以下、表示制御装置および表示制御方法の実施形態について説明する。説明は、以下の順序で行う。
<1.第1の実施形態>
[1−1.撮像装置の概略的構成]
(1−1−1.検出部の構成例)
(1−1−2.表示部に表示される画像の例)
[1−2.表示制御装置における処理の一例]
<2.第2の実施形態>
[2−1.撮像装置の概略的構成]
[2−2.撮像装置の動作の概略]
[2−3.表示制御装置における処理の一例]
[2−4.アイコンの配置]
<3.第3の実施形態>
[3−1.撮像装置の概略的構成]
[3−2.撮像装置の動作の概略]
[3−3.表示制御装置における処理の一例]
<4.変形例>
なお、以下に説明する実施形態は、表示制御装置および表示制御方法の好適な具体例である。以下の説明においては、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、特に本開示を限定する旨の記載がない限り、表示制御装置および表示制御方法の例は、以下に示す実施形態に限定されないものとする。
<1.第1の実施形態>
以下では、デジタルカメラを例にとり、本開示の表示制御装置および表示制御方法の好適な具体例について説明する。以下の説明により明らかとなるように、本開示の表示制御装置および表示制御方法の適用例は、デジタルカメラに限定されるものではない。
[1−1.撮像装置の概略的構成]
図1Aは、本開示の実施形態にかかる表示制御装置の適用された撮像装置の一例を示す正面図である。
図1Aに示すように、撮像装置1は、例えば、本体部1bと、レンズユニット1rとから構成される。本体部1bの筺体10の内部には、被写体からの光を電気信号に変換するための撮像素子を備える撮像部15が配置される。レンズユニット1rは、被写体に関する像を撮像素子の撮像面に結像させるためのレンズ群を備えている。
レンズユニット1rは、例えば、本体部1bに対する装着および分離が自在とされる。レンズユニット1rが本体部1bに対して着脱自在とされる場合、ユーザは、撮影シーンなどに応じて、複数種類のレンズユニットから最適なレンズユニットを選択することができる。本体部1bおよびレンズユニット1rが、一体的に構成されていてももちろんかまわない。
図1Bは、本開示の実施形態にかかる表示制御装置の適用された撮像装置の一例を示す背面図である。
図1Bに示すように、本体部1bの背面には、例えば、機能ボタンの群61と表示部13とが配置される。
機能ボタンの群61は、例えば、いわゆる十字キー61aや、ボタン61b〜61dを含んでいる。機能ボタンの群61は、例えば、メニュー操作や、シーンにあわせた撮影モードの選択、サムネイル表示された画像データの選択などのために使用される。
なお、レリーズボタンRは、一般的に、例えば、本体部1bの上面かつ撮像装置1を背面側から見たときの右側に配置される。これは、右利きのユーザが撮像装置1を使用することを想定した場合に、ユーザが撮像装置1を利き手で保持しながら、ユーザがレリーズボタンRを操作しやすくするためである。
表示部13は、例えば、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display(LCD))や有機EL(Electroluminescence:電界発光効果)ディスプレイなどのディスプレイである。表示部13には、撮像素子の光電変換の作用により得られた、被写体画像が表示される。また、表示部13には、必要に応じて、撮影に使用される各種パラメータの設定値や、メニュー操作のための1以上のアイコンなどが表示される。なお、図1Bでは、図が煩雑となることを避けるため、撮像素子により取得される、被写体画像の図示を省略した。以下の説明においても、同様とする。
図1Cは、図1Aおよび図1Bに示す撮像装置の表示部の表示面を被写体の側に向けた状態を示す概略図である。
表示部13は、例えば、ヒンジh1などにより本体部1bの筺体10に連結される。例えば、図1Cに示すように、表示部13は、本体部1bの筺体10に対する回転が自在とされている。図1Cに示すように、表示部13の表示面が被写体の側に向けて回転させられることにより、撮像素子を備える撮像部15とユーザとが対向した状態で、ユーザは、被写体画像などを確認することができる。
図2Aは、本開示の実施形態にかかる表示制御装置の構成の概略を示すブロック図である。
図2Aに示すように、本開示の実施形態にかかる表示制御装置11は、検出部17を備えている。検出部17は、表示部13と撮像部15とがあらかじめ定められた関係にあるか否かを検出する。検出部17の詳細については後述する。本開示では、検出部の検出結果に応じて、撮像部により得られる被写体画像の自動記録に関する情報および撮像部により得られる被写体画像の補正に関する情報の少なくとも一方が表示部に表示される。
図2Bは、本開示の実施形態にかかる表示制御装置の適用された撮像装置の構成の一例を示すブロック図である。
撮像部15は、CCD(charge-coupled device)やCMOS(complementary metal-oxide semiconductor)などの撮像素子を備え、光電変換により、被写体に関する画像信号を取得する。撮像部15により取得された、被写体に関する画像信号は、後述する制御部65に出力される。
操作部63は、上述した機能ボタンの群61やレリーズボタンRなどの各種のボタンを含む。操作部63は、撮像装置1を操作するためのユーザインターフェースとして機能する。操作部63が、リモートコントローラなどの外部制御装置を含んでいてもよい。操作部63の受けつけた、ユーザの入力操作に応じた操作信号は、後述する制御部65に出力される。
制御部65は、プロセッサを含む処理装置であり、制御部65は、例えば、デジタルシグナルプロセッサ(Digital Signal Processor(DSP))やCPU(central processing unit)として構成される。制御部65は、撮像装置1の各部を制御するとともに、例えば、操作部63からの入力に応じた処理の結果を出力する。
制御部65は、例えば、表示制御部19、画像処理部67、画像記録部69、撮影モード制御部73、顔検出部75、笑顔撮影制御部77および肌色調整部79などを含む。以下、表示制御部19、画像処理部67、画像記録部69、撮影モード制御部73、顔検出部75、笑顔撮影制御部77および肌色調整部79について順に説明する。
表示制御部19は、表示部13に各種データを表示させるための表示制御を行う。表示部13に表示されるデータの例としては、撮像部15により得られる、被写体に関する画像データが挙げられる。被写体に関する画像データが表示部13に順次表示されることにより、ユーザは、表示部13を参照して、被写体の現在の状態を確認することができる。
表示部13に表示されるデータの他の例としては、バッテリの残量などを示すアイコン類や、撮影に使用されるパラメータの設定値などが挙げられる。撮影に使用されるパラメータとしては、例えば、ストロボの使用の有無や、シャッタスピード、絞りの開き、ISO感度などが挙げられる。なお、撮影に使用されるパラメータには、撮像装置1を操作するユーザ自身を被写体に含めた撮影(以下、セルフポートレート撮影と適宜称する。)に使用されるパラメータも含まれる。後述するように、セルフポートレート撮影に使用されるパラメータとしては、例えば、セルフタイマや顔検出、いわゆる“スマイルシャッタ”、いわゆる“肌色補正”などが挙げられる。
画像処理部67は、撮像部15から出力される、被写体に関する画像信号に対して所定の信号処理を行い、信号処理後の画像信号を出力する。被写体に関する画像信号に対する信号処理としては、例えば、デジタルゲイン調整や、ガンマ補正、色補正、コントラスト補正などが挙げられる。
画像記録部69は、画像処理部67から出力された信号処理後の画像信号を、例えば、JPEG(Joint Photographic Experts Group)などの圧縮符号化方式により圧縮し、圧縮後のデータを出力する。画像記録部69から出力された画像データは、例えば、記憶装置71に格納される。
記憶装置71は、例えば、撮像装置1に対して着脱が自在とされた外部記憶装置と、本体部の内部に固定された内部記憶装置とを含んでいる。撮影により得られた画像データは、記憶装置71に保存される。画像データを、外部記憶装置または内部記憶装置のいずれに保存させるかは、例えば、ユーザが任意に設定可能とされている。
なお、各種の演算処理や、撮像装置1の各部の制御を行うためのプログラムは、例えば、制御部65に配置されたRAM(Random Access Memory)およびROM(Read-Only Memory)や、制御部65に接続された記憶装置71などに格納される。記憶装置71としては、例えば、ハードディスク、フラッシュメモリ、光ディスク、光磁気ディスク、MRAM(Magnetoresistive Random Access Memory:磁気抵抗メモリ)などが挙げられる。
撮影モード制御部73は、ユーザの選択した撮影モードに応じた、画像データの記録を実行するための制御を行う。撮影モードの設定としては、例えば、単写(1フレームごとの画像データの記録)、連写、セルフタイマを使用した撮影などが挙げられる。
顔検出部75は、撮像部15により取得される、被写体に関する画像データから、例えば、パターンマッチングなどにより特定の対象を検出する。ここで、特定の対象とは、例えば、被写体に含まれる人物や動物の顔である。したがって、顔検出部75は、被写体に関する画像データに含まれる1または複数の顔を検出する。
ユーザは、操作部63に対する入力操作により顔検出の設定を行うことができ、ユーザは、顔検出の設定値として、オンまたはオフを選択することができる。
笑顔撮影制御部77は、顔検出部75により検出された顔が笑顔であるか否かの判定を行う。笑顔撮影制御部77は、顔検出部75により検出された顔が笑顔であった場合に画像データの記録を自動で実行するための制御を行う。このように、被写体が笑顔であるか否かの判定結果に応じて画像データの記録が自動的に実行される機能は、“スマイルシャッタ”と呼ばれる。
ユーザは、操作部63に対する入力操作により“スマイルシャッタ”の設定を行うことができ、ユーザは、“スマイルシャッタ”の設定値として、オンまたはオフを選択することができる。“スマイルシャッタ”の設定値としてオンが選択される場合、ユーザは、被写体がどの程度の笑顔であれば画像データの記録が実行されるのかをさらに設定することができる。具体的には、ユーザは、例えば、“スマイルシャッタ”の設定値として、「大笑い」、「普通の笑い」または「ほほ笑み」などをさらに設定することができる。
肌色調整部79は、人物の肌が滑らかに見えるように、記録される画像データの補正を行う。人物の肌のうち、特に、人物の顔の肌に関する画像データの補正は、“肌色補正”などと呼ばれる。すなわち、肌色調整部79は、例えば、顔検出部75で検出された、人物の顔に関するデータに対して画像処理を行うことにより、撮影された人物の肌が滑らかに見えるように、記録される画像データの補正を行う。具体的には、肌色調整部79は、人物の顔に関するデータに対するノイズ除去を行う。
ユーザは、操作部63に対する入力操作により“肌色補正”の設定を行うことができ、ユーザは、“肌色補正”の設定値として、オンまたはオフを選択することができる。“肌色補正”の設定値としてオンが選択される場合、ユーザは、“肌色補正”の程度をさらに設定することができる。具体的には、ユーザは、例えば、“肌色補正”として、「強」、「中」または「弱」などをさらに設定することができる。
(1−1−1.検出部の構成例)
次に、検出部17の構成例および検出部17の動作の一例について説明する。上述したように、検出部17は、表示部13と撮像部15とがあらかじめ定められた関係にあるか否かを検出する。
ここで、あらかじめ定められた関係とは、例えば、表示部13および撮像部15の相対位置関係を指している。検出部17は、具体的には、例えば、表示部13の表示面および撮像素子の撮像面の両方が被写体に向けられているか否かを検出する。すなわち、あらかじめ定められた関係とは、被写体が表示部13の表示内容を確認できる関係である。したがって、例えば、本体部1bの筺体10に対して表示部13が回転自在とされる場合には、検出部17は、本体部1bの筺体10に対する表示部13の回転角度や、表示部13の表示の方向を検出する。
本体部1bの筺体10に対して表示部13が回転または移動させられることにより、表示部13の表示の方向と撮像部15の撮像の方向とが、ともに被写体に向けられている場合、ユーザが、自分自身を被写体に含めて撮影を行おうとしていると判断できる。そこで、本開示では、表示部と撮像部とが所定の配置となったか否かに基づいて、ユーザが自分自身を被写体に含めるような撮影を行おうとしているか否かが推定される。
図3Aおよび図3Bは、本開示の実施形態にかかる表示制御装置の適用された撮像装置における、検出部の構成の一例を示す概略図である。図3Aは、本開示の実施形態にかかる表示制御装置11の適用された撮像装置1の背面を示す図である。図3Bは、本開示の実施形態にかかる表示制御装置11の適用された撮像装置1の左側面図を示す図である。
図3Aおよび図3Bに示すように、検出部17は、例えば、磁場センサ17aおよび磁石17bの組により構成される。磁場センサ17aは、例えば、本体部1bの筺体10の内部に配置され、磁石17bは、例えば、表示部13の内部に配置される。表示部13の内部に磁場センサ17aが配置され、本体部1bの筺体10の内部に磁石17bが配置されていてももちろんかまわない。
磁場センサ17aは、例えば、ホール素子を含むセンサである。磁場センサ17aには、磁場(本明細書中では、“磁束密度”と“磁場”とを区別しないこととする。)の有無に応じた論理値を出力するデジタル出力型のセンサと、磁場の大きさに比例した信号を出力するアナログ出力型のセンサとがある。表示部13と撮像部15とが所定の配置となったか否かが検出できれば、磁場センサ17aとして、デジタル出力型またはアナログ出力型のいずれが使用されてもかまわない。
いま、ユーザが、自分自身を含まない被写体を撮影しようとしているとすると、撮像素子の撮像面が被写体に向けられるとともに、撮像面に対して反対の側にある、ユーザの顔と表示部13の表示面とが対向する。言い換えれば、表示部13の表示の方向と撮像部15の撮像の方向とが、略反平行となっている。図3Bでは、表示部13の表示の方向を矢印D3により模式的に示し、撮像部15の撮像の方向を矢印D5により模式的に示した。
図3Cは、本体部の筺体に対する、表示部の回転の途中の状態を示す左側面図である。
図3Cにおいて矢印Eにより示されるように、表示部13の表示面が被写体に向くように、本体部1bの筺体10に対して表示部13が回転させられると、表示部13の回転に伴い、磁石17bも移動する。すると、磁石17bの移動に伴い、磁場センサ17aの近傍の磁場も表示部13の回転に伴って変化する。
図4Aは、表示部の表示面および撮像素子の撮像面の両方が被写体に向けられた状態を示す正面図である。図4Bは、表示部の表示面および撮像素子の撮像面の両方が被写体に向けられた状態を示す上面図である。図4Cは、表示部の表示面および撮像素子の撮像面の両方が被写体に向けられた状態を示す左側面図である。
図4Cでは、表示部13の表示の方向を矢印D3により模式的に示し、撮像部15の撮像の方向を矢印D5により模式的に示している。図4Cに示すように、表示部13の表示面および撮像素子の撮像面の両方が被写体に向けられた状態においては、表示部13の表示の方向と撮像部15の撮像の方向とが、略平行となっている。
ここで、例えば、磁石17bの磁気モーメントが、表示部13の表示の方向(矢印D3により示される方向)に平行であったとすると、図4Cに示す状態においては、図3Bに示す状態と比較して、磁場センサ17aの近傍の磁場の方向が反転する。したがって、磁場センサ17aからの出力の極性が反転することとなり、制御部65は、磁場センサ17aからの出力の極性から、表示部13の表示面および撮像素子の撮像面の両方が被写体に向けられているか否かを判定することができる。言い換えれば、制御部65は、検出部17の検出結果に基づいて、撮像装置1を操作するユーザ自身を被写体に含む撮影が行われているか否かを判定することができる。
なお、上述した例では、磁場の変化により、筺体10に対する表示部13の回転が検出されたが、筺体10に対する表示部13の回転や移動の検出方法は、もちろん、この例に限られない。例えば、表示部13が、回転アームなどにより筺体10に対して回転自在に接続されている場合、回転アームの回転角度を検出することにより、表示部13が筺体10に対してどの程度回転させられたかを判定するようにしてもよい。または、例えば、筺体10および表示部13に電気的接点を設けておいたり、筺体10または表示部13の一方にノッチを設けておいたりして、筺体10に対する表示部13の接触を検出するようにしてもよい。
(1−1−2.表示部に表示される画像の例)
図5Aは、表示部の表示の方向と撮像部の撮像の方向とが、略反平行となっている状態において表示部に表示される画像の例を示す画像図である。
表示部13の表示の方向と撮像部15の撮像の方向とが、略反平行となっている状態においては、撮像素子により取得される、被写体画像と、例えば、撮影に使用される各種パラメータの設定値を示す1以上のアイコンとが、表示部13に表示される。図5Aでは、バッテリの残量を示すアイコンC1や、撮像装置1が撮影モードにあることを示すアイコンC2などが表示部13に表示される例を示した。
図5Bは、表示部の表示の方向と、撮像部の撮像の方向とが略反平行となっている状態において表示部に表示される画像の他の例を示す画像図である。
図5Bでは、ストロボの設定値を示すアイコンC0、セルフタイマの設定値を示すアイコンS0、顔検出の設定値を示すアイコンS1、“スマイルシャッタ”の設定値を示すアイコンS2および“肌色補正”の設定値を示すアイコンS3が表示部13にさらに表示される例を示している。図5Bに示す例では、ストロボの発光、セルフタイマおよび“スマイルシャッタ”がオフとされ、顔検出がオンとされている。また、“肌色補正”の程度が「中」に設定されている。このように、セルフポートレート撮影に使用されるパラメータの設定値などが表示部にさらに表示されていてもよい。
図5Aおよび図5Bに示すように、表示部13には、各種パラメータの設定値を示すアイコンの一部または全部が表示される。一般的には、各種パラメータに関する情報の量をユーザが調整できるように、撮像装置1における表示形式の切り替えが可能とされている。すなわち、撮像装置1においては、機能ボタンの群61などに対する操作により、例えば、図5Aに示したような表示形式と、図5Bに示したような表示形式とを相互に切り替えることが可能とされている。
ここで、表示部の表示の方向と撮像部の撮像の方向とが、略反平行となっている状態(図1Aおよび図1Bに示す状態)で、ユーザが、ユーザ自身を被写体に含めた撮影を行おうとして、撮像素子の撮像面をユーザ側に向けたとする。
すると、表示部の表示面が、ユーザから見て撮像装置の背面側に来るため、ユーザが各種パラメータの設定値を確認するには、ユーザは、表示部の表示面を自分に向けるために撮像装置をいちいちひっくり返さなくてはならない。さらに、各種パラメータの設定値の変更に使用される機能ボタンの群は、撮像装置の背面に配置されていることが一般的である。したがって、従来の撮像装置は、各種パラメータの設定値を変更する必要がある場合に扱いづらかった。このように、ユーザ自身を被写体に含めた撮影を行おうとする場合には、ユーザは、各種パラメータの設定値をあらかじめ設定した上で、撮像素子の撮像面を自分に向ける必要があった。
そこで、本開示では、表示部と撮像部とが所定の配置となったか否かに基づいて、ユーザが自分自身を被写体に含めるような撮影を行おうとしているか否かを推定し、各種パラメータの設定値を表示部に表示させるようにしている。このとき、本開示の表示制御装置11は、各種パラメータの設定値を示す1以上のアイコンのうち、例えば、セルフポートレート撮影に使用されるパラメータの設定値を示すアイコンを表示部13に表示させる。
図6Aは、表示部の表示の方向と、撮像部の撮像の方向とが略平行となっている状態において表示部に表示される画像の例を示す画像図である。
本開示では、ユーザが表示部の表示面を自分に向けると、表示部に表示される画像の表示形式が自動的に変更される。すなわち、例えば、ユーザが撮像素子の撮像面を自分に向けた状態で表示部の表示面を自分に向けると、表示部に表示される画像が、例えば、図6Aに示す画像に遷移される。
表示部13の表示の方向と、撮像部15の撮像の方向とが略平行となっている状態においては、例えば、撮像部15により得られる画像に対する処理に関する情報が表示部13に表示される。撮像部15により得られる画像に対する処理としては、例えば、撮像部15により得られる被写体画像の自動記録に関する処理や、撮像部15により得られる被写体画像の補正に関する処理、撮像部15により得られる画像から特定の対象を検出する処理などが挙げられる。撮像部15により得られる被写体画像の自動記録に関する情報としては、例えば、セルフタイマによる自動記録の設定値、“スマイルシャッタ”などの、被写体が笑顔であるか否かの判定結果に応じて実行される自動記録の設定値などが挙げられる。撮像部15により得られる被写体画像の補正に関する情報としては、例えば、“肌色補正”の設定値などが挙げられる。撮像部15により得られる被写体画像からの特定の対象の検出としては、例えば、顔検出などが挙げられる。
より具体的には、ユーザが表示部13の表示面を自分自身に向けると、図6Aに示すように、例えば、顔検出の設定値を示すアイコンS1、“スマイルシャッタ”の設定値を示すアイコンS2および“肌色補正”の設定値を示すアイコンS3などが、表示部13に表示される。図6Aでは、顔検出の設定値を示すアイコンS1、“スマイルシャッタ”の設定値を示すアイコンS2および“肌色補正”の設定値を示すアイコンS3が表示部13に表示される例を示したが、表示部13に表示される画像は、この例に限られない。例えば、表示部13に表示されるアイコンの数や種類、配置などが、ユーザにより任意に設定可能とされていてもよい。
特に、人物の撮影に使用されるパラメータの設定値を示すアイコンが表示部13に表示されることにより、ユーザは、撮像装置1をいちいちひっくり返すことなく、セルフポートレート撮影に使用されるパラメータの設定値を確認することができる。このように、表示部13の表示の方向と、撮像部15の撮像の方向とが略平行となっている状態において、人物の撮影に使用されるパラメータの設定値を示すアイコンが表示部13に表示されていることが好ましい。
[1−2.表示制御装置における処理の一例]
図6Bは、本開示の実施形態にかかる表示制御装置における処理の一例を示すフローチャートである。図6Bを参照して以下に説明する一連の処理は、例えば、制御部により実行される。
まず、ステップSt1において、表示部13と撮像部15とがあらかじめ定められた関係にあるか否かが判定される。すなわち、検出部17の検出結果に基づいて、例えば、表示部13の表示の方向と、撮像部15の撮像の方向とが略平行となっているか否かが判定される。表示部13の表示の方向と、撮像部15の撮像の方向とが略平行となっていることが検出されなかった場合には、処理は終了される。
一方、表示部13の表示の方向と、撮像部15の撮像の方向とが略平行となっていることが検出部17に検出された場合には、処理はステップSt2に進められる。そして、ステップSt2において、例えば、セルフポートレート撮影に使用されるパラメータの設定値が読み込まれる。各種パラメータの設定値は、例えば、本体部1bの内部に固定された内部記憶装置などに格納されている。
パラメータの設定値の読み込みが終了すると、処理はステップSt3に進められる。ステップSt3において、表示部13に表示される画像の表示形式が変更される。すなわち、例えば、表示部13に表示される画像が、図5Aに示す画像から、図6Aに示す画像に遷移される。
このとき、図6Aに示すように、各設定値に応じたアイコンが表示部13に表示される。したがって、ユーザは、表示部13に表示された各アイコンを参照することにより、例えば、顔検出の設定値がオンとされ、“スマイルシャッタ”の設定値がオフとされ、“肌色補正”の程度が「中」に設定されていることを容易に確認することができる。
このように、本開示の第1の実施形態によれば、ユーザが表示部13の表示面を自分に向けることにより、表示部13に表示される画像の表示形式が自動的に変更される。
例えば、ユーザがセルフポートレート撮影を行う場合、表示部の表示面がユーザに向けられることとなるが、表示部の表示面がユーザに向けられた状態では、撮像装置がぶれ、ユーザがうまく撮影を行えない場合がある。そこで、ユーザは、例えば、撮像装置に対してあらかじめセルフタイマなどのセルフポートレート撮影のための設定を行ってから撮影を行うことになる。この場合、ユーザは、表示部の表示方向を変更する前に各種の設定を行っておく必要がある。
表示部の表示方向を変更する前に各種の設定をユーザが行った場合に、表示部に表示された自分自身の画像を確認しながら、セルフタイマによる撮影が有効とされているか否かなど、各種パラメータの設定値をユーザが確認したい場面がある。このとき、表示部の表示面が単にユーザに向けられているだけでは、ユーザは、各種パラメータの設定値を簡便に確認することができない。ユーザが各種パラメータの設定値を確認するには、ユーザは、例えば、メニュー操作や表示形式の切り替え操作を行って、ユーザが確認を必要とする設定値の表示される表示画面を呼び出さなければならないからである。
そのため、従来の撮像装置では、ユーザが表示形式の切り替えを行うために、ユーザは、ポーズを保ったまま、撮像装置の背面に配置されたボタンを手探りで操作しなければならなかった。または、ユーザは、ポーズを崩して、表示部の表示の方向を一旦もとの方向に戻し、撮像装置の背面に配置されたボタンを視認しながら、これらのボタンを操作する必要があった。
本開示では、ユーザが表示部の表示方向を変更したことを検出部が検出して、検出部の検出結果に応じて、例えば、撮像装置を操作するユーザ自身を被写体に含めた撮影に使用されるパラメータの設定値が表示部に表示される。そのため、ユーザは、表示部の表示面を自分に向けた状態で、撮影に使用されるパラメータの設定値が、撮像装置を操作するユーザ自身を被写体に含めた撮影に適した設定となっているか否かを容易に確認することができる。したがって、本開示によれば、ユーザは、撮像装置の背面にあるボタン類を操作したり、ポーズを崩したりする手間を必要とせずに、容易にセルフポートレート撮影を行うことができる。
なお、図6Aでは、ユーザが表示部13の表示面を自分に向けた場合に、撮影に使用される各種パラメータの設定値を示す1以上のアイコンのうち、セルフポートレート撮影に使用されるパラメータの設定値を示すアイコンが表示部13に表示される例を示した。このように、撮影に使用される各種パラメータの設定値を示す1以上のアイコンのうち、セルフポートレート撮影に使用されるパラメータの設定値を示すアイコンを優先して表示させるようにしてもよい。
表示部13に表示されるアイコンの数は、5つ以下であることが好ましく、3つであるとより好ましい。表示部13に表示されるアイコンの数が多いと、ユーザによる各種パラメータの設定値の確認が容易となるが、画面の表示が複雑となり、ユーザによる、被写体画像の確認が難しくなるからである。表示部13に表示されるアイコンの数を3つ程度とすると、表示部13に表示される画像が煩雑とならず、情報量のバランスがよい。
なお、ユーザが表示部13の表示面を自分に向けた場合に、例えば、表示部13に表示される画像が、図5Aに示す画像から、図5Bに示す画像に遷移されるようにしてももちろんかまわない。このように、ユーザのニーズに応じて、表示部13に表示される情報の量を調整できるようにしておいてもよい。
<2.第2の実施形態>
[2−1.撮像装置の概略的構成]
図7Aは、第2の実施形態にかかる表示制御装置の適用された撮像装置の一例を示す背面図である。図7Bは、図7Aに示す撮像装置の表示部の表示面を被写体の側に向けた状態を示す概略図である。
図7Aおよび図7Bに示すように、第2の実施形態にかかる表示制御装置21の適用された撮像装置2は、例えば、本体部2bと、レンズユニット2rとから構成される。本体部2bの筺体20の内部に、撮像素子を備える撮像部25が配置され、撮像装置2の本体部2bの背面には、例えば、機能ボタンの群と表示部23とが配置される点で、第2の実施形態にかかる撮像装置2は、第1の実施形態にかかる撮像装置1と共通する。また、検出部27の検出結果に応じて、撮像部25により得られる被写体画像の自動記録に関する情報および撮像部25により得られる被写体画像の補正に関する情報の少なくとも一方が表示部23に表示される点で、第2の実施形態は、第1の実施形態と共通する。
第2の実施形態では、表示部23が、ユーザからの指示を受け取る入力装置の機能を備える点で、第1の実施形態と異なっている。すなわち、第2の実施形態における表示部23は、具体的には、タッチパネルとして構成され、したがって、表示部23は、上述した操作部63の機能も兼ねている。
第2の実施形態では、検出部27の検出結果に応じて、例えば、セルフポートレート撮影に使用されるパラメータの設定値を示す1以上のアイコンが表示部23に表示される。第2の実施形態では、表示部23に表示されたこれらのアイコンにユーザが触れることにより、個々のアイコンの表示する内容に応じた機能が実行される点で、第1の実施形態と異なっている。
[2−2.撮像装置の動作の概略]
図7Aに示すように、表示部23の表示の方向と、撮像部25の撮像の方向とが略反平行となっている状態においては、例えば、撮像素子により取得される、被写体画像と、各種パラメータの設定値を示す1以上のアイコンとが、表示部23に表示される。または、例えば、撮像装置2を操作するユーザ自身を被写体に含めた撮影に使用されるパラメータの設定値などが表示部23にさらに表示される。
ここで、筺体20に対して表示部23の表示面がユーザに回転させられることにより、例えば、磁場センサ27aおよび磁石27bの組により構成される検出部27が、表示部23と撮像部25とがあらかじめ定められた関係となったことを検出したとする。すると、第1の実施形態の場合と同様に、表示部23の表示形式が変更され、撮像部25により得られる被写体画像の自動記録に関する情報または被写体画像の補正に関する情報が表示部23に表示される。具体的には、図7Bに示すように、例えば、顔検出の設定値を示すアイコンS21、“スマイルシャッタ”の設定値を示すアイコンS22および“肌色補正”の設定値を示すアイコンS23などが、表示部23に表示される。
上述したように、第2の実施形態では、表示部23がタッチパネルとして構成されている。第2の実施形態にかかる表示制御装置21は、表示部23に表示されたアイコンS21〜S23に対するユーザのタッチが検出されると、例えば、表示部23に表示される画面を、個々のアイコンにより示されるパラメータの設定値を変更するための画面に遷移させる。したがって、ユーザは、セルフポートレート撮影の際、表示部23に表示されるアイコンS21〜S23のそれぞれに触れることにより、アイコンS21〜S23のそれぞれにより示される処理に対応する設定を変更することができる。
なお、例えば、ユーザによるいわゆる“フリック”操作やなぞり操作により、表示部23の表示面がユーザに向けられることにより表示部23に最初に表示される1以上のアイコンとは異なるアイコンが、表示部23に現れるようにしてもよい。例えば、ユーザが表示部23に表示されたアイコンS21〜S23の近傍を下方になぞることにより、アイコンS21〜S23が下方に流れるように変化するようにしてもよい。この場合、ユーザのなぞり操作により、例えば、“肌色補正”の設定値を示すアイコンS23が画面の下方に隠れるとともに、例えば、セルフタイマの設定値を示すアイコンなどが画面の上方から現れる。このようにすることで、ユーザは、撮影に使用される各種パラメータの設定値を容易に変更することができる。
図8Aは、表示部に表示されたアイコンにユーザが触れたときに表示される設定画面の例を示す画像図である。
図8Aは、表示部23に表示されたアイコンS22にユーザがタッチした後の状態を示す図である。ユーザが表示部23に表示されたアイコンS22にタッチすると、図8Aに示すように、例えば、表示部23に表示される画面が、アイコンS22により示される処理に対応する設定を変更するための画面に遷移される。
図8Aでは、“スマイルシャッタ”の設定値を「大笑い」とするためのアイコンSa22、設定値を「普通の笑い」とするためのアイコンSb22、設定値を「ほほ笑み」とするためのアイコンSc22、設定値をオフとするためのアイコンSd22および設定画面を閉じるためのアイコンSe22が表示された状態を示している。ユーザは、例えば、アイコンSa22、Sb22、Sc22またはアイコンSd22のいずれかにタッチすることで、アイコンS22により示される処理の設定値、すなわち“スマイルシャッタ”の設定値を切り替えることができる。
図8Aは、“スマイルシャッタ”の設定値としてオフが選択された状態を示している。例えば、“スマイルシャッタ”の設定値としてオフが選択された後、設定画面を閉じるためのアイコンSe22がユーザにタッチされることで、“スマイルシャッタ”の設定がオフに決定され、設定画面が閉じられる。
なお、アイコンS21〜S23に対するユーザのタッチが検出されたときに、表示部23に表示される画面を設定画面に遷移させることにかえ、個々のアイコンにより示される処理に対応する設定が変更されるようにしてもよい。すなわち、表示部23に表示されたアイコンS21〜S23のうち、例えば、アイコンS23がユーザにタッチされるごとに、“肌色補正”の設定値が、オフ→「弱」→「中」→「強」→オフ→・・・と切り替えられるようにしておいてもよい。この場合、ユーザは、例えば、アイコンS23に繰り返しタッチすることで、アイコンS23により示される処理の設定値、すなわち“肌色補正”の設定値を切り替えることができる。
[2−3.表示制御装置における処理の一例]
図8Bは、表示部に表示されたアイコンへのタッチにより実行される処理の一例を示すフローチャートである。図8Bでは、表示部23と撮像部25とがあらかじめ定められた関係にあるものとする。図8Bを参照して以下に説明する一連の処理は、例えば、制御部により実行される。
まず、ステップSt21において、タッチパネルとして構成された表示部23にユーザが触れたか否かが判定される。ユーザが表示部23に触れたことが検出されなかった場合には、処理は終了される。
一方、ユーザが表示部23に触れたことが検出部27に検出された場合には、処理はステップSt22に進められる。そして、ステップSt22において、表示部23の表示領域のうち、いずれの領域においてユーザによるタッチが検出されたかが判定される。すなわち、表示部23に表示されたアイコンS21〜S23のうち、ユーザがいずれのアイコンにタッチしたかが判定される。以下では、アイコンS21〜S23のそれぞれが表示されている領域(座標といってもよい。)を指定する変数をUとし、アイコンS21、S22およびS23の表示されている領域に対して、変数の値として「a」、「b」および「c」がそれぞれ設定されているとする。
例えば、ユーザにより、表示部23に表示されたアイコンS21がタッチされた場合には、ステップSt23において、表示部23に表示される画面が、顔検出の設定を変更するための画面に遷移される。例えば、ユーザにより、表示部23に表示されたアイコンS22がタッチされた場合には、ステップSt24において、表示部23に表示される画面が、“スマイルシャッタ”の設定を変更するための画面に遷移される。また、例えば、ユーザにより、表示部23に表示されたアイコンS23がタッチされた場合には、ステップSt25において、表示部23に表示される画面が、“肌色補正”の設定を変更するための画面に遷移される。なお、アイコンS21〜S23の表示された領域から離れた領域にユーザがタッチした場合(図9Bに示すU==NULLの場合)には、処理は終了される。
[2−4.アイコンの配置]
表示部23の表示面がユーザに向けられることにより表示部23に表示される1以上のアイコンは、例えば、ユーザから見たときにレリーズボタンRから離れた位置に配置されることが好ましい。ユーザは、例えば、撮像装置2のレリーズボタンRを左手で操作するとともに、表示部23に表示されるアイコンを右手で操作することができる。このとき、表示部23に触れようとするユーザの指やユーザの手が、撮像部25に入射する光を遮らないことが好ましい。
図9Aは、表示部に配置される1以上のアイコンの好ましい配置の説明に使用する図である。図9Bは、セルフポートレート撮影の際における、ユーザの手および撮像装置の相対位置関係を示す概略図である。
図9Aに示すように、表示部23の画面の中心および撮像部25の中心を通る直線mを想定する。図9Aでは、該直線mを一点鎖線により示した。また、図9Aに示すように、撮像装置2を内包する領域を想定する。図9Aでは、撮像装置2を内包する領域を二点鎖線により示した。
ここで、直線mにより、撮像装置2を内包する領域が2つの領域V1および領域V2に分割されるとする。このとき、表示部23の表示面がユーザに向けられることにより表示部に表示される1以上のアイコンが、表示部23の表示面のうち、レリーズボタンRを含まない側の領域にある部分に配置されることが好ましい。具体的には、例えば、アイコンS21〜S23が、表示部23の表示面のうち、レリーズボタンRを含まない側の領域V2にある部分に表示されることが好ましい。
1以上のアイコンがレリーズボタンRに対して相対的に離れた位置に表示されると、図9Bに示すように、表示部23に触れようとするユーザの手などにより、撮像部25に入射する光が遮られないからである。
なお、1以上のアイコンの配置は、レリーズボタンRに対して相対的に離れた位置であればよく、レリーズボタンRを含まない側の領域V2に1以上のアイコンの全部が必ずしも表示されていなくともよい。
例えば、1以上のアイコンの全部または一部が、レリーズボタンRに対して、表示部23の画面の中心よりも離れた位置に表示されてもよい。または、例えば、表示部23の画面が矩形状である場合、画面を2分割したと想定したときの2つの部分のうち、レリーズボタンRに対して相対的に離れた部分に、1以上のアイコンの全部または一部が表示されてもよい。画面の分割の仕方としては、例えば、上下に2分割や左右に2分割、対角線による2分割などが挙げられる。例えば、セルフポートレート撮影の際に、ユーザから見て左側にレリーズボタンRが位置する場合、1以上のアイコンが画面の右側に表示されると、ユーザが右手で1以上のアイコンを操作しやすい。
このように、表示部23に表示される1以上のアイコンの配置は、本体部2bの筺体20に対する表示部23の配置および撮像部25の配置、またはセルフポートレート撮影の際における、ユーザが撮像装置2を保持する向きなどにより、適宜に調整されてもよい。
本開示の第2の実施形態によれば、ユーザが表示部23の表示面を自分に向けることにより、表示部23に表示される画像の表示形式が自動的に変更される。そのため、ユーザは、セルフポートレート撮影に使用されるパラメータの設定値を容易に確認することができる。さらに、第2の実施形態では、表示部23に表示された1以上のアイコンに触れることにより、ユーザは、表示部23に表示されたアイコンによりそれぞれ示されるパラメータの設定値を変更することができる。そのため、ユーザは、わざわざメニュー画面を表示させることなく、表示部23に表示された被写体画像を確認しながら、セルフポートレート撮影に使用されるパラメータの設定値を容易に変更することができる。
<3.第3の実施形態>
[3−1.撮像装置の概略的構成]
図10Aは、第3の実施形態にかかる表示制御装置の適用された撮像装置の一例を示す背面図である。図10Bは、図10Aに示す撮像装置の表示部の表示面を被写体の側に向けた状態を示す概略図である。
図10Aおよび図10Bに示すように、第3の実施形態にかかる表示制御装置31の適用された撮像装置3は、例えば、本体部3bと、レンズユニット3rとから構成される。本体部3bの筺体30の内部に、撮像素子を備える撮像部35が配置され、撮像装置3の本体部3bの背面には、例えば、機能ボタンの群と表示部33とが配置される点で、第3の実施形態にかかる撮像装置3は、第1の実施形態にかかる撮像装置1と共通する。また、検出部37の検出結果に応じて、撮像部35により得られる被写体画像の自動記録に関する情報または被写体画像の補正に関する情報が表示部33に表示される点で、第3の実施形態は、第1の実施形態と共通する。
第3の実施形態では、表示部33が、1以上の機能ボタン34を備える表示部とされる点で、第1の実施形態と異なっている。第3の実施形態では、検出部37の検出結果に応じて、表示部33に配置された1以上の機能ボタン34のそれぞれに、撮像部35により得られる画像に対する処理に関する情報に応じた機能が割り当てられる点で、第1の実施形態と異なっている。
[3−2.撮像装置の動作の概略]
図10Aに示す例では、表示部33に、4つの機能ボタン34a〜34dが配置されている。表示部33の表示の方向と、撮像部35の撮像の方向とが略反平行となっている状態では、機能ボタン34a〜34dには、筺体30の背面にある機能ボタンの群と同様に、例えば、メニュー操作や、シーンにあわせた撮影モードの選択などの機能が割り当てられている。
ここで、ユーザが筺体30に対して表示部33の表示面を回転させることにより、例えば、磁場センサ37aおよび磁石37bの組により構成される検出部37が、表示部33と撮像部35とがあらかじめ定められた関係となったことを検出したとする。すると、第1の実施形態の場合と同様に、表示部33の表示形式が変更され、撮像部35により得られる画像に対する処理に関する情報が表示部33に表示される。具体的には、図10Bに示すように、例えば、顔検出の設定値を示すアイコンS31、“スマイルシャッタ”の設定値を示すアイコンS32および“肌色補正”の設定値を示すアイコンS33などが、表示部33に表示される。このとき、アイコンS31〜S33のそれぞれは、機能ボタン34a〜34cの近傍に表示される。
第3の実施形態では、表示部33の表示形式の変更に加えて、表示部33に配置された機能ボタン34a〜34cに対する操作により実現される機能が、セルフポートレート撮影に使用されるパラメータの設定に関する機能に変更される。言い換えれば、第3の実施形態では、検出部37の検出結果に応じて、撮像部35により得られる画像に対する処理に対応する設定を変更するための機能が、機能ボタン34a〜34cのそれぞれに割り当てられる。したがって、ユーザは、セルフポートレート撮影の際、機能ボタン34a〜34cのそれぞれを操作することにより、アイコンS31〜S33のそれぞれにより示される処理に対応する設定を変更することができる。
なお、機能ボタン34a〜34dが、レリーズボタンRに対して相対的に離れた位置に配置されていることが好ましい。例えば、セルフポートレート撮影の際に、ユーザから見て左側にレリーズボタンRが位置する場合、機能ボタン34a〜34dが画面の右側に配置されると、ユーザが右手で機能ボタン34a〜34dを操作しやすい。
図10Cは、表示部に配置された機能ボタンを押下したときに表示される設定画面の例を示す画像図である。
図10Cは、ユーザが機能ボタン34aを押下した状態を示す図である。ユーザが機能ボタン34aを押下すると、図10Cに示すように、例えば、表示部33に表示される画面が、アイコンS31により示される処理に対応する設定を変更するための画面に遷移される。ユーザは、例えば、機能ボタン34aを繰り返し押下することで、アイコンS31により示される処理の設定値、すなわち顔検出のオンとオフを切り替えることができる。
なお、図10Cでは、顔検出の設定値としてオフが選択された状態を示している。例えば、顔検出の設定値としてオフが選択された後、ユーザにより機能ボタン34dが押下されることで、顔検出の設定がオフに決定され、設定画面が閉じられる。または、例えば、ユーザが顔検出の設定値としてオフを選択した後、一定時間が経過すると、顔検出の設定がオフに決定され、設定画面が閉じられる。
[3−3.表示制御装置における処理の一例]
図11Aは、表示部に配置された機能ボタンに対する機能の割り当ての処理の一例を示すフローチャートである。図11Aを参照して以下に説明する一連の処理は、例えば、制御部により実行される。
まず、ステップSt31において、表示部33と撮像部35とがあらかじめ定められた関係にあるか否かが判定される。すなわち、検出部37の検出結果に基づいて、例えば、表示部33の表示の方向と、撮像部35の撮像の方向とが略平行となっているか否かが判定される。表示部33の表示の方向と、撮像部35の撮像の方向とが略平行となっていることが検出されなかった場合には、処理は終了される。
一方、表示部33の表示の方向と、撮像部35の撮像の方向とが略平行となっていることが検出部37に検出された場合には、処理はステップSt32に進められる。そして、ステップSt32において、表示部33の表示形式が変更され、例えば、パラメータの設定値を示すアイコンS31〜S33が表示部33に表示される。
表示部33の表示形式の変更が終了すると、処理はステップSt33に進められる。ステップSt33において、表示部33に表示されたアイコンS31〜S33によりそれぞれ示される設定を変更するための機能が、機能ボタン34a〜34cのそれぞれに対する操作に割り当てられる。
具体的には、例えば、顔検出の設定値を示すアイコンS31と近い位置にある機能ボタン34aに対して、顔検出のオンとオフを切り替えるための機能が割り当てられる。例えば、“スマイルシャッタ”の設定値を示すアイコンS32と近い位置にある機能ボタン34bに対して、“スマイルシャッタ”の設定値を切り替えるための機能が割り当てられる。また、例えば、“肌色補正”の設定値を示すアイコンS33と近い位置にある機能ボタン34cに対して、“肌色補正”の程度の設定値を切り替えるための機能が割り当てられる。なお、アイコンS31〜S33のそれぞれが、機能ボタン34a〜34cの近傍に表示されるため、ユーザは、どのボタンに対してどのような機能が割り当てられたかを容易に知ることができる。
図11Bは、表示部に配置された機能ボタンへの操作に対する処理の一例を示すフローチャートである。図11Bを参照して以下に説明する一連の処理は、例えば、制御部により実行される。
まず、ステップSt34において、表示部33に表示されたアイコンS31〜S33と近い位置にある機能ボタン34a〜34cのいずれかが押下されたか否かが判定される。表示部33に配置された機能ボタン34a〜34cが押下されない場合には、処理は終了される。
次に、ステップSt35において、表示部33に配置された機能ボタン34a〜34cのうち、いずれの機能ボタンが押下されたかが判定される。以下では、機能ボタン34a〜34cのそれぞれを指定する変数をNとし、機能ボタン34a、34bおよび34cに対して、変数の値として「a」、「b」および「c」がそれぞれ設定されているとする。
例えば、ユーザにより、機能ボタン34aが押下された場合には、ステップSt36において、表示部33に表示される画面が、顔検出の設定を変更するための画面に遷移される。例えば、ユーザにより、機能ボタン34bが押下された場合には、ステップSt37において、表示部33に表示される画面が、“スマイルシャッタ”の設定を変更するための画面に遷移される。また、例えば、ユーザにより、機能ボタン34cが押下された場合には、ステップSt38において、表示部33に表示される画面が、“肌色補正”の設定を変更するための画面に遷移される。
本開示の第3の実施形態によれば、ユーザが表示部33の表示面を自分に向けることにより、表示部33に表示される画像の表示形式が自動的に変更される。そのため、ユーザは、セルフポートレート撮影に使用されるパラメータの設定値を容易に確認することができる。さらに、第3の実施形態では、表示部33に表示された1以上のアイコンによりそれぞれ示される設定を変更するための機能が、セルフポートレート撮影において表示面がユーザと対向する表示部33に配置された1以上の機能ボタンに割り当てられる。そのため、ユーザは、撮像装置3の背面に配置された機能ボタンを操作するために撮像装置3を持ち替えたりすることなく、表示部33に表示された被写体画像を確認しながら、撮影に使用される各種パラメータの設定値を容易に変更することができる。
<4.変形例>
以上、好適な実施形態について説明してきたが、好適な具体例は、上述した例に限定されるものではなく、各種の変形が可能である。
上述した実施形態では、本体部の筺体に対して表示部が回転自在とされる例を示したが、本体部の筺体に対する表示部の接続の態様はこの例に限られない。
図12A〜図12Cならびに図13A〜図13Cは、本体部の筺体に対する表示部の接続の他の態様を示す概略図である。図12Aおよび図12Bは、本開示の実施形態にかかる表示制御装置の適用された撮像装置4の背面を示す図である。図12Cは、図12Aおよび図12Bに示す撮像装置4の正面を示す図である。
図12Aに示すように、表示部43の表示の方向と、撮像部45の撮像の方向とが略反平行となっている状態においては、例えば、被写体画像と、撮影に使用される各種パラメータの設定値を示す1以上のアイコンとが、表示部43に表示されている。
撮像装置4の表示部43は、スライド式のパネルとされている。図12Bにおいて矢印F1により示すように、表示部43は、例えば、本体部4bの筺体40に配置されたレールg1およびg2により支持され、本体部4bの筺体40に対して下方に向けてスライド自在とされている。
図12Cでは、表示部43が本体部4bの筺体40に対して下方に向けてスライドされることにより、表示部43の表示面がユーザに向けられた状態を示している。図12Cに示すように、表示部43は、例えば、撮像装置4の背面側にあるメイン画面に加えて、撮像装置4の正面側にサブ画面43dを備えている。
例えば、磁場センサ47aおよび磁石47bの組により構成される検出部47により、表示部43と撮像部45とがあらかじめ定められた関係となったことが検出されたとする。すると、サブ画面43dには、例えば、セルフポートレート撮影に使用されるパラメータの設定値を示す1以上のアイコンが表示される。すなわち、検出部47は、本体部4bの筺体40に対して表示部43が移動されて、表示部43および撮像部45が、サブ画面43dがユーザに対向するような配置となっているか否かを検出する。
また、例えば、表示部が、本体部の筺体に対してスライド自在とされるとともに、回転自在とされていてもよい。
図13Aおよび図13Bは、本開示の実施形態にかかる表示制御装置の適用された撮像装置5の背面を示す図である。図13Cは、図13Aおよび図13Bに示す撮像装置5の正面を示す図である。
図13Aでは、本体部5bの筺体50と表示部53とを連結するヒンジ部h2が、例えば、本体部5bの筺体50に配置されたレールg3およびg4によりスライド自在に支持され、表示部53が、ヒンジ部h2に対して回転自在とされた例を示している。すなわち、図13Aにおいて矢印F2により示すように、ユーザは、表示部53およびヒンジ部h2を本体部5bの筺体50に対して下方に向けてスライドさせることができる。また、図13Bにおいて矢印F3により示すように、ユーザは、図13Bにおいて破線で示す軸Lを回転軸として、表示部53をヒンジ部h2に対して回転させることができる。
図13Cでは、表示部53が本体部5bの筺体50に対して下方に向けてスライドされるとともに、ヒンジ部h2に対して回転されることにより、表示部53の表示面がユーザに向けられた状態を示している。例えば、磁場センサ57aおよび磁石57bの組により構成される検出部57により、表示部53と撮像部55とがあらかじめ定められた関係となったことが検出されたとする。すると、この場合も、表示部53に、例えば、セルフポートレート撮影に使用されるパラメータの設定値を示す1以上のアイコンが表示される。
上述した実施例では、表示部の表示面が被写体の側に向けられた状態において、本体部の上側または下側に表示部が現れる例を示したが、表示部が本体部の側面側に現れるようにしてもよい。
本開示では、撮像部と表示部との間の接続の態様に特に制限はなく、検出部は、撮像部および表示部の一方に対する他方の最終的な状態を検出できればよい。このように、表示部と撮像部とがあらかじめ定められた関係にあるか否かを検出することで、ユーザは、手を煩わせられることなく自動撮像などを行うことができる。
また、上述した実施形態では、表示部と撮像部とがあらかじめ定められた関係となったときに、撮影に使用されるパラメータの設定値を示す1以上のアイコンが表示される例を示したが、被写体に人物が含まれるか否かをさらに判定するようにしてもよい。例えば、被写体に人物が含まれるか否かをさらに判定し、表示部と撮像部とがあらかじめ定められた関係となり、かつ被写体に人物が含まれる場合に、セルフポートレート撮影に使用されるパラメータの設定値を示す1以上のアイコンを表示部に表示されるようにしてもよい。
ユーザが被写体として風景を撮影しようとしているのか、または人物を撮影しようとしているのかに応じて、表示部に設定値を表示させるパラメータの種類を変更することで、本開示の表示制御装置の適用された撮像装置の操作性をさらに向上させることができる。
本開示は、静止画の撮影のみならず、動画の撮影にも適用することができる。
上述した実施形態では、表示制御装置を備える撮像装置の例を示したが、表示制御装置の応用は、この例に限られない。本開示の表示制御装置は、撮像部を備える筺体に対して可動自在とされた表示部を備えるものであれば、あらゆる電子機器に適用が可能である。例えば、携帯電話やスマートフォン、電子書籍、オーディオプレーヤ、パーソナルコンピュータ(タブレット型、ラップトップ型、デスクトップ型)、携帯情報端末(personal digital assistance(PDA))、電子手帳、ウェブカメラ、ビデオゲーム機などにも本開示を適用することができる。
なお、上述の実施形態において挙げた構成、方法、形状および数値などはあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる構成、方法、形状および数値などを用いてもよい。上述の実施形態の構成、方法、形状および数値などは、本開示の主旨を逸脱しない限り、互いに組み合わせることが可能である。