JP2018142530A - 調光部材、それを備えた建材、及び、建材の製造方法 - Google Patents

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Yukio Taniguchi
幸夫 谷口
康弘 大木
Yasuhiro Oki
康弘 大木
雅幸 関戸
Masayuki Sekido
雅幸 関戸
大 塚田
Masaru Tsukada
大 塚田
慶彦 若林
Yoshihiko Wakabayashi
慶彦 若林
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Abstract

【課題】照明機能及び/又は視野の制御が可能な調光部材を提供する。【解決手段】建材は、第1面10aと、前記第1面と反対側の第2面10bとを有する第1透明部材10と、前記第1透明部材10の前記第1面10aに配置された第1調光部材20と、を備え、前記第1調光部材20は、少なくとも第1状態及び第2状態を有し、前記第1状態において第1光束で発光し、前記第2状態において前記第1光束よりも小さい第2光束になるように構成されている。【選択図】図1

Description

本開示は、調光部材、それを備えた建材、及び、建材の製造方法に関する。
従来より、室内への光の入射を制御する構造が提案されている。特許文献1には、窓に設けられたライトシェルフが開示されている。特許文献1のライトシェルフは、傾斜可能に構成されており、水平内向き位置(以下、第1位置)で光の取込みを行い、上向き位置(以下、第2位置)で光の遮蔽を行うように構成されている。
特開2006−222011号公報
特許文献1のライトシェルフは、傾斜の状態に応じて光の取込みと遮蔽を切換え可能であるが、第1位置での光の取込みは日光を利用しており、ライトシェルフ自体は照明機能を有していない。したがって、このライトシェルフでは、夜間に室内を明るくすることはできない。また、ライトシェルフを第2位置にした場合、窓の上部からの光が遮蔽されるだけであり、窓の近傍に立つ人の視野を制御することができない。特許文献1において窓の近傍に立つ人の視野を遮るためには、ライトシェルフとは別にブラインドを配置する必要がある。以上の通り、特許文献1のライトシェルフでは、傾斜の状態に応じて光の入射を制御できるものの、照明機能や視野の制御機能を窓に提供することができない。
本開示は、照明機能及び/又は視野の制御が可能な調光部材を提供する。
本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例をあげるならば、第1面と、前記第1面と反対側の第2面とを有する第1透明部材と、前記第1透明部材の前記第1面に配置された第1調光部材と、を備え、前記第1調光部材は、少なくとも第1状態及び第2状態を有し、前記第1状態において第1光束で発光し、前記第2状態において前記第1光束よりも小さい第2光束になるように構成されている、建材が提供される。
また、他の例によれば、第1状態において第1光束で発光し、第2状態において前記第1光束よりも小さい第2光束になるように構成されている調光部材が提供される。
また、他の例によれば、第1空間と、前記第1空間と隣り合う第2空間の間にある開口部に配置された第1透明部材であって、前記第1空間側に位置する第1面と、前記第2空間側に位置する第2面とを有する前記第1透明部材を提供する工程と、前記第1透明部材の前記第1面及び前記第2面の一方に、シート状の第1調光部材を配置する工程と、を有し、前記第1調光部材は、少なくとも第1状態及び第2状態を有し、前記第1状態において第1光束で発光し、前記第2状態において前記第1光束よりも小さい第2光束になるように構成されている、建材の製造方法が提供される。
また、他の例によれば、第1空間と、前記第1空間と隣り合う第2空間の間にある開口部に配置され、前記第1空間側に位置する第1透明部材及び前記第2空間側に位置する第2透明部材を含む建材の製造方法であって、前記第1透明部材を提供する工程と、前記第2透明部材の一方の面にシート状の第1調光部材を配置する工程と、前記第1調光部材が配置された前記第2透明部材を、前記開口部に設置する工程と、を有し、前記第1調光部材は、少なくとも第1状態及び第2状態を有し、前記第1状態において第1光束で発光し、前記第2状態において前記第1光束よりも小さい第2光束になるように構成されている、建材の製造方法が提供される。
本開示によれば、照明機能及び/又は視野の制御が可能な調光部材を提供することができる。本開示に関連する更なる特徴は、本明細書の記述、添付図面から明らかになるものである。また、上記した以外の、課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本開示の一実施形態に係る調光部材を備える窓部材の概略断面図である。 本開示の一実施形態に係る調光部材を備える窓部材の概略断面図である。 本開示の一実施形態に係る調光部材を備える窓部材の概略断面図である。 本開示の一実施形態に係る調光部材の概略平面図である。 図4のA−A線断面図である。 本開示の一実施形態に係る調光部材の概略平面図である。 本開示の一実施形態に係る調光部材の概略平面図である。 本開示の一実施形態に係る調光部材の概略平面図である。 本開示の一実施形態に係る調光部材を備える窓部材の概略断面図である。 本開示の一実施形態に係る調光部材を備える窓部材の概略断面図である。 本開示の一実施形態に係る調光部材を備える窓部材の概略断面図である。 本開示の一実施形態に係る調光部材を備える窓部材の概略断面図である。 本開示の一実施形態に係る調光部材を備える窓部材の概略断面図である。 本開示の一実施形態に係る調光部材を備える窓部材の概略断面図である。 本開示の一実施形態に係る調光部材の概略断面図である。 本開示の一実施形態に係る調光部材の概略断面図である。 本開示の一実施形態に係る調光部材の概略断面図である。 本開示の一実施形態に係る調光部材の概略断面図である。 本開示の一実施形態に係る調光部材を備える窓部材の概略断面図である。 本開示の一実施形態に係る調光部材が適用される建材の一例である。 本開示の一実施形態に係る調光部材が適用される建材の一例である。 本開示の一実施形態に係る調光部材が適用される建材の一例である。 本開示の一実施形態に係る調光部材が適用される建材の一例である。 本開示の一実施形態に係る調光部材が適用される建材の一例である。 本開示の一実施形態に係る調光部材が適用される自動車の一例である。 本開示の一実施形態に係る調光部材とハードコート層とを備える建材の構成例1を示す概略断面図である。 本開示の一実施形態に係る調光部材とハードコート層とを備える建材の構成例2を示す概略断面図である。 本開示の一実施形態に係る調光部材とハードコート層とを備える建材の構成例3を示す概略断面図である。 本開示の一実施形態に係る調光部材とハードコート層とを備える建材の構成例4を示す概略断面図である。
以下、図面を参照して本開示の一実施形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
また、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「直交」、「垂直」、「同一」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈されるべきである。
本明細書等において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値のそれぞれを下限値及び上限値として含む範囲であることを意味する。
以下では、建物の建材に適用される調光部材を説明する。適用可能な建材としては、透明部材(典型的にはガラス)を備える建材であればよく、例えば、窓、扉、壁(空間を仕切るパーテションなど)、階段、屋根などが挙げられる。本開示の調光部材は、典型的には窓に適用されるため、以下では窓に適用した実施形態を説明する。
図1は、本開示の一実施形態に係る調光部材を備える窓部材の概略断面図である。図1に示すように、第1空間Aと、第1空間Aに隣り合う第2空間Aとの間には開口部1がある。開口部1には窓部材100が設けられている。例えば、第1空間Aは室外であり、第2空間Aは室内である。以下では、第1空間A側を「外側」と称し、その反対側の第2空間A側を「内側」と称する。
窓部材100は、第1透明部材10と、第1透明部材10を案内する第1上側レール31及び第1下側レール32とを備える。第1透明部材10は、第1外側面10aと、第1外側面10aの反対側に位置する第1内側面10bとを有する。図1では、第1透明部材10の第1外側面10aに調光部材20が配置されている。なお、第1透明部材10が開口部1に固定された態様であってもよい。
第1透明部材10は、透明性を有する部材であって、無色透明であってもよいし、有色半透明であってもよい。第1透明部材10は、例えば、透明ガラスであってよい。その他、第1透明部材10は、すりガラス、曇りガラス、フロストガラス、型板ガラスのように表面に凹凸を有する部材でもよい。
調光部材20は、例えば接着剤を介して第1透明部材10の第1外側面10aに接着されてよい。接着剤としては、特に限定されないが、例えば、粘着剤、熱硬化性接着剤や光硬化性接着剤等の接着剤等が挙げられる。例えば、接着剤として、例えばアクリル系接着剤、シリコーン系接着剤、エステル系接着剤、ウレタン系接着剤、フッ素系接着剤、ポリイミド系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリウレタンエステル系接着剤、酢酸ビニル系接着剤、合成ゴム系接着剤、天然ゴム系接着剤等が用いられる。なかでも透明性、耐久性、耐熱性に優れ、低コストであることから、アクリル系接着剤が好ましい。
調光部材20は、少なくとも2つの状態を有する。一例として、調光部材20は、第1状態と、第1状態とは異なる第2状態を有する。使用者は、調光部材20の第1状態を第2状態よりも明るいと感じる。つまり、使用者は調光部材20の明るさを2段階で感じる。例えば、調光部材20は、第1状態において第1光束で発光し、第2状態において第1光束よりも小さい第2光束となるように構成されている。一例として、調光部材20は、第1状態において第1光束で発光し、第2状態で消光する。なお、調光部材20は、第1状態において第1光束で発光し、第2状態で第1光束より小さい第2光束で発光してもよい。本明細書における光束とは、ある面を通過する光の明るさを表す物理量であり、その単位はルーメン(記号:lm)である。
例えば、光束の測定には、オーシャンフォトニクス(Ocean Photonics)社製 小型配光測定システム GPM-SR-500を使用することができる。光束は、以下の流れで測定することができる。
<校正>
NIST準拠感度補正用ハロゲン光源(HL-3P-CAL)を用いて、波長350〜1100nmの範囲の光源スペクトルを取得し、測定装置の感度補正係数を専用ソフトウェアで算出する。光源と受光ヘッドを接続する。ここで、受光ヘッドの受光面は、直径4mmの円形エリアである。この感度補正係数を用いて校正を行った後、次の<測定>を実施する。
<測定>
(a)光の出射面(調光部材20の表面)から5mの位置に受光ヘッドを配置する。受光ヘッドと出射面が略垂直になるように設定する。測定中、受光ヘッドは固定する。ここで、受光ヘッドの受光面は、直径4mmの円形エリアである。
(b)測定対象のエリアの、平面視の図形中心あたりに受光ヘッドの中心がくるように配置する。
(c)測定対象物を暗室におく(暗室に移動できなければ暗幕等で覆う)等して測定系を遮光する。
(d)光束の測定を実施する。
(e)上記のシステムで「全光束」として出力される値を「光束」の値とする。
なお、調光部材20の第1状態と第2状態は、輝度によって規定されてもよい。本明細書における輝度とは、調光部材20を平面光源とみなしたときの明るさの程度を示す指標であり、ある面の輝度は、その面における光度をその面の見かけの面積で割った値で定義される(cd/m)。
調光部材20が発光した場合、窓部材100としては透明性を維持しつつ、調光部材20に対面して調光部材20を見ると、調光部材20の背面側の情報が視認しにくくなる。このように、本開示の一実施形態に係る調光部材は、光透過率を状態に応じて実質的に変化させることなく、目隠しの機能を発揮することができる。
なお、調光部材20は、3つ以上の状態を有してもよい。つまり、調光部材20が、使用者が調光部材20の明るさを多段階で感じるように構成されていてもよい。例えば、調光部材20は、第1状態において第1光束で発光し、第2状態において第1光束よりも小さい第2光束で発光し、第3状態のときに消光してもよい。なお、調光部材20による調光状態が連続的に変化するように構成してもよい。
また、調光部材20は、各状態において色調が変化してもよい。例えば、つまり、調光部材20が、使用者が調光部材20の色調を多段階で感じるように構成されていてもよい。調光部材20は、第1状態において第1色調から、第1色調とは異なる第2色調に変化してもよい。また、調光部材20は、第2状態において第3色調から、第3色調とは異なる第4色調に調光部材20変化してもよい。なお、調光部材20は、各状態において3つ以上の色調を有してもよい。例えば、調光部材20は、第1状態において第1色調、第2色調、及び、第3色調のいずれかで発光し、これらの色調間で変化するように構成されてもよい。色調を変化させることで、近傍にいる人への照明の印象を変化させ、調光部材20が取付けられた第1透明部材10を様々な演出に利用することができる。また、色調を変化させることで、調光部材20が目隠しの機能を果たし、室外側から室内の情報を視認しにくくさせる(以下、目隠しの機能)こともできる。
上述の調光部材20によれば、窓部材100に対して、照明機能及び/又は視野制御の機能を提供することができる。例えば、第1状態において室外側の照明としての機能を発揮させるには、好ましくは、第1光束が300(lm)以上である。上限について特に制限はないが、例えば、10000(lm)以下としてもよい。また、第1状態において室外側から室内側を視認しにくくさせる機能(目隠しの機能)を発揮させるためには、好ましくは、第1光束を、照明機能を発揮させる場合よりも大きくする。
上述の調光部材20によれば、第1状態において、窓部材100に対して照明機能及び/又は視野制御の機能を提供することができる。一方、調光部材20が、第2状態において消光する又は第1状態よりも小さい光束で発光する場合には、窓部材100が本来の窓としての機能(窓を介して情報が視認できる機能)を発揮し、窓部材100の近傍に立つ人が、室内側又は室外側の情報を窓部材100を介して認識することができる。
図2は、本開示の一実施形態に係る調光部材を備える窓部材の概略断面図である。図2に示すように、窓部材100は、第2透明部材11をさらに備える。調光部材20は、第1透明部材10と第2透明部材11の間に配置されている。例えば、調光部材20と第1透明部材10との間、及び、調光部材20と第2透明部材11との間には、後述する中間膜や接着層等が配置されてもよい。図2の例では、調光部材20からの光の出射方向は、室外側及び室内側のうち任意の方向に設定することができる。この構成によれば、調光部材20が、室外側又は室内側のいずれかを照明する照明機能を提供することができる。また、調光部材20が、隣接する空間A、A間の目隠し機能を提供することができる。
図3は、本開示の一実施形態に係る調光部材を備える窓構造の概略断面図である。図3の例では、図1と同様に、窓部材100が、1つの第1透明部材10を備えている。そして、調光部材20が第1透明部材10の第1内側面10bに配置されている。この構成によれば、調光部材20が、室内側を照明する照明機能を提供することができる。また、調光部材20が、室内側にいる人に対して目隠しの機能を提供することができる。
図4は、本開示の一実施形態に係る調光部材20の概略平面図であり、図5は、図4のA−A線断面図である。調光部材20は、第1基材面21a及び第2基材面21bを有する基材21と、第1基材面21aに配置された配線部22と、基材21と配線部22との間に配置された接着層23と、配線部22に沿って配列された発光素子24と、接着層23上に配置された保護膜25とを備える。
この例では、発光素子24が配置された第1基材面21aの反対側の第2基材面21bが、接着層を介して第1透明部材10に貼付けられる。保護膜25は、発光素子24が実装された領域(発光素子実装領域)を除く領域に配置されているが、これに限らず、発光素子24を覆っていてもよい(図示せず)。なお、発光素子実装領域には、発光素子24の配線部22への接続箇所及びその周辺部が含まれる。
基材21は、透光性及び可撓性を有するシートである。基材21は、必ずしもその全体が完全で透明である必要はなく、無色透明又は有色半透明であってよい。基材21に透光性及び可撓性を付与し、製造コストも抑制するという観点から、基材21はできるだけ薄いものが好ましく、例えば、基材21の厚さは10μm以上250μm以下であることが好ましい。調光部材20をシート状に構成することにより、調光部材20を撓ませながら一端側(例えば、上側)から他端側(例えば、下側)に向かって接合することができるため、作業性が向上する。また、水貼り等を行う場合、調光部材20を設置領域の内側から外側にかけてスキージで気泡を抜きながら第1透明部材10に接合することができる。
基材21として用いる樹脂の好ましい例として、ポリイミド(PI)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、非晶ポリアリレート、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルイミド、フッ素樹脂、液晶ポリマー等を挙げることができる。中でも、ポリイミド(PI)、耐熱性と寸法安定性を向上させたポリエチレンナフタレート(PEN)を特に好ましく用いることができる。
例えば、基材21は、好ましくはヘイズ値が20%以下であり、より好ましくは10%以下である。また、基材21に関して、可視光域における光線透過率が80%以上であることが好ましい。
なお、本明細書におけるヘイズ値は、JIS K 7136に準拠した測定が可能な、村上色彩技術研究所製 ヘイズメーター HM-150を用いる。JIS K 7136の条件を選択し、ヘイズ値を出力することにより、測定対象のヘイズ値を測定できる。
配線部22を構成する導電性材料は酸化インジウムスズ(ITO)、酸化スズ(SnO)等の透明材料、金属等の不透明のいずれであってもよい。金属としては、アルミニウム、金、銀、銅等を挙げることができる。配線部22は、材料に応じて、蒸着、金属箔のパターニング、めっき等を用いて形成できる。配線部22の厚さは、調光部材に要求される耐電流の大きさ等に応じて適宜設定されればよく、特に限定されないが、一例として厚さ10μm〜100μmを挙げることができる。放熱性の観点から、配線部22の厚さは、10μm以上であることが好ましい。また、配線部22の厚さが100μm以下であることによって、調光部材20に十分な可撓性を保持することができ、重量増大によるハンドリングの低下も防ぐことができる。
接着層23を形成する接着剤は、主材樹脂、硬化剤及び溶剤を含んでおり、また、必要に応じてその他の各種添加剤を含んでよい。その他の添加材としては、密着性助剤等を例として挙げることができる。接着剤は、主材樹脂と硬化剤を使用直前に混合する2液タイプであることが好ましい。主材樹脂は、接着剤を形成する際に、硬化剤と反応して架橋され高分子量化する。そのような主材樹脂として、ウレタン系、アクリル系、及びエポキシ系の樹脂を適宜選択することができる。これらの主材樹脂のうち、特に機械特性、電気特性の観点からは、屈曲性及び絶縁性に優れるウレタン系の接着剤を好ましく用いることができる。また、光学特性の観点からは、透明性に優れるアクリル系の接着剤を好ましく用いることができる。また、耐熱性及び耐医薬品性に優れるエポキシ系の接着剤も好ましく使用することができる。
保護膜25は、熱硬化型又は紫外線硬化型塗工液によって、配線部22と基材21の表面に、調光部材20の耐マイグレーション特性を向上させるために、必要に応じて積層される。保護膜25もまた、可撓性及び透光性を有するものであり、基材21に求められる特性と同様の特性を有してよい。例えば、具体的には、保護膜25は、好ましくはヘイズ値が20%以下であり、より好ましくは10%以下である。
保護膜25を形成する絶縁性塗工液として熱硬化型塗工液を好ましく用いることができる。熱硬化型塗工液は、熱硬化温度が100℃以下程度のものであれば、公知のインキを適宜好ましく用いることができる。具体的には、ウレタン系、アクリル系、又は、エポキシ系の樹脂であって、接着層23を形成する接着剤と同一の主材樹脂を含む絶縁性塗工液を用いることができる。また、これらのうちでも、ウレタン系の熱硬化型の絶縁インキは、特に屈曲性及び絶縁性に優れる点から、調光部材20の材料として好ましく用いることができる。
発光素子24は、P型半導体とN型半導体が接続されたPN接合部での発光を利用したLED素子である。LED素子として、P型電極及びN型電極を素子の上面及び下面に設けた構造や、素子の片面にP型電極及びN型電極を設けた構造などを用いることができる。
例えば、発光素子24は、電源(図示せず)に電気的に接続され、第1状態において第1光束で発光し、第2状態において第1光束よりも小さい第2光束となる。一例として、発光素子24は、第1状態において第1光束で発光し、第2状態で消光する。発光素子24の制御は、窓部材100又はその周辺に設置されたコントローラによって行うことができる。なお、発光素子24は、3つ以上の状態を有してもよい。例えば、発光素子24は、第1状態において第1光束で発光し、第2状態において第2光束で発光し、第3状態のときに消光してもよい。また、発光素子24は、色調が変化可能なLED素子、例えばRGB3色LED素子であってもよく、この場合、発光素子24は、各状態において色調を変化させることができる。
図4に示すように、配線部22は、平行に配列されたライン状の複数の配線を含む。複数の発光素子24は、ライン状の配線に沿って、所定の間隔を空けて配置されてよい。隣接する発光素子24間の間隔Wは、基材21全面において同じであってよいし、基材21の領域ごとに異なるようにしてもよい。また、隣接する配線間の間隔Wについても、基材21全面において同じであってよいし、基材21の領域ごとに異なるようにしてもよい。発光素子24の配置の具体例については後述する。なお、配線部22は、ライン状の形態に限らず、マトリクス状の形態であってもよい。
なお、調光部材20は、必要に応じて更に他の機能層を備えるものであってもよい。例えば、保護膜25の表面に機能層を備えてもよい。機能層としては、例えば、紫外線吸収層、紫外線反射層、及び、遮熱層などを挙げることができる。遮熱層としては、赤外線の少なくとも一部を減ずることができる材料で構成された層を挙げることができる。また、屋外使用時における、耐水性及び防汚性などを向上させるために、例えば、保護膜25の表面に、フッ素樹脂からなるオーバーコート層や、これらの特性を向上させることが可能なコーティング層が配置されてもよい。
図6〜図8は、本開示の一実施形態に係る調光部材の概略平面図である。図6〜図8では、調光部材20の基材21及び発光素子24のみが示されており、その他の要素は省略されている。
図6に示すように、複数の発光素子24は、基材21の全面において一様に配置されてもよい。すなわち、縦方向に隣接する発光素子24間の間隔Wが、基材21の全面において同じである。また、横方向に隣接する発光素子24間の間隔Wが、基材21の全面において同じである。
複数の発光素子24は、第1状態において同じ第1光束で発光してもよいし、第1状態において異なる光束で発光してもよい。複数の発光素子24の全てが第1状態において同じ第1光束で発光する場合、調光部材20の全面からの光を利用して照明機能を提供したり、調光部材20の全面において目隠しの機能を提供したりすることができる。
図6の別の例として、複数の発光素子24が、基材21の領域ごとに異なる光束で発光するように構成されてもよい。基材21は、人の目線の高さの位置で横方向に延びる第1基材領域21Aと、第1基材領域21Aの上部に位置する第2基材領域21Bと、第1基材領域21Aの下部に位置する第3基材領域21Cとを有する。例えば、第1基材領域21Aにある複数の発光素子24は、第1状態において第1光束で発光し、第2基材領域21B及び第3基材領域21Cにある複数の発光素子24は、第1状態において第1光束よりも小さい第2光束で発光するか又は消光してもよい。この構成によれば、第1状態のときに、第2基材領域21B及び第3基材領域21Cよりも第1基材領域21Aからの光の光束が大きくなるため、第1基材領域21Aの背面側の情報だけ視認しにくくなり、人の目線の高さに対応する部分にだけ目隠しの機能を提供することができる。
また、第1基材領域21Aにある複数の発光素子24は、第1状態において第2光束で発光するか又は消光し、第2基材領域21B及び第3基材領域21Cにある複数の発光素子24は、第1状態において第1光束で発光してもよい。この構成によれば、第1状態のときに、第1基材領域21Aよりも第2基材領域21B及び第3基材領域21Cからの光の光束が大きくなり、基材21の周辺部分がより明るくなる。したがって、調光部材20が、天井部分や足元部分など照明する間接照明のような機能を提供することができる。
別の例として、複数の発光素子24は、3つ以上の状態を有し、基材21の領域ごとに光束を変化させてもよい。この制御は、窓部材100又はその周辺に設置されたコントローラによって行うことができる。例えば、複数の発光素子24は、第1状態において第1光束で発光し、第2状態において第1光束よりも小さい第2光束で発光し、第3状態のときに消光してもよい。調光部材20は、少なくとも第1照明状態及び第2照明状態を有し、第1照明状態と第2照明状態とを切換え可能に構成されてもよい。第1照明状態では、第1基材領域21Aにある複数の発光素子24は、第1光束で発光し、第2基材領域21B及び第3基材領域21Cにある複数の発光素子24は、第2光束で発光する。すなわち、第1照明状態では、上述した目隠しの機能を提供できる。一方、第2照明状態では、第1基材領域21Aにある複数の発光素子24は、第2光束で発光し、第2基材領域21B及び第3基材領域21Cにある複数の発光素子24は、第1光束で発光する。すなわち、第2照明状態では、上述した間接照明の機能を提供できる。このように、調光部材20が第1照明状態と第2照明状態とを切換えることにより、目隠し機能と間接照明の機能とを切換え可能に構成されてもよい。
図7では、複数の発光素子24が第1状態において同じ第1光束で発光する。この構成において、複数の発光素子24の配置密度を、基材21の領域ごとに変えてもよい。発光素子の配置密度とは、基材21のある領域における発光素子24の面積比率として定義される。例えば、基材21は、中央部分を含む第1基材領域21Dと、第1基材領域21Dの周囲にある第2基材領域21Eを有する。第1基材領域21Dにおける発光素子24の配置密度は、第2基材領域21Eにおける発光素子24の配置密度よりも小さい。この構成によれば、調光部材20が第1状態のときに、第1基材領域21Dからの光の光束よりも第2基材領域21Eからの光の光束の方が大きくなる。この構成によれば、基材21の周辺部分がより明るくなるため、天井部分や足元部分など照明する間接照明のような機能を提供することができる。
図8では、複数の発光素子24が第1状態において同じ第1光束で発光する。基材21は、人の目線の高さの位置で横方向に延びる第1基材領域21Aと、第1基材領域21Aの上部に位置する第2基材領域21Bと、第1基材領域21Aの下部に位置する第3基材領域21Cとを有する。第1基材領域21Aにおける発光素子24の配置密度は、第2基材領域21B及び第3基材領域21Cにおける発光素子24の配置密度よりも大きい。この構成によれば、第1状態のときに、第2基材領域21B及び第3基材領域21Cからの光の光束よりも第1基材領域21Aからの光の光束の方が大きくなる。この構成によれば、第1基材領域21Aの背面側の情報だけ視認しにくくなり、人の目線の高さに対応する部分にだけ目隠しの機能を提供することができる。
なお、図6〜図8の例において、複数の発光素子24は、色調を変化させてもよい。例えば、複数の発光素子24は、第1状態において第1色調から第2色調に変化してもよい。また、複数の発光素子24は、その配置された基材21の領域ごとに色調を変化させてもよい。この構成によれば、近傍にいる人への照明の印象を変化させることができる。また、色調を変化させることで、背面側の情報をより視認しにくくさせて目隠しの機能を高めることができる。
次に、配線部22が、透明性の乏しい材料により構成される場合(例えば配線部22が金属を含む場合)における、基材21の開口率について説明する。調光部材20の開口率と、その調光部材20の背面側に配置される視認情報の視認性との関係から、基材開口率は、好ましくは、60%以上である。ここで、基材開口率は、基材21の表面のうち配線部22が存在しない部分の面積比率として定義される。すなわち、基材開口率は、「100%−(基材表面のうち配線部22の被覆率)」によって定義される。したがって、配線部22の被覆率は、好ましくは40%以下である。これは、配線部22の被覆率が40%を超えると、調光部材20の背面側の情報の視認が困難となるためである。
図9は、本開示の一実施形態に係る調光部材を備える窓部材の概略断面図であり、1つの透明部材で構成された窓部材に調光部材を適用した例を示す。上述と同様に、第1空間Aは室外であり、第2空間Aは室内である。
図9(a)に示すように、調光部材20は、第1透明部材10の第1外側面10aに配置されてもよい。例えば、調光部材20は、第1状態において第1光束で室外側に発光し、第2状態で消光する。この構成によれば、調光部材20が第1状態において室外側を照明する照明機能を提供することができる。また、室外側にいる人は、第1状態において室内側が視認しにくくなり、調光部材20が目隠しとしての機能を提供することもできる。また、第2状態においては、調光部材20は消光しているため、本来の窓としての機能(窓を介して窓の背面側の情報が視認できる機能)を提供することができる。
図9(b)に示すように、調光部材20は、第1透明部材10の第1内側面10bに配置されてもよい。例えば、調光部材20は、第1状態において第1光束で室内側に発光し、第2状態で消光する。この構成によれば、調光部材20が第1状態において室内側を照明する照明機能を提供することができる。また、第2状態においては、調光部材20は消光しているため、本来の窓としての機能(窓を介して窓の背面側の情報が視認できる機能)を提供することができる。
図9(c)に示すように、調光部材20は、第1透明部材10の第1外側面10aに部分的に配置されてもよい。或いは、出射される光の光束が領域ごとに異なる調光部材20(図6〜図8参照)が、第1透明部材10の第1外側面10aに配置されてもよい。調光部材20を部分的に配置する構成は、これに限定されないが、一例として、調光部材20が人の目線の高さに部分的に配置された例を説明する。調光部材20は、第1状態において第1光束で室外側に発光し、第2状態で消光する。この構成によれば、調光部材20が室外側を照明する照明機能を提供することができる。また、調光部材20を人の目線の高さに部分的に配置することで、室外側にいる人は室内側が視認しにくくなり、調光部材20が目隠しとしての機能を提供することもできる。また、第2状態においては、調光部材20は消光しているため、本来の窓としての機能(窓を介して窓の背面側の情報が視認できる機能)を提供することができる。
図9(d)に示すように、調光部材20は、第1透明部材10の第1内側面10bに部分的に配置されてもよい。或いは、出射される光の光束が領域ごとに異なる調光部材20(図6〜図8参照)が、第1透明部材10の第1内側面10bに配置されてもよい。調光部材20を部分的に配置する構成は、これに限定されないが、一例として、調光部材20が、天井に近い位置及び足元の位置に部分的に配置された例を説明する。調光部材20は、第1状態において第1光束で室内側に発光し、第2状態で消光する。この構成によれば、調光部材20が、天井部分や足元部分などを照明する間接照明の機能を提供することができる。また、第2状態においては、調光部材20は消光しているため、本来の窓としての機能(窓を介して窓の背面側の情報が視認できる機能)を提供することができる。
図10は、本開示の一実施形態に係る調光部材を備える窓部材の概略断面図であり、合わせガラスで構成された窓部材に調光部材を適用した例を示す。合わせガラスとは、複数のガラス板の間に中間膜を挟み、中間膜を介して複数のガラスを接着したものをいう。
窓部材100は、第1空間A側に配置された第1透明部材10と、第2空間A側に配置された第2透明部材11と、第1透明部材10と第2透明部材11との間に配置された中間膜12とを備える。上述と同様に、第1空間Aは室外であり、第2空間Aは室内である。
中間膜12は、少なくとも第1の層を含む。第1の層は、熱接着性樹脂を含む。熱接着性樹脂としては、熱硬化性材料、熱可塑性材料が挙げられる。なかでも熱可塑性材料が好ましく用いられる。熱可塑性材料としては、例えば、ポリビニルアセタール樹脂(ポリビニルブチラール(PVB)樹脂を含む)、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)樹脂、アイオノマー樹脂、塩化ビニル樹脂、ウレタン樹脂、又はポリアミド樹脂等が用いられる。なかでもポリビニルアセタール樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂、アイオノマー樹脂は、耐貫通性の観点で優れ、さらに、エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂、アイオノマー樹脂は、耐湿性の観点で優れる。
さらに、中間膜12は、第1の層に積層された第2の層を含んでもよい。第2の層は、中間膜12による遮音性を向上させる層であってもよく、例えば、熱可塑性樹脂及び可塑剤を含む層や、熱可塑性エラストマーを含む層等で構成される。なお、熱可塑性エラストマーとは、加熱により軟化して可塑性を示し、冷却すると固化してゴム弾性を示す高分子化合物をいう。
さらに、中間膜12は、第2の層に積層された第3の層を含んでもよい。この場合、中間膜12は、第1透明部材10側から、第1の層、第2の層、及び第3の層をこの順に含む。第3の層は、熱接着性樹脂を含む。なかでも熱可塑性材料が好ましく用いられ、熱可塑性材料としては、例えば、ポリビニルアセタール樹脂(ポリビニルブチラール樹脂を含む)、エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂、アイオノマー樹脂、塩化ビニル樹脂、ウレタン樹脂、又はポリアミド樹脂等が用いられる。なかでもポリビニルアセタール樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂、アイオノマー樹脂は、耐貫通性の観点で優れ、さらに、エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂、アイオノマー樹脂は、耐湿性の観点で優れる。接着性及び遮音性を両立する観点から、中間膜12は、ゴム弾性を有する第2の層を、第1の層及び第3の層で挟んだ構造を有してもよい。
また、中間膜12を構成する層の少なくとも1つが、遮熱材料、紫外線吸収剤等を含んでもよい。遮熱材料としては、赤外線の少なくとも一部を減ずることができる材料であり、好ましくは中赤外線を減ずることができる材料が用いられる。例えば、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、フタロシアニン化合物(NIOBP)、ナフタロシアニン化合物、アントラシアニン骨格を有する化合物、一般式MWO(Mは金属元素を表し、mは0.01以上、1.0以下、nは2.2以上、3.0以下である)で表される金属ドープ酸化タングステン、アンチモン酸亜鉛(ZnSb)、六ホウ化ランタンなどが挙げられる。紫外線吸収剤としては、紫外線の少なくとも一部を減ずることができる材料が用いられる。例えば、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤等が用いられる。このように、中間膜12は、単層ないし多層の構造として構成されうる。
以上で説明した合わせガラスの構造によれば、強い外部衝撃を受けた場合に、ガラス破片が飛散したり、ガラス部材を貫通したりすることを防ぐことができる。これにより、安全性及び防犯性を高めることができる。また、遮音性も高めることができる。本実施形態によれば、上述の合わせガラスの効果を提供しながら、以下に説明するような照明機能及び/又は視野の制御が可能な窓部材100を提供することができる。
第1透明部材10は、第1外側面10aと、第1外側面10aと反対側の第1内側面10bとを有する。また、第2透明部材11は、第2外側面11aと、第2外側面11aと反対側の第2内側面11bとを有する。
図10(a)に示すように、調光部材20は、第1透明部材10の第1外側面10aに配置されてもよい。例えば、調光部材20は、第1状態において第1光束で室外側に発光し、第2状態で消光する。この構成によれば、調光部材20が第1状態において室外側を照明する照明機能を提供することができる。また、室外側にいる人は、第1状態において室内側が視認しにくくなり、調光部材20が目隠しとしての機能を提供することもできる。また、第2状態においては、調光部材20は消光しているため、本来の窓としての機能(窓を介して窓の背面側の情報が視認できる機能)を提供することができる。
図10(b)に示すように、調光部材20は、第1透明部材10の第1内側面10bに配置された第1中間膜12Aと、第2透明部材11の第2外側面11aに配置された第2中間膜12Bとの間に配置されてもよい。この例では、調光部材20の発光側は、室外側又は室内側のどちらに設定されてもよい。例えば、調光部材20は、第1状態において第1光束で室外側又は室内側に発光し、第2状態で消光する。この構成によれば、調光部材20が室外側又は室内側のいずれかを照明する照明機能を提供することができる。また、室外側又は室内側のいずれかの側にいる人に対しての目隠し機能も提供することができる。また、調光部材20が、第1透明部材10と第2透明部材11の間に配置されることにより、調光部材20に用いられる材料の経年劣化が抑制される。さらに、第1状態においては、調光部材20の発光素子24から熱が発生し、その熱によって第1透明部材10や第2透明部材11の曇りを防止することができる。したがって、調光部材20が、照明機能だけでなく、デフロスタの機能も提供することができる。
図10(c)に示すように、調光部材20は、第2透明部材11の第2内側面11bに配置されてもよい。例えば、調光部材20は、第1状態において第1光束で室内側に発光し、第2状態で消光する。この構成によれば、調光部材20が第1状態において室内側を照明する照明機能を提供することができる。また、第2状態においては、調光部材20は消光しているため、本来の窓としての機能(窓を介して窓の背面側の情報が視認できる機能)を提供することができる。
図10(d)に示すように、調光部材20は、第1透明部材10の第1外側面10aに部分的に配置されてもよい。或いは、出射される光の光束が領域ごとに異なる調光部材20(図6〜図8参照)が、第1透明部材10の第1外側面10aに配置されてもよい。調光部材20を部分的に配置する構成は、これに限定されないが、例えば、調光部材20が人の目線の高さに部分的に配置された例で説明する。調光部材20は、第1状態において第1光束で室外側に発光し、第2状態で消光する。この構成によれば、調光部材20が室外側を照明する照明機能を提供することができる。また、調光部材20を人の目線の高さに部分的に配置することで、室外側にいる人は室内側が視認しにくくなり、調光部材20が目隠しとしての機能を提供することもできる。また、第2状態においては、調光部材20は消光しているため、本来の窓としての機能(窓を介して窓の背面側の情報が視認できる機能)を提供することができる。
図10(e)に示すように、調光部材20は、第1透明部材10の第1内側面10bに配置された第1中間膜12Aと、第2透明部材11の第2外側面11aに配置された第2中間膜12Bとの間において部分的に配置されてもよい。或いは、出射される光の光束が領域ごとに異なる調光部材20(図6〜図8参照)が、第1中間膜12Aと第2中間膜12Bとの間に配置されてもよい。この例では、調光部材20の発光側は、室外側又は室内側のどちらに設定されてもよい。例えば、調光部材20は、第1状態において第1光束で室外側又は室内側に発光し、第2状態で消光する。この構成によれば、調光部材20が室外側又は室内側のいずれかを照明する照明機能を提供することができる。調光部材20を部分的に配置する構成は、これに限定されないが、例えば、調光部材20を人の目線の高さに部分的に配置することで、調光部材20が目隠しとしての機能を提供することもできる。また、第2状態においては、調光部材20は消光しているため、本来の窓としての機能(窓を介して窓の背面側の情報が視認できる機能)を提供することができる。また、調光部材20が、第1透明部材10と第2透明部材11の間に配置されることにより、調光部材20に用いられる材料の経年劣化が抑制される。さらに、第1状態においては、調光部材20の発光素子24から熱が発生し、その熱によって第1透明部材10や第2透明部材11の曇りを防止することができる。したがって、調光部材20が、照明機能だけでなく、デフロスタの機能も提供することができる。
図10(f)に示すように、調光部材20は、第2透明部材11の第2内側面11bに部分的に配置されてもよい。或いは、出射される光の光束が領域ごとに異なる調光部材20(図6〜図8参照)が、第2透明部材11の第2内側面11bに配置されてもよい。調光部材20を部分的に配置する構成は、これに限定されないが、一例として、調光部材20が、天井に近い位置及び足元の位置に部分的に配置された例を説明する。調光部材20は、第1状態において第1光束で室内側に発光し、第2状態で消光する。この構成によれば、調光部材20が、天井部分や足元部分などを照明する間接照明の機能を提供することができる。また、第2状態においては、調光部材20は消光しているため、本来の窓としての機能(窓を介して窓の背面側の情報が視認できる機能)を提供することができる。
図11は、本開示の一実施形態に係る調光部材を備える窓部材の概略断面図であり、複層ガラスで構成された窓部材に調光部材を適用した例を示す。複層ガラス(ペアガラスともいう)とは、複数枚の透明部材(例えば、ガラス板)を重ねて、それら透明部材の間に乾燥空気やアルゴンガス等を封入したり、真空にしたりしたものである。
窓部材100は、第1空間A側に配置された第1透明部材10と、第2空間A側に配置された第2透明部材11と、第1透明部材10と第2透明部材11との間を所定の間隔をあけて配置するとともに第1透明部材10と第2透明部材11との間の空間を密閉に維持するための封止部材13とを備える。第1透明部材10と第2透明部材11との間の密閉空間Aには、乾燥空気又はアルゴンガス等が封入されている。
以上で説明した複層ガラスの構造によれば、高い断熱性を提供することができる。本実施形態によれば、上述の複層ガラスの効果を提供しながら、以下に説明するような照明機能及び/又は視野の制御が可能な窓部材100を提供することができる。
図11(a)に示すように、調光部材20は、第1透明部材10の第1外側面10aに配置されてもよい。例えば、調光部材20は、第1状態において第1光束で室外側に発光し、第2状態で消光する。この構成によれば、調光部材20が第1状態において室外側を照明する照明機能を提供することができる。また、室外側にいる人は、第1状態において室内側が視認しにくくなり、調光部材20が目隠しとしての機能を提供することもできる。また、第2状態においては、調光部材20は消光しているため、本来の窓としての機能(窓を介して窓の背面側の情報が視認できる機能)を提供することができる。
図11(b)に示すように、調光部材20は、第1透明部材10の第1内側面10bに配置されてもよい。例えば、調光部材20は、第1状態において第1光束で室内側に発光し、第2状態で消光する。この構成によれば、調光部材20が第1状態において室内側を照明する照明機能を提供することができる。また、第2状態においては、調光部材20は消光しているため、本来の窓としての機能(窓を介して窓の背面側の情報が視認できる機能)を提供することができる。また、調光部材20が第1透明部材10と第2透明部材11の間に配置されることにより、調光部材20に用いられる材料の経年劣化が抑制される。さらに、第1状態においては、調光部材20の発光素子24から熱が発生し、その熱が密閉空間Aに籠るため、その熱によって第1透明部材10や第2透明部材11の曇りを防止することができる。したがって、調光部材20が、照明機能だけでなく、デフロスタの機能も提供することができる。
なお、必要に応じて追加の機能層が配置されてもよい。例えば、第1透明部材10の第1内側面10bに対向する第2透明部材11の第2外側面11aに、第1機能層14が配置されてもよい。第1機能層14として、反射防止層、光透過調整層、及び、光拡散層を挙げることができる。第1機能層14として反射防止層を配置した場合、調光部材20からの光の第2透明部材11での反射を防止することができ、室内側を照明する機能を高めることができる。第1機能層14として光透過調整層(例えば、ティントフィルム)を配置した場合、調光部材20からの光の第2透明部材11での透過率を調整することができ、室内側を照明する機能を調整することができる。第1機能層14として光拡散層を配置した場合、調光部材20からの光を室内全体に拡散させることができる。なお、第1機能層14は、第2透明部材11の第2外側面11aにおいて部分的に配置されてもよい。この構成によれば光の反射度合や透過度合を部分的に制御することができる。
また、調光部材20に対して日光の入射側にある面(例えば、第1透明部材10の第1外側面10a)に、第2機能層15が配置されてもよい。第2機能層15として、紫外線吸収層、紫外線反射層、及び、遮熱層などを挙げることができる。遮熱層としては、赤外線の少なくとも一部を減ずることができる材料で構成された層を挙げることができる。第2機能層15を配置することにより、調光部材20に用いられる材料が紫外線や赤外線によって劣化することを防ぐことができる。
図11(c)に示すように、調光部材20は、第2透明部材11の第2外側面11aに配置されてもよい。例えば、調光部材20は、第1状態において第1光束で室外側に発光し、第2状態で消光する。この構成によれば、調光部材20が第1状態において室外側を照明する照明機能を提供することができる。また、室外側にいる人は、第1状態において室内側が視認しにくくなり、調光部材20が目隠しとしての機能を提供することもできる。また、第2状態においては、調光部材20は消光しているため、本来の窓としての機能(窓を介して窓の背面側の情報が視認できる機能)を提供することができる。さらに、第1状態においては、調光部材20の発光素子24から熱が発生し、その熱が密閉空間Aに籠るため、第1透明部材10や第2透明部材11の曇りを防止することができる。したがって、調光部材20が、照明機能だけでなく、デフロスタの機能も提供することができる。
なお、必要に応じて追加の機能層が配置されてもよい。例えば、第2透明部材11の第2外側面11aに対向する第1透明部材10の第1内側面10bに、第1機能層14が配置されてもよい。第1機能層14として、反射防止層、光透過調整層、及び、光拡散層を挙げることができる。第1機能層14として反射防止層を配置した場合、調光部材20からの光の第1透明部材10での反射を防止することができ、室外側を照明する機能を高めることができる。第1機能層14として光透過調整層(例えば、ティントフィルム)を配置した場合、調光部材20からの光の第1透明部材10での透過率を調整することができ、室外側を照明する機能を調整することができる。第1機能層14として光拡散層を配置した場合、調光部材20からの光を室外に拡散させることができる。なお、第1機能層14は、第1透明部材10の第1内側面10bにおいて部分的に配置されてもよい。この構成によれば光の反射度合や透過度合を部分的に制御することができる。
また、調光部材20に対して日光の入射側にある面(例えば、第1透明部材10の第1外側面10a)に、第2機能層15が配置されてもよい。第2機能層15として、紫外線吸収層、紫外線反射層、及び、遮熱層などを挙げることができる。遮熱層としては、赤外線の少なくとも一部を減ずることができる材料で構成された層を挙げることができる。第2機能層15を配置することにより、調光部材20に用いられる材料が紫外線や赤外線によって劣化することを防ぐことができる。
図11(d)に示すように、調光部材20は、第2透明部材11の第2内側面11bに配置されてもよい。例えば、調光部材20は、第1状態において第1光束で室内側に発光し、第2状態で消光する。この構成によれば、調光部材20が第1状態において室内側を照明する照明機能を提供することができる。また、第2状態においては、調光部材20は消光しているため、本来の窓としての機能(窓を介して窓の背面側の情報が視認できる機能)を提供することができる。
図11(e)に示すように、調光部材20は、第1透明部材10の第1外側面10aに部分的に配置されてもよい。或いは、出射される光の光束が領域ごとに異なる調光部材20(図6〜図8参照)が、第1透明部材10の第1外側面10aに配置されてもよい。調光部材20を部分的に配置する構成は、これに限定されないが、例えば、調光部材20が人の目線の高さに部分的に配置された例で説明する。調光部材20は、第1状態において第1光束で室外側に発光し、第2状態で消光する。この構成によれば、調光部材20が室外側を照明する照明機能を提供することができる。また、調光部材20を人の目線の高さに部分的に配置することで、室外側にいる人は室内側が視認しにくくなり、調光部材20が目隠しとしての機能を提供することもできる。また、第2状態においては、調光部材20は消光しているため、本来の窓としての機能(窓を介して窓の背面側の情報が視認できる機能)を提供することができる。
図11(f)に示すように、調光部材20は、第1透明部材10の第1内側面10bに部分的に配置されてもよい。或いは、出射される光の光束が領域ごとに異なる調光部材20(図6〜図8参照)が、第1透明部材10の第1内側面10bに配置されてもよい。調光部材20を部分的に配置する構成は、これに限定されないが、一例として、調光部材20が、天井に近い位置及び足元の位置に部分的に配置された例を説明する。調光部材20は、第1状態において第1光束で室内側に発光し、第2状態で消光する。この構成によれば、調光部材20が、天井部分や足元部分などを照明する間接照明の機能を提供することができる。また、第2状態においては、調光部材20は消光しているため、本来の窓としての機能(窓を介して窓の背面側の情報が視認できる機能)を提供することができる。また、調光部材20が第1透明部材10と第2透明部材11の間に配置されることにより、調光部材20に用いられる材料の経年劣化が抑制される。さらに、第1状態においては、調光部材20の発光素子24から熱が発生し、その熱が密閉空間Aに籠るため、その熱によって第1透明部材10や第2透明部材11の曇りを防止することができる。したがって、調光部材20が、照明機能だけでなく、デフロスタの機能も提供することができる。
なお、必要に応じて追加の機能層が配置されてもよい。例えば、第1透明部材10の第1内側面10bに対向する第2透明部材11の第2外側面11aに、第1機能層14が配置されてもよい。第1機能層14として、反射防止層、光透過調整層、及び、光拡散層を挙げることができる。第1機能層14として反射防止層を配置した場合、調光部材20からの光の第2透明部材11での反射を防止することができ、室内側を照明する機能を高めることができる。第1機能層14として光透過調整層(例えば、ティントフィルム)を配置した場合、調光部材20からの光の第2透明部材11での透過率を調整することができ、室内側を照明する機能を調整することができる。第1機能層14として光拡散層を配置した場合、調光部材20からの光を室内全体に拡散させることができる。なお、第1機能層14は、第2透明部材11の第2外側面11aにおいて部分的に配置されてもよい。この構成によれば光の反射度合や透過度合を部分的に制御することができる。
また、調光部材20に対して日光の入射側にある面(例えば、第1透明部材10の第1外側面10a)に、第2機能層15が配置されてもよい。第2機能層15として、紫外線吸収層、紫外線反射層、及び、遮熱層などを挙げることができる。遮熱層としては、赤外線の少なくとも一部を減ずることができる材料で構成された層を挙げることができる。第2機能層15を配置することにより、調光部材20に用いられる材料が紫外線や赤外線によって劣化することを防ぐことができる。
図11(g)に示すように、調光部材20は、第2透明部材11の第2外側面11aに部分的に配置されてもよい。或いは、出射される光の光束が領域ごとに異なる調光部材20(図6〜図8参照)が、第2透明部材11の第2外側面11aに配置されてもよい。調光部材20を部分的に配置する構成は、これに限定されないが、例えば、調光部材20が人の目線の高さに部分的に配置された例で説明する。調光部材20は、第1状態において第1光束で室外側に発光し、第2状態で消光する。この構成によれば、調光部材20が室外側を照明する照明機能を提供することができる。また、調光部材20を人の目線の高さに部分的に配置することで、室外側にいる人は室内側が視認しにくくなり、調光部材20が目隠しとしての機能を提供することもできる。また、第2状態においては、調光部材20は消光しているため、本来の窓としての機能(窓を介して窓の背面側の情報が視認できる機能)を提供することができる。さらに、第1状態においては、調光部材20の発光素子24から熱が発生し、その熱が密閉空間Aに籠るため、第1透明部材10や第2透明部材11の曇りを防止することができる。したがって、調光部材20が、照明機能だけでなく、デフロスタの機能も提供することができる。
なお、必要に応じて追加の機能層が配置されてもよい。例えば、第2透明部材11の第2外側面11aに対向する第1透明部材10の第1内側面10bに、第1機能層14が配置されてもよい。第1機能層14として、反射防止層、光透過調整層、及び、光拡散層を挙げることができる。第1機能層14として反射防止層を配置した場合、調光部材20からの光の第1透明部材10での反射を防止することができ、室外側を照明する機能を高めることができる。第1機能層14として光透過調整層(例えば、ティントフィルム)を配置した場合、調光部材20からの光の第1透明部材10での透過率を調整することができ、室外側を照明する機能を調整することができる。第1機能層14として光拡散層を配置した場合、調光部材20からの光を室外に拡散させることができる。なお、第1機能層14は、第1透明部材10の第1内側面10bにおいて部分的に配置されてもよい。この構成によれば光の反射度合や透過度合を部分的に制御することができる。
また、調光部材20に対して日光の入射側にある面(例えば、第1透明部材10の第1外側面10a)に、第2機能層15が配置されてもよい。第2機能層15として、紫外線吸収層、紫外線反射層、及び、遮熱層などを挙げることができる。遮熱層としては、赤外線の少なくとも一部を減ずることができる材料で構成された層を挙げることができる。第2機能層15を配置することにより、調光部材20に用いられる材料が紫外線や赤外線によって劣化することを防ぐことができる。
図11(h)に示すように、調光部材20は、第2透明部材11の第2内側面11bに部分的に配置されてもよい。或いは、出射される光の光束が領域ごとに異なる調光部材20(図6〜図8参照)が、第2透明部材11の第2内側面11bに配置されてもよい。調光部材20を部分的に配置する構成は、これに限定されないが、一例として、調光部材20が、天井に近い位置及び足元の位置に部分的に配置された例を説明する。調光部材20は、第1状態において第1光束で室内側に発光し、第2状態で消光する。この構成によれば、調光部材20が、天井部分や足元部分などを照明する間接照明の機能を提供することができる。また、第2状態においては、調光部材20は消光しているため、本来の窓としての機能(窓を介して窓の背面側の情報が視認できる機能)を提供することができる。
なお、図10の合わせガラスが、図11の複層ガラスに適用されてもよい。すなわち、図11の第1透明部材10及び第2透明部材11の一方が図10の合わせガラスに置き換えられてもよい。この複層ガラスは、いわゆる合わせ複層ガラスとも呼ばれる構造である。この構成によれば、複層ガラスの一方のガラスが合わせガラスの構造を備えるため、防犯性、断熱性、及び遮音性をより高めることができる。
図12は、本開示の一実施形態に係る調光部材を備える窓部材の概略断面図であり、二重窓構造の窓部材に調光部材を適用した例を示す。二重窓構造とは、2つの透明部材(典型的にはガラスであるが、これに限定されない)が所定の間隔を空けて配置され2つの透明部材が相対移動可能に構成された構造をいう。2つの透明部材は、開閉時に少なくとも一方が、他方に対して傾斜、スライド、又は回転等により相対位置を変更可能に構成されている。例えば、2つの透明部材が、別箇のレールに収容され、別個にレールに沿って移動できる構造を挙げることができる。二重窓構造は、例えば、2つの透明部材を同時に設置施工したり、第1透明部材が設置済みである状態で第2透明部材が後から設定施工したりすることにより、製造される。後述する図12(a)〜(h)において、調光部材20が予め貼合された状態で透明部材が設置施工されてもよいし、透明部材が設置施工された後で調光部材20が貼合されてもよい。
窓部材100は、第1上側レール31及び第1下側レール32によって案内される第1透明部材10と、第2上側レール41及び第2下側レール42によって案内される第2透明部材11とを備える。第1透明部材10と第2透明部材11との間隔を、例えば、断熱性及び遮音性の観点から8mm〜20mmの範囲で設定してもよい。
以上で説明した二重窓構造によれば、二枚の透明部材10、11で室外と室内が区分けされるため、断熱性及び遮音性を高めることができる。また、これに加えて、安全性及び防犯性を高めることができる。本実施形態によれば、上述の二重窓構造の効果を提供しながら、以下に説明するような照明機能及び/又は視野の制御が可能な窓部材100を提供することができる。
図12(a)に示すように、調光部材20は、第1透明部材10の第1外側面10aに配置されてもよい。例えば、調光部材20は、第1状態において第1光束で室外側に発光し、第2状態で消光する。この構成によれば、調光部材20が第1状態において室外側を照明する照明機能を提供することができる。また、室外側にいる人は、第1状態において室内側が視認しにくくなり、調光部材20が目隠しとしての機能を提供することもできる。また、第2状態においては、調光部材20は消光しているため、本来の窓としての機能(窓を介して窓の背面側の情報が視認できる機能)を提供することができる。
図12(b)に示すように、調光部材20は、第1透明部材10の第1内側面10bに配置されてもよい。例えば、調光部材20は、第1状態において第1光束で室内側に発光し、第2状態で消光する。この構成によれば、調光部材20が第1状態において室内側を照明する照明機能を提供することができる。また、第2状態においては、調光部材20は消光しているため、本来の窓としての機能(窓を介して窓の背面側の情報が視認できる機能)を提供することができる。また、調光部材20が第1透明部材10と第2透明部材11の間に配置されることにより、調光部材20に用いられる材料の経年劣化が抑制される。
なお、必要に応じて追加の機能層が配置されてもよい。例えば、第1透明部材10の第1内側面10bに対向する第2透明部材11の第2外側面11aに、第1機能層14が配置されてもよい。第1機能層14として、反射防止層、光透過調整層、及び、光拡散層を挙げることができる。第1機能層14として反射防止層を配置した場合、調光部材20からの光の第2透明部材11での反射を防止することができ、室内側を照明する機能を高めることができる。第1機能層14として光透過調整層(例えば、ティントフィルム)を配置した場合、調光部材20からの光の第2透明部材11での透過率を調整することができ、室内側を照明する機能を調整することができる。第1機能層14として光拡散層を配置した場合、調光部材20からの光を室内全体に拡散させることができる。なお、第1機能層14は、第2透明部材11の第2外側面11aにおいて部分的に配置されてもよい。この構成によれば光の反射度合や透過度合を部分的に制御することができる。
また、調光部材20に対して日光の入射側にある面(例えば、第1透明部材10の第1外側面10a)に、第2機能層15が配置されてもよい。第2機能層15として、紫外線吸収層、紫外線反射層、及び、遮熱層などを挙げることができる。遮熱層としては、赤外線の少なくとも一部を減ずることができる材料で構成された層を挙げることができる。第2機能層15を配置することにより、調光部材20に用いられる材料が紫外線や赤外線によって劣化することを防ぐことができる。
図12(c)に示すように、調光部材20は、第2透明部材11の第2外側面11aに配置されてもよい。例えば、調光部材20は、第1状態において第1光束で室外側に発光し、第2状態で消光する。この構成によれば、調光部材20が第1状態において室外側を照明する照明機能を提供することができる。また、室外側にいる人は、第1状態において室内側が視認しにくくなり、調光部材20が目隠しとしての機能を提供することもできる。また、第2状態においては、調光部材20は消光しているため、本来の窓としての機能(窓を介して窓の背面側の情報が視認できる機能)を提供することができる。また、調光部材20が第1透明部材10と第2透明部材11の間に配置されることにより、調光部材20に用いられる材料の経年劣化が抑制される。
なお、必要に応じて追加の機能層が配置されてもよい。例えば、第2透明部材11の第2外側面11aに対向する第1透明部材10の第1内側面10bに、第1機能層14が配置されてもよい。第1機能層14として、反射防止層、光透過調整層、及び、光拡散層を挙げることができる。第1機能層14として反射防止層を配置した場合、調光部材20からの光の第1透明部材10での反射を防止することができ、室外側を照明する機能を高めることができる。第1機能層14として光透過調整層(例えば、ティントフィルム)を配置した場合、調光部材20からの光の第1透明部材10での透過率を調整することができ、室外側を照明する機能を調整することができる。第1機能層14として光拡散層を配置した場合、調光部材20からの光を室外に拡散させることができる。なお、第1機能層14は、第1透明部材10の第1内側面10bにおいて部分的に配置されてもよい。この構成によれば光の反射度合や透過度合を部分的に制御することができる。
また、調光部材20に対して日光の入射側にある面(例えば、第1透明部材10の第1外側面10a)に、第2機能層15が配置されてもよい。第2機能層15として、紫外線吸収層、紫外線反射層、及び、遮熱層などを挙げることができる。遮熱層としては、赤外線の少なくとも一部を減ずることができる材料で構成された層を挙げることができる。第2機能層15を配置することにより、調光部材20に用いられる材料が紫外線や赤外線によって劣化することを防ぐことができる。
図12(d)に示すように、調光部材20は、第2透明部材11の第2内側面11bに配置されてもよい。例えば、調光部材20は、第1状態において第1光束で室内側に発光し、第2状態で消光する。この構成によれば、調光部材20が第1状態において室内側を照明する照明機能を提供することができる。また、第2状態においては、調光部材20は消光しているため、本来の窓としての機能(窓を介して窓の背面側の情報が視認できる機能)を提供することができる。
図12(e)に示すように、調光部材20は、第1透明部材10の第1外側面10aに部分的に配置されてもよい。或いは、出射される光の光束が領域ごとに異なる調光部材20(図6〜図8参照)が、第1透明部材10の第1外側面10aに配置されてもよい。調光部材20を部分的に配置する構成は、これに限定されないが、例えば、調光部材20が人の目線の高さに部分的に配置された例で説明する。調光部材20は、第1状態において第1光束で室外側に発光し、第2状態で消光する。この構成によれば、調光部材20が室外側を照明する照明機能を提供することができる。また、調光部材20を人の目線の高さに部分的に配置することで、室外側にいる人は室内側が視認しにくくなり、調光部材20が目隠しとしての機能を提供することもできる。また、第2状態においては、調光部材20は消光しているため、本来の窓としての機能(窓を介して窓の背面側の情報が視認できる機能)を提供することができる。
図12(f)に示すように、調光部材20は、第1透明部材10の第1内側面10bに部分的に配置されてもよい。或いは、出射される光の光束が領域ごとに異なる調光部材20(図6〜図8参照)が、第1透明部材10の第1内側面10bに配置されてもよい。調光部材20を部分的に配置する構成は、これに限定されないが、一例として、調光部材20が、天井に近い位置及び足元の位置に部分的に配置された例を説明する。調光部材20は、第1状態において第1光束で室内側に発光し、第2状態で消光する。この構成によれば、調光部材20が、天井部分や足元部分などを照明する間接照明の機能を提供することができる。また、第2状態においては、調光部材20は消光しているため、本来の窓としての機能(窓を介して窓の背面側の情報が視認できる機能)を提供することができる。また、調光部材20が第1透明部材10と第2透明部材11の間に配置されることにより、調光部材20に用いられる材料の経年劣化が抑制される。
なお、必要に応じて追加の機能層が配置されてもよい。例えば、第1透明部材10の第1内側面10bに対向する第2透明部材11の第2外側面11aに、第1機能層14が配置されてもよい。第1機能層14として、反射防止層、光透過調整層、及び、光拡散層を挙げることができる。第1機能層14として反射防止層を配置した場合、調光部材20からの光の第2透明部材11での反射を防止することができ、室内側を照明する機能を高めることができる。第1機能層14として光透過調整層(例えば、ティントフィルム)を配置した場合、調光部材20からの光の第2透明部材11での透過率を調整することができ、室内側を照明する機能を調整することができる。第1機能層14として光拡散層を配置した場合、調光部材20からの光を室内全体に拡散させることができる。なお、第1機能層14は、第2透明部材11の第2外側面11aにおいて部分的に配置されてもよい。この構成によれば光の反射度合や透過度合を部分的に制御することができる。
また、調光部材20に対して日光の入射側にある面(例えば、第1透明部材10の第1外側面10a)に、第2機能層15が配置されてもよい。第2機能層15として、紫外線吸収層、紫外線反射層、及び、遮熱層などを挙げることができる。遮熱層としては、赤外線の少なくとも一部を減ずることができる材料で構成された層を挙げることができる。第2機能層15を配置することにより、調光部材20に用いられる材料が紫外線や赤外線によって劣化することを防ぐことができる。
図12(g)に示すように、調光部材20は、第2透明部材11の第2外側面11aに部分的に配置されてもよい。或いは、出射される光の光束が領域ごとに異なる調光部材20(図6〜図8参照)が、第2透明部材11の第2外側面11aに配置されてもよい。調光部材20を部分的に配置する構成は、これに限定されないが、例えば、調光部材20が人の目線の高さに部分的に配置された例で説明する。調光部材20は、第1状態において第1光束で室外側に発光し、第2状態で消光する。この構成によれば、調光部材20が室外側を照明する照明機能を提供することができる。また、調光部材20を人の目線の高さに部分的に配置することで、室外側にいる人は室内側が視認しにくくなり、調光部材20が目隠しとしての機能を提供することもできる。また、第2状態においては、調光部材20は消光しているため、本来の窓としての機能(窓を介して窓の背面側の情報が視認できる機能)を提供することができる。また、調光部材20が第1透明部材10と第2透明部材11の間に配置されることにより、調光部材20に用いられる材料の経年劣化が抑制される。
なお、必要に応じて追加の機能層が配置されてもよい。例えば、第2透明部材11の第2外側面11aに対向する第1透明部材10の第1内側面10bに、第1機能層14が配置されてもよい。第1機能層14として、反射防止層、光透過調整層、及び、光拡散層を挙げることができる。第1機能層14として反射防止層を配置した場合、調光部材20からの光の第1透明部材10での反射を防止することができ、室外側を照明する機能を高めることができる。第1機能層14として光透過調整層(例えば、ティントフィルム)を配置した場合、調光部材20からの光の第1透明部材10での透過率を調整することができ、室外側を照明する機能を調整することができる。第1機能層14として光拡散層を配置した場合、調光部材20からの光を室外に拡散させることができる。なお、第1機能層14は、第1透明部材10の第1内側面10bにおいて部分的に配置されてもよい。この構成によれば光の反射度合や透過度合を部分的に制御することができる。
また、調光部材20に対して日光の入射側にある面(例えば、第1透明部材10の第1外側面10a)に、第2機能層15が配置されてもよい。第2機能層15として、紫外線吸収層、紫外線反射層、及び、遮熱層などを挙げることができる。遮熱層としては、赤外線の少なくとも一部を減ずることができる材料で構成された層を挙げることができる。第2機能層15を配置することにより、調光部材20に用いられる材料が紫外線や赤外線によって劣化することを防ぐことができる。
図12(h)に示すように、調光部材20は、第2透明部材11の第2内側面11bに部分的に配置されてもよい。或いは、出射される光の光束が領域ごとに異なる調光部材20(図6〜図8参照)が、第2透明部材11の第2内側面11bに配置されてもよい。調光部材20を部分的に配置する構成は、これに限定されないが、一例として、調光部材20が、天井に近い位置及び足元の位置に部分的に配置された例を説明する。調光部材20は、第1状態において第1光束で室内側に発光し、第2状態で消光する。この構成によれば、調光部材20が、天井部分や足元部分などを照明する間接照明の機能を提供することができる。また、第2状態においては、調光部材20は消光しているため、本来の窓としての機能(窓を介して窓の背面側の情報が視認できる機能)を提供することができる。
なお、図10の合わせガラス又は図11の複層ガラスが、図12の二重窓構造に適用されてもよい。すなわち、図12の第1透明部材10及び第2透明部材11の一方が、図10の合わせガラス又は図11の複層ガラスに置き換えられてもよい。この構成によれば、防犯性、断熱性、及び遮音性をより高めることができる。
図13は、本開示の一実施形態に係る調光部材を備える窓部材の概略断面図である。図13(a)に示すように、窓部材100は、第1透明部材10と、第1透明部材10の第1外側面10aに配置された第1調光部材20Aと、第1透明部材10の第1内側面10bに配置された第2調光部材20Bとを備える。
第1調光部材20Aは、第1状態において第1光束で発光し、第2状態において第1光束よりも小さい第2光束になるように構成されている。例えば、第1調光部材20Aは、第1状態において第1光束で発光し、第2状態で消光する。また、第2調光部材20Bは、第1状態において第3光束で発光し、第2状態において第3光束よりも小さい第4光束になるように構成されている。例えば、第2調光部材20Bは、第1状態において第3光束で発光し、第2状態で消光する。
例えば、第1調光部材20Aの第1状態における第1光束は、第2調光部材20Bの第1状態における第3光束よりも大きい。この構成によれば、室外側にいる人は、第1調光部材20Aからの照明によって室内側が視認しにくくなる。これにより、目隠しとしての機能を提供することができる。これに加えて、第2調光部材20Bが室内側を照明することができる。
なお、目隠しの機能をより効果的に発揮させるためには、第1調光部材20Aの第1状態における第1光束Lと第2調光部材20Bの第1状態における第3光束Lとの比(L/L)は、1より大きく、好ましくは、1.1以上、さらに好ましくは、1.20以上である。
また、別の例として、第2調光部材20Bの第1状態における第3光束は、第1調光部材20Aの第1状態における第1光束よりも大きくてもよい。この構成によれば、室内側に対して、より明るい照明機能を提供することができる。
なお、第1調光部材20A及び第2調光部材20Bは、それぞれ、3つ以上の状態を有し、調光部材20A、20Bごとに光束を変化させてもよい。この制御は、窓部材100又はその周辺に設置されたコントローラ(スイッチなど)によって行うことができる。例えば、第1調光部材20Aは、第1状態において第1光束で発光し、第2状態において第1光束よりも小さい第2光束で発光し、第3状態のときに消光してもよい。また、第2調光部材20Bは、第1状態において第1光束で発光し、第2状態において第2光束で発光し、第3状態のときに消光してもよい。第1調光部材20A及び第2調光部材20Bは、少なくとも第1照明組み合わせパターンと第2照明組み合わせパターンを有し、第1照明組み合わせパターンと第2照明組み合わせパターンとを切換え可能に構成されてもよい。第1照明組み合わせパターンでは、第1調光部材20Aが第1光束で発光し、第2調光部材20Bが第2光束で発光するか又は消光する。このパターンでは、室外側への目隠し機能を提供することができる。第2照明組み合わせパターンでは、第1調光部材20Aが第2光束で発光するか又は消光し、第2調光部材20Bが第1光束で発光する。このパターンでは、室内側への照明機能を提供することができる。この構成では、第1照明組み合わせパターンと第2照明組み合わせパターンとの間において、第1調光部材20Aの光束と第2調光部材20Bの光束の大小関係が逆になる。第1調光部材20A及び第2調光部材20Bが、第1照明組み合わせパターンと第2照明組み合わせパターンとを切換えることにより、室外側への目隠し機能と室内側への照明機能を切換えることができる。
図13(b)に示すように、本実施形態は、図10の合わせガラスに適用されてもよい。第1調光部材20Aが第1透明部材10の第1外側面10aに配置され、第2調光部材20Bが第2透明部材11の第2内側面11bに配置されてもよい。なお、この構成に限定されず、第1調光部材20A及び第2調光部材20Bの一方又は両方が、第1透明部材10と第2透明部材11との間に配置されてもよい。
図13(c)に示すように、本実施形態は、図11の複層ガラスに適用されてもよい。第1調光部材20Aが第1透明部材10の第1外側面10aに配置され、第2調光部材20Bが第2透明部材11の第2内側面11bに配置されてもよい。なお、この構成に限定されず、第1調光部材20A及び第2調光部材20Bが、第1透明部材10又は第2透明部材11のいずれか一方の両面に配置されるような構成でもよい。
図13(d)に示すように、本実施形態は、図12の二重窓構造に適用されてもよい。第1調光部材20Aが第1透明部材10の第1外側面10aに配置され、第2調光部材20Bが第2透明部材11の第2内側面11bに配置されてもよい。なお、この構成に限定されず、第1調光部材20A及び第2調光部材20Bが、第1透明部材10又は第2透明部材11のいずれか一方の両面に配置されるような構成でもよい。
なお、図13の例において、第1調光部材20A及び/又は第2調光部材20Bが、その設置された面において部分的に配置されてもよい。また、第1調光部材20A及び/又は第2調光部材20Bが、出射される光の光束が領域ごとに異なる構成(図6〜図8参照)を備えてもよい。
図14は、本開示の一実施形態に係る調光部材を備える窓部材の概略断面図である。図14(a)に示すように、反射板16が、調光部材20上に配置されてもよい。例えば、調光部材20は、第1状態において第1光束で発光し、第2状態で消光する。反射板16は、調光部材20からの光の一部を反射し、残りの光を透過させる機能を有する。このとき、第1状態において反射板16を透過する光の光束と、第1状態において反射板16で反射した光の光束とが異なる。例えば、第1空間A側(室外側)に透過する光の光束は、第2空間A側(室内側)に反射する光の光束よりも大きい。この構成によれば、室外側にいる人は、室内側が視認しにくくなり、目隠しの機能を提供することができる。これに加えて、室内側への照明機能も提供することができる。また、この構成によれば、単一の調光部材を用いて、第1空間A側(室外側)と第2空間A側(室内側)とで異なる明るさを提供することができる。
また、別の例として、室内側に反射する光の光束は、室外側に透過する光の光束よりも大きくてもよい。この構成によれば、室外側にいる人に対する照明機能を提供しながら、室内側をより大きな光束で照明することができる。
図14(b)に示すように、反射板16が、調光部材20上に部分的に配置されてもよい。この構成によれば、反射板16が配置されていない部分では調光部材20からの光をそのまま室外側に照射することができ、反射板16が配置されている部分では光を室内側に反射させることができる。反射板16の配置によって、上述した目隠しの機能や照明機能を提供することができる。
なお、図14では、1枚の第1透明部材10を備える窓部材100に反射板16を適用した例を示したが、反射板16は、図9〜図12で示したいずれの形態にも適用可能である。また、図14において、さらに調光部材20より出射する光の光路において反射板16よりも後ろの位置に上述の光拡散層14を配置してもよい。
図15は、本開示の一実施形態に係る調光部材の概略断面図である。図15では、調光部材20のみを示し、透明部材の図示が省略されている。調光部材20は、導光板26と、導光板26の中に配置された複数の拡散体27と、導光板26の第1端部26cに配置された発光素子24とを備える。なお、この構成に限定されず、発光素子24が、第1端部26cと反対側の図示省略の第2端部に配置され、両側から光を入射させるような構成でもよい。また、拡散体27の形状は図示に限定されず、例えば、その形状は断面視において、三角形、四角形等の多角形等であってもよい。
導光板26は、第1端部26cから入射する発光素子24からの光を面全体に拡散させることが可能な板である。導光板26として用いられる材料として、例えば、アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリアクリロニトリル等の一以上を主成分とする透明樹脂や、エポキシアクリレートやウレタンアクリレート系の反応性樹脂(電離放射線硬化型樹脂等)が好適に使用され得る。また、拡散体27としては、例えば、金属酸化物を周囲に保持した樹脂ビーズ、シリカ(二酸化珪素)、アルミナ(酸化アルミニウム)等の白色物質、周囲と屈折率が異なる樹脂(例えばアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、ポリスチレン樹脂等)等の透明物質からなる粒子を用いて構成することができる。
例えば、発光素子24は、電源(図示せず)に電気的に接続され、第1状態で発光し、第2状態で消光する。第1状態において発光素子24が発光したとき、発光素子24からの光の一部が第1空間A側(室外側)に導かれるように拡散体27で反射し、また、光の一部が第2空間A側(室内側)に導かれるように拡散体27で反射する。これにより、第1空間A側(室外側)及び第2空間A側(室内側)に光を出射したり、第1空間A側(室外側)及び第2空間A側(室内側)に選択的に光を出射したりすることができる。このとき、室外側に出射する光の光束と、室内側に出射する光の光束とを異ならせることができる。例えば、室外側に出射する光の光束は、室内側に出射する光の光束よりも大きい。この構成によれば、室外側にいる人は室内側が視認しにくくなり、目隠しの機能を提供することができる。これに加えて、室内側を照明する照明機能も提供することができる。
また、別の例として、室内側に出射する光の光束は、室外側に出射する光の光束よりも大きくてもよい。この構成によれば、室外側にいる人に対する照明機能を提供しながら、室内側をより大きな光束で照明することができる。
図16は、本開示の一実施形態に係る調光部材の概略断面図であり、拡散体の配置の例を示す。導光板26は、第1面26aと、第1面26aと反対側の第2面26bとを有する。本実施形態では、導光板26の一方の面に拡散体27が寄り、かつ、発光素子24から遠くなるほど拡散体27の大きさが大きくなる。ここで、「導光板の一方の面に拡散体が寄っている」とは、断面視において拡散体27の図形の重心の位置が導光板26の一方の面側に寄っていればよい。また、拡散体27の大きさとは、拡散体27の粒子表面の2点間距離の最大値をいう。図面上では、説明を簡単にするために拡散体27は円で示されているが、光を反射させることが可能であれば形状は問わない。
図16(a)に示すように、複数の拡散体27が、導光板26の第2面26b側に寄って配置されており、かつ、発光素子24から遠くなるほど拡散体27の大きさが大きくなっている。この構成によれば、図16(b)に示すように、第1面26a側により多くの光を反射させることができる。これにより、室外側に出射する光の光束は、室内側に出射する光の光束よりも大きくなる。
図17は、本開示の一実施形態に係る調光部材の概略断面図であり、拡散体の配置の例を示す。図17(a)に示すように、導光板26内にある拡散体27の体積が、第1面26aと第2面26bとで異なる。例えば、第2面26bにおける導光板26内にある拡散体27の体積(斜線部分)は、第1面26aにおける導光板26内にある拡散体27の体積(斜線部分)よりも大きい。この構成によれば、図17(b)に示すように、導光板26内にある拡散体27の体積が大きい面(第2面26b)では、光の拡散度合が強くなる。これにより、これにより、室外側に出射する光の光束は、室内側に出射する光の光束よりも大きくなる。
図18は、本開示の一実施形態に係る調光部材の概略断面図であり、拡散体の配置の例を示す。図18(a)に示すように、拡散体27の配置密度が、第1面26aと第2面26bとで異なる。例えば、第2面26bにおける拡散体27の配置密度は、第1面26aにおける拡散体27の配置密度よりも大きい。この構成によれば、図18(b)に示すように、拡散体27の配置密度が大きい面(第2面26b)では、光の拡散度合が強くなる。これにより、室外側に出射する光の光束は、室内側に出射する光の光束よりも大きくなる。
図19は、本開示の一実施形態に係る調光部材を備える窓部材の変形例の概略断面図である。図19では、例えば、3つの形態が示されている。
図19(a)は、変形例の形態1による窓部材100の構成例を示している。窓部材100は、第1透明部材10と、当該第1透明部材10に貼合された調光部材20と、調光部材20の光の出射方向に配置された拡散基板17とを備える。調光部材20が第1空間A側(室外側)に配置されており、かつ調光部材20と拡散基板17との間にギャップ(空隙)が設けられている。
調光部材20は、上述のように、例えばLEDなどの発光素子24を基材21上に複数個配置し、当該発光素子24をON/OFFすることにより、透明部材10の部分を光らせる、板状あるいはシート状部材である。
拡散基板17は、例えば、透明の拡散基板、あるいは乳白色の拡散基板で構成することができる。透明の拡散基板は、例えば、アクリルやポリカーボネートなどの透明基板表面に加工されたホログラムパターン(屈折機能を有するパターン)を設けたり、透明基板の内部に複数の拡散体を設けたりすることにより構成される。また、乳白色の拡散基板は、透過率を低下させた基板であって、例えば、すりガラス拡散板で構成したり、乳白色のポリカーネイトなどの基板表面に上記ホログラムパターンを設けることにより構成したりすることができる。拡散基板17を設けることにより、調光部材20からの光のギラツキや第1透明部材に対する写り込みを抑制することができる。
なお、拡散基板17の代わりに、光拡散機能を備えるシート状部材(例えば、ロールスクリーン)を用いてもよい。ロールスクリーンのようなシート状部材を用いることにより、必要なときに第1透明部材10に光拡散機能を持たせることができるようになる。
図19(a)に示されるように、調光部材20が室外側に向いて配置される場合、調光部材20からの光は、拡散基板17に到達すると、所定方向に拡散され、外側に向けて放出される。このように外部(外側)に拡散光を放出することにより、目隠し(視野の制御)の機能を提供することができる。
図19(b)は、変形例の形態2による窓部材100の構成例を示している。形態2は、形態1と構成要素は同じであるが、各構成要素の配置が形態1とは逆となっている。即ち、室外側から、第1透明部材10、調光部材20、および拡散基板17の順で配置されている。調光部材20は、第1透明部材10の第1内側面10bに配置されており、かつ、調光部材20と拡散基板17との間にギャップが設けられている。なお、拡散基板17の特徴については上述した通りであるので、説明は省略する。
図19(b)に示されるように、調光部材20が室内側に向いて配置されるので、調光部材20からの光は、拡散基板17に到達すると、所定方向に拡散され、室内側に向けて放出される。このように室内側に拡散光を放出することにより、第1透明部材10を室内側に対する照明として機能させることができる。また、拡散基板17として乳白色の拡散基板を用いれば、目隠し(視野の制御)の機能を提供することができる。
図19(c)は、変形例の形態3によるによる窓部材100の構成例を示している。形態3は、第1透明部材10、調光部材20、および拡散基板17の各構成要素の配置の順序が形態2と同一であるが、調光部材20と拡散基板17との間にギャップは設けられていない。つまり、調光部材20が第1透明部材10の第1内側面10bに貼合され、さらに、調光部材20に拡散基板17が貼合されている。なお、板状の拡散基板17の代わりに、拡散フィルムを用いても良い。なお、拡散基板17の特徴については上述した通りであるので、説明は省略する。
図19(c)に示されるように、調光部材20が内側に向いて配置されるので、調光部材20からの光は、拡散基板17によって所定方向に拡散され、室内側に向けて放出される。このように室内側に拡散光を放出することにより、第1透明部材10を室内側に対する照明として機能させることができる。また、拡散基板17として乳白色の拡散基板を用いれば、目隠し(視野角制御)の機能を提供することができる。
第1透明部材10からの視界(眺望)を確保する場合、拡散基板17は透明の基板で構成することが望ましいが、ヘイズ値で規定した場合、ヘイズ値が30%程度以下であれば眺望を確保できることが発明者の検証により判明した。一方、透過率(可視光透過率)で規定すると、眺望を確保するためには、透過率が50%以上であることが望ましいことが検証により判明した。
上述の形態1および形態2では、拡散基板17と調光部材20との間にギャップ(空隙)を設けている。この場合、拡散基板17のヘイズ値を30%以下あるいは可視光透過率を50%以上とすることにより、第1透明部材10からの眺望を確保しつつ、調光部材20における発光素子24(例えば、LEDなど)が配列されていることを視認困難、あるいは必要に応じて視認不可とすることができるようになる。
また、窓部材100が、合わせガラス(図10)、複層ガラス(図11)や二重窓(図12)の構造を有する場合にも、拡散基板17と調光部材20との間にギャップ(空隙)を設けることによる効果(眺望確保とLED目隠しの両立)を期待することができる。なお、当該ギャップ(空隙)を設けない場合、あるいはギャップが小さい場合(例えば、2mm以下)には、ヘイズ値が80%以上でも調光部材20における発光素子24(例えば、LEDなど)を視認できる可能性が残されてしまう。例えば、調光部材20をLEDシートとし、拡散機能を持たせるために当該LEDシートに拡散フィルムをコーティングする場合には、LEDを視認できてしまうだけでなく、第1透明部材10からの眺望を失うことになる。このため、当該ギャップ(空隙)を拡散基板17と調光部材20との間に設ける意義は大きい。また、窓部材100が複層ガラスや二重窓の構造を有する場合、一定のヘイズ値を有する拡散基板17を配置することにより、透明部材の面内の明るさを均一にすることができる。
上述した各実施形態による第1透明部材10には、追加的に様々な加工を施すことができる。例えば、反射防止膜(反射防止フィルム)、UV光をカットするUV吸収フィルム、UV光を反射させるUV反射フィルム、赤外光を吸収するIR吸収フィルム、赤外光を反射するIR反射フィルム、ティントフィルム、意匠性フィルムなどを第1透明部材10に配置することができる。また、例えば、UV吸収機能を第1透明部材10に持たせたい場合、調光部材20を第1透明部材10に貼合するための粘着剤にUV吸収剤を含めてもよい。
上述の調光部材20を用いた建材の製造方法について説明する。当該製造方法は、第1空間Aと、第1空間Aと隣り合う第2空間Aの間にある開口部1に配置された第1透明部材10であって、第1空間A側に位置する第1面10aと、第2空間A側に位置する第2面10bとを有する第1透明部材10を提供する工程と、第1透明部材10の第1面10a及び第2面10bの一方に、シート状の第1調光部材20を配置する工程と、を有する。また、当該製造方法は、第1透明部材10の第1面10a及び第2面10bの他方に、シート状の第2調光部材20Bを配置する工程をさらに有してもよい。
第1調光部材20の配置工程は、第1調光部材20を撓ませながら第1透明部材10上に配置することを含んでもよい。
第1調光部材20の配置工程は、第1透明部材10と第1調光部材20とを液体を介して接触させた後、第1調光部材20を押圧することにより前記液体を中央から外側に移動させることを含んでもよい。一例として、これは上述した水貼り等の工程である。
また、別の例として、第1空間Aと、第1空間Aと隣り合う第2空間Aの間にある開口部1に配置され、第1空間A側に位置する第1透明部材10及び第2空間A側に位置する第2透明部材11を含む建材の製造方法であって、第1透明部材10を提供する工程と、第2透明部材10の一方の面にシート状の第1調光部材20を配置する工程と、第1調光部材20が配置された第2透明部材を、開口部1に設置する工程と、を有してもよい。また、当該製造方法は、第2透明部材11の他方の面にシート状の第2調光部材20Bを配置する工程をさらに有してもよい。
図20は、本開示の一実施形態に係る調光部材が適用される建材の一例である。調光部材20は、部屋同士を区切る壁又はパーテションに使用される透明部材に取付けられてもよい。この構成によれば、壁やパーテションに対して、照明機能や隣接する部屋間の目隠し機能を提供することができる。
図21は、本開示の一実施形態に係る調光部材が適用される建材の一例である。調光部材20は、建物の屋根に設けられた天井窓に取付けられてもよい。この構成によれば、天井窓を夜間の照明機能としても利用することができる。
図22は、本開示の一実施形態に係る調光部材が適用される建材の一例である。調光部材20は、透明部材によって構成された階段、及び/又は、階段の手すりなどに取付けられてもよい。この構成によれば、階段や手すりを照明機能として利用することができる。また、夜間において階段や手すり自体を光らせることができるため、階段の位置や手すりの位置を案内することができる。
図23は、本開示の一実施形態に係る調光部材が適用される建材の一例である。調光部材20は、透明部材によって構成された庇(建物の開口部の上に取り付けられる日除けや雨除け用の小型の屋根)に取付けられてもよい。この構成によれば、庇を夜間の照明機能としても利用することができる。
図24は、本開示の一実施形態に係る調光部材が適用される建材の一例である。調光部材20は、透明部材によって構成された扉(例えば、バスルームの扉)に取付けられてもよい。この構成によれば、バスルーム内に照明を提供しながら、バスルームの中が見えないようにする目隠し機能を提供することができる。
図25は、本開示の一実施形態に係る調光部材が適用される自動車の一例である。調光部材20は、車のサンルーフに取付けられてもよい。この構成によれば、サンルーフを照明機能としても利用することができる。
<ハードコート層を備えた建材の構成>
(i)構成例1
図26は、本開示の一実施形態に係る調光部材とハードコート層とを備える建材の構成例1を示す概略断面図である。図15に示す調光部材20を使用する場合、図1から図3、図9から図14に示される形態例を見ると、調光部材20は各種ガラスで構成される透明部材に貼り付けられているが、図26に示す建材では、ガラスの代わりにハードコート層40および50が、調光部材20を構成する導光板26の表面26aおよび26bに設けられている。つまり、当該実施形態は、調光機能を有する建材において、建材を構成する第1透明部材をガラスではなく、ハードコート層で実現している。なお、ハードコート層は、導光板26の第1空間A側の表面26aあるいは第2空間A側の表面26bの少なくとも何れか一方に設けられていればよい。ハードコート層により表面を傷や汚れから防ぐことができる。また、汚れても、傷をつけることなく汚れをふき取ることが可能となる。導光板の表面に傷や汚れがあると、そこだけ選択的に光が漏れて輝度むらが生じるため、このようなハードコート層が望ましい。
ハードコード層40および50は、例えば、電離放射線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、二液硬化性樹脂、もしくは溶剤型樹脂などを用いることができる。特に高い耐傷性が得られる電離放射線硬化性樹脂、特に電子線効果性樹脂が望ましい。電離放射線硬化性樹脂の詳細および具体例については公表2015/041334号公報に述べられている。また、ハードコート層40および50の形成方法は、調光部材20の導光板26にシート状のハードコート層40および50を貼合したり、ハードコート層を形成するための材料(例えば、上記電離放射線硬化性樹脂)を塗布したりすることにより実現することができる。また、例えば、プラスティックシートに対してハードコート層を形成する液状材料を塗布し硬化させることにより転写用シートを予め作製しておき、ハードコート層側を調光部材20の導光板26に位置合わせした状態で加圧および加熱して導光板26側にハードコート層を転写して、ハードコート層40および50を形成してもよい。
ハードコート層40および50は、上述の形態で調光部材20を貼り付ける各種ガラスの厚さ(例えば、0.1m以上)および導光板26よりも薄く(例えば、0.1mm未満)構成される。第1空間A側に設けられるハードコート層40の厚さと第1空間A側に設けられるハードコート層50の厚さは、同一となるように構成してもよいし、異なるように構成してもよい。
さらに、ハードコート層40および50に、光散乱機能を持たせるようにしてもよい。光散乱機能を持たせるには、ハードコート層40および50を構成する主材料と屈折率が異なる粒子(散乱剤)を混合すればよい。散乱剤としては、例えば、酸化チタン、シリカ、アルミナ粒子(酸化アルミニウム)、炭酸カルシウムや硫酸バリウムなどの無機粒子、もしくは、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、ポリスチレン樹脂などの樹脂で構成される粒子等を用いることができる。また、発泡等の方法により気体で形成してもよい。ハードコート層に光散乱機能を設けることにより、導光板の散乱機能を強化することができる。
構成例1による調光部材20は、図15に示される構成と同様に、導光板26の内部に配置される複数の拡散体27と、導光板26の第1端部26cに配置される発光素子24と、を備えている。なお、この構成に限定されず、発光素子24が、第1端部26cと反対側の図示省略の第2端部に配置され、両側から光を入射させるような構成でもよい。また、拡散体27の形状は図示に限定されず、例えば、その形状は断面視において、三角形、四角形等の多角形等、繊維状であってもよい。また、それらの形状が連結された形状であってもよい。
導光板26は、第1端部26cから入射する発光素子24からの光を面全体に拡散させることが可能な板である。導光板26として用いられる材料として、例えば、アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリアクリロニトリル等の一以上を主成分とする透明樹脂や、エポキシアクリレートやウレタンアクリレート系の反応性樹脂(電離放射線硬化型樹脂等)や、ガラスが好適に使用され得る。また、拡散体27としては、例えば、金属酸化物を周囲に保持した樹脂ビーズ、シリカ(二酸化珪素)、アルミナ(酸化アルミニウム)等の白色物質、周囲と屈折率が異なる樹脂(例えばアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、ポリスチレン樹脂等)等の透明物質からなる粒子を用いて構成することができる。また、散乱体27は、発泡等の方法により気体で形成してもよい。また、導光板26は、複数の材料を二層以上重ねてもよい。
例えば、発光素子24は、電源(図示せず)に電気的に接続され、第1状態で発光し、第2状態で消光する。第1状態において発光素子24が発光したとき、発光素子24からの光の一部が第1空間A側(室外側)に導かれるように拡散体27で反射し、また、光の一部が第2空間A側(室内側)に導かれるように拡散体27で反射する。これにより、第1空間A側及び第2空間A側に光を出射することができる。この構成によれば、第一空間から第二空間、もしくは第二空間から第一空間が視認しにくくなり、目隠しの機能を提供できる。たとえば、室外側にいる人は室内側が視認しにくくなり、目隠しの機能を提供することができる。これに加えて、第一空間もしくは第二空間を照明する照明機能も提供することができる。第一空間もしくは第二空間のいずれかの側に意匠面、たとえば壁面や天井面、もしくは文字・絵柄などの情報を有する面を設け、この意匠面の見え具合を切り替えすることともできる。この場合は導光板とハードコート層を合わせた状態でのヘイズを10%以下にすることが望ましい。
なお、ハードコート層40および50の形成方法、厚さ、および材料、発光素子24の特徴については、以下の構成例でも同様である。
(ii)構成例2
図27は、本開示の一実施形態に係る調光部材とハードコート層とを備える建材の構成例2を示す概略断面図である。構成例1(図26)と同様に、構成例2でも調光部材20(導光板26)の表面26aおよび26bには、ガラスではなくハードコート層40および50が設けられる。だたし、構成例2による調光部材2においては、拡散体27の構成が上記構成例1とは異なっている。
構成例2において、導光板26は、第1面26aと、第1面26aと反対側の第2面26bとを有する。本実施形態では、導光板26の一方の面に拡散体27が寄り、かつ、発光素子24から遠くなるほど拡散体27の大きさが大きくなる。ここで、「導光板の一方の面に拡散体が寄っている」とは、断面視において拡散体27の図形の重心の位置が導光板26の一方の面側に寄っていればよい。また、拡散体27の大きさとは、拡散体27の粒子表面の2点間距離の最大値をいう。図面上では、説明を簡単にするために拡散体27は円で示されているが、光を反射させることが可能であれば形状は問わない。
図27(a)に示すように、複数の拡散体27が、導光板26の第2面26b側に寄って配置されており、かつ、発光素子24から遠くなるほど拡散体27の大きさが大きくなっている。この構成によれば、図27(b)に示すように、第1面26a側により多くの光を反射させることができる。これにより、室外側に出射する光の光束は、室内側に出射する光の光束よりも大きくなる。
(iii)構成例3
図28は、本開示の一実施形態に係る調光部材とハードコート層とを備える建材の構成例3を示す概略断面図である。構成例1(図26)と同様に、構成例3でも調光部材20(導光板26)の表面26aおよび26bには、ガラスではなくハードコート層40および50が設けられる。ただし、構成例3では、図17の形態例と同様に、拡散体の配置に特徴を有している。
図28(a)に示すように、導光板26内にある拡散体27の体積が、第1面26aと第2面26bとで異なる。例えば、第2面26bにおける導光板26内にある拡散体27の体積(斜線部分)は、第1面26aにおける導光板26内にある拡散体27の体積(斜線部分)よりも大きい。この構成によれば、図28(b)に示すように、導光板26内にある拡散体27の体積が大きい面(第2面26b)では、光の拡散度合が強くなる。これにより、これにより、室外側に出射する光の光束は、室内側に出射する光の光束よりも大きくなる。
構成例3において、ハードコート層40および50を導光板26の表面26aおよび26bに形成する前の段階では、拡散体27の一部が導光板26から第1空間Aおよび第2空間Aに突出している。そこで、この突出している拡散体27を覆い、ハードコート層40および50の表面が平坦になるように厚さを制御してハードコート層40および50を形成することが好ましい。ただし、拡散体27がハードコート層40および50の表面から出ていてもよい。
(iv)構成例4
図29は、本開示の一実施形態に係る調光部材とハードコート層とを備える建材の構成例4を示す概略断面図である。構成例1(図26)と同様に、構成例4でも調光部材20(導光板26)の表面26aおよび26bには、ガラスではなくハードコート層40および50が設けられる。ただし、構成例4では、図18の形態例と同様に、拡散体の配置に特徴を有している。
図29(a)に示すように、拡散体27の配置密度が、第1面26aと第2面26bとで異なる。例えば、第2面26bにおける拡散体27の配置密度は、第1面26aにおける拡散体27の配置密度よりも大きい。この構成によれば、図29(b)に示すように、拡散体27の配置密度が大きい面(第2面26b)では、光の拡散度合が強くなる。これにより、室外側に出射する光の光束は、室内側に出射する光の光束よりも大きくなる。
(v)以上のように調光部材20にハードコート層40および50の少なくとも一方を設けることにより、ガラスよりも軽い素材によって耐摩耗性および耐候性を実現することができる。なお、ハードコート層40および50には、各種添加剤を添加することにより、ハードコート機能だけでなく、防曇コート機能、防汚コート機能、防眩コート機能、反射防止コート機能、紫外線遮蔽コート機能、赤外線遮蔽コート機能等の機能を付与する処理を行ってもよい。
なお、本開示は上述した実施形態に限定されるものではなく、他の様々な変形例が含まれる。例えば、上述した実施形態は本開示を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることがあり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1 …開口部
10 …第1透明部材
11 …第2透明部材
12、12A、12B …中間膜
13 …封止部材
14 …第1機能層
15 …第2機能層
16 …反射板
17 …拡散基板
20、20A、20B …調光部材
21 …基材
22 …配線部
23 …接着層
24 …発光素子
25 …保護膜
26 …導光板
27 …拡散体
40、50 …ハードコート層
100 …窓部材
…第1空間
…第2空間
…密閉空間

Claims (33)

  1. 第1面と、前記第1面と反対側の第2面とを有する第1透明部材と、
    前記第1透明部材の前記第1面に配置された第1調光部材と、を備え、
    前記第1調光部材は、少なくとも第1状態及び第2状態を有し、前記第1状態において第1光束で発光し、前記第2状態において前記第1光束よりも小さい第2光束になるように構成されている、建材。
  2. 前記第1調光部材は、少なくとも第1領域及び第2領域を有し、かつ、複数の発光素子を含んでおり、
    前記第1状態において、前記第1領域にある前記発光素子の光束と前記第2領域にある前記発光素子の光束とが異なる、請求項1に記載の建材。
  3. 前記第1調光部材は、少なくとも第1領域及び第2領域を有し、かつ、複数の発光素子を含んでおり、
    前記第1領域にある前記発光素子の配置密度と前記第2領域にある前記発光素子の配置密度とが異なる、請求項1に記載の建材。
  4. 前記第1調光部材は、前記第1透明部材の前記第1面において部分的に配置されている、請求項1に記載の建材。
  5. 前記第1調光部材は、前記第1状態において第1色調から前記第1色調とは異なる第2色調に変化するように構成されている、請求項1に記載の建材。
  6. 前記第1透明部材と所定の間隔をあけて配置された第2透明部材をさらに備える、請求項1に記載の建材。
  7. 前記第1調光部材が、前記第1透明部材と前記第2透明部材との間に配置されている、請求項6に記載の建材。
  8. 前記第1調光部材が配置された前記第1面と対向する前記第2透明部材の面に、反射防止層が配置されている、請求項7に記載の建材。
  9. 前記第1調光部材が配置された前記第1面と対向する前記第2透明部材の面に、拡散層が配置されている、請求項7に記載の建材。
  10. 前記第1調光部材が配置された前記第1面と対向する前記第2透明部材の面に、光透過調整層が配置されている、請求項7に記載の建材。
  11. 前記第1透明部材と前記第2透明部材との間に配置された中間膜をさらに備え、
    前記第1透明部材と前記第2透明部材とが前記中間膜を介して接着されている、請求項6〜10のいずれか一項に記載の建材。
  12. 前記第1透明部材と前記第2透明部材との間の空間を密閉するための封止部材をさらに備える、請求項6〜10のいずれか一項に記載の建材。
  13. 前記第1透明部材を案内する第1レール及び前記第2透明部材を案内する第2レールをさらに備える、請求項6〜10のいずれか一項に記載の建材。
  14. 第1状態において第3光束で発光し、第2状態において前記第3光束よりも小さい第4光束になるように構成された第2調光部材をさらに備え、
    前記第1光束と前記第3光束が異なる、請求項1〜13のいずれか一項に記載の建材。
  15. 前記第1調光部材及び前記第2調光部材は、第1照明組み合わせパターン及び第2照明組み合わせパターンを少なくとも有し、
    前記第1照明組み合わせパターンと前記第2照明組み合わせパターンとの間において、前記第1調光部材の光束と前記第2調光部材の光束の大小関係が逆になる、請求項14に記載の建材。
  16. 前記第1調光部材の表面に配置された反射板をさらに備え、
    前記第1状態において前記反射板を透過する光の光束と、前記第1状態において前記反射板で反射した光の光束とが異なる、請求項1〜13のいずれか一項に記載の建材。
  17. 前記第1調光部材は、導光板と、前記導光板内に配置された複数の拡散体と、前記導光板の端部に配置された発光素子とを備え、
    前記導光板の一方の面から出射する光の光束と、前記導光板の他方の面から出射する光の光束とが異なる、請求項1〜13のいずれか一項に記載の建材。
  18. 前記複数の拡散体は、断面視における当該複数の拡散体の重心が前記導光板の一方の面に寄るように配置され、かつ、前記発光素子から離れるほど前記拡散体の大きさが大きくなっている、請求項17に記載の建材。
  19. 前記導光板の一方の面における前記導光板内にある前記拡散体の体積と、前記導光板の他方の面における前記導光板内にある前記拡散体の体積とが異なる、請求項17に記載の建材。
  20. 前記導光板の一方の面における前記拡散体の配置密度と、前記導光板の他方の面における前前記拡散体の配置密度とが異なる、請求項17に記載の建材。
  21. 前記第1調光部材の光の出射方向に配置された拡散基板をさらに備える、請求項1〜20のいずれか一項に記載の建材。
  22. 第1状態において第1光束で発光し、第2状態において前記第1光束よりも小さい第2光束になるように構成されている調光部材。
  23. 前記第1状態において第1色調から前記第1色調とは異なる第2色調に変化するように構成されている、請求項22に記載の調光部材。
  24. 第1面と、当該第1面とは反対側の第2面と、を有する調光部材と、
    前記調光部材の前記第1面および前記第2面の少なくとも一方に設けられた光透過層と、を備え、
    前記調光部材は、少なくとも第1状態及び第2状態を有し、前記第1状態において第1光束で発光し、前記第2状態において前記第1光束よりも小さい第2光束になるように構成される、建材。
  25. 前記光透過層は、ハードコート層である、請求項24に記載の建材。
  26. 前記第2状態は、消光状態である、請求項24又は25に記載の建材。
  27. 前記光透過層は、当該光透過層を構成する材料とは屈折率が異なる材料から構成される粒子を含む、請求項24〜26のいずれか一方に記載の建材。
  28. 第1空間と、前記第1空間と隣り合う第2空間の間にある開口部に配置された第1透明部材であって、前記第1空間側に位置する第1面と、前記第2空間側に位置する第2面とを有する前記第1透明部材を提供する工程と、
    前記第1透明部材の前記第1面及び前記第2面の一方に、シート状の第1調光部材を配置する工程と、を有し、
    前記第1調光部材は、少なくとも第1状態及び第2状態を有し、前記第1状態において第1光束で発光し、前記第2状態において前記第1光束よりも小さい第2光束になるように構成されている、建材の製造方法。
  29. 前記第1透明部材の前記第1面及び前記第2面の他方に、シート状の第2調光部材を配置する工程をさらに有し、
    前記第2調光部材は、前記第1状態において前記第1光束と異なる第3光束で発光し、前記第2状態において前記第3光束よりも小さい第4光束になるように構成されている、請求項28記載の建材の製造方法。
  30. 前記第1調光部材の配置工程において、前記第1調光部材を撓ませながら前記第1透明部材上に配置する、請求項28又は29記載の建材の製造方法。
  31. 前記第1調光部材の配置工程において、前記第1透明部材と前記第1調光部材とを液体を介して接触させた後、前記第1調光部材を押圧することにより前記液体を中央から外側に移動させる、請求項28〜30のいずれか一項記載の建材の製造方法。
  32. 第1空間と、前記第1空間と隣り合う第2空間の間にある開口部に配置され、前記第1空間側に位置する第1透明部材及び前記第2空間側に位置する第2透明部材を含む建材の製造方法であって、
    前記第1透明部材を提供する工程と、
    前記第2透明部材の一方の面にシート状の第1調光部材を配置する工程と、
    前記第1調光部材が配置された前記第2透明部材を、前記開口部に設置する工程と、を有し、
    前記第1調光部材は、少なくとも第1状態及び第2状態を有し、前記第1状態において第1光束で発光し、前記第2状態において前記第1光束よりも小さい第2光束になるように構成されている、建材の製造方法。
  33. 前記第2透明部材の他方の面にシート状の第2調光部材を配置する工程をさらに有し、 前記第2調光部材は、前記第1状態において前記第1光束と異なる第3光束で発光し、前記第2状態において前記第3光束よりも小さい第4光束になるように構成されている、請求項32記載の建材の製造方法。
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