以下、本発明による液体塗布容器の好適な実施形態について図1〜図23を参照しながら説明する。図1〜図11は、本発明の第1実施形態を、図12〜図23は、本発明の第2実施形態を各々示すものであり、各図において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
先ず、図1〜図11に示す第1実施形態を説明する。
図1及び図2は、本発明の第1実施形態に係る液体塗布容器を示す各断面図、図3及び図4は、塗布体及び塗布体ホルダを示す各斜視図、図5及び図6は、塗布体ホルダの先部を示す各図、図7〜図9は、塗布体ホルダの後部を示す各図、図10及び図11は、塗布体を示す各図であり、本実施形態の液体塗布容器は、内部に収容した液体を使用者により適宜被塗布部に塗布することができるものである。液体は、ここでは、特に好適であるとして、アイラインを描くための液状化粧料であるアイライナー化粧料とされ、従って、液体塗布容器は、ここでは、アイライナー化粧料塗布容器とされている。
図1及び図2に示すように、アイライナー化粧料塗布容器100は、容器外形を構成する容器本体1及び先筒2と、容器本体1内に収容された含浸体である中綿3と、容器本体1及び先筒2内に収容されると共に先筒2の先端の開口2bから突出する平板状の塗布体4と、を備える。
容器本体1は、強度を保つべく硬質材により形成され、ここでは、PPから形成され、先細の段付き円筒状に構成される。なお、特に好ましいとしてPPとしているが、勿論、PP以外の他の硬質材でも良い。容器本体1の後端の開口は、例えばPP等から成る尾栓6を容器本体1に装着することにより閉じられ、容器本体1の外周面の段差面より後側に拡径して形成された内部空間に、アイライナー化粧料Lを含浸した中綿3が充填される。中綿3は、例えばポリエステル等から形成され長尺の円柱状を成し、その後端に配置された例えばHDPE等から成るアジャスター5によりそのサイズが調節可能とされる。
先筒2は、塗布体4が挿入され当該塗布体4を支持するための塗布体ホルダである(以降、先筒2を塗布体ホルダ2と呼ぶ)。図3〜図9に示すように、塗布体ホルダ2は、筒状に構成され、前半側の先部2x(以降ホルダ先部2xと呼ぶ)と、後半側の後部2z(以降ホルダ後部2zと呼ぶ)と、を備える。
ホルダ先部2xは、軟質材により形成され、ここでは、NBRやエラストマー等から形成される。図3〜図6に示すように、ホルダ先部2xは、前半側のホルダ先部前半部2iと、後半側のホルダ先部後半部2jと、を備える。一方、ホルダ後部2zは、ホルダ先部2xより硬い材質により形成され、ここでは、PPから形成される。ホルダ後部2zは、図3、図4、図7〜図9に示すように、前半側のホルダ後部前半部2pと、後半側のホルダ後部後半部2rと、を備える。そして、図1及び図2に示すように、ホルダ先部2xのホルダ先部前半部2iは、容器本体1から突出し、ホルダ先部2xのホルダ先部前半部2iより後側の部分であるホルダ先部後半部2j及びホルダ後部2zは、容器本体1内に収容される。
図1〜図6に示すように、ホルダ先部前半部2iは、後端側の外周面が円形形状とされ、先端側に行くに従い円形形状が扁平形状になるように縮径する先細り形状とされる。そして、先細り形状の先端面は多少湾曲する傾斜面とされ、その傾斜面に形成された開口2bが、軸線方向視において略長方形状を呈し、塗布体4の出口とされる。
図1及び図2に示すように、ホルダ先部2xには前後方向に貫通する貫通孔が設けられ、ホルダ先部前半部2iに形成され開口2bに繋がる筒孔2hは、塗布体4を収容するもので、ホルダ先部前半部2iの先端側が、塗布体4の先部4x側(詳しくは後述;図10及び図11参照)を四方(上下左右)から支持する先部支持部2gとされる。筒孔2hのうち先部支持部2gの筒孔は、塗布体4の先部4x側を支持すべく先部4x側及び中間部4y(詳しくは後述;図10及び図11参照)の形状である断面略長方形状を成し、筒孔2hのうち先部支持部2gより後側の筒孔は、後方へ行くに従い断面略長方形状が徐々に拡径し、塗布体4との間の隙間が拡大する筒孔となっている。
図1、図2、図5及び図6に示すように、ホルダ先部後半部2jは、その外周面が、ホルダ先部前半部2iの後端に段差面2eを介して続く小径の円形形状となっており、所定長後方へ延びている。ホルダ先部後半部2jの筒孔2yは、ホルダ先部前半部2iの断面略長方形状の筒孔2hの拡径した後端に同形状で繋がり、筒孔2yの後端は外部開放されている。筒孔2yは、ホルダ後部前半部2pを進入させるものである。ホルダ先部後半部2jの筒部分には、ホルダ後部前半部2pを装着するための開口(貫通孔)2aが、一対対向して設けられている。
図1及び図2、図7〜図9に示すように、ホルダ後部前半部2pは、ホルダ先部後半部2jの筒孔2yに進入すべく長方形状の角筒に構成され、その筒孔2c(図1及び図2参照)は、塗布体4を支持すべく塗布体4の中間部4yの形状である断面略長方形状を成している。ホルダ後部前半部2pの筒部分には、ホルダ先部後半部2jの開口2aにそれぞれ嵌着するための突起2kが、一対対向して設けられている。
ホルダ後部後半部2rの先端部は、ホルダ後部前半部2pの後端に段差面2oを介して続く円形形状の大径部2vとされており、短尺に後方へ延びている。大径部2vには、外周面から凹む凹部が、容器本体1に嵌合する係止部(嵌合部)2wとして円環状に設けられる。大径部2vには、ホルダ後部前半部2pの断面略長方形状の筒孔2c(図1及び図2参照)が連続し軸線方向に延びて当該大径部2vを貫通するように形成される。
大径部2vには、図7及び図8に示すように、当該大径部2vの後端面から切り欠かれて前方へ延び、断面略長方形状の筒孔2cの長径側(図8の紙面垂直方向;図9の上下方向)へ延びて筒内外を連通するスリット2nが一対対向して設けられる。スリット2nは、凹状の係止部2wを形成する後側の凸部を横切り(横断し)、凹状の係止部2wを形成する前側の凸部へ達するように延びている。この前側の凸部のうちスリット2nが達する部分(スリット2nより前側で外方の部分)が、塗布体4を組み付ける際に当該塗布体4のストッパ4f(詳しくは後述)が突き当たるストッパ2fとされる。
大径部の2vの後端面において、周方向に沿ってスリット2nが形成されていない位置には、塗布体4の挿入方向に沿うように連設されて後方へ突出する一対の突出部2t,2tを備える。これらの突出部2t,2tは、塗布体4の後部4z(詳しくは後述;図10及び図11参照)を両側から挟み支持する後部支持部であり(以降、突出部2tを後部支持部2tと呼ぶ)、個々の後部支持部2tは、平板状に構成され、後端側に行くに従い先細り且つ肉薄となる形状となっている。そして、一方の後部支持部2tの一方側(図7の上側)の端部と他方の後部支持部2tの一方側(図7の上側)の端部との間にスリット(隙間)2sが形成された格好となっており、一方の後部支持部2tの他方側(図7の下側)の端部と他方の後部支持部2tの他方側(図7の下側)の端部との間にも同様なスリット2sが形成された格好になっていて、これらのスリット2s,2sが対向し互いに連通する格好となっている。また、後部支持部2t,2t同士の間の後端は、後方へ開放され、開口2uが開口された格好となっている。
そして、図1、図2、図5及び図7に示すように、ホルダ後部2zのホルダ後部前半部2pが、ホルダ先部2xのホルダ先部後半部2jの筒孔2yに対して、断面略長方形状が合うようにして挿入されると共に、ホルダ後部前半部2pの突起2kが、ホルダ先部後半部2jの開口2aに嵌合することにより、ホルダ先部2xとホルダ後部2zが連結され一体化される。
塗布体4は、アイライナー化粧料Lを目の縁に沿って塗布する際に用いられるものであり、チップとも称されるものである。図10及び図11に示すように、塗布体4は、薄い平板状とされて軸線方向に延び、アイラインの細い線を描くのに最適な厚さにされる。この塗布体4は、中綿3に含浸されたアイライナー化粧料Lを取り入れて先端側の塗布部4aに誘導する(移動させる)毛細管現象を発現するものであり、塗布の際に肌に馴染む柔らかい感触が得られるように、ここでは、ポリオレフィンより形成されている。
なお、塗布体4としては、最低限、毛細管現象を発現できれば良いが、柔らかい感触が得られるのが好ましく、柔らかい繊維質の材質や、スポンジ等の柔らかい多孔質材を採用することができ、ポリオレフィン以外の例えばナイロン、ポリエステル等より形成されても良い。因みに、繊維質の材質とするのが、より好ましい。
この塗布体4は、先端側の先部4xと、後端側の後部4zと、先部4xと後部4zとの間の中間部4yと、を備える。
先部4xは、塗布体ホルダ2の開口2bから突出する部分であり(図1参照)、平面視において(図11の紙面垂直方向視において)、例えば包丁等の片刃形状の先端部分(刃先)の形状を呈する。具体的には、先部4xの外縁の形状は、平面視において、片刃形状の刃の後側の部分である所謂みねに対応する部分4mが、直線状に構成され、その直線状の先端は、鋭角にRを施した先端部4nとされ、この先端部4nから後方への部分は、刃の所謂反りの部分と同様に、湾曲し傾斜する湾曲傾斜面4aとなっている。そして、この厚みが薄く湾曲する湾曲傾斜面4aが、アイラインを描く塗布部となる(以降、湾曲傾斜面4aを塗布部4aと呼ぶ)。
なお、ここでは、アイライナー化粧料Lを塗布するのに特に好ましい形状として、先端部4nは、片刃形状のように、平面視において幅方向(図11の上下方向)の一方側(図11の上側)に片寄って配置されているが、両刃形状のように、幅方向の中央に配置されていても良い。また、塗布部4aは湾曲し傾斜しているが、直線状に傾斜していても良い。
中間部4yは、軸線方向の途中の両側面(図11の上下面)に、先端側に対して後端側が幅方向外側へ拡大する段差面4fを有し、この段差面4fより前側の部分に対して後側の部分が幅方向に広い平板となっている。そして、この段差面4fが、塗布体ホルダ2に組み付ける際に当該塗布体ホルダ2のストッパ2fに突き当たるストッパとされる(以降、段差面4fをストッパ4fと呼ぶ)。
後部4zは、中綿3に進入しアイライナー化粧料Lを取り入れる部分であり(図1及び図2参照)、平面視において、例えば両刃形状の先端部分の形状を呈する。具体的には、後端の幅方向中央が、中綿3へ容易に差し込まれるべく、後方に向かって尖るように構成される。
そして、平板状の塗布体4は、図3及び図4に示すように、その先部4xから、塗布体ホルダ2のホルダ後部2zの後部支持部2t,2t間を通り、ホルダ後部2zの大径部2vのスリット2nを通ると共に筒孔2cに挿入され、図1に示すように、その段差面であるストッパ4fが、塗布体ホルダ2のストッパ2fに突き当たることにより、位置決めが成されると共にそれ以上の前進が阻止される。
この状態で、図1〜図4に示すように、塗布体4の先部4xは、塗布体ホルダ2の先部2xの開口2bから突出し、塗布体4の先部4xの外縁形状に概ね沿うような外縁形状を有する(概ね小さい相似形とされる)塗布体ホルダ2の先部支持部2gにより先部4x側が四方から囲まれるようにして挟まれ支持される。
また、塗布体4の後部4zは、大径部2vのスリット2nから露出した状態で後方へ突出し、平板状を成し後方へ延びる塗布体ホルダ2の後部支持部2t,2tにより両側から挟まれて支持される。この状態で、塗布体4の後部4zは、塗布体ホルダ2の後部支持部2t,2tより後方へ多少はみ出すように突出していると共に、上下方向へ大きくはみ出すように突出している。
そして、このようにして塗布体4が一体化された塗布体ホルダ2は、図1及び図2に示すように、その後部支持部2t,2t側から容器本体1の円筒状の先端部の筒孔に挿入され、その段差面2eが、容器本体1の先端面に突き当てられ、その大径部2vの凹状の係止部2wが、容器本体1の内周面に形成された凸部1wに嵌合することにより、塗布体4を支持した塗布体ホルダ2が容器本体1に装着される。
この状態で、材質の違いにより、強度において塗布体4<先部支持部2g(ホルダ先部2x)<後部支持部2t(ホルダ後部2z)の関係が満たされている。
また、材質の違いにより、強度において<中綿3<後部支持部2t(ホルダ後部2z)となっている。なお、ここでは、強度において<中綿3<先部支持部2g(ホルダ先部2x)としているが、逆でも良い。
この状態で、塗布体ホルダ2の後部支持部2t,2tに挟まれ支持された塗布体4の後部4zは、中綿3に進入し差し込まれた状態となっており、塗布体4は、塗布体ホルダ2のストッパ2fにより前進が阻止されると共に、中綿3により後退が阻止され、その軸線方向の位置決めが成されている。
そして、このようにして、塗布体4を支持した塗布体ホルダ2が容器本体1に装着されることにより、図1及び図2に示すアイライナー化粧料塗布容器100が得られる。なお、アイライナー化粧料塗布容器100にあっては、図1に示すように、塗布体4を覆うようにキャップ9が着脱可能に装着される。
このように構成されたアイライナー化粧料塗布容器100にあっては、中綿3に含浸されたアイライナー化粧料Lは、塗布体4の毛細管現象により、塗布体4の後部4zから取り入れられて当該塗布体4を移動しさらに先部4xの塗布部4aへ移動し、当該塗布部4aにより、アイラインの細い線を柔らかい感触で描くことができる。
そして、特に、このようなアイライナー化粧料塗布容器100によれば、強度において塗布体4<塗布体ホルダ2の先部支持部2g<塗布体ホルダ2の後部支持部2tの大小関係を満たすことにより、以下の作用・効果を好適に奏する。すなわち、板状で且つ毛細管現象を発現する塗布体4の後部4zが、強度の高い後部支持部2t,2tに挟まれ支持されながら中綿3に容易に進入し、後部支持部2t,2tにより塗布体4の後部4zが保護されながら折れ曲がることなく中綿3に容易に差し込まれる。このため、中綿3のアイライナー化粧料Lを、塗布体4へ確実に移動させることができると共に、後部支持部2t,2tの後端の開口2uを通してアイライナー化粧料Lの流れが直進となり、中綿3のアイライナー化粧料Lを円滑に移動させることができる。加えて、塗布体4の先部4xによる塗布の際に、塗布体4より強度が高く且つ後部支持部2tより強度が低い先部支持部2gによって塗布体4の先部4x側をしっかりと支持しつつ、先部支持部2g及び塗布体4の先部4x側をしならせながら良好に塗布ができると共に、先部支持部2gが肌に当たった場合の肌当たりを良くできる。特に、塗布体4は、アイラインの細い線を描くべく薄い平板状にされると共に、柔らかい感触のものとされているため、当該塗布体4はぺらぺらであり、そのままでは、塗布体4の先部4xが、アイラインを描く際の筆圧により折れ曲がってしまうという問題を生じるが、本実施形態においては、塗布体4の先部4x側を先部支持部2gによりしっかり支持しているため、その点は解消されており、目の縁に沿って所望幅の細い綺麗なアイラインを容易に描くことができる。
また、本実施形態によれば、塗布体ホルダ2のホルダ後部2zの係止部2w(凹部を形成する前後の凸部を含む)が、強度において先部支持部2g<係止部2w=容器本体1の関係を満たしているため、係止部2wをしっかりと容器本体1に係合でき、塗布体ホルダ2を容器本体1にしっかりと装着できる。なお、第1実施形態では、ホルダ後部2zの材質を、容器本体1と同一としいるが、ホルダ後部2zの材質は、先部支持部2gより硬く、且つ、容器本体1より軟らかい材質としても良い。
また、本実施形態によれば、塗布体ホルダ2の後部支持部2t,2tが中綿3に比して硬いため、後部支持部2t,2tを確実に中綿3に差し込むことができる。
また、塗布体4は、塗布体ホルダ2のホルダ後部後半部2rの大径部2vのスリット2nから露出し、大径部2vの後端から後方へ突出しているため(図3及び図4参照)、中綿3との接触面積が大きくなっており、一層多くのアイライナー化粧料Lを塗布体4へ移動させることができる。
また、塗布体ホルダ2の後部支持部2t,2t同士の間に、後端の開口2uに連通し前側に延びるスリット2s,2sを備え、塗布体ホルダ2は、スリット2s,2sを後側から前側へ通る塗布体4を突き当てるためのストッパ2f,2fを備えているため(図3、図4及び図7参照)、塗布体4のストッパ4f,4fが塗布体ホルダ2のストッパ2f,2fに突き当たることによって(図1参照)、塗布体4の位置決めが容易に成されると共に、塗布体4のそれ以上の前進が阻止され、これにより、図1及び図2に示すアイライナー化粧料塗布容器100の状態において塗布体4の汚れを落とす等の清掃をしているときに、当該塗布体4が前方に抜け出てしまうことを防止できる。
ここで、本発明者は、小型卓上試験機EZ Test(島津製作所製)を用い、支点間距離を20mm、クロスヘッド速度20mm/分、幅3mm、長さ30mmの試験片の厚さ方向に荷重を加える3点曲げ試験を行い、撓み量が4mmとなる際の荷重が0.17N以下である材質・厚さを有する塗布体が、柔らかく且つ塗布感が良い塗布体であることを見出した。そして、このような試験によれば、塗布体の材質をポリオレフィンとし、その厚さを1mm以下とすれば柔らかさを確保でき、柔らかさの観点から0.7mm以下とするのがより好ましいということが分かった。
なお、第1実施形態では、特に好ましいとして、塗布体ホルダ2の後部支持部2t,2tにより、平板状の塗布体4の後部4zを挟むようにして支持しているが、塗布体ホルダ2の後部支持部2t,2tにより挟まれずに外部に露出している部分を覆うようにし、塗布体4の後部4zの全周を包むようにして支持するようにしても良い。このように構成しても、塗布体4の後部4zを、塗布体ホルダ2の後部支持部2t,2tにより挟み支持する場合とほぼ同様な作用・効果を奏する。因みに、このように後部支持部が塗布体4の後部4zの全周を包むようにして支持する場合、後部支持部の側面(周面)に、後端の開口2uに連通し前側に延びる液体進入スリットを単数又は複数設けることにより、中綿3のアイライナー化粧料Lが液体進入スリットを通して後部支持部内に進入し、一層多くのアイライナー化粧料Lを塗布体4へ移動させることができる。この場合、後部支持部内の塗布体4が、液体進入スリットへ進入、又は、液体進入スリットを通して外部の中綿3へ進入していると、より一層多くのアイライナー化粧料Lを塗布体4へ移動させることができるので、より好ましい。
以上、第1実施形態にあっては、平板状の塗布体4を含浸体である中綿3に対して差し込むタイプのアイライナー化粧料塗布容器100について説明したが、次の図12〜図23に示す第2実施形態にあっては、平板状の塗布体に対して含浸体を差し込むタイプのアイライナー化粧料塗布容器について説明する。
図12及び図13は、本発明の第2実施形態に係る液体塗布容器を示す各断面図、図14及び図15は、塗布体及び塗布体ホルダを示す各斜視図、図16〜図20は、塗布体ホルダを示す各図、図21及び図22は、塗布体を示す各図、図23は、含浸体を示す斜視図であり、この第2実施形態でも、液体塗布容器として、液体をアイライナー化粧料としたアイライナー化粧料塗布容器が用いられている。
図12及び図13に示すように、アイライナー化粧料塗布容器200は、各部品を収容する容器本体11と、容器本体11内の後半部に設けられアイライナー化粧料Lを収容する収容部11aと、容器本体11の先端から突出し収容部11a内のアイライナー化粧料Lを塗布するための塗布体14と、塗布体14を支持し容器本体11に装着される塗布体ホルダ12と、容器本体11内に配置され収容部11a内と塗布体14を結ぶ含浸体である軸状の中継芯17と、中継芯17周りに装着された略円筒状のジャバラ部材18と、を備える。
なお、ここでは、使用者が持って塗布しやすいように、容器本体11の後側に対して、有底円筒状で軸線方向に長尺な把持筒20が着脱可能又は着脱不能に装着されると共に、塗布体14を保護すべく、容器本体11の前側に対して、キャップ19が着脱可能に装着される。
容器本体11は、強度を保つべく硬質材により形成され、ここでは、PPから形成され、先細の円筒状に構成される。なお、特に好ましいとしてPPとしているが、勿論、PP以外の他の硬質材でも良い。この容器本体11の先端側の外周面には、円環状の鍔部11bが設けられる。容器本体11の後端の開口は、例えばPP等から成る尾栓16を容器本体11に装着することにより閉じられ、容器本体11内のジャバラ部材18より後側に拡径して形成された内部空間が、アイライナー化粧料Lが充填された収容部11aとされる。収容部11a内には、アイライナー化粧料Lと共に、当該アイライナー化粧料Lを撹拌すべく例えばSUS等より形成された球状の撹拌子13が収容される。
塗布体ホルダ12は、塗布体14が挿入され当該塗布体14を支持するためのもので筒状に構成され、図14〜図20に示すように、前半側の先部12x(以降ホルダ先部12xと呼ぶ)と、後半側の後部12z(以降ホルダ後部12zと呼ぶ)と、を備える。
ホルダ先部12xは、軟質材により形成され、ここでは、NBRやエラストマー等から形成される。ホルダ先部12xは、前半側のホルダ先部前半部12iと、後半側のホルダ先部後半部12jと、を備える。一方、ホルダ後部12zは、ホルダ先部12xより硬い材質により形成され、ここでは、PPから形成される。ホルダ後部12zは、前半側のホルダ後部前半部としての大径部12vと、後半側のホルダ後部後半部としての後部支持部12tと、を備える。
そして、特に本実施形態においては、ホルダ先部12xとホルダ後部12zは、2色成形により一体で成形されている。
図12及び図13に示すように、ホルダ先部12xのホルダ先部前半部12iは、容器本体11から突出し、ホルダ先部12xのホルダ先部前半部12iより後側の部分であるホルダ先部後半部12j及びホルダ後部12zは、容器本体11内に収容される。
図12〜図20に示すように、ホルダ先部前半部12iは、後端側の外周面が円形形状とされ、先端側に行くに従い円形形状が扁平形状になるように縮径する先細り形状とされる。そして、先細り形状の先端面は多少湾曲する傾斜面とされ、その傾斜面に形成された開口12bが、軸線方向視において略長方形状を呈し、塗布体14の出口とされる。
ホルダ先部12xには前後方向に貫通する貫通孔が設けられ、ホルダ先部前半部12iに形成され開口12bに繋がる筒孔12h(図12、図13、図19及び図20参照)は、塗布体14を収容するもので、ホルダ先部前半部12iが、塗布体14の先部14x側(詳しくは後述;図21及び図22参照)を四方(上下左右)から支持する先部支持部12gとされる。筒孔12hは、塗布体14の先部14x側を支持すべく先部14x側及び中間部14y(詳しくは後述;図21及び図22参照)の形状である断面略長方形状を成している。
ホルダ先部後半部12jは、ホルダ先部前半部12iの後端の円形の外周面に続く外周面を有する筒状に構成され、ホルダ先部後半部12jの先端側の筒孔は、ホルダ先部前半部12iの筒孔12hに同形状で続く筒孔とされ、この筒孔12hに続く筒孔12yは、その長径側が筒孔12hの長径と同じである(図12参照)一方で、その短径側が、中継芯17の後述の軸部17aの直径と同じ長さの筒孔となっている(図13参照)。すなわち、図19及び図20に示すように、筒孔12yは、断面略長方形状の両側面に、軸部17aの外周面に合致する円弧状の曲面がそれぞれ連設される形状となっている。
大径部12vは、ホルダ先部後半部12jの後端に段差面12oを介して続く円形形状の大径部とされており、短尺に後方へ延びている。この段差面12oを有し外方へ突出する部分が、塗布体ホルダ12を軸線方向へ係止するための係止部12wとされる。この係止部12wは、軸線方向に所定長を有する。そして、大径部12vの筒孔も、ホルダ先部後半部12jの筒孔12yより同形状で続く筒孔とされる。
大径部12vの筒孔12yの後端は、塗布体14の出口となる開口12dとされる(図16及び図20参照)。開口12dの形状は、前述したように、断面略長方形状の両側面に、軸部17aの外周面に合致する円弧状の曲面がそれぞれ連設された形状である。図16及び図18に示すように、大径部12vには、当該大径部12vの後端面から切り欠かれて前方へ延び、筒孔12yの長径側(図16の上下方向)へ延びて筒内外を連通する溝12nが一対対向して設けられる。そして、開口12dの長径側の周囲は、上記溝12nにより軸線方向前側にへこむ凹部12qとされ、塗布体14を組み付ける際に、凹部12qに塗布体14のストッパ14f(詳しくは後述)が進入し、凹部12qの底面12fが、塗布体14のストッパ14fが突き当たるストッパとされる(以降、凹部12qの底面12fをストッパ12fと呼ぶ)。
後部支持部12tは、大径部12vの後端面に、塗布体14の挿入方向に沿うように連設されて後方へ突出する一対の突出部12t,12tである。これらの後部支持部12t,12tは、塗布体14の後述の後部14z(詳しくは後述;図21及び図22参照)を両側から挟み支持するものであり、個々の後部支持部12tは、円筒を半割とした断面略半円筒形状とされ、一方の後部支持部12tの断面略半円筒形状の両側の端面12m,12mと、他方の後部支持部12tの断面略半円筒形状の両側の端面12m,12mとが、互いに対向し、塗布体14の後部14zを両側から挟む面とされる。これらの後部支持部12t,12tは、軸線方向視において、断面略半円筒形状の後部支持部12t,12t同士の間に、開口12dの短径側(図18の上下方向)が位置するように配置される。
そして、このような構成を採用することにより、一方の後部支持部12tの一方側の端面12mと他方の後部支持部12tの一方側の端面12mとの間にスリット12sが形成されると共に、一方の後部支持部12tの他方側の端面12mと他方の後部支持部12tの他方側の端面12mとの間に、同様なスリット12sが形成された格好となっている。このスリット12s,12sの各々は、大径部12vの後端面の開口12dにそれぞれ直線状に連通する構成となっている。また、後部支持部12t,12t同士の間の後端は、後方へ開放され、開口12uが開口された格好となっている。
塗布体14は、アイライナー化粧料Lを目の縁に沿って塗布する際に用いられるものであり、チップとも称されるものである。図21及び図22に示すように、塗布体14は、薄い平板状とされて軸線方向に延び、アイラインの細い線を描くのに最適な厚さにされる。この塗布体14は、中継芯17からアイライナー化粧料Lを取り入れて先端側の塗布部14aに誘導する(移動させる)毛細管現象を発現するものであり、塗布の際に肌に馴染む柔らかい感触が得られるように、ここでは、ポリオレフィンより形成されている。
なお、塗布体14としては、最低限、毛細管現象を発現できれば良いが、柔らかい感触が得られるのが好ましく、柔らかい繊維質の材質や、スポンジ等の柔らかい多孔質材を採用することができ、ポリオレフィン以外の例えばナイロン、ポリエステル等より形成されても良い。因みに、繊維質の材質とするのが、より好ましい。
この塗布体14は、先端側の先部14xと、後端側の後部14zと、先部14xと後部14zとの間の中間部14yと、を備える。
先部14xは、塗布体ホルダ12の開口12bから突出する部分であり(図12参照)、平面視において(図22の紙面垂直方向視において)、例えば包丁等の片刃形状の先端部分(刃先)の形状を呈する。具体的には、先部14xの外縁の形状は、平面視において、片刃形状の刃の後側の部分である所謂みねに対応する部分14mが、直線状に構成され、その直線状の先端は、鋭角にRを施した先端部14nとされ、この先端部14nから後方への部分は、刃の所謂反りの部分と同様に、湾曲し傾斜する湾曲傾斜面14aとなっている。そして、この厚みが薄く湾曲する湾曲傾斜面14aが、アイラインを描く塗布部となる(以降、湾曲傾斜面14aを塗布部14aと呼ぶ)。
なお、ここでは、アイライナー化粧料Lを塗布するのに特に好ましい形状として、先端部14nは、片刃形状のように、平面視において幅方向(図22の上下方向)の一方側(図22の上側)に片寄って配置されているが、両刃形状のように、幅方向の中央に配置されていても良い。また、塗布部14aは湾曲し傾斜しているが、直線状に傾斜していても良い。
中間部14yは、先部14xの後端に続き、断面略長方形状に形成される。
後部14zは、その後端に進入する中継芯17からアイライナー化粧料Lを取り入れる部分であり(図12参照)、中継芯17の先端の突起17b(詳しくは後述)が容易に差し込まれるべく、後端面から前方へ向かって凹むスリット状のへこみ14kを備える。そして、このへこみ14kを含む後側が、中継芯17からアイライナー化粧料Lを取り入れる後部14zとされる。この後部14zは、後端から切り込むへこみ14kにより二股の突出部14w,14wに分けられる。これらの突出部14w,14wの各々の先端側の両側面(図22の上下面)には、外側へ突出する凸部14fが設けられる。そして、塗布体14を塗布体ホルダ12に組み付ける際に、凸部14fが、塗布体ホルダ12の凹部12qに進入し、塗布体ホルダ12のストッパ12fに突き当たるストッパとされる(以降、凸部14fをストッパ14fと呼ぶ)。
このような平板状の塗布体14は、図14及び図15に示すように、その先部14xから、塗布体ホルダ12のホルダ後部12zの後部支持部12t,12t間を通り、大径部12vの後端面の開口12d(図16参照)に挿入され、図12、図14及び図15に示すように、その凸部であるストッパ14fが、塗布体ホルダ12の大径部12vのストッパ12fに突き当たることにより、位置決めが成されると共にそれ以上の前進が阻止される。
この状態で、塗布体14の先部14xは、塗布体ホルダ12の先部12xの開口12bから突出し、塗布体14の先部14xの外縁形状に概ね沿うような外縁形状を有する(概ね小さい相似形とされる)塗布体ホルダ12の先部支持部12gにより先部4x側が四方から囲まれるようにして挟まれ支持される。
また、図12、図14及び図15に示すように、塗布体14の後部14zは、塗布体ホルダ12の後部支持部12t,12tにより両側から挟まれて支持される。具体的には、一方の後部支持部12tの断面略半円筒形状の一方側の端面12mと、他方の後部支持部12tの断面略半円筒形状の一方側の端面12mとの間に、後部14zの一方の突出部14wが挟まれると共に、一方の後部支持部12tの断面略半円筒形状の他方側の端面12mと、他方の後部支持部12tの断面略半円筒形状の他方側の端面12mとの間に、後部14zの他方の突出部14wが挟まれ、当該塗布体14の後部14zが支持される。
そして、このようにして塗布体14が一体化された塗布体ホルダ12は、図12及び図13に示すように、その先端側から容器本体11の後端の開放された開口を通して筒孔に挿入され、その係止部12wが、容器本体11の先端側の内周面に設けられた段差面に突き当てられ、係止部12wの段差面12oより前側の部分の外周面が、容器本体11の先端の内周面に嵌着されることにより、塗布体14を支持した塗布体ホルダ12が、容器本体11に装着される。
ジャバラ部材18は、アイライナー化粧料Lの流量をコントロールするためのものであり、例えばPP等から形成される。このジャバラ部材18は、略円筒状に構成され、その先端部より後側に、軸線方向に沿って、アイライナー化粧料Lを含むための溝(ジャバラ)が設けられる。
中継芯17は、例えばPET等から形成され、図23に示すように、断面円形の軸状に構成される。この中継芯17は、軸線方向に延びる軸部17aと、軸部17aの先端に段差面17cを介して縮径するように設けられ前方へ突出する突起17bと、を有する。図12及び図13に示すように、中継芯17の軸部17aは、ジャバラ部材18の筒孔を通過し、その先端側が、ジャバラ部材18の先端側と嵌合することにより、ジャバラ部材18に装着されている。
そして、このようにして中継芯17が一体化されたジャバラ部材18は、その先端側から容器本体11の後端の開放された開口を通して筒孔に挿入され、ジャバラ部材18の円筒状の後端部18aが、容器本体11の内周面の凹部11cに嵌合することにより、容器本体11に装着される。
この状態で、ジャバラ部材18の円筒状の先端部は、塗布体ホルダ12の大径部12vの後端面に突き当てられ(図13参照)、塗布体14のストッパ14fは、塗布体ホルダ12のストッパ12fとジャバラ部材18の先端面との間に挟まれるようにして軸線方向に移動不能とされる(図12参照)。また、この状態で、中継芯17の段差面17cが、塗布体14の後端面に突き当てられる(図12参照)と共に、中継芯17の突起17bが、塗布体ホルダ12の後部12zの後端の開口12uを通して進入し(図15及び図23参照)、さらに、塗布体ホルダ12の後部支持部12t,12tに挟まれ支持されている塗布体14の後部14zに差し込まれ進入する。具体的には、中継芯17の突起17bは、後部14zの突出部14w,14w同士の間に形成されたへこみ14kに差し込まれ進入する(図12参照)。この状態で、中継芯17の突起17bは、塗布体14の後部14zに接触している。
そして、容器本体11内のジャバラ部材18の後端部18aより後方の開口に対して、上記尾栓16が装着され、ジャバラ部材18の後端部18aと尾栓16との間に、上記収容部11aが形成され、この収容部11aにアイライナー化粧料Lが充填される。
このようにして組み立てられたユニットは、その後端側から、把持筒20の筒孔に挿入され、その容器本体11の鍔部11bが、把持筒20の先端面に突き当てられ、この状態で、容器本体11の鍔部11bより後側の外周面が、把持筒20の先端側の内周面に係合することにより把持筒20に装着され、図12及び図13に示すアイライナー化粧料塗布容器200が得られる。
この状態で、材質の違いにより、強度において塗布体14<先部支持部12g(ホルダ先部12x)<後部支持部12t(ホルダ後部12z)の関係が満たされている。
また、材質の違いにより、強度において中継芯17<後部支持部12t(ホルダ後部12z)となっている。なお、ここでは、強度において中継芯17<先部支持部12g(ホルダ先部12x)としているが、逆でも良い。また、材質の違いにより、強度において塗布体14<中継芯17となっている。
このように構成されたアイライナー化粧料塗布容器200にあっては、容器本体11内のアイライナー化粧料Lは、中継芯17の後部から取り入れられ軸部17aを通って先端の突起17bに移動し、さらに、アイライナー化粧料Lは、塗布体14の毛細管現象により、突起17bが差し込まれ接触する塗布体14の後部14zに取り入れられ、当該塗布体14を移動しさらに先部14xの塗布部14aへ移動し、当該塗布部14aにより、アイラインの細い線を柔らかい感触で描くことができる。
そして、特に、このようなアイライナー化粧料塗布容器100によれば、強度において塗布体14<塗布体ホルダ12の先部支持部12g<塗布体ホルダ12の後部支持部12tの大小関係を満たすことにより、以下の作用・効果を好適に奏する。すなわち、強度の高い後部支持部12t,12tのその後端の開口12uを通して中継芯17が容易に案内されて進入し、この状態で、塗布体14の後部14zが、強度の高い後部支持部12t,12tに挟まれ支持され、当該塗布体14の後部14zが逃げることなく、後部支持部12t,12tに案内されて進入した中継芯17が、塗布体14の後部14zに容易に差し込まれる。このため、中継芯17のアイライナー化粧料Lを、塗布体14へ確実に移動させることができると共に、後部支持部12t、12tの後端の開口12uを通してアイライナー化粧料Lの流れが直進となり、中継芯17のアイライナー化粧料Lを円滑に移動させることができる。加えて、塗布体14の先部14xによる塗布の際に、塗布体14より強度が高く且つ後部支持部12t,12tより強度が低い先部支持部12gによって塗布体14の先部14x側をしっかりと支持しつつ、先部支持部12g及び塗布体14の先部14x側をしならせながら良好に塗布ができると共に、先部支持部12gが肌に当たった場合の肌当たりを良くできる。特に、塗布体14は、アイラインの細い線を描くべく薄い平板状にされると共に、柔らかい感触のものとされているため、当該塗布体14はぺらぺらであり、そのままでは、塗布体14の先部14xが、アイラインを描く際の筆圧により折れ曲がってしまうという問題を生じるが、本実施形態においては、塗布体14の先部14x側を先部支持部12gによりしっかり支持しているため、その点は解消されており、目の縁に沿って所望幅の細い綺麗なアイラインを容易に描くことができる。
また、本実施形態によれば、ホルダ先部12xとホルダ後部12zが、2色成形により一体で成形されて塗布体ホルダ12が構成されているため、その製造が容易である。
また、本実施形態によれば、塗布体ホルダ12のホルダ後部12zの係止部12wが、強度において先部支持部12g<係止部12w=容器本体11の関係を満たしているため、係止部12wをしっかりと容器本体11に係合でき、塗布体ホルダ12を容器本体11にしっかりと装着できる。なお、第2実施形態では、ホルダ後部12zの材質を、容器本体11と同一としいるが、ホルダ後部12zの材質は、先部支持部12gより硬く、且つ、容器本体11より軟らかい材質としても良い。
また、本実施形態によれば、塗布体14の方が中継芯17に比して柔らかいため、塗布体ホルダ12の後部支持部12t、12tに挟まれ支持される塗布体14の後部14zのその後端面に対して、中継芯17を確実に差し込むことができる。
また、中継芯17は先端に突起17bを備え、塗布体14の後端面には、中継芯17の突起17bが進入するへこみ14kを備えているため、塗布体14の後端面のへこみ14kに、中継芯17の突起17bが確実に差し込まれて進入することができる。
また、塗布体ホルダ12の後部支持部12t,12t同士の間に、後端の開口12uに連通し前側に延びるスリット12s,12sを備え、塗布体ホルダ12は、スリット12s,12sを後側から前側へ通る塗布体14を突き当てるためのストッパ12f,12fを備えているため(図16参照)、塗布体14のストッパ14f,14fが塗布体ホルダ12のストッパ12f,12fに突き当たることによって(図12参照)、塗布体14の位置決めが容易に成されると共に、塗布体14のそれ以上の前進が阻止され、これにより、図12及び図13に示すアイライナー化粧料塗布容器200の状態において塗布体14の汚れを落とす等の清掃をしているときに、当該塗布体14が前方に抜け出てしまうことを防止できる。
なお、この第2実施形態では、特に好ましいとして、塗布体ホルダ12の後部支持部12t,12tを円筒を半割とした断面略半円筒形状とし、一方の断面略半円筒形状の両側の端面12m,12mと他方の断面略半円筒形状の両側の端面12m,12mとの間で、平板状の塗布体14の後部14z(突出部14w,14w)を挟むようにして支持しているが、塗布体14の後部14zのうち、塗布体ホルダ12の後部支持部12t,12tにより挟まれず且つ覆われずに外部に露出している部分を包むように覆い支持するようにしても良い。また、後部支持部12t,12tの断面略半円筒形状を平板状に代え、平板状の塗布体14の後部14zを、一対の平板状の後部支持部同士で挟むようにして支持しても良く、また、この平板状の後部支持部により挟まれずに外部に露出している部分を覆うようにし、塗布体14の後部14zの全周を包むようにして支持するようにしても良い。これらのように構成しても、塗布体14の後部14zを、塗布体ホルダ12の後部支持部12t,12tにより挟み支持する場合とほぼ同様な作用・効果を奏する。また、これらのように構成する場合、塗布体14は、へこみ14kがない平板でも良い。
以上、本発明をその実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、上記実施形態においては、特に好ましいとして、塗布体4,14を平板状としているが、湾曲した板状でも良い。
また、第1実施形態の塗布体ホルダ2を、第2実施形態のように2色成形により一体で成形しても良い。また、第2実施形態の塗布体ホルダ12を、第1実施形態のようにホルダ先部とホルダ後部の部品に分け、嵌合等により連結し一体化しても良い。
また、上記実施形態においては、材質の違いにより、強度において塗布体4,14<先部支持部2g,12g<後部支持部2t,12tの関係を満たすようにしているが、塗布体ホルダ2,12を同一材より形成し、塗布体ホルダ2,12の先部支持部2g,12gと後部支持部2t,12tの厚みを変えることにより、強度において塗布体4,14<先部支持部2g,12g<後部支持部2t,12tの関係を満たすようにしても良い。
また、上記実施形態においては、材質の違いにより、強度において先部支持部2g,12g<係止部2w,12w≦容器本体1,11の関係を満たすようにしているが、塗布体ホルダ2,12を同一材より形成し、係止部2w,12wの厚みや軸線方向長さを変えることにより、強度において先部支持部2g,12g<係止部2w,12w≦容器本体1,11の関係を満たすようにしても良い。
また、上記実施形態のアイライナー化粧料塗布容器100,200に、アイライナー化粧料Lを先端側に押し出す例えば加圧ピストンのような押出機構を設け、この押出機構を、アイライナー化粧料Lを先端側へ移動させる補助として用いるようにしても良い。また、使用者の押圧力によりアイライナー化粧料Lを押し出すことができるチューブやソフトボトル等のスクイーズタイプのアイライナー化粧料塗布容器に対しても適用することも可能である。
また、上記実施形態においては、特に好ましいとして、液体をアイライナー化粧料Lとし、容器をアイライナー化粧料塗布容器100,200としているが、液体を例えばアイブロウやヘアマスカラ等の他の液状化粧料とし、容器を他の液状化粧料塗布容器としても良く、さらには、液体を筆記用具等のインキや糊や液状の医薬品とし、容器を液体塗布容器とすることも可能である。