JP2018132267A - 加熱調理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】同時に使用可能な複数の熱源を食材に応じて適宜選択することで、加熱時間の短縮や歩留まりの向上を図るとともに、適度な焦げ目があり、発色性の良い焼き色がつくように食材を加熱することが可能な加熱調理装置を提供する。【解決手段】加熱室1の内部には、その奥行方向と直交するようにランプヒータ15が金網12の上下にそれぞれ3本ずつ水平に設置され、水蒸気を噴出する2本の噴出管14が温水槽7の内部に設置されている。加熱室1の後扉には送風機6が取り付けられており、金網12とランプヒータ15の上方には、金属板からなる山型部材13が上に凸の状態で設置され、山型部材13の上方と温水槽7の内部には、温度センサ16a,16bがそれぞれ設置されている。【選択図】図3
Description
本発明は、水蒸気とランプヒータからなる熱源を備えた加熱調理装置に係り、特に、加熱時間の短縮や歩留まりの向上を図るとともに、発色性の良い焼き色に加熱することが可能な加熱調理装置に関する。
水蒸気は空気よりも熱伝達率が高いため、食材を飽和水蒸気で包み込むようにして加熱すると、水分の蒸発を防ぎながら、短時間で食材を調理することができる。
水蒸気を用いた調理装置としては、例えば、特許文献1に家庭用のオーブンレンジ等に利用可能な加熱調理器が開示されている。この加熱調理器は、水蒸気生成装置によって生成された水蒸気を独立して制御可能に構成された第1の加熱部と第2の加熱部で2段階に加熱することを特徴としている。
このような構造によれば、水蒸気の温度を上げることで調理時間の短縮化を図ることができる。
水蒸気を用いた調理装置としては、例えば、特許文献1に家庭用のオーブンレンジ等に利用可能な加熱調理器が開示されている。この加熱調理器は、水蒸気生成装置によって生成された水蒸気を独立して制御可能に構成された第1の加熱部と第2の加熱部で2段階に加熱することを特徴としている。
このような構造によれば、水蒸気の温度を上げることで調理時間の短縮化を図ることができる。
また、特許文献2には、過熱水蒸気と熱風を用いた調理装置とその調理方法に関する発明が開示されている。
特許文献2に開示された調理装置は、複数の調理領域を有しており、各調理領域に過熱水蒸気と熱風のいずれかが供給される構造となっている。なお、調理対象物を搬送するコンベヤの上下には、過熱水蒸気や熱風を供給するための供給管が配設されており、各供給管の近傍には、その供給孔から噴出される過熱水蒸気や熱風を加熱してそれらの状態を保持するためのシーズヒータが蛇行して配置されている。
このような構造によれば、調理対象物に応じた適切な調理を速やかに行い、食味や食感を向上させることができる。
特許文献2に開示された調理装置は、複数の調理領域を有しており、各調理領域に過熱水蒸気と熱風のいずれかが供給される構造となっている。なお、調理対象物を搬送するコンベヤの上下には、過熱水蒸気や熱風を供給するための供給管が配設されており、各供給管の近傍には、その供給孔から噴出される過熱水蒸気や熱風を加熱してそれらの状態を保持するためのシーズヒータが蛇行して配置されている。
このような構造によれば、調理対象物に応じた適切な調理を速やかに行い、食味や食感を向上させることができる。
さらに、特許文献3には、水蒸気を利用してオーブン庫内の被調理食品を調理する装置に関する発明が開示されている。
特許文献3に開示された加熱調理装置は、蒸発器内の水をマイクロ波の誘電加熱によって蒸発させることにより発生させた水蒸気をオーブン庫内に設置されたヒータで加熱して過熱水蒸気とし、この過熱水蒸気を送風機によって撹拌する構造となっている。そして、送風機の撹拌ファンの軸をマグネットカップリングしたことを特徴としている。
このような構造によれば、送風機の回転軸から水蒸気が庫外に漏れないため、水蒸気を無駄なく使用することができる。
特許文献3に開示された加熱調理装置は、蒸発器内の水をマイクロ波の誘電加熱によって蒸発させることにより発生させた水蒸気をオーブン庫内に設置されたヒータで加熱して過熱水蒸気とし、この過熱水蒸気を送風機によって撹拌する構造となっている。そして、送風機の撹拌ファンの軸をマグネットカップリングしたことを特徴としている。
このような構造によれば、送風機の回転軸から水蒸気が庫外に漏れないため、水蒸気を無駄なく使用することができる。
上述の従来技術である特許文献1に開示された発明は、熱源が水蒸気のみであり、複数の熱源を同時に使用可能な構成とはなっていないため、複数の熱源を同時に使用するなど、食材ごとに適切な加熱方法を選択して使用することができないという課題があった。
特許文献2に開示された発明において過熱水蒸気の供給管の近傍に配設されたシーズヒータは供給管の供給孔から噴出される過熱水蒸気や熱風を加熱してそれらの状態を保持するものであり、食材を加熱するものではない。したがって、本発明においても、複数の熱源を同時に使用可能な構成ではなく、食材に対する加熱方法の選択の幅が狭いという課題があった。
さらに、特許文献3に開示された発明は、マイクロ波の誘電加熱によって水蒸気を発生させる構造であり、過熱水蒸気を熱源とする場合には、その1種類の熱源によって加熱することしかできない。したがって、食材に応じて適切な加熱方法を選択して使用することができないという課題があった。
本発明は、このような従来の事情に対処してなされたものであり、同時に使用可能な複数の熱源を食材に応じて適宜選択することで、加熱時間の短縮や歩留まりの向上を図るとともに、適度な焦げ目があり、発色性の良い焼き色がつくように食材を加熱することが可能な加熱調理装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、第1の発明である加熱調理装置は、前面が開放された直方体形状の加熱室と、この加熱室の前面に第1の蝶番を介して開閉自在に取り付けられる前扉と、この加熱室内に水平に設置される載置部と、加熱室内に水平に設置されて載置部の上面に載置された被加熱物を加熱するランプヒータと、このランプヒータに電力を供給する電源装置と、上部が開放された箱状をなし、加熱室の下部に設置される温水槽と、側面に噴出孔を有し、温水槽内に水平に設置される噴出管と、この噴出管に水蒸気を供給する水蒸気発生手段と、を備えたことを特徴とするものである。
なお、上述の「直方体形状」には「略直方体形状」も含まれるものとし、「水平に設置される」状態には「略水平に設置される」状態も含まれるものとする。
なお、上述の「直方体形状」には「略直方体形状」も含まれるものとし、「水平に設置される」状態には「略水平に設置される」状態も含まれるものとする。
上記構造の加熱調理装置においては、載置部の上面に被加熱物を載置した状態でランプヒータに通電するとともに噴出管に水蒸気を供給すると、載置部上の被加熱物がランプヒータの輻射熱と噴出管から噴出された水蒸気によって同時に加熱されるという作用を有する。また、温水槽に水が貯留されている場合には、その水が噴出管から噴出される水蒸気によって加熱され、温水になって湯気を発生するという作用を有する。
第2の発明は、第1の発明において、加熱室は前面に加えて背面も開放されており、この背面に第2の蝶番を介して開閉自在に取り付けられる後扉と、この後扉に設置されて加熱室内の水蒸気を循環させる送風機と、を備えたことを特徴とするものである。
このような構造の加熱調理装置においては、第1の発明の作用に加えて、送風機が後扉に設置されていることから、加熱室内を洗浄する際に後扉を開いて加熱室の背面を開放状態にすると、送風機が洗浄作業の邪魔にならないという作用を有する。
このような構造の加熱調理装置においては、第1の発明の作用に加えて、送風機が後扉に設置されていることから、加熱室内を洗浄する際に後扉を開いて加熱室の背面を開放状態にすると、送風機が洗浄作業の邪魔にならないという作用を有する。
第3の発明は、第1の発明又は第2の発明において、中央で曲折された金属板からなり、上に凸の状態で加熱室内に設置される山型部材を備えたことを特徴とするものである。
上記構造の加熱調理装置においては、第1の発明又は第2の発明の作用に加え、水蒸気が加熱室の壁面で冷やされて凝縮することによって発生した水滴がかからないように被加熱物や載置部が山型部材によって保護されるという作用を有する。
上記構造の加熱調理装置においては、第1の発明又は第2の発明の作用に加え、水蒸気が加熱室の壁面で冷やされて凝縮することによって発生した水滴がかからないように被加熱物や載置部が山型部材によって保護されるという作用を有する。
第4の発明は、第1乃至第3の発明のいずれかにおいて、ランプヒータは、繊維状の薄板を加工したカーボンフィラメントと、このカーボンフィラメントが収納された第1の石英ガラス管と、カーボンフィラメントの長手方向の全長に亘ってその片面を覆うように形成された反射板と、この反射板と第1の石英ガラスが不活性ガスとともに封入された第2の石英ガラス管と、からなることを特徴とするものである。
なお、上述の「反射板がカーボンフィラメントの長手方向の全長に亘って形成される」という状態には「反射板がカーボンフィラメントの長手方向の略全長に亘って形成される」状態も含まれるものとする。
なお、上述の「反射板がカーボンフィラメントの長手方向の全長に亘って形成される」という状態には「反射板がカーボンフィラメントの長手方向の略全長に亘って形成される」状態も含まれるものとする。
タングステン金属をフィラメントに使用したランプヒータでは、フィラメントの電気抵抗が温度の上昇とともに増加するため、ヒータのスイッチをONにした瞬間に多量の電流が流れる、いわゆる「突入電流」という現象が発生するのに対し、カーボン製のフィラメントを有するランプヒータでは、「突入電流」は発生しない。したがって、このような構造のランプヒータを備えた本発明の加熱調理装置においては、突入電流の対策が不要である。
以上説明したように、第1の発明によれば、被加熱物が食材である場合、ランプヒータへの通電と噴出管への水蒸気の供給を同時に行うことにより、食材を効率よく加熱して調理時間を短縮するとともに、歩留まりを向上させることができる。また、加熱される食材に適度な湿気を加えて、しっとりとした食感を与えることができるという効果を奏する。さらに、熱源であるランプヒータと噴出管を食材に応じて適宜選択して使用することにより、適度な焦げ目があり、発色性の良い焼き色がつくように食材を加熱することができる。
第2の発明によれば、第1の発明の効果に加え、加熱室内の洗浄が容易であり、また、送風機を後扉から取り外さずに、その全体を加熱室の外部に露出させることが可能であるため、送風機の点検や修理が容易となるという効果を奏する。これにより、メンテナンス費用が削減される。
水蒸気が加熱室の壁面で冷やされて凝縮することによって発生した水滴が被加熱物にかかると、被加熱物の加熱状態が変化する。特に、被加熱物が食材の場合には、見た目が大きく変化し、食感や食味が著しく損なわれてしまう場合もある。これに対し、第3の発明によれば、第1の発明又は第2の発明の効果に加え、上述の水滴が被加熱物にかかることを防いで、その加熱状態を維持できるという効果を奏する。
第4の発明によれば、第1乃至第3の発明の効果に加え、突入電流の対策が不要なため、製造コストが削減されるという効果を奏する。
本願明細書では、加熱室の前後方向を「奥行方向」というものとする。また、「水蒸気」とは、常温から100℃までの水の蒸気のことであり、「飽和水蒸気」とは、接している水との間で平衡状態が成立している「水蒸気」のことである。
なお、以下の説明では食材を加熱する場合を例に挙げているが、本発明の加熱調理装置は食材に限らず、各種の試料や部材の加熱に用いることができる。また、山型部材は加熱室の奥行方向に対して曲折線が直交するように設置されているが、これに限定されるものではなく、例えば、加熱室の奥行方向に対して曲折線が平行となるように山型部材を設置しても良い。さらに、被加熱物が上面に載置される載置部には、金網の代わりに、金属製の平板材や容器を用いることもできる。
なお、以下の説明では食材を加熱する場合を例に挙げているが、本発明の加熱調理装置は食材に限らず、各種の試料や部材の加熱に用いることができる。また、山型部材は加熱室の奥行方向に対して曲折線が直交するように設置されているが、これに限定されるものではなく、例えば、加熱室の奥行方向に対して曲折線が平行となるように山型部材を設置しても良い。さらに、被加熱物が上面に載置される載置部には、金網の代わりに、金属製の平板材や容器を用いることもできる。
本発明の実施の形態に係る加熱調理装置の実施例の構造と、その作用及び効果について、図1〜図5を用いて具体的に説明する。なお、これらの図では噴出管に接続される配管及びランプヒータや送風機等に接続されるケーブル類の図示を省略している。
図1(a)及び図1(b)はそれぞれ本発明の加熱調理装置の外観の一例を示した正面図及び背面図であり、図2(a)及び図2(b)はその平面図と側面図である。また、図3(a)は図1(a)において前扉を開いた状態を表した図であり、図3(b)は加熱室の内部に設置された噴出管とランプヒータの位置関係を拡大して示した模式図である。
さらに、図4(a)はランプヒータの平面図であり、図4(b)は図4(a)においてA−A線矢視断面を拡大して示した図である。そして、図5は図2(a)においてB−B線矢視断面の一部を拡大して示した図である。なお、図5では温度センサの取付孔と排気管の図示を省略している。
図1(a)及び図1(b)はそれぞれ本発明の加熱調理装置の外観の一例を示した正面図及び背面図であり、図2(a)及び図2(b)はその平面図と側面図である。また、図3(a)は図1(a)において前扉を開いた状態を表した図であり、図3(b)は加熱室の内部に設置された噴出管とランプヒータの位置関係を拡大して示した模式図である。
さらに、図4(a)はランプヒータの平面図であり、図4(b)は図4(a)においてA−A線矢視断面を拡大して示した図である。そして、図5は図2(a)においてB−B線矢視断面の一部を拡大して示した図である。なお、図5では温度センサの取付孔と排気管の図示を省略している。
本発明は水蒸気とランプヒータを熱源とする加熱調理装置であり、図1及び図2に示すように、外形が略直方体状をなし、フレーム5によって支持される加熱室1を備えている。
加熱室1は前後と下部が開口しており、前面と背面には、留め金具2a,2aと留め金具3a,3aが側面に設けられた前扉2と後扉3がそれぞれ蝶番2b,2bと蝶番3b,3bを介して開閉自在に取り付けられている。
加熱室1は前後と下部が開口しており、前面と背面には、留め金具2a,2aと留め金具3a,3aが側面に設けられた前扉2と後扉3がそれぞれ蝶番2b,2bと蝶番3b,3bを介して開閉自在に取り付けられている。
前扉2と後扉3の内面には、閉じた際にフレーム5と当接して開口部を囲むように環状の密閉部材(パッキン)4が設置されており、前扉2には、窓2cが加熱室1の内部を視認可能に設けられ、後扉3には、送風機6が取り付けられている。
加熱室1の下部には、その下面を閉塞するように、温水が貯留される箱状の温水槽7が設置されており、温水槽7の底部には、ドレンコック8が設置されている。
また、加熱室1の両側には、配管を覆うようにカバー9,10がそれぞれ取り付けられ、側板(図示せず)の上部には、排気管11,11がそれぞれ設置されている。さらに、加熱室1の横には、前面に操作パネルが取り付けられた制御ボックス(図示せず)と後述の噴出管14に飽和水蒸気を供給する水蒸気発生手段(図示せず)が設置されている。
加熱室1の下部には、その下面を閉塞するように、温水が貯留される箱状の温水槽7が設置されており、温水槽7の底部には、ドレンコック8が設置されている。
また、加熱室1の両側には、配管を覆うようにカバー9,10がそれぞれ取り付けられ、側板(図示せず)の上部には、排気管11,11がそれぞれ設置されている。さらに、加熱室1の横には、前面に操作パネルが取り付けられた制御ボックス(図示せず)と後述の噴出管14に飽和水蒸気を供給する水蒸気発生手段(図示せず)が設置されている。
図3(a)及び図3(b)に示すように、加熱室1の内部には、高さ方向の略中央に矩形平板状をなす金網12が水平に設置されている。また、先端が閉塞された2本の噴出管14が飽和水蒸気(乾き蒸気)を噴出可能に温水槽7の側面7aに設けられた取付孔(図示せず)から水平に差し込まれるようにして加熱室1の奥行方向と直交するように設置されている。なお、噴出管14の側面の下半分には、右斜め下及び左斜め下を向く噴出孔(図示せず)が長手方向に沿って交互に設けられている。
さらに、金網12の上下には、加熱室1の奥行方向と直交するようにランプヒータ15が水平にそれぞれ3本ずつ設置されている。
さらに、金網12の上下には、加熱室1の奥行方向と直交するようにランプヒータ15が水平にそれぞれ3本ずつ設置されている。
金網12の上方に配置された3本のランプヒータ15の上方には、中央で曲折された金属板からなる山型部材13が上に凸の状態で加熱室1の奥行方向に対して曲折線が直交するように設置されている。
また、山型部材13の上方には、加熱室1の側面にそれぞれ設けられた取付孔(図示せず)から温度センサ16aが水平に差し込まれており、温水槽7の内部には、温度線センサ16bが側面7bに設けられた取付孔(図示せず)から水平に差し込まれている。
また、山型部材13の上方には、加熱室1の側面にそれぞれ設けられた取付孔(図示せず)から温度センサ16aが水平に差し込まれており、温水槽7の内部には、温度線センサ16bが側面7bに設けられた取付孔(図示せず)から水平に差し込まれている。
ランプヒータ15は、加熱したフィラメント(発熱体)から放射される光を熱として利用するものであり、大気と接触しているために表面の熱が奪われてしまうパネルヒータやセラミックヒータ等に比べて、応答性に優れるため、温度制御が容易である。また、本発明の加熱調理装置に用いられるランプヒータ15は、図4(a)及び図4(b)に示すように、炭素純度99.8%の繊維状の薄板を加工したカーボンフィラメント15aが石英ガラス管15bに収納された状態で反射板15d及びアルゴンガスなどの不活性ガスとともに石英ガラス管15cに封入された構造となっている。そして、反射板15dは、カーボンフィラメント15aの長手方向の略全長に亘ってその片面を覆うように形成されている。
なお、カーボンフィラメント15aは、一端に電極が設けられるとともに他端が電気的に接続された長尺帯状体によって構成されており、単位長さ当たりの電力密度が高いという特徴を有している。
また、ランプヒータ15は、上記構造に限定されるものではない。例えば、カーボンフィラメント15aの代わりに、鉄クロム線やタングステン金属をフィラメントに使用することもできる。ただし、タングステン金属からなるフィラメントは、カーボン製のフィラメントとは異なり、温度の上昇とともに電気抵抗が増加し、ヒータのスイッチをONにした瞬間に多量の電流が流れる、いわゆる「突入電流」が発生するため、その対策が必要である。これに対し、カーボン製のフィラメントを用いた場合、そのような対策が不要なため、製造コストが削減されるというメリットがある。
また、ランプヒータ15は、上記構造に限定されるものではない。例えば、カーボンフィラメント15aの代わりに、鉄クロム線やタングステン金属をフィラメントに使用することもできる。ただし、タングステン金属からなるフィラメントは、カーボン製のフィラメントとは異なり、温度の上昇とともに電気抵抗が増加し、ヒータのスイッチをONにした瞬間に多量の電流が流れる、いわゆる「突入電流」が発生するため、その対策が必要である。これに対し、カーボン製のフィラメントを用いた場合、そのような対策が不要なため、製造コストが削減されるというメリットがある。
図5に示すように、送風機6は、ファン6bがモーター6aに駆動されて回転すると、加熱室1の内部の空気を後方から取り込んで前方へ送出するように、後扉3に取り付けられている。すなわち、送風機6は、破線の矢印で示すように加熱室1の内部の空気を循環させるという機能を有している。
本発明の加熱調理装置において、噴出管14に水蒸気発生手段から飽和水蒸気を供給すると、温水槽7に水が貯留されていない場合には、噴出管14から右斜め下向き及び左斜め下向きに噴出された飽和水蒸気(乾き蒸気)が温水槽7の底面に当たって上昇し、拡散する。
一方、温水槽7に水が貯留されている場合には、この水が噴出管14から噴出された飽和水蒸気(乾き蒸気)で加熱されて温水となり、湯気が発生する。すなわち、本発明の加熱調理装置では、ランプヒータ15の輻射熱に加え、噴出管14から噴出される飽和水蒸気(乾き蒸気)と、温水槽7に貯留された温水から発生する湯気を含む湿り蒸気を熱源として用いることが可能となっている。
そして、飽和水蒸気(乾き蒸気)及び湯気を含む湿り蒸気を熱源に用いる場合には、さらに送風機6を稼働させることで、それらの拡散を促すことができる。これにより、飽和水蒸気(乾き蒸気)や湯気を含む湿り蒸気が加熱室1の隅々まで満遍なく行き渡るため、食材が均一に加熱されるという効果が発揮される。
一方、温水槽7に水が貯留されている場合には、この水が噴出管14から噴出された飽和水蒸気(乾き蒸気)で加熱されて温水となり、湯気が発生する。すなわち、本発明の加熱調理装置では、ランプヒータ15の輻射熱に加え、噴出管14から噴出される飽和水蒸気(乾き蒸気)と、温水槽7に貯留された温水から発生する湯気を含む湿り蒸気を熱源として用いることが可能となっている。
そして、飽和水蒸気(乾き蒸気)及び湯気を含む湿り蒸気を熱源に用いる場合には、さらに送風機6を稼働させることで、それらの拡散を促すことができる。これにより、飽和水蒸気(乾き蒸気)や湯気を含む湿り蒸気が加熱室1の隅々まで満遍なく行き渡るため、食材が均一に加熱されるという効果が発揮される。
このように、本発明の加熱調理装置によれば、ランプヒータ15と噴出管14を併用して同時に食材を加熱することができる。これにより、調理時間が短縮され、歩留まりが向上する。また、熱源として噴出管14から噴出される飽和水蒸気(乾き蒸気)と、温水槽7に貯留された温水から発生する湯気を含む湿り蒸気のいずれかを選択し、これとランプヒータ15の輻射熱を組み合わせることにより、適度な焦げ目があり、発色性の良い焼き色がつくように食材を加熱することが可能である。そして、これらの熱源を食材に応じて適宜組み合わせて使用することによれば、食材に対して独特の食味や食感を与えることが可能である。
また、本発明の加熱調理装置では、送風機6が後扉3に設置されていることから、加熱室1の内部を洗浄する際に後扉3を開いて加熱室1の背面を開放状態にすると、送風機6が邪魔にならないため、容易に洗浄作業を行うことができる。また、後扉3を開くという簡単な操作によって、送風機6を後扉3から取り外すことなく、その全体が加熱室1の外部に露出された状態にすることができる。これにより、送風機6の点検や修理が格段に容易となるため、メンテナンス費用が大幅に削減される。
飽和水蒸気(乾き蒸気)や湯気を含む湿り蒸気が加熱室1の壁面で冷やされて凝縮することによって発生した水滴が食材にかかると、その加熱状態が変化する。具体的には、見た目が大きく変化し、食感や食味が著しく損なわれてしまう場合もある。これに対し、本発明の加熱調理装置においては、ランプヒータ15の上方に設置された山型部材13がそのような水滴から食材や載置部を保護するという作用を有している。これにより、食材の加熱状態が維持される。
本発明の加熱調理装置を用いて様々な食材の加熱テストを行った結果、各熱源を単独で用いるよりも複数の熱源を同時に用いる方が加熱時間が短縮され、歩留まりが向上すること、及び熱源の組み合わせが食材の仕上がりに影響を与えることなどがわかった。以下、その結果について説明する。表1は今回のテストに用いた食材と、その食材の仕上がりに対して推奨される加熱方法を示したものである。なお、「〇」は熱源として使用することを表し、「×」は熱源として使用しないことを表している。また、加熱時間は、加熱方法によらず食材ごとに一定とした。そして、判定は、加熱方法を変えて各食材をそれぞれ所定の時間加熱した後に行った。
表1に示すように、食パンでは、ランプヒータ15と乾き蒸気を併用した場合に、内部がモチモチした状態となった。また、焦げない程度に、加熱時間を短くするか、ランプヒータ15の出力を低く抑えれば、ランプヒータ15を単独で使用した場合でも比較的良好な食感が得られた。一方、ランプヒータ15と湿り蒸気を併用した場合には、焼け加減が不十分で湿っぽい状態となった。すなわち、食パンを加熱する場合には、ランプヒータ15と乾き蒸気を併用すると、最も良い食感のものが得られることがわかった。
卵(目玉焼き)では、ランプヒータ15と乾き蒸気を併用した場合に、縁が焦げることなく、黄身が固まった状態となった。そして、ランプヒータ15と湿り蒸気を併用した場合には、さらにしっとり感が得られた。一方、ランプヒータ15を単独で使用した場合には、黄身は半熟のまま、縁が焦げた状態になった。すなわち、卵(目玉焼き)を加熱する場合には、ランプヒータ15と湿り蒸気を併用すると、最も良い食感のものが得られることがわかった。
鶏もも肉では、ランプヒータ15と湿り蒸気を併用した場合に、表面が焦げることなく、内部が十分に加熱された状態となった。一方、ランプヒータ15と乾き蒸気を併用した場合、表面は焦げなかったが、内部の加熱が不十分な状態になった。また、ランプヒータ15を単独で使用した場合には、表面が焦げているにもかかわらず、内部を十分に加熱することができなかった。なお、出力を下げれば、焦げを防ぐことはできるが、その場合、内部まで十分に加熱するために加熱時間を長くする必要がある。
すなわち、鶏もも肉を加熱する場合には、ランプヒータ15と湿り蒸気を併用すると、短時間の加熱により、表面が焦げることなく、かつ、最も良い食感のものが得られることがわかった。
すなわち、鶏もも肉を加熱する場合には、ランプヒータ15と湿り蒸気を併用すると、短時間の加熱により、表面が焦げることなく、かつ、最も良い食感のものが得られることがわかった。
生魚(鯵)では、ランプヒータ15と乾き蒸気を併用した場合に、焦げが少なく、パサつきも最も少ない状態となり、最も歩留まりが向上することがわかった。また、ランプヒータ15と湿り蒸気を併用した場合には、焦げは少ないがパサつきはやや多くなった。一方、ランプヒータ15を単独で使用した場合には、焦げやパサつきが多く、歩留まりが最も悪かった。すなわち、生魚(鯵)を加熱する場合には、ランプヒータ15と乾き蒸気を併用すると、表面の焦げが少なく、かつ、最も良い食感のものが得られ、歩留まりが向上することがわかった。
切り身(鮭)では、ランプヒータ15と乾き蒸気を併用した場合、綺麗な橙色の焼き色と程良い焦げ目が全体的に付き、内部がふっくらした状態になった。一方、ランプヒータ15と湿り蒸気を併用した場合、皮は焦げるものの、内部は少しふっくらした状態になった。一方、ランプヒータ15を単独で使用すると、全体的に焦げた状態となった。すなわち、切り身(鮭)を加熱する場合には、ランプヒータ15と乾き蒸気を併用すると、適度な焦げ目があり、発色性の良い焼き色がついたものが得られることがわかった。そして、ランプヒータ15と湿り蒸気を併用した場合やランプヒータ15と乾き蒸気を併用した場合は、ランプヒータ15を単独で使用する場合よりも歩留まりが向上することもわかった。
魚肉ソーセージでは、ランプヒータ15を単独で使用した場合に、縮むことなく、張りがある状態になった。これに対し、ランプヒータ15と乾き蒸気を併用した場合には、加熱後に縮んだ状態となった。また、ランプヒータ15と湿り蒸気を併用した場合には、加熱後に張りはあるが少し縮んだ状態になった。すなわち、魚肉ソーセージを加熱する場合には、ランプヒータ15を単独で使用すると、加熱後に縮むこともなく、最も良い食感のものが得られることがわかった。
肩肉(牛)では、ランプヒータ15を単独で使用した場合に、肉汁があって軟らかく、濃い焼き色が付いた状態になった。一方、ランプヒータ15と乾き蒸気を併用した場合には、焼き色が薄く、肉汁があまり感じられない状態となった。また、ランプヒータ15と湿り蒸気を併用した場合には、焼き色が薄く、味が抜けた状態となった。すなわち、肩肉(牛)を加熱する場合には、ランプヒータ15を単独で使用すると、発色性が良く、かつ、食感が最も良いものが得られることがわかった。
本実施例では、飽和水蒸気を熱源として用いているが、本発明の加熱調理装置は、このような構造に限定されるものではない。例えば、飽和水蒸気ではない水蒸気を噴出管に供給し、この水蒸気を熱源として食材等を加熱する構造としても良い。このような構造であっても上述した本発明の作用・効果は同様に発揮される。
本発明の加熱調理装置は、レストランや食品工場等において、各種の食材を加熱調理する場合に限らず、各種の被加熱物を加熱する場合に適用可能である。
1…加熱室 2…前扉 2a…留め金具 2b…蝶番 2c…窓 3…後扉 3a…留め金具 3b…蝶番 4…密閉部材 5…フレーム 6…送風機 6a…モーター 6b…ファン 7…温水槽 7a,7b…側面 8…ドレンコック 9,10…カバー 11…排気管 12…金網 13…山型部材 14…噴出管 15…ランプヒータ 15a…カーボンフィラメント 15b,15c…石英ガラス管 15d…反射板 16a,16b…温度センサ
Claims (4)
- 前面が開放された直方体形状の加熱室と、
この加熱室の前記前面に第1の蝶番を介して開閉自在に取り付けられる前扉と、
この加熱室内に水平に設置される載置部と、
前記加熱室内に水平に設置されて前記載置部の上面に載置された被加熱物を加熱するランプヒータと、
このランプヒータに電力を供給する電源装置と、
上部が開放された箱状をなし、前記加熱室の下部に設置される温水槽と、
側面に噴出孔を有し、前記温水槽内に水平に設置される噴出管と、
この噴出管に水蒸気を供給する水蒸気発生手段と、を備えたことを特徴とする加熱調理装置。 - 前記加熱室は前記前面に加えて背面も開放されており、
この背面に第2の蝶番を介して開閉自在に取り付けられる後扉と、
この後扉に設置されて前記加熱室内の前記水蒸気を循環させる送風機と、を備えたことを特徴とする請求項1に記載の加熱調理装置。 - 中央で曲折された金属板からなり、上に凸の状態で前記加熱室内に設置される山型部材を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の加熱調理装置。
- 前記ランプヒータは、
繊維状の薄板を加工したカーボンフィラメントと、
このカーボンフィラメントが収納された第1の石英ガラス管と、
前記カーボンフィラメントの長手方向の全長に亘ってその片面を覆うように形成された反射板と、
この反射板と前記第1の石英ガラス管が不活性ガスとともに封入された第2の石英ガラス管と、からなることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の加熱調理装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2017
- 2017-02-16 JP JP2017027245A patent/JP2018132267A/ja active Pending
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