JP2018130837A - 多層フィルムロール、および多層フィルムロールを製造する方法 - Google Patents

多層フィルムロール、および多層フィルムロールを製造する方法 Download PDF

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俊介 市村
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Abstract

【課題】良好なフレキシブル電子デバイスを得るための高分子フィルム基材を仮固定した積層板を得る。【解決手段】円柱状の巻き芯に、幅500mmを越える幅を有し、厚さが12μm以上、190μm以下の高分子フィルム基材層、厚さが5μm以上、200μm以下であり、厚さ斑が20%以下であり、有機溶剤を20質量%以上、35質量%以下の割合で有機溶剤を含む、好ましくは還元粘度が0.5dL/g以上、5.0dL/g以下であるポリイミド前駆体層、厚さが5μm以上、130μm以下のセパレーターフィルム層を順次積層した多層フィルムを、長さが50m以上巻き取って多層フィルムロールを得る。得られた多層フィルムロールからポリイミド前駆体フィルムを引き出してガラスなどにラミすることにより、積層板を得る。【選択図】なし

Description

本発明は、フレキシブルなポリイミドフィルムをリジッドな仮支持用無機基板に仮固定し積層体として、次いでポリイミドフィルム上に各種電子デバイス、もしくは機能性薄膜を形成した後に、ポリイミドフィルムを電子デバイス部、もしくは機能性薄膜ごと剥離して、フレキシブル電子デバイス、もしくは機能性薄膜を得る製造技術、該積層体、および該積層体を得るためのポリイミド前駆体ロールに関する。
情報通信機器(放送機器、移動体無線、携帯通信機器等)、レーダー、高速情報処理装置等における電子部品として、半導体素子、MEMS素子、ディスプレイ素子などの機能素子(デバイス)が用いられるが、これらは従来、ガラス、シリコンウエハ、セラミック基材等の無機基板上にて形成ないし搭載されるのが一般的であった。しかし、近年、電子部品の軽量化、小型・薄型化、フレキシビリティ化が求められるなか、高分子フィルム基板上に各種機能素子を形成する試みがなされている。
さらに、近年、高機能化する携帯電話やディスプレイ機器で使用される旧来のガラス基板に変わって用いられる透明高分子フィルム基板への関心も高まっている。
各種機能素子を高分子フィルム表面に形成するにあたっては、高分子フィルムの特性であるフレキシビリティを利用した、いわゆるロール・トゥ・ロールプロセスにて加工することが理想とされる。しかしながら、半導体産業、MEMS産業、ディスプレイ産業等の業界においては、これまでウエハベースまたはガラス基板ベース等のリジッドな平面基板を対象としたプロセス技術が主流であった。そこで、既存インフラを利用して各種機能素子を高分子フィルム表面に形成するために、高分子フィルムを無機物(ガラス板、セラミック板、シリコンウエハ、金属板など)からなるリジッドな支持体に貼り合わせておき、所望の素子を形成した後に支持体から剥離するというプロセスが考案された。
一般に機能素子を形成する工程においては、比較的高温が用いられることが多い。例えば、ポリシリコンや酸化物半導体などの機能素子の形成においては200〜500℃程度の温度域が用いられる。低温ポリシリコン薄膜トランジスタの作製においては脱水素化のために450℃程度の加熱が必要になる場合がある。水素化アモルファスシリコン薄膜の作製においても200〜300℃程度の温度域が必要になる。ここに例示した温度域は、無機材料にとってはさほど高い温度ではないが、高分子フィルムや、一般に高分子フィルムの貼り合わせに利用される接着剤にとっては、相当に高い温度であると云わざるを得ない。先に述べた高分子フィルムを無機基板に貼り合わせ、機能素子形成後に剥離するという手法に於いて、用いられる高分子フィルムや貼り合わせに用いられる接着剤、粘着剤にも十分な耐熱性が求められる所以であるが、現実問題としてかかる高温域にて実用に耐える高分子フィルムは限られている。また、従来の貼り合わせ用接着剤、粘着剤に至っては十分な耐熱性を有したものが得られていない。
一般に、高分子フィルムを無機基板に仮貼り付けする耐熱接着手段が得られないため、かかる用途においては、無機基板上に高分子フィルムの溶液、ないし前駆体溶液を塗布して無機基板上で乾燥・硬化させてフィルム化して当該用途に使用する、所謂ワニス法ないしCoat−debond法と呼ばれる技術が知られている。
例えば特許文献1には、ガラス基板にポリイミド層を塗布した後、加熱処理により硬化させて形成し、その上に薄膜アクティブ素子を形成し、ガラス基板から剥離するフレキシブルなアクティブマトリクス層の製造方法が開示されている。しかしながら、かかる手段により得られる高分子膜は、限られた面積に前駆体溶液を塗布しなければならない制約上、厚膜を得ることが難しく、また膜厚斑が大きく、中央から端部まで均質な厚さを有するフィルムを得る事が極めて難しい。また、本手法で得られるフィルムは脆く裂けやすいため、無機基板から剥離する際に機能素子を破壊してしまう場合が多い。特に大面積のデバイスを剥離することは極めて難度が高く、およそ工業的に成り立つ歩留まりを得ることはできない。
本発明者らは、このような事情に鑑み、機能素子を形成するための高分子フィルムと支持体との積層体として、耐熱性に優れ強靭で薄膜化が可能なポリイミドフィルムを、カップリング剤を介して無機物からなる支持体(無機層)に貼り合わせてなる積層体を提案した(特許文献2〜4)。これら特許文献2〜4に記載された積層体を用いれば、所謂接着剤、粘着剤的な要素を用いることなく、高分子フィルムと無機基板との貼り合わせが可能となり、さらにその積層体は薄膜デバイスを製作するに必要な高温に暴露されても、高分子フィルムの剥離は生じない。従って当該積層体を、従来のガラス板やシリコンウエハなどの無機物の基板上に直接電子デバイスを形成するプロセスに、供することにより、高分子フィルム上に電子デバイスを製作することが可能であり、高分子フィルムを無機基板から剥離することによりフレキシブルな電子デバイスの実現が可能となった。
しかしながら、かかる技術は、以下に示すような工業生産上の課題が残るものであった。
特に高精細な電子デバイスの製作を行う場合には、収率が課題となる。高分子フィルムと無機基板間に異物が混入した場合、異物上、およびその周辺においては、異物を支柱と見立てたテント状の構造が生じる。これは高分子フィルムと無機基板の間に空隙を生じ、部分的に接着していない箇所を生じさせることになる。かかる空隙に閉じこめられた気体は、加熱環境下や減圧環境下において膨らもうとするため、膨れ欠陥(ブリスタートも云う)の原因となる。また、空隙部分は接着していない訳であるから、巨視的に接着強度を捉えた場合には、接着強度の変動が大となる。
異物が存在する近傍は、高分子フィルム自体が盛り上がった状態となり、特にフォトリソグラフを用いるパターン形成や、マイクロコンタクト印刷のような高精細なパターン形成の際に、阻害要因となり、良好な電子デバイス形成が行えない場合が生じる。
かかる異物は、無機基板表面と高分子フィルム表面の清浄化と、作業環境のクリーン化により減ずることが可能である。しかしながら、高クリーン度の環境下での作業は設備に多大なる費用を要し、作業員の出入り、資材の搬入についても大きな制限が必要となる。電子回路素子のような、比較的小さい面積のデバイスであれば、加工装置サイズも小さくすることが可能であり、また欠点が生じたとしても欠点部分を避けて使用することができ、実用上十分な収率が望めるが、ディスプレイのような大面積デバイスの場合には、収率が極めて低くなるであろう事が推察される。
本発明者らは前記課題を解決するために、ワニス法とフィルムを直接貼りつける手法との短所を解決し、無機基板上に、耐熱性とフレキシブル性を備え、フレキシブル電子デバイスの基材として有用なポリイミドフィルム層を、欠点無く形成することを可能ならしめるポリイミド前駆体フィルム層/無機基板積層体を提案した(特許文献5,6)。
特開2001−356370号公報 特開2010−283262号公報 特開2011−11455号公報 特開2011−245675号公報 特開2015−202674号公報 特開2015−202675号公報
上述した特許文献5,6に記載のポリイミド前駆体フィルムは柔軟性があり、また適度に塑性変形も可能であるため、ポリイミド前駆体フィルムと無機基板との間に異物が介在した場合においても、欠点とならないように積層中間体を作製することが可能となるものの、柔軟なポリイミド前駆体フィルムそのものの巻き取り、巻き出し時の取り扱い性や傷、異物からの保護などについての課題が残されるものであった。
本発明者らは前記課題を解決するために鋭意検討した結果、ポリイミド前駆体フィルムの取り扱い性を向上させ、無機基板上に、耐熱性とフレキシブル性を備え、フレキシブル電子デバイス、もしくは機能性薄膜の基材として有用なポリイミドフィルム層を、欠点無く形成することを可能ならしめるポリイミド前駆体ロールの発明に到達した。
すなわち本発明は以下の構成からなる。
[1] 円柱状の巻き芯に、幅500mmを越える幅を有し、かつ長さが50m以上の多層フィルムがロール状に巻き取られた多層フィルムロールであって、
前記多層フィルムが、
厚さが12μm以上、190μm以下の高分子フィルム基材層、
厚さが5μm以上、200μm以下であり、厚さ斑が20%以下であり、有機溶剤を20質量%以上、35質量%以下の割合で有機溶剤を含むポリイミド前駆体層、
厚さが5μm以上、130μm以下のセパレーターフィルム層、
が順次積層された構造を有することを特長とする多層フィルムロール。
[2] 前記ポリイミド前駆体の還元粘度が0.5dL/g以上、5.0dL/g以下である事を特長とする[1]に記載の多層フィルムロール。
[3] 前記高分子フィルム基材層の厚さ斑の絶対値が10μm以下であることを特長とする[1]または[2]に記載の多層フィルムロール。
[4] 前記セパレーターフィルム層の厚さ斑の絶対値が10μm以下である事を特長とする[1]から[3]のいずれかに記載の多層フィルムロール。
[5] 前記円柱状の巻き芯の内径の真円度が99.87%以上であり、外径の真円度が99.87%以上であることを特長とする[1]から[4]のいずれかに記載の多層フィルムロール。
[6] 内径の真円度が99.87%以上であり、外径の真円度が99.87%以上である巻き芯を、偏心が200μm以下となるように装着された巻き芯を用い、
厚さが12μm以上、190μm以下であり厚さ斑の絶対値が10μm以下である高分子フィルム基材に、ポリイミド前駆体の有機溶剤溶液を塗布し、有機溶剤の含有量がポリイミド前駆体と有機溶剤の総和に対して20質量%以上、35質量%以下の範囲となるように乾燥し、
さらに厚さが5μm以上、130μm以下であり厚さ斑の絶対値が10μm以下であるセパレーターフィルムを前記ポリイミド前駆体と溶剤を含む層に重ねて巻き取ることを特長とする請求項[1]から[5]のいずれかに記載の多層フィルムロールを製造する方法。
さらに本発明では以下の構成を有する事が好ましい。
[7] [1]から[5]のいずれかに記載の多層フィルムロールより巻き出したポリイミド前駆体を含む層を、あらかじめ有機化処理されている無機基板に積層してポリイミド前駆体フィルム層/無機基板積層体を得る方法。
[8] [7]に記載の方法で得られたポリイミド前駆体フィルム層/無機基板積層体を加熱処理してポリイミド前駆体フィルムをポリイミドフィルムに転化し、ポリイミドフィルム/無機基板積層体を得る方法。
[9] [8]に記載の方法で得られたポリイミドフィルム/無機基板積層体のポリイミドフィルム面に機能性薄膜ないし電子デバイスを形成し、機能化ポリイミドフィルム層/無機基板積層体を得る方法。
[10] [9]に記載の方法で得られた機能化ポリイミドフィルム層/無機基板積層体から、機能かポリイミドフィルム層を剥離することを特長とする機能化ポリイミドフィルムの製法。
[11] 加熱処理によりポリイミドフィルムの400nmの光透過率が70%以上、HAZEが1.5%以下、黄色度が5.0以下である事を特長とする[1]から[5]に記載の多層フィルムロール、「6」から[10]に記載の方法。
先に述べたように、ポリイミド前駆体フィルムは柔軟性があり、また適度に塑性変形も可能であるため、ポリイミド前駆体フィルムと無機基板との間に異物が介在した場合においても、欠点とならないように積層中間体を作製することが可能となるものの、その柔軟性ゆえポリイミド前駆体フィルムの巻き取り、巻き出し時の取り扱い性や傷、異物からの保護には課題が残っていた。
本発明によれば、高分子フィルム基材上に形成されたポリイミド前駆体フィルムをセパレーターフィルムと共に巻き上げることで、傷や異物等から保護されたポリイミド前駆体フィルムロールを得ることができる。さらに、該ポリイミド前駆体フィルムを用いることで、表面に傷や異物の少ない品位の良いポリイミド前駆体フィルム層/無機基板積層体、および機能化ポリイミドフィルム層/無機基板積層体を得ることが可能となる。該機能化ポリイミドフィルム層/無機基板積層体から剥離されることで得られるフレキシブル電子デバイス又は機能性薄膜は各種ディスプレイ等の電子デバイス・光デバイスに好適であり、該ポリイミドフィルム層が透明である場合には、シースルー型のディスプレイ等への使用も可能となる。
本発明のポリイミド前駆体フィルムロールは、高分子フィルム基材とその表面に形成されたポリイミド前駆体フィルムからなるポリイミド前駆体フィルム層/高分子フィルム基材積層体とセパレーターフィルム層から構成される。
本発明におけるポリイミド前駆体フィルムとは、概ね半固体状である程度の弾性変形と塑性変形が可能な状態のポリイミド前駆体からなるフィルム層を意味する。かかるフィルム層は有機溶剤を含有する場合が多いが、本発明では便宜上、ポリイミド前駆体と有機溶剤を含む層をポリイミド前駆体フィルム、ないしポリイミド前駆体フィルム層と呼ぶ。本発明のポリイミド前駆体フィルム層は、高粘度の液体、あるいは極めて柔らかい固体、ないしスラリー、ゲル、ゾル、等と呼ばれる固液複合体などいずれの状態でも良いが、少なくとも自重で流れ出すような状態ではなく、前記セパレーターフィルムとともに巻き取ることができる程度の自己支持性を有する物である。
ポリイミド前駆体には、乾燥固化することによりポリイミドフィルム層となる様なポリイミドの高濃度溶液のような物理的前駆体が含まれる。また、前駆体には、残り1ないし数段階の化学反応を経て最終的なポリイミドとなるポリアミド酸のような化学的前駆体も含まれる。
本発明におけるポリイミド前駆体の還元粘度は、好ましくは0.5dL/g以上、5.0dL/g以下であり、さらに好ましくは0.8dL/g以上、4.2dL/g以下であり、なおさらに好ましくはさらに好ましくは1.2dL/g以上、3.8dL/g以下である。還元粘度が所定の範囲を超えると、前駆体溶液の粘度が高くなりすぎて、送液や塗布時に過負荷となる。一方で還元粘度が所定の範囲に満たない場合には、得られる最終フィルムの靱性が低下する場合がある。
本発明におけるポリイミドフィルム層を形成するポリイミド樹脂としては、前駆体状態でフィルムを形成できるポリイミド樹脂であるなら、特に限定はされない。ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド、芳香族ポリイミド、脂環族ポリイミド、フッ素化ポリイミド等を用いることが出来る。
本発明のポリイミド前駆体フィルム層には、主成分となる高分子前駆体の他、溶剤、ゲル化剤、増粘剤、フィラー、などを必要に応じて適宜配合できる。
本発明のポリイミド前駆体フィルム層の厚さは5μm以上であり、11μm以上が好ましく、19μm以上がなお好ましい。ポリイミド前駆体フィルム層の厚さの上限は特に制限されないが、フレキシブル電子デバイスとしての要求より200μm以下であることが好ましく、さらに180μm以下、なおさらには160μm以下が好ましい。
本発明のポリイミド前駆体フィルム層は、該ポリイミド前駆体を溶解することが可能な有機溶媒を20wt%以上含むことが好ましく、22wt%以上含むことがより好ましい。有機溶媒含有量が20wt%未満である場合にはポリイミド前駆体フィルム層と基材である高分子フィルムの密着性が強まり容易に剥離することが困難となる。ポリイミド前駆体フィルムの有機溶媒含有量の上限は35wt%以下であることが好ましく、さらに33wt%以下であることがより好ましく、なおさらには30wt%以下である事が好ましい。有機溶媒含有量が35wt%を超える場合には、ポリイミド前駆体フィルムの自己支持性が低下するため、取り扱いが困難となる。
ポリイミド前駆体フィルム層に含まれる有機溶媒は該ポリイミド前駆体を溶解することが可能な有機溶媒であれば特に特定されないが、例えばN-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミド、N.N-ジメチルホルムアミド、1、3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、テトラメチルウレア、スルホラン、ジメチルスルホキシド、γ-ブチロラクトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノンなどを用いることができる。これらは単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。特に生産性やフィルムの光学特性を考慮すると有機溶剤の主成分としてN-メチル-2-ピロリドンやN,N-ジメチルアセトアミドを用いることが好ましい。また、これらの有機溶媒と併せて、トルエン、キシレンなどの貧溶媒をポリイミド系樹脂またはその前駆体が析出しない程度に使用してもよい。
本発明は、円柱状の巻き芯に、幅500mmを越える幅を有する多層フィルムロールである。
本発明は長さが50m以上の多層フィルムがロール状に巻き取られた多層フィルムロールである。
本発明は厚さが12μm以上、190μm以下の高分子フィルム基材層、
厚さが5μm以上、200μm以下であり、厚さ斑が20%以下であり、有機溶剤を20質量%以上、35質量%以下の割合で有機溶剤を含むポリイミド前駆体層、
厚さが5μm以上、130μm以下のセパレーターフィルム層、
が順次積層された構造を有する多層フィルムロールである。
本発明における円柱状の巻き芯とは、紙、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、繊維強化プラスチック、金属などからなる。本発明では樹脂製ないし金属製の巻き芯が好ましく、ABS樹脂またはガラス繊維強化プラスチック製の巻き芯が好ましい。本発明の巻き芯の内径の真円度は99.87%以上が好ましく、さらに真円度99.94%以上が好ましい。また本発明の巻き芯は外径の真円度が99.87%以上であることが好ましく、さらに99.94%以上である事が好ましい。ここに真円度は円柱の任意の場所で測定した円柱の長径と短径において、次式で定義される。
真円度=100×短径/長径
さらに本発明では内径の真円度が99.87%以上であり、外径の真円度が99.87%以上である巻き芯を、偏心が200μm以下となるように巻き取り機に装着して用いる事が望まれる。
本発明におけるポリイミド前駆体フィルム層の厚さ斑は、20%以下であり、好ましくは12%以下、さらに好ましくは6%以下、特に好ましくは3%以下である。 なお、フィルムの厚さ斑は、例えば接触式の膜厚計にて被測定フィルムから無作為に10点程度以上、好ましくは30点の位置を抽出してフィルム厚を測定し、下記式に基づき求めることができる。
フィルムの厚さ斑(%)
=100×(最大フィルム厚−最小フィルム厚)÷平均フィルム厚
ポリイミド前駆体フィルム層の厚さ斑は、ほぼポリイミドフィルムの厚さ斑に反映される。ポリイミドフィルムはフィレキシブル電子デバイスの基板材料であり、電子デバイスそのものの機械的な特性を支配するため、厚さ斑が、ほぼ機械特性のム斑に対応することになる。電子デバイスの製造には、コーティング法、印刷法、フォトリソグラフ法などが組み合わされて用いられる。被印刷物であるフィルム基板の厚さ斑は被印刷物表面の凹凸として反映されるため、接触型の印刷法を用いた場合に凹部にパターンが転写されない場合が生じる。この現象はスクリーン印刷では比較的少ないが、接触転写を伴う平版印刷、平版オフセット印刷、グラビア印刷、グラビアオフセット印刷、凸版印刷、マイクロコンタクト印刷、反転印刷などの手法を用いた場合に問題となる場合が多い。また、フォトリソグラフ法を用いる場合には、フィルムの厚さ斑が、露光用マスクと被露光部との距離の斑に反映されるため、投影画像の焦点ずれ、エッジのぼやけなどが生じやすくなり、特に微細線や小さなドット形成おいては、大きな支障が出る。
本発明で特に好ましく用いられるポリイミドフィルムは無色透明ポリイミドフィルムであり、芳香族ポリイミド、脂環族ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド、ポリエーテルイミドなどを用いることが出来る。ただし、反射型、ないし自発光型のディスプレイの背面素子を形成する場合においては、特にこの限りではない。
一般に透明ポリイミドフィルムは、溶媒中でジアミン類とテトラカルボン酸類とを反応させて得られるポリアミド酸(ポリイミド前駆体)溶液を、高分子フィルム基材に塗布、乾燥してグリーンフィルム(「前駆体フィルム」または「ポリアミド酸フィルム」ともいう)となし、さらにポリイミドフィルム作製用支持体上で、あるいは該支持体から剥がした状態でグリーンフィルムを高温熱処理して脱水閉環反応を行わせることによって得られる。また、溶媒中でジアミン類とテトラカルボン酸類とを反応させて、その後、化学イミド化剤により溶媒中でイミド化反応を進行させて得られたポリイミド溶液を、または、化学イミド化剤を含むポリイミド溶液から再沈殿等の方法で精製したポリイミドを再度有機溶媒に溶解させたポリイミド溶液を、 高分子フィルム基材に塗布、乾燥してグリーンフィルム(「前駆体フィルム」ともいう)となし、さらにポリイミドフィルム作製用支持体上で、あるいは該支持体から剥がした状態でグリーンフィルムを固化・乾燥させることで得られる。
本発明においては、これらのグリーンフィルムをポリイミド前駆体フィルムとして取り扱う。
本発明のポリイミド系樹脂またはその前駆体の合成に用いられるジアミン成分は特に制限はなく、透明ポリイミド合成に通常用いられる芳香族ジアミン類、脂肪族ジアミン類、脂環式ジアミン類等を用いることができる。ジアミン化合物として例示すると、1,3-フェニレンジアミン、1,4-フェニレンジアミン、2,4-ジアミノトルエン、2,6-ジアミノトルエン、3,4-ジアミノトルエン、4,5-ジメチル-1,2-フェニレンジアミン、2,5-ジメチル-1,4-フェニレンジアミン、2,6-ジメチル-1,4-フェニレンジアミン、2,3,5,6-テトラメチル-1,4-フェニレンジアミン、3-アミノベンジルアミン、m-キシリレンジアミン、p-キシリレンジアミン、1,5-ジアミノナフタレン、2,2'-ジメチルビフェニル-4,4'-ジアミン、2,2'-ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、3,3'-ジメトキシベンジジン、4,4'-ジアミノオクタフルオロビフェニル、3,3'-ジアミノジフェニルメタン、3,4'-ジアミノジフェニルメタン、4,4'-ジアミノジフェニルメタン、4,4'-メチレンビス(2,6-ジエチルアニリン)、4,4'-メチレンビス(2-エチル-6-メチルアニリン)、4,4'-エチレンジアニリン、4,4'-ジアミノジフェニルエーテル、3,4'-ジアミノジフェニルエーテル、3,3'-ジアミノジフェニルエーテル、2,2’-ビス(トリフルオロメチル)-4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノ-2-トリフルオロメチルフェノキシ)ベンゼン、4,4’-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4'-ジアミノ-3,3'-ジメチルジフェニルメタン、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]スルフォン、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]スルフォン、2,2-ビス(4-アミノ
フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス(3-アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2’-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2’-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス(3-アミノ-4-メチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、α,α'-ビス(4-アミノフェニル)-1,4-ジイソプロピルベンゼン、ビス(2-アミノフェニル)スルフィド、ビス(4-アミノフェニル)スルフィド、3,3’-ジアミノジフェニルスルフォン、4,4’-ジアミノジフェニルスルフォン、4,4’-ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’-ジアミノベンゾフェノン、3,3’-ジアミノベンゾフェノン、4,4'-ジアミノベンズアニリド、1,4−ビス(4−アミノベンゾイルオキシ)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス(4-アミノフェニル)テレフタレート、2,7-ジアミノフルオレン、9,9-ビス(4-アミノフェニル)フルオレンなどの芳香族ジアミンが挙げられる。また脂肪族ジアミンとして1,3-ジアミノシクロヘキサン、1,4-ジアミノシクロヘキサン、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,1-ビス(4-アミノフェニル)シクロヘキサン、4,4’-ジアミノジシクロヘキシルメタン、4,4'-メチレンビス(2-メチルシクロヘキシルアミン)、4,4'-メチレンビス(2,6-ジメチルシクロヘキシルアミン)、4,4’-ジアミノジシクロヘキシルプロパン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2,3-ジアミン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2,5-ジアミン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2,6-ジアミン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2,7-ジアミン、2,3-ビス(アミノメチル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,5-ビス(アミノメチル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,6-ビス(アミノメチル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、3(4),8(9)-ビス(アミノメチル)トリシクロ[5.2.1.0(2,6)]デカンなどが例示される。これらの中で特に好ましいのはp-フェニレンジアミン、2,2'-ジメチルビフェニル-4,4'-ジアミン、2,2'-ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,2’-ビス(トリフルオロメチル)-4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、1,4-ビス(4-アミノ-2-トリフルオロメチルフェノキシ)ベンゼン、1,4-ジアミノシクロヘキサン、4,4’-ジアミノジシクロヘキシルメタン、4,4'-メチレンビス(2-メチルシクロヘキシルアミン)、4,4'-メチレンビス(2,6-ジメチルシクロヘキシルアミン)である。上記アミン成分は単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
ポリアミド酸を構成するテトラカルボン酸類としては、透明ポリイミド合成に通常用いられる芳香族テトラカルボン酸類(その酸無水物を含む)、脂肪族テトラカルボン酸類(その酸無水物を含む)、脂環族テトラカルボン酸類(その酸無水物を含む)を用いることができる。中でも、芳香族テトラカルボン酸無水物類、脂環族テトラカルボン酸無水物類が好ましく、光透過性の観点からは脂環族テトラカルボン酸類がより好ましい。これらが酸無水物である場合、分子内に無水物構造は1個であってもよいし2個であってもよいが、好ましくは2個の無水物構造を有するもの(二無水物)がよい。テトラカルボン酸類は単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
脂環族テトラカルボン酸類としては、例えば、シクロブタンテトラカルボン酸、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸、3,3',4,4'−ビシクロヘキシルテトラカルボン酸等の脂環族テトラカルボン酸、およびこれらの酸無水物が挙げられる。これらの中でも、2個の無水物構造を有する二無水物(例えば、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ビシクロヘキシルテトラカルボン酸二無水物等)が好適である。なお、脂環族テトラカルボン酸類は単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
芳香族テトラカルボン酸類としては、特に限定されないが、ピロメリット酸残基(すなわちピロメリット酸由来の構造を有するもの)であることが好ましく、その酸無水物であることがより好ましい。このような芳香族テトラカルボン酸類としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、4,4'−オキシジフタル酸二無水物、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン酸無水物等が挙げられる。なお、芳香族テトラカルボン酸類は単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
本発明の透明ポリイミド系フィルムは400nmの透過率が70%以上であることが望ましい。更には80%以上がより好ましい。またHAZEは1.5%以下であることが望ましく、更には1.0%以下がより好ましい。黄色度に関しては5.0以下が望ましく、4.0以下であることがより好ましい。光学特性が前記範囲を満たすことにより、例えば基板用途で高い表示特性を発現するため、上記用途に好適に用いる事ができる。尚、上記測定値は実施例に示す測定方法にて測定された値である。
本発明におけるポリイミド前駆体フィルム作製用支持体(高分子フィルム基材層)は極一般的な樹脂フィルムを用いることが出来る。基材としての樹脂フィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、全芳香族ポリエステル、その他の共重合ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリエーテルケトン、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、芳香族ポリイミド、脂環族ポリイミド、フッ素化ポリイミド、酢酸セルロース、硝酸セルロース、芳香族ポリアミド、ポリスチレン等、溶融延伸法ないし溶液製膜法で得られる樹脂のフィルムを用いることができる。本発明で好ましい塗布基材としての樹脂フィルムはポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリイミドフィルムであり、特に好ましくはポリエチレンテレフタレートフィルムである。
本発明におけるポリイミド前駆体フィルム作製用支持体、すなわち高分子フィルム基材層は、厚さが12μm以上、190μm以下であり厚さ斑の絶対値が10μm以下であることが好ましく、さらに厚さが45μm以上、130μm以下であり厚さ斑の絶対値が6μm以下であることが好ましい。
本発明におけるセパレーターフィルムは極一般的な樹脂フィルムを用いることが出来る。樹脂フィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、全芳香族ポリエステル、その他の共重合ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリエーテルケトン、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、芳香族ポリイミド、脂環族ポリイミド、フッ素化ポリイミド、酢酸セルロース、硝酸セルロース、芳香族ポリアミド、ポリスチレン等、溶融延伸法ないし溶液製膜法で得られる樹脂のフィルムを用いることができる。本発明で好ましいセパレーターフィルムとしての樹脂フィルムはポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートである。コスト面からポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルムが特に好ましい。
かかるセパレーターフィルムが、ポリイミド前駆体フィルムが形成された高分子フィルム基材とともに巻き取られて本発明のセパレータフィルム層となる。本発明のセパレータフィルム層は、厚さが5μm以上、130μm以下であり厚さ斑の絶対値が10μm以下である事が好ましく、さらに厚さが18μm以上、80μm以下であり厚さ斑の絶対値が7μm以下である事が好ましく、さらに厚さが24μm以上、56μm以下であり厚さ斑の絶対値が5μm以下である事が好ましい。
本発明ではかかる基材上に、ポリイミド前駆体フィルム層を形成する。ポリイミド前駆体フィルム層は、ポリイミド前駆体の溶剤溶液を基材に塗布し、乾燥ないし半硬化処理、ゲル化処理などにより半固体状態とすることで形成する。本発明では有機溶剤の含有量がポリイミド前駆体と有機溶剤の総和に対して20質量%以上、35質量%以下の範囲となるように乾燥する。塗布方法は、ディップコート法、スプレーコート法、スピンコート法、カーテンコート法、スリットダイコート法、コンマコート法、リバースコート法、アプリケータ法、バーコート法、スクリーン印刷法、グラビアコート法などの塗布方法を用いればよい。本発明では特に、カーテンコート法、スリットダイコート法、コンマコート法を用いる事が好ましい。かかるコート法を用いることにより、本発明の必須要件であるフィルム厚の厚さ斑を低減できる。好ましくは 本発明においてはポリイミド前駆体フィルム層を連続した長尺形態で得る必要がある。長尺ポリイミド前駆体フィルム/高分子フィルム基材積層体をセパレーターフィルムと共に巻き上げることで本発明の多層フィルムロールを得る。
本発明では前記セパレーターフィルムを用いてポリイミド前駆体フィルムをロール巻取りすることで、各取り扱い工程でのポリイミド前駆体フィルム表面への傷や異物の付着を軽減することができる。
本発明においては、傷や異物を纏めて欠点とする。顕微鏡観察でサイズ5μm以上のものを欠点とし、30mm×30mmの領域内の個数を計測した。
本発明のポリイミド前駆体フィルム層/無機基板積層体は、少なくとも無機基板とポリイミド前駆体フィルム層から構成される。
本発明における無機基板とは無機物からなる基板として用いることのできる板状のものであればよく、例えば、ガラス板、セラミック板、半導体ウエハ、金属等を主体としているもの、および、これらガラス板、セラミック板、シリコンウエハ、金属の複合体として、これらを積層したもの、これらが分散されているもの、これらの繊維が含有されているものなどが挙げられる。
前記ガラス板としては、石英ガラス、高ケイ酸ガラス(96%シリカ)、ソーダ石灰ガラス、鉛ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス(パイレックス(登録商標))、ホウケイ酸ガラス(無アルカリ)、ホウケイ酸ガラス(マイクロシート)、アルミノケイ酸塩ガラス等が含まれる。これらの中でも、線膨張係数が5ppm/K以下のものが望ましく、市販品であれば、液晶用ガラスであるコーニング社製の「コーニング(登録商標)7059」や「コーニング(登録商標)1737」、「EAGLE」、旭硝子社製の「AN100」、日本電気硝子社製の「OA10」、SCHOTT社製の「AF32」などが望ましい。
セラミック板としては、Al2O3、Mullite、AlN、SiC、Si3N4、BN、結晶化ガラス、Cordierite、Spodumene、Pb−BSG+CaZrO3+Al2O3、Crystallized glass+Al2O3、Crystallized Ca−BSG、BSG+Quartz、BSG+Quartz、BSG+Al2O3、Pb+BSG+Al2O3、Glass−ceramic、ゼロデュア材などの基板用セラミックス、TiO2、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、アルミナ、MgO、ステアタイト、BaTi4O9、BaTiO3、BaTi4+CaZrO3、BaSrCaZrTiO3、Ba(TiZr)O3、PMN−PTやPFN−PFWなどのキャパシタ材料、PbNb2O6、Pb0.5Be0.5Nb2O6、PbTiO3、BaTiO3、PZT、0.855PZT−95PT−0.5BT、0.873PZT−0.97PT−0.3BT、PLZTなどの圧電材料が含まれる。
半導体ウエハとしては、シリコンウエハ、半導体ウエハ、化合物半導体ウエハ等を用いることができ、シリコンウエハとしては単結晶ないし多結晶のシリコンを薄板上に加工した物であり、n型或はp型にドーピングされたシリコンウエハ、イントリンシックシリコンウエハ等の全てが含まれ、また、シリコンウエハの表面に酸化シリコン層や各種薄膜が堆積されたシリコンウエハも含まれ、シリコンウエハ以外にも、ゲルマニウム、シリコン−ゲルマニウム、ガリウム−ヒ素、アルミニウム−ガリウム−インジウム、窒素−リン−ヒ素−アンチモン、SiC、InP(インジウム燐)、InGaAs、GaInNAs、LT、LN、ZnO(酸化亜鉛)やCdTe(カドミウムテルル)、ZnSe(セレン化亜鉛) などの半導体ウエハ、化合物半導体ウエハなどを用いることが出来る。
金属としては、W、Mo、Pt、Fe、Ni、Au、Ag、Ti、Al、Cuといった単一元素金属、インコネル、モネル、ニモニック、炭素銅、珪素鋼、黄銅、青銅、白銅、洋白、ニッケルシルバー、Fe−Ni系インバー合金、スーパーインバー合金、ステンレス鋼といった合金等が含まれる。また、これら金属に、他の金属層、セラミック層を付加してなる多層金属板も含まれる。この場合、付加層との全体のCTEが低ければ、主金属層にCu、Alなども用いられる。付加金属層として使用される金属としては、ポリイミドフィルムとの密着性を強固にするもの、拡散がないこと、耐薬品性や耐熱性が良いこと等の特性を有するものであれば限定されるものではないが、クロム、ニッケル、TiN、Mo含有Cuが好適な例として挙げられる。
無機基板の平面部分は、充分に平坦である事が望ましい。具体的には、表面粗さのP−V値が50nm以下、より好ましくは20nm以下、さらに好ましくは5nm以下である。これより粗いと、高分子フィルムと無機基板との接着強度が不充分となる場合がある。
前記無機基板の厚さは特に制限されないが、取り扱い性の観点より10mm以下の厚さが好ましく、3mm以下がなお好ましく、1.3mm以下がなお好ましい。厚さの加減については特に制限されないが、0.07mm以上、好ましくは0.15mm以上、なお好ましくは0.3mm以上が好ましく用いられる。
前記無機基板の面積は、積層体やフレキシブル電子デバイスの生産効率・コストの観点より、大面積であることが好ましい。1730cm以上であることが好ましく、4300cm以上であることがより好ましく、6700cm以上であることがさらに、13000cm以上であることがなおさらに好ましい。
本発明では、ポリイミド前駆体フィルムロールより巻き出したポリイミド前駆体フィルムを高分子フィルム基材から無機基板に転写することによりポリイミド前駆体フィルム層/無機基板積層体を得る。
かかるポリイミド前駆体フィルムの転写方法については以下に示すように幾通りかの方法が例示できる。ただしこれらの例示は本発明を限定する物ではなく、ポリイミド前駆体フィルム、無機基板などの固有の特性および、プロセス上の都合などに応じ、適宜最適と考えられる手法で転写を行えばよい。
(1)高分子フィルム基材ごとポリイミド前駆体フィルムを無機基板に貼りつけてから高分子フィルム基材を剥離する方法。
(2)高分子フィルム基材からポリイミド前駆体フィルムを剥がし、無機基板に直接貼りつける方法。
(3)高分子フィルム基材からポリイミド前駆体フィルムを別のキャリア材に転写し、次いでキャリア材ごとポリイミド前駆体フィルムを無機基板に貼りつけ、キャリア材を剥離する方法。
本発明においては前記無機基材を有機化処理するためにシランカップリング剤を用いることが出来る。シランカップリング剤は、無機基板表面に予め塗布・反応させておく(シランカップリング剤処理)ことが好ましい。本発明において、無機基板を、あらかじめ有機化処理するとは、主にはこのシランカップリング剤処理の事をいう。
<シランカップリング剤>
本発明におけるシランカップリング剤は、無機基板とポリイミドフィルム層との間に物理的ないし化学的に介在し、両者間の接着力を高める作用を有する化合物を云う。
シランカップリング剤の好ましい具体例としては、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、2−(3,4−エポキシシクロへキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、トリス−(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、クロロメチルフェネチルトリメトキシシラン、クロロメチルトリメトキシシラン、アミノフェニルトリメトキシシラン、アミノフェネチルトリメトキシシラン、アミノフェニルアミノメチルフェネチルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザンなどが挙げられる。
n−プロピルトリメトキシシラン、ブチルトリクロロシラン、2−シアノエチルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリクロロシラン、デシルトリクロロシラン、ジアセトキシジメチルシラン、ジエトキシジメチルシラン、ジメトキシジメチルシラン、ジメトキシジフェニルシラン、ジメトキシメチルフェニルシラン、ドデシルリクロロシラン、ドデシルトリメトキシラン、エチルトリクロロシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、n−オクチルトリクロロシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、トリエトキシエチルシラン、トリエトキシメチルシラン、トリメトキシメチルシラン、トリメトキシフェニルシラン、ペンチルトリエトキシシラン、ペンチルトリクロロシラン、トリアセトキシメチルシラン、トリクロロヘキシルシラン、トリクロロメチルシラン、トリクロロオクタデシルシラン、トリクロロプロピルシラン、トリクロロテトラデシルシラン、トリメトキシプロピルシラン、アリルトリクロロシラン、アリルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、ジエトキシメチルビニルシラン、ジメトキシメチルビニルシラン、トリクロロビニルシラン、トリエトキシビニルシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、トリクロロ−2−シアノエチルシラン、ジエトキシ(3−グリシジルオキシプロピル)メチルシラン、3−グリシジルオキシプロピル(ジメトキシ)メチルシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、などを使用することもできる。
かかるシランカップリング剤の中で、本発明にて好ましく用いられるシランカップリング剤はカップリング剤の、一分子あたりに一個の珪素原子を有する化学構造のシランカップリング剤が好ましい。
本発明では、特に好ましいシランカップリング剤としては、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、2−(3,4−エポキシシクロへキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、アミノフェニルトリメトキシシラン、アミノフェネチルトリメトキシシラン、アミノフェニルアミノメチルフェネチルトリメトキシシランなどが挙げられる。プロセスで特に高い耐熱性が要求される場合、Siとアミノ基の間を芳香族基でつないだものが望ましい。
なお本発明では必要に応じて、リン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤等を併用しても良い。
<シランカップリング剤の塗布方法>
本発明におけるシランカップリング剤の塗布方法としては、液相での塗布方法、気相での塗布方法を用いることが出来る。
液相での塗布方法としては、シランカップリング剤をアルコールなどの溶媒で希釈した溶液を用いて、スピンコート法、カーテンコート法、ディップコート法、スリットダイコート法、グラビアコート法、バーコート法、コンマコート法、アプリケーター法、スクリーン印刷法、スプレーコート法等の一般的な液体塗布方法を例示することが出来る。液相での塗布方法を用いた場合、塗布後に速やかに乾燥し、さらに100±30℃程度で数十秒〜10分程度の熱処理を行うことが好ましい。熱処理により、シランカップリング剤と被塗布面の表面とが化学反応により結合される。
本発明ではシランカップリング剤を気相法によって塗布することができる。気相法による塗布は、基板をシランカップリング剤の蒸気、すなわち実質的に気体状態のシランカップリング剤に暴露することによる。シランカップリング剤の蒸気は、液体状態のシランカップリング剤を40℃〜シランカップリング剤の沸点程度までの温度に加温することによって得ることが出来る。シランカップリング剤の沸点は、化学構造によって異なるが、概ね100〜250℃の範囲である。ただし250℃以上の加熱は、シランカップリング剤の有機基側の分解や副反応等を招く恐れがあるため好ましくない。
シランカップリング剤を加温する環境は、加圧下、略常圧下、減圧下のいずれでも構わないが、シランカップリング剤の気化を促進する場合には略常圧下ないし減圧下が好ましい。多くのシランカップリング剤は可燃性液体であるため、密閉容器内にて、好ましくは容器内を不活性ガスで置換した後に気化作業を行うことが好ましい。
無機基板をシランカップリング剤に暴露する時間は特に制限されないが、20時間以内、好ましくは60分以内、さらに好ましくは15分以内、なおさらに好ましくは1分以内である。
無機基板をシランカップリング剤に暴露する間の無機基板温度は、シランカップリング剤の種類と、求めるシランカップリング剤層の厚さにより−50℃から200℃の間の適正な温度に制御することが好ましい。
シランカップリング剤に暴露された無機基板は、好ましくは、暴露後に、70℃〜200℃、さらに好ましくは75℃〜150℃に加熱される。かかる加熱によって、無機基板表面の水酸基などと、シランカップリング剤のアルコキシ基やシラザン基が反応し、シランカップリング剤処理が完了する。加熱に要する時間は10秒以上10分程度以内である。温度が高すぎる場合や、時間が長すぎる場合にはカップリング剤の劣化が生じる場合がある。また短すぎると処理効果が得られない。なお、シランカップリング剤に暴露中の基板温度が既に80℃以上である場合には、事後の加熱を省略することも出来る。
本発明では、無機基板のシランカップリング剤塗布面を下向きに保持してシランカップリング剤蒸気に暴露することが好ましい。液相の塗布方法では、必然的に塗布中および塗布前後に無機基板の塗布面が上を向くため、作業環境下の浮遊異物などが無機基板表面に沈着する可能性を否定できない。しかしながら気相による塗布方法では無機基板を下向きに保持することが出来るため。環境中の異物付着を大幅に減ずることが可能となる。
なおシランカップリング剤処理前の無機基板表面を短波長UV/オゾン照射などの手段により清浄化すること、ないしは液体洗浄剤で清浄化すること等は、有意義な好ましい操作である。
カップリング剤の塗布量、厚さについては理論上1分子層あれば事足り、機械設計的には無視できるレベルの厚さで十分である。一般的には400nm未満(0.4μm未満)であり、200nm以下(0.2μm以下)が好ましく、さらに実用上は100nm以下(0.1μm以下)が好ましく、より好ましくは50nm以下、さらに好ましくは10nm以下である。ただし計算上5nm以下の領域になるとカップリング剤が均一な塗膜としてではなく、クラスター状に存在するケースが想定され、余り好ましくはない。
カップリング剤層の膜厚は、エリプソメトリー法または塗布時のカップリング剤溶液の濃度と塗布量から計算して求める方法、表面元素分析によりシランカップリング剤特有の元素の存在量から換算する方法などを用いることができる。
<無機基板のパターン化処理>
本発明においては無機基板側にパターン化処理を行うことができる。ここにパターン化とは、意図的にカップリング剤の塗布量ないし活性度等を操作した領域を作ることを云う。これにより、積層体において無機基板とポリイミドフィルムとの間の剥離強度が異なる良好接着部分と易剥離部分を有し、該良好接着部分と該易剥離部分とが所定のパターンを形成することができる。パターン化処理として、シランカップリング剤塗布を行う際に、あらかじめ所定のパターンで準備されたマスクを用いて、シランカップリング剤の塗布量を操作する方法を例示できる。またシランカップリング剤の塗布面に活性エネルギー線照射を行い、その際に、マスキングないしスキャン操作などの手法を併用することによりパターン化することも可能である。ここに活性エネルギー線照射とは、紫外線、電子線、X線等のエネルギー線を照射する操作、さらには極短波長の紫外線照射処理のように紫外線照射光効果と同時に照射面近傍で発生するオゾンガスガス暴露の効果を併せ持つものを含める。さらにこれらの他に、コロナ処理、真空プラズマ処理、常圧プラズマ処理、サンドブラスと処理等によってパターン化処理を行うことも可能である。
本発明における良接着部分とは、無機基板とポリイミドフィルムの接着強度が強い部分を指し、本発明における易剥離部分とは、無機基板とポリイミドフィルムの接着強度が弱い部分を指す。前記易剥離部分の接着強度は、良好接着部分の接着強度の1/2以下であることが好ましく、より好ましくは、1/3以下、さらに好ましくは1/4以下である。接着強度の下限値は特に制限されないが、前記良好接着部分においては0.5N/cm以上、前記易剥離部分においては0.01N/cm以上であることが好ましい。
本発明のポリイミド前駆体フィルム層/無機基板積層体を加熱処理することでポリイミドフィルム層/無機基板積層体を得ることができる。加熱処理の温度はポリイミド前駆体フィルムがポリアミド酸フィルムである場合は350℃以下の温度で脱水閉環反応を進行させるのが好ましく、さらに320℃以下で処理することが好ましい。350℃を超える温度で処理する場合はポリイミドフィルムの着色を抑制することが困難である。ポリイミド前駆体フィルムが可溶性のポリイミドからなるフィルムである場合は、300℃以下の温度で固化・乾燥を行うことが好ましく、さらに250℃以下で処理することが好ましい。
本発明のポリイミド前駆体フィルム層/無機基板積層体から加熱処理によりポリイミドフィルム層/無機基板積層体を得て、これを電子デバイス形成又は機能性薄膜形成用の基板として用いると、既存の電子デバイス又は機能性薄膜製造用の設備、プロセスを用いて積層体のポリイミドフィルム層上に電子デバイス又は機能性薄膜を形成し、積層体から機能化ポリイミドフィルムごと剥離することで、フレキシブルな電子デバイス又は機能性薄膜を作製することができる。
本発明における電子デバイス又は機能性薄膜とは、電気配線を担う配線基板、トランジスタ、ダイオードなどの能動素子や、抵抗、キャパシタ、インダクタなどの受動デバイスを含む電子回路、他、圧力、温度、光、湿度などをセンシングするセンサー素子、発光素子、液晶表示、電気泳動表示、自発光表示などの画像表示素子、無線、有線による通信素子、演算素子、記憶素子、MEMS素子、太陽電池、薄膜トランジスタなどを云う。
積層体から機能化ポリイミドフィルムを剥離する方法としては、無機基板側から強い光を照射し、無機基板とポリイミドフィルム間の接着部位を熱分解、ないし光分解させて剥離する方法、あらかじめ接着強度を弱めておき、ポリイミドフィルムの弾性強度限界値未満の力でポリイミドフィルムを引きはがす方法、加熱水、加熱蒸気などに晒し、無機基板とポリイミドフィルム界面の結合強度を弱めて剥離させる方法などを例示することが出来る。
本発明において、無機基板側、ないし、ポリイミドフィルム層側、さらには両方にパターン化処理が成された場合、パターン化処理によりポリイミドフィルム層と無機基板との接着力が低くなる領域(易剥離部と呼ぶ)に電子デバイス又は機能性薄膜を形成し、次いで、その領域の外周部に切り込みを入れ、ポリイミドフィルムの電子デバイス又は機能性薄膜が形成されたエリアを無機基板から剥離する事によりフレキシブル電子デバイス又は機能性薄膜を得ることが出来る。該方法により、ポリイミドフィルムと無機基板の剥離がより容易になる。
積層体の易剥離部の外周に沿ってポリイミドフィルム層に切り込みを入れる方法としては、刃物などの切削具によってポリイミドフィルムを切断する方法や、レーザーと積層体を相対的にスキャンさせることによりポリイミドフィルムを切断する方法、ウォータージェットと積層体を相対的にスキャンさせることによりポリイミドフィルムを切断する方法、半導体チップのダイシング装置により若干ガラス層まで切り込みつつポリイミドフィルムを切断する方法などを用いることができる。また、これらの方法の組み合わせや、切削具に超音波を重畳させたり、往復動作や上下動作などを付け加えて切削性能を向上させる等の手法を適宜採用することもできる。
積層体の易剥離部外周のポリイミドフィルム層に切り込みを入れるにあたり、切り込みを入れる位置は、少なくとも易剥離部の一部を含んでいればよく、基本的には所定のパターンに従って切断すれば良いが、誤差の吸収、生産性の観点などより、適宜判断すればよい。
機能化ポリイミドフィルム層を支持体から剥離する方法としては、特に制限されないが、ピンセットなどで端から捲る方法、機能化ポリイミドフィルム層の切り込み部分の1辺に粘着テープを貼着させた後にそのテープ部分から捲る方法、機能化ポリイミドフィルムの切り込み部分の1辺を真空吸着した後にその部分から捲る方法等が採用できる。なお、剥離の際に、機能化ポリイミドフィルムの切り込み部分に曲率が小さい曲がりが生じると、その部分のデバイスに応力が加わることになりデバイスを破壊する虞があるため、極力曲率の大きな状態で剥がすことが望ましい。例えば、曲率の大きなロールに巻き取りながら捲るか、あるいは曲率の大きなロールが剥離部分に位置するような構成の機械を使って捲ることが望ましい。
また、剥離する部分に予め別の補強基材を貼りつけて、補強基材ごと剥離する方法も有用である。剥離する機能化ポリイミドフィルム層が、表示デバイスのバックプレーンである場合、あらかじめ表示デバイスのフロントプレーンを貼りつけて、無機基板上で一体化した後に両者を同時に剥がし、フレキシブルな表示デバイスを得ることも可能である。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。なお、以下の実施例における物性の評価方法は下記の通りである。
<ポリアミド酸溶液の還元粘度>
ポリマー濃度が0.2g/dlとなるようにN,N−ジメチルアセトアミドに溶解した溶液についてウベローデ型の粘度管を用いて30℃で測定した。
<ポリイミド前駆体フィルム層の厚さ>
ポリイミド前駆体フィルム層の厚さは、マイクロメーター(ファインリューフ社製「ミリトロン1245D」)を用いて測定した。
<ポリイミド前駆体フィルムの厚さ斑>
ポリイミド前駆体フィルムの厚さを所定の方法で無作為に30点測定し、平均値、最大値、最小値、および標準偏差を求め、次式より厚さ斑を求めた。
フィルムの厚さ斑(%)=100×(最大フィルム厚−最小フィルム厚)÷平均フィルム厚
<ポリイミド前駆体フィルムの有機溶媒含有量>
有機溶媒含有量はTGA 2950(TA instruments製)を用いて測定した。約5mgのサンフ゜ルをAl製のマイクロセルにセットし、5℃/minの速度で500℃まで昇温した。測定は窒素雰囲気下で行い、100℃〜300℃の間に減少した重量を有機溶媒含有量とした。
<欠点数>
30mm×30mmの領域をポリイミドフィルム層/無機基板積層体からサンプリングし、100倍拡大の測長機能付き顕微鏡にてサンプリング領域を観察し、100倍観察にて確認された欠点については、さらに拡大率を400倍として長径長さを測定し、5μm以上のものの個数を係数した。各サンプル3箇所からサンプリングし、欠点数はその平均値をとった。
<光線透過率>
400nmの波長における光線透過率は、日立製作所社製の分光光度計 U-3210を用いて測定
した。
<HAZE>
フィルムのHAZEは日本電色社製のHAZEメーター NDH2000を用い、CIE標準D65光源を用い
て測定した。尚、同様の測定を3回行い、その算術平均値を採用した。
<黄色度(YI)>
フィルムの黄色度は日本電色社製の色差計ZE2000を用い、CIE標準C2光源を用いて測定し
た。尚、同様の測定を3回行い、その算術平均値を採用した。
(合成例1)
窒素導入管,温度計,攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、反応容器に窒素雰囲気下、1,4-ビス(4-アミノ-2-トリフルオロメチルフェノキシ)ベンゼン205.8g(0.480mol)とN,N-ジメチルアセトアミド1200gを仕込んで溶解させた後、反応容器を冷却しながらシクロブタンテトラカルボン酸二無水物93.8g(0.478mol)を固体のまま分割添加し、室温で12時間攪拌した。N,N-ジメチルアセトアミド1000gで希釈し、還元粘度4.12dl/gのポリアミック酸溶液A1を得た。
(合成例2)
窒素導入管,温度計,攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、反応容器に窒素雰囲気下、2,2’-ジトリフルオロメチル-4,4’-ジアミノビフェニル176.5g(0.551mol)とN,N-ジメチルアセトアミド1200gを仕込んで溶解させた後、反応容器を冷却しながら1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物122.9g(0.548mol)を固体のまま分割添加し、室温で18時間攪拌した。その後N,N-ジメチルアセトアミド500gで希釈し、還元粘度2.98dl/gのポリアミック酸溶液A2を得た。
(合成例3)
窒素導入管,温度計,攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、反応容器に窒素雰囲気下、2,2’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル155.9g(0.735mol)とN,N-ジメチルアセトアミド1200gを仕込んで溶解させた後、反応容器を冷却しながらシクロブタンテトラカルボン酸二無水物142.9g(0.729mol)を固体のまま分割添加し、室温で5時間攪拌した。その後N,N-ジメチルアセトアミド1000gで希釈し、還元粘度4.39dl/gのポリアミック酸溶液A3を得た。
(合成例4)
窒素導入管,温度計,攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、反応容器に窒素雰囲気下、フェニレンジアミン78.3g(0.724mol)とN,N-ジメチルアセトアミド1200gを仕込んで溶解させた後、反応容器を冷却しながら3,3’,4,4’-ビシクロヘキシルテトラカルボン酸二無水物220.6g(0.720mol)を固体のまま分割添加し、室温で15時間攪拌した。その後、N,N-ジメチルアセトアミド250gで希釈し、還元粘度3.23dl/gのポリアミック酸溶液A4を得た。
(合成例5)
窒素導入管,温度計,攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、反応容器に窒素雰囲気下、N,N−ジメチルアセトアミド400mlとエチレンカーボネート400mlの50:50の混合溶媒800ml、1,4−ビス(4−アミノベンゾイルオキシ)ベンゼン72.0(0.230mol)、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物50.0g(0.255mol)を混合し、70℃で30分間撹拌して、均一透明な溶液を得た。該溶液を室温まで冷却後、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン7.5g(0.026mol)を添加して撹拌したところ、著しく増粘したため、上記混合溶媒400mlで希釈し、さらに16時間撹拌した。還元粘度1.67dL/gのポリアミック酸溶液A5を得た。
(合成例6)
窒素導入管,温度計,攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、反応容器に窒素雰囲気下、シクロヘキサトリカルボン酸無水物41.9g(0.1mol)、ジシクロヘキシルメタンー4,4‘−ジイソシナネート52.3g(0.1mol)、1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]-7-ウンデセン0.34gを入れ、γ―ブチロラクトン107gに溶解した後、窒素気流下、攪拌しながら、150〜200℃で2時間反応させた後、N-メチルー2−ピロリドン213gを加えて、200℃で1時間攪拌した。還元粘度0.9dl/gのポリアミック酸溶液A6を得た。
(実施例1)
ポリアミック酸溶液(A1)を、スリットダイを用いて厚さ125μm(厚さ斑の絶対値 4μm)、幅1050mmの長尺ポリエチレンテレフタレートフィルムの平滑面(無滑材面)上に、最終膜厚(イミド化後の膜厚)が20μmとなるように塗布し、120℃にて15分間乾燥し、その後、セパレーターフィルムとして厚み20μm(厚さ斑の絶対値:2μm)の長尺ポリエチレンテレフタレートフィルムの平滑面(無滑材面)をポリイミド前駆体フィルム上に重ねるようにして偏心が150μmとなるように装着された内径の真円度が99.90%であり、外径の真円度が99.90%である巻き芯を用い、巻き取りテンション120Nの条件でロール状に巻きとり、ポリイミド前駆体フィルムロール(B1)を得た。
(シランカップリング剤塗布ガラス板)
換気口と吸気口を備えた密閉チャンバーの中に置いた加熱バットに、シラン系カップリング剤、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン(商品名KBM−503、信越シリコーン社製)を満たし、75℃に加温した。次いで、一辺250mmの正方形とした白板硝子を、加熱バット上100mmに保持し、シランカップリング剤蒸気が均一に当たるように水平方向にガラス板の位置を揺らし、5分間暴露した後に取りだし、100℃に加温したホットプレート上に置いて、10分間加熱し、シランカップリング剤塗布ガラス板を得た。
室温23℃±2℃、湿度50±5%RH、クリーン度10000に調整された実験室内において、得られたポリイミド前駆体フィルムロールB1を巻き出し、セパレーターフィルム及び基材フィルムごと360mm×460mmの四角形状に切り出した。次いで、セパレーターフィルムを剥がし、370mm×470mmの白板ガラスに、先に切り出したポリイミド前駆体フィルム側を、前期シランカップリング剤塗布ガラス板の端が5mm露出するように位置あわせし、クライムプロダクツ社製のラミネータを用いて、無機基板側温度30℃、ラミネート時のロール圧力5kg/cm2、ロール速度5mm/秒にてラミネートした。次いでポリイミド前駆体フィルムと接している基材フィルムを剥離し、ガラス板とポリイミド前駆体からなるポリイミド前駆体フィルム層/無機基板積層体(C1)を得た。
得られたポリイミド前駆体フィルム(D1)の厚さは、 平均23.0μm、最大23.3μm、最小22.7μm、 厚さ斑 2.61% であった。また、有機溶媒含有率は25.6wt%であった。
得られたポリイミド前駆体フィルム層/無機基板積層体を防爆仕様のオーブンに入れ、まず150℃に昇温して5分保持し、次いで10℃/分の速度で温度を220℃に上げ、5分保持し、さらにそこから10℃/分の速度で300℃まで温度を上げ、5分間保持した後、オーブンから取り出し、白板ガラスとポリイミドフィルム層/無機基板積層体(E1)を得た。
積層体(E1)は外観品位良好であり、ポリイミドフィルム表面に、ブリスター、突起、異物等は観察されず、欠点数は0個であった。セパレーターフィルムによりポリイミド前駆体フィルムを保護したことに加え、一連の作業が行われた実験室はクリーン度10000程度であり、ガラス板上には相応レベルの微小異物等が存在しているが、ポリイミド前駆体フィルムに埋め込まれて、欠点としては顕在化しなかったものと解釈される。
得られたポリイミドフィルム層/無機基板積層体(E1)からポリイミド層を剥離し、ポリイミドフィルム(F1)の光学特性を測定した。400nmの光透過率が85.2%、HAZEが0.78%、黄色度が2.41であった。
(実施例2〜7)
合成例A2〜A6のポリアミック酸溶液を用いて実施例1と同様の方法でポリイミド前駆体フィルム層/無機基板積層体C2〜C6(ポリイミド前駆体フィルムはD2〜D6)、ポリイミドフィルム層/無機基板積層体E2〜E6(ポリイミドフィルムはF2〜F6)を得た。
それぞれのポリイミド前駆体フィルムの厚さ、厚さ斑及び有機溶媒含有率は、表1の通りであった。
それぞれの積層体E2〜E6の外観品位良好であり、欠点数は表2の通りであった。
それぞれポリイミドフィルムの光学特性は、表3の通りであった。
(比較例1)
ポリアミック酸溶液(A1)を、スリットダイを用いて厚さ125μm、幅1050mmの長尺ポリエチレンテレフタレートフィルムの平滑面(無滑材面)上に、最終膜厚(イミド化後の膜厚)が20μmとなるように塗布し、120℃にて15分間乾燥し、セパレーターフィルムを挟まずにロール状に巻きとり、ポリイミド前駆体フィルムロール(G1)を得た。
以降、実施例1と同様の方法でポリイミド前駆体フィルム層/無機基板積層体H1(ポリイミド前駆体フィルムはI1)、ポリイミドフィルム層/無機基板積層体J1(ポリイミドフィルムはK1)を得た。
得られたポリイミド前駆体フィルム(I1)の厚さは、 平均23.1μm、最大23.5μm、最小22.8μm、 厚さ斑 3.03% であった。また、有機溶媒含有率は24.9wt%であった。
積層体(J1)はポリイミドフィルム表面に、欠点が平均1.3個観察された。セパレーターフィルムを用いなかったことで、一連の作業中に異物の付着や傷ができてしまったものと推察される。
得られたポリイミドフィルム層/無機基板積層体(J1)からポリイミド層を剥離し、ポリイミドフィルム(F1)の光学特性を測定した。400nmの光透過率が84.9%、HAZEが0.68%、黄色度が2.45であった。
比較例1で得られたポリイミド前駆体フィルムおよびポリイミドフィルムの膜厚、厚み斑、光学特性は実施例1と大差ないものであったが、ロール巻き取り時のセパレーターフィルムの有無で欠点数に差が出ることが確認できた。
(比較例2〜6)
ポリアミック酸溶液A2〜A6もセパレーターフィルムを用いないこと以外は実施例1と同様の方法でポリイミド前駆体フィルム層/無機基板積層体H2〜H6(ポリイミド前駆体フィルムはI1〜I6)、ポリイミドフィルム層/無機基板積層体J2〜J6(ポリイミドフィルムはK2〜K6)を得た。
それぞれのポリイミド前駆体フィルムの厚さ、厚さ斑及び有機溶媒含有率は、表1の通りであった。
それぞれの積層体J2〜J6の欠点数は表2の通りであった。
それぞれポリイミドフィルムの光学特性は、表3の通りであった。
比較例2〜6で得られたポリイミド前駆体フィルムおよびポリイミドフィルムの膜厚、厚み斑、光学特性は実施例2〜6と大差ないものであったが、ロール巻き取り時のセパレーターフィルムの有無で欠点数に差が出ることが確認できた。
(応用例1)
実施例1〜6により得られた、ポリイミドフィルム層/無機基板積層体を用い、以下の工程により、ボトムゲート型の薄膜トランジスタアレイを試作した。
ポリイミドフィルム層/無機基板積層体のポリイミドフィルム側全面に反応性スパッタリング法を用いてSiONからなる100nmのガスバリア膜を形成した。次いで、厚さ80nmのアルミニウム層をスパッタリング法にて形成し、フォトリソグラフ法によりゲート配線とゲート電極を形成した。次いで、スリットダイコーターを用いてエポキシ樹脂系のゲート絶縁膜(厚さ80nm)を形成した。さらにスパッタリング法にて5nmのクロム層、40nmの金層を形成し、フォトリソグラフ法にてソース電極とドレイン電極を形成した。次いでスリットダイコーターを用いて、絶縁層兼ダム層となるエポキシ樹脂を塗布し、UV−YAGレーザーによるアブレーションにて、ソース電極とドレイン電極を含む半導体層用の厚さ250nmのダム層を直径100μmの円形となるように形成し、また上部電極との接続点となるビア形成も同時に行った。次いで、インクジェット印刷法により有機半導体であるポリチオフェンをダム内に塗出、ビア部には銀ペーストを埋め込み、さらに上部電極としてアルミ配線を形成し640×480ピクセルを有する薄膜トランジスタアレイを形成した。
得られた薄膜トランジスタアレイをバックプレーンとし、フロントプレーンに電気泳動表示媒体を重ねることにより、ディスプレイ素子とし、トランジスタの収率と表示性能を、各ピクセルのON/OFFにて判定した。結果、実施例において得られた薄膜トランジスタアレイについては、いずれも表示性能は良好であった。
本発明の、セパレーターフィルムを巻き込んだポリイミド前駆体フィルムロールを用いることにより品位良いポリイミドフィルム層/無機基板積層体を得ることができる。ポリイミドフィルム層を仮支持基板にて保持し、ポリイミドフィルム層上に電子デバイス又は機能性薄膜を形成するフレキシブル電子デバイス又は機能性薄膜の製造工程において、傷及び異物が少なく均一なフィルム膜厚を実現し、同時に、極端に高いガラス面清浄度も要求されず、高品位な、ポリイミドフィルム層/無機基板の積層体を得ることが可能となり、結果として高い収率にてフレキシブル電子デバイスを得ることが可能となる。

Claims (6)

  1. 円柱状の巻き芯に、幅500mmを越える幅を有し、かつ長さが50m以上の多層フィルムがロール状に巻き取られた多層フィルムロールであって、
    前記多層フィルムが、
    厚さが12μm以上、190μm以下の高分子フィルム基材層、
    厚さが5μm以上、200μm以下であり、厚さ斑が20%以下であり、有機溶剤を20質量%以上、35質量%以下の割合で有機溶剤を含むポリイミド前駆体層、
    厚さが5μm以上、130μm以下のセパレーターフィルム層、
    が順次積層された構造を有することを特長とする多層フィルムロール。
  2. 前記ポリイミド前駆体の還元粘度が0.5dL/g以上、5.0dL/g以下である事を特長とする請求項1に記載の多層フィルムロール。
  3. 前記高分子フィルム基材層の厚さ斑の絶対値が10μm以下であることを特長とする請求項1または2に記載の多層フィルムロール。
  4. 前記セパレーターフィルム層の厚さ斑の絶対値が10μm以下である事を特長とする請求項1から3のいずれかに記載の多層フィルムロール。
  5. 前記円柱状の巻き芯の内径の真円度が99.87%以上であり、外径の真円度が99.87%以上であることを特長とする請求項1から4のいずれかに記載の多層フィルムロール。
  6. 内径の真円度が99.87%以上であり、外径の真円度が99.87%以上である巻き芯を、偏心が200μm以下となるように装着された巻き芯を用い、
    厚さが12μm以上、190μm以下であり厚さ斑の絶対値が10μm以下である高分子フィルム基材に、ポリイミド前駆体の有機溶剤溶液を塗布し、有機溶剤の含有量がポリイミド前駆体と有機溶剤の総和に対して20質量%以上、35質量%以下の範囲となるように乾燥し、
    さらに厚さが5μm以上、130μm以下であり厚さ斑の絶対値が10μm以下であるセパレーターフィルムを前記ポリイミド前駆体と溶剤を含む層に重ねて巻き取ることを特長とする請求項1から5のいずれかに記載された多層フィルムロールを製造する方法。
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