず鋳型としての強度が不十分な無機鋳型になっている。比較例2の1号珪酸ソーダは鋳型強度が著しく高く崩壊が困難な無機鋳型になっている。
比較例1はSiO2/Na2Oのモル比6.0の無機バインダを製造した直後から一部ゲル化が始まっており、試験片の外側の部分にしか含浸できず鋳型としての強度が不十分な無機鋳型になっている。比較例2の1号珪酸ソーダは鋳型強度が著しく高く崩壊が困難な無機鋳型になっている。
Claims (6)
- 有機バインダで造形した鋳型に、SiO2/Na2O、SiO2/K2OまたはSiO2/Na2O+K2Oのモル比が3.1以上4.4以下の無機バインダを含浸させ、乾燥後、高温で焼成し有機バインダを焼失させることで無機鋳型を得る製造方法。
- 前記無機バインダが水ガラス系無機高分子からなる請求項1に記載の製造方法。
- 前記無機バインダのモル比調整剤としてコロイダルシリカ、苛性ソーダ及び苛性カリから選択される少なくとも一種を含む請求項1〜2のいずれかに記載の製造方法。
- 前期無機バインダの含浸を、無機バインダに界面活性剤を添加したものを用いて行う請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
- 前期乾燥を自然乾燥、温風乾燥、熱風乾燥またはマイクロ波乾燥により行うことからなる請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
- 前記無機鋳型が鋳造用の主型もしくは中子であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017076284A JP2018158377A (ja) | 2017-03-22 | 2017-03-22 | 無機鋳型およびその製造方法 |
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JP2017076284A Pending JP2018158377A (ja) | 2017-03-22 | 2017-03-22 | 無機鋳型およびその製造方法 |
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2017
- 2017-03-22 JP JP2017076284A patent/JP2018158377A/ja active Pending
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