JP2018138379A - 成形品およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】インサート材部分と射出成形部分との境界面の接着強度に優れる成形品およびその製造方法が求められていた。【解決手段】熱可塑性樹脂(y1)と強化繊維(f1)からなる層(A)と、樹脂組成物(X)からなる層(B)を有し、層(A)と層(B)の間にカーボンナノチューブ(c)が存在する成形品。および、金型内で、熱可塑性樹脂(y)を含有するインサート材(I)と、熱可塑性樹脂(b)を含有する樹脂組成物(Z)とを一体に成形して、成形品を製造する方法であって、前記インサート材(I)の表面の一部にナノフィラー(d)を配置し、前記インサート材(I)を金型内に配置した状態で、前記樹脂組成物(Z)を射出成形にて金型内に供給して一体に成形する、成形品の製造方法。【選択図】 なし

Description

本発明は、成形品およびその製造方法に関する。
自動車用部品、コンピュータの筺体等に用いられる成形品としては、例えば、強化繊維及び熱可塑性樹脂を含有する繊維強化複合材料からなる賦形されたインサート材に、熱可塑性樹脂が射出成形されて一体とされた成形品が広く用いられている。該成形品の製造方法としては、例えば、前記インサート材を圧縮成形等により所望の形状に賦形した後に、その賦形したインサート材を射出成形用の金型内に配置して射出成形を行う方法が挙げられる。しかし、該方法は、事前にインサート材を別途賦形してから射出成形を行う必要があるため、コストが高くなる。
そこで、インサート材の賦形と射出成形とを同一の金型で行う成形方法が提案されている。例えば、上型及び下型により炭素繊維及び熱可塑性樹脂を含むインサート材を加熱圧縮して賦形し、熱可塑性樹脂を固化させた後に上型と下型とを僅かに離し、生じた隙間に熱可塑性樹脂を射出して成形することで成形体を得る方法が挙げられる(特許文献1)。
しかし、該方法で得られた成形体においては、インサート材で形成された部分と、射出成形により形成された部分との境界面の接着強度が不充分となり、該境界面で剥離が生じることがある。
インサート材部分と射出成形部分との境界面の接着強度を向上させる方法としては、インサート材の表面に接着層を介して熱可塑性樹脂を射出成形する方法が提案されている(特許文献2、3)。
しかし、該方法で得られた成形体においても、インサート材部分と射出成形部分との境界面の接着強度が充分でない場合があったり、また反応性の接着層を用いた場合は、接着層を形成する接着材料が接着力を発揮するまでに時間を要したり、もしくは接着層を付与した後、すぐに射出成形を行わなければならないなど、生産性に劣る部分があった。
特開2013−216039号公報 国際公開第2014/112501号 特開2016−187875号公報
本発明は、賦形されたインサート材に、熱可塑性樹脂が射出成形されて一体とされた成形品として、インサート材部分と射出成形部分との境界面の接着強度に優れる成形品を提供することを目的とする。またインサート材部分と射出成形部分との境界面の接着強度が優れる成形品を高い生産性で低コストに製造できる成形品の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、インサート材と射出成形部分との間にカーボンナノチューブ等のナノフィラーを存在させることによりインサート材部分と射出成形部分との境界面の接着強度を向上できることを見出し、本発明を完成するに至った。即ち本発明の要旨は、以下の(1)〜(12)に存する。
(1) 熱可塑性樹脂(y1)と強化繊維(f1)からなる層(A)と、樹脂組成物(X)からなる層(B)を有し、層(A)と層(B)の間にカーボンナノチューブ(c)が存在する成形品。
(2) 熱可塑性樹脂(y1’)と強化繊維(f1’)から成る層(A’)と、カーボンナノチューブ(c’)を含有する樹脂組成物(X’)成る層(B’)とを有し、層(A’)と層(B’)とが隣接する成形品。
(3) 金型内で、熱可塑性樹脂(y)を含有するインサート材(I)と、熱可塑性樹脂(b)を含有する樹脂組成物(Z)とを一体に成形して、成形品を製造する方法であって、
前記インサート材(I)の表面の一部にナノフィラー(d)を配置し、
前記インサート材(I)を金型内に配置した状態で、前記樹脂組成物(Z)を射出成形にて金型内に供給して一体に成形する、成形品の製造方法。
(4) 前記ナノフィラー(d)を含有する層を前記インサート材(I)の表面に積層することで前記インサート材(I)の表面の一部にナノフィラー(d)を配置する、上記(3)に記載の成形品の製造方法。
(5) 前記ナノフィラー(d)を含有する層を前記インサート材(I)の表面に積層後、溶着によりナノフィラー(d)を含有する層と前記インサート材(I)を一体化させた後、この一体化物を金型内に配置する、上記(3)または(4)に記載の成形品の製造方法。
(6) 金型内にて、前記ナノフィラー(d)を含有する層を前記インサート材(I)の表面に積層して、金型内にてナノフィラー(d)を含有する層と前記インサート材(I)を一体化させる、上記(3)または(4)に記載の成形品の製造方法。
(7) 金型内で、熱可塑性樹脂(y)を含有するインサート材(I)と、熱可塑性樹脂(b)を含有する樹脂組成物(Z)とを一体に成形して、成形品を製造する方法であって、
金型内に、熱可塑性樹脂(y)の軟化温度以上に加熱された前記インサート材(I)を配置した状態の後、ナノフィラー(d)を含有させた前記樹脂組成物(Z’)を射出成形にて金型内に供給して一体化させる成形品の製造方法。
(8) 金型内に、熱可塑性樹脂(y)の軟化温度以上に加熱された前記インサート材(I)を配置した後、前記樹脂組成物(Z)または前記樹脂組成物(Z’)を供給して一体化させる、請求項3から7のいずれかに記載の成形品の製造方法。
(9) 前記樹脂組成物(Z)または前記樹脂組成物(Z’)を金型内に供給する前に、金型内に、熱可塑性樹脂(y)の軟化温度以上に加熱された前記インサート材(I)を配置した状態で、型締めのプレスにより前記インサート材(I)を賦型する、上記(8)に記載の製造方法。
(10) 金型内に、熱可塑性樹脂(y)の軟化温度以上に加熱された前記インサート材(I)を配置した状態で、前記樹脂組成物(Z)または前記樹脂組成物(Z’)を供給した後、もしくは供給しながら型締めを行い、前記インサート材(I)を賦型しながら一体化させる、上記(8)に記載の成形品の製造方法。
(11) インサート材(I)が強化繊維を含有する、請求項3から10のいずれかに記載の成形品の製造方法。
(12) ナノフィラー(d)がカーボンナノチューブ(c’’)である、請求項3から11のいずれかに記載の成形品の製造方法。
本発明の成形品は、賦形されたインサート材に、熱可塑性樹脂が射出成形されて一体とされた成形品として、インサート材部分と射出成形部分との境界面の接着強度に優れる。またインサート材部分と射出成形部分との境界面の接着強度が優れる成形品を高い生産性で低コストに製造できる。
[成形体]
以下に、本発明の成形品の実施するための形態について説明する。
[成形品の第1実施形態]
本発明の成形品の第1実施形態は、熱可塑性樹脂(y1)と強化繊維(f1)からなる層(A)と、樹脂組成物(X)からなる層(B)を有し、層(A)と層(B)の間にカーボンナノチューブ(c)が存在する成形品である。
<層(A)>
層(A)は熱可塑性樹脂(y1)と強化繊維(f1)からなる。層(A)は、本発明の成形品のインサート材部分に相当する。層(A)の厚さは特に限定されず、0.1mm〜20mmが好ましく、0.2mm〜10mmがより好ましく、0.3mm〜5mmが更に好ましい。層(A)の厚さが前記下限値以上であれば、充分な機械特性を有する成形体が得られやすい。層(A)の厚さが前記上限値以下であれば、3次元形状等の複雑な形状に賦形しやすいと軽量性を両立できる。
層(A)における強化繊維(f1)の含有率は、繊維体積含有率(Vf)で、10〜65体積%が好ましく、15〜55体積%がより好ましく、20〜45体積%がさらに好ましい。Vfが下限値以上であれば、充分な機械物性を有する成形体が得られやすい。Vfが上限値以下であれば、3次元形状等の複雑な形状に賦形しやすい。
層(A)は目的の要求特性に応じて、難燃剤、耐候性改良剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、着色剤、相溶化剤、導電性フィラー等の添加剤が配合されていてもよい。
<熱可塑性樹脂(y1)>
熱可塑性樹脂(y1)としては、特に限定されず、例えば、ポリアミド樹脂(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、ナイロンMXD6等)、ポリオレフィン樹脂(低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン等)、変性ポリオレフィン樹脂(変性ポリプロピレン樹脂等)、ポリエステル樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等)、ポリカーボネート樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、液晶ポリエステル樹脂、アクリロニトリルとスチレンの共重合体、ナイロン6とナイロン66の共重合体等が挙げられる。変性ポリオレフィン樹脂としては、例えば、マレイン酸等の酸によりポリオレフィン樹脂を変性した樹脂等が挙げられる。カーボンナノチューブによる接着性向上の観点から、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、変性ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂(y1)としては、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
<強化繊維(f1)>
強化繊維(f1)としては、特に限定されず、例えば、無機繊維、有機繊維、金属繊維、又はこれらを組み合わせたハイブリッド構成の強化繊維が使用できる。
無機繊維としては、炭素繊維、黒鉛繊維、炭化珪素繊維、アルミナ繊維、タングステンカーバイド繊維、ボロン繊維、ガラス繊維等が挙げられる。有機繊維としては、アラミド繊維、高密度ポリエチレン繊維、その他一般のナイロン繊維、ポリエステル繊維等が挙げられる。金属繊維としては、ステンレス、鉄等の繊維が挙げられ、また金属を被覆した炭素繊維でもよい。これらの中では、成形体の強度等の機械物性を考慮すると、炭素繊維が好ましい。
強化繊維(f1)は、連続繊維であってもよく、不連続繊維であってもよい。連続繊維は機械特性に優れ、一方、不連続繊維は賦型性に優れるため、必要に応じて使い分けすることが可能であるが、機械特性と賦型性のバランスから不連続繊維が好ましい。プリプレグを形成する強化繊維基材の形態としては、多数の連続繊維を一方向に揃えてUDシート(一方向シート)とする形態、連続繊維を製織してクロス材(織物)とする形態やこれらの強化繊維に切込みを入れて不連続繊維とした形態、不連続繊維からなる不織布とする形態、不連続繊維を二軸押出機にて樹脂中に混練分散した形態等が挙げられる。クロス材の織り方としては、例えば、平織、綾織、朱子織、三軸織等が挙げられる。
強化繊維(f1)の数平均繊維長は、1〜100mmが好ましく、3〜70mmがより好ましく、5〜50mmがさらに好ましく、10〜50mmが特に好ましく、10〜35mmが最も好ましい。強化繊維(f1)の数平均繊維長が前記下限値以上であれば、充分な機械特性を有する成形体が得られやすい。強化繊維(f1)の数平均繊維長が前記上限値以下であれば、繊維強化複合材料を3次元形状等の複雑な形状に賦形しやすい。
<層(B)>
層(B)は樹脂組成物(X)からなり、本発明の成形品の射出材部分に相当する。
層(B)の厚さは特に限定されず、0.5mm〜20mmが好ましく、0.7mm〜10mmがより好ましく、1mm〜5mmが更に好ましい。層(B)の厚さが前記下限値以上であれば、充分な機械特性と3次元形状等の複雑な形状に賦形しやすいを両立できる。層(B)の厚さが前記上限値以下であれば、軽量性と3次元形状等の複雑な形状に賦形しやすさを両立できる。
本発明の成形品の剛性向上の観点から、層(B)はリブ部を有することが好ましい。
<樹脂組成物(X)>
樹脂組成物(X)としては、特に限定されず、例えば、熱可塑性樹脂(y1)で挙げた熱可塑性樹脂と同じものが挙げられる。樹脂組成物(X)としては、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。樹脂組成物(X)として熱可塑性樹脂を用いる場合、得られる成形体における層(A)と層(B)との接着強度がより高くなる点と成形性の点から、樹脂組成物(X)は熱可塑性樹脂(y1)と同じ種類の樹脂であることが好ましい。
樹脂組成物(X)は、目的の成形体の要求特性に応じて、強化繊維、難燃剤、耐候性改良剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、着色剤、相溶化剤、導電性フィラー等の添加剤を含有していてもよい。
樹脂組成物(X)、熱可塑性樹脂のみで形成されていてもよく、熱可塑性樹脂と数平均繊維長1mm未満の強化繊維(f2)とで形成されていてもよい。強化繊維(f2)の種類としては、強化繊維(f1)で挙げたものと同じものが挙げられ、炭素繊維が好ましい。
樹脂組成物(X)中の強化繊維(f2)の繊維質量含有率は、40質量%以下が好ましく30質量%以下がより好ましく、25質量%以下がさらに好ましい。強化繊維(f2)の繊維質量含有率が前記上限値以下であれば、材料が樹脂組成物(X)に充填されやすく、成形性に優れる。リブ部の強度が充分に得られやすい点では、樹脂組成物(X)中の強化繊維(f2)の繊維質量含有率は、10質量%以上が好ましく、15質量%以上がより好ましい。
<カーボンナノチューブ(c)>
カーボンナノチューブ(c)としては、例えば、フラーレン、金属内包フラーレン、玉葱状フラーレン、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、カーボンナノファイバー、ピーポッド、気相成長カーボン(VGCF)、グラファイト、グラフェン、カーボンナノ粒子及びケッチェンブラックが挙げられる。これらは単独で、又は2種以上を併用して使用できる。
カーボンナノチューブ(c)の形状としては、例えば、単層カーボンナノチューブ、何層かが同心円状に重なった多層カーボンナノチューブ及び単層カーボンナノチューブ又は多層カーボンナノチューブがコイル状になったものが挙げられる。
また、カーボンナノチューブ(c)として、例えば、厚さ数原子の層のグラファイト状炭素原子面を丸めた円筒状のものが単層又は複数個入れ子構造になり、ナノメーターオーダーの外径の極めて微小な物質を使用することができる。 更に、カーボンナノチューブ(c)として、例えば、カーボンナノチューブの片側が閉じた形をしたカーボンナノホーンやその頭部に穴があいたコップ型のナノカーボン物質を使用することができる。
カーボンナノチューブ(c)として、必要に応じてボールミル、振動ミル、サンドミル、ロールミル等のボール型混練装置等を用いて粉砕したものや、化学的又は物理的処理によって短く切断されているものを用いることができる。
カーボンナノチューブ(c)の製造方法としては、例えば、二酸化炭素の接触水素還元法、アーク放電法、レーザー蒸発法、CVD法、気相成長法、気相流動法及び一酸化炭素を高温高圧化で鉄触媒と共に反応させて気相で成長させるHiPco法が挙げられる。
カーボンナノチューブ(c)としては、上記の製造方法によって得られる単層カーボンナノチューブ及び多層カーボンナノチューブが好ましい。
本発明の成形品の第1実施形態としては、層(A)と層(B)の間にカーボンナノチューブ(c)が存在するが、カーボンナノチューブ(c)が存在する層の厚みとしては、0.01mm〜0.5mmが好ましい。カーボンナノチューブ(c)が存在する層の厚みが前記範囲内であれば、層(A)と層(B)の接着性の優れる成形品が得られやすい。
カーボンナノチューブ(c)は熱可塑性樹脂中に分散された状態で、層(A)と層(B)の間存在することが好ましい。前記熱可塑性樹脂の種類としては、特に限定されず、例えば、熱可塑性樹脂(y1)で挙げた熱可塑性樹脂と同じものが挙げられ、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。得られる成形体における層(A)と層(B)との接着強度がより高くなる点と成形性の点から、カーボンナノチューブ(c)が分散させられる熱可塑性樹脂としては、熱可塑性樹脂(y1)および/または樹脂組成物(X)に用いる熱可塑性樹脂と同じ種類の樹脂であることが好ましい。
カーボンナノチューブ(c)を熱可塑性樹脂中に分散させた場合のカーボンナノチューブ(c)の含有量としては、0.1質量%〜5質量%が好ましい。カーボンナノチューブ(c)の含有量が前記下限値以上であれば、層(A)と層(B)の接着性の優れる成形品が得られやすい。カーボンナノチューブ(c)の含有量が多い場合は、カーボンナノチューブの凝集部分の機械特性が低下するが、前記上限値以下であれば、カーボンナノチューブの凝集を抑制でき、機械特性にすぐれる成形品が得られやすい。
[成形品の第2実施形態]
本発明の成形品の第2実施形態は、熱可塑性樹脂(y1’)と強化繊維(f1’)から成る層(A’)と、カーボンナノチューブ(c’)を含有する樹脂組成物(X’)成る層(B’)とを有し、層(A’)と層(B’)とが隣接する成形品である。
層(A’)は熱可塑性樹脂(y1’)と強化繊維(f1’)からなる。
本発明の成形品の第2実施形態の層(A’)は、第1実施形態の層(A)と同様の理由より、好ましい厚みは層(A)と同じである。
層(A’)における強化繊維(f1’)の含有率は、第1実施形態の層(A)における強化繊維(f1)の含有率と同様の理由より、好ましい範囲も同じである。
熱可塑性樹脂(y1’)としては特に限定されず、例えば、第1実施形態の熱可塑性樹脂(y1)と同じものが挙がられる。
強化繊維(f1’)としては特に限定されず、例えば、第1実施形態の強化繊維(f1)と同じものが挙がられる。
本発明の成形品の第2実施形態の層(B’)は、第1実施形態の層(B)と同様の理由より、好ましい厚みは層(B)と同じである。
本発明の成形品の第2実施形態の樹脂組成物(X’)はカーボンナノチューブ(c’)を含有する。樹脂組成物(X’)がカーボンナノチューブ(c’)を含有すること以外は、本発明の成形品の第1実施形態の樹脂組成物(X)と同じである。
樹脂組成物(X’)中のカーボンナノチューブ(c’)の含有量としては、0.1質量%〜5質量%が好ましい。カーボンナノチューブ(c’)の含有量が前記下限値以上であれば、層(A’)と層(B’)の接着性の優れる成形品が得られやすい。カーボンナノチューブ(c’)の含有量が多い場合は、カーボンナノチューブの凝集部分の機械特性が低下するが、前記上限値以下であれば、カーボンナノチューブの凝集を抑制でき、機械特性にすぐれる成形品が得られやすい。
カーボンナノチューブ(c’)としては特に限定されず、例えば、第1実施形態のカーボンナノチューブ(c)と同じものが挙げられる。
[成形体の製造方法]
以下に、本発明の成形品の製造方法の形態について説明する。
[成形品の製造方法の第1実施形態]
本発明の成形品の製造方法の第1実施形態は、金型内で、熱可塑性樹脂(y)を含有するインサート材(I)と、熱可塑性樹脂(b)を含有する樹脂組成物(Z)とを一体に成形して、成形品を製造する方法であって、前記インサート材(I)の表面の一部にナノフィラー(d)を配置し、前記インサート材(I)を金型内に配置した状態で、前記樹脂組成物(Z)を射出成形により金型内に供給して成形することで、インサート材(I)によるインサート材部分と樹脂組成物(Z)による射出成形部分とが一体化された成形品の製造方法である。
前記インサート材(I)の表面の一部にナノフィラー(d)を配置する手法として、前記ナノフィラー(d)を含有する層を前記インサート材(I)の表面に積層する方法が好ましい。前記ナノフィラー(d)を含有する層としては、フィルム状、板状、液状、半固形状、粒子状であっても良い。中でもフィルム状が好ましい。
前記ナノフィラー(d)を含有する層としては、熱可塑性樹脂中にナノフィラー(d)が分散されていることが好ましい。
記熱可塑性樹脂の種類としては、特に限定されず、例えば、後述の熱可塑性樹脂(y)で挙げた熱可塑性樹脂と同じものが挙げられ、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。得られる成形体におけるインサート材部分と射出材部分との接着強度がより高くなる点と成形性の点から、ナノフィラー(d)が分散させられる熱可塑性樹脂としては、熱可塑性樹脂(y)および/または樹脂組成物(Z)に用いる熱可塑性樹脂と同じ種類の樹脂であることが好ましい。
ナノフィラー(d)を含有する層の厚みとしては、0.01mm〜0.5mmが好ましい。ナノフィラー(d)を存在する層の厚みが前記範囲内であれば、層(A)と層(B)の接着性の優れる成形品が得られやすい。
本発明の成形品の製造方法の第1実施形態としては、前記金型内に前記インサート材(I)を配置する際、前記ナノフィラー(d)を含有する層と前記インサート材(I)との接着状態の違いにより、方法(i)と方法(ii)に分類される。
方法(i):前記ナノフィラー(d)を含有する層を前記インサート材(I)の表面に積層後、溶着によりナノフィラー(d)を含有する層と前記インサート材(I)を一体化させた後、この一体化物を金型内に配置する方法。
方法(ii):金型内にて、前記ナノフィラー(d)を含有する層を前記インサート材(I)の表面に積層して、金型内にてナノフィラー(d)を含有する層と前記インサート材(I)を一体化させる方法。
(方法(i))
方法(i)では、インサート材(I)の表面にナノフィラー(d)を含有する層を溶着することで、前記インサート材(I)の表面に、ナノフィラー(d)を含有する層が取り込まれた状態にした後に、この一体化物を金型内に配置する。
溶着の方法としては、特に限定されず、熱可塑性樹脂(y)の軟化点温度以上の温度に加熱することによって溶着する方法が挙げられ、加熱プレス、通電加熱、IR加熱、IH加熱、超音波溶着、振動溶着、などが挙げられる。中でも加熱プレスが好ましい。
(方法(ii))
方法(ii)では、金型内にて、前記ナノフィラー(d)を含有する層を前記インサート材(I)の表面に積層して、金型内にてナノフィラー(d)を含有する層と前記インサート材(I)を一体化させる。金型内にてナノフィラー(d)を含有する層と前記インサート材(I)を一体化させる方法としては、方法(i)に記載の溶着方法に加え、金型内に溶融状態の前記樹脂組成物(Z)を供給することによる熱供給によって溶着する方法も挙げられる。
方法(ii)においては、前記ナノフィラー(d)を含有する層を前記インサート材(I)の接着性と製造コストの観点から、IR加熱が好ましい。
<前記樹脂組成物(Z)>
本成形品の製造方法の第1実施形態の樹脂組成物(Z)としては、本発明の成形品の第1実施形態の樹脂組成物(X)と同様のものが挙げられ、好ましい範囲、理由も同じである。
[成形品の製造方法の第2実施形態]
本発明の成形品の製造方法の第2実施形態は、金型内で、熱可塑性樹脂(y)を含有するインサート材(I)と、熱可塑性樹脂(b)を含有する樹脂組成物(Z)とを一体に成形して、成形品を製造する方法であって、金型内に、熱可塑性樹脂(y)の軟化温度以上に加熱された前記インサート材(I)を配置した状態の後、ナノフィラー(d)を含有させた前記樹脂組成物(Z’)を射出成形により金型内に供給して一体化させる成形品の製造方法である。
<前記樹脂組成物(Z’)>
本発明の成形品の製造方法の第2実施形態の樹脂組成物(Z’)はナノフィラー(d)を含有する。ナノフィラー(d)を含有すること以外は、本発明の成形品の製造方法の第1実施形態の樹脂組成物(Z)と同様の物が挙げられる。
樹脂組成物(Z’)中のナノフィラー(d)の含有量としては、0.1質量%〜5質量%が好ましい。ナノフィラー(d)の含有量が前記下限値以上であれば、インサート材(I)と樹脂組成物(Z’)の接着性の優れる成形品が得られやすい。ナノフィラー(d)の含有量が多い場合は、ナノフィラー(d)の凝集部分の機械特性が低下するが、前記上限値以下であれば、ナノフィラー(d)の凝集を抑制でき、機械特性にすぐれる成形品が得られやすい。
以下、成形品の製造方法の第1実施形態および第2実施形態の共通部分について説明する。
本発明の製造方法においては、金型内にインサート材(I)を配置する際、熱可塑性樹脂(y)の軟化温度以上に加熱された状態でインサート材(I)を配置することが好ましい。ここでは熱可塑性樹脂(y)の軟化温度以上に加熱された状態でインサート材(I)を配置するとは、事前に熱可塑性樹脂(y)の軟化温度以上に加熱された状態でインサート材(I)を加熱した後に金型内に配置してもよく、金型内にインサート材(I)を配置した後に熱可塑性樹脂(y)の軟化温度以上に加熱しても良い。加熱する方法としては、加熱プレス、通電加熱、IR加熱、IH加熱、超音波溶着、振動溶着、などが挙げられる。中でもIR加熱が好ましい。
インサート材(I)を熱可塑性樹脂(y)の軟化温度以上に加熱することにより、インサート材(I)と射出成形部分との接着性が向上するため好ましい。またインサート材(I)を熱可塑性樹脂(y)の軟化温度以上に加熱することにより、金型の型締めにより、インサート材を賦型することが可能となるため好ましい。
本発明の製造方法では、金型を閉じるタイミングによって、下記の方法(1)および方法(2)に更に分類される。
方法(1):金型内に熱可塑性樹脂(Z)または熱可塑性樹脂(Z’)を供給した後に金型を閉じる方法。
方法(2):金型内に熱可塑性樹脂(Z)または熱可塑性樹脂(Z’)を供給しながら金型を閉じる方法。
(方法(1))
方法(1)では、金型内で、熱可塑性樹脂(y)を含有するインサート材(I)上に、溶融状態の熱可塑性樹脂(Z)または熱可塑性樹脂(Z’)を供給した後に金型を閉じ、前記インサート材を賦形しつつ成形する。そして、熱可塑性樹脂(y)及び熱可塑性樹脂(Z)または熱可塑性樹脂(Z’)が固化した後に金型を開き、成形体を取り出す。本発明においては、溶融状態の熱可塑性樹脂(Z)または熱可塑性樹脂(Z’)の供給は、インサート材(I)が熱可塑性樹脂(y)の軟化温度以上に加熱された状態で行う。
方法(1)では、溶融状態の熱可塑性樹脂(Z)または熱可塑性樹脂(Z’)を供給する際に材インサート材(I)が加熱されていることでナノフィラー(d)による接着力が充分に発揮され、得られる成形体のインサート材部分と射出成形部分の境界面の接着強度が高くなる。
熱可塑性樹脂(Z)または熱可塑性樹脂(Z’)が供給される際のインサート材(I)の温度をT(℃)、熱可塑性樹脂(y)の軟化温度をTy(℃)としたとき、温度Tと軟化温度Tyとの関係は、Ty≦Tであり、Ty+10(℃)≦T≦Ty+150(℃)が好ましく、Ty+30(℃)≦T≦Ty+100(℃)がより好ましい。温度Tが下限値以上であれば、インサート材部分と射出成形部分の境界面の接着強度が高い成形体が得られ、また成形時間が短くなる。温度Tが高すぎると、型締め後においてインサート材(I)中の熱可塑性樹脂(y)が固化するまでの時間が長くなって生産性が低下したり、インサート材(I)中の熱可塑性樹脂(y)が熱分解を起こすといった問題が発生するおそれがある。しかし、温度Tが上限値以下であれば、型締め後のインサート材(I)中の熱可塑性樹脂(y)が固化するまでの時間は問題なく、またインサート材(I)中の熱可塑性樹脂(y)の熱分解も抑制しやすい。
なお、熱可塑性樹脂の軟化温度は、熱可塑性樹脂が結晶性樹脂の場合は熱可塑性樹脂の溶融温度(融点)、熱可塑性樹脂が非晶性樹脂の場合は熱可塑性樹脂のガラス転移温度であり、これらはJIS K7121に準拠した示差走査熱量測定(DSC)法により測定される値を意味する。
型締め時の金型温度は、熱可塑性樹脂(A)及び熱可塑性樹脂(B)の軟化温度の低い方の温度よりも5℃以上低いことが好ましく、15℃以上低いことがより好ましい。これにより、成形体中の熱可塑性樹脂(A)及び熱可塑性樹脂(B)が十分に冷却固化されるため、金型から脱型が容易になる。
(方法(2))
方法(2)では、金型内で、熱可塑性樹脂(y)を含有するインサート材(I)上に、溶融状態の熱可塑性樹脂(Z)または熱可塑性樹脂(Z’)を供給しながら金型を閉じ、前記インサート材を賦形しつつ成形する。方法(2)は、溶融状態の熱可塑性樹脂(Z)または熱可塑性樹脂(Z’)を供給した後に金型を閉じる代わりに、溶融状態の熱可塑性樹脂(Z)または熱可塑性樹脂(Z’)を供給しながら金型を閉じる以外は、方法(1)と同じである。
<インサート材(I)>
本発明の製造方法のインサート材(I)は熱可塑性樹脂(y)を含有する。熱可塑性樹脂(y)の種類としては、本発明の成形品の第1実施形態の熱可塑性樹脂(y1)と同様のものが挙げられ、好ましい範囲、理由も同じである。
本発明の製造方法のインサート材(I)は、目的の成形体の要求特性に応じて、強化繊維、難燃剤、耐候性改良剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、着色剤、相溶化剤、導電性フィラー等の添加剤を含有していてもよい。中でも、強化繊維を含有していることが好ましい。強化繊維の種類、形態、数平均繊維長、およびこれらの好ましい範囲とその理由は、本発明の成形品の第1実施形態の強化繊維(f1)と同じである。
インサート材(I)中における強化繊維の好ましい含有率とその理由は、本発明の成形品の第1実施形態における層(A)中の強化繊維(f1)の含有率と同じである。
インサート材(I)の好ましい厚みとその理由は、本発明の成形品の第1実施形態における層(A)の厚みと同じである。
<ナノフィラー(d)>
ナノフィラー(d)としては、短辺の長さが0.1nm〜500nmのフィラーであればよく、例えば、カーボンナノチューブ(c’’)、セルロースナノファイバー、酸化チタンナノ粒子、金ナノ粒子、銀ナノ粒子、酸化鉄磁性ナノ粒子、窒化ホウ素ナノチューブ、蛍光シリカナノビーズなどが挙げられる。なかでもカーボンナノチューブ(c’’)が好ましい。
カーボンナノチューブ(c’’)としては、本発明の成形品の第1実施形態のカーボンナノチューブ(c)と同じである。
以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によって限定されない。
[製造例1:カーボンナノチューブ分散ポリプロピレンフィルムの作製]
ポリプロピレン樹脂(プライムポリマー社製 Prime Polymer J108M、MFR45g/10min(230℃))とカーボンナノチューブ(ナノシル社製 NANOCYL NC7000、平均直径9.5nm、平均長さ1.5μm)とは99:1の質量割合でコペリオン社製二軸押出機を用いて、二軸押出し混練することで、カーボンナノチューブ含有量が1.0質量%のカーボンナノチューブ/ポリプロピレンコンパウンドを作製した。得られたカーボンナノチューブ/ポリプロピレンコンパウンドから厚さ200μmのフィルムをニップロールを通すことにより作製した。
[製造例2:カーボンナノチューブ含有インサート材の作製]
炭素繊維/ポリプロピレンUDプリプレグ(三菱レイヨン社製、PPUD−34、繊維体積含有率(Vf)が34体積%、厚み120μm)を7枚、炭素繊維の繊維軸方向が平面視で0゜/90゜/0゜/90゜/0゜/90゜/0゜となるように積層した後、更にその上に製造例1で作製したカーボンナノチューブ分散ポリプロピレンフィルムを積層し、120mm×70mmの積層体を作製した。得られた積層体をプレス機(TAIYO社製、サーボプレス機)を用いて、プレス荷重5kN、加熱温度200℃にて熱溶着により一体化して、平面視形状が120mm×70mmの矩形のカーボンナノチューブ含有インサート材を作製した。
[製造例3:カーボンナノチューブ非含有インサート材の作製]
カーボンナノチューブ分散ポリプロピレンフィルムを積層しなかったこと以外は、製造例2と同様にして、カーボンナノチューブ非含有インサート材を作製した。
[界面接着性の評価]
得られた成形品より、25.4mm長×6.3mm幅の試験を切り出し、ASTM D2344に準拠したショートビーム3点曲げ試験を実施した。試験時の荷重-変位曲線において,最初の降伏点の荷重をPmとして,下記式(1)よりせん断強度Fを算出し,これを界面せん断強度(接着強度)とした。
F=((3×Pm×t)/(b×h))×((1−t)/h)・・・式(1)
F:せん断強度 (MPa)
Pm:荷重‐たわみ曲線における最初の降伏点における降伏荷重(N)
b:試験片の幅(mm)
h:試験片厚み(mm)
t:インサート材厚み(mm)
(実施例1)
金型内に製造例1で得られたカーボンナノチューブ含有インサート材を配置した後、射出成形機(東洋機械金属社製、PLASTER ET−40V)を用いて、カーボンナノチューブ含有インサート材のカーボンナノチューブ分散ポリプロピレンフィルムが積層された面側にポリプロピレン樹脂(日本ポリプロ社製、ノバテックPP MA04A、MFR40g/10min(230℃))を射出速度100mm/sec、保持圧力80MPa、シリンダー温度240℃、金型温度70℃の条件で射出することで、インサート材と射出樹脂が一体化された2.4mm厚の成形品を得た。
得られた成形品のインサート材部分と射出樹脂部分の界面せん断強度(接着強度)は10.6MPaであった。
(比較例1)
製造例1で得られたカーボンナノチューブ含有インサート材の代わりに、製造例2で得られたカーボンナノチューブ非含有インサート材を用いた以外は実施例1と同様にして2.4mm厚の成形品を得た。
得られた成形品のインサート材部分と射出樹脂部分の界面せん断強度(接着強度)は6.8MPaであり、接着強度は不十分であった。

Claims (12)

  1. 熱可塑性樹脂(y1)と強化繊維(f1)からなる層(A)と、樹脂組成物(X)からなる層(B)を有し、層(A)と層(B)の間にカーボンナノチューブ(c)が存在する成形品。
  2. 熱可塑性樹脂(y1’)と強化繊維(f1’)から成る層(A’)と、カーボンナノチューブ(c’)を含有する樹脂組成物(X’)成る層(B’)とを有し、層(A’)と層(B’)とが隣接する成形品。
  3. 金型内で、熱可塑性樹脂(y)を含有するインサート材(I)と、熱可塑性樹脂(b)を含有する樹脂組成物(Z)とを一体に成形して、成形品を製造する方法であって、
    前記インサート材(I)の表面の一部にナノフィラー(d)を配置し、
    前記インサート材(I)を金型内に配置した状態で、前記樹脂組成物(Z)を射出成形にて金型内に供給して一体に成形する、成形品の製造方法。
  4. 前記ナノフィラー(d)を含有する層を前記インサート材(I)の表面に積層することで前記インサート材(I)の表面の一部にナノフィラー(d)を配置する、請求項3に記載の成形品の製造方法。
  5. 前記ナノフィラー(d)を含有する層を前記インサート材(I)の表面に積層後、溶着によりナノフィラー(d)を含有する層と前記インサート材(I)を一体化させた後、この一体化物を金型内に配置する、請求項3または請求項4に記載の成形品の製造方法。
  6. 金型内にて、前記ナノフィラー(d)を含有する層を前記インサート材(I)の表面に積層して、金型内にてナノフィラー(d)を含有する層と前記インサート材(I)を一体化させる、請求項3または請求項4に記載の成形品の製造方法。
  7. 金型内で、熱可塑性樹脂(y)を含有するインサート材(I)と、熱可塑性樹脂(b)を含有する樹脂組成物(Z)とを一体に成形して、成形品を製造する方法であって、
    金型内に、熱可塑性樹脂(y)の軟化温度以上に加熱された前記インサート材(I)を配置した状態の後、ナノフィラー(d)を含有させた前記樹脂組成物(Z’)を射出成形にて金型内に供給して一体化させる成形品の製造方法。
  8. 金型内に、熱可塑性樹脂(y)の軟化温度以上に加熱された前記インサート材(I)を配置した後、前記樹脂組成物(Z)または前記樹脂組成物(Z’)を供給して一体化させる、請求項3から7のいずれかに記載の成形品の製造方法。
  9. 前記樹脂組成物(Z)または前記樹脂組成物(Z’)を金型内に供給する前に、金型内に、熱可塑性樹脂(y)の軟化温度以上に加熱された前記インサート材(I)を配置した状態で、型締めのプレスにより前記インサート材(I)を賦型する、請求項8に記載の製造方法。
  10. 金型内に、熱可塑性樹脂(y)の軟化温度以上に加熱された前記インサート材(I)を配置した状態で、前記樹脂組成物(Z)または前記樹脂組成物(Z’)を供給した後、もしくは供給しながら型締めを行い、前記インサート材(I)を賦型しながら一体化させる、請求項8に記載の成形品の製造方法。
  11. インサート材(I)が強化繊維を含有する、請求項3から10のいずれかに記載の成形品の製造方法。
  12. ナノフィラー(d)がカーボンナノチューブ(c’’)である、請求項3から11のいずれかに記載の成形品の製造方法。
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