JP2018131986A - 圧縮機及び圧縮機の制御方法 - Google Patents

圧縮機及び圧縮機の制御方法 Download PDF

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Yuji Iwakiri
雄二 岩切
真明 松田
Masaaki Matsuda
真明 松田
嘉清 渡邉
Yoshikiyo Watanabe
嘉清 渡邉
勉 小田
Tsutomu Oda
勉 小田
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Abstract

【課題】簡易な構成でサージングの発生を抑制できるようにし、圧縮機が作動する流量範囲を拡大させる。【解決手段】圧縮機10は、軸回りに回転し、導入管路18を通じて軸方向から流入する流体を圧縮して径方向に流すインペラ12と、導入管路18におけるインペラ12への入口36Bの流路面積より流路面積が小さく形成された絞り部材14と、絞り部材14の位置を、入口36Bと導入管路18から外れた退避位置との間で変化させる駆動機構16と、を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、速度型の圧縮機及び圧縮機の制御方法に関する。
回転翼(インペラ)の回転により気体を圧縮する遠心圧縮機において、回転翼に気体を導入する導入管内に、回転翼の上流側で気体の流れを規制し、かつ、気体の流れを規制する状態と規制しない状態との間で変位する規制部材が設けられた構成が開示されている(特許文献1参照)。この圧縮機では、規制部材の一例としての環状部材を回転させることにより、導入口の開口面積を調整することができる。
特開2010−138765号公報
しかしながら、上記した従来例では、導入口を通る気体の流量が小さい小流量時、環状部材の後流で剥離が生じ、大きな圧力損失が生じるため、圧縮機効率の低下が懸念される。
また、環状部材を回転させる構造上、環状部材をインペラに十分近づけて配置することが難しいため、サージング抑制効果が十分に発揮されないと考えられる。
導入口を通る気体の流量が大きい大流量時に、導入口の開口面積を縮小させないように、環状部材が気体の流れに沿う向きに調整されるが、この状態でも環状部材が流路に露出しているため、環状部材のない場合と比較して圧力損失が大きくなる。したがって、小流量時と同様に、圧縮機効率の低下が懸念される。
本発明は、簡易な構成でサージングの発生を抑制できるようにし、圧縮機が作動する流量範囲を拡大させることを目的とする。
第1の態様に係る圧縮機は、軸回りに回転し、導入管路を通じて軸方向から流入する流体を圧縮して径方向に流すインペラと、前記導入管路における前記インペラへの入口の流路面積より流路面積が小さく形成された絞り部材と、前記絞り部材の位置を、前記入口と、前記導入管路から外れた退避位置との間で変化させる駆動機構と、を有する。
この圧縮機では、駆動機構によって絞り部材の位置が、導入管路におけるインペラへの入口と、導入管路から外れた退避位置との間で変化する。導入管路から流入する流体の流量が少ない小流量の条件では、駆動機構により、絞り部材を導入管路におけるインペラへの入口に配置することにより、該入口での流路面積を絞る。これにより、インペラに流入する流体の速度が増加するため、流体が持つ主流方向の運動エネルギが大きくなり、該入口近傍で逆流が発生し難くなる。また、絞り部材の後流での剥離の発生が抑制される。更に、導入管路におけるインペラへの入口近傍で逆流が生じても、該逆流を絞り部材によりせき止めることにより、該入口より上流まで逆流が及ぶことが抑制される。このため、従来の圧縮機よりも小流量域で、圧縮機効率を維持した運転が可能となる。
導入管路から流入する流体の流量が多い大流量の条件では、駆動機構により、絞り部材をインペラから離す。これにより、導入管路におけるインペラへの入口での流路面積が拡大する。したがって、大流量域での圧縮機効率が維持される。
第2の態様は、第1の態様に係る圧縮機において、前記駆動機構が、前記絞り部材の位置を前記インペラの軸方向に変化させる。
この圧縮機では、駆動機構により、絞り部材の位置が、流体の流量に応じて、導入管路におけるインペラへの入口と導入管路から外れた退避位置との間で、インペラの軸方向に変化する。絞り部材の移動方向が直線的であるので、駆動機構の構成が簡易化される。
第3の態様は、第1又は第2の態様に係る圧縮機において、前記入口の流路面積をA1とし、前記絞り部材の流路面積をAthとすると、0.3≦Ath/A1≦0.8である。
ここで、インペラの入口の流路面積A1に対する、絞り部材の流路面積Athの割合(Ath/A1)が、数値範囲の下限を下回ると、流量が絞られ過ぎるため、圧縮機の運転が難しくなる。また、数値範囲の上限を上回ると、絞り部材による流体の増速作用が少なくなるので、サージングの抑制効果が低減する。
この圧縮機では、Ath/A1を適切に設定しているので、従来の圧縮機よりも小流量域において、より良好な圧縮機効率を維持した運転が可能となる。
第4の態様は、第1〜第3の態様の何れか1態様に係る圧縮機を制御する方法であって、前記圧縮機が吸入する空気流量と、大気圧と、前記圧縮機の出口圧力を測定し、「出口圧力/大気圧」の式で求められる圧力比を計算する第1のステップと、前記空気流量及び前記圧力比の組合せが、予め用意された圧縮機性能マップの所定領域に入っているかどうかを判断する第2のステップと、前記第2のステップでの判定が真のとき、絞り部材を前記導入管路における前記インペラへの入口に配置する第3のステップと、前記第2のステップでの判定が偽のとき、前記絞り部材を前記インペラから遠方へ移動させる第4のステップと、を有する。
この制御方法では、空気流量及び圧力比の組合せが圧縮機性能マップの所定領域に入っているかどうかにより絞り部材の位置を制御するので、使用される全流量域において圧縮機効率を高めることができる。
第1の態様に係る圧縮機によれば、簡易な構成でサージングの発生を抑制できるようにし、圧縮機が作動する流量範囲を拡大させることができる。
第2の態様に係る圧縮機によれば、圧縮機の構成をより簡易化することができる。
第3の態様に係る圧縮機によれば、小流量の条件における圧縮機効率を、より良好に維持することができる。
第4の態様に係る圧縮機の制御方法によれば、使用される全流量域において圧縮機効率を高めることができる。
(A)は、第1実施形態に係る圧縮機において、絞り部材が導入管路におけるインペラへの入口に配置された状態を示す断面図である。(B)は、絞り部材を示す、図1(A)におけるA−A矢視断面図である。 第1実施形態に係る圧縮機において、絞り部材が導入管路から外れた退避位置に配置された状態を示す断面図である。 絞り部材により逆流の発生が抑制されると共に、インペラへの入口より上流まで逆流が及ぶことが抑制される状態を示す図である。 試験例において、小流量時と大流量時における、空気流量と圧力比との関係を示す線図である。 試験例において、小流量時と大流量時における、空気流量と圧縮機効率との関係を示す線図である。 制御に用いられる圧縮機性能マップを示す線図である。 制御方法の一例を示すフロー図である。 (A)は、第2実施形態に係る圧縮機を示す断面図である。 (A)は、第3実施形態に係る圧縮機を示す断面図である。(B)は、駆動機構を示す、図9(A)における9B−9B矢視断面図である。 (A)は、第4実施形態に係る圧縮機を示す断面図である。(B)は、駆動機構を示す、図10(A)における10B−10B矢視断面図である。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づき説明する。
[第1実施形態]
図1(A)、図2において、本実施形態に係る圧縮機10は、例えばエンジン(図示せず)の吸気通路の途中に配置される遠心圧縮機である。この圧縮機10は、インペラ12と、絞り部材14と、駆動機構16とを有している。
インペラ12は、軸回りに回転し、導入管路18を通じて軸方向から流入する流体(例えば空気)を圧縮して径方向に流す羽根車であり、回転軸部26と、複数のインペラ翼28とを有している。回転軸部26は、回転軸24の軸方向の一端側の部分に固定されている。回転軸24は、図示しない軸受により回動自在に支持されている。
インペラ翼28は、軸方向から見て(図示せず)、回転軸部26から湾曲しながら径方向の外側へ延出している。そして、各々のインペラ翼28は、先端縁28Aと、湾曲縁28Bと、基端縁28Cとを有している。先端縁28Aは、軸方向の外側(導入管路18側)の部分で径方向へ延びている。湾曲縁28Bは、先端縁28Aの径方向の外側の端部に接続されて、湾曲しながら軸方向の内側に延びている。基端縁28Cは、湾曲縁28Bの端部に接続されて、軸方向に延びている。圧縮機10では、インペラ12を回転させることにより、インペラ翼28の先端縁28Aから流入する空気を圧縮し、圧縮した空気(圧縮空気)をインペラ翼28の基端縁28Cから径方向の外側に流すようになっている。
導入管路18は、吸気通路のうち、インペラ12の上流の部分であり、例えば吸気管22と、ハウジング34のシュラウド36とを含んで構成されている。吸気管22は、例えば弧状に屈曲しており、下流側の末端22Aがハウジング34におけるシュラウド36の開口端38に接続されている。吸気管22において、インペラ12の軸方向外側の延長上には、絞り部材14が退避するための例えば筒状の凹部42が形成されている。
ハウジング34は、インペラ12に流入する空気が流れるシュラウド36と、インペラ12によって圧縮された圧縮空気が流れる拡散流路44(所謂ディフューザ流路)と、吸気通路の下流側に圧縮空気を排出する渦巻き流路46とを有している。また、ハウジング34は、インペラ12を収容する収容部48を有している。
シュラウド36は、ハウジング34において、インペラ12を覆うと共に、該インペラ12の軸方向外側に延びている。シュラウド36の内面には、開口端38からインペラ12側に向かって縮径するテーパ部36Aが形成されている。また、シュラウド36の内面におけるテーパ部36Aよりインペラ12側には、該インペラ12への入口36Bが形成されている。入口36Bの内径D1s(図2)は、例えば一定とされている。
拡散流路44は、軸方向から見て、インペラ12を囲むように形成されている(図示せず)。拡散流路44には、回転するインペラ12によって圧縮され、インペラ翼28の基端縁28Cから径方向の外側へ流された圧縮空気が流れるようになっている。
渦巻き流路46は、軸方向から見て、拡散流路44を囲むように渦巻き状に形成されている。渦巻き流路46の流路断面は、おおむね円形とされている。渦巻き流路46の一端には、圧縮空気を吸気通路の下流側に排出するための排出口が形成されている(図示せず)。拡散流路44を通過した圧縮空気は、渦巻き流路46を通じて、エンジンの吸気通路における下流側に排出されるようになっている。
図1(A)、(B)、図2において、絞り部材14は、内径が縮径した筒状部材である。絞り部材14の内径は、インペラ12に近づくにしたがって、次第に小さくなるように形成されている。絞り部材14の外径は一定であるので、絞り部材14の厚みは、インペラ12側で最も大きくなっている。絞り部材14の内側には、例えば1枚の板状体50が取り付けられている。この板状体50は、絞り部材14の軸方向に平行に配置されると共に、該絞り部材14の直径方向に延びており、両端が絞り部材14の内面に固定されている。
絞り部材14の中心には、インペラ12の回転軸部26に対する整流部材52が設けられている。この整流部材52は、板状体50に固定されている。また、整流部材52の外観は流線形とされている。整流部材52におけるインペラ12側の端部の外径は、インペラ12の回転軸部26の外径と同等である。
整流部材52には、支柱54の一端が取り付けられている。この支柱54は、整流部材52から、例えばインペラ12の軸方向外側に直線状に延びている。支柱54の他端は、凹部42の底部を貫通し、後述するアクチュエータ56に挿通されている。支柱54の外周には、雄ねじが形成されている。
絞り部材14の流路面積Athは、導入管路18におけるインペラ12への入口36Bの流路面積A1より小さく設定されている。絞り部材14の流路面積Athの割合(Ath/A1)は、例えば、0.3≦Ath/A1≦0.8である。ここで、Ath/A1が数値範囲の下限を下回ると、流量が絞られ過ぎるため圧縮機の運転が難しくなる。また、数値範囲の上限を上回ると、絞り部材14による流体の増速作用が少なくなるので、サージングの抑制効果が低減する。
流路面積Athは、絞り部材14の最小内径部での流路面積であり、該最小内径部の内径Dth(図2)から算出される円の面積から、板状体50及び整流部材52の投影面積を除いたものである。流路面積A1は、入口36Bの内径D1sから算出される。
絞り部材14の位置は、入口36B(図1(A))と、導入管路18から外れた退避位置(図2)との間で変化する。退避位置とは、絞り部材14が導入管路18にはみ出すことなく、凹部42に完全に収容される位置である。
駆動機構16は、絞り部材14の位置を、例えばインペラ12の軸方向に変化させる機構である。この駆動機構16は、上記した支柱54及びアクチュエータ56を有して構成されている。アクチュエータ56は、例えば電動モータであり、吸気管22における凹部42の底部の裏面側に設けられている。アクチュエータ56の中心部には、回転子(図示せず)が設けられ、該回転子の中心にナット58が配置されている。ナット58の内周には雌ねじが形成されており、該雌ねじが支柱54の雄ねじと螺合している。アクチュエータ56を作動させてナット58を回転させると、ねじの作用により支柱54がその軸方向に移動し、それに伴い絞り部材14の位置が変化するようになっている。
(作用)
本実施形態は、上記のように構成されており、以下その作用について説明する。図2、図3において、本実施形態に係る圧縮機10では、駆動機構16によって、絞り部材14の位置を、導入管路18におけるインペラ12への入口36Bと導入管路18から外れた退避位置(凹部42)との間で、インペラ12の軸方向に変化させることができる。具体的には、アクチュエータ56を作動させてナット58(図2)を回転させると、支柱54がねじの作用によりその軸方向に移動し、絞り部材14の位置が変化する。絞り部材14の移動方向は直線的であるので、駆動機構16の構成が簡易化することができる。
図1(A)において、導入管路18から流入する空気の流量が少ない小流量の条件では、駆動機構16により、絞り部材14を導入管路18におけるインペラ12への入口36Bに配置することにより、該入口36Bでの流路面積を絞る。これにより、図3に示されるように、インペラ12に流入する空気の速度が増加するため、空気が持つ主流方向の運動エネルギが大きくなり、該入口36B近傍で逆流が発生し難くなる。
また、導入管路18におけるインペラ12への入口36B近傍で逆流60が生じても、該逆流60を絞り部材14によりせき止めることにより、該入口36Bより上流まで逆流が及ぶことが抑制される。絞り部材14の厚みは、インペラ12側で最も大きくなっているので、逆流60をせき止め易い。このため、従来の圧縮機よりも小流量域で、圧縮機効率を維持した運転が可能となる。
更に、特許文献1に記載の従来例では、環状部材の後流で剥離が生じることで大きな圧力損失が発生するが、本実施形態では絞り部材14の後流で剥離が比較的生じ難いことから、圧縮機効率の点で有利である。
図2において、導入管路18から流入する流体の流量が多い大流量の条件では、駆動機構16により、絞り部材14をインペラ12から離す。これにより、導入管路18におけるインペラ12への入口36Bでの流路面積が拡大する。したがって、大流量域での圧縮機効率が維持される。またこのとき、絞り部材14が導入管路18から外れた退避位置(凹部42)に配置されているので、絞り部材14の後流での剥離の発生が抑制される。
このように、本実施形態によれば、簡易な構成でサージングの発生を抑制できるようにし、圧縮機が作動する流量範囲を拡大させることができる。また、小流量の条件及び大流量の条件における圧縮機効率を、より良好に維持することができる。更に、入口36Bの流路面積A1に対する絞り部材14の流路面積Athの比率、つまりAth/A1を適切に設定しているので、従来の圧縮機よりも小流量域において、より良好な圧縮機効率を維持した運転が可能となる。
(試験例)
ここで、図4、図5に、小流量時と大流量時における試験結果の一例を示す。□印は小流量時を示し、+印は大流量時を示している。
図4は、空気流量と圧力比との関係を示す線図である。線G1は、絞り部材14を入口36Bに配置した状態において、インペラ12の回転速度を一定にし、圧縮機10に吸入される空気流量を変えた場合を示している。空気流量を徐々に小さくして行くと、点g1でサージングが発生する。つまり、線G1の条件においては、点g1での空気流量がサージング限界流量となる。
これに対し、線J1は、絞り部材14をインペラ12から十分に離した位置、例えば退避位置(凹部42)に配置した状態において、インペラ12の回転速度を線G1の場合と同様にし、圧縮機10に吸入される空気流量を変えた場合を示している。空気流量を徐々に小さくして行くと、点j1でサージングが発生する。つまり、線J1の条件においては、点j1での空気流量がサージング限界流量となる。
インペラ12の他の回転数においても、同様に試験を行った。線G2,G3,G4は、インペラ12の回転速度を、線G1の場合の回転速度に対して順に大きくした場合を示している。線J2,J3,J4は、インペラ12の回転速度を、線J1の場合の回転速度に対して順に大きくした場合を示している。
線H1は小流量時のサージング限界流量を示す点g1,g2,g3,g4を結んだサージング限界線である。また、線H2は大流量時のサージング限界流量を示す点j1,j2,j3,j4を結んだサージング限界線である。線H1,H2を比較すると、線H1が線H2に対して空気流量が小さい側に位置している。つまり、絞り部材14を全圧力比域にわたって、サージング限界流量が低減されている。したがって、小流量時でも、圧力比を高めて圧縮機10を運転することができる。換言すれば、圧縮機10の運転領域を、低流量側に拡大させることができる。またこれは、エンジンの低速トルクの向上にも寄与する。
図5は、小流量時と大流量時における、空気流量と圧縮機効率との関係を示す線図である。□印(線E1)は小流量時を示し、+印(線E2)は大流量時を示している。線E1により、小流量時でも圧縮機効率を高めることが可能であることがわかる。
なお、図4、図5に示される大流量時の特性は、本実施形態における絞り部材14の構造を有しない従来の圧縮機(図示せず)でも同様になることが想定される。
(制御方法)
次に、図6、図7において、本実施形態の制御方法の一例について説明する。図6は、制御に用いられる圧縮機性能マップであり、例えば図4の線図を元に作成される。したがって、図6中の符号は図4と同様である。図7は制御方法を示すフロー図である。エンジンの作動中において、この制御方法により、圧縮機10の制御が常時行われる。
図7に示されるように、第1のステップS1においては、エアフロメータ62の測定値に基づき、圧縮機10が吸入する空気流量を計算する。また、大気圧センサ64により大気圧を測定し、過給圧センサ66により圧縮機10の出口圧力を測定する。そして、大気圧及び出口圧力を元に、圧力比を計算する。ここで、圧力比は、「出口圧力/大気圧」の式で求められる。
次に、第2のステップS2において、算出された空気流量と圧力比とが交わる点が、図6の圧縮機性能マップにおける領域Aに入っているかどうかを判断する。判定が真(Yes)のとき、第3のステップS3において、絞り部材14を導入管路18におけるインペラ12の近傍(インペラ12への入口36B)に配置する(図1参照)。判定が偽(No)のときには、第4のステップS4において、絞り部材14をインペラ12から遠方へ移動させる(図2参照)。なお、絞り部材14をインペラ12から遠方へ移動させるのは、空気流量と圧力比とが交わる点が、領域Aより紙面右方向(空気流量が大きい方向)に外れている場合である。
絞り部材14がインペラ12の近傍にある状態で、空気流量と圧力比とが交わる点が領域Aの紙面左方向(空気流量が小さい方向)に外れた場合は、絞り部材14の位置を変化させなくてよい。空気流量と圧力比とが交わる点が再び領域Aに入ったときに、絞り部材14の効果が直ちに発揮されるようにするためである。
図6の領域Aは、主に、小流量時のサージング限界流量を示す線H1と、大流量時のサージング限界流量を示す線H2との間の領域である。図示の例では、領域Aが、線H2より紙面右側(空気流量が大きい側)の領域まで含んでいるが、この領域を含まないようにしてもよい。また、領域Aは線H1を含んでいないが、線H1を含むようにしてもよい。
この制御方法によれば、圧縮機10が使用される全流量域において圧縮機効率を高めることができる。
[第2実施形態]
図8において、本実施形態に係る圧縮機20は、駆動機構68を有している。この駆動機構68は、第1実施形態の駆動機構16とは異なっており、アクチュエータ70によりプシュプル型のケーブル74の巻取り及び繰出しを行い、伸縮式のロッド72を例えばインペラ12の軸方向に伸縮させるようになっている。
絞り部材14は、ロッド72の先端部に固定されている。この先端部の内側には、ケーブル74の先端が接続されている。ケーブル74は、アクチュエータ70から延び出し、ガイド75により案内されてロッド72の内側に入り、該ロッド72の先端部に至っている。
この駆動機構68によれば、アクチュエータ70によってケーブル74の巻取り及び繰出しを行うことにより、ロッド72を伸縮させて、絞り部材14の位置を変化させることができる。
他の部分については、第1実施形態と同様であるので、同一の部分には図面に同一の符号を付し、説明を省略する。
[第3実施形態]
図9(A)、(B)において、本実施形態に係る圧縮機30は、駆動機構76を有している。この駆動機構76は、リニアモータ78により絞り部材14の位置を変化させるようになっている。このリニアモータ78は、例えば一対設けられ、インペラ12の軸方向に沿って、吸気管22の凹部42からハウジング34におけるシュラウド36の内側へ延びている。
絞り部材14には、例えば1枚の板状の支柱80が取り付けられている。この支柱80の面方向は、絞り部材14の軸方向に平行とされている。絞り部材14の中心において、支柱80には整流部材52が固定されている。支柱80は、絞り部材14の直径方向外側まで突出しており、両端が両側のリニアモータ78にそれぞれ支持されている。
この駆動機構76によれば、リニアモータ78によって絞り部材14の位置を変化させることができる。また、第1実施形態や第2実施形態よりも構成が簡素となる。
他の部分については、第1実施形態と同様であるので、同一の部分には図面に同一の符号を付し、説明を省略する。
[第4実施形態]
図10(A)、(B)において、本実施形態に係る圧縮機40は、駆動機構82を有している。この駆動機構82は、アクチュエータ84により送りねじ86を回転させることにより、絞り部材14の位置を変化させるようになっている。アクチュエータ84は、例えば電動モータであり、吸気管22における凹部42の底部の裏面側に設けられている。アクチュエータ84の駆動力は、送りねじ86に伝達されるようになっている。送りねじ86は、インペラ12の軸方向に沿って、吸気管22の凹部42からハウジング34におけるシュラウド36の内側へ延びている。
絞り部材14の支柱80の両端は、ガイド88によりそれぞれ摺動可能に支持されている。支柱80には、送りねじ86と螺合するナット90が取り付けられている。ガイド88は、例えば一対設けられ、インペラ12の軸方向に沿って、吸気管22の凹部42からハウジング34におけるシュラウド36の内側へ延びている。
この駆動機構82では、アクチュエータ84を作動させると、その駆動力が送りねじ86に伝達され、該送りねじ86が回転する。送りねじ86は、絞り部材14に設けられたナット90に螺合しているので、送りねじ86が回転すると、絞り部材14がガイド88により案内されてインペラ12の軸方向に移動する。これにより、絞り部材14の位置を変化させることができる。
他の部分については、第1実施形態又は第3実施形態と同様であるので、同一の部分には図面に同一の符号を付し、説明を省略する。
[他の実施形態]
以上、本発明の実施形態の一例について説明したが、本発明の実施形態は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
圧縮機10,20,30,40は、遠心圧縮機に限られず、軸流型の圧縮機であってもよい。また、圧縮機10,20,30,40の駆動源は排気タービンに限られず、電動機やエンジン等であってもよい。更に、流体が空気であるものとしたが、他の種類の気体や液体であってもよい。
絞り部材14が配置される位置として、導入管路18におけるインペラ12への入口36Bと、退避位置(凹部42)とを挙げたが、絞り部材14がこれらの中間的な位置に配置されてもよい。
駆動機構16による絞り部材14の移動方向が、インペラ12の軸方向であるものとしたが、移動方向は該軸方向に対して傾斜していてもよい。また、駆動機構16による絞り部材14の移動方向が直線的であるものとしたが、絞り部材14の位置の変化は円運動によるものであってもよい。
絞り部材14の内径は、インペラ12に近づくにしたがって、次第に小さくなるように形成されるものとしたが、ベンチュリのように、内径が最も小さい部位を絞り部材14の軸方向の中間部に設けてもよい。
10 圧縮機
12 インペラ
14 絞り部材
16 駆動機構
18 導入管路
20 圧縮機
30 圧縮機
36B 入口
40 圧縮機
42 凹部(退避位置)
68 駆動機構
76 駆動機構
82 駆動機構
A1 インペラへの入口の流路面積
Ath 絞り部材の流路面積
S1 第1のステップ
S2 第2のステップ
S3 第3のステップ
S4 第4のステップ

Claims (4)

  1. 軸回りに回転し、導入管路を通じて軸方向から流入する流体を圧縮して径方向に流すインペラと、
    前記導入管路における前記インペラへの入口の流路面積より流路面積が小さく形成された絞り部材と、
    前記絞り部材の位置を、前記入口と、前記導入管路から外れた退避位置との間で変化させる駆動機構と、
    を有する圧縮機。
  2. 前記駆動機構は、前記絞り部材の位置を前記インペラの軸方向に変化させる請求項1に記載の圧縮機。
  3. 前記入口の流路面積をA1とし、前記絞り部材の流路面積をAthとすると、
    0.3≦Ath/A1≦0.8である請求項1又は請求項2に記載の圧縮機。
  4. 請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の圧縮機を制御する方法であって、
    前記圧縮機が吸入する空気流量と、大気圧と、前記圧縮機の出口圧力を測定し、「出口圧力/大気圧」の式で求められる圧力比を計算する第1のステップと、
    前記空気流量及び前記圧力比の組合せが、予め用意された圧縮機性能マップの所定領域に入っているかどうかを判断する第2のステップと、
    前記第2のステップでの判定が真のとき、絞り部材を前記導入管路における前記インペラへの入口に配置する第3のステップと、
    前記第2のステップでの判定が偽のとき、前記絞り部材を前記インペラから遠方へ移動させる第4のステップと、
    を有する圧縮機の制御方法。
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