JP2018134724A - 動作推定装置及び動作補助装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】取り扱いが容易であり、ユーザの動作意思を早期にかつ精度よく推定可能な動作推定装置及び動作補助装置を提供する。
【解決手段】動作推定装置は、ユーザの筋電位を検出するための非接触式の筋電位センサのセンサ信号に基づいて筋運動を検出する筋運動検出部と、ユーザの人体の関節に対応して設けられた関節部の状態を検出する運動センサのセンサ信号及び筋運動検出部の検出結果に基づいてユーザの動作状態を推定する動作状態推定部と、を備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、動作推定装置及び動作補助装置に関する。
近年、歩行動作や手足の曲げ伸ばし動作等の人の動作を補助する動作補助装置が知られている。動作補助装置は、人体に装着されて、ユーザの手足の動きに合わせて作動することによって、ユーザの動作を補助する。例えば、動作補助装置は、身体の関節部分に対応して配置される回転軸を中心に回動可能なアーム部材を備え、アクチュエータによってアーム部材を回転させることによって、アーム部材が固定された身体の部分の動作を補助する。かかる動作補助装置は、例えば、障害者又は高齢者だけでなく、健常者の動作を補助する装置等としても、様々な場面で使用され得る。
動作補助装置は、センサによりユーザの動作意思を検出し、当該動作を補助するための駆動トルクをアクチュエータから出力させる。用いられるセンサは、制御のコンセプトに応じて選択される。例えば、筋電位又は脳波等の生体信号に基づいて関節部の要求トルクを推定するには、生体信号センサが用いられる。また、人体の関節の角度あるいは姿勢の変化に基づいてユーザの動作を推定するには、運動センサが用いられる。例えば、特許文献1には、筋電位を検出するための筋電位センサ、及び関節部の回転角度を検出するための角度センサを備えた装着式動作補助装置が開示されている。
特開2013−173190号公報
特許文献1に記載の装着式動作補助装置は、まず左右大腿部の各生体信号が左右均等であるか比較することで、ユーザが歩行中であるか停止しているかを判定する。また、当該装置は、生体信号に基づき歩行中と判定された場合であって生体信号が検出できていない場合に、関節部の回転角度に基づいてユーザの動作種別に対応するタスクのフェーズを特定し、対応する指令関数及びゲインによりモータへの指令信号を生成する。一方、当該装置は、生体信号に基づき歩行中と判定された場合であって生体信号が検出できている場合に、生体信号に基づいてモータへの指令信号を生成する。さらに、当該装置は、関節部の回転角度の情報に基づいて上体を低くした姿勢制御を行うか否かを決定している。
つまり、特許文献1に記載の装置は、上体を低くした姿勢制御を行うか否かを決定する以外は、生体信号が検出できているか否かによって、生体信号又は関節部の回転角度の情報のいずれか一方に基づいてモータへの指令信号を生成している。しかしながら、生体信号のみでユーザの動作意思を推定する場合の精度には限界がある。つまり、生体信号に基づいて推定された動作が必ずしもユーザの意図する動作と一致しないことは十分に想定される。一方、運動センサのセンサ値を用いて動作補助装置を作動しようとした場合、実際のユーザの動作を検出可能であるものの、ユーザの動作に遅れて動作補助装置が作動されることにならざるを得ない。
また、特許文献1に記載の装置において、生体信号センサは、電極の周囲を覆う粘着シールによりユーザの皮膚表面に貼着するように取り付けられる。このため、生体信号センサをユーザの皮膚表面に配置するための手間や時間がかかる。また、当該装置は、一回又は複数回の使用ごとに生体信号センサあるいは少なくとも粘着シールの交換作業が必要であり、取り扱い性に劣る。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、取り扱いが容易であり、ユーザの動作意思を早期にかつ精度よく推定可能な、新規かつ改良された動作推定装置及び動作補助装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、ユーザの筋電位を検出するための非接触式の筋電位センサのセンサ信号に基づいて筋運動を検出する筋運動検出部と、ユーザの人体の関節に対応して設けられた関節部の状態を検出する運動センサのセンサ信号及び筋運動検出部の検出結果に基づいてユーザの動作状態を推定する動作状態推定部と、を備えた、動作推定装置が提供される。
動作状態推定部は、ユーザの着座状態、起立状態、歩行状態、又は階段昇降状態を推定してもよい。
筋運動検出部は、筋電位センサのセンサ信号を2値化する処理を行い、筋運動を検出してもよい。
筋運動検出部は、ウェーブレット変換、ウェーブレットパケット、フーリエ変換、テンプレートマッチングアルゴリズム、ファジー識別器、又は機械学習アルゴリズムを用いて筋運動を検出してもよい。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、ユーザの人体の関節に対応して設けられる関節部と、関節部の状態を検出する運動センサと、ユーザの筋電位を検出するための非接触式の筋電位センサと、筋電位センサのセンサ信号に基づいて筋運動を検出する筋運動検出部と、運動センサのセンサ信号及び筋運動検出部の検出結果に基づいてユーザの動作状態を推定する動作状態推定部と、動作状態推定部の推定結果に基づいて関節部を駆動するアクチュエータを制御する駆動制御部と、を備えた、動作補助装置が提供される。
運動センサは、関節部の回転角度又は姿勢の少なくとも一方を検出してもよい。
以上説明したように本発明によれば、動作補助装置の取り扱いを容易にしつつ、ユーザの動作意思を早期にかつ精度よく推定することができる。
動作補助装置の構成例を示す正面図である。 動作補助装置の構成例を示す側面図である。 動作推定装置の構成例を示すブロック図である。 筋運動検出部の構成例を示すブロック図である。 筋運動検出部による筋電位センサのセンサ信号の処理の例を示す説明図である。 動作状態推定部の構成例を示すブロック図である。 動作遷移条件の一例を示す説明図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<1.動作補助装置の全体構成>
まず、図1〜図2を参照して、本実施形態にかかる動作補助装置1の全体構成例について説明する。図1は、動作補助装置1の構成例を示す正面図であって動作補助装置1を装着したユーザを正面から見た図である。図2は、動作補助装置1の構成例を示す側面図であって動作補助装置1を装着したユーザを側方から見た図である。
本実施形態に係る動作補助装置1は、歩行動作又は階段昇降動作等の左右の脚の前後運動の動作を補助するための装置であり、いわゆる外骨格ロボットとも呼ばれる。動作補助装置1は、装着具10と、アクチュエータ21と、筋電位センサ31,33と、制御ユニット25とを備える。装着具10は、腰部装着部13と、腰部固定ベルト11と、アーム部23と、大腿部装着部17と、大腿部固定ベルト15とを有する。
装着具10のうち、腰部装着部13、アーム部23及び大腿部装着部17は、例えば硬質の樹脂により形成され、所定の剛性を有する。つまり、腰部装着部13、アーム部23及び大腿部装着部17は変形しにくい。一方、腰部固定ベルト11及び大腿部固定ベルト15は、例えば織物、編物又は軟質の樹脂等により形成され、ユーザの体格によって締め付け具合を調整可能になっている。
腰部装着部13は、ユーザの腰部に装着され、腰部固定ベルト11により固定される。腰部固定ベルト11の少なくとも一部は、ユーザの大腿部の前面に配置される。本実施形態では、腰部固定ベルト11は第1のベルト部分11a及び第2のベルト部分11bを有する。第1のベルト部分11aは腰回りに巻き付けられ、第2のベルト部分11bは大腿部の上部に巻き付けられる。腰部固定ベルト11は、例えばバックル又は面ファスナ等の連結具12を有し、当該連結具12を連結させることにより腰部装着部13が腰部に固定される。腰部固定ベルト11は、ベルトを折り返して巻き付け長さを調整可能なアジャスタ等の長さ調整部を有してもよい。
腰部装着部13のうち、人体の側部に位置する部分には、人体の腰関節に対応して関節部20が設けられている。関節部20は、腰関節の側方に設けられる。関節部20では、アーム部23と腰部装着部13とが相対的に回転可能に連結されている。例えば、関節部20において腰部装着部13に設けられた図示しない回転軸部材に対して、アーム部23が回動可能に支持されていてもよい。これにより、腰部装着部13は、ユーザの前後方向に沿って回動する。アーム部23は、関節部20から下方に延びて設けられ、アーム部23の下方側には大腿部装着部17が連結されている。アーム部23と大腿部装着部17とは一体的に形成されていてもよい。
大腿部装着部17は、人体の脚部のうちの大腿部に装着され、大腿部固定ベルト15により固定される。大腿部固定ベルト15は、バックル又は面ファスナ等の図示しない連結具を有し、当該連結具が連結されることにより大腿部装着部17が大腿部に固定される。大腿部固定ベルト15は、ベルトを折り返して巻き付け長さを調整可能なアジャスタ等の長さ調節部を有してもよい。
腰部装着部13とアーム部23とを連結する関節部20の内部には、アクチュエータ21が備えられている。アクチュエータ21としては、例えばDCモータ等のロータリモータが用いられる。例えば、ロータリモータのうちのステータが腰部装着部13に固定され、ロータがアーム部23に固定される。ロータリモータが駆動されることにより、アーム部23が腰部装着部13に対して相対的に回動する。つまり、関節部20は能動関節として構成されている。これにより、大腿部装着部17が固定されたユーザの大腿部の前後方向の動きが補助される。
アクチュエータ21は減速機を有してもよい。また、アクチュエータ21は、ロータリモータを用いたアクチュエータに限らず、直線運動を回転運動に変換する機構とリニアモータとを組み合わせて構成されてもよい。また、アクチュエータ21は、関節部20に設けられていなくてもよく、関節部20とは異なる位置に配置されてもよい。この場合、例えばアーム部23がワイヤやベルト等の可撓性の動力伝達部材を介してアクチュエータ21に連結されてもよい。
また、関節部20には、関節部20の状態を検出する運動センサ22が設けられている。運動センサ22としては、例えば関節部20を中心とする腰部装着部13とアーム部23との相対回転角度を検出する角度センサが用いられる。運動センサ22は、例えば所定の角度を成す状態を基準位置(基準角度=0度)として、腰部装着部13とアーム部23との成す角度を検出する。制御ユニット25は、運動センサ22から出力された角度を表す信号に基づいて、関節部20の状態を検出する。関節部20の状態は、例えば腰部装着部13に対するアーム部23の回転角度及び回転速度である。運動センサ22としては例えばロータリエンコーダが用いられる。ロータリエンコーダは、アクチュエータ21を構成するロータリモータに組み込まれていてもよい。なお、運動センサ22はロータリエンコーダに限られず、他の角度センサが用いられてもよい。
動作補助装置1は、ユーザの筋電位を検出するための非接触式の筋電位センサ31,33を備える。筋電位センサ31,33のセンサ信号は、制御ユニット25に出力される。筋電位センサ31,33は、例えば少なくとも1つの表面筋電位検出電極(表面電極)と、少なくとも1つのAD変換器と、少なくとも1つの増幅器とを備える。表面電極は、例えば、容積伝導により伝わってくる運動単位の筋電位の信号を皮膚表面から導出する。具体的には、表面電極は、筋線維が発生する筋電位を検出する。表面電極は、例えば、動作補助装置1により補助可能な動作に対応する所望の運動単位の筋肉の腹の部分に位置する皮膚表面に対向するように配置される。
一方の筋電位センサ31は、ユーザの大腿部の上部に配置された2個の表面筋電位検出電極(以下、単に「表面電極」ともいう。)を含む。また、他方の筋電位センサ33は、ユーザの大腿部の下部に配置された2個の表面電極を含む。本実施形態において、筋電位センサ31,33は非接触式のセンサであり、それぞれの表面電極は、動作補助装置1により補助される筋力に対応する運動単位を構成する筋肉群の位置に対応するようにあらかじめ位置が決定されて装着具10に取り付けられている。
筋電位センサ31,33としては、例えば、静電容量型のセンサが用いられる。静電容量型の筋電位センサ31,33では、検出される筋電位に応じて静電容量が変化し、当該静電容量の変化が電気信号に変換されて出力される。静電容量型の筋電位センサ31,33であれば、皮膚の表面に直接接触させることなく、所望の筋肉の筋電位を検出することができる。したがって、筋電位センサ31,33が腰部固定ベルト11及び大腿部固定ベルト15に設けられていても、筋電位を検出することができる。
AD変換器は、表面電極により取得される筋電位の信号をデジタル信号に変換する。また、増幅器は、AD変換器により変換されたデジタル信号を増幅してセンサ信号として出力する。AD変換器及び増幅器は、皮膚表面に貼付される表面電極側に一体化されて設けられてもよく、あるいは、表面電極から筋電位の信号を取得する制御ユニット25側に設けられてもよい。また、筋電位センサ31,33は、検出される筋電位の信号のノイズを低減するためのフィルタを備えてもよい。フィルタは、除去したいノイズ信号の振幅に応じて、LPF(ローパスフィルタ)、HPF(ハイパスフィルタ)、BPF(バンドパスフィルタ)等の各種フィルタを適宜用いることができる。
本実施形態に係る動作補助装置1は脚の前後運動を補助する装置であり、筋電位センサ31,33の表面電極は、例えば装着時においてユーザの大腿四頭筋の筋電位を検出可能な位置に配置される。具体的に、筋電位センサ31は、腰部装着部13をユーザの腰部に固定するための腰部固定ベルト11の第2のベルト部分11bに設けられている。また、筋電位センサ33は、大腿部装着部17をユーザの大腿に固定するための大腿部固定ベルト15に設けられている。つまり、筋電位センサ31,33は、個別にユーザの人体に直接取り付けられるものではなく、装着具10を装着することにより人体の皮膚表面に近接配置されるものとなっている。これにより、装着具10の装着に伴って所定位置に配置されるため、筋電位センサ31,33の配置に要する手間や時間が低減される。また、非接触式の筋電位センサ31,33であれば、繰り返しの使用が可能になる。
それぞれの筋電位センサ31,33が2つの電極を有する場合、それらの電極は近接して配置されることが好ましい。また、それぞれの筋電位センサ31,33の2つの電極は、運動単位の筋線維の方向に沿って配列されてもよい。これにより、同一の筋線維の筋電位が検出されやすくなり、2つの筋電位の検出値の差分に基づいてノイズを低減させることができる。なお、筋電位センサ31,33の表面電極の数は2個に限られず、1個であってもよく、3個以上であってもよい。
腰部固定ベルト11及び大腿部固定ベルト15が織物又は編物により構成されている場合、筋電位センサ31,33は、例えば腰部固定ベルト11又は大腿部固定ベルト15に縫い付けられて固定されてもよい。また、腰部固定ベルト11及び大腿部固定ベルト15が樹脂により構成されている場合、筋電位センサ31,33は、例えば腰部固定ベルト11又は大腿部固定ベルト15に埋設されてもよい。筋電位センサ31,33が腰部固定ベルト11又は大腿部固定ベルト15に縫い付けられ、又は、埋設される場合、筋電位センサ31,33の表面電極がユーザの大腿部側に露出するように取り付けられることが好ましい。
腰部装着部13の背中側には制御ユニット25が備えられている。制御ユニット25は、例えばケース26内に収容されている。ケース26は、腰部装着部13と一体的に形成されてもよく、腰部装着部13に取り付けられてもよい。ケース26内には、アクチュエータ21の電力源であるバッテリが備えられてもよい。
制御ユニット25は、筋電位センサ31,33のセンサ信号及び運動センサ22のセンサ信号を取得して演算処理を行い、アクチュエータ21に対して駆動指令信号を出力する。制御ユニット25は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ及び記憶素子等の電子部品を搭載した電気回路を備えて構成され、図示しない電気配線により筋電位センサ31,33、アクチュエータ21及び運動センサ22に電気的に接続される。制御ユニット25と、筋電位センサ31,33、アクチュエータ21又は運動センサ22の少なくとも一つとは、無線の通信手段によって接続されてもよい。
かかる動作補助装置1では、ユーザの動作に伴って生成される筋電位が筋電位センサ31,33により検出され、かつ、関節部20の状態が運動センサ22により検出される。制御ユニット25は、筋電位センサ31,33のセンサ信号及び運動センサ22のセンサ信号に基づいてユーザの動作意思を検出し、要求補助トルクを算出する。また、制御ユニット25は、当該要求補助トルクに基づいてアクチュエータ21の駆動トルクを決定し、アクチュエータ21の駆動回路に対して駆動指示信号を送信する。これにより、アクチュエータ21が駆動され、アーム部23に回転トルクが付与されることによって、ユーザの脚の前後動作に対する補助力が生成される。
<2.動作推定装置の構成>
次に、動作推定装置の構成例を説明する。本実施形態では、アクチュエータ21の駆動制御を司る制御ユニット25が動作推定装置100としての機能を有する。図3は、制御ユニット25の構成のうち、動作推定装置100の機能に関連する部分を示したブロック図である。
動作推定装置100は、筋電位センサ31,33のセンサ信号及び運動センサ22のセンサ信号に基づいてユーザの動作状態を推定する装置であり、筋運動検出部110と動作状態推定部120とを有する。上述のとおり、制御ユニット25はCPU等のプロセッサを備えており、プロセッサによるプログラムの実行によって筋運動検出部110及び動作状態推定部120の機能が実現される。動作推定装置100は、検出データ、演算データ及び演算パラメータ等を記憶するRAM(Random Access Memory)、及びプロセッサにより実行されるプログラム及び演算パラメータ等を記憶するROM(Read Only Memory)等の図示しない記憶素子を有する。
筋運動検出部110は、筋電位センサ31,33のセンサ信号に基づいてユーザの筋運動を検出する。筋電位センサ31,33はセンサ信号として例えば筋電位の大きさに対応する電圧信号を出力する。当該センサ信号にはノイズが含まれている。特に、本実施形態の筋電位センサ31,33は非接触式のセンサであり、配置の手間や時間が低減され得る一方で、外部からの刺激によりセンサの位置がずれたり着衣等と摺れたりすることによってセンサ信号にノイズが含まれやすい。筋運動検出部110は、筋電位センサ31,33のセンサ信号の信号処理を行い、筋電位センサ31,33による筋電位の検出対象となる筋肉(例えば、大腿四頭筋)の筋運動のオンオフの切り分けを行う。
図4は、筋運動検出部110による信号処理の具体例を示している。図4に示した筋運動検出部110は、ウェーブレット変換処理、平均スケール処理及び閾値比較処理を行うことにより筋運動のオンオフを切り分けて筋運動を検出する。例えば、筋運動検出部110は、筋電位センサ31,33から出力されるセンサ信号を、最大オーバーラップ離散ウェーブレット変換(MODWT:Maximum Overlap Discrete Wavelet Transform)によって分解する。例えば、筋運動検出部110は、シムレット2マザーウェーブレットを用いた最大オーバーラップ離散ウェーブレット変換によりセンサ信号から2つのスケールのウェーブレット係数を得る。このようなウェーブレット変換処理は、シフト不変性のものであり、かつ、時間的遅延を小さくすることができる。
シムレット2マザーウェーブレットを用いた最大オーバーラップ離散ウェーブレット変換によって得られた2つのスケールのウェーブレット係数は、例えば中心周波数が約333〜667Hzのスケールに相当し得るものであってよい。2つのレベルにおけるセンサ信号の平均スケールは、筋運動がない場合は値が低くなり、人体の皮膚表面と筋電位センサ31,33の表面電極との間の伝達挙動とは無関係に筋電位が検出され得る場合は値が高くなる。これにより、分解処理後のセンサ信号の平均スケールを一つの閾値(上記の場合、例えば筋運動のない場合の低い値と筋運動がある場合の高い値との中間値)と比較することにより筋運動の検出が可能となる。あるいは、筋運動を伴う又は伴わない領域での自動クラスタ処理等の教師なしオンライン学習処理によって、筋運動検出の信頼性をより高めることもできる。教師なしオンライン学習処理は、個々の人あるいは筋肉等の状況に応じて閾値を自動で適合させることができる。
図5は、筋電位センサから出力されたセンサ信号(電圧信号)が分解処理されて2値化された具体例を示している。図5の上方には筋電位センサから出力された処理前のセンサ信号が示され、下方には分解処理後の2値化された信号が示されている。例示した電圧信号は、上述した離散ウェーブレット変換による分解処理及び閾値比較処理によって2値化され、筋運動のオン又はオフを示す信号に変換されている。このような信号処理により2値化された信号は、動作状態推定部120に入力される。
本実施形態では、動作補助装置1が左右の脚のそれぞれに対応して2つの筋電位センサ31,33を備えているが、このように複数の筋電位センサ31,33を備える場合、筋運動検出部110は、筋電位センサ31,33ごとにセンサ信号を2値化する処理を行ってもよい。
なお、筋電位センサ31,33のセンサ信号を信号処理によって2値化する手法はウェーブレット変換を用いた手法に限られない。例えば、筋運動検出部110は、ウェーブレットパケット、フーリエ変換、テンプレートマッチングアルゴリズム、ファジー識別器、又は機械学習アルゴリズム等の公知の手法を用いて信号処理を行い、センサ信号を2値化してもよい。
動作状態推定部120は、運動センサ22のセンサ信号及び筋運動検出部110の検出結果の入力に基づいてユーザの動作状態を推定する。図6は、動作状態推定部120による推定処理の具体例を示している。動作状態推定部120は、筋運動検出部110から入力される筋運動のオンオフの情報と、運動センサ22から入力される関節部20の回転角度の情報とに基づいて、ユーザの動作状態を推定する。例えば、動作状態推定部120は、筋運動がオン又はオフの状態と、関節部20の回転角度及び回転角度の変化速度に応じてあらかじめ設定されて記憶素子に記憶された判定テーブルを参照して、動作状態を選択してもよい。このとき、動作状態推定部120は、左右の脚の筋運動の情報、及び、左右の関節部20の回転角度の情報のうちの少なくとも一つの比較結果をさらに考慮して、ユーザの動作状態を推定してもよい。
図7は、ユーザがある状態から次の状態に遷移することを判別するための動作遷移条件の一例を示す。この判定テーブルは、ユーザが右側の列に示した現在の状態から上の行に示した次の状態に遷移することを推定可能な、左右の関節部20の角速度、角度及び筋運動の状態の条件を示したものである。関節部20の角度は、ユーザが直立している状態での腰部装着部13とアーム部23との成す角度を基準角度(例えば0度)とし、アーム部23が人体の前方に回動した場合の角度を正の値として示されている。また関節部20の角速度は、アーム部23が人体の前方に回動した場合の角速度を正の値として示されている。
マス目に示された条件の一部を説明すると、例えばユーザが立って静止している状態にある場合に、左関節部の角速度ωLHJが5度/秒以上、かつ、右関節部の角速度ωRHJが5度/秒以上、かつ、左筋運動がオン、かつ、右筋運動がオンであることが検出されると、動作状態推定部120はユーザが座ろうとしている状態にあると推定する(矢印Aで示したマス目)。
また、ユーザが立って静止している状態にある場合に、左筋運動がオン、かつ、左関節部の角度θLHJから右関節部の角度θRHJを引いた値が20度以上、かつ、左脚踵が地面に接地したときの左関節部の角度θLHJ_Xが30度未満か、あるいは、右筋運動がオン、かつ、右関節部の角度θRHJから左関節部の角度θLHJを引いた値が20度以上、かつ、右脚踵が地面に接地したときの右関節部の角度θRHJ_Xが30度未満であることが検出されると、動作状態推定部120はユーザが平地歩行している状態にあると推定する(矢印Bで示したマス目)。
それぞれのマス目に設定される条件は、あらかじめ実験やシミュレーション等により設定することができる。これらの条件は固定されていてもよく、ユーザ個々の特徴に応じて学習又は更新されてもよい。
制御ユニット25の動作推定装置100としての機能によりユーザの動作状態が推定されると、制御ユニット25は、推定された動作状態に応じてアクチュエータ21の駆動制御を行う。推定された動作状態の情報は、アクチュエータ21による補助動作を開始するきっかけとして用いられるとともに、補助動作を制御するアルゴリズムの選択に用いられる。
例えば、制御ユニット25は、推定された動作状態に応じて要求補助力を設定するとともにアクチュエータ21の駆動トルクを決定し、アクチュエータ21の駆動回路に対して駆動指示信号を出力する。例えば、制御ユニット25は、要求補助力と駆動トルクとの関係を定めたマップを参照して、アクチュエータ21の駆動トルクを求めてもよい。制御ユニット25がアクチュエータ21に対して駆動指令を出力することにより、アクチュエータ21が所望の回転トルクで駆動され、動作補助装置1を装着したユーザの動作の補助が行われる。
筋運動のオンオフの情報と関節部20の回転角度の情報とを用いてユーザの動作状態を推定することで、運動センサ22により検出される関節部20の回転角度の情報のみを用いて動作状態を推定する場合に比べて、ユーザの動作意思をより早く検出することができる。また、筋運動のオンオフの情報だけでなく関節部20の回転角度の情報を用いることによって、ユーザの動作意思の推定精度を向上させることができる。つまり、動作推定装置100は、筋力が発生する際に生じる筋電位に基づいて筋運動を検出することで、筋力の変化を早期に検出しつつ、その後の関節部20の実際の回転動作によって推定される動作の確からしさを担保することができる。
以上説明したように、本実施形態にかかる動作推定装置100は、非接触式の筋電位センサ31,33及び運動センサ22の検出情報に基づいてユーザの動作意思を推定する。したがって、動作推定装置100は、ユーザの動作意思を、より早く、かつ、より精度よく推定することができる。具体的には、動作推定装置100は、筋電位センサ31,33のセンサ信号に基づいて、ユーザの実際の動作に先立って動作補助装置1による補助動作を開始させることができる。また、動作推定装置100は、その後の運動センサ22のセンサ値に基づいて、ユーザの動作意思の確からしさを補償することができる。
さらに、非接触式の筋電位センサ31,33を採用していることから、動作補助装置1の取り扱いが容易になり、動作補助装置1の装着時の手間や時間を低減することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
上記実施形態では、動作補助装置1が、ユーザの両脚の前後運動を補助する装置として構成されていたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、動作補助装置は、ユーザの片脚の前後運動を補助する装置であってもよい。この場合、関節部20、アーム部23及び大腿部装着部17は、左右のいずれか一方にのみ設けられる。また、動作補助装置1は、大腿部の前後運動を補助する装置に限られず、ひざ関節を中心としたふくらはぎの動作を補助する装置であってもよいし、腕の動作を補助する装置であってもよい。非接触式の筋電位センサは、それぞれ補助対象の動作に対応する筋肉の位置に対応して動作補助装置のいずれかの位置に設けられる。
また、上記実施形態では、筋電位センサ31,33が、大腿の前面の上部及び下部にそれぞれ2個設けられていたが、大腿の裏側の筋肉に設けられてもよい。筋電位を計測するセンサが増えるほど、2つのセンサ値の差分を増幅する処理をすべてのセンサ値に対して実行することによって、ノイズを低減させることができ、筋電位の測定誤差を小さくすることができる。これにより、動作推定装置100によるユーザの動作意思の推定精度を向上させることができる。
1 動作補助装置
13 腰部装着部
20 関節部
21 アクチュエータ
22 運動センサ
23 アーム部
25 制御ユニット(動作推定装置)
31,33 筋電位センサ
100 動作推定装置
110 筋運動検出部
120 動作状態推定部

Claims (6)

  1. ユーザの筋電位を検出するための非接触式の筋電位センサのセンサ信号に基づいて筋運動を検出する筋運動検出部と、
    ユーザの人体の関節に対応して設けられた関節部の状態を検出する運動センサのセンサ信号及び前記筋運動検出部の検出結果に基づいてユーザの動作状態を推定する動作状態推定部と、
    を備えた、動作推定装置。
  2. 前記動作状態推定部は、前記ユーザの着座状態、起立状態、歩行状態、又は階段昇降状態を推定する、請求項1に記載の動作推定装置。
  3. 前記筋運動検出部は、前記筋電位センサのセンサ信号を2値化する処理を行い、前記筋運動を検出する、請求項1又は2に記載の動作推定装置。
  4. 前記筋運動検出部は、ウェーブレット変換、ウェーブレットパケット、フーリエ変換、テンプレートマッチングアルゴリズム、ファジー識別器、又は機械学習アルゴリズムを用いて前記筋運動を検出する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の動作推定装置。
  5. ユーザの人体の関節に対応して設けられる関節部と、
    前記関節部の状態を検出する運動センサと、
    ユーザの筋電位を検出するための非接触式の筋電位センサと、
    前記筋電位センサのセンサ信号に基づいて筋運動を検出する筋運動検出部と、
    前記運動センサのセンサ信号及び前記筋運動検出部の検出結果に基づいてユーザの動作状態を推定する動作状態推定部と、
    前記動作状態推定部の推定結果に基づいて前記関節部を駆動するアクチュエータを制御する駆動制御部と、
    を備えた、動作補助装置。
  6. 前記運動センサは、前記関節部の回転角度又は姿勢の少なくとも一方を検出する、請求項5に記載の動作補助装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111768835A (zh) * 2020-07-06 2020-10-13 中科芯未来微电子科技成都有限公司 可穿戴智能运动检测和关节磨损测评设备
WO2023136122A1 (ja) * 2022-01-12 2023-07-20 国立研究開発法人理化学研究所 動作支援装置および動作支援方法
JP7432430B2 (ja) 2019-09-05 2024-02-16 株式会社国際電気通信基礎技術研究所 動作支援装置および動作支援方法

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