JP2018156092A - 圧電光偏向器、光走査装置、画像形成装置及び画像投影装置 - Google Patents

圧電光偏向器、光走査装置、画像形成装置及び画像投影装置 Download PDF

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Abstract

【課題】圧電光偏向器において、連続駆動時の偏向ミラーの振幅経時変動の安定性を確保する。
【解決手段】圧電光偏向器は、光反射面を有する可動部10、該可動部10を回転可能に支持する弾性支持部材のトーションバー20a,20b、可動部10及びトーションバー20a,20bを固定ベース40に対して片持ち支持する駆動梁30a,30bを有している。駆動梁20a,20bは、梁状部材31a,31bと該梁状部材31a,31b上に設けられたPZTなどの圧電部材32a,32bからなり、該圧電部材20a,20bに電圧を印加し、駆動梁30a,30bが曲げ変形することで、可動部10が回転変位する。ここで、圧電部材20a,20bの駆動電圧の最小値あるいは最大値を圧電部材の抗電界値から0Vの範囲に設定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、レーザ光等の光ビームを偏向・走査する光偏向器に関し、特に圧電力を用いた圧電光偏向器に関する。さらに、本発明は、この圧電光偏向器を備えた光走査装置、この光走査装置を光書込みユニットとして備える画像形成装置、及び、圧電光偏向器を投影面の走査ユニットとして備える画像投影装置に関する。
レーザ光等の光ビームを偏向・走査する光偏向器は、複写機等の画像形成装置、画像投影装置、さらには、レーザビームプリンタ、バーコードスキャナなどに広く用いられている。従来、この種の光偏向器として、静電力を用いたもの、電磁力を用いたもの、圧電力を用いたものなどが知られている。
静電力を用いた光偏向器は、電極の形状が平行平板型と櫛歯型のものがあり、櫛歯型の電極では近年の微細加工技術の向上によって比較的大きな駆動力を発生できるようにはなったが、十分な光ビームの偏向角が得られないため、駆動電圧を大きくして補うしかない。しかし、駆動電圧を大きくしようとすると、電源系の部品が大きくなり、全体として大型化したり、コストが増加することとなる。
電磁力を用いた光偏向器は、外に永久磁石を配置するため、構造が複雑により、生産性が悪いと共に小型化が困難である。小型化のため磁歪膜などを用いたものも検討されているが、磁性体としての特性が劣るため、十分な偏向角が得られない問題がある。また、コイルに電流を流すと余分な熱が発生し、消費電力が大きくなってしまう。
一方、圧電力を用いた場合は、比較的大きな駆動電圧が必要ではあるが、小さな電力で大きな力を発生させることが可能である。また、圧電材料を梁状弾性部材に張り合わせてユニモルフ構造、バイモルフ構造とすることで、圧電力による面内方向のわずかな歪みを反りに変えることで大きな変形を得ることも可能である。この圧電力を用いた光偏向器(以下、圧電光偏向器という)としては、圧電駆動部を片持ち梁構造とすることで、小型化で駆動効率がよく、より大きな回転振幅を得るようにしたものも提案されている(特許文献1)。
圧電光偏向器では、圧電部材に電圧を印加して発生する圧電力を利用して、駆動梁を介してミラー部を変位させて、レーザ光等を偏向・走査する。この圧電光偏向器に用いられる圧電部材の代表的な材料は、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)である。
ところで、PZTなどの強誘電体に電圧を印加すると、強誘電体内部に電圧が発生することがある。この現象は、インプリントと呼ばれ、主な原因として、電極から電荷が注入され、該電荷がPZT内部を移動して、電荷分布を作ることが考えられる。
インプリント現象は、PZT薄膜等の圧電部材を使用する圧電光偏向器の経時安定動作に影響を及ぼす。すなわち、圧電部材に駆動電圧を一定で印加し続けると、駆動梁の変位量が変化していき、ミラー部の変位量も経時的に変化してしまう。駆動電圧一定に対して、ミラー変位量が経時的に変化すると、例えば、圧電光偏向器をレーザプロジェクタ(画像投影装置)に用いた場合、投影画像サイズが経時的変化してしまうといった問題が生じる。従来の圧電光偏向器では、このようなインプリント現象について考慮されていない。
本発明の課題は、圧電光偏向器において、インプリント現象の進行を低減し、連続駆動時のミラー変位量の経時変動の安定性を向上させることにある。
本発明は、固定ベースと、光反射面を有する可動部と、前記可動部を回転可能に支持する弾性支持部材と、前記可動部及び前記弾性支持部材を前記固定ベースに対して支持する駆動梁とを有し、前記駆動梁は、梁状部材と該梁状部材上に設けられた圧電部材とからなり、前記圧電部材に電圧を印加し、前記駆動梁が曲げ変形することで、前記弾性支持部材に捻り変形が発生して、前記可動部が回転する圧電光偏向器において、前記圧電部材の駆動電圧の最小値を、前記圧電部材の負の抗電界値以上で、かつ0V以下の範囲とし、あるいは前記圧電部材の前記駆動電圧の最大値を、前記圧電部材の正の抗電界値以下で、かつ0V以上の範囲とすることを特徴とする。
本発明の圧電光偏向器によれば、連続駆動時のミラー変位量の経時変動を軽減することが可能になる。
本発明の実施例1の圧電光偏向器の斜視図である。 図1の圧電光偏向器の平面図である。 図1の圧電光偏向器の駆動梁の構成を説明する図である。 チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)のPEヒステリシス特性を示す図である。 PZT膜を用いた圧電光偏向器の駆動電圧とミラー変位の経時変化の関係を示した図である。 本発明の実施例2の圧電光偏向器の平面図である。 本発明の実施例3の2軸圧電光偏向器の斜視図である。 本発明の圧電光偏向器を用いた光走査装置の一例の全体構成図である。 図8の光走査装置の圧電光偏向器と駆動手段の接続を示した図である。 図8の光走査装置を光書込みユニットとして実装した画像形成装置の一例の概略構成図である。 本発明の圧電光偏向器を用いた画像投影装置の一例の概略構成図である。 本発明の実施例7の圧電光偏向器の平面図である。 圧電部材に印加する電圧波形の一例である。 本発明の実施例8の2次元光偏向器の平面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下では、特許文献1に記載のような圧電駆動部を片持ち梁構造とした圧電光偏向器を対象とするが、勿論、本発明はこのような圧電光偏向器に限定されるものではない。
図1に、実施例1に係る圧電光偏向器の斜視図、図2に平面図を示す。図1,図2において、10は可動部であり、レーザ光等を反射させる光反射面としてのミラー部15を有している。可動部10の両端は、該可動部10を回転可能に支持する一対の弾性支持部材としてのトーションバー20a,20bが接続されている。このトーションバー20a,20bの可動部10と反対側の端部は、該トーションバー20a,20bの長手方向と直交する向きを長手方向とした一対の梁状部材31a,31bの一端と接続されている。梁状部材31a,31bの他端は固定ベース40に接続されている。
梁状部材31a,31bは、トーションバー20a,20bの片側にのみ有し、該梁状部材31a,31bで可動部10とトーションバー20a,20bとを固定ベース40に対して片持ち支持した構成となっている。この梁状部材31a,31bの片面に、圧電部材32a,32bが積層され、梁状部材31aと圧電部材32aとで駆動梁30aを形成し、また、梁状部材31bと圧電部材32bとで駆動梁30bを形成している。
圧電部材32a,32bは、それぞれ上部電極及び下部電極を有しているが、図1及び図2には上部電極34a,34bのみが示されている。ここで、圧電部材32a,32bには、後述するように、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)膜が用いられる。
なお、駆動梁30a,30b全体は絶縁層(絶縁膜)で覆われているが、図1及び図2では省略してある。
図3は、駆動梁30aとその近傍の固定ベース40を拡大して示した模式図で、(a)は駆動梁30aを絶縁層で覆う前の平面図、(b)は絶縁層で覆った後の平面図、(c)は(b)のA−A'線の断面図である。なお、駆動梁30bも同様の構成であるので、図示は省略する。
図3に示すように、駆動梁30aは、固定ベース40から突出して形成された梁状部材31a上に、接着層33a、下部電極35a、圧電部材32a、上部電極34a、絶縁層36aの順でスパッタにより成膜し積層して構成される。上部電極34a及び下部電極35aは、それぞれ配線を通してランド部37a,38aに接続され、ランド部37a,38aは外部の駆動回路(不図)と接続される。なお、ランド部37a,38aや配線も、上部電極34a及び下部電極35aと同様にスパッタにより成膜して形成される。
固定ベース40はシリコン(Si)、接着層33aはチタン(Ti)、上部電極34a及び下部電極35aは白金(Pt)、圧電部材32aはチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)が使用される。
薄膜型圧電光偏向器の場合、圧電部材32a,32bのPZTの厚さは、およそ2μm程度である。PZTは電気−機械エネルギーの変換効率が他の圧電材料に比べると良好で、かつ、PZT膜は、スパッタリング法やゾルゲル液のスピンナによる塗布形成法等、一般的な製法で安価に形成することができる。
図1に戻り、圧電部材32a,32bの上部電極と下部電極の間に、電圧を印加すると、圧電部材32a,32bが、その電歪特性によって梁状部材31a,31b表面の面内方向に伸縮し、その結果、駆動梁30a,30bが反って曲げ変形する。駆動梁30a,30bが曲げ変形することで、弾性支持部材としてのトーションバー20a,20bに捻り変形が発生し、可動部10が回転する。
具体的には、上部/下部電極に印加する電圧は正弦波であり、駆動梁30a,30bは曲げ振動する。この駆動梁30a,30bの曲げ振動がトーションバー20a,20bで回転振動(捻り振動)に変換され、可動部10が回転振動する。
図1の構造の圧電光偏向器の場合、トーションバー20a,20bと駆動梁30a,30bの長手方向が直交して配置されているため、駆動梁30a,30bの曲げ振動がトーションバー20a,20bの回転振動(捻り振動)に効率よく変換され、可動部10が大きく回転振動する。また、駆動梁30a,30bはトーションバー20a,20bと可動部10を片持ちした構成となっているため、駆動梁30a,30bの先端は自由に振動することができ、可動部10ではより大きな角度振幅を得ることができる。さらに、駆動部30a,30bは、トーションバー20a,20bの片側にのみ配置されているため、小型化が可能である。
ところで、駆動梁30a,30bの圧電部材32a,32bに用いられるPZTなどの強誘電体に電圧を印加すると、強誘電体に電圧が発生することがある。この現象はインプリントと呼ばれ、主として電極から電荷が注入され、PZT内部を電荷が移動して、電荷分布を作ることに起因する。インプリント現象は、圧電光偏向器の経時安定動作に影響を及ぼす。具体的には、圧電部材に駆動電圧を一定で印加し続けると、ミラー部の変位量(回転量)が経時的に変化してしまう。
そこで、本実施例の圧電光偏向器では、圧電部材32a,32bに印加する駆動電圧の最小値あるいは最大値を、該圧電部材に用いられるPZTの抗電界値から0Vの範囲に設定する。この結果、ミラー部の変位量の経時的変化(振幅経時変動)が軽減される。
図4は、本実施例の圧電光偏向器に用いられるチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)のPEヒステリシス特性を計測した結果である。図4において、縦軸は分極量(P)、横軸は電界(E)である。PZTはゾルゲ法にて製作し、膜厚(PZT膜)は2μmとした。図4より、抗電界値は18.75kV/cm-1であることがわかる。これは、電圧に換算すると、18.75(kV/cm-1)×2(μm)=3.75(V)である。
図5は、本実施例の圧電光偏向器について、圧電部材32a,32bの駆動電圧の振幅値を12.5Vと一定とし、駆動電圧の最小値を0V,−2.50V,−3.75V,−5.0Vと変化させて(このように駆動電圧のオフセット量を設定する)、該圧電光偏向器を長時間動作させた場合の、各駆動電圧(図5(a))とミラー部の振幅経時変動(図5(b))の関係を示した図である。ここで、圧電部材の32a,32bのPZTの膜厚は、図4と同じく2μmである。また、共振周波数は20KHzであり、駆動周波数=共振周波数となるように設定した。
図5より、駆動電圧の最小値を−3.75Vに設定した場合(Cのケース)、ミラー部の振幅経時変動が最小になることがわかる。図4で説明したように、この3.75Vの値は、圧電部材32a,32bのPZTの抗電界値(電圧換算値)に相当する。
駆動電圧の最小値がPZTの抗電界値を下回ると分極反転を起こし、その結果、長時間駆動すると、分離疲労が蓄積され、ミラー部の振幅経時変動が増加する(Dのケース)。一方、駆動電圧の最小値を0V以上にすると、インプリント現象が進行し、PZT内部に電荷が蓄積され、ミラー部の振幅経時変動が増加する(Aのケース)。
以上より、本実施例の圧電光偏向器において、圧電部材の駆動電圧の最小値は、分極反転が起こらないようにPZTの抗電界値以上で、かつ、インプリント現象が進行しないように0V以下にすればよいことが分かる。同様に、駆動電圧の極性を反転させて使用する場合には、駆動電圧の最大値をPZTの抗電界値以下で、かつ、0V以上にすればよいことがわかる。すなわち、圧電部材の駆動電圧の最小値あるいは最大値を、圧電部材に用いられるPZTの抗電界値から0Vの範囲に設定することが好ましいことがわかる。
図6に、実施例2に係る圧電光偏向器の平面図を示す。図6において、図1、図2と同一部分には同一の符号が付されている。全体の構成は実施例1と基本的に同じであるが、本実施例では、駆動梁30a,30bとトーションバー20a,20bの接続部分に切り込み40a,40bが形成されている。詳しくは、駆動梁30a,30bの可動部10側の端部が、トーションバー20a,20bの可動部10と反対側の端部よりも可動部10側に近接するように、駆動梁30a,30bとトーションバー20a,20bの接続部分に切り込み40a,40bが形成されている。
トーションバー20a,20bはバネの特性として非線形性が大きいが、長さが短くなるほど非線形が大きくなり設計が難しくなる。また、トーションバー20a,20bが長いほど、許容変位角度が大きくなる。
本実施例は、トーションバー20a,20bの長さを所望範囲に維持しつつ、スペースが空いた部分に駆動梁30a,30bが配置されることにより、すなわち、駆動梁30a,30bが内側にオフセットされることにより、圧電光偏向器全体を更に小型化できる。これにより、圧電光偏向器をMEMSプロセスで製作する場合、一枚のウエハにおけるとり数が増加するため、低コスト化も可能である。
本実施例の圧電光偏向器においても、駆動梁30a,30bの圧電部材に印加する駆動電圧の最小値あるいは最大値を、該圧電部材に用いられるPZTの抗電界値から0Vの範囲に設定することで、ミラー部15の振幅経時変動を軽減することが可能になる。
図7に、実施例3に係る圧電光偏向器の全体斜視図を示す。これまで説明した圧電光偏向器は、いずれも1軸方向に光を偏向するものであったが、本実施例は2軸方向に光を偏向する構成としたものである。
図7において、10は光を反射させる光反射面としてのミラー部を有する可動部であり、この可動部10の両側には、該可動部10を回転可能に支持する一対の第1の弾性支持部材としての第1のトーションバー120a,120bが接続されている。この第1のトーションバー120a,120bの可動部10と反対側の端部は、該第1のトーションバー120a,120bの長手方向と略直交する向きを長手方向として一対の第1の駆動梁130a,130bが接続されている。第1の駆動梁130a,130bは、梁状部材の片面に圧電部材が積層され、平板短冊状のユニモルフ構造を形成している。この第1の駆動梁130a,130bは、中央に穴が開いている枠状の可動枠140の内側の一辺から同一方向に突出するように配置されて、可動枠140と接続されている。そして、この第1の駆動梁130a,130bは、第1のトーションバー120a,120bの片側にのみ配置され、該駆動梁130a,130bで可動部10と第1のトーションバー120a,120bを可動枠140に対して片持ち支持した構成となっている。
第1の駆動梁130a,130bは、それぞれ上部電極及び下部電極を有しているが、図7では上部電極134a,134bのみを示す。また、これら第1の駆動梁130a,130bの圧電部材にはチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)が用いられる。
可動枠140の両側には、該可動枠140を回転可能に支持する一対の第2の弾性支持部材としてのトーションバー220a,220bが接続されている。第2のトーションバー220a,220bの可動枠140と反対側の端部は、第2のトーションバー220a,220bの長手方向と略直交する向きを長手方向として一対の第2の駆動梁230a,230bが接続されている。第2の駆動梁230a,230bも梁状部材の片面に圧電材料が積層され、平板短冊状のユニモルフ構造を形成している。この第2の駆動梁230a,230bは、固定ベース240から同一方向に突出するように配置されて、固定ベース240と接続されている。この第2の駆動梁230a,230bも、第2のトーションバー220a,220bの片側にのみ配置されており、該第2の駆動梁230a,230bで、可動枠140と第2のトーションバー220a,220bを固定ベース240に対して片持ち支持した構成となっている。第2の駆動梁230a,230bもそれぞれ上部電極及び下部電極を有しているが、図6では省略している。また、該第2の駆動梁230a,230bの圧電部材にもPZTが用いられる。
本実施例では、第1の駆動梁130a,130bの圧電部材の上部電極及び下部電極に電圧を印加し、該第1の駆動梁130a,130bが曲げ変形することで、第1のトーションバー(第1の弾性支持部材)120a,120bに捻り変形が発生して、可動部10が該第1のトーションバー120a,120bの軸周りの第1の方向に回転する。また、第2の駆動梁230a,230bの圧電部材の上部電極及び下部電極に電圧を印加し、該第2の駆動梁230a,230bが曲げ変形することで、第2のトーションバー220a,220bに捻り変形が発生して、可動枠140が該第2のトーションバー220a,220bの軸周りに回転し、可動部10が第2の方向に回転する。ここで、第1のトーションバー120a,120bの軸周りの第1の回転方向と第2のトーションバー220a,220bの軸周りの第2の回転方向の振動モードの固有周波数を異ならせておき、それぞれの周波数で第1の駆動梁130a,130bと第2の駆動梁220a,220bを駆動することで、可動部10を2軸方向に大きく回転させることができる。
一般に、この種の2軸圧電光偏向器は、二次元画像等について、第1の駆動梁130a,130bを駆動して水平方向(X方向)に走査し、第2の駆動梁220a,220bを駆動して垂直方向(Y方向)に走査するような使われ方をする。したがって、第1の駆動梁130a,130bの駆動周波数が、第2の駆動梁220a,220bの駆動周波数より格段に高く設定される。
本実施例の2軸圧電光偏向器においても、例えば、第1の駆動梁130a,130bの圧電部材に印加する駆動電圧の最小値あるいは最大値を、該圧電部材に用いられるPZTの抗電界値から0Vの範囲に設定することで、ミラー部15の振幅経時変動を軽減することが可能になる。
本実施例は、実施例1や実施例2の1軸方向に光を偏向する圧電光偏向器を用いて画像形成装置の光書き込みユニットとしての光走査装置を提供するものである。
図8に本実施例の光走査装置の全体構成図、図9に該光走査装置に用いる圧電光偏向器と駆動手段の接続図を示す。
図8において、レーザ素子としての光源部1020からのレーザ光(光ビーム)は、結像光学系(コリメータレンズ系)1021を経た後、圧電光偏向器1022により偏向される。この圧電光偏向器1022として、実施例1乃至3のいずれかの構成の圧電光偏向器が用いられる。圧電光偏向器1022で偏向されたレーザ光は、その後、第一レンズ1023aと第二レンズ1023b、反射ミラー1023cからなる走査光学系1023を経て感光体ドラム1002等の被走査面にスポット状に照射され結像される。
図9に示すように、圧電光偏向器1022はパッケージ部材1030に収容されている。パッケージ部材1030には、樹脂やセラミック材料が用いられる。パッケージ部材1030に収容された圧電光偏向器1022は駆動手段1024と電気的に連結されている。この駆動手段1024が、圧電光偏向器1022の構成要素である駆動梁の下部電極と上部電極間に駆動電圧を印加する。これにより、圧電光偏向器1022の可動部(ミラー部)が回転してレーザ光が偏向され、被走査面上が光走査される。
本発明の圧電光偏向器を利用した光走査装置は、写真印刷方式のプリンタや複写機などの画像形成装置のための光書込ユニットの構成部材として最適である。
本実施例は、実施例4の光走査装置を光書込みユニットの構成部材として実装した画像形成装置を提供するものである。
図10に本実施例の画像形成装置の一例の全体構成図を示す。図10において、1001が光書込みユニットであり、レーザビームを被走査面に出射して画像を書き込む。1002は光書込みユニット1001による走査対象としての被走査面を提供する像担持体としての感光体ドラムである。
光書込みユニット1001は、記録信号によって変調された1本又は複数本のレーザビームで感光体としての感光体ドラム1002の表面(被走査面)を同ドラムの軸方向に走査する。感光体ドラム1002は矢印1003方向に回転駆動され、帯電手段1004により帯電された表面に、光書込みユニット1001により光走査されることによって、静電潜像(潜像)が形成される。この静電潜像は現像手段1005でトナー像に顕像化され、このトナー像は転写手段1006で記録紙1007に転写される。転写されたトナー像は定着手段1008によって記録紙1007に定着される。感光体ドラム1002の転写手段1006対向部を通過した感光体ドラムの表面部分はクリーニング部1009で残留トナーを除去される。
なお、感光体ドラム1002に代えてベルト状の感光体を用いる構成も可能である。また、トナー像を記録紙以外の転写媒体に一旦転写し、この転写媒体からトナー像を記録紙に転写して定着させる構成とすることも可能である。
光書込みユニット1001は、記録信号によって変調された1本又は複数本のレーザビームを発するレーザ素子としての光源部1020と、レーザビームを変調する光源駆動手段1500と、本発明の1軸方向にレーザビームを偏向する圧電光偏向器1022と、この圧電光偏向器1022の可動部のミラー面に光源部1020からの、記録信号によって変調されたレーザビーム(光ビーム)を結像させるための結像光学系1021と、ミラー面で反射・偏向された1本又は複数本のレーザビームを感光体ドラム1002の表面(被走査面)に結像させるための手段である走査光学系1023などから構成される。圧電光偏向器1022は、その駆動のための集積回路(駆動手段)1024とともに回路基板1025に実装された形で光書込みユニット1001に組み込まれている。なお、圧電光偏向器1022は、実際には図9に示したように、パッケージ部材1030に収容されている。
圧電光偏向器1022は、従来の回転多面鏡に比べ駆動のための消費電力が小さいため、画像形成装置の省電力化に有利である。また、圧電光偏向器1022の可動部の振動時の風切り音は回転多面鏡に比べ小さいため、画像形成装置の静粛性の改善に有利である。さらに、圧電光偏向器1022は、回転多面鏡に比べ設置スペースが圧倒的に少なくて済み、また、発熱量もわずかであるため、小型化が容易であり、したがって画像形成装置の小型化に有利である。
なお、記録紙1007の搬送機構、感光体ドラム1002の駆動機構、現像手段1005、転写手段1006などの制御手段、光源部1020の駆動系などは、従来の画像形成装置と同様でよいため図10では省略されている。
本実施例は、実施例3で説明した2軸方向に光を偏向する圧電光偏向器を実装した画像投影装置を提供するものである。
図11に、本実施例の画像投影装置の一例の全体構成図を示す。図11において、2001−Rは赤色(R)のレーザ光を出射するレーザ光源、2001−Gは緑色(G)のレーザ光を出射するレーザ光源、2001−Bは青色(B)のレーザ光を出射するレーザ光源である。これらレーザ光源2001−R,2001−G,2001−Bから出射されたR,G,Bのレーザ光はクロスダイクロイックプリズム2002によって合成され、2軸用圧電光偏向器2003の反射面に入射される。2軸用圧電光偏向器2003は反射面に入力した合成レーザ光を2軸方向(主走査/副走査方向)に偏向・走査して投影面(スクリーン)2004に投影する。レーザ光源2001−R,2001−G,2001−Bから出射されるR,G,Bのレーザ光は、図示しない光源駆動手段により、表示画像の各色成分について、2軸用圧電光偏向器2003の二次元偏向走査のタイミングに合わせて強度変調(パルス幅変調、振幅変調等)されている。これにより、投影面2004に二次元の画像情報が投影される。
ここで、2軸用圧電光偏向器2003は、図7に示したような構成である。X方向(主走査方向)は、第1の駆動梁103a,130bを共振周波数で駆動して、共振特性を利用して可動部10を高速に回転振幅させる。一方、Y方向(副走査方向)は、第2の駆動梁230a,230bを共振周波数より低い周波数で駆動して、可動枠140を低速に回転振幅させる。すなわち、X方向振動とY方向駆動の周波数の差が十分に大きくなるようにする。これにより、X軸方向とY軸方向で大きな速度差が得られるようになる。したがって、2軸用圧電光偏向器2003により2次元的に光ビームを走査し、投射面(スクリーン)2004上に2次元的に画像を投影することができる。
画像投影装置においても、光偏向手段には、ポリゴンミラーなどの回転走査ミラーを使用することもできるが、2軸用圧電光偏向器2003は、回転走査ミラーに比べ駆動のための消費電力が小さいため、画像投影装置の省電力に有利である。また、2軸用圧電光偏向器2003の可動部の振動時の風切り音は回転走査ミラーに比べて小さいため、画像投影装置の静粛性の改善に有利である。さらに2軸用圧電光偏向器2003は、回転走査ミラーに比べ設置スペースが圧倒的に少なくて済み、また、発熱量もわずかであるため、小型化が容易であり、したがって、画像投影装置の小型化に有利である。
なお、図11では、カラー画像を投影する構成例を示したが、レーザ光源を一つとすることで、白黒の画像を投影する場合にも適応可能である。
図12に、実施例7に係る圧電光偏向器の平面図を示す。図12において、図1、図2と同一部分には同一の符号が付されている。全体の構成は実施例1と基本的に同じであるが、本実施例では、駆動梁11a、11bが蛇行状に形成されている。
図12に示す様に、駆動梁11a、11bは、折り返し部14、15と、折り返し部間に設けられた梁状部材16、17とを有する蛇行状部材と、梁状部材16、17上に設けられた圧電部材13A、13Bから構成される。圧電部材13Aと圧電部材13Bとは、交互に設けられている。梁状部材16、17は、回転軸X−Xに垂直な方向に設けられている。
例えば、折り返し部14x1と折り返し部15x1との間には、梁状部材16x1が設けられている。折り返し部14x2と折り返し部15x2との間には、梁状部材16x2が設けられている。折り返し部14x3と折り返し部15x3との間には、梁状部材16x3が設けられている。
又、例えば、折り返し部15x1と折り返し部14x2との間には、梁状部材17x1が設けられている。折り返し部15x2と折り返し部14x3との間には、梁状部材17x2が設けられている。折り返し部15x3と折り返し部14x3との間には、梁状部材17x3が設けられている。
又、例えば、梁状部材16x1、16x2、16x3上には、圧電部材13Aが設けられ、例えば、梁状部材17x1、17x2、17x3上には、圧電部材13Bが設けられている。
本実施例では、圧電部材13Aと圧電部材13Bとに、それぞれ別の電圧を印加する。ここで、図13に、圧電部材13A及び圧電部材13Bに印加する電圧の信号波形を示す。横軸は時間であり、縦軸は印加電圧である。
図13に示す様に、圧電部材13Aには、信号波形aの電圧を印加し、圧電部材13Bには、信号波形bの電圧を印加する。
信号波形a及び信号波形bから明らかな様に、圧電部材13Aと圧電部材13Bとには、等しい電圧が印加される場合もあるし、異なる電圧が印加される場合もある。
各梁状部材に上に設けられた圧電部材に、信号波形a及び信号波形bの電圧が印加されることにより、駆動梁11a、11bは、カンチレバーとして動作し、可動部(ミラー部)10が回転駆動する。つまり、駆動梁11a、11bを、Y方向(副走査方向)へ駆動させ(非共振駆動)、光走査を行うことができる。
なお、圧電部材13A及び圧電部材13Bに印加する電圧の信号波形を制御することで、副走査方向の速度ムラを低減させることが可能である。例えば、信号波形aと信号波形bとが異なる「のこぎり波」となる様に印加電圧を調整して、信号波形aと信号波形bとの位相をずらすことで、副走査方向の速度を変更することができる。
上述の様に、圧電光偏向器に備えられる駆動梁を蛇行状に形成し、複数の圧電部材に印加する電圧を制御することで、副走査方向の非共振駆動により光走査を行うことができる。
図14に、実施例8に係る2次元光偏向器の平面図を示す。図14において、図12と同一部分には同一の符号が付されている。全体の構成は実施例7と基本的に同じであるが、本実施例では、可動部を、X軸周りだけでなく、Y軸周りにも回転振動させている。これにより、2軸方向での光走査が可能になる。
図14に示す様に、レーザ光を反射させる可動部(反射ミラー部)20は、一対のトーションバー21a、21bで支持されている。トーションバー21a(21b)の端部は、圧電カンチレバー22a(22b)の一端で支持され、圧電カンチレバー22a(22b)の他端は、可動枠23で支持されている。可動枠23は、駆動梁11a、11bの一端で支持され、駆動梁11a、11bの他端は、枠部材25で支持されている。各梁状部材上には圧電部材13が独立して設けられている。
[Y軸周りの回転]
2次元光偏向器において、圧電カンチレバー22a、22bを駆動させると、可動部20を支持するトーションバー21a、21bにねじれが発生する。これにより、可動部20は、Y軸周りに回転振動する。
圧電カンチレバー22a、22bに印加する電圧を正弦波とすることで、圧電カンチレバー22a、22bは、曲げ振動する。つまり、この圧電カンチレバー22a、22bの曲げ振動がトーションバー21a、21bで回転振動(捻り振動)に変換されることにより、可動部20が回転振動する。可動部20の回転は、共振(機械的共振)駆動となる。
例えば、印加電圧を約20kHzの正弦波電圧としてもよい。この場合、可動部20がトーションバー21a、21bのねじれにより約20kHzで回動し、可動部20の回動角度は、±15°程度となる。
[X軸周りの回転]
2次元光偏向器において、駆動梁11a、11bを駆動させると、可動枠23がX軸周りに回転し、可動部20は、X軸周りに回転振動する。
圧電部材13A、13Bに印加する電圧を、のこぎり波(図13参照)とすることで、各梁状部材は、変形する。つまり、各梁状部材の変形が累積して、蛇行状部材にも変形が発生することにより、駆動梁11a、11bはカンチレバーとして動作し、これにより、可動部20が回転振動する。可動部20の回転は、非共振駆動となる。なお、のこぎり波の位相、及び圧電部材13Aに印加する電圧と圧電部材13Bに印加する電圧との間の最大電位差を調整することで、駆動梁11a、11bの回転振動は、制御可能である。
例えば、約60Hzの、のこぎり波電圧を印加してもよい。のこぎり波電圧は、共振周波数との関係を考慮して、駆動周波数を数Hz程度シフトさせることも可能である。
この場合、圧電部材の駆動電圧の最小値を、分極反転が起こらないようにPZTの抗電界値以上で、且つ、インプリント現象が進行しないように0V以下とすることが好ましい。なお、駆動電圧の極性を反転させる場合、同様にして、圧電部材の駆動電圧の最大値を、PZTの抗電界値以下で、且つ、0V以上とすることが好ましい。
圧電部材13A及び圧電部材13Bに印加する電圧を緻密に制御することで、副走査方向における均一性の高い光走査が可能になる。
上述の様に、Y軸周りの機械的共振駆動による正弦波振動と、X軸周りの非共振駆動による回転振動を利用して、可動部20を駆動させることにより、2軸方向での光走査が可能な2次元光偏向器を実現できる。又、2次元光偏向器において、非共振駆動に対しても、インプリント現象の進行を低減し、連続駆動時のミラー部の変位量の経時変動の安定性を向上させることができる。
10 可動部
15 ミラー部
20a,20b トーションバー(弾性支持部材)
30a,30b 駆動梁
31a,31b 梁状部材
32a,32b 圧電部材
34a,34b 上部電極
35a 下部電極
36a 絶縁層(絶縁膜)
40 固定ベース
120a,120b 第1のトーションバー(第1の弾性支持部材)
130a,130b 第1の駆動梁
140 可動枠
220a,220b 第2のトーションバー(第2の弾性支持部材)
230a,230b 第2の駆動梁
134a,134b 上部電極
240 固定ベース
特開2011−018026号公報
本発明の課題は、圧電光偏向器において、連続駆動時のミラー変位量の経時変動の安定性を向上させることにある。
本発明は、固定ベースと、ミラーを有する可動部と、前記可動部を支持する弾性支持部材と、前記弾性支持部材を前記固定ベースに支持する駆動梁とを有し、前記駆動梁は、梁状部材と該梁状部材上に設けられた圧電部材とで形成され前記駆動梁は上部電極及び下部電極を有する圧電光偏向器において、前記駆動梁の一端は前記弾性支持部材と接続され、前記駆動梁の他端は前記固定ベースに接続されており、前記上部電極の前記一端の側の角部が面取り形状になっていることを特徴とする。

Claims (9)

  1. 固定ベースと、光反射面を有する可動部と、前記可動部を回転可能に支持する弾性支持
    部材と、前記可動部及び前記弾性支持部材を前記固定ベースに対して支持する駆動梁とを
    有し、
    前記駆動梁は、梁状部材と該梁状部材上に設けられた圧電部材とからなり、前記圧電部
    材に電圧を印加し、前記駆動梁が曲げ変形することで、前記弾性支持部材に捻り変形が発
    生して、前記可動部が回転する圧電光偏向器において、
    前記圧電部材の駆動電圧の最小値を、前記圧電部材の負の抗電界値以上で、かつ0V以下の範囲とし、あるいは前記圧電部材の前記駆動電圧の最大値を、前記圧電部材の正の抗電界値以下で、かつ0V以上の範囲とすることを特徴とする圧電光偏向器。
  2. 固定ベースと、光反射面を有する可動部と、前記可動部を回転可能に支持する弾性支持
    部材と、前記可動部及び前記弾性支持部材を前記固定ベースに対して支持する駆動梁とを
    有し、
    前記駆動梁は、梁状部材と該梁状部材上に設けられた圧電部材とからなり、前記圧電部
    材に電圧を印加し、前記駆動梁が曲げ変形することで、前記弾性支持部材に捻り変形が発
    生して、前記可動部が回転する圧電光偏向器において、
    前記圧電部材の駆動電圧の最小値を、前記圧電部材の負の抗電界値以上で、かつ0V以下の範囲とし、前記駆動電圧の極性を反転させて使用する場合には、前記圧電部材の前記駆動電圧の最大値を、前記圧電部材の正の抗電界値以下で、かつ0V以上の範囲とすることを特徴とする圧電光偏向器。
  3. 一対の前記駆動梁により、前記可動部及び前記弾性支持部材が前記固定ベースに対して片持ち支持されていることを特徴とする請求項1、又は2に記載の圧電光偏向器。
  4. 前記圧電部材はチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を用いていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の圧電光偏向器。
  5. 可動枠と、光反射面を有する可動部と、前記可動部を回転可能に支持する第1の弾性支持部材と、前記可動部及び前記第1の弾性支持部材を前記可動枠に対して支持する第1の駆動梁と、
    固定ベースと、前記可動枠を回転可能に支持する第2の弾性支持部材と、前記可動枠及び前記第2の弾性支持部材を前記固定ベースに対して支持する第2の駆動梁とを有し、
    前記第1の駆動梁及び前記第2の駆動梁は、各々、梁状部材と該梁状部材上に設けられた圧電部材とからなり、
    前記第1の駆動梁の圧電部材に電圧を印加し、前記第1の駆動梁が曲げ変形することで、前記第1の弾性支持部材に捻り変形が発生して、前記可動部が第1の方向に回転し、
    前記第2の駆動梁の圧電部材の上部電極及び下部電極に電圧を印加し、前記第2の駆動梁が曲げ変形することで、前記第2の弾性支持部材に捻り変形が発生して、前記可動枠が回転して、前記可動部が第2の方向に回転する圧電光偏向器において、
    少なくとも前記第1の駆動梁における前記圧電部材の駆動電圧の最小値を、前記圧電部材の負の抗電界値以上で、かつ0V以下の範囲とし、あるいは前記圧電部材の前記駆動電圧の最大値を、前記圧電部材の正の抗電界値以下で、かつ0V以上の範囲とすることを特徴とする圧電光偏向器。
  6. 光源と、光源からの光ビームを偏向走査させる請求項1乃至4のいずれか1項記載の圧電光偏向器と、該圧電光偏向器で偏向走査された光ビームを被走査面にスポット状に結像する走査光学系とを備えることを特徴とする光走査装置。
  7. 請求項6記載の光走査装置と、光ビームの走査により潜像を形成する感光体と、潜像をトナーで顕像化する現像手段と、トナー像を記録紙に転写する転写手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項5に記載の圧電光偏向器を有し、該圧電光偏向器により光ビームを偏向・走査して、投影面に画像を投影することを特徴とする画像投影装置。
  9. 可動枠と、光反射面を有する可動部と、前記可動部を回転可能に支持する第1の弾性支持部材と、前記可動部及び前記第1の弾性支持部材を前記可動枠に対して支持する第1の駆動梁と、
    固定ベースと、前記可動枠を回転可能に支持する第2の弾性支持部材と、前記可動枠及び前記第2の弾性支持部材を前記固定ベースに対して支持する第2の駆動梁とを有し、
    前記第1の駆動梁は、梁状部材と、該梁状部材上に設けられた圧電部材とからなり、
    前記第2の駆動梁は、複数の折り返し部及び前記折り返し部間に設けられた梁状部材を有する蛇行状部材と、該梁状部材上に設けられた圧電部材とからなり、
    前記第1の駆動梁の圧電部材に電圧を印加し、前記第1の駆動梁が曲げ変形することで、前記第1の弾性支持部材に捻り変形が発生して、前記可動部が第1の方向に回転し、
    前記第2の駆動梁の圧電部材に電圧を印加し、前記梁状部材の変形が累積して前記蛇行状部材に変形が発生することで、前記可動枠が回転して、前記可動部が第2の方向に回転する圧電光偏向器において、
    少なくとも前記第1の駆動梁における前記圧電部材の駆動電圧の最小値を、前記圧電部材の負の抗電界値以上で、かつ0V以下の範囲とし、あるいは前記圧電部材の前記駆動電圧の最大値を、前記圧電部材の正の抗電界値以下で、かつ0V以上の範囲とすることを特徴とする圧電光偏向器。
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