JP2018152256A - 非水電解質二次電池用正極活物質、非水電解質二次電池用正極、非水電解質二次電池、及び非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法 - Google Patents

非水電解質二次電池用正極活物質、非水電解質二次電池用正極、非水電解質二次電池、及び非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】充放電サイクル性能に優れた非水電解質二次電池用正極活物質及びその製造方法を提供する。【解決手段】リチウム遷移金属複合酸化物の粒子を含む非水電解質二次電池用活物質であって、前記リチウム遷移金属複合酸化物は、α−NaFeO2構造を有し、遷移金属元素(Me)としてMn及びNi、又はMn、Ni及びCoを含み、Meに対するMnのモル比Mn/Meが0.5<Mn/Meであり、Meに対するLiのモル比Li/Meが1<Li/Meであり、前記粒子の表面に、Be化合物、Ge化合物又はBi化合物が存在している、非水電解質二次電池用正極活物質。【選択図】図1

Description

本発明は、非水電解質二次電池用正極活物質、非水電解質二次電池用正極、非水電解質二次電池、及び非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法に関する。
従来、リチウム二次電池に代表される非水電解質二次電池用の正極活物質として、α−NaFeO型結晶構造を有する「LiMeO型」活物質(Meは遷移金属元素)が検討され、LiCoOを用いた非水電解質二次電池が広く実用化されていた。しかし、LiCoOの放電容量は120〜130mAh/g程度であった。前記Meとして、地球資源として豊富なMnを用いることが望まれてきた。しかし、MeとしてMnを含有させた「LiMeO型」活物質は、Meに対するMnのモル比Mn/Meが0.5を超える場合には、充電をするとスピネル型へと構造変化が起こり、結晶構造が維持できないため、充放電サイクル性能が著しく劣るという問題があった。
そこで、Meに対するMnのモル比Mn/Meが0.5以下であり、充放電サイクル性能の点でも優れる「LiMeO型」活物質が種々提案され、一部実用化されている。例えば、リチウム遷移金属複合酸化物であるLiNi1/2Mn1/2やLiNi1/3Co1/3Mn1/3を含有する正極活物質は150〜180mAh/gの放電容量を有する。
一方、上記のようないわゆる「LiMeO型」活物質に対し、Meに対するMnのモル比Mn/Meが0.5を超え、Meに対するリチウム(Li)のモル比Li/Meが1より大きい、いわゆる「リチウム過剰型」活物質は、「LiMeO型」活物質に比べて高い放電容量を有することから、その実用化に向けて、検討が行われている。
特許文献1には、「式Li1+x1−x2−z(Mは、非リチウム金属元素またはそれらの組み合わせであり、0.01≦x≦0.3であり、0≦z≦0.2である)で近似的に表されるリチウム金属酸化物を含み、約0.1〜約0.75重量パーセントの金属/半金属酸化物でコーティングされた、リチウムイオン電池正極材料。」(請求項1)が記載され、この正極材料のサンプル1について、xLiMnO・(1−x)LiMO中のxが0.5で、Mn%遷移金属が65.63であることが表3に記載されている。
そして、実施例5として、「実施例5−酸化ビスマスによるコーティング この実施例では、表3のサンプル1の式で表され、実施例1に記載のように形成される、高容量のリチウムに富む金属酸化物上の酸化ビスマスコーティングの形成を説明する。高容量カソード材料上の酸化ビスマスのコーティングは、硝酸ビスマスを活性リチウム金属酸化物上で乾燥させ、続いて焼成ステップを行うことで実施した。具体的には、硝酸ビスマスを選択された量の水中に溶解させ、Biでコーティングすべきカソード材料を硝酸ビスマス溶液中に分散させた。次に、この混合物を、乾燥するまで80〜100℃で約2時間加熱した。得られた乾燥粉末を回収し、従来のマッフル炉中、乾燥空気中、300〜400℃で2時間焼成して、酸化ビスマスコーティングを形成した。」(段落[0091]〜[0092])、「酸化ビスマスでコーティングされた材料をX線回折で調べる。コーティングされていない材料とともに、同じ材料の酸化ビスマスコーティング量が異なる4サンプルのX線回折図を図12に示している。サンプルは、約0.1、0.5.2.0および5.0重量パーセントのコーティング材料を使用して調製した。図12の回折図から分かるように、コーティングが材料の結晶構造を大きく変化させることはなかった。」(段落[0093])と記載されている。
特許文献2には、「Li元素と、Ni、CoおよびMnから選ばれる少なくとも一種の遷移金属元素とを含む(ただし、Li元素のモル量が該遷移金属元素の総モル量に対して1.2倍超である。)リチウム含有複合酸化物の表面に、Zr、Ti、Sn、Mg、Ba、Pb、Bi、Nb、Ta、Zn、Y、La、Sr、Ce、InおよびAlから選ばれる少なくとも一種の金属元素の酸化物(I)の微粒子が付着する粒子(II)からなることを特徴とするリチウムイオン二次電池用の正極活物質。」(請求項1)が記載されている。
この正極活物質の実施例として、組成が「Li(Li0.2Ni0.137Co0.125Mn0.538)O」のリチウム含有複合酸化物を得(段落[0049]〜[0052])、「撹拌している実施例のリチウム含有複合酸化物(15g)に対して、調製したZrO分散液(2.4g)を噴霧して添加し、実施例のリチウム含有複合酸化物とZrO分散液とを混合させながら接触させた。次いで、得られた混合物を、酸素含有雰囲気下300℃で1時間加熱し、リチウム含有複合酸化物の表面にZr元素の酸化物(I)の微粒子が付着する粒子(II)からなる実施例1の正極活物質(A)を得た。」(段落[0053])と記載されている。
特許文献3には、「母体活物質表面に平均粒径が1μm以下の酸化物粒子およびカーボン粒子の少なくとも一方が付着していることを特徴とする正極活物質。」(請求項1)、「前記母体活物質表面に付着している酸化物粒子が、SiO,SnO,Al,TiO,MgO,Fe,Bi,SbおよびZrOから選択される少なくとも1種の酸化物粒子であることを特徴とする請求項1記載の正極活物質。」(請求項4)が記載されている。
そして母材活物質(複合酸化物)がLiCoOであり、酸化物がBiである実施例10及び11について、「この複合酸化物を純水中に分散せしめて活物質分散液を調製する一方、表1に示す平均粒径を有する各酸化物粒子および/またはカーボン粒子を分散させて各種酸化物分散液を調製した。次に、活物質分散液に対して表1に示す付着量となるように酸化物分散液および/またはカーボン分散液を投入し、均一に混合した各分散液を調製した後に、各分散液を濃縮乾燥させることにより、母体活物質粒子表面に酸化物粒子および/またはカーボン粒子が付着した各実施例に係る正極活物質を製造した。」(段落[0069]〜[0074]、表1)と記載されている。
特表2013−503449号公報 特開2012−138197号公報 特開2003−109599号公報
リチウム過剰型活物質においては、高い放電容量を有するものの、充放電サイクルに伴う容量低下が見られ、充放電サイクル性能に課題がある。この課題は、充放電中に正極活物質からMnが溶出することと関連があると考えられる。リチウム過剰型活物質は、LiMeO型活物質に比べてMnが溶出しやすい。その原因は、リチウム過剰型活物質では、Meに対するMnのモル比Mn/Meが0.5を超え、LiMeO型活物質に比べて高いこと、及び、LiMeO型活物質では、充放電を行ってもMnは基本的にMn4+を維持しMn3+の溶出が起こりにくいのに対して、リチウム過剰型活物質は、LiMnO構造部分を有するため、前記LiMnO構造部分のMnが充放電に伴ってMn3+となり、Mn3+の溶出が起こり易いためと考えられる。
特許文献1には、リチウム金属酸化物を硝酸ビスマス水溶液中に分散、混合した後、加熱乾燥し、空気中、300〜400℃で焼成して得たカソード材料が記載されている。しかし、そのエックス線回折図である図12(図4に掲載)には、5.0wt%のBiを適用した試料ですら、酸化ビスマスに帰属する回折ピークが見当たらない。したがって、硝酸ビスマスに由来するビスマスは、300〜400℃での焼成工程を経ることにより、正極活物質の表面に酸化ビスマスとしては存在していないことが判る。
特許文献2には、リチウム含有複合酸化物の表面にZr等の金属元素の酸化物の微粒子が付着した正極活物質について記載されている、しかし、具体的には、リチウム含有複合酸化物に対してZrO分散液を噴霧して添加、混合し、酸素含有雰囲気下300℃で加熱し、リチウム含有複合酸化物の表面にZr元素の酸化物の微粒子が付着する粒子を得たことしか記載されていない。
特許文献3には、母体活物質表面に平均粒径が1μm以下のBi等の酸化物粒子が付着している正極活物質について記載されている。しかし、Bi粒子については、LiCoOの分散液とBiの分散液とを混合し、濃縮乾燥して、LiCoO表面にBi粒子を付着させることしか記載されていない。
本発明は、充放電サイクル性能に優れた非水電解質二次電池用正極活物質、前記活物質を含有する非水電解質二次電池用正極、及び前記正極を備えた非水電解質二次電池、及び前記活物質の製造方法を提供することを課題とする。
本発明の第一の側面は、リチウム遷移金属複合酸化物の粒子を含む非水電解質二次電池用活物質であって、前記リチウム遷移金属複合酸化物は、α−NaFeO構造を有し、遷移金属元素(Me)としてMn及びNi、又はMn、Ni及びCoを含み、Meに対するMnのモル比Mn/Meが0.5<Mn/Meであり、Meに対するLiのモル比Li/Meが1<Li/Meであり、前記粒子の表面に、Be化合物、Ge化合物又はBi化合物が存在している、非水電解質二次電池用正極活物質である。
本発明の第二及び第三の側面は、前記正極活物質を含有する非水電解質二次電池用正極、及び前記正極を備えた非水電解質二次電池である。
本発明の第四の側面は、α−NaFeO構造を有し、遷移金属元素(Me)としてMn及びNi、又はMn、Ni及びCoを含み、Meに対するMnのモル比Mn/Meが0.5<Mn/Meであり、Meに対するLiのモル比Li/Meが1<Li/Meであるリチウム遷移金属複合酸化物の粒子とBe化合物、Ge化合物又はBi化合物とを、固相で混合し、前記粒子の表面に、Be化合物、Ge化合物又はBi化合物を付着させる、非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法である。
本発明によれば、充放電サイクル性能に優れた非水電解質二次電池用正極活物質、前記正極活物質の製造方法、前記正極活物質を備える非水電解質二次電池用正極、及び前記正極を有する非水電解質二次電池を提供することができる。
本発明の一実施形態(実施例1−1)に係る正極活物質のエックス線回折図 本発明の一実施形態(実施例1−2)に係る正極活物質のエックス線回折図 本発明の一実施形態(実施例1−5)に係る正極活物質のエックス線回折図 先行技術に係る正極活物質のエックス線回折図 本発明の一側面に係る非水電解質二次電池の一実施形態を示す斜視図 本発明の一側面に係る非水電解質二次電池を複数個備えた蓄電装置を示す概略図
本発明の構成及び作用効果について、技術思想を交えて説明する。但し、作用機構については推定を含んでおり、その正否は、本発明を制限するものではない。なお、本発明は、その精神又は主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、後述の実施形態又は実施例は、あらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、すべて本発明の範囲内のものである。
[正極活物質]
本発明の一実施形態(以下、「本実施形態」という。)に係る非水電解質二次電池用正極活物質は、リチウム遷移金属複合酸化物の粒子を含み、前記粒子の表面に、Be化合物、Ge化合物又はBi化合物が存在している正極活物質である。上記それぞれの化合物としては、酸化物、水酸化物、硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、窒化物、水素化物、硫化物等が挙げられるが、酸化物であるBe酸化物(BeO)、Ge酸化物(GeO)又はBi酸化物(Bi)が好ましい。また、上記Be化合物、Ge化合物又はBi化合物は粒子の形態で存在することが好ましい。
前記リチウム遷移金属複合酸化物は、高い放電容量が得られる点から、遷移金属元素(Me)としてMn及びNi、又はMn、Ni及びCoを含む。
前記リチウム遷移金属複合酸化物は、放電容量が高い非水電解質二次電池を得るために、遷移金属元素Meに対するMnのモル比Mn/Meは0.5より大きく、Meに対するLiのモル比Li/Meは、1<Li/Meのリチウム過剰型活物質とする。
上記のリチウム過剰型活物質は、組成式Li1+αMe1−α(0<α)、又はLi1+wMeO2+w(0<w)と表され、典型的には、組成式Li1+α(NiCoMn1−α(0<α、0<x、0≦y、0.5<z、x+y+z=1)と表される。
Meに対するLiのモル比Li/Meは、1.1〜1.45が好ましく、1.1〜1.4がより好ましく、特に1.1〜1.3が好ましい。この範囲であると、放電容量が特に向上する。
Meに対するMnのモル比Mn/Meは、0.51〜0.7が好ましく、0.51〜0.60がより好ましい。この範囲であると、後述する水酸化物前駆体のタップ密度を向上させることが可能であるため、体積当たりの放電容量が向上する。
リチウム遷移金属複合酸化物に含有されるCoは、初期効率を向上させ、高率放電性能を高める効果があるが、前駆体のタップ密度を高くし、もって正極活物質の体積当たりの放電容量を高めるためには、少ない方が好ましい。また、希少資源であることからコスト高である。したがって、遷移金属元素Meに対するCoのモル比Co/Meは、0.20以下とすることが好ましく、0.10以下であることがより好ましく、0でもよい。
Meに対するNiのモル比Ni/Meは、0.2〜0.5であることが好ましく、0.25〜0.4がより好ましい。この範囲であると、水酸化物前駆体のタップ密度を向上させることが可能であるため、体積当たりの放電容量が向上する。
上記のような組成のリチウム遷移金属複合酸化物を用いることによって、体積当たりの放電容量が大きい非水電解質二次電池を得ることができる。
上記の組成式における酸素のモル数は、化学量論的に計算される値であるが、前記リチウム遷移金属複合酸化物がα−NaFeO型結晶構造を有している限り、必ずしも化学量論比どおりの値でなくてよい。
また、前記リチウム遷移金属複合酸化物は、本発明の効果を損なわない範囲で、Na,K等のアルカリ金属、Mg,Ca等のアルカリ土類金属、Fe等の3d遷移金属に代表される遷移金属など少量の他の金属を含有することを排除するものではない。
本実施形態に係るリチウム遷移金属複合酸化物は、α−NaFeO構造を有している。合成後(充放電前)の上記リチウム遷移金属複合酸化物は、空間群P312に帰属され、CuKα管球を用いたエックス線回折図上、2θ=21°付近に超格子ピーク(Li[Li1/3Mn2/3]O型の単斜晶に見られるピーク)が確認される。ところが、一度でも4.5V(Li/Li+)付近を超えた充電を行うと、結晶中のLiの脱離に伴って結晶の対称性が変化することにより、この超格子ピークが消失して、上記リチウム遷移金属複合酸化物は空間群R3−mに帰属されるようになる。ここで、P312は、R3−mにおける3a、3b、6cサイトの原子位置を細分化した結晶構造モデルであり、R3−mにおける原子配置に秩序性が認められるときに該P312モデルが採用される。なお、「R3−m」は本来「R3m」の「3」の上にバー「−」を施して表記する。
本実施形態に係る正極活物質は、前記リチウム遷移金属複合酸化物の粒子の表面にBe化合物、Ge化合物又はBi化合物が存在している。Be化合物、Ge化合物又はBi化合物の存在により、充放電サイクル性能に優れた正極活物質を提供することができる。その理由は必ずしも明らかではないが、粒子の表面にBe化合物、Ge化合物又はBi化合物という特定の金属化合物が存在することによって、リチウム過剰型のリチウム遷移金属複合酸化物の構成元素であるMnが充放電に伴いMn3+となって非水電解質中に溶出する現象が抑制され、充放電サイクル性能が向上すると推測される。
本実施形態に係る正極活物質において、リチウム遷移金属複合酸化物の表面に存在するBe化合物、Ge化合物又はBi化合物は、粒子の表面の少なくとも一部をコートする量で存在することが好ましい。リチウム遷移金属複合酸化物に対して、Be、Ge又はBi元素換算で0.01〜5質量%の添加であることが好ましく、0.1〜1質量%がより好ましい。
0.01質量%以上とすることにより、充放電に伴うMn3+の溶出を抑制することができ、5質量%以下とすることにより正極活物質をコートする化合物由来の抵抗による、放電容量の低下を抑制することができる。
本実施形態に係る正極活物質において、粒子表面にBe化合物、Ge化合物又はBi化合物が存在することは、エックス線回折測定を行い、BeO等のBe化合物、GeO等のGe化合物又はBi等のBi化合物に帰属される回折ピークが観察されることにより、確認することができる。
前記回折ピークは、充放電サイクルの前後ともに確認することができる。
充放電サイクル前については、電池に組み込まれる前の正極活物質をエックス線回折測定に供すればよい。
充放電サイクル後については、電池を解体して取り出した電極から試料を採取する場合、電池を解体する前に、次の手順によって電池を放電状態とする。まず、0.1Cの電流で、正極の電位が4.3V(vs.Li/Li)となる電池電圧まで定電流充電を行い、同じ電池電圧にて、電流値が0.01Cに減少するまで定電圧充電を行い、充電末状態とする。30分の休止後、0.1Cの電流で、正極の電位が2.0V(vs.Li/Li)となる電池電圧に至るまで定電流放電を行い、放電末状態とする。金属リチウム電極を負極に用いた電池であれば、当該電池を放電末状態又は充電末状態とした後に電池を解体して電極を取り出せばよいが、金属リチウム電極を負極に用いた電池でない場合は、正極電位を正確に制御するため、電池を解体して電極を取り出した後に、金属リチウム電極を対極とした電池を組立ててから、上記の手順に沿って、放電末状態に調整する。電池の解体から測定までの作業は露点−60℃以下のアルゴン雰囲気中で行う。取り出した正極板は、ジメチルカーボネートを用いて電極に付着した電解質を十分に洗浄し室温にて一昼夜の乾燥後、アルミニウム箔集電体上の合剤を採取する。採取した合剤をめのう乳鉢で軽くほぐし、エックス線回折測定用試料ホルダーに配置して測定に供する。
本願明細書において、エックス線回折測定及びこれを用いた半値幅の測定は、次の条件にて行う。線源はCuKα、印加電圧は30kV、印加電流は15mAとする。サンプリング幅は0.01deg、走査時間は14分(スキャンスピードは5.0deg/min)、発散スリット幅は0.625deg、受光スリット幅は開放、散乱スリットは8.0mmとする。解析ソフトはエックス線回折装置に付属の「PDXL」を用いる。
[正極活物質の製造方法]
次に、本実施形態に係るリチウム遷移金属複合酸化物の粒子を含む正極活物質の製造方法について説明する。
本実施形態に係るリチウム遷移金属複合酸化物は、基本的に、目的とする酸化物の組成に基づく量比となるように金属元素(Li,Ni,Co,Mn等)を含有する原料を調整し、これを焼成することによって得ることができる。ただし、Li原料の量については、焼成中にLi原料の一部が消失することを見込んで、1〜5%程度過剰に仕込むことが好ましい。
目的とする組成の酸化物を作製するにあたり、Li,Ni,Co,Mnのそれぞれの塩を混合・焼成するいわゆる「固相法」や、あらかじめNi,Co,Mnを一粒子中に存在させた共沈前駆体を作製しておき、これにLi化合物を混合・焼成する「共沈法」が知られている。「固相法」による合成過程では、特にMnはNi,Coに対して均一に固溶しにくいため、各元素が一粒子中に均一に分布した試料を得ることは困難である。これまで文献などにおいては、固相法によってNiやCoの一部にMnを固溶(LiNi1−xMnなど)しようという試みが多数なされているが、「共沈法」を選択する方が原子レベルで均一相を得ることが容易である。そこで、後述する実施例においては、「共沈法」を採用した。
共沈前駆体を作製するにあたって、Co,Ni,MnのうちMnは酸化されやすく、Co,Ni,Mnが2価の状態で均一に分布した共沈前駆体を作製することが容易ではないため、Co,Ni,Mnの原子レベルでの均一な混合は不十分なものとなりやすい。特に本発明の組成範囲においては、Mn比率がCo,Ni比率に比べて高いので、水溶液中の溶存酸素を除去することが重要である。溶存酸素を除去する方法としては、酸素を含まないガスをバブリングする方法が挙げられる。酸素を含まないガスとしては、限定されるものではないが、窒素ガス、アルゴンガス、二酸化炭素(CO)等を用いることができる。また、水溶液中にヒドラジン等の還元剤を含有させておいてもよい。
溶液中でCo、Ni及びMnを含有する化合物を共沈させて前駆体を製造する工程におけるpHは限定されるものではないが、前記共沈前駆体を共沈水酸化物前駆体として作製する場合には、8〜14とすることができる。タップ密度を大きくするためには、pHを制御することが好ましい。pHを11.5以下とすることにより、タップ密度を1.00g/cm以上とすることができ、体積当たりの放電容量を向上させることができる。さらに、pHを11.0以下とすることにより、粒子成長速度を促進できるので、原料水溶液滴下終了後の撹拌継続時間を短縮できる。
前記共沈前駆体は、Mn及びNi、又はMn、Ni及びCoが均一に混合された化合物であることが好ましい。本実施形態においては、正極活物質内部を密にするために、共沈前駆体を水酸化物とすることが好ましい。また、錯化剤を用いた晶析反応等を用いることによって、より嵩密度の大きな前駆体を作製することもできる。この場合、Li源と混合・焼成することでより高密度の活物質を得ることができるので、電極の体積当たりのエネルギー密度を向上させることができる。
前記共沈前駆体の原料は、Mn化合物としては酸化マンガン、炭酸マンガン、硫酸マンガン、硝酸マンガン、酢酸マンガン等を、Ni化合物としては、水酸化ニッケル、炭酸ニッケル、硫酸ニッケル、硝酸ニッケル、酢酸ニッケル等を、Co化合物としては、硫酸コバルト、硝酸コバルト、酢酸コバルト等を一例として挙げることができる。
本実施形態においては、アルカリ性を保った反応槽に前記共沈前駆体の原料水溶液を滴下供給して共沈水酸化物前駆体を得る反応晶析法を採用することが好ましい。ここで、中和剤には水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、又は水酸化カリウムを使用することができる。
前記原料水溶液の滴下速度は、生成する共沈前駆体の1粒子内における元素分布の均一性に大きく影響を与える。特にMnは、CoやNiと均一な元素分布を形成しにくいので注意が必要である。好ましい滴下速度については、反応槽の大きさ、攪拌条件、pH、反応温度等にも影響されるが、30mL/min以下が好ましい。放電容量を向上させるためには、滴下速度は10mL/min以下がより好ましく、5mL/min以下が最も好ましい。
また、反応槽内に錯化剤が存在し、かつ一定の対流条件を適用した場合、前記原料水溶液の滴下終了後、さらに攪拌を続けることにより、粒子の自転及び攪拌槽内における公転が促進され、この過程で、粒子同士が衝突しつつ、粒子が段階的に同心円球状に成長する。即ち、共沈前駆体は、反応槽内に原料水溶液が滴下された際の金属錯体形成反応、及び、前記金属錯体が反応槽内の滞留中に生じる沈殿形成反応という2段階での反応を経て形成される。従って、前記原料水溶液の滴下終了後、さらに攪拌を続ける時間を適切に選択することにより、目的とする粒子径を備えた共沈前駆体を得ることができる。
原料水溶液滴下終了後の好ましい攪拌継続時間については、反応槽の大きさ、攪拌条件、pH、反応温度等にも影響されるが、粒子を均一な球状粒子として成長させるために0.5時間以上が好ましく、1時間以上がより好ましい。また、粒子径が大きくなりすぎることで電池の低SOC領域における出力性能が充分でないものとなる虞を低減させるため、15時間以下が好ましく、10時間以下がより好ましく、5時間以下が最も好ましい。
また、水酸化物前駆体及びリチウム遷移金属複合酸化物の2次粒子の粒径を好適なものとするための好ましい攪拌継続時間は、制御するpHによって異なる。例えば、pHを8〜14に制御した場合には、撹拌継続時間は0.5〜5時間が好ましく、pHを8〜11.5に制御した場合には、撹拌継続時間は0.5〜3時間が好ましい。
水酸化物前駆体の粒子を、中和剤として水酸化ナトリウム等のナトリウム化合物を使用して作製した場合、その後の洗浄工程において粒子に付着しているナトリウムイオンを洗浄除去する。例えば、作製した水酸化物前駆体を吸引ろ過して取り出す際に、イオン交換水100mLによる洗浄回数を5回以上とするような条件を採用することができる。
本実施形態に係るリチウム遷移金属複合酸化物の粒子は、前記水酸化物前駆体とLi化合物とを混合した後、熱処理することで好適に作製することができる。Li化合物としては、水酸化リチウム、炭酸リチウム、硝酸リチウム、酢酸リチウム等を用いることで好適に製造することができる。但し、Li化合物の量については、焼成中にLi化合物の一部が消失することを見込んで、1〜5%程度過剰に仕込むことが好ましい。
焼成温度は、リチウム遷移金属複合酸化物の粒子を含む活物質の可逆容量に影響を与える。
焼成温度が高すぎると、得られた活物質が酸素放出反応を伴って崩壊すると共に、主相の六方晶に加えて単斜晶のLi[Li1/3Mn2/3]O型に規定される相が、固溶相としてではなく、分相して観察される傾向がある。このような分相が多く含まれすぎると、活物質の可逆容量の減少を導くので好ましくない。このような材料では、X線回折図上35°付近及び45°付近に不純物ピークが観察される。従って、焼成温度は、活物質の酸素放出反応の影響する温度未満とすることが好ましい。活物質の酸素放出温度は、本実施形態に係るリチウム遷移金属複合酸化物の組成範囲においては、概ね1000℃以上であるが、組成によって酸素放出温度に若干の差があるので、あらかじめ活物質の酸素放出温度を確認しておくことが好ましい。特に試料に含まれるCo量が多いほど前駆体の酸素放出温度は低温側にシフトすることが確認されているので注意が必要である。活物質の酸素放出温度を確認する方法としては、焼成反応過程をシミュレートするために、共沈前駆体とリチウム化合物を混合したものを熱重量分析(DTA−TG測定)に供してもよいが、この方法では測定機器の試料室に用いている白金が揮発したLi成分により腐食されて機器を傷めるおそれがあるので、あらかじめ500℃程度の焼成温度を採用してある程度結晶化を進行させた組成物を熱重量分析に供することが好ましい。
また、焼成温度が高すぎると、活物質に分相が確認されない場合においても、活物質中のリチウム遷移金属複合酸化物の結晶化が進みすぎて結晶子が大きくなり、Liイオンの拡散が十分に行われないため、体積あたりの放電容量が低下する。
一方、焼成温度が低すぎると、結晶化が十分に進まず、電極特性が低下する傾向がある。本実施形態に係るリチウム遷移金属複合酸化物においては、焼成温度は少なくとも700℃以上とすることが好ましい。十分に結晶化させることにより、結晶粒界の抵抗を軽減し、円滑なリチウムイオン輸送を促すことができる。
上記のように、好ましい焼成温度は、活物質の酸素放出温度により異なるから、一概に焼成温度の好ましい範囲を設定することは難しいが、モル比Li/Meが1.1〜1.4である場合に体積当たりの放電容量を充分なものとするために、焼成温度を700〜900℃とすることが好ましい。
本実施形態に係る活物質は、上記の製法により得られたリチウム遷移金属複合酸化物の粒子の表面にBe化合物、Ge化合物又はBi化合物を存在させる手段として、前記粒子とBe化合物、Ge化合物又はBi化合物とを固相混合することが好ましい。
固相混合は、具体的にはボールミル装置を用いて行うことができる。
リチウム遷移金属複合酸化物の粒子とBeO等のBe化合物、GeO等のGe化合物又はBi等のBi化合物の各粉末とをZrO等のセラミックボールとともにポットに投入し、回転させることにより乾式混合を行うことが好ましい。トルエン等を添加して湿式混合を行ってもよいが、乾式混合を選択することにより、大きな剪断力がかかって粒子の割れが生じるおそれを低減できるため、好ましい。また、混合時の回転速度および回転時間を大きくしすぎないことにより、粒子の割れが生じるおそれを低減できるため、回転速度は50〜300rpmが好ましく、回転時間は5〜120分が好ましい。
上記のような固相混合を行うことにより、リチウム遷移金属複合酸化物の粒子の表面にBe化合物、Ge化合物又はBi化合物が粒子の形態で付着していると推定される。
本実施形態においては、リチウム遷移金属複合酸化物の粒子とBe化合物、Ge化合物又はBi化合物を固相混合した後、焼成しないで、そのまま正極活物質とする。
[負極活物質]
負極活物質としては、限定されるものではなく、リチウムイオンを析出あるいは吸蔵することのできる形態のものであればどれを選択してもよい。例えば、Li[Li1/3Ti5/3]Oに代表されるスピネル型結晶構造を有するチタン酸リチウム等のチタン系材料、SiやSb、Sn系などの合金系材料、リチウム金属、リチウム合金(リチウム−シリコン、リチウム−アルミニウム、リチウム−鉛、リチウム−スズ、リチウム−アルミニウム−スズ、リチウム−ガリウム、及びウッド合金等のリチウム金属含有合金)、リチウム複合酸化物(リチウム−チタン)、酸化珪素の他、リチウムを吸蔵・放出可能な合金、炭素材料(例えばグラファイト、ハードカーボン、低温焼成炭素、非晶質カーボン等)等が挙げられる。
負極活物質の粉体は、平均粒子サイズ100μm以下であることが好ましい。粉体を所定の形状で得るためには粉砕機や分級機が用いられる。例えば乳鉢、ボールミル、サンドミル、振動ボールミル、遊星ボールミル、ジェットミル、カウンタージェットミル、旋回気流型ジェットミルや篩等が用いられる。粉砕時には水、あるいはヘキサン等の有機溶剤を共存させた湿式粉砕を用いることもできる。分級方法としては、特に限定はなく、篩や風力分級機などが、乾式、湿式ともに必要に応じて用いられる。
[その他の電極構成成分]
以上、正極及び負極の主要構成成分である正極活物質及び負極活物質について詳述したが、前記正極及び負極には、前記主要構成成分の他に、導電剤、結着剤、増粘剤、フィラー等が、他の構成成分として含有されてもよい。
導電剤としては、電池性能に悪影響を及ぼさない電子伝導性材料であれば限定されないが、通常、天然黒鉛(鱗状黒鉛,鱗片状黒鉛,土状黒鉛等)、人造黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンウイスカー、炭素繊維、金属(銅,ニッケル,アルミニウム,銀,金等)粉、金属繊維、導電性セラミックス材料等の導電性材料を1種またはそれらの混合物として含ませることができる。
これらの中で、導電剤としては、電子伝導性及び塗工性の観点よりアセチレンブラックが好ましい。導電剤の添加量は、正極または負極の総重量に対して0.1重量%〜50重量%が好ましく、特に0.5重量%〜30重量%が好ましい。特にアセチレンブラックを0.1〜0.5μmの超微粒子に粉砕して用いると必要炭素量を削減できるため好ましい。これらの混合方法は、物理的な混合であり、その理想とするところは均一混合である。そのため、V型混合機、S型混合機、擂かい機、ボールミル、遊星ボールミルといったような粉体混合機を乾式、あるいは湿式で混合することが可能である。
前記結着剤としては、通常、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE),ポリフッ化ビニリデン(PVDF),ポリエチレン,ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM),スルホン化EPDM,スチレンブタジエンゴム(SBR),フッ素ゴム等のゴム弾性を有するポリマーを1種または2種以上の混合物として用いることができる。結着剤の添加量は、正極または負極の総重量に対して1〜50重量%が好ましく、特に2〜30重量%が好ましい。
フィラーとしては、電池性能に悪影響を及ぼさない材料を使用することができる。通常、ポリプロピレン,ポリエチレン等のオレフィン系ポリマー、無定形シリカ、アルミナ、ゼオライト、ガラス、炭素等が用いられる。フィラーの添加量は、正極または負極の総重量に対して添加量は30重量%以下が好ましい。
正極及び負極は、前記主要構成成分(正極においては正極活物質、負極においては負極材料)、およびその他の材料を混練し合剤とし、N−メチルピロリドン,トルエン等の有機溶媒又は水に混合させた後、得られた混合液を下記に詳述する集電体の上に塗布し、または圧着して50℃〜250℃程度の温度で、2時間程度加熱処理することにより好適に作製される。前記塗布方法については、例えば、アプリケーターロールなどのローラーコーティング、スクリーンコーティング、ドクターブレード方式、スピンコーティング、バーコータ等の手段を用いて任意の厚さ及び任意の形状に塗布することが好ましいが、これらに限定されるものではない。
[非水電解質]
本実施形態に係る非水電解質二次電池に用いる非水電解質は、限定されるものではなく、一般にリチウム電池等への使用が提案されているものが使用可能である。非水電解質に用いる非水溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、クロロエチレンカーボネート、ビニレンカーボネート等の環状炭酸エステル類;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等の環状エステル類;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等の鎖状カーボネート類;ギ酸メチル、酢酸メチル、酪酸メチル等の鎖状エステル類;テトラヒドロフランまたはその誘導体;1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジブトキシエタン、メチルジグライム等のエーテル類;アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類;ジオキソランまたはその誘導体;エチレンスルフィド、スルホラン、スルトン又はその誘導体等の単独またはそれら2種以上の混合物等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
非水電解質に用いる電解質塩としては、例えば、LiClO、LiBF、LiAsF、LiPF、LiSCN、LiBr、LiI、LiSO、Li10Cl10、NaClO、NaI、NaSCN、NaBr、KClO、KSCN等のリチウム(Li)、ナトリウム(Na)またはカリウム(K)の1種を含む無機イオン塩、LiCFSO、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiN(CFSO)(CSO)、LiC(CFSO、LiC(CSO、(CHNBF、(CHNBr、(CNClO、(CNI、(CNBr、(n−CNClO、(n−CNI、(CN−maleate、(CN−benzoate、(CN−phthalate、ステアリルスルホン酸リチウム、オクチルスルホン酸リチウム、ドデシルベンゼンスルホン酸リチウム等の有機イオン塩等が挙げられ、これらのイオン性化合物を単独、あるいは2種類以上混合して用いることが可能である。
さらに、LiPF又はLiBFと、LiN(CSOのようなパーフルオロアルキル基を有するリチウム塩を混合して用いることにより、さらに電解質の粘度を下げることができるので、低温特性をさらに高めることができ、また、自己放電を抑制することができ、より好ましい。
また、非水電解質として常温溶融塩やイオン液体を用いてもよい。
非水電解質における電解質塩の濃度としては、高い電池特性を有する非水電解質電池を確実に得るために、0.1mol/l〜5mol/lが好ましく、さらに好ましくは、0.5mol/l〜2.5mol/lである。
[セパレータ]
セパレータとしては、優れた高率放電性能を示す多孔膜や不織布等を、単独あるいは併用することが好ましい。非水電解質電池用セパレータを構成する材料としては、例えばポリエチレン,ポリプロピレン等に代表されるポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート等に代表されるポリエステル系樹脂、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−パーフルオロビニルエーテル共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−フルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロアセトン共重合体、フッ化ビニリデン−エチレン共重合体、フッ化ビニリデン−プロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−トリフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体等を挙げることができる。
セパレータの空孔率は強度の観点から98体積%以下が好ましい。また、充放電特性の観点から空孔率は20体積%以上が好ましい。
また、セパレータは、例えばアクリロニトリル、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、メチルメタアクリレート、ビニルアセテート、ビニルピロリドン、ポリフッ化ビニリデン等のポリマーと電解質とで構成されるポリマーゲルを用いてもよい。非水電解質を上記のようにゲル状態で用いると、漏液を防止する効果がある点で好ましい。
さらに、セパレータは、上述したような多孔膜や不織布等とポリマーゲルを併用して用いると、電解質の保液性が向上するため好ましい。即ち、ポリエチレン微孔膜の表面及び微孔壁面に厚さ数μm以下の親溶媒性ポリマーを被覆したフィルムを形成し、前記フィルムの微孔内に電解質を保持させることで、前記親溶媒性ポリマーがゲル化する。
前記親溶媒性ポリマーとしては、ポリフッ化ビニリデンの他、エチレンオキシド基やエステル基等を有するアクリレートモノマー、エポキシモノマー、イソシアナート基を有するモノマー等が架橋したポリマー等が挙げられる。該モノマーは、ラジカル開始剤を併用して加熱や紫外線(UV)を用いたり、電子線(EB)等の活性光線等を用いて架橋反応を行わせることが可能である。
[非水電解質二次電池の構成]
本実施形態に係る非水電解質二次電池の構成については特に限定されるものではなく、正極、負極及びロール状のセパレータを有する円筒型電池、角型電池(矩形状の電池)、扁平型電池等が一例として挙げられる。
図5に、本発明に係る非水電解質二次電池の一実施形態である矩形状のリチウム二次電池1の外観斜視図を示す。なお、同図は、容器内部を透視した図としている。図1に示す非水電解質二次電池1は、電極群2が電池容器3に収納されている。電極群2は、正極活物質を備える正極と、負極活物質を備える負極とが、セパレータを介して捲回されることにより形成されている。正極は、正極リード4’を介して正極端子4と電気的に接続され、負極は、負極リード5’を介して負極端子5と電気的に接続されている。
[蓄電装置の構成]
本発明は、上記の非水電解質二次電池を複数個集合した蓄電装置としても実現することができる。蓄電装置の一実施形態を図6に示す。図6において、蓄電装置30は、複数の蓄電ユニット20を備えている。それぞれの蓄電ユニット20は、複数の非水電解質二次電池1を備えている。前記蓄電装置30は、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHEV)等の自動車用電源として搭載することができる。
<正極活物質の作製>
(実施例1−1)
≪前駆体の作製≫
正極活物質の作製にあたって、反応晶析法を用いて水酸化物前駆体を作製した。まず、硫酸ニッケル6水和物315.4g、硫酸コバルト7水和物168.6g、及び硫酸マンガン5水和物530.4gを秤量し、これらの全量をイオン交換水4Lに溶解させ、Ni:Co:Mnのモル比が30:15:55となる1.0Mの硫酸塩水溶液を作製した。次に、5Lの反応槽に2Lのイオン交換水を注ぎ、イオン交換水中に含まれる酸素濃度を低減させるため、Nガスを30分間バブリングさせた。反応槽の温度は50℃(±2℃)に設定し、攪拌モーターを備えたパドル翼を用いて反応槽内を1500rpmの回転速度で攪拌しながら、反応層内に対流が十分おこるように設定した。前記硫酸塩原液を1.3mL/minの速度で反応槽に50時間滴下した。ここで、滴下の開始から終了までの間、4.0Mの水酸化ナトリウム、1.25Mのアンモニア、及び0.1Mのヒドラジンからなる混合アルカリ溶液を適宜滴下することにより、反応槽中のpHが常に9.8(±0.1)を保つように制御するとともに、反応液の一部をオーバーフローにより排出することにより、反応液の総量が常に2Lを超えないように制御した。滴下終了後、反応槽内の攪拌をさらに1時間継続した。攪拌の停止後、室温で12時間以上静置した。次に、吸引ろ過装置を用いて、反応槽内に生成した水酸化物前駆体粒子を分離し、さらにイオン交換水を用いて粒子に付着しているナトリウムイオンを洗浄除去し、電気炉を用いて、空気雰囲気中、常圧下、80℃にて20時間乾燥させた。その後、粒径を揃えるために、瑪瑙製自動乳鉢で数分間粉砕した。このようにして、水酸化物前駆体を作製した。
≪リチウム遷移金属複合酸化物の粒子の作製(焼成工程)≫
前記水酸化物前駆体2.262gに、水酸化リチウム1水和物1.294gを加え、瑪瑙製自動乳鉢を用いてよく混合し、Li:(Ni,Co,Mn)のモル比が120:100である混合粉体を調製した。ペレット成型機を用いて、6MPaの圧力で成型し、直径25mmのペレットとした。ペレット成型に供した混合粉体の量は、想定する最終生成物の質量が2.5gとなるように換算して決定した。前記ペレット1個を全長約100mmのアルミナ製ボートに載置し、箱型電気炉(型番:AMF20)に設置し、空気雰囲気中、常圧下、常温から800℃まで10時間かけて昇温し、800℃で4時間焼成した。前記箱型電気炉の内部寸法は、縦10cm、幅20cm、奥行き30cmであり、幅方向20cm間隔に電熱線が入っている。焼成後、ヒーターのスイッチを切り、アルミナ製ボートを炉内に置いたまま自然放冷した。この結果、炉の温度は5時間後には約200℃程度にまで低下するが、その後の降温速度はやや緩やかである。一昼夜経過後、炉の温度が100℃以下となっていることを確認してから、ペレットを取り出し、粒径を揃えるために、瑪瑙製自動乳鉢で数分間粉砕した。このようにして、リチウム遷移金属複合酸化物Li1.09Ni0.27Co0.14Mn0.50の粒子を作製した。
≪表面コート≫
前記リチウム遷移金属複合酸化物4.500gに、添加化合物として酸化ベリリウム0.034gを添加し、直径が5mmのZrO製のボール87.3gとともに、ZrO製の80mlのポットに投入した。前記ポットをボールミル装置(FRITSCH製pulverisette6)に設置し、空気雰囲気中、常圧下、常温、回転速度100rpmの条件において15分間ボールミル処理を行った。その後、前記ポットから粉末を取り出し、粒径を揃えるために、瑪瑙製自動乳鉢で数分間粉砕した。このようにして、実施例1−1に係る、粒子表面にBeOが存在するリチウム遷移金属複合酸化物の粒子を作製した。リチウム遷移金属複合酸化物に対するBe元素の添加量は、0.3質量%に相当する。
粒子表面にBeOが存在することは、エックス線回折装置(Rigaku社製、型名:MiniFlex II)を用いて上記条件にて粉末エックス線回折測定を行い、α−NaFeO構造に特有の回折ピークとともに、BeOに帰属される回折ピークが観察されることにより確認した(図1参照)。
(実施例1−2)
酸化ベリリウムに代えて、二酸化ゲルマニウム0.019g(リチウム遷移金属複合酸化物に対するGe元素の添加量は0.3質量%に相当)を用いたことを除いては実施例1−1と同様にして、実施例1−2に係るリチウム遷移金属複合酸化物の粒子を作製した。上記の同様の粉末エックス線回折測定により、この粒子の表面にGeOが存在することを確認した(図2参照)。
(実施例1−3〜1−5)
酸化ベリリウムに代えて、三酸化二ビスマス0.005g、0.015g、及び0.050g(リチウム遷移金属複合酸化物に対するBi元素の添加量はそれぞれ0.1、0.3、及び1.0質量%に相当)をそれぞれ用いたことを除いては実施例1−1と同様にして、実施例1−3、実施例1−4、及び実施例1−5に係るリチウム遷移金属複合酸化物の粒子を作製した。上記の同様の粉末エックス線回折測定により、実施例1−5の粒子の表面にBiが存在することを確認した(図3参照)。
(比較例1−1)
実施例1−1で作製したリチウム遷移金属複合酸化物を、そのまま比較例1−1に係るリチウム遷移金属複合酸化物の粒子(コートなし)とした。
(比較例1−2)
酸化ベリリウムを添加しなかったことを除いては実施例1−1と同様の操作を行って、比較例1−2に係るリチウム遷移金属複合酸化物の粒子(コートなし)を作製した。
(比較例1−3)
酸化ベリリウムに代えて、炭酸カリウム0.027gを用いたことを除いては実施例1−1と同様にして、比較例1−3に係るKを含むコートがされたリチウム遷移金属複合酸化物の粒子を作製した。
<非水電解質二次電池用正極の作製>
前記の実施例及び比較例に係るリチウム遷移金属複合酸化物の粒子をそれぞれ非水電解質二次電池用正極活物質として用いて、以下の手順で非水電解質二次電池用正極を作製した。N−メチルピロリドンを分散媒とし、正極活物質、アセチレンブラック(AB)及びポリフッ化ビニリデン(PVdF)が質量比90:5:5の割合で混練分散されている塗布用ペーストを作製した。該塗布ペーストを厚さ20μmのアルミニウム箔集電体の片方の面に塗布し、正極を作製した。なお、全ての実施例及び比較例に係る非水電解質二次電池同士で試験条件が同一になるように、一定面積当たりに塗布されている活物質の質量及び塗布厚みを統一した。
<非水電解質二次電池の作製>
前記正極に対して、正極の単独挙動を正確に観察する目的のため、対極、即ち負極には金属リチウムをニッケル箔集電体に密着させて用いた。ここで、非水電解質二次電池の容量が負極によって制限されないよう、負極には十分な量の金属リチウムを配置した。
非水電解質(電解液)として、エチレンカーボネート(EC)/エチルメチルカーボネート(EMC)/ジメチルカーボネート(DMC)が体積比6:7:7である混合溶媒に濃度が1mol/lとなるようにLiPFを溶解させた溶液を用いた。セパレータとして、ポリアクリレートで表面改質したポリプロピレン製の微孔膜を用いた。外装体には、ポリエチレンテレフタレート(15μm)/アルミニウム箔(50μm)/金属接着性ポリプロピレンフィルム(50μm)からなる金属樹脂複合フィルムを用い、正極端子及び負極端子の開放端部が外部露出するように電極を収納し、前記金属樹脂複合フィルムの内面同士が向かい合った融着代を注液孔となる部分を除いて気密封止し、前記電解液を注液後、注液孔を封止した。
以上の手順にて作製された非水電解質二次電池(以下、それぞれ実施例1−1電池、比較例1−1電池等という。)は、25℃の下、初期充放電工程に供した。充電は、電流0.1C、電圧4.6Vの定電流定電圧充電とし、充電終止条件は電流値が0.02Cに減衰した時点とした。放電は、電流0.1C、終止電圧2.0Vの定電流放電とした。この充放電を2サイクル行った。ここで、充電後及び放電後にそれぞれ30分の休止過程を設け、初期放電容量を確認した。
[充放電サイクル試験]
次に、30サイクルの充放電試験を行った。充電は、電流0.5C、電圧4.45Vの定電流定電圧充電とし、充電終止条件は電流値が0.02Cに減衰した時点とした。放電は、電流0.5C、終止電圧2.0Vの定電流放電とした。ここで、充電後及び放電後にそれぞれ10分の休止過程を設けた。上記充放電サイクル試験における1サイクル目の放電容量に対する30サイクル目の放電容量の百分率を算出し、「容量維持率」とした。
以上の結果を表1に示す。
表1によると、リチウム遷移金属複合酸化物の粒子とBe化合物、Ge化合物又はBi化合物をボールミル装置で固相混合して作製した正極活物質を有する実施例1−1〜1−5電池は、コート原料となる化合物を添加せず、ボールミル処理を行わない活物質を有する比較例1−1電池、及びコート原料となる化合物を添加せず、ボールミル処理を行った活物質を有する比較例1−2電池と比べて30サイクル後の容量維持率が高いことがわかる。
コート原料として炭酸カリウムを添加し、ボールミル処理を行った活物質を有する比較例1−3電池では、この効果は見られなかった。
[エックス線回折測定]
実施例1−1、1−2及び1−5電池について、充放電サイクル試験後の正極活物質を放電末状態で取り出し、エックス線回折装置(Rigaku社製、型名:MiniFlex II)を用いて上記条件にて粉末エックス線回折測定を行った。
結果を図1〜3に示す。前記の実施例に係る活物質において、α−NaFeO構造に特有の回折ピークとともに、それぞれ、BeO、GeO又はBiに帰属される回折ピークが観察された。
(実施例2−1)
硫酸ニッケル6水和物473.1g、及び硫酸マンガン5水和物530.4gを秤量し、これらの全量をイオン交換水4Lに溶解させ、Ni:Mnのモル比が45:55となる1.0Mの硫酸塩水溶液を作製した。前記硫酸塩水溶液を反応槽に滴下する開始から終了までの間、反応槽中のpHを常に10.2(±0.1)を保つように制御した以外は実施例1−1と同様にして、水酸化物前駆体を作製した。
前記水酸化物前駆体2.211gに、水酸化リチウム1水和物1.371gを加え、Li:(Ni,Mn)のモル比が130:100である混合粉体を調製した。以上の点を除いては、実施例1−1と同様にして、リチウム遷移金属複合酸化物Li1.13Ni0.39Mn0.48を作製した。
前記リチウム遷移金属複合酸化物4.500gに、二酸化ゲルマニウム0.019gを添加したことを除いては実施例1−1と同様にして、実施例2−1に係る表面にGeOが存在するリチウム遷移金属複合酸化物の粒子を作製した。
(実施例2−2)
二酸化ゲルマニウムに代えて、三酸化二ビスマス0.015gを用いたことを除いては実施例2−1と同様にして、実施例2−2に係る表面にBiが存在するリチウム遷移金属複合酸化物の粒子を作製した。
(実施例2−3)
硫酸ニッケル6水和物315.4g、硫酸コバルト112.4g、及び硫酸マンガン5水和物578.6gを秤量し、Ni:Co:Mnのモル比が30:10:60となる1.0Mの硫酸塩水溶液を作製した。前記硫酸塩水溶液を反応槽に滴下する開始から終了までの間、4.0Mの水酸化ナトリウム、0.6Mのアンモニア、及び0.3Mのヒドラジンからなる混合アルカリ溶液を適宜滴下することにより、反応槽中のpHを常に9.55(±0.1)を保つように制御した。以上の点を除いては実施例1−1と同様にして、水酸化物前駆体を作製した。
前記水酸化物前駆体2.211gに、水酸化リチウム1水和物1.373gを加え、Li:(Ni,Co,Mn)のモル比が130:100である混合粉体を調製した以外は、実施例1−1と同様にして、リチウム遷移金属複合酸化物Li1.13Ni0.26Co0.09Mn0.52を作製した。
前記リチウム遷移金属複合酸化物4.500gに対して、二酸化ゲルマニウム0.019gを用いたことを除いては、実施例1−1と同様のボールミル処理を行い、実施例2−3に係る表面にGeOが存在するリチウム遷移金属複合酸化物の粒子を作製した。
(実施例2−4)
二酸化ゲルマニウムに代えて、三酸化二ビスマス0.015gを用いたことを除いては実施例2−3と同様にして、実施例2−4に係る表面にBiが存在するリチウム遷移金属複合酸化物の粒子を作製した。
(実施例2−5)
硫酸ニッケル6水和物262.8g、硫酸コバルト224.9g、及び硫酸マンガン5水和物530.4gを秤量し、Ni:Co:Mnのモル比が25:20:55となる1.0Mの硫酸塩水溶液を作製した。前記硫酸塩水溶液を反応槽に滴下する開始から終了までの間、4.0Mの水酸化ナトリウム、1.5Mのアンモニア、及び0.2Mのヒドラジンからなる混合アルカリ溶液を適宜滴下することにより、反応槽中のpHを常に9.8(±0.1)を保つように制御した以外は実施例1−1と同様にして、水酸化物前駆体を作製した。
前記水酸化物前駆体2.262gに、水酸化リチウム1水和物1.294gを加え、Li:(Ni,Co,Mn)のモル比が120:100である混合粉体を調製した。以上の点を除いては、実施例1−1と同様にして、リチウム遷移金属複合酸化物Li1.09Ni0.23Co0.18Mn0.50を作製した。
前記リチウム遷移金属複合酸化物4.500gに対して、二酸化ゲルマニウム0.019gを用いたことを除いては実施例1−1と同様のボールミル処理を行い、実施例2−5に係る表面にGeOが存在するリチウム遷移金属複合酸化物の粒子を作製した。
(実施例2−6)
二酸化ゲルマニウムに代えて、三酸化二ビスマス0.015gを用いたことを除いては実施例2−5と同様にして、実施例2−6に係る表面にBiが存在するリチウム遷移金属複合酸化物の粒子を作製した。
(比較例2−1)
実施例2−1において作製したリチウム遷移金属複合酸化物Li1.13Ni0.39Mn0.48をそのまま比較例2−1に係るリチウム遷移金属複合酸化物の粒子(コートなし)とした。
実施例2−1〜2−6、及び比較例2−1に係る粒子をそれぞれ正極活物質として用いた以外は、実施例1−1電池と同様にして、非水電解質二次電池を作製し、実施例1−1電池と同様の充放電サイクル試験を行って30サイクル後の容量維持率を測定した。結果を以下の表2に示す。
表2によると、粒子表面にGe化合物又はBi化合物が存在するリチウム過剰型活物質を有する実施例2−1〜2−6電池は、実施例1−1〜1−5電池とはリチウム遷移金属複合酸化物の組成が異なるが、容量維持率が高く、充放電サイクル性能が向上したことがわかる。
(比較例3−1)
硫酸銅5水和物0.060gをイオン交換水100mLに溶解させた。300mLビーカーに実施例1−1で作製したリチウム遷移金属複合酸化物4.500gを加えて、溶液の温度を25℃に設定し、マグネッティックスターラーを用いて400rpmの回転速度で撹拌した。そこに前記硫酸銅5水和物の水溶液を1.3mL/minの速度で反応槽に100mL滴下した。滴下終了後、溶液のpHが11.0となるまで0.2Mの水酸化ナトリウム水溶液を滴下した。次に、吸引ろ過装置を用いて、反応槽内の粉末を分離し、電気炉を用いて、空気雰囲気中、常圧下、80℃にて20時間乾燥させた。その後、粒径を揃えるために、瑪瑙製自動乳鉢で数分間粉砕した。このようにして、比較例3−1に係る、Cuを表面にコートしたリチウム遷移金属複合酸化物の粒子を作製した。
(比較例3−2〜3−4)
硫酸鉄7水和物0.076g、硫酸セリウム4水和物0.044g、及び硫酸ジルコニウム4水和物0.059gを各々イオン交換水100mLに溶解させた水溶液を作製した。硫酸銅5水和物の水溶液に代えて、前記の水溶液をそれぞれ用いたことを除いては、比較例3−1と同様にして、比較例3−2、比較例3−3、及び比較例3−4に係る、Fe、Ce,又はZrを表面にコートしたリチウム遷移金属複合酸化物の粒子を作製した。
(比較例3−5)
実施例1−1で作製したリチウム遷移金属複合酸化物の粒子に対して、特表2013−503449号公報の段落[0092]に記載の方法に準拠し、添加量が0.1質量%となる硝酸ビスマス5水和物を用いて、液相処理を行った。具体的には、0.0045gの硝酸ビスマスを45mlのイオン交換水に溶解させた硝酸ビスマス水溶液に、実施例1−1で作製したリチウム遷移金属複合酸化物の粒子4.500gを分散させた。次に、この分散液をマグネッティックスターラーを用いて400rpmの回転速度で撹拌しながら100℃で約2時間加熱し、乾燥させた。得られた乾燥粉末を箱型電気炉(型番:AMF20)内に設置し、乾燥空気雰囲気中、常圧下、400℃で2時間焼成して、比較例3−5に係るリチウム遷移金属複合酸化物の粒子(コートなし)を作製した。
(比較例3−6)
硫酸銅5水和物の水溶液に代えて、イオン交換水を用いたことを除いては比較例3−1と同様の処理を行って、比較例3−6に係るリチウム遷移金属複合酸化物の粒子(コートなし)を作製した。
比較例3−1〜3−6に係るリチウム遷移金属複合酸化物の粒子を正極活物質に用いた以外は、実施例1−1電池と同様にして、比較例3−1〜3−6に係る非水電解質二次電池を作製し、実施例1−1電池と同様の充放電サイクル試験を行って30サイクル後の容量維持率を測定した。結果を以下の表3に実施例1−3電池、及び比較例1−1電池とともに示す。
表3によると、リチウム遷移金属複合酸化物の粒子に対してCu,Fe,Ce又はZrの硫酸塩水和物を添加して液相処理を行った比較例3−1〜比較例3−4電池、及び先に挙げた特許文献1(特表2013−503449号公報)の実施例5における酸化ビスマスのコーティング手法を、Li/Meが1.2のリチウム遷移金属複合酸化物に適用して液相処理した例である比較例3−5電池は、Biを添加してボールミル処理を行った実施例1−3電池より容量維持率が低いばかりでなく、何も処理を行わない粒子を用いた比較例1−1電池や、化合物を添加することなく液相処理のみを行った比較例3−6電池よりもさらに容量維持率が低いことがわかる。
(比較例4−1)
実施例1−1で作製した水酸化物前駆体2.227gに、水酸化リチウム1水和物1.312gと、酸化ベリリウム0.021gとを加え、瑪瑙製自動乳鉢を用いてよく混合し、Li:(Ni,Co,Mn,Be)のモル比が120:100、(Ni,Co,Mn):Beのモル比が100:3(リチウム遷移金属複合酸化物に対するBe元素の添加量は0.3質量%に相当)である混合粉体を調製した以外は実施例1−1と同様にして焼成工程を行い、比較例4−1に係るBeを含むリチウム遷移金属複合酸化物の粒子を作製した。
(比較例4−2)
実施例1−1で作製した水酸化物前駆体2.186gに、水酸化リチウム1水和物1.288gと、二酸化ゲルマニウム0.032gとを加え、瑪瑙製自動乳鉢を用いてよく混合し、Li:(Ni,Co,Mn,Ge)のモル比が120:100、(Ni,Co,Mn):Geのモル比が100:0.6(リチウム遷移金属複合酸化物に対するGe元素の添加量は0.5質量%に相当)である混合粉体を調製した以外は実施例1−1と同様にして焼成工程を行い、比較例4−2に係るGeを含むリチウム遷移金属複合酸化物の粒子を作製した。
(比較例4−3)
実施例1−1で作製した水酸化物前駆体2.103gに、水酸化リチウム1水和物1.239gと、三酸化二ビスマス0.035gとを加え、瑪瑙製自動乳鉢を用いてよく混合し、Li:(Ni,Co,Mn,Bi)のモル比が120:100、(Ni,Co,Mn):Biのモル比が100:1.2(リチウム遷移金属複合酸化物に対するBi元素の添加量は0.7質量%に相当)である混合粉体を調製した以外は実施例1−1と同様にして焼成工程を行い、比較例4−3に係るBiを含むリチウム遷移金属複合酸化物の粒子を作製した。
比較例4−1〜4−3に係るリチウム遷移金属複合酸化物の粒子を正極活物質に用いた以外は、実施例1−1電池と同様にして、非水電解質二次電池を作製し、実施例1−1電池と同様の充放電サイクル試験を行って30サイクル後の容量維持率を測定した。結果を以下の表4に実施例1−1〜1−3電池、及び比較例1−1電池とともに示す。
比較例4−1〜4−3電池は、実施例1−1〜1−3電池と同じ添加化合物を用いて活物質を作製しているが、添加化合物を前駆体とリチウム化合物に混合した状態で焼成しているから、添加化合物は活物質の結晶構造中に取り込まれている。
比較例4−1〜4−3電池は、粒子の表面にBe化合物、Ge化合物又はBi化合物が存在している実施例1−1〜1−3電池に比べて容量維持率が低く、添加化合物処理を行わない比較例1−1電池よりもさらに容量維持率が低かった。
(比較例5−1)
リチウム遷移金属複合酸化物として、LiCoO(住友金属鉱山社製)4.500gを用いた以外は実施例1−3と同様にして、比較例5−1に係るリチウム遷移金属複合酸化物の粒子を作製した。
(比較例5−2)
特許文献3(特開2003−109599号公報)の実施例10についての記載に準拠し、リチウム遷移金属複合酸化物としてLiCoO(住友金属鉱山社製)をイオン交換水に分散した分散液を調整する一方、前記リチウム遷移金属複合酸化物に対して0.1質量%に相当するBiをイオン交換水に分散した分散液を調製した、次に、各分散液の全量を混合し、マグネッティックスターラーを用いて400rpmの回転速度で撹拌しながら100℃で濃縮乾燥した。このようにして、比較例5−2に係るリチウム遷移金属複合酸化物の粒子を作製した。
(比較例5−3)
比較例5−1で用いたLiCoOを、そのまま比較例5−3に係るリチウム遷移金属複合酸化物の粒子(コートなし)とした。
比較例5−1〜5−3に係るリチウム遷移金属複合酸化物の粒子を正極活物質に用いた以外は、実施例1−1電池と同様にして、比較例5−1〜5−3に係る非水電解質二次電池を作製した。比較例5−1〜5−3に係る非水電解質二次電池は、充電電位を高くしすぎると、LiCoOが不活性化してしまうため、初期充放電工程における充電電圧を4.45Vとした。この点を除いては実施例1−1電池と同様の充放電サイクル試験を行って30サイクル後の容量維持率を測定した。結果を以下の表5に実施例1−3電池とともに示す。
実施例1−3電池と比較例5−1電池とを対比すると、Biを添加し、同じボールミル処理を行って活物質を作製していても、リチウム遷移金属複合酸化物の粒子がLiCoOである比較例5−1電池は、リチウム過剰型活物質を用いた実施例1−3電池と比べて、容量維持率が低いことがわかる。また、比較例5−1電池と比較例5−3電池とを対比すると、リチウム遷移金属複合酸化物の粒子がLiCoOである場合、ボールミル処理の有無は、容量維持率の向上に寄与しないことがわかる。
比較例5−2電池は、LiCoOの粒子に対して、Biの粒子を湿式で固相混合しており、容量維持率が大きく低下することがわかる。
以上の結果からみて、活物質の表面にBi化合物を存在させることにより、容量維持率が向上するのは、リチウム過剰型活物質に特有の効果であることがわかる。
電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHEV)等では、充放電サイクル性能が優れることが求められる。本発明に係るリチウム遷移金属複合酸化物を含有する正極活物質を用いることにより、充放電サイクル性能が向上した非水電解質二次電池を提供することができるので、この非水電解質二次電池は、特に、電気自動車(EV)用、ハイブリッド自動車(HEV)用、プラグインハイブリッド自動車(PHEV)用の非水電解質二次電池として有用である。
1 非水電解質二次電池
2 電極群
3 電池容器
4 正極端子
4’ 正極リード
5 負極端子
5’ 負極リード
20 蓄電ユニット
30 蓄電装置

Claims (5)

  1. リチウム遷移金属複合酸化物の粒子を含む非水電解質二次電池用活物質であって、
    前記リチウム遷移金属複合酸化物は、α−NaFeO構造を有し、
    遷移金属元素(Me)としてMn及びNi、又はMn、Ni及びCoを含み、Meに対するMnのモル比Mn/Meが0.5<Mn/Meであり、
    Meに対するLiのモル比Li/Meが1<Li/Meであり、
    前記粒子の表面に、Be化合物、Ge化合物又はBi化合物が存在している、非水電解質二次電池用正極活物質。
  2. 前記正極活物質は、CuKα線を用いたエックス線回折図において、Be化合物、Ge化合物又はBi化合物に帰属される回折ピークが観察される、請求項1に記載の非水電解質二次電池用正極活物質。
  3. 請求項1又は2に記載の正極活物質を含有する、非水電解質二次電池用正極。
  4. 請求項3に記載の正極を備えた、非水電解質二次電池。
  5. α−NaFeO構造を有し、遷移金属元素(Me)としてMn及びNi、又はMn、Ni及びCoを含み、Meに対するMnのモル比Mn/Meが0.5<Mn/Meであり、Meに対するLiのモル比Li/Meが1<Li/Meであるリチウム遷移金属複合酸化物の粒子と、
    Be化合物、Ge化合物又はBi化合物とを、固相で混合し、前記粒子の表面に、Be化合物、Ge化合物又はBi化合物を付着させる、非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
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