JP2018144454A - 画像処理装置及び画像処理プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】画像処理装置における処理が処理終了期限までに完了しないことをより早期に利用者に通知する。【解決手段】設定された処理終了期限前の一定期間である問い合わせ期間が設けられる。問い合わせ期間中に、ユーザからのジョブの入力操作及びジョブの処理のいずれかが実行された場合、予測情報取得部42は、当該ジョブに関する情報のうち、予測処理時間の演算に必要な情報である予測情報を取得する。予測処理時間演算部44は、予測情報取得部42が取得した予測情報及び当該ジョブの入力済みの処理内容に基づいて、当該ジョブの処理に要すると予測される予測処理時間を演算する。算出された予測処理時間と、現在時刻と、処理終了期限とに基づいて、当該ジョブが処理終了期限までに完了しないと処理完了判定部46が判定した場合、通知制御部48はユーザに対して通知を行う。【選択図】図2
Description
本発明は、画像処理装置及び画像処理プログラムに関する。
従来、画像処理装置において、利用者(ユーザ)が操作を開始してから処理を終えるまでに要する時間を予測する技術が提案されている。例えば、特許文献1には、ユーザ毎に、画像処理装置に対する操作熟練度がそれぞれ異なることに着目し、ユーザ毎に管理される操作実績時間と、設定された操作終了希望時刻とに基づいて、操作終了希望時刻までに操作を終えるために操作を開始すべき時刻である操作開始時刻を算出してユーザに通知する画像形成装置が開示されている。
ところで、画像処理装置における処理開始から処理終了までの処理時間(マシンタイム)は、処理命令(ジョブ)に関する原稿量及び処理設定が判明すれば、当該画像処理装置の処理能力に基づいて演算(予測)することができる。原稿量とは、例えば原稿枚数あるいは原稿データのページ数であり、処理設定とは例えば処理面(片面/両面)設定、後処理(例えばステープル処理、折り加工処理、断裁処理など)の有無である。
しかしながら、プリント処理を行う場合には、ユーザが画像処理装置を操作してプリント対象の原稿データ及びプリント設定を入力するまでは、画像処理装置としては原稿データのページ数及び処理設定を把握することができず、予測処理時間を演算することができない。また、スキャン処理、コピー処理、あるいは原稿を読み取ってファックス送信するファックス処理を行う場合には、処理設定を入力しても原稿全ての読み取り処理が完了するまで原稿枚数を把握することができず、それまで予測処理時間を演算することができない。これにより、実際に予測処理時間を演算可能となるのは、処理完了の直前となる場合もあり得る。
一方、ユーザは、設定された処理終了期限までにジョブの処理を終えることを要求される場合がある。このような場合、画像処理装置は、予測処理時間が演算できれば、現在時刻と処理終了期限と予測処理時間とに基づいて、処理終了期限までに処理が完了できるか否かを判定することが可能になる。そして、処理終了期限までに処理が完了できないと判定された場合には、ユーザに通知することが可能になる。しかしながら、上述のように、予測処理時間が演算可能となるのは、プリント処理においては原稿データのページ数及びプリント設定の入力後、スキャン処理、コピー処理、及びファックス処理においては、処理設定を入力して原稿全ての読み取り処理が完了した後であるから、それらの前においてユーザに通知を行うことができない。したがって、処理終了期限直前まで通知ができない、あるいは処理終了期限になっても通知ができないということもあり得る。
本発明の目的は、プリント処理においては、原稿データのページ数及びプリント設定の通常の方法での入力が完了するよりも前に、スキャン処理、コピー処理、あるいはファックス処理においては、処理設定を入力して原稿全ての読み取り処理が完了するよりも前に、画像処理装置における処理が処理終了期限までに完了しないことを利用者に通知することにある。
請求項1に係る発明は、利用者からの処理命令の入力操作を受け付ける入力操作受付部と、設定された処理終了期限前の一定期間である問い合わせ期間中に、前記処理命令の入力操作及び前記処理命令の処理のいずれかが実行された場合に、前記利用者から入力された、前記処理命令の処理に要すると予測される予測処理時間の演算に用いられ、前記処理命令に関する情報である予測情報の少なくとも一部を取得する予測情報取得部と、前記予測情報に基づいて前記予測処理時間を演算する予測処理時間演算部と、前記予測処理時間、現在時刻、及び、前記処理終了期限に基づいて、前記処理命令の処理が前記処理終了期限までに完了しないと予測される場合に、前記利用者に対して、前記処理命令の処理が前記処理終了期限までに完了しないことを通知する通知部と、を備えることを特徴とする画像処理装置である。
請求項2に係る発明は、前記通知部は、前記問い合わせ期間の開始時点における前記処理命令の処理段階に応じた通知内容を前記利用者に通知する、ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置である。
請求項3に係る発明は、前記通知部は、前記問い合わせ期間の開始時点において、前記処理命令の処理が開始されていない場合は、前記利用者に対して、前記処理命令の処理を他の画像処理装置で実行可能であることを通知する、ことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置である。
請求項4に係る発明は、前記通知部は、前記処理命令の処理が前記処理終了期限までに完了すると予測される場合に、前記処理終了期限から前記予測処理時間前の時刻を前記利用者に通知する、ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置である。
請求項5に係る発明は、前記通知部は、前記処理終了期限から前記予測処理時間前を基準とする時刻において前記処理命令の処理が開始されていない場合に、前記利用者に警告を通知する、ことを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置である。
請求項6に係る発明は、先行予約者が予約した処理命令予約の予約期間によって前記処理終了期限が設定されている場合であって、前記処理命令の処理が前記処理終了期限までに完了しないと予測される場合に、前記先行予約者に対して、前記先行予約者の処理命令予約の予約期間における前記利用者による前記画像処理装置の利用を許容するか否かを問い合わせる問い合わせ部、をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置である。
請求項7に係る発明は、前記利用者の過去の処理命令について前記利用者が入力した前記予測情報から演算された予測処理時間と、当該過去の処理命令の実際の所要時間との差異に基づいて、前記利用者についての前記問い合わせ期間を設定する問い合わせ期間設定部と、をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置である。
請求項8に係る発明は、コンピュータを、利用者からの処理命令の入力操作を受け付ける入力操作受付部と、設定された処理終了期限前の一定期間である問い合わせ期間中に、前記処理命令の入力操作及び前記処理命令の処理のいずれかが実行された場合に、前記利用者から入力された、前記処理命令の処理に要すると予測される予測処理時間の演算に用いられ、前記処理命令に関する情報である予測情報の少なくとも一部を取得する予測情報取得部と、前記予測情報に基づいて前記予測処理時間を演算する予測処理時間演算部と、前記予測処理時間、現在時刻、及び、前記処理終了期限に基づいて、前記処理命令の処理が前記処理終了期限までに完了しないと予測される場合に、前記利用者に対して、前記処理命令の処理が前記処理終了期限までに完了しないことを通知する通知部と、として機能させることを特徴とする画像処理プログラムである。
請求項1又は8に係る発明によれば、プリント処理においては、原稿データのページ数及びプリント設定の通常の方法での入力が完了するよりも前に、スキャン処理、コピー処理、あるいはファックス処理においては、処理設定を入力して原稿全ての読み取り処理が完了するよりも前に、画像処理装置における処理が処理終了期限までに完了しないことを利用者に通知することができる。
請求項2に係る発明によれば、利用者からの処理命令の状況に応じた通知を行うことができる。
請求項3に係る発明によれば、処理命令の処理を他の画像処理装置に実行させることを利用者に促すことができる。
請求項4に係る発明によれば、利用者は、処理を開始すべき時刻を把握することができる。
請求項5に係る発明によれば、処理終了期限までに処理を完了するために利用者に処理の開始を促すことができる。
請求項6に係る発明によれば、先行予約者が許可した場合に、利用者の処理を継続させることができる。
請求項7に係る発明によれば、利用者が過去に入力した予測情報から演算された予測処理時間と、実際の所要時間との間に差異がある場合、その差異に基づいた当該利用者固有の問い合わせ期間を設定することができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1に、本実施形態に係る画像処理システム10の構成概略図が示されている。画像処理システム10は、画像処理装置12及び端末装置14を含む。画像処理装置12と端末装置14は、通信回線16を介して互いに通信可能に接続されている。通信回線16は、例えばインターネット、ローカルエリアネットワーク(LAN)、近距離無線通信、などによって構成される。図1に示す例では、1つの画像処理装置12と1つの端末装置14が示されているが、画像処理システム10は、複数の画像処理装置12及び複数の端末装置14を含んでいてよい。
画像処理装置12は、画像処理機能を備えた装置である。例えば、画像処理装置12は、スキャン機能、プリント機能、コピー機能、及びファックス機能の中の少なくとも1つの機能を備えた装置である。
端末装置14は、PC(パーソナルコンピュータ)、タブレット端末、スマートフォン、あるいは携帯電話などの装置である。端末装置14は、汎用コンピュータと同様の機能を有している。すなわち、CPU(Central Processing Unit)あるいはマイクロコンピュータなどから構成される制御部、ハードディスク、ROM(Read Only Memory)あるいはRAM(Random Access Memory)から構成される記憶部、液晶パネルなどから構成される表示部、タッチパネル、マウス、あるいはキーボードなどから構成される入力部、及び、他の装置と通信するための通信部などを含んで構成される。
画像処理システム10においては、利用者(ユーザ)は、端末装置14を用いて画像処理装置12にアクセスすることで、画像処理装置12において処理の予約(ジョブ予約)をすることができる。ジョブ予約は、予約期間、すなわち予約開始時刻及び予約終了時刻を指定した上で行われる。さらに、ジョブ予約の際に処理内容も指定するようにしてもよい。処理内容とは、処理種別(例えばスキャン処理、コピー処理、プリント処理、ファックス処理などの種別)及び処理設定を含むものである。画像処理装置12においてジョブ予約されると、当該ジョブ予約の予約期間の間、当該ジョブ予約をしたユーザは他のユーザに優先して画像処理装置12を利用することができる。なお、ユーザは、画像処理装置12に対するジョブ予約を画像処理装置12を直接操作して行うこともできる。
1つの利用方法としては、ユーザは、端末装置14を用いて画像処理装置12に対してジョブ予約を行った後、予約開始時刻になると画像処理装置12まで移動し、画像処理装置12に対して処理命令としてのジョブの入力操作を行う。ジョブとは、処理命令情報と、上述の処理内容を示す情報を含むものである。つまり、ジョブの入力操作により、当該ジョブに関する処理命令と処理内容(処理種別及び処理設定)とが入力される。これにより、画像処理装置12においてジョブが実行される。
図2には、画像処理装置12の構成概略図が示されている。以下、図2を参照しながら、画像処理装置12の詳細について説明する。
通信部20は、例えばネットワークアダプタなどから構成される。通信部20はいわゆる通信インターフェースであり、通信回線16を介して、他の装置にデータを送信する機能、及び、他の装置からデータを受信する機能を備えている。通信部20は、無線通信機能を備えた通信インターフェースであってもよいし、有線通信機能を備えた通信インターフェースであってもよい。また、通信部20は、公衆回線にも接続可能である。したがって、画像処理装置12がファックス機能を発揮する際に通信部20が利用される。
表示部22は、例えば液晶パネルなどから構成される。表示部22には、画像処理装置12の各種操作画面、あるいはユーザへ各種の通知を行うための各種通知画面が表示される。
入力操作受付部としての入力部24は、タッチパネルあるいはボタンなどから構成される。入力部24は、ユーザからジョブの入力操作を受け付けるものである。ジョブの入力操作とは、ジョブの処理内容の決定操作を含むものである。
計時部26は、例えばタイマICや水晶振動子、あるいはクロックモジュールなどを含んで構成される。計時部26は、現在時刻を計時して、それを示す現在時刻情報を後述の制御部40に出力する。
画像読取部28は、例えば光源、あるいはCCD(Charge-Coupled Device)イメージセンサなどを含んで構成される。画像読取部28は、画像処理装置12の原稿台(不図示)にセットされた紙などの原稿上の画像を読み取って画像データとして取得する。したがって、画像処理装置12がスキャン機能、コピー機能、あるいはファックス機能を発揮する際に画像読取部28が利用される。本実施形態においては、原稿台に複数枚の原稿がセットされ、画像読取部28は複数枚の原稿に対して順次スキャン処理を行う。
画像読取部28は、ユーザにより入力されたジョブにおいて指定された処理内容に応じたスキャン処理を行う。例えば、ユーザによりスキャンジョブ(つまりジョブの処理種別としてスキャン処理が設定されたジョブ)が入力され、当該スキャンジョブにおいて両面スキャンが設定されている場合、画像読取部28は、原稿のおもて面及び裏面の両方に対してスキャン処理を行う。両面に対するスキャン処理にあっては、原稿に含まれるページ毎に、おもて面と裏面の2回スキャン処理を行う必要がある。したがって、同じ枚数の原稿に対する処理についていえば、原稿の片面のみに対してスキャン処理を行う片面スキャン処理に要する処理時間よりも両面スキャン処理に要する処理時間が長くなるといえる。もちろん、原稿枚数が多い程、スキャン処理に要する処理時間が長くなる。また、スキャン処理を行った後にプリント処理を行うコピー処理、及びスキャン処理を行った後に送信処理を行うファックス処理についても上記と同様のことがいえる。
画像形成部30は、プリント機能を要求するプリントジョブにおいて指定された原稿データをラスタデータに展開する処理を行うRIP処理部、及び、展開されたラスタデータや後述の画像読取部28が読み取った画像データを紙などの印刷媒体上に再現するプリント処理を実行する印刷部などを含んで構成される。このように、画像形成部30によって、原稿データあるいは画像データに対するプリント処理が行われる。したがって、画像処理装置12がプリント機能あるいはコピー機能を発揮する際に画像形成部30が利用される。
画像形成部30は、ユーザにより入力されたジョブにおいて指定された処理内容に応じたプリント処理を行う。例えば、ユーザによりプリントジョブが入力され、当該プリントジョブにおいて両面プリントが設定されている場合、画像形成部30は、印刷媒体のおもて面及び裏面の両方に対してプリント処理を行う。両面に対するプリント処理にあっては、印刷媒体のおもて面にプリント処理を行った後、当該印刷媒体を印刷部に戻した上で、当該印刷媒体の裏面にプリント処理を行う。これにより、両面プリント処理においては、各印刷媒体のおもて面のみにプリント処理を行って、プリント済みの印刷媒体を順次排出していく片面プリント処理に比して、同じ原稿データに対する処理についていえば、片面プリント処理に要する処理時間よりも両面プリント処理に要する処理時間が長くなるといえる。もちろん、原稿データ量(原稿データに含まれるページ量)あるいは出力部数が多い程、プリント処理に要する処理時間が長くなる。また、コピー処理についても上記と同様のことがいえる。
また、画像処理装置12は、プリント処理が行われた後に印刷結果物に対して後処理を行う後処理装置に接続されていてもよく、印刷結果物に対して後処理が実行されるようにしてもよい。後処理としては、例えば、製本処理、ステープル処理、折り加工処理、あるいは断裁処理などがある。後処理を実行するか否かはユーザによって指定されてよく、そのような指示は処理設定に含まれていてよい。当然ながら、後処理を行わない場合に比して、後処理を行う場合の処理時間が長くなる。
記憶部32は、ハードディスク、ROM、あるいはRAMなどを含んで構成される。記憶部32には、画像処理装置12の各部を動作させるための画像処理プログラムが記憶される。また、記憶部32には、入力されたジョブに関する情報、スキャン処理により生成された画像データ、各種の制御データ、各種のプログラムなどが記憶される。
また、図2に示される通り、記憶部32には、予約情報34、処理時間管理情報36、及び問い合わせ期間情報38が記憶されている。以下、これらの情報について説明する。
予約情報34とは、画像処理装置12において予約されたジョブ(予約ジョブ)に関する情報である。予約情報34には、ジョブ予約をしたユーザを識別するユーザID、予約期間の開始時刻である予約開始時刻、及び予約期間の終了時刻である予約終了時刻が関連付けられて記憶されている。また、ジョブ予約に際し、ユーザから当該ジョブに関する処理内容が入力された場合には、さらに、当該処理内容も関連付けられて記憶されてよい。
画像処理装置12にユーザがログインすると、後述の制御部40は、計時部26からの現在時刻情報と、予約情報34に基づいて、現在時刻が、いずれかの予約ジョブの予約期間内であるかを判定する。予約期間内である場合、ログイン時に入力されたユーザIDと、予約情報34が示す当該予約期間に係る予約ジョブを入力したユーザIDとを照合する。両ユーザIDが同じユーザを示すものである場合、制御部40は当該ユーザによる使用を許可する。両ユーザIDが異なるユーザを示すものである場合、制御部40は当該ユーザによる使用を禁止するか、あるいは当該ユーザに対する警告を表示部22に表示させる。
予約ジョブが実行されると、当該予約ジョブに相当する情報は、予約情報34から削除される。
処理時間管理情報36は、画像処理装置12における各処理に要すると予測される処理時間(マシンタイム)である予測処理時間を演算するための情報である。処理時間管理情報36は、画像処理装置12の管理者などによって予め作成されて記憶部32に記憶されてよい。
処理時間管理情報36の内容の一例としては、処理種別毎に処理の所要時間を示す情報であってよい。また、処理時間管理情報36は、処理種別毎に、原稿量に応じた処理の所要時間を示す情報であってよい。さらに、処理時間管理情報36は、処理種別及び処理設定毎に、原稿量に応じた処理の所要時間を示す情報であってよい。処理時間管理情報36が示す処理の所要時間とは、画像処理装置12が当該処理を開始してから完了までに要する時間である。各処理の所要時間は、画像処理装置12、特に画像読取部28又は画像形成部30の処理能力(性能)に基づいて決定される。
図3に、本実施形態に係る処理時間管理情報36の内容が示されている。図3に示されるように、本実施形態においては、処理時間管理情報36は、処理種別及び処理設定毎に、原稿量に応じた処理の所要時間を示すものとなっている。例えば、図3に示される処理時間管理情報36は、入力されたジョブがコピージョブであり、片面コピーが設定され、後処理であるステープル処理を行わないジョブであり、原稿枚数が21〜50枚である場合、画像処理装置12が当該コピージョブを処理するのに必要な時間が「2分」であることが示されている。同様に、入力されたジョブがコピージョブであり、片面プリントが設定され、後処理であるステープル処理を行うジョブであり、原稿枚数が21〜50枚である場合、画像処理装置12が当該コピージョブを処理するのに必要な時間が「2.5分」であることが示されている。なお、スキャンジョブ及びファックスジョブに対する原稿量は原稿枚数で定義され、コピージョブ及びプリントジョブに対する原稿量は、原稿データのページ数×出力部数で定義されてよい。
処理時間管理情報36におけるスキャン処理又はファックス処理に対する各所要時間は、画像読取部28の処理能力に基づいて設定される。また、コピー処理に対する各所要時間は、画像読取部28及び画像形成部30の処理能力に基づいて設定される。また、プリント処理に対する各所要時間は、画像形成部30の処理能力に基づいて設定される。
なお、図3においては所要時間が省略されている欄(「・・・」と記載されている欄)があるが、実際にはそのような欄にも所要時間が定められている。また、図3においては、処理設定のうち、後処理としてステープル処理のみが示されているが、複数の後処理を設定可能な場合、処理時間管理情報36においては、各処理種別に対して、複数の後処理を含む各処理設定の組み合わせ毎に原稿量に応じた処理の所要時間が定められていてよい。
また、上述のように、処理時間管理情報36に示される各所要時間は、画像処理装置12の処理に要する時間、すなわちマシンタイムであるが、記憶部32には、ユーザがジョブの入力操作に要すると予測される予測準備時間を演算するための準備時間管理情報が記憶されていてもよい。準備時間管理情報としては、処理時間管理情報36同様、処理種別毎に準備の所要時間を示す情報であってよい。準備時間管理情報が示す準備の所要時間とは、ユーザがジョブの入力操作を開始してから当該入力操作を完了までに要する時間である。準備の所要時間は、全てのユーザ向けに同じ時間が設定されるようにしてもよいが、ユーザ毎に異なる時間が設定されていてもよい。例えば、画像処理装置12の操作に熟練した者は、比較的短い時間でジョブの入力操作を終えることができると考えられるから、準備時間管理情報において、熟練ユーザに対しては非熟練ユーザに比してより短い準備の所要時間が設定されてよい。
図2に戻り、問い合わせ期間情報38は、本実施形態においては管理者などによって予め設定される問い合わせ期間を示す情報である。問い合わせ期間を説明する前に、処理終了期限前について説明する。
処理終了期限とは、ユーザが画像処理装置12において処理を完了することが求められる期限である。処理終了期限は、画像処理装置12におけるジョブの予約状況によって設定される。例えば、ユーザがジョブを予約したユーザであって予約ジョブに係る処理を行う場合は、当該予約ジョブの予約終了時刻が処理終了期限となり得る。また、他のユーザ(先行予約者)がジョブを予約している場合は、先行予約者の予約ジョブの予約開始時刻が処理終了期限となり得る。複数の先行予約者の予約ジョブがある場合は、複数の予約ジョブの予約開始時刻のうち最先の時刻が処理終了期限となり得る。また、処理終了期限は、画像処理装置12の運用状況によっても設定され得る。例えば、画像処理装置12のメンテナンスあるいは自動更新処理が開始される時間が処理終了期限となり得る。このように、処理終了期限とは、動的に変動し得るものであり、また、ユーザによっても異なり得るものである。
問い合わせ期間とは、上述の処理終了期限前の一定期間である。問い合わせ期間情報38としては、例えば、「5分」、「10分」あるいは「15分」といった時間が設定される。問い合わせ期間情報38が「10分」と設定されており、処理終了期限が「15:00」である場合、問い合わせ期間は、「14:50〜15:00」となる。このように、設定された処理終了期限と問い合わせ期間情報38によって、問い合わせ期間が決定される。本明細書では、問い合わせ期間以前の期間(上述の例では「14:50」より前の期間)を「通常期間」と記載し、処理終了期限後の期間(上述の例では「15:00」より後の期間)を「期限後期間」と記載する。
制御部40は、例えばCPUあるいはマイクロコントローラなどから構成され、記憶部32に記憶された画像処理プログラムに従って、画像処理装置12の各部の動作を制御するものである。図2に示される通り、制御部40は、予測情報取得部42、予測処理時間演算部44、処理完了判定部46、通知部としての通知制御部48、及び、問い合わせ部としての問い合わせ制御部50としても機能する。以下制御部40が有する各機能ブロックについて説明する。以下の説明においては、各機能ブロックの概要をまず説明した上で、各処理ケースにおける各機能ブロックの処理の詳細を説明する。
予測情報取得部42は、問い合わせ期間中に、ユーザによるジョブの入力操作、及び画像読取部28又は画像形成部30によるジョブの処理のいずれかが実行された場合に、当該ジョブの処理に要すると予測される予測処理時間の演算に用いられる予測情報を取得する。本実施形態では、問い合わせ期間の開始時点においてジョブの入力操作及びジョブの処理のいずれかが実行されている場合は、予測情報取得部42は、問い合わせ期間の開始時点において予測情報を取得する。問い合わせ期間内にジョブの入力操作が開始された場合は、予測情報取得部42は、ジョブの入力操作開始時において予測情報を取得する。予測情報取得部42が予測情報を取得するタイミングは上記に限られないが、できるだけ早期に予測情報を取得するのが好ましい。
具体的には、予測情報取得部42は、問い合わせ期間中に、ジョブの入力操作及びジョブの処理のいずれかが実行された場合に、ユーザに対して予測情報の入力を促すための予測情報入力画面を表示部22に表示させる。そして、予測情報取得部42は、ユーザが予測情報入力画面において入力した予測情報を取得する。あるいは、予測情報取得部42は、ユーザに対して予測情報の入力を促すための音声を出力するようにしてもよい。
予測情報とは、当該ジョブに関する情報である。予測情報には、ジョブにかかる原稿量(プリントジョブの場合は原稿データのページ数、スキャンジョブ、コピージョブ、ファックスジョブの場合は原稿枚数)のうち未処理の原稿量、及び、ジョブの処理内容が含まれる。予測情報としては、当該ジョブに関する情報全てではなく、当該ジョブに関する情報のうち、予測処理時間の演算に必要な情報で足りる。ジョブの処理内容のうちの処理設定については、予測処理時間の演算には不要な設定があり、そのような設定は予測情報には含まれない。予測処理時間の演算に必要な処理設定を示す情報は予め記憶部32に記憶されておいてよい。そのような処理設定が処理種別毎にリスト化されていてもよい。
スキャンジョブ、ファックスジョブについての予測情報には、例えば、処理種別、未処理原稿の枚数(残処理枚数、すなわちスキャン処理が未だ行われない原稿の枚数)、処理面設定(両面スキャン/片面スキャン設定)などを示す情報が含まれる。コピージョブについての予測情報には、例えば、処理種別、未処理原稿の枚数(残処理枚数)、出力部数、処理面設定(両面スキャン/片面スキャン設定及び両面プリント/片面プリント設定)、あるいは各後処理の有無などを示す情報が含まれる。プリントジョブについての予測情報には、例えば、処理種別、原稿データのページ数、出力部数、処理面設定(両面プリント/片面プリント設定)、あるいは各後処理の有無などを示す情報が含まれる。
予測情報取得部42が予測情報を取得するタイミングにおいて、予測情報の一部が既にユーザによって入力済みである場合がある。その場合は、予測情報取得部42は、予測情報のうち、未だ入力されていない予測情報を取得する。
予測処理時間演算部44は、予測情報取得部42が取得した予測情報と、処理時間管理情報36とに基づいて、画像処理装置12に入力されたジョブの処理に要すると予測される予測処理時間を演算する。予測処理時間演算部44による演算処理が行われる時点で既にジョブの処理の一部が処理済みとなっている場合は、予測処理時間は、当該ジョブの未処理分の処理に要すると予測される時間となる。例えば、処理時間管理情報36として図3に示す内容が記憶されており、予測情報取得部42が、予測情報として、処理種別「スキャン処理」、処理面の設定として「片面スキャン」、未処理原稿枚数として「21〜50枚」を示す情報を取得した場合、予測処理時間演算部44は、処理時間管理情報36を参照して、予測処理時間として「1.2分」を演算する。
また、記憶部32に、処理時間管理情報36に加え準備時間管理情報が記憶されている場合であって、予測処理時間の演算時にユーザによるジョブの入力操作が完了していない(つまりジョブの処理が開始されていない)場合には、予測処理時間演算部44は、予測処理時間に加えて予測準備時間も演算するようにしてもよい。予測準備時間は、予測情報取得部42が取得した予測情報と、処理時間管理情報36とに基づいて演算される。準備時間管理情報において、準備の所要時間がユーザ毎に設定されている場合は、ログイン時にユーザが入力したユーザIDに基づいて特定された準備の所要時間に基づいて予測準備時間が演算されてよい。
例えば、準備時間管理情報として、ユーザAについて、スキャン処理に対して2分という準備の所要時間が設定されおり、予測情報取得部42が、予測情報として処理種別「スキャン処理」を示す情報を取得した場合、予測処理時間演算部44は、予測準備時間として「2分」を演算する。また、好適には、予測処理時間演算部44は、ユーザがジョブの入力操作を開始してから経過した時間を計測しておき、準備時間管理情報が示す時間から当該計測時間を差し引いた時間を予測準備時間として演算するようにしてもよい。例えば、上述の例で、予測処理時間演算部44が予測準備時間を演算する時点において、ユーザがジョブの入力操作を開始してから既に1分経過している場合は、予測準備時間としては、2分から1分を差し引いて「1分」を演算するようにしてもよい。
処理完了判定部46は、予測処理時間演算部44が演算した予測処理時間、計時部26が計時した現在時刻、及び、設定された処理終了期限に基づいて、ユーザにより入力されたジョブの処理が処理終了期限までに完了するか否かを判定する。具体的には、現在時刻に予測処理時間を加算して得られた時刻が、処理終了期限よりも前である場合は処理終了期限までに完了すると判定し、処理終了期限よりも後である場合は処理終了期限までに完了しないと判定する。例えば、処理終了期限が「15:00」であり、現在時刻が「14:57」であり、予測処理時間が「4分」である場合、現在時刻に予測処理時間を加算すると「15:01」となり、これが処理終了期限の後になる。したがって、この場合は、当該ジョブの処理が処理終了期限までに完了しない、と判定される。
予測処理時間演算部44によって、予測処理時間に加え予測準備時間が演算された場合は、処理完了判定部46は、予測処理時間演算部44が演算した予測処理時間及び予測準備時間、計時部26が計時した現在時刻、及び、設定された処理終了期限に基づいて、ユーザにより入力されたジョブの処理が処理終了期限までに完了するか否かを判定する。例えば、処理終了期限が「15:00」であり、現在時刻が「14:57」であり、予測処理時間が「2分」であり、予測準備時間が「2分」である場合、現在時刻に予測処理時間と予測準備時間の合計である「4分」を加算すると「15:01」となり、これが処理終了期限の後になる。したがって、この場合は、当該ジョブの処理が処理終了期限までに完了しない、と判定される。
通知制御部48は、ユーザにより入力されたジョブの処理が処理終了期限までに完了しないと処理完了判定部46が判定した場合、ユーザに対して、当該ジョブの処理が処理終了期限までに完了しないことを通知する。本実施形態では、通知制御部48は、表示部22に通知画面を表示させることで、ユーザに通知を行う。あるいは、通知制御部48は音声などによってユーザに通知するようにしてもよい。
一方、ユーザにより入力されたジョブの処理が処理終了期限までに完了すると処理完了判定部46が判定した場合、通知制御部48は、この時点においてはユーザには通知を行わなくてもよい。あるいは、ユーザに対して、当該ジョブの処理が処理終了期限までに完了する見込みであることを通知するようにしてもよい。そして、当該ジョブに関する入力操作あるいは処理が続行される。
問い合わせ制御部50は、処理終了期限が、先行予約者の予約ジョブの予約開始時刻により設定されている場合であって、ユーザにより入力されたジョブの処理が処理終了期限までに完了しないと処理完了判定部46が判定した場合、当該先行予約者に対して、当該先行予約者の予約ジョブの予約期間における当該ユーザによる画像処理装置12の利用を許容するか否かを問い合わせる。具体的には、問い合わせ制御部50は、予約情報34に含まれるユーザIDから、処理終了期限の設定の要因となった予約ジョブ(つまり予約ジョブのうち予約開始時刻が最先のもの)を予約したユーザを特定し、当該ユーザが使用する端末装置14に通知情報を送信する。当該通知情報を受信した端末装置14は、当該通知情報に基づいて、表示部に通知画面を表示させる。先行予約者は、当該通知画面に従って、自らの予約ジョブの予約期間における、ユーザによる画像処理装置12の利用を許容するか否かを端末装置14に入力する。入力された許容可否情報は、端末装置14から画像処理装置12に送信される。
処理終了期限が先行予約者の予約ジョブの予約開始時刻によって設定されている場合、先行予約者が、自らの予約ジョブの予約期間におけるユーザによる画像処理装置12の利用を許容するならば、当該ユーザにとって当初の処理終了期限までに処理を終える必要はなくなる。したがって、ユーザにより入力されたジョブの処理が処理終了期限までに完了しないと処理完了判定部46が判定した場合であっても、先行予約者が許容した場合は、当該ユーザによるジョブの入力操作又はジョブに係る処理を続行することができる。一方、先行予約者が許容しなかった場合は、通知制御部48は、先行予約者によって利用が許容されなかったことをユーザに通知する。
画像処理装置12の構成概要としては以上の通りである。以下、画像処理装置12に入力されるジョブの処理種別、ジョブの入力操作の開始タイミング、及びジョブの処理の実行の開始タイミングによって分けられる各処理ケースにおける、制御部40が有する各機能ブロックによる処理の詳細について説明する。
図4には、ユーザによりスキャンジョブが入力される場合の3つのケースが示されている。図4においては、横軸が時間軸を表している。時間軸上において処理終了期限tdが示されており、処理終了期限tdから前の一定期間が問い合わせ期間である。問い合わせ期間の開始時刻がtsで示されている。上述の通り、時刻tsより前の期間が通常期間であり、処理終了期限tdより後の期間が期限後期間である。
図4には、ケースS1〜ケースS3の3つの処理ケースが示されている。ケースS1は、通常期間においてスキャンジョブの入力操作が完了し、当該スキャンジョブの処理が開始されているケースである。つまり、ケースS1においては、問い合わせ期間の開始時刻である時刻tsにおいて既に処理が実行中となっている。ケースS2は、通常期間においてスキャンジョブの入力操作が開始されているが、当該入力操作が完了するのが(つまり当該スキャンジョブの処理が開始されるのが)問い合わせ期間内となるケースである。つまり、ケースS2においては、時刻tsにおいてスキャンジョブの入力操作中となっている。ケースS3は、問い合わせ期間中にジョブの入力操作が開始されるケースである。つまり、ケースS3においては、問い合わせ期間の開始時刻である時刻tsにおいては、まだ当該スキャンジョブの入力操作が開始されていない状態となっている。
まず、ケースS1について説明する。本実施形態では、ケースS1においては、予測情報取得部42は、時刻tsの時点で予測情報を取得する。ケースS1では、時刻tsの時点では既にスキャンジョブの入力操作、つまりスキャン処理の処理内容の入力が完了している。一方、スキャンジョブについては、原稿全部に対するスキャン処理が完了しなければ、予測処理時間演算部44が原稿枚数を把握できないため、時刻tsの時点においては、残原稿枚数が未だ不明の状態である。したがって、予測情報取得部42は、予測情報として、スキャン処理がまだ行われていない残原稿枚数のみを取得すればよい。
予測情報取得部42は、ユーザに対して予測情報の入力を促すための予測情報入力画面を表示部22に表示させる。図5に予測情報入力画面の例が示されている。予測情報入力画面は、処理予定の残原稿枚数をユーザに入力させるための画面領域D1、処理面をユーザに入力させるための画面領域D2、及び、後処理を有無をユーザに入力させるための画面領域D3などを含み得るものである。上述の通り、ケースS1においては、残原稿枚数を取得すれば足りるから、ケースS1において表示される予測情報入力画面には画面領域D1のみが表示される。
画面領域D1には、枚数指定ボタン群を含んでいる。枚数指定ボタンは、例えば、1〜20枚を指定するためのボタン、21〜50枚を指定するためのボタン、51〜70枚を指定するためのボタン、及び、71枚以上を指定するためのボタン、を含む。なお、この枚数の区分けは一例に過ぎず、別の枚数の区分けが用いられてもよい。ユーザによって、枚数指定ボタン群のいずれかのボタンが押されると予測情報取得部42は、押されたボタンに応じた残原稿枚数を予測情報として取得する。
予測処理時間演算部44は、予測情報取得部42が予測情報を取得すると、直ちに、当該スキャンジョブの未処理部分の処理に要すると予測される予測処理時間を演算する。次いで、処理完了判定部46は、直ちに、当該スキャンジョブの処理が処理終了期限tdまでに完了するか否かを判定する。
当該スキャンジョブの処理が処理終了期限tdまでに完了しないと判定された場合、通知制御部48は、ユーザにその旨を通知するための通知画面を表示部22に表示させる。図6に通知画面の例が示されている。図6に示されるように、通知画面には、ユーザが入力したジョブ(この場合はスキャンジョブ)の処理が処理終了期限tdまでに終わらない可能性がある旨を示すメッセージが含まれる。また、それと共に、通知画面において、予測処理時間演算部44が演算した予測処理時間が表示されてもよい。また、画像読取部28における単位時間当たりの処理時間(処理能力)が分かっている場合は、通知制御部48は、画像読取部28の処理能力と、現在時刻と処理終了期限tdまでの間の時間とに基づいて、処理終了期限tdまでに処理可能な枚数が演算され、通知画面に表示されてもよい。
さらに、通知画面には、ユーザに対して、ジョブが処理終了期限tdまでに終わらなかった場合に処理を続行するか強制終了するかを問うための続行ボタン及び終了ボタンが含まれていてもよい。例えば、処理終了期限tdが先行予約者の予約ジョブにより設定されている場合であって、ユーザと先行予約者の間で、先行予約者の予約ジョブの予約期間におけるユーザの画像処理装置12の利用を許容することが約束されている場合などは、ユーザは続行ボタンを押して処理を続行させてもよい。終了ボタンが押下された場合は、現在実行中のスキャンジョブの処理は、処理終了期限tdにおいて強制終了される。
また、処理終了期限tdが先行予約者の予約ジョブにより設定されている場合は、図7に示すように、通知画面には、処理終了期限tdが先行予約者の予約ジョブにより設定されていることをユーザに通知するメッセージが含まれていてもよい。さらに、当該通知画面には、当該先行予約者の予約ジョブの予約開始時刻が含まれていてもよい。
さらに、処理終了期限tdが先行予約者の予約ジョブにより設定されている場合は、図8に示すように、通知画面において、問い合わせ制御部50による当該先行予約者への問い合わせを行ってよいか否かをユーザに確認するメッセージと共に、ユーザの意思を入力するための「はい」ボタン及び「いいえ」ボタンが含まれていてもよい。当該通知画面において、ユーザが「はい」ボタンを押すと、それを受けて問い合わせ制御部50は先行予約者への問い合わせ処理を行う。「いいえ」ボタンが押された場合は、問い合わせ制御部50は先行予約者への問い合わせを行わない。このように、ユーザは問い合わせ制御部50による先行予約者への問い合わせを行うか否かを選択することができる。
一方、当該スキャンジョブの処理が処理終了期限tdまでに完了すると判定された場合、画像読取部28は、実行中のスキャン処理を継続する。この場合にも、通知制御部48は、ユーザが入力したスキャンジョブが処理終了期限tdまでに完了する見込みであることを通知する画面を表示部22に表示させるようにしてもよい。
当該スキャンジョブの処理が処理終了期限tdまでに完了すると判定された場合であっても、例えば、ユーザが予測情報としての残原稿枚数を実際の残原稿枚数よりも少なく入力した場合、あるいは、残原稿枚数を入力した後に残原稿枚数が急遽増えてしまった場合など、実際には当該スキャンジョブの処理が処理終了期限tdまでに完了しない事態が生じることも考えられる。そのような事態に備え、通知制御部48は、処理終了期限tdを基準とする時刻、例えば処理終了期限tdあるいは処理終了期限tdの少し前の時点になっても当該処理が終わらなかった場合、ユーザに対して警告を出力するようにしてもよい。当該警告も、表示部22に警告画面を表示させる、あるいは警告音声を出力するなどの方法により行われてよい。当該警告画面においても、処理を続行するか強制終了するかを選択するためのボタンが含まれていてよい。
次に、ケースS2について説明する。本実施形態では、ケースS2においても、予測情報取得部42は、時刻tsの時点で予測情報を取得する。ケースS2では、時刻tsの時点ではジョブの入力操作が開始されているものの、当該入力操作は未だ完了していない。すなわち、時刻tsの時点では、予測処理時間を演算するために必要な設定の一部についても未入力である場合がある。また、当該スキャンジョブの処理が開始されていないため、予測処理時間演算部44は原稿枚数も把握することができない。したがって、予測情報取得部42は、予測情報として、当該スキャンジョブの処理内容のうち、予測処理時間を演算するために必要な設定であって時刻tsの時点で未入力の情報と、当該スキャンジョブの原稿枚数を取得する。
ケースS2においても、図5に示されるような予測情報入力画面が表示部22に表示される。ケースS2においては、画面領域D1と共に、時刻tsにおいて処理面の設定が未入力である場合は画面領域D2が表示される。時刻tsにおいて処理面の設定が入力済みである場合は、処理面をユーザに入力させるための画面領域D2は表示されない。なお、スキャン処理においては後処理は無いためケースS2においても画面領域D3は表示されない。
予測情報取得部42が予測情報を取得した後、予測処理時間演算部44が予測処理時間を演算し、演算された予測処理時間に基づいて処理完了判定部46の判定処理が行われるのはケースS1と同様である。
当該スキャンジョブの処理が処理終了期限tdまでに完了しないと判定された場合、通知制御部48は、ユーザにその旨を通知するための通知画面を表示部22に表示させる。ケースS2における通知画面としては、ケースS1同様、例えば図6に示すような画面が表示される。また、ケースS2においても、処理終了期限tdが先行予約者の予約ジョブにより設定されている場合は、ケースS1同様、通知画面として図7あるいは図8に示すような画面が表示される。
また、ケースS2においては、通知制御部48によるユーザへの通知が行われる時点において、スキャンジョブの処理が未だ開始されていない。したがって、ユーザとしては、画像処理装置12において処理終了期限tdまでに処理が終わらないのであれば、当該スキャンジョブの処理を他の画像形成装置に実行させるという選択をすることも可能である。また、処理終了期限tdが先行予約者の予約ジョブにより設定されている場合は、先行予約者の予約ジョブに予約期間の後に予約期間を設定して当該スキャンジョブの予約をするという選択をすることも可能である。したがって、ケースS2においては、通知制御部48は、図9に示されるように、当該スキャンジョブを他の画像処理装置に転送して、当該スキャンジョブの処理を他の画像処理装置で実行可能であること、あるいは画像処理装置12において当該スキャンジョブを予約可能であることを通知するメッセージと共に、これらをユーザに選択させるためのボタンを含む通知画面を表示させてもよい。
図9の例においては、「このデバイスで続行」ボタン、「他デバイスに転送」ボタン、「ジョブ予約」ボタン、及び「終了ボタン」が含まれている。「他デバイスに転送」ボタンがユーザにより押された場合、画像処理システム10に含まれる画像形成装置であって、当該スキャンジョブの転送先候補であるいくつかの他の画像形成装置が表示部22に表示されてよい。ここで、表示された他の画像形成装置の予約状況が表示されるのが好ましい。他の画像形成装置の予約状況は、「他デバイスに転送」ボタンがユーザにより押されたことをトリガとして、画像処理装置12から他の画像形成装置に対して、他の画像形成装置の記憶部に記憶されている予約情報の転送要求を送信することで取得できる。表示された転送先候補の中からユーザが1つの画像形成装置を選択すると、当該スキャンジョブが選択された画像形成装置に転送される。好ましくは、当該スキャンジョブについて入力済みの処理内容も共に転送される。
「ジョブ予約」ボタンがユーザにより押された場合、当該スキャンジョブを画像処理装置12に予約するための予約画面が表示部22に表示される。ユーザは、当該予約画面にて当該スキャンジョブの予約が可能である。当該スキャンジョブの予約期間は、先行予約者の予約ジョブの予約期間よりも後のみに設定可能となっていてよい。
なお、「このデバイスで続行」ボタンがユーザにより押された場合、当該スキャンジョブの処理は、処理終了期限tdになっても続行される。また、「終了」ボタンがユーザにより押された場合、当該スキャンジョブの処理は、処理終了期限tdにおいて強制終了される。
このように、通知制御部48は、問い合わせ期間の開始時刻である時刻tsにおけるジョブの処理段階に応じた通知内容をユーザに通知してもよい。具体的には、ケースS1のように、時刻tsにおいて既にジョブの処理が開始されている場合は、処理終了期限tdまでに処理が終わらないことなどを通知する。一方、ケースS2のように、時刻tsにおいて未だジョブの処理が開始されていない場合には、処理終了期限tdまでに処理が終わらないことなどを通知すると共に、当該ジョブを他の画像形成装置に転送可能であること、あるいは画像処理装置12において予約可能であることを通知してもよい。
一方、当該スキャンジョブの処理が処理終了期限tdまでに完了すると判定された場合、制御部40は、ユーザにジョブの入力操作を続行させる。ケースS2においては、処理完了判定部46が判定処理を行った時点で、未だユーザが入力操作を行っており、当該スキャンジョブの処理が開始されていない。つまり、実際にユーザがどの時点で入力操作を終えて処理が開始されるのかが不明である。このことに鑑み、通知制御部48は、処理終了期限tdから予測処理時間前の時刻である処理開始期限tlをユーザに通知するようにしてもよい。
処理開始期限tlは、当該スキャンジョブの処理を処理終了期限tdまでに終わらせるために、ユーザが入力操作を終えなければならない時刻(処理を開始しなければならない時刻)である。つまり、通知制御部48が処理開始期限tlをユーザに通知することで、ユーザとしては、当該スキャンジョブの処理を処理終了期限tdまでに終わらせるために処理を開始しなければならない時刻を容易に把握することができる。
さらに、通知制御部48は、処理完了判定部46により当該スキャンジョブの処理が処理終了期限tdまでに完了すると判定されたにも関わらず、処理開始期限tlを基準とする時刻(例えば処理開始期限tl、あるいは処理開始期限tlよりも少し前の時刻)までに当該スキャンジョブの処理が開始されていない場合に、ユーザに処理の開始を促すべく、ユーザに対して警告を通知するようにしてもよい。
次に、ケースS3について説明する。ケースS3においては、時刻ts後、つまり問い合わせ期間中にスキャンジョブの入力操作が開始されているから、予測情報取得部42は、当該スキャンジョブの入力操作が開始された時点で予測情報を取得する。ケースS3では、予測情報取得部42が予測情報を取得する時点では、スキャンジョブに関する設定はまだ何も入力されていない。したがって、予測情報取得部42は、予測情報として、当該スキャンジョブの処理内容のうち、予測処理時間を演算するために必要な全ての情報と、当該スキャンジョブの原稿枚数を取得する。
ケースS3においても、図5に示されるような予測情報入力画面が表示部22に表示される。ケースS3においては、画面領域D1及び画面領域D2が表示される。なお、ケースS3においても、スキャン処理においては後処理は無いため、画面領域D3は表示されない。
予測情報取得部42が予測情報を取得した後、処理完了判定部46の判定処理が行われるのはケースS1及びケースS2と同様である。
当該スキャンジョブの処理が処理終了期限tdまでに完了しないと判定された場合の処理は、ケースS2と同様である。すなわち、通知制御部48は、ユーザに通知するための通知画面を表示部22に表示させる。通知画面としては、例えば図6に示すような画面が表示される。また、ケースS3においても、処理終了期限tdが先行予約者の予約ジョブにより設定されている場合は、ケースS2同様、通知画面として図7あるいは図8に示すような画面が表示される。
また、ケースS3においても、通知制御部48によるユーザへの通知が行われる時点において、スキャンジョブの処理が未だ開始されていないから、当該スキャンジョブを他の画像処理装置に転送可能であること、あるいは画像処理装置12において当該スキャンジョブを予約可能であることが、例えば図9に示されるような通知画面により通知される。
当該スキャンジョブの処理が処理終了期限tdまでに完了すると判定された場合の処理も、ケースS2と同様である。
スキャンジョブに関する3つの処理ケースにおける処理の流れは以上の通りである。なお、ファックスジョブはスキャンジョブに比して、スキャン処理後に画像データを記憶するか、他の装置に送信するかの違いのみである。したがって、ファックスジョブに対しても、制御部40は、上述したスキャンジョブに対する処理と同様の流れで処理することができる。
スキャン処理後にプリント処理を行うコピージョブについても、基本的に上述したスキャンジョブに対する処理と同様の流れで処理される。ただし、コピージョブの処理においては、スキャン処理まで完了していれば、予測処理時間演算部44は原稿枚数を把握することができる。したがって、時刻tsの時点で既にスキャン処理が完了している場合は、予測情報取得部42が予測情報を時刻tsで取得する必要なく、予測処理時間演算部44は予測処理時間を演算可能となる。
また、コピージョブに対しては、当該コピージョブの処理が処理終了期限tdまでに完了しないと判定された場合、スキャン処理のみは画像処理装置12で実行し、その後のプリント処理のみを他の画像形成装置に転送するという処置が可能になる。したがって、通知画面においては、スキャン処理のみは画像処理装置12で実行し、その後のプリント処理のみを他の画像形成装置に転送可能であることをユーザへ通知すると共に、ユーザにそのような処置を選択させるボタンを表示させるようにしてもよい。
図10には、ユーザによりプリントジョブが入力される場合の3つのケースが示されている。図10においても、図4同様、横軸が時間軸を表しており、通常期間、問い合わせ期間、期限後期間、処理終了期限td、及び問い合わせ期間の開始時刻である時刻tsが示されている。
図10には、ケースP1−1〜ケースP3の4つの処理ケースが示されている。ケースP1−1及びケースP1−2は、通常期間においてプリントジョブの入力操作が完了し、当該プリントジョブの処理が開始されているケースである。ケースP2は、通常期間においてプリントジョブの入力操作が開始されているが、当該入力操作が完了するのが(つまり当該プリントジョブの処理が開始されるのが)問い合わせ期間内となるケースである。ケースP3は、問い合わせ期間中にプリントジョブの入力操作が開始されるケースである。
まず、ケースP1−1及びP1−2について説明する。プリントジョブにおいては、ユーザによる入力操作が完了した時点で、予測処理時間を演算するために必要な設定(原稿データの枚数、出力部数、処理面設定、あるいは後処理の有無など)が全て入力済みの状態となる。したがって、ケースP1−1及びケースP1−2においては、予測処理時間演算部44は、時刻tsまで待つことなく、入力操作が完了した時点で当該プリントジョブの予測処理時間を演算する。そして、当該プリントジョブの処理が処理終了期限tdまでに完了すると予測される場合(ケースP1−1)は、制御部40はプリント処理を開始させ、当該プリントジョブの処理が処理終了期限tdまでに完了しないと予測される場合(ケースP1−2)は、制御部40はプリント処理の開始を禁止させる。
次に、ケースP2について説明する。ケースP2では、時刻tsの時点ではプリントジョブの入力操作が開始されているものの、当該入力操作は未だ完了していない。すなわち、時刻tsの時点では、予測処理時間を演算するために必要な設定の一部についても未入力である場合がある。したがって、予測情報取得部42は、予測情報として、予測処理時間を演算するために必要な設定のうち、時刻tsの時点で未だ入力されていない設定を取得する。なお、プリントジョブにおいては、当該プリントジョブの入力開始時点で原稿データのページ数及び出力部数が入力されるため、予測情報取得部42は、時刻tsの時点で原稿データのページ数及び出力部数を取得する必要はない。
ケースP2においても、図5に示されるような予測情報入力画面が表示部22に表示される。上述のように、ケースP2では、原稿データのページ数及び出力部数を取得する必要がないため画面領域D1は表示されない。また、時刻tsにおいて処理面の設定が入力済みである場合は画面領域D2は表示されず、時刻tsにおいて処理面の設定が未入力である場合は画面領域D2が表示される。同様に、時刻tsにおいて後処理の有無が入力済みである場合は画面領域D3は表示されず、時刻tsにおいて後処理の有無が未入力である場合は画面領域D3が表示される。
予測情報取得部42が予測情報を取得した後、処理完了判定部46の判定処理が行われる。
当該プリントジョブの処理が処理終了期限tdまでに完了しないと判定された場合の処理は、ケースS2と同様である。すなわち、通知制御部48は、ユーザに通知するための通知画面を表示部22に表示させる。通知画面としては、例えば図6に示すような画面が表示される。また、ケースP2においても、処理終了期限tdが先行予約者の予約ジョブにより設定されている場合は、ケースS1などと同様、通知画面として図7あるいは図8に示すような画面が表示される。
また、ケースP2においても、通知制御部48によるユーザへの通知が行われる時点において、プリントジョブの処理が未だ開始されていないから、通知画面には、当該プリントジョブを他の画像処理装置に転送可能であること、あるいは画像処理装置12において当該プリントジョブを予約可能であることが、例えば図9に示された通知画面により通知される。
当該スキャンジョブの処理が処理終了期限tdまでに完了すると判定された場合の処理も、ケースS2と同様である。
次に、ケースP3について説明する。ケースP3においては、時刻ts後、つまり問い合わせ期間中にプリントジョブの入力操作が開始されているから、予測情報取得部42は、当該プリントジョブの入力操作が開始された時点で予測情報を取得する。ケースP3では、予測情報取得部42が予測情報を取得する時点では、プリントジョブに関する設定はまだ何も入力されていない。したがって、予測情報取得部42は、予測情報として、当該プリントジョブの処理内容のうち、予測処理時間を演算するために必要な全ての情報と、当該プリントジョブにかかる原稿データのページ数及び出力部数を取得する。
ケースP3においても、図5に示されるような予測情報入力画面が表示部22に表示される。ケースP3においては、画面領域D1〜D3の全てが表示される。なお、ケースP3においては、画面領域D1には、原稿ページ数を入力するボタンに加え、出力部数を入力するためのボタンあるいは欄が含まれていてよい。
予測情報取得部42が予測情報を取得した後、処理完了判定部46の判定処理が行われるのはケースP2と同様である。
当該プリントジョブの処理が処理終了期限tdまでに完了しないと判定された場合の処理も、ケースP2と同様である。なお、プリントジョブに対しては、当該プリントジョブの処理が処理終了期限tdまでに完了しないと判定された場合、当該プリントジョブに関する設定操作は画像処理装置12で実行し、処理の実行を他の画像形成装置に転送するという処置が可能になる。したがって、通知画面においては、プリントジョブに関する設定入力のみは画像処理装置12で実行し、処理を他の画像形成装置に転送可能であることをユーザへ通知すると共に、ユーザにそのような処置を選択させるボタンを表示させるようにしてもよい。
また、当該プリントジョブの処理が処理終了期限tdまでに完了すると判定された場合の処理も、ケースP2と同様である。
以上、本実施形態に係る画像処理装置12について説明した。画像処理装置12によれば、スキャンジョブ、コピージョブ、あるいはファックスジョブについては、原稿の全てに対するスキャン処理が完了するよりも前に、ユーザは、自分が入力したジョブが処理終了期限までに終わらないことを把握することができる。また、プリントジョブについては、プリントジョブに対する通常の入力操作が終わる前に、自分が入力したプリントジョブが処理終了期限までに終わらないことを把握することができる。これにより、ユーザは、処理終了期限までに終わらないジョブに対する処置をより早期に決定することができる。例えば、処理終了期限までに終わる分だけを先に処理する、あるいは画像処理装置12における当該ジョブの処理を中断して、当該ジョブを他の画像処理装置で処理させるなどというような意思決定を早期に行うことができる。
以下、図11に示されたフローチャートに従って、制御部40の処理の流れを説明する。図11に示されたフローチャートの処理は、ユーザがジョブの入力操作を開始したとき、ジョブの処理が開始されたとき、及び、問い合わせ期間の開始時刻である時刻tsになったときに開始される。
ステップS10において、制御部40は、現時点が通常期間、問い合わせ期間、及び期限後期間のいずれの期間であるかを判定する。
ステップS10で通常期間であると判定された場合、ステップS12において、制御部40は、ユーザによるジョブの入力操作、あるいは当該ジョブの処理を続行させる。
ステップS10で期限後期間であると判定された場合、ステップS14において、通知制御部48は、ジョブの入力操作及び処理(つまり画像処理装置12の利用)が不可であることをユーザに通知するための利用禁止画面を表示部22に表示させる。
ステップS10で問い合わせ期間であると判定された場合、ステップS16において、制御部40は、予測処理時間演算部44が予測処理時間を演算するために必要な予測情報が入力済みであるか否かを判定する。入力済みである場合は、ステップS18及びS20の処理をバイパスしてステップS22へ進む。入力されていない場合は、ステップS18に進む。
ステップS18において、予測情報取得部42は、入力されたジョブに関する設定のうち、予測処理時間の演算に必要な設定をユーザに入力させるための予測情報入力画面を表示部22に表示させる。
ステップS20において、予測情報取得部42は、予測情報入力画面によってユーザから入力された予測情報を取得する。
ステップS22において、予測処理時間演算部44は、ユーザにより入力済みの予測情報に基づいて、当該ジョブの処理に要すると予測される予測処理時間を演算する。
ステップS24において、処理完了判定部46は、ステップS22で演算された予測処理時間、現在時刻、及び、設定された処理終了期限に基づいて、当該ジョブの処理が処理終了期限までに完了するか否かを判定する。
ステップS24で当該ジョブの処理が処理終了期限までに完了すると判定された場合、ステップS12において、制御部40は、ユーザによるジョブの入力操作、あるいは当該ジョブの処理を続行させる。
ステップS24で当該ジョブの処理が処理終了期限までに完了しないと判定された場合、ステップS26において、通知制御部48は、当該ジョブの処理が処理終了期限までに完了しないことをユーザに通知するための通知画面を表示部22に表示させる。ステップS26においては、上述のように、時刻tsにおけるジョブの処理段階に応じた種々の内容を通知する通知画面が表示されてよい。
以下、本実施形態の変形例について説明する。図12に、変形例に係る画像処理装置12−2の構成概略図が示されている。画像処理装置12−2は、図1に示した基本実施形態に係る画像処理装置12に比して、記憶部32−2に履歴情報60が記憶され、制御部40−2が問い合わせ期間設定部62としての機能も有する点において異なる。なお、画像処理装置12−2が有する各構成要件のうち、画像処理装置12と同様の構成要件については、図1と同じ符号を付し、その説明を省略する。
画像処理装置12−2は、画像処理装置12と基本的に同様の処理を行う。ただし、画像処理装置12においては、問い合わせ期間が管理者などによって予め定められ、全てのユーザにとって問い合わせ期間が用いられていたのに対して、画像処理装置12−2には、ユーザ毎に異なる問い合わせ期間を設定し得るものである。以下、詳細に説明する。
履歴情報60は、ユーザの画像処理装置12−2の利用履歴を示す情報である。詳しくは、履歴情報には、ユーザを識別するユーザIDと、ユーザが画像処理装置12−2に入力したジョブに関して入力された予測情報と、当該ジョブの処理に実際に要した時間である実所要時間とが関連付けられて記憶されている。
図13に、履歴情報60の内容の例が示されている。図13に示される通り、本実施形態における履歴情報60はテーブル形式となっており、画像処理装置12−2が1つのジョブに関する処理を完了する度に、上述の各情報が関連付けられたレコードが追加されていく。
問い合わせ期間設定部62は、履歴情報60に基づいて、ユーザ毎に問い合わせ期間を設定する。具体的には、まず、問い合わせ期間設定部62は、ユーザ毎に、履歴情報60から取得された予測情報と処理時間管理情報36とに基づいて、過去においてユーザが入力して処理された各ジョブに関する予測処理時間を演算する。そして、各ジョブについて演算された予測処理時間と、履歴情報60から取得された各ジョブの処理に要した実処理時間との差異に基づいて、当該ユーザに対する問い合わせ期間を設定する。
図13には、ユーザAとユーザBに関するレコードがそれぞれ3つずつ示されている。ここでは、簡単のため、ユーザAとユーザBが全く同じ3つのジョブをそれぞれ実行したものとする。具体的には、1つ目のジョブは、片面スキャンが設定されたスキャンジョブであり、当該スキャンジョブに対する入力操作中あるいは処理中において予測情報取得部42からの要求に応じてユーザが残原稿枚数として「30枚」と入力したジョブであるとする。2つ目のジョブは、片面プリント、ステープル処理無しが設定されたプリントジョブであり、当該プリントジョブに対する入力操作中において予測情報取得部42からの要求に応じてユーザが原稿データの枚数として「25枚」と入力したジョブであるとする。3つ目のジョブは、片面スキャンが設定されたスキャンジョブであり、当該スキャンジョブに対する入力操作中あるいは処理中において予測情報取得部42からの要求に応じてユーザが残原稿枚数として「40枚」と入力したジョブであるとする。
処理時間管理情報36として、図3に示された内容が記憶されている場合を考える。問い合わせ期間設定部62は、履歴情報60及び処理時間管理情報36から、1つ目及び3つ目のジョブに対する予測処理時間として「1.2分」を演算する。また、問い合わせ期間設定部62は、履歴情報60及び処理時間管理情報36から、2つ目のジョブに対する予測処理時間として「0.8分」を演算する。
ここで、図13に示された履歴情報60において、ユーザAとユーザBは同じ3つのジョブを実行し、予測情報としても同じ残原稿枚数を入力しているにも関わらず、ユーザAとユーザBとでは、各ジョブにおいて、実処理時間が異なっていることに着目されたい。
まず、ユーザAについてみると、予測処理時間として「1.2分」が演算された1つ目のジョブについての実処理時間は「1.1分」となっており、予測処理時間として「0.8分」が演算された2つ目のジョブについての実処理時間は「0.6分」となっており、予測処理時間として「1.2分」が演算された3つ目のジョブについての実処理時間は「1.3分」となっている。つまり、多少誤差はあるものの、ユーザAの実処理時間は、ほぼ予測処理時間通りであるといえる。
一方、ユーザBについてみると、予測処理時間として「1.2分」が演算された1つ目のジョブについての実処理時間は「2.4分」となっており、予測処理時間として「0.8分」が演算された2つ目のジョブについての実処理時間は「1.7分」となっており、予測処理時間として「1.2分」が演算された3つ目のジョブについての実処理時間は「3.0分」となっている。つまり、ユーザBの実処理時間は、予測処理時間に対して誤差が大きいといえる。詳しくは、予測処理時間に対して実処理時間の方が大きくなっている。このように、履歴情報60からは、ユーザBが入力した予測情報に基づいて演算された予測処理時間は、実処理時間に対して短くなる傾向があることが読み取れる。なお、予測処理時間に対して実処理時間の方が大きくなる要因として、ユーザBが実際の残原稿枚数よりも少ない残原稿枚数を予測情報として入力したことが考えられる。
問い合わせ期間設定部62は、ユーザAのように予測処理時間と実処理時間の差が小さい正常ユーザに対して設定された問い合わせ期間を基準問い合わせ期間とするならば、ユーザBのように、予測処理時間が実処理時間に対して短くなる傾向がある誤差有ユーザに対する問い合わせ期間を、基準問い合わせ期間よりも長く設定する。これにより、誤差有ユーザに対しては、正常ユーザよりも、処理終了期限までの時間がより多く残った時点において予測情報の入力を促し、入力された予測情報の結果に応じて通知を行うようにしてもよい。これにより、誤差有ユーザの入力したジョブが処理終了期限までに終わらなくなる可能性が低減される。
問い合わせ期間設定部62における問い合わせ期間の設定の具体的な処理としては、例えば以下のような処理である。記憶部32−2に誤差の上限閾値を予め記憶させておく。そして、問い合わせ期間設定部62は、履歴情報60に基づいて、ユーザ毎に、過去に処理した1又は複数のジョブに関する予測処理時間と実処理時間との差異の平均値を算出する。そして、平均値が上限閾値未満下限閾値以上となるユーザに対しては基準問い合わせ期間を設定する。平均値が上限閾値以上となるユーザに対しては基準問い合わせ期間よりも長い問い合わせ期間を設定する。ここで、算出された平均値と上限閾値との差が大きくなるほど、より長い問い合わせ期間を設定してもよい。
また、記憶部32−2に誤差の下限閾値を予め記憶させておき、問い合わせ期間設定部62は、平均値が下限閾値未満となるユーザに対しては基準問い合わせ期間よりも短い問い合わせ期間を設定するようにしてもよい。ここでも、算出された平均値と下限閾値との差が大きくなるほど、より短い問い合わせ期間を設定してもよい。
以上、本発明に係る実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
10 画像形成システム、12 画像形成装置、14 端末装置、16通信回線、20 通信部、22 表示部、24 入力部、26 計時部、28 画像読取部、30 画像形成部、32 記憶部、34 予約情報、36 処理時間管理情報、38 問い合わせ期間情報、40 制御部、42 予測情報取得部、44 予測処理時間演算部、46 処理完了判定部、48 通知制御部、50 問い合わせ制御部、60 履歴情報、62 問い合わせ期間設定部。
Claims (8)
- 利用者からの処理命令の入力操作を受け付ける入力操作受付部と、
設定された処理終了期限前の一定期間である問い合わせ期間中に、前記処理命令の入力操作及び前記処理命令の処理のいずれかが実行された場合に、前記利用者から入力された、前記処理命令の処理に要すると予測される予測処理時間の演算に用いられ、前記処理命令に関する情報である予測情報の少なくとも一部を取得する予測情報取得部と、
前記予測情報に基づいて前記予測処理時間を演算する予測処理時間演算部と、
前記予測処理時間、現在時刻、及び、前記処理終了期限に基づいて、前記処理命令の処理が前記処理終了期限までに完了しないと予測される場合に、前記利用者に対して、前記処理命令の処理が前記処理終了期限までに完了しないことを通知する通知部と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。 - 前記通知部は、前記問い合わせ期間の開始時点における前記処理命令の処理段階に応じた通知内容を前記利用者に通知する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。 - 前記通知部は、前記問い合わせ期間の開始時点において、前記処理命令の処理が開始されていない場合は、前記利用者に対して、前記処理命令の処理を他の画像処理装置で実行可能であることを通知する、
ことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。 - 前記通知部は、前記処理命令の処理が前記処理終了期限までに完了すると予測される場合に、前記処理終了期限から前記予測処理時間前の時刻を前記利用者に通知する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。 - 前記通知部は、前記処理終了期限から前記予測処理時間前を基準とする時刻において前記処理命令の処理が開始されていない場合に、前記利用者に警告を通知する、
ことを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。 - 先行予約者が予約した処理命令予約の予約期間によって前記処理終了期限が設定されている場合であって、前記処理命令の処理が前記処理終了期限までに完了しないと予測される場合に、前記先行予約者に対して、前記先行予約者の処理命令予約の予約期間における前記利用者による前記画像処理装置の利用を許容するか否かを問い合わせる問い合わせ部、
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。 - 前記利用者の過去の処理命令について前記利用者が入力した前記予測情報から演算された予測処理時間と、当該過去の処理命令の実際の所要時間との差異に基づいて、前記利用者についての前記問い合わせ期間を設定する問い合わせ期間設定部と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。 - コンピュータを、
利用者からの処理命令の入力操作を受け付ける入力操作受付部と、
設定された処理終了期限前の一定期間である問い合わせ期間中に、前記処理命令の入力操作及び前記処理命令の処理のいずれかが実行された場合に、前記利用者から入力された、前記処理命令の処理に要すると予測される予測処理時間の演算に用いられ、前記処理命令に関する情報である予測情報の少なくとも一部を取得する予測情報取得部と、
前記予測情報に基づいて前記予測処理時間を演算する予測処理時間演算部と、
前記予測処理時間、現在時刻、及び、前記処理終了期限に基づいて、前記処理命令の処理が前記処理終了期限までに完了しないと予測される場合に、前記利用者に対して、前記処理命令の処理が前記処理終了期限までに完了しないことを通知する通知部と、
として機能させることを特徴とする画像処理プログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017044652A JP2018144454A (ja) | 2017-03-09 | 2017-03-09 | 画像処理装置及び画像処理プログラム |
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JP2018144454A true JP2018144454A (ja) | 2018-09-20 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2020026942A1 (ja) | 2018-07-31 | 2020-02-06 | 住友金属鉱山株式会社 | 厚膜抵抗体用組成物、厚膜抵抗体用ペースト、及び厚膜抵抗体 |
WO2020116622A1 (en) | 2018-12-07 | 2020-06-11 | Clarion Co., Ltd. | Vibration generator |
JP2020185717A (ja) * | 2019-05-14 | 2020-11-19 | キヤノン株式会社 | 印刷装置、印刷制御方法及びプログラム |
-
2017
- 2017-03-09 JP JP2017044652A patent/JP2018144454A/ja active Pending
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JP7309443B2 (ja) | 2019-05-14 | 2023-07-18 | キヤノン株式会社 | 印刷装置、制御方法及びプログラム |
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