JP2018129698A - ドハティ増幅器 - Google Patents

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Abstract

【課題】より簡易な構成で広帯域化が可能となるドハティ増幅器を提供する。【解決手段】ドハティ増幅器1は、RF信号が与えられるキャリア増幅器4と、キャリア増幅器4に並列に設けられRF信号が与えられるピーク増幅器5と、ピーク増幅器5に対するドレイン電圧をRF信号の周波数に応じて調整する電圧制御部20と、を備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、ドハティ増幅器に関する。
携帯電話等の無線通信システムにおける使用周波数帯域の広帯域化に伴い、通信装置に用いられる電力増幅器においては高効率化に加えて広帯域化への要求も高まっている。
電力増幅器の高効率化に対しては、ドハティ増幅器が用いられることがある。
ドハティ増幅器は、常に入力信号を増幅するキャリア増幅器と、入力信号の電力が所定以上となったときに当該入力信号を増幅するピーク増幅器とを備えており、両増幅器の飽和電力をずらすことで、バックオフマージンを確保し高い効率を得ることができるように構成されている。
ところで、ドハティ増幅器は、キャリア増幅器の出力と、ピーク増幅器の出力とを合成する合成部を備えている。キャリア増幅器は常に入力信号を増幅する一方、ピーク増幅器は入力信号の電力が所定以上となったときに増幅を開始する。このため、入力信号の電力が所定以上となるまでは、キャリア増幅器のみが動作する。
このとき、キャリア増幅器の出力が合成部を通じてピーク増幅器側に回り込み、電力効率を低下させることがある。
このため、合成部からピーク増幅器側をみたときの負荷インピーダンスがオープンとなるように各部が構成される。
ここで、合成部からピーク増幅器をみたときの負荷インピーダンスがオープンとなるように整合回路等によって設定した場合、電力効率を低下させない程度にキャリア増幅器の出力の回り込みを抑制可能な入力信号の周波数帯域が非常に狭くなり、使用周波数の広帯域化に対して不利となる。所定周波数における負荷インピーダンスがオープンとなるように整合回路等の各部が設定されているため、入力信号の周波数が所定周波数から変動すると、ピーク増幅器の負荷インピーダンスも変動し、キャリア増幅器の出力の回り込みを十分に抑制できなくなるおそれがあるからである。
これに対し、例えば、特許文献1には、広帯域で用いることができるドハティ増幅器として、ピーク増幅器の入力側に入力信号のレベルを検出する検出回路と、ピーク増幅器の出力側に入力信号のレベルに応じて容量値が変化する可変容量ダイオードとを設けたものが開示されている。
このドハティ増幅器は、入力信号のレベルが低いレベルの場合、可変容量ダイオードの容量値を大きくしてピーク増幅器側の負荷インピーダンスをオープンに見せる一方、入力信号のレベルが高レベルになると、可変容量ダイオードの容量値を減少させピーク増幅器側本来の負荷インピーダンスに移行させるように構成されており、ピーク増幅器側の負荷インピーダンスを幅広い周波数帯域でオープンに見せることで広帯域化を可能にしている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−148523号公報
しかし、上記従来例では、ピーク増幅器の入力側に検出回路を設けるとともに、出力側に可変容量ダイオードを設ける必要があり、構成が複雑であるという問題を有している。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、より簡易な構成で広帯域化が可能なドハティ増幅器を提供することを目的とする。
一実施形態であるドハティ増幅器は、入力信号を増幅するドハティ増幅器であって、前記入力信号が与えられるキャリア増幅器と、前記キャリア増幅器に並列に設けられ前記入力信号が与えられるピーク増幅器と、前記ピーク増幅器に対する印加電圧を前記入力信号の周波数に応じて調整する制御部と、を備えている。
本発明のドハティ増幅器によれば、より簡易な構成で広帯域化が可能となる。
図1は、一実施形態に係るドハティ増幅器1の構成を示すブロック図である。 図2は、RF信号の周波数と、ドレイン電圧Vd1とが対応付けられて登録されているテーブルの一例である。 図3は、ピーク増幅器に与えるドレイン電圧と、ピンチオフ時におけるピーク増幅器単体の出力インピーダンスとの関係を示した図である。 図4は、ドレイン電圧Vd1が50ボルトのときにおける、出力合成部からピーク増幅器をみたときの負荷インピーダンスの変化の一例を示すスミスチャートである。 図5は、ドレイン電圧Vd1が40ボルト及び30ボルトのときにおける、出力合成部からピーク増幅器をみたときの負荷インピーダンスの変化の一例を示すスミスチャートである。 図6は、ドレイン電圧Vd1が20ボルトのときにおける、出力合成部からピーク増幅器をみたときの負荷インピーダンスの変化の一例を示すスミスチャートである。 図7は、他の実施形態に係るドハティ増幅器1の構成を示すブロック図である。
[実施形態の説明]
まず最初に実施形態の内容を列記して説明する。
(1)一実施形態であるドハティ増幅器は、入力信号を増幅するドハティ増幅器であって、前記入力信号が与えられるキャリア増幅器と、前記キャリア増幅器に並列に設けられ前記入力信号が与えられるピーク増幅器と、前記ピーク増幅器に対する印加電圧を前記入力信号の周波数に応じて調整する制御部と、を備えている。
上記構成のドハティ増幅器によれば、制御部がピーク増幅器に対する印加電圧を調整することで、当該ピーク増幅器の負荷インピーダンスを変化させることができる。よって、入力信号の周波数に応じて、キャリア増幅器の出力とピーク増幅器の出力とが合成される合成点からピーク増幅器をみたときの負荷インピーダンスがオープンとなるように調整することができ、この結果、幅広い周波数帯域の入力信号が与えられたとしても、適切に増幅することができる。
このように上記構成のドハティ増幅器によれば、ピーク増幅器に対する印加電圧を入力信号の周波数に応じて調整するといった簡易な構成で広帯域化が可能となる。
(2)上記ドハティ増幅器において、前記制御部は、前記キャリア増幅器に対する印加電圧を前記入力信号の周波数に応じて調整することが好ましい。
この場合、ピーク増幅器に対する印加電圧に加えて、キャリア増幅器に対する印加電圧も調整することで、合成点から見たときのピーク増幅器の負荷インピーダンスがオープンとなるように調整する際の自由度をより高めることができる。
(3)上記ドハティ増幅器において、前記制御部は、前記ピーク増幅器に対する印加電圧を所定の調整範囲で調整し、前記キャリア増幅器に対する印加電圧は、前記所定の調整範囲内であることが好ましい。
この場合、ピーク増幅器の印加電圧を調整して変動させたとしても、当該ピーク増幅器の印加電圧と、キャリア増幅器の印加電圧との差が大きくなるのを抑制することができる。これにより、ピーク増幅器の印加電圧を変動させることによってドハティ増幅器の出力に与える影響を抑制することができる。
(4)上記ドハティ増幅器において、前記入力信号の周波数を検出する検出器をさらに備え、前記制御部は、前記検出器の検出結果に応じて前記ピーク増幅器に対する印加電圧を調整するように構成してもよい。
この場合、与えられる入力信号に対応して速やかに印加電圧の調整を行うことができる。
[実施形態の詳細]
以下、好ましい実施形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、以下に記載する各実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
図1は、一実施形態に係るドハティ増幅器1の構成を示すブロック図である。このドハティ増幅器1は、移動体通信システムにおける基地局装置などの無線通信装置に搭載され、無線周波数の通信信号(RF信号)の増幅を行う。
ドハティ増幅器1は、入力端子2に与えられるRF信号(入力信号)を増幅し、出力端子3から出力する。
本実施形態のドハティ増幅器1は、例えば、約2.9GHzから約3.7GHzの間の周波数帯域の通信信号の増幅が可能に構成されており、広帯域の通信信号に対応している。
図1に示すように、ドハティ増幅器1は、キャリア増幅器4と、ピーク増幅器5とを備えている。
入力端子2に与えられるRF信号は、入力分配部6を通じてキャリア増幅器4と、ピーク増幅器5とに分配される。
入力分配部6と、キャリア増幅器4との間には、キャリア増幅器4の入力側におけるインピーダンス整合を行うための入力整合回路7が設けられている。
また、入力分配部6と、ピーク増幅器5との間には、1/4波長線路8と、入力整合回路9とが設けられている。
入力整合回路9は、ピーク増幅器5の入力側におけるインピーダンス整合を行う。1/4波長線路8は、キャリア増幅器4の出力側の1/4波長線路17(後に説明する)による位相差を補償するために設けられている。
入力端子2に与えられるRF信号は、入力分配部6、及び入力整合回路7を通じてキャリア増幅器4に与えられるとともに、入力分配部6、1/4波長線路8、及び入力整合回路9を通じてピーク増幅器5に与えられる。
キャリア増幅器4及びピーク増幅器5は、増幅素子として、例えば、GaN−HEMT(窒化ガリウム高電子移動度トランジスタ)を用いて構成されている。
キャリア増幅器4はAB級又はB級として動作するように構成されている。また、ピーク増幅器5はC級として動作するように構成されている。
よって、キャリア増幅器4はRF信号を常に増幅する。また、ピーク増幅器5はRF信号の電力がキャリア増幅器4の飽和電力に近づいた段階であって所定以上のときに増幅する。
キャリア増幅器4の出力と、ピーク増幅器5の出力とは、出力合成部15によって合成される。
キャリア増幅器4と、出力合成部15との間には、キャリア増幅器4の出力側におけるインピーダンス整合を行うための出力整合回路16と、1/4波長線路17とが設けられている。
ピーク増幅器5と、出力合成部15との間には、ピーク増幅器5の出力側におけるインピーダンス整合を行うための出力整合回路18が設けられている。
1/4波長線路17は、合成線路19側からみたときの出力合成部15の出力側のインピーダンスが、出力端子3側のインピーダンスRの1/2(R/2)となるようにインピーダンス変換を行う。つまり、RF信号の電力がキャリア増幅器4のみが動作する値の場合、1/4波長線路17は、キャリア増幅器4の負荷が2Rとなるようにインピーダンス変換する。一方、RF信号の電力がキャリア増幅器4とピーク増幅器5の両方が動作する値の場合、1/4波長線路17は、キャリア増幅器4の負荷及びピーク増幅器5の負荷がRとなるようにインピーダンス変換する。
出力合成部15の後段には、合成線路19が設けられている。合成線路19は、出力合成部15とその後段である出力端子3側とのインピーダンス整合を行う。合成線路19の出力は、出力端子3に与えられ、増幅されたRF信号として出力される。
また、本実施形態のドハティ増幅器1は、ピーク増幅器5に対して印加されるドレイン電圧Vd1を制御する電圧制御部20を備えている。
電圧制御部20には、入力端子2に与えられるRF信号の周波数を検出するための周波数カウンタ21が接続されている。
周波数カウンタ21には、入力端子2と入力分配部6との間に接続された分岐路を通じてRF信号が与えられる。周波数カウンタ21は、与えられるRF信号の周波数を検出し、その検出結果を示す結果情報を電圧制御部20に与える。
電圧制御部20は、処理部22と、記憶部23とを備えている。記憶部23には、RF信号の周波数と、ピーク増幅器5のドレイン電圧Vd1とが対応付けられて登録されているテーブルが記憶されている。
図2は、RF信号の周波数と、ドレイン電圧Vd1とが対応付けられて登録されているテーブルの一例である。
図2中、テーブルには、ドハティ増幅器1に与えられるRF信号の周波数帯域を区分することで設定された4つの帯域1から帯域4と、これら4つの帯域1から帯域4それぞれに対応するドレイン電圧Vd1が登録されている。
本実施形態では、RF信号の周波数が3.10GHz未満の場合、ドレイン電圧Vd1が20ボルト、RF信号の周波数が3.10GHz以上3.25GHz未満の場合、ドレイン電圧Vd1が30ボルト、RF信号の周波数が3.25GHz以上3.40GHz未満の場合、ドレイン電圧Vd1が40ボルト、RF信号の周波数が3.40GHz以上の場合、ドレイン電圧Vd1が50ボルトとされている。
処理部22は、前記テーブルを参照し、周波数カウンタ21から与えられる結果情報が示すRF信号の周波数に基づいて、ピーク増幅器5に対して設定すべきドレイン電圧Vd1の電圧値を特定する。
処理部22は、ピーク増幅器5に印加されるドレイン電圧Vd1が、前記テーブルに基づいて特定した電圧値となるように制御する。
このように、処理部22は、ピーク増幅器5に対するドレイン電圧Vd1をRF信号の周波数に応じて調整する機能を有している。
処理部22は、その機能の一部又は全部が、ハードウェア回路によって構成されていてもよいし、その機能の一部又は全部が、コンピュータプログラムによって実現されていてもよい。その機能の一部又は全部がコンピュータプログラムによって実現される場合、処理部22はコンピュータを含み、各機能を実現するためのコンピュータプログラムは記憶部23に記憶される。
なお、本実施形態において、ピーク増幅器5に対するドレイン電圧Vd1は20ボルトから50ボルトの範囲で調整されるが、キャリア増幅器4に対するドレイン電圧Vd2は、50ボルトで固定されている。
ここで、本実施形態のドハティ増幅器1は、例えば、ドレイン電圧Vd1が50ボルト、周波数が3.5GHzである場合における、出力合成部15からピーク増幅器5をみたときの負荷インピーダンスがオープンとなるように各部が構成されている。
これによって、キャリア増幅器4の出力が出力合成部15を通じてピーク増幅器5に回り込み、電力効率を低下させるのを抑制している。
しかしこの場合、電力効率を低下させない程度にキャリア増幅器4の出力の回り込みを抑制可能なRF信号の周波数帯域が非常に狭くなり、使用周波数の広帯域化に対して不利となる。
ドレイン電圧Vd1が50ボルト、周波数が3.5GHzである場合における負荷インピーダンスがオープンとなるように各部が構成されているため、RF信号の周波数が3.5GHzから変動すると、ピーク増幅器5の負荷インピーダンスも変動し、キャリア増幅器4の出力の回り込みを十分に抑制できなくなるおそれがあるからである。
これに対して、本実施形態のドハティ増幅器1は、増幅器に印加するドレイン電圧の変化に応じて当該増幅器の負荷インピーダンスが変化することを利用し、RF信号の広帯域化を図っている。
図3は、ピーク増幅器5に与えるドレイン電圧と、ピンチオフ時におけるピーク増幅器5単体の出力インピーダンスとの関係を示した図である。
図3で示すスミスチャートには、RF信号の周波数を変化させたときのピーク増幅器5単体の出力インピーダンスの変化を線図として示している。
図3中、実線の線図L1はドレイン電圧Vd1が50ボルトの場合における出力インピーダンスの変化を示している。破線の線図L2はドレイン電圧Vd1が40ボルトの場合における出力インピーダンスの変化を示している。一点鎖線の線図L3はドレイン電圧Vd1が30ボルトの場合における出力インピーダンスの変化を示している。二点鎖線の線図L4はドレイン電圧Vd1が20ボルトの場合における出力インピーダンスの変化を示している。
また、線図L1上に付されている黒塗りの逆三角印で示したマーカm1、線図L2上のマーカm2、線図L3上のマーカm3、及び線図L4上のマーカm4は、各線図の基本周波数3.5GHzにおける出力インピーダンスを示している。
図3中、マーカm1における位相は−128度、マーカm2における位相は−141度、マーカm3における位相は−159度、マーカm4における位相は−170度となっている。
このように、同じ周波数(3.5GHz)における出力インピーダンスの位相は、ドレイン電圧Vd1に応じて変化することが判る。
本実施形態のドハティ増幅器1は、このようなドレイン電圧Vd1と、出力インピーダンスの位相との間の特性を利用することで、ピーク増幅器5の出力インピーダンスの位相を調整する。
すなわち、本実施形態のドハティ増幅器1(の電圧制御部20)は、RF信号の周波数が変化したとしても、RF信号の周波数に応じてドレイン電圧Vd1を調整し、出力合成部15からピーク増幅器5をみたときの負荷インピーダンスがオープンとなる状態を維持するように構成されている。
図4は、ドレイン電圧Vd1が50ボルトのときにおける、出力合成部15からピーク増幅器5をみたときの負荷インピーダンスの変化の一例を示すスミスチャートである。図4中の線図は、出力合成部15からピーク増幅器5をみたときの負荷インピーダンスの変化を示している。なお、図4に示す負荷インピーダンスの変化はコンピュータシミュレーションによって求めた。さらに以下に示す図5及び図6に示す負荷インピーダンスの変化も同様にコンピュータシミュレーションによって求めた。
図4中、線図上のマーカm5は、RF信号の周波数が3.21GHzにおける負荷インピーダンスを示している。マーカm6は、RF信号の周波数が3.50GHzにおける負荷インピーダンスを示している。マーカm7は、RF信号の周波数が3.74GHzにおける負荷インピーダンスを示している。
図4中、マーカm6が示す、周波数3.50GHzにおける負荷インピーダンスの位相は約−1.2度であり、ほぼオープンとなっている。
本実施形態のドハティ増幅器1は、上述したように、ドレイン電圧Vd1が50ボルト、周波数が3.50GHzにおける、出力合成部15からピーク増幅器5をみたときの負荷インピーダンスがオープンとなるように各部が設定されている。
電圧制御部20が有する上記テーブルに登録されているドレイン電圧Vd1は、この設定を基準として、各帯域に対応して適切な電圧値に設定される。
図4中のマーカm7が示す、周波数3.74GHzにおける負荷インピーダンスの位相は約−30度となっている。また、図4中のマーカm5が示す、周波数が3.21GHzにおける負荷インピーダンスの位相は約30度となっている。
図5は、ドレイン電圧Vd1が40ボルト及び30ボルトのときにおける、出力合成部15からピーク増幅器5をみたときの負荷インピーダンスの変化の一例を示すスミスチャートである。図5中の線図L5及び線図L6は、出力合成部15からピーク増幅器5をみたときの負荷インピーダンスの変化を示している。
図5中、実線の線図L5はドレイン電圧Vd1が40ボルトの場合における負荷インピーダンスの変化を示している。
破線の線図L6はドレイン電圧Vd1が30ボルトの場合における負荷インピーダンスの変化を示している。
また、図5中、線図L5上のマーカm8は、ドレイン電圧Vd1が40ボルトの場合にほぼオープンとなる負荷インピーダンスを示している。マーカm8は、RF信号の周波数が3.36GHzにおける負荷インピーダンスを示しており、負荷インピーダンスの位相は約−0.5度となっている。
線図L6上のマーカm9は、ドレイン電圧Vd1が30ボルトの場合にほぼオープンとなる負荷インピーダンスを示している。マーカm9は、RF信号の周波数が3.17GHzにおける負荷インピーダンスを示しており、負荷インピーダンスの位相は約0.3度となっている。
図6は、ドレイン電圧Vd1が20ボルトのときにおける、出力合成部15からピーク増幅器5をみたときの負荷インピーダンスの変化の一例を示すスミスチャートである。図6中の線図は、出力合成部15からピーク増幅器5をみたときの負荷インピーダンスの変化を示している。
図6中、線図上のマーカm12は、ドレイン電圧Vd1が20ボルトの場合にほぼオープンとなる負荷インピーダンスを示している。マーカm12は、RF信号の周波数が3.06GHzにおける負荷インピーダンスを示しており、負荷インピーダンスの位相は約−0.5度となっている。
図6中、線図上のマーカm11は、周波数2.85GHzにおける負荷インピーダンスを示しており、負荷インピーダンスの位相は約−30度となっている。また、図6中のマーカm13は、周波数が3.24GHzにおける負荷インピーダンスを示しており、負荷インピーダンスの位相は約31度となっている。
このように、本実施形態のドハティ増幅器1は、ドレイン電圧Vd1を20ボルトから50ボルトの範囲で調整すれば、RF信号の周波数が3.06GHzから3.50GHzの範囲で出力合成部15からピーク増幅器5をみたときの負荷インピーダンスをオープンとすることができる。
さらに、仮に、出力合成部15からピーク増幅器5をみたときの負荷インピーダンスがオープンとみなせる位相の範囲を−30度から+30度の範囲で設定すれば、図4に示したように、ドレイン電圧Vd1が50ボルトの場合、周波数3.74GHzのRF信号についても負荷インピーダンスをオープンとすることができる。
また、図6に示したように、ドレイン電圧Vd1が20ボルトの場合、周波数2.85GHzのRF信号についても負荷インピーダンスをオープンとすることができる。
これにより、本実施形態のドハティ増幅器1は、RF信号の周波数が2.85GHzから3.74GHzの範囲で出力合成部15からピーク増幅器5をみたときの負荷インピーダンスをオープンとすることができる。
このように、本実施形態のドハティ増幅器1は、出力合成部15からピーク増幅器5をみたときの負荷インピーダンスをオープンとすることができるRF信号の周波数帯域を広帯域とすることができる。この結果、本実施形態のドハティ増幅器1によれば、最大で、2.85GHzから3.74GHzの周波数帯域のRF信号についても増幅可能となる。
上記構成のドハティ増幅器1によれば、電圧制御部20がピーク増幅器5に対するドレイン電圧を調整することで、当該ピーク増幅器5の負荷インピーダンスを変化させることができる。よって、RF信号の周波数に応じて、出力合成部15からピーク増幅器5をみたときの負荷インピーダンスがオープンとなるように調整することができ、出力合成部15からピーク増幅器5をみたときの負荷インピーダンスをオープンとすることができるRF信号の周波数帯域を広帯域とすることができる。
この結果、最大で2.85GHzから3.74GHzまでの帯域といった幅広い周波数帯域のRF信号が与えられたとしても、効率を低下させることなく適切に増幅することができる。
このように上記構成のドハティ増幅器1によれば、ピーク増幅器5に対するドレイン電圧Vd1をRF信号の周波数に応じて調整するといった簡易な構成で広帯域化が可能となる。
また、本実施形態では、入力端子2に与えられるRF信号の周波数を検出するための周波数カウンタ21を備え、電圧制御部20は、周波数カウンタ21に検出結果に応じてピーク増幅器5のドレイン電圧Vd1を調整するので、与えられるRF信号に対応して速やかにドレイン電圧Vd1の調整を行うことができる。
また、本実施形態において、キャリア増幅器4のドレイン電圧Vd2を50ボルトとした場合を例示したが、例えば、60ボルトといったように、ピーク増幅器5のドレイン電圧Vd1の調整範囲である20ボルトから50ボルトまでの範囲外にキャリア増幅器4のドレイン電圧Vd2を設定してもよい。
ただし、キャリア増幅器4のドレイン電圧Vd2は、ピーク増幅器5のドレイン電圧Vd1の調整範囲である20ボルトから50ボルトまでの範囲内に設定することが好ましい。
この場合、ピーク増幅器5のドレイン電圧Vd1を調整して変動させたとしても、当該ピーク増幅器5のドレイン電圧Vd1と、キャリア増幅器4のドレイン電圧Vd2との電圧値の差が大きくなるのを抑制することができる。これにより、ピーク増幅器5のドレイン電圧Vd1を変動させることによってドハティ増幅器1の出力に与える影響を抑制することができる。
図7は、他の実施形態に係るドハティ増幅器1の構成を示すブロック図である。
本実施形態は、電圧制御部20がピーク増幅器5のドレイン電圧Vd1に加えてキャリア増幅器4のドレイン電圧Vd2も調整する点において上記実施形態と相違している。
本実施形態の電圧制御部20は、RF信号の周波数に応じて、キャリア増幅器4のドレイン電圧Vd2、及びピーク増幅器5のドレイン電圧Vd1を調整するとともに、ドレイン電圧Vd2とドレイン電圧Vd1とが同じ電圧値となるように調整する。
このように構成することで、ピーク増幅器5のドレイン電圧Vd1を調整したとしても、キャリア増幅器4のドレイン電圧Vd2との間の電圧値の差が生じないようにすることができる。
なお、電圧制御部20は、キャリア増幅器4のドレイン電圧Vd2、及びピーク増幅器5のドレイン電圧Vd1をそれぞれ異なる電圧値となるように調整してもよい。
この場合においても、上述のように、キャリア増幅器4のドレイン電圧Vd2は、ピーク増幅器5のドレイン電圧Vd1の調整範囲である20ボルトから50ボルトまでの範囲内に設定することが好ましい。
また、本実施形態では、キャリア増幅器4のドレイン電圧Vd2、及びピーク増幅器5のドレイン電圧Vd1をそれぞれ調整することができるので、ピーク増幅器5を出力合成部15から見たときの負荷インピーダンスがオープンとなるように調整する際の自由度をより高めることができる。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。
本実施形態において、ピーク増幅器5のドレイン電圧Vd1を20ボルトから50ボルトまでの範囲で、10ボルト単位で4段階に調整するように構成した場合を例示したが、RF信号の周波数に応じてドレイン電圧Vd1の電圧値をより多段階に設定してもよいし、出力合成部15からピーク増幅器5をみたときの負荷インピーダンスがオープンとみなせる位相の範囲を考慮することで、ドレイン電圧Vd1の電圧値を4段階よりも少なく設定してもよい。
本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 ドハティ増幅器
2 入力端子
3 出力端子
4 キャリア増幅器
5 ピーク増幅器
6 入力分配部
7 入力整合回路
8 1/4波長線路
9 入力整合回路
15 出力合成部
16 出力整合回路
17 1/4波長線路
18 出力整合回路
19 合成線路
20 電圧制御部
21 周波数カウンタ
22 処理部
23 記憶部

Claims (4)

  1. 入力信号を増幅するドハティ増幅器であって、
    前記入力信号が与えられるキャリア増幅器と、
    前記キャリア増幅器に並列に設けられ前記入力信号が与えられるピーク増幅器と、
    前記ピーク増幅器に対する印加電圧を前記入力信号の周波数に応じて調整する制御部と、を備えている
    ドハティ増幅器。
  2. 前記制御部は、前記キャリア増幅器に対する印加電圧を前記入力信号の周波数に応じて調整する
    請求項1に記載のドハティ増幅器。
  3. 前記制御部は、前記ピーク増幅器に対する印加電圧を所定の調整範囲で調整し、
    前記キャリア増幅器に対する印加電圧は、前記所定の調整範囲内である
    請求項1又は請求項2に記載のドハティ増幅器。
  4. 前記入力信号の周波数を検出する検出器をさらに備え、
    前記制御部は、前記検出器の検出結果に応じて前記ピーク増幅器に対する印加電圧を調整する
    請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のドハティ増幅器。

JP2017021884A 2017-02-09 2017-02-09 ドハティ増幅器 Pending JP2018129698A (ja)

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