JP2018155790A - 証票用原紙及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】和紙の風合いを有する証票を製造するための証票用原紙として好適に用いることを可能とする。【解決手段】証票用原紙10は、再湿接着性を有する第1主面11と、第1主面11とは反対側に位置し、印刷層が積層される第2主面12とを有する。証票用原紙10は、基材層13と、装飾繊維層14と、基材層13と装飾繊維層14とを貼り合わせている合成樹脂フィルム層15とを備える。基材層13は、木材パルプを含有する基材繊維層と基材繊維層に含浸されたアクリル系樹脂とを有する。装飾繊維層14は、靭皮繊維及び葉脈繊維の少なくとも一方の非木材繊維と、再生繊維とを含有する。証票用原紙10の第1主面11は、基材層13に積層された再湿接着層16により構成される。証票用原紙10の第2主面12は、装飾繊維層14により構成される。【選択図】図1

Description

本発明は、切手等の証票を製造するために用いられる証票用原紙及びその製造方法に関する。
例えば、切手、印紙、収入証紙等の証票を製造するために用いられる証票用原紙は、再湿接着性を有する第1主面と、第1主面とは反対側であり、印刷層が積層される第2主面とを有している。特許文献1には、木材パルプを原料とした紙や塗工紙から構成した基材と再湿接着層とを有する証票用原紙が開示されている。
特開2000−170098号公報
切手、印紙、収入証紙等の証票に和紙の風合いを持たせようとした場合、証票用原紙の基材を繊維長の比較的長い繊維から構成することが考えられる。ところが、和紙の風合いを有する基材は、従来の木材パルプを原料とした基材よりもポーラスな構造となる。このため、基材に再湿接着層を積層する際に、再湿接着剤を塗布した主面とは反対側の主面まで再湿接着剤が浸透することで、再湿接着層の接着力が得られ難くなる。
そこで、和紙の風合いを有する基材への再湿接着剤の浸透を防ぐことを目的として、基材と再湿接着層との間に合成樹脂フィルムを設けた証票用原紙を試作した。ところが、この証票用原紙では、和紙の風合いが維持されるものの、印刷層を積層した際に再湿接着層側が内側となって大きく湾曲するカールが発生した。
以上のように、証票用原紙に和紙の風合いを持たせようとした場合、証票用原紙として好適に用いるための性能が得られない。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、和紙の風合いを有する証票を得るために好適に用いることを可能とした証票用原紙及びその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決する証票用原紙は、再湿接着性を有する第1主面と、前記第1主面とは反対側に位置し、印刷層が積層される第2主面とを有する証票用原紙であって、木材パルプを含有する基材繊維層と前記基材繊維層に含浸されたアクリル系樹脂とを有する基材層と、靭皮繊維及び葉脈繊維の少なくとも一方の非木材繊維と再生繊維とを含有する装飾繊維層と、前記基材層と前記装飾繊維層とを貼り合わせている合成樹脂フィルム層とを備え、前記第1主面は、前記基材層に積層された再湿接着層により構成され、前記第2主面は、前記装飾繊維層により構成されている。
上記証票用原紙において、前記基材繊維層を構成する繊維中における針葉樹パルプの含有量は、90質量%以上であり、前記装飾繊維層を構成する繊維中における前記非木材繊維の含有量は、70質量%以上、95質量%以下の範囲であるとともに、前記再生繊維の含有量は、5質量%以上、30質量%以下の範囲であり、前記合成樹脂フィルム層の厚さは、10μm以上、30μm以下であることが好ましい。
上記証票用原紙の製造方法は、前記基材層と前記再湿接着層とが積層された積層シートと、前記装飾繊維層となる装飾繊維シートとの間で溶融合成樹脂を挟み込むサンドラミネート工程を備え、前記サンドラミネート工程において、前記基材層と前記装飾繊維層との間に前記合成樹脂フィルム層を形成することが好ましい。
本発明によれば、和紙の風合いを有する証票を得るための証票用原紙として好適に用いることが可能となる。
証票用原紙の積層構造を示す概略図である。 証票用原紙の製造方法の一例を示す概略図である。
以下、本発明の証票用原紙及びその製造方法の実施形態について図面を参照して説明する。なお、図面では、証票用原紙の各層の厚さを誇張して表現している。
図1に示すように、証票用原紙10は、再湿接着性を有する第1主面11と、第1主面11とは反対側に位置し、印刷層が積層される第2主面12とを有する。
証票用原紙10は、基材層13と、装飾繊維層14と、基材層13と装飾層とを貼り合わせている合成樹脂フィルム層15とを備えている。証票用原紙10の第1主面11は、基材層13に積層された再湿接着層16により構成されている。証票用原紙10の第2主面12は、装飾繊維層14により構成されている。
<基材層13>
基材層13は、木材パルプを含有する基材繊維層と、基材繊維層に含浸されたアクリル系樹脂とを有している。木材パルプとしては、例えば、針葉樹パルプ(N−BKP)、及び広葉樹パルプ(L−BKP)が挙げられる。木材パルプは、古紙を再生した再生木材パルプであってもよい。基材繊維層は、一種の木材パルプを含有していてもよいし、複数種の木材パルプを含有していてもよい。
木材パルプの叩解度は、JIS P8121−1(2012)に規定されるショッパー・リーグラろ水度において、10°SR以上、50°SR以下の範囲であることが好ましい。
基材繊維層は、非木材パルプや木材パルプ以外の繊維を含有していてもよい。基材繊維層の繊維中における木材パルプの含有量は、90質量%以上であることが好ましく、針葉樹パルプの含有量が90質量%以上であることがより好ましい。なお、基材繊維層には、通常の紙に使用される填料や紙力向上剤等の添加剤を含有させることもできる。
基材繊維層の坪量は、20g/m以上、40g/m以下の範囲であることが好ましい。
アクリル系樹脂は、基材繊維層を構成する木材パルプ繊維間に入り込む目止め剤として用いられている。アクリル系樹脂としては、例えば、アクリル酸エステル樹脂、及びメタクリル酸エステル樹脂、スチレン−アクリル共重合体樹脂が挙げられる。アクリル系樹脂は、例えば、溶剤型又はエマルジョン型のアクリル系樹脂を用いることができる。アクリル樹脂の含浸量は、5g/m以上、15g/m以下の範囲であることが好ましい。
<装飾繊維層14>
装飾繊維層14は、和紙の風合いを有している。装飾繊維層14は、靭皮繊維及び葉脈繊維の少なくとも一方の非木材繊維と、再生繊維とを含有する。靭皮繊維としては、例えば、亜麻、三椏、及び楮が挙げられる。葉脈繊維としては、例えば、マニラ麻、及びサイザル麻が挙げられる。この非木材繊維の叩解度は、JIS P8121−1(2012)に規定されるショッパー・リーグラろ水度において、10°SR以上、30°SR以下の範囲であることが好ましい。この非木材繊維のショッパー・リーグラろ水度が10°SR以上の場合、装飾繊維層14の外面の平滑性が高まることで、印刷適性がより高まる。この非木材繊維のショッパー・リーグラろ水度が30°SR以下の場合、和紙の風合いを向上させることができる。
再生繊維としては、例えば、レーヨン、ポリノジック、及びキュプラが挙げられる。再生繊維の繊度は、0.1dtx以上、2dtx以下の範囲であることが好ましい。再生繊維の平均繊維長は、2mm以上、20mm以下の範囲であることが好ましい。
装飾繊維層14を構成する非木材繊維は、葉脈繊維を含むことが好ましい。装飾繊維層14を構成する非木材繊維は、レーヨンを含むことが好ましい。
装飾繊維層14を構成する繊維中における上記非木材繊維の含有量は、70質量%以上、95質量%以下の範囲であることが好ましく、葉脈繊維の含有量が、70質量%以上、95質量%以下の範囲であることがより好ましい。装飾繊維層14を構成する繊維中における上記非木材繊維の含有量を高めるほど、和紙の風合いが向上する。
装飾繊維層14を構成する繊維中における再生繊維の含有量は、5質量%以上、30質量%以下の範囲であることが好ましく、レーヨンの含有量が、5質量%以上、30質量%以下の範囲であることがより好ましい。装飾繊維層14を構成する繊維中における再生繊維の含有量を高めるほど、装飾繊維層14の柔軟性が高まり、証票用原紙10の取り扱い性が向上する。なお、装飾繊維層14には、和紙の風合いが著しく損なわれない範囲で、例えば、木材パルプを含有させることもできる。装飾繊維層14の坪量は、20g/m以上、40g/m以下の範囲であることが好ましい。
<合成樹脂フィルム層15>
合成樹脂フィルム層15は、基材層13と装飾繊維層14との間に配置されている。合成樹脂フィルム層15の合成樹脂としては、例えば、ポリオレフィン、ポリエステル、及びポリアミドが挙げられる。ポリオレフィンとしては、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、及びポリプロピレン(PP)が挙げられる。ポリエステルとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)が挙げられる。ポリアミドとしては、例えば、ポリアミド6、及びポリアミド66が挙げられる。合成樹脂フィルム層15は、単層構造でもよいし、複層構造であってもよい。合成樹脂フィルム層15の合成樹脂は、ポリオレフィンであることが好ましい。合成樹脂フィルム層15の厚さは、10μm以上、30μm以下の範囲であることが好ましい。合成樹脂フィルム層15の坪量は、9.1g/m以上、27g/m以下の範囲であることが好ましい。
<再湿接着層16>
再湿接着層16は、基材層13において、合成樹脂フィルム層15とは反対側の外面に積層されている。再湿接着層16は、周知の再湿接着剤を塗布することで形成することができる。再湿接着層16は、接着成分として、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、及びポリ酢酸ビニル(PVAc)を含有する。再湿接着層16には、例えば、ソルビット等の添加剤を含有させてもよい。再湿接着層16の塗布量は、乾燥質量において、5g/m以上、22g/m以下の範囲であることが好ましく、より好ましくは5g/m以上、20g/m以下の範囲である。
<証票用原紙10>
以上のように構成された証票用原紙10の坪量は、60g/m以上、120g/m以下であることが好ましい。証票用原紙10の坪量が60g/m以上の場合、紙力が増すことで、証票の製造が容易となる。証票用原紙10の坪量が120g/m以下の場合、証票用原紙10(証票)の輸送効率を高めることができる。証票用原紙10は、ロール状に巻き取られた状態で保管や輸送することができる。
証票用原紙10の第2主面12は、絵柄、文字等の印刷が施される面である。証票用原紙10の第2主面12には、印刷が施されることで印刷層が積層される。印刷層が積層された証票用原紙10に必要に応じて目打等の加工が施されることで、証票が得られる。印刷法としては、例えば、グラビア印刷等の凹版印刷、及びオフセット印刷が挙げられる。印刷工程は、ロール状に巻き取られている証票用原紙10を繰り出すことで連続的に行うことができる。証票用原紙10の目打には、周知のくし型穿孔装置やロータリー型穿孔装置を用いることができる。証票としては、例えば、切手、印紙、及び収入証紙が挙げられる。
証票用原紙10は、和紙の風合いに優れるという観点から、例えば、以下の物性値を有していることが好ましい。
証票用原紙10のベック平滑度(JIS P8119(1998))は、100秒以下であることが好ましい。証票用原紙10の光沢度(JIS P8142(2005))は、25%以下であることが好ましい。証票用原紙10のISO白色度(JIS P8148(2001))は、70%以下であることが好ましい。証票用原紙10の算術平均表面粗さ(JIS B0601(2013))は、MD及びCDのいずれも5以上であることが好ましい。
<証票用原紙10の製造方法>
次に、証票用原紙10の製造方法について説明する。
証票用原紙10を製造するには、まず、基材層13と再湿接着層16が積層された積層シートと、装飾繊維層14となる装飾繊維シートとを準備する。
積層シートは、基材層13となる基材シートに再湿接着層16を積層することで得られる。基材シートは、基材繊維層となる基材繊維シートにアクリル系樹脂を常法に従って含浸することで得られる。
上述した基材繊維層となる基材繊維シート、及び装飾繊維層14となる装飾繊維シートは、湿式抄紙法により製造することができる。湿式抄紙法に用いる抄紙機としては、シートにおける流れ方向(MD)の物性と幅方向(CD)の物性との異方性を低減し、証票用原紙10のカールをより抑えるという観点から、短網抄紙機、長網抄紙機、傾斜抄紙機、及び円網抄紙機から選ばれる少なくとも一種を好適に用いることができる。基材繊維シート及び装飾繊維シートの幅方向(CD)における引張強度S1に対する流れ方向(MD)における引張強度S2の強度比(強度比=S2/S1)は、1以上、3以下であることが好ましい。
再湿接着層16は、基材シートに再湿接着剤を塗工することで形成することができる。再湿接着剤の塗工には、周知のコーターを用いることができる。再湿接着剤の塗工に用いるコーターとしては、例えば、ブレードコーター、ロールコーター、エアナイフコーター、及びグラビアコーターが挙げられる。
証票用原紙10の製造方法では、上記のように準備した積層シートと装飾繊維シートとを合成樹脂フィルム層15によって貼り合わせる。積層シートと合成樹脂フィルム層15との接着、及び装飾繊維シートと合成樹脂フィルム層15との接着は、例えば、ドライラミネート法や押出ラミネート法を用いることができる。積層シートと合成樹脂フィルム層15との接着、及び装飾繊維シートと合成樹脂フィルム層15との接着には、証票用原紙10に適度な柔軟性を持たせるという観点から、いずれも押出ラミネート法を用いることが好ましい。すなわち、積層シートと装飾繊維シートとは、溶融合成樹脂を用いたサンドラミネート法により貼り合わせることが好ましい。
図2には、サンドラミネート工程の一例を示している。サンドラミネート工程は、積層シート17と装飾繊維シート18との間で溶融合成樹脂Mを挟み込む工程である。詳述すると、サンドラミネート工程では、積層シート17と装飾繊維シート18とを一定の速度で搬送しつつ、積層シート17を構成する基材層13と装飾繊維シート18との間にTダイから溶融合成樹脂Mを押し出す。次に、積層シート17、溶融合成樹脂M、及び装飾繊維シート18を、図示を省略したローラーで挟み込むとともに溶融合成樹脂Mを冷却する。このサンドラミネート工程において、基材層13と装飾繊維層14との間に合成樹脂フィルム層15を形成することで、証票用原紙10が得られる。
以上詳述した実施形態によれば、次のような作用効果が発揮される。
(1)本実施形態の証票用原紙10の装飾繊維層14は、靭皮繊維及び葉脈繊維の少なくとも一方の非木材繊維と再生繊維とを含有しているため、和紙の風合いを有する。証票用原紙10は、装飾繊維層14に加えて、木材パルプを含有する基材層13と、合成樹脂フィルム層15とを有している。これにより、証票用原紙10のカールの発生を抑制することができる。また、証票用原紙10の基材層13は、基材繊維層に含浸されたアクリル系樹脂を有し、この基材層13に再湿接着層16が積層されている。このため、再湿接着層16を水で濡らした際に、再湿接着層16(再湿接着剤の成分)が基材層13に浸透することを抑えることができる。
すなわち、証票用原紙10の第1主面11では、再湿接着層16の性能が発揮され易くなる。また、証票用原紙10の第2主面12では、和紙の風合いが発揮されるとともに、第2主面12に印刷層を形成する印刷工程におけるカールの発生が抑制される。従って、和紙の風合いを有する証票を得るための証票用原紙10として好適に用いることが可能となる。
(2)証票用原紙10の製造方法は、積層シート17と装飾繊維シート18との間で溶融合成樹脂Mを挟み込むサンドラミネート工程を備えることが好ましい。このサンドラミネート工程において、基材層13と装飾繊維層14との間に合成樹脂フィルム層15を形成する。この場合、証票用原紙10のカールの発生をさらに抑制することができる。従って、和紙の風合いを有する証票を得るための証票用原紙10としてさらに好適に用いることが可能となる。
(変更例)
・上記証票用原紙10の基材層13は、基材繊維層と、この基材繊維層に含浸されたアクリル系樹脂を有しているが、さらに基材繊維層に積層されたアクリル系樹脂層を有していてもよい。このアクリル系樹脂層は、証票用原紙10において、合成樹脂フィルム層15と基材繊維層との間、又は、基材繊維層と再湿接着層16との間に配置される。アクリル系樹脂層は、基材繊維層と再湿接着層16との間に配置されることが好ましい。アクリル系樹脂層を構成するアクリル系樹脂としては、例えば、アクリル酸エステル樹脂、及びメタクリル酸エステル樹脂、スチレン−アクリル共重合体樹脂が挙げられる。アクリル系樹脂は、例えば、溶剤型又はエマルジョン型のアクリル系樹脂を用いることができる。アクリル樹脂の塗布量は、1g/m以上、10g/m以下の範囲であることが好ましい。
・証票用原紙10は、シール式の証票の製造に用いることもできる。シール式の証票の製造に用いる場合、証票用原紙10の第1主面11(再湿接着層16)に、粘着層、離型シートを順に積層すればよい。このように構成されたシール式の証票は、貼付対象物に貼付した後、水に浸漬することで再湿接着層16が軟化するため、貼付対象物から剥離することができる。このように再湿接着層16は、証票を剥離するための層となる。上記実施形態のように再湿接着層16の性能が発揮され易くなることで、貼付対象物から証票を剥離し易くなる。従って、上記実施形態の証票用原紙10は、シール式の証票を得るための証票用原紙10としても好適に用いることができる。
・証票用原紙10の製造方法は、図2に示すように積層シート17と装飾繊維シート18との間で溶融合成樹脂Mを挟み込むサンドラミネート工程を備えることが好ましいが、このサンドラミネート工程を次のように変更することができる。例えば、上記サンドラミネート工程を再湿接着層16が積層されていない基材シートと、装飾繊維シート18との間で溶融合成樹脂Mを挟み込むサンドラミネート工程に変更し、この工程の後に、基材シートに再湿接着層16を積層することで証票用原紙10を製造してもよい。
(実施例1)
<装飾繊維シート>
マニラ麻(15°SR)とレーヨン(1.7dtx、平均繊維長5mm)を原料として短網抄紙機を用いて抄紙することで装飾繊維シートを作製した。装飾繊維シートの繊維組成は、マニラ麻85質量%であり、レーヨン15質量%である。表1に、装飾繊維層(装飾繊維シート)の坪量を示す。
<積層シート>
N−BKP(15°SR)を原料として短網抄紙機を用いて抄紙することで、繊維組成がN−BKP100質量%の基材繊維シートを作製した。この基材繊維シートに、アクリル系樹脂(東亜合成株式会社製、NW−400)を含浸することで、基材シートを作製した。次に、基材シートにロールコーターを用いて再湿接着剤を塗布することで、積層シートを作製した。再湿接着剤は、ポリビニルアルコール(日本合成化学工業株式会社製、商品名:ゴーセノールGL−05)とポリ酢酸ビニル(サイデン化学株式会社製、商品名:サイビノールRM3)とを混合することで調製した。再湿接着剤は、固形分換算で、46.5質量%のポリビニルアルコールと、53.5質量%のポリ酢酸ビニルとを含有する。表1に、基材繊維層(基材繊維シート)の坪量、アクリル系樹脂の含浸量、及び再湿接着層(再湿接着剤)の塗布量を示す。
<証票用原紙>
積層シートと装飾繊維シートとの間で溶融合成樹脂を挟み込むサンドラミネート工程(表1中のサンドラミネート工程欄に「A」で示す。)を行うことで、証票用原紙を作製した。溶融合成樹脂としては、LDPEを用いた。表1に、合成樹脂フィルム層の厚さ、及び証票用原紙の坪量を示す。
(実施例2)
実施例2では、積層シートの構成を変更した以外は、実施例1と同様に証票用原紙を作製した。実施例2では、坪量のみが異なる基材繊維シートを実施例1と同様にして作製した。この基材繊維シートに実施例1と同様にアクリル系樹脂を含浸した。さらに、この基材繊維シートの一方の主面にアクリル系樹脂層(中部サイデン株式会社、商品名:バンスターSC290)を積層することで基材シートを作製した。アクリル系樹脂層は、ロールコーターを用いて基材シートにアクリル系樹脂(DIC株式会社製、商品名:ボンコート3380E)を塗布することで形成した。表1にアクリル系樹脂層の塗布量を示す。次に、この基材繊維シートにおいて、アクリル系樹脂層とは反対側となる他方の主面に実施例1と同様にして再湿接着層を積層することで積層シートを作製した。
(実施例3)
実施例3では、実施例1のサンドラミネート工程を基材シートと装飾繊維シートとの間で溶融合成樹脂を挟み込むサンドラミネート工程(表1中のサンドラミネート工程欄に「B」で示す。)に変更した。このサンドラミネート工程の後に、基材シートに再湿接着層を積層した以外は、実施例1と同様に証票用原紙を作製した。
(比較例1)
比較例1では、基材繊維シートに含浸するアクリル系樹脂を省略した以外は、実施例1と同様にして証票用原紙を作製した。
(比較例2)
比較例2では、基材シートを省略した以外は、実施例1と同様にして証票用原紙を作製した。この比較例2の証票用原紙は、装飾繊維シートに溶融合成樹脂としてLDPEを用いて合成樹脂フィルム層を押出ラミネート法により積層した後、この合成樹脂フィルム層に再湿接着層を積層したものである。
(比較例3)
比較例3では、装飾繊維シートの坪量を変更した以外は、比較例2と同様に証票用原紙を作製した。
(比較例4)
比較例4では、基材シート、及び合成樹脂フィルム層を省略した以外は実施例1と同様にして証票用原紙を作製した。この比較例4の証票用原紙は、装飾繊維シートに再湿接着層を積層したものである。
(比較例5)
比較例5は、現行品の証票用原紙である。この比較例5の証票用原紙は、木材パルプ(坪量66g/m、L−BKP100%)の基材に再湿接着層を積層することで形成した第1主面と、顔料を含有する塗工液を塗布することで形成した第2主面とを有している。
(カール抑制の評価)
各例の証票用原紙のサンプルを用いて以下のカール試験を行った。
カール試験では、まず、A4サイズ(サンプルの長手方向:MD)に裁断した証票用原紙のサンプルを23℃、50%RHの雰囲気下で2時間以上調湿した後、そのサンプルを40℃の熱風乾燥機内で1分間加熱した。加熱後のサンプルを23℃、50%RHの雰囲気下で、平面台上に第2主面を重ね合わせるようにして載置し、そのまま5分間放置した。
カール試験後のサンプルのカールの状態について、まず、以下のカールA,カールBに分類した。
カールA:サンプルの対向する長辺が上方に変位した状態
カールB:サンプルの対向する短辺が上方に変位した状態
カールAのサンプルについては、一方の短辺と平面台の接地長さ、及び他方の短辺と平面台との接地長さがいずれも14cm以上の場合、評価点を1点とし、14cm未満の場合、評価点を0点とした。また、カールAのサンプルについては、一方の長辺の両端部における平面台からの高さ、及び他方の長辺の両端部における平面台からの高さがいずれも2cm以下の場合、評価点を1点とし、2cmを超える場合、評価点を0点とした。
カールBのサンプルについては、一方の長辺と平面台との接地長さ、及び他方の長辺と平面台との接地長さがいずれも20cm以上の場合、評価点を1点とし、20cm未満の場合、評価点を0点とした。また、カールBのサンプルについては、一方の短辺の両端部における平面台からの高さ、及び他方の短辺の両端部における平面台からの高さがいずれも2cm以下の場合、評価点を1点とし、2cmを超える場合、評価点を0点とした。
以上の評価点の合計点から以下の判定基準で判定した。その結果を表1に示す。
カール抑制効果に優れる(◎):上記評価点の合計点が2点の場合
カール抑制効果が良好(○):上記評価点の合計点が1点の場合
カール抑制効果が得られない(×):上記評価点の合計点が0点の場合
(再湿接着性の評価)
各例の証票用原紙を26mm×22mmの寸法に裁断したサンプルの第1主面に、市販の切手ぬらし器(オープン工業株式会社製、R−35)を用いて水を付着させた後、市販のコピー用紙に貼り合わせた。このとき、実施例1〜3、比較例1〜4の各サンプルと、比較例5のサンプルについて接着力を比較し、以下の判定基準で評価した。その結果を表1に示す。
再湿接着性が良好(○):比較例5のサンプルと接着力がほぼ同じである。
再湿接着性が不良(×):比較例5のサンプルよりも接着力が明らかに劣る。
(目打(穿孔)適性の評価)
各例の証票用原紙のサンプルを23℃、50%RHの雰囲気下で調湿した後、市販のパンチ(株式会社ライオン事務器製、「パンチ2穴No.32」)を用いて、第2主面側から貫通孔を形成した。貫通孔の内周縁を拡大鏡で30倍に拡大し、その内周縁から突出した繊維の本数をカウントした。繊維の本数のカウントは、異なる位置に形成した4つの貫通孔で行い、繊維の合計の本数に基づいて、以下の判定基準で評価した。その結果を表1に示す。
比較例5の繊維の本数をA(本)、その他の各例の繊維の本数をB(本)で表す。
目打適性が良好(○):B≦A×1.2
目打適性がやや劣る(△):A×1.2<B≦A×2.0
目打適性が劣る(×):A×2.0<B
比較例1,4の証票用原紙では、再湿接着性が十分に得られなかった。比較例2,3の証票用原紙では、第1主面側が内側となって大きく湾曲するカールが発生した。実施例1〜3の証票用原紙では、カール抑制効果、再湿接着性、目打適性のいずれも良好又は優れる結果が得られた。
(風合いの比較)
実施例1〜3の証票用原紙のサンプル、及び比較例5の証票用原紙のサンプルについて、ベック平滑度(JIS P8119(1998))、光沢度(JIS P8142(2005))、ISO白色度(JIS P8148(2001))、算術平均表面粗さ(JIS B0601(2013))を測定した。なお、各測定は、第2主面を対象としている。その結果を表2に示す。
表2に示す測定結果から、実施例1〜3の証票用原紙では、比較例5の証票用原紙と異なり、和紙の風合いが得られていることが分かる。
10…証票用原紙、11…第1主面、12…第2主面、13…基材層、14…装飾繊維層、15…合成樹脂フィルム層、16…再湿接着層、17…積層シート、18…装飾繊維シート、M…溶融合成樹脂。

Claims (3)

  1. 再湿接着性を有する第1主面と、前記第1主面とは反対側に位置し、印刷層が積層される第2主面とを有する証票用原紙であって、
    木材パルプを含有する基材繊維層と前記基材繊維層に含浸されたアクリル系樹脂とを有する基材層と、
    靭皮繊維及び葉脈繊維の少なくとも一方の非木材繊維と再生繊維とを含有する装飾繊維層と、
    前記基材層と前記装飾繊維層とを貼り合わせている合成樹脂フィルム層とを備え、
    前記第1主面は、前記基材層に積層された再湿接着層により構成され、
    前記第2主面は、前記装飾繊維層により構成されていることを特徴とする証票用原紙。
  2. 前記基材繊維層を構成する繊維中における針葉樹パルプの含有量は、90質量%以上であり、
    前記装飾繊維層を構成する繊維中における前記非木材繊維の含有量は、70質量%以上、95質量%以下の範囲であるとともに、前記再生繊維の含有量は、5質量%以上、30質量%以下の範囲であり、
    前記合成樹脂フィルム層の厚さは、10μm以上、30μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の証票用原紙。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の証票用原紙の製造方法であって、
    前記基材層と前記再湿接着層とが積層された積層シートと、前記装飾繊維層となる装飾繊維シートとの間で溶融合成樹脂を挟み込むサンドラミネート工程を備え、前記サンドラミネート工程において、前記基材層と前記装飾繊維層との間に前記合成樹脂フィルム層を形成することを特徴とする証票用原紙の製造方法。
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