<概要>
以下、典型的な実施形態の1つについて、図面を参照して説明する。図1〜図6は本実施形態に係る眼鏡レンズ周縁加工情報設定装置、眼鏡レンズ周縁加工情報設定プログラム、眼鏡レンズ加工装置について説明するための図である。なお、以下の<>にて分類された項目は、独立又は関連して利用されうる。
なお、以下の説明においては、眼鏡レンズ周縁加工情報設定装置を備える眼鏡レンズ加工装置を例に挙げて説明する。もちろん、眼鏡レンズ周縁加工情報設定装置と眼鏡レンズ周縁加工装置は、別途それぞれ設けられていてもよい。この場合、例えば、眼鏡レンズ周縁加工情報設定装置と眼鏡レンズ周縁加工装置は無線と有線の少なくともいずれかで接続されていてもよい。例えば、無線の構成としては、無線LAN、赤外通信、WiFi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等の構成が挙げられる。また、例えば、有線の構成としては、USBケーブル、LANケーブル等の構成が挙げられる。
例えば、本実施形態における眼鏡レンズ周縁加工情報設定装置(例えば、眼鏡レンズ加工装置1)は、眼鏡フレームにレンズを嵌め込むために、レンズの周縁を加工した加工済レンズを修正加工するための修正加工情報を設定する。例えば、眼鏡レンズ周縁加工情報設定装置は、修正加工情報に基づいて加工済レンズの修正加工を可能とする。
例えば、眼鏡レンズ周縁加工情報設定装置は、形状データ取得手段(例えば、制御部50)を備えてもよい。例えば、形状データ取得手段は、加工済レンズに関する形状データを取得する。また、例えば、眼鏡レンズ周縁加工情報設定装置は、加工情報取得手段(例えば、制御部50)を備えてもよい。例えば、加工情報取得手段は、形状データ取得手段によって取得された形状データに基づいて、記憶手段(例えば、メモリ51)に記憶された加工情報から加工済レンズを得るために用いた加工情報を取得する。なお、例えば、記憶手段は、眼鏡レンズ周縁加工装置に備えられていてもよい。また、例えば、記憶手段は、眼鏡レンズ周縁加工装置とは別途設けられる構成であってもよい。この場合、例えば、眼鏡レンズ周縁加工装置と記憶手段が無線と有線の少なくともいずれかによって接続されていればよい。
また、例えば、眼鏡レンズ周縁加工情報設定装置は、設定手段(例えば、制御部50)を備えてもよい。例えば、設定手段は、修正加工情報を得るための修正データを設定する。また、例えば、眼鏡レンズ周縁加工情報設定装置は、演算手段(例えば、制御部50)を備えてもよい。例えば、演算手段は、加工情報取得手段によって取得された加工情報を設定手段によって設定された修正データに基づいて修正することによって、修正加工情報を取得する。
例えば、眼鏡レンズ周縁加工情報設定装置は、加工済レンズに関する形状データを取得する形状データ取得手段と、形状データ取得手段によって取得された形状データに基づいて、記憶手段に記憶された加工情報から加工済レンズを得るために用いた加工情報を取得する加工情報取得手段と、修正加工情報を得るための修正データを設定する設定手段と、加工情報取得手段によって取得された加工情報を設定手段によって設定された修正データに基づいて修正することによって、修正加工情報を取得する演算手段と、を備えてもよい。このような構成によって、例えば、加工済レンズに関する形状データに基づいて、加工済レンズを得るために用いた加工情報が取得されるため、加工者は手間無く加工済レンズを得るために用いた加工情報を取得することができる。また、例えば、加工者は、誤って異なる加工済レンズの加工情報を取得してしまうことを抑制することができる。このため、加工者は、加工情報を容易に取得でき、取得した加工情報に基づいて修正加工を行うための修正加工情報を容易に取得することができる。
以下、上記各構成についてより詳細に説明する。
<形状測定ユニット>
例えば、形状データ取得手段は、形状測定ユニット(例えば、レンズ形状測定ユニット200)を有し、形状測定ユニットによってレンズ又は眼鏡フレームの測定を行うことで、加工済レンズに関する形状データを取得してもよい。また、例えば、形状データ取得手段は、形状データを受信することによって、形状データを取得する構成であってもよい。この場合、例えば、形状データ取得手段は、加工者が操作部を操作することによって入力される形状データを受信することによって、形状データを取得する構成であってもよい。また、この場合、例えば、形状データ取得手段は、別途異なる装置から転送された形状データを受信することによって、形状データを取得する構成であってもよい。
例えば、形状データ取得手段は、加工済レンズと、眼鏡フレームのリムと、眼鏡フレームのリムに嵌まり込むデモレンズと、の少なくともいずれかの外形形状データを形状データとして取得する構成であってもよい。この場合、例えば、加工済レンズと、眼鏡フレームのリムと、眼鏡フレームのリムに嵌まり込むデモレンズと、の少なくともいずれかの外形形状を、レンズと眼鏡フレームとの少なくともいずれかの外形形状を測定する外形形状測定ユニット(例えば、レンズ形状測定ユニット200)によって測定して外形形状データを取得する構成としてもよい。また、この場合、例えば、加工済レンズと、眼鏡フレームのリムと、眼鏡フレームのリムに嵌まり込むデモレンズと、の少なくともいずれかの外形形状データを受信することによって、外形形状データを取得する構成であってもよい。一例として、例えば、加工済レンズに関する外形形状データは、レンズ加工後の加工済レンズより取得された加工済レンズの外形形状データであってもよい。
例えば、外形形状測定ユニットとしては、測定子を備え、加工済レンズと、眼鏡フレームのリムと、眼鏡フレームのリムに嵌まり込むデモレンズと、の少なくともいずれかに測定子を接触するようにして、外形形状データを測定する構成であってもよい。例えば、加工済レンズ又はデモレンズを測定子にて測定する場合、測定子を加工済レンズ又はデモレンズの外周に接触させて移動させることによって、外形形状データを測定する構成であってもよい。また、例えば、眼鏡フレームのリムを測定子にて測定する場合、測定子をリムの溝に挿入して、リムの溝を沿って移動させることによって、眼鏡フレームのリムの外形形状データ(眼鏡フレームのリムの内縁形状データ)を測定する構成であってもよい。なお、例えば、加工済レンズ又はデモレンズを測定するための測定子と、眼鏡フレームのリムを測定する測定子が兼用される構成であってもよい。また、例えば、加工済レンズ又はデモレンズを測定するための測定子と、眼鏡フレームのリムを測定する測定子と、が別途それぞれ設けられる構成であってもよい。もちろん、加工済レンズを測定するための測定子と、デモレンズを測定するための測定子と、は別途設けられていてもよい。
また、例えば、外形形状測定ユニットとしては、投光光学系と受光光学系を有し、加工済レンズと、眼鏡フレームのリムと、眼鏡フレームのリムに嵌まり込むデモレンズと、の少なくともいずれかに、投光光学系によって光束を照射し、受光光学系によってその反射光を受光することによって、外形形状データを測定する構成であってもよい。この場合、例えば、外形形状測定ユニットは、加工済レンズのコバ面、デモレンズのコバ面、又は眼鏡フレームのリムの溝、に光束を照射して、その反射光を受光することによって、外形形状データを測定してもよい。もちろん、外形形状測定ユニットは、上記構成に限らず、加工済レンズに関する外形形状データを測定できる構成であればよい。
上記のように、例えば、形状データ取得手段は、加工済レンズと、眼鏡フレームのリムと、眼鏡フレームのリムに嵌まり込むデモレンズと、の少なくともいずれかの外形形状データを形状データとして取得するようにしてもよい。例えば、外形形状データは外形形状測定ユニットによって容易に取得することができるデータであるため、外形形状データに基づいて、より容易に加工済レンズを得るために用いた加工情報を取得することができる。これによって、加工者は、修正加工を行うための修正加工情報をより容易に取得することができる。
例えば、形状データ取得手段は、加工済レンズと、眼鏡フレームのリムに嵌まり込むデモレンズと、の少なくとも一方の面形状データを形状データとして取得する構成であってもよい。この場合、例えば、加工済レンズと、眼鏡フレームのリムに嵌まり込むデモレンズと、の少なくとも一方の面形状をレンズの面形状を測定する面形状測定ユニット(例えば、レンズ形状測定ユニット200)によって測定して面形状データを取得する構成としてもよい。また、この場合、例えば、加工済レンズと、眼鏡フレームのリムに嵌まり込むデモレンズと、の少なくともいずれかの面形状データを受信することによって、面形状データを取得する構成であってもよい。なお、本実施形態において、面形状データは、外形形状データとともに、形状データとして用いられる。なお、面形状データは、レンズの前面、レンズの後面、ヤゲン斜面、等の少なくともいずれかの面形状データであってもよい。もちろん、面形状データとしては、上記部位の面形状データに限定されず、レンズ上の部位における面のデータあればよい。
例えば、面形状測定ユニットとしては、測定子を備え、レンズに測定子を接触させに測定子を接触するようにしてレンズを測定する構成であってもよい。この場合、例えば、測定子をレンズ面に接触させて、レンズ面上で測定子を移動させることによって、面形状データを測定してもよい。また、この場合、例えば、測定子をレンズ面の複数の位置に接触させ、接触させた複数の位置でのレンズ面の位置情報に基づいて、面形状データを取得してもよい。
また、例えば、面形状測定ユニットとしては、投光光学系と受光光学系を有し、投光光学系によって、レンズに光束を照射し、受光光学系によって、その反射光を受光することによって、レンズを測定してもよい。この場合、例えば、面形状測定ユニットは、レンズ面に向けてスリット光束を照射し、その反射光を受光することによって、レンズ断面画像データを取得し、断面画像データを解析することによって、面形状データを測定してもよい。もちろん、面形状測定ユニットは、上記構成に限らず、加工済レンズに関する面形状データを測定できる構成であればよい。
上記のように、例えば、形状データ取得手段は、加工済レンズと、デモレンズと、の少なくとも一方の面形状データを形状データとして取得するようにしてもよい。例えば、面形状データは外形形状測定ユニットによって容易に取得することができるデータであるため、面形状データに基づいて、より容易に加工済レンズを得るために用いた加工情報を取得することができる。また、例えば、面形状データと外形形状データとに基づいて、加工情報を取得するため、加工情報をより取得しやすくなる。
なお、形状データ取得手段は、面形状データと外形形状データとを演算処理して、三次元形状データを取得してもよい。この場合、例えば、三次元形状データが形状データとして取得されてもよい。もちろん、形状データとしては、面形状データと外形形状データとのそれぞれを形状データとして取得していてもよい。
なお、例えば、形状測定ユニットとしては、外形形状測定ユニットと面形状測定ユニットとの少なくともいずれかであってもよい。例えば、形状測定ユニットとしては、外形形状測定ユニット及び面形状測定ユニットの双方であってもよい。この場合、例えば、外形形状測定ユニット及び面形状測定ユニットが兼用される構成であってもよい。また、この場合、例えば、外形形状測定ユニット及び面形状測定ユニットが別途それぞれ設けられる構成であってもよい。
なお、例えば、形状データ取得手段は、上記形状データに限らず、加工済レンズに関するその他の形状データを取得する構成であってもよい。
<加工情報取得手段>
例えば、加工情報取得手段は、形状データ取得手段によって取得された形状データに基づいて、記憶手段に記憶された加工情報から加工済レンズを得るために用いた加工情報を取得する。例えば、加工情報取得手段は、形状データ取得手段によって取得された形状データと、記憶手段に記憶された加工情報(加工情報に基づくデータを含む)とを、比較可能な構成であればよい。
なお、例えば、加工情報は、レイアウトデータと玉型データとに基づいて取得される。例えば、玉型データは、眼鏡フレームのリム又はデモレンズがトレースされることによって、取得されるトレースデータであってもよい。
例えば、比較可能な構成として、加工情報取得手段は、形状データ取得手段によって取得された形状データと、記憶手段に記憶された加工情報とを比較処理し、記憶手段に記憶された加工情報から加工済レンズを得るために用いた加工情報を取得してもよい。この場合、例えば、加工情報取得手段は、形状データに対して、記憶手段に記憶された複数の加工情報を順に比較処理していき、それぞれの比較結果に基づいて、記憶手段に記憶された加工情報から加工済レンズを得るために用いた加工情報を取得してもよい。このような構成によれば、例えば、比較処理によって、形状データと加工情報との一致度合を容易に確認することができ、記憶手段に記憶された加工情報から加工済レンズを得るために用いた加工情報を容易に取得しやすくなる。
なお、例えば、形状データ取得手段によって取得された形状データと、記憶手段に記憶された加工情報と、の比較処理を行う場合に、比較される加工情報は、レイアウトデータと玉型形状データとから取得された加工情報であってもよい。また、例えば、形状データ取得手段によって取得された形状データと、記憶手段に記憶された加工情報と、の比較処理を行う場合に、比較される加工情報は、加工情報の取得に用いられた玉型形状データであってもよい。また、例えば、形状データ取得手段によって取得された形状データと、記憶手段に記憶された加工情報と、の比較処理を行う場合に、比較される加工情報は、加工情報の取得に用いられたレイアウトデータであってもよい。
例えば、比較処理としては、差分処理であってもよい。例えば、加工情報取得手段は、形状データ取得手段によって取得された形状データと、記憶手段に記憶された加工情報とを差分処理して、記憶手段に記憶された加工情報から加工済レンズを得るために用いた加工情報を取得してもよい。この場合、例えば、加工情報取得手段は、形状データに対して、記憶手段に記憶された複数の加工情報を順に差分処理していき、それぞれの差分結果に基づいて、記憶手段に記憶された加工情報から加工済レンズを得るために用いた加工情報を取得してもよい。一例として、例えば、加工情報取得手段は、それぞれの差分結果を比較して、最も差分が小さかった加工情報を加工済レンズを得るために用いた加工情報として取得してもよい。
例えば、差分処理としては、形状データと、記憶手段に記憶された加工情報と、の位置ずれ量を算出する処理であってもよい。この場合、例えば、形状データと記憶手段に記憶された各加工情報との各位置ずれ量をそれぞれ算出して、それぞれの位置ずれ結果に基づいて、記憶手段に記憶された加工情報から加工済レンズを得るために用いた加工情報を取得してもよい。一例として、例えば、加工情報取得手段は、それぞれの位置ずれ量を比較して、もっとも位置ずれ量の低かった加工情報を加工済レンズを得るために用いた加工情報として取得してもよい。なお、例えば、位置ずれ量は、位置ずれに基づいて算出される面積情報であってもよい。もちろん、上記差分処理とは異なる処理の差分処理が用いられてもよい。差分処理は、形状データと加工情報との差分(データ間の差分)が算出される処理であればよい。
また、例えば、比較処理としては、マッチング処理であってもよい。この場合、例えば、加工情報取得手段は、形状データ取得手段によって取得された形状データと、記憶手段に記憶された加工情報とをマッチング処理して、記憶手段に記憶された加工情報から加工済レンズを得るために用いた加工情報を取得してもよい。この場合、例えば、加工情報取得手段は、形状データに対して、記憶手段に記憶された複数の加工情報を順にマッチング処理していき、それぞれのマッチング結果に基づいて、記憶手段に記憶された加工情報から加工済レンズを得るために用いた加工情報を取得してもよい。一例として、例えば、加工情報取得手段は、それぞれのマッチング結果を比較して、マッチング度合が高かった加工情報を加工済レンズを得るために用いた加工情報として取得してもよい。
例えば、マッチング処理は、形状データと、記憶手段に記憶された加工情報と、の少なくとも一方を移動させながら、各位置での相関値を算出し、算出された相関値の内、もっとも相関値が高いものを、マッチング処理を行った形状データと加工情報の相関値として決定する。この場合、例えば、形状データと記憶手段に記憶された各加工情報との各相関値をそれぞれ算出して、もっとも相関が高い(マッチング度合が高い)加工情報を加工済レンズを得るために用いた加工情報として取得してもよい。もちろん、上記マッチング処理とは異なる処理のマッチング処理が用いられてもよい。マッチング処理は、形状データと加工情報とのマッチング度合が算出される処理であればよい。
なお、比較処理としては、上記処理に限定されず、形状データ取得手段によって取得された形状データと、記憶手段に記憶された加工情報とを、比較可能な処理であればよい。
なお、比較処理を行い加工済レンズを得るために用いた加工情報を取得した際に、加工済レンズを得るために用いた加工情報と、形状データと、の間で差分が生じていた場合に、加工情報を差分に基づいて補正するようにしてもよい。例えば、差分処理を行い加工済レンズを得るために用いた加工情報を取得した際に、形状データと、加工済レンズを得るために用いた加工情報と、の間で位置ずれがあった場合に、位置ずれに基づいて加工情報を補正するようにしてもよい。この場合、一例として、加工済レンズを得るために用いた加工情報に対して形状データの中心位置が1度回転した位置にずれていた場合に、加工情報を一度分だけ回転して位置ずれを補正することによって、形状データに一致するように補正をしてもよい。
以下、加工情報取得手段についてより詳細に説明する。例えば、形状データとして外形形状データを取得していた場合、加工情報取得手段は、外形形状データに基づいて加工情報を取得する。例えば、加工済レンズの外形形状データを取得していた場合、加工情報取得手段は、外形形状データと、記憶手段に記憶された加工情報と、を比較処理することによって、記憶手段に記憶された加工情報から加工済レンズを得るために用いた加工情報を取得してもよい。例えば、眼鏡フレームのリム又はデモレンズの外形形状データを取得していた場合、加工情報取得手段は、外形形状データと、記憶手段に記憶された加工情報に含まれる玉型データと、を比較処理することによって、記憶手段に記憶された加工情報から加工済レンズを得るために用いた加工情報を取得してもよい。
例えば、形状データとして面形状データを取得していた場合、加工情報取得手段は、面形状データ及び外形形状データに基づいて加工情報を取得する。例えば、加工済レンズ又はデモレンズの面形状データを取得していた場合、加工情報取得手段は、面形状データと、記憶手段に記憶された加工情報に含まれる面形状データ(例えば、レンズの前面カーブ値、レンズの後面カーブ値等)と、を比較処理することによって、記憶手段に記憶された加工情報から加工済レンズを得るために用いた加工情報を取得してもよい。この場合、例えば、加工情報取得手段は、面形状データ及び外形形状データのそれぞれで比較処理を行い、記憶手段に記憶された加工情報から加工済レンズを得るために用いた加工情報を取得してもよい。
例えば、面形状データ及び外形形状データのそれぞれで比較処理を行う一例として、加工情報取得手段は、外形形状データに基づいて、記憶手段に記憶された加工情報から加工済レンズを得るために用いた加工情報を取得し、取得した加工情報が複数取得された場合に、面形状データに基づいて、複数の加工情報から1つの加工情報を取得するようにしてもよい。この場合、例えば、加工情報取得手段は、外形形状データに基づいて、記憶手段に記憶された加工情報から加工済レンズを得るために用いた加工情報を取得する。例えば、加工情報取得手段は、取得した加工情報が複数存在するか否かを判定する。例えば、加工情報取得手段は、取得した加工情報が複数存在すると判定した場合に、面形状データを用いて加工情報の絞り込みを行う。例えば、加工情報取得手段は、面形状データに基づいて、複数の加工情報から1つの加工情報を取得する。このように、例えば、加工情報取得手段は、外形形状データに基づいて、記憶手段に記憶された加工情報から加工済レンズを得るために用いた加工情報を取得し、取得した加工情報が複数取得された場合に、面形状データに基づいて、複数の加工情報から1つの加工情報を取得するようにしてもよい。例えば、外形形状データから加工情報を取得した場合に、複数の加工情報が取得され、1つの加工情報を取得することができない場合に、さらに、面形状データに基づいて、複数の加工情報から1つの加工情報を取得することができる。これによって、より良好に加工済レンズを得るために用いた加工情報を取得することができる。
なお、例えば、形状データとして面形状データを取得していた場合、加工情報取得手段は、面形状データ及び外形形状データを演算処理して、三次元形状データを取得してもよい。例えば、加工情報取得手段は、取得した三次元形状データに基づいて加工済レンズを得るために用いた加工情報を取得してもよい。例えば、三次元形状データを取得していた場合、加工情報取得手段は、三次元形状データと、記憶手段に記憶された加工情報と、を比較処理することによって、記憶手段に記憶された加工情報から加工済レンズを得るために用いた加工情報を取得してもよい。
<設定手段>
例えば、設定手段は、修正加工情報を得るための修正データを設定する。例えば、修正データは、自動的に設定する構成としてもよい。この場合、例えば、修正データとして、一定の修正データ(一例として、一定のサイズ修正量)を設定する構成であってもよい。また、例えば、修正データは、手動で設定する構成としてもよい。この場合、例えば、検者によって操作手段(例えば、ディスプレイ5)が操作され、修正データが設定される構成であってもよい。より詳細には、例えば、検者が修正データを設定するための設定画面上で修正データの入力を行うことによって、修正データが設定されてもよい。一例として、例えば、検者によって入力される修正データとしては、サイズの修正量であってもよい。
<眼鏡レンズ修正加工>
例えば、眼鏡レンズ周縁加工情報設定装置によって取得された修正加工情報をレンズの修正加工(再加工)に用いてもよい。例えば、眼鏡レンズの周縁を加工する眼鏡レンズ周縁加工装置(例えば、眼鏡レンズ周縁加工装置1)は、眼鏡レンズ周縁加工情報設定装置によって取得された加工済レンズの修正加工情報を取得する。
例えば、眼鏡レンズ周縁加工情報設定装置は、送信手段を有し、送信手段によって、眼鏡レンズ周縁加工装置に向けて修正加工情報を送信するようにしてもよい。この場合、例えば、眼鏡レンズ周縁加工装置は、受信手段を有し、眼鏡レンズ周縁加工情報設定装置から送信された修正加工情報を受信するようにしてもよい。
なお、例えば、眼鏡レンズ周縁加工装置に眼鏡レンズ周縁加工情報設定装置が備えられた構成であってもよい。また、例えば、眼鏡レンズ周縁加工装置と眼鏡レンズ周縁加工情報設定装置とが別途それぞれ別装置であってもよい。この場合には、有線と無線との少なくともいずれかによって、修正加工情報が眼鏡レンズ周縁加工情報設定装置から眼鏡レンズ周縁加工装置に送信されるようにしてもよい。
例えば、眼鏡レンズ周縁加工装置は、加工具(例えば、加工具62)と、加工制御手段(例えば、制御部50)を備えていてもよい。例えば、加工具は、レンズの周縁を加工するために用いられる。例えば、加工制御手段は、眼鏡レンズ周縁加工情報設定装置によって取得された修正加工情報に基づいて、加工具を制御し、加工済レンズの修正加工をしてもよい。この場合、例えば、加工制御手段は、レンズを保持するレンズ保持手段及び加工具を制御して、加工済レンズの修正加工をしてもよい。このように、例えば、眼鏡レンズ周縁加工装置が眼鏡レンズ周縁加工情報設定装置と、レンズの周縁を加工するための加工具と、修正加工情報に基づいて、加工具を制御し、加工済レンズの修正加工をする加工制御手段と、を備え、修正加工情報に基づいて加工済レンズの修正加工をするようにしてもよい。例えば、眼鏡レンズ周縁加工装置が眼鏡レンズ周縁加工情報設定装置を備えている構成により、修正加工情報の取得から修正加工情報に基づく修正加工までの作業をスムーズに行うことができ、迅速に眼鏡レンズの周縁加工を完了させることができる。
なお、修正加工を行う場合に、修正加工を行う眼鏡レンズ周縁加工装置と、加工済レンズを得る際に眼鏡レンズの加工を行った眼鏡レンズ周縁加工装置とは、異なる加工装置が用いられてもよい。この場合、例えば、加工済レンズを得る際に眼鏡レンズの加工を行った眼鏡レンズ周縁加工装置における記憶手段から、加工済レンズを得る際に用いた加工情報を取得することによって、修正加工を行う眼鏡レンズ周縁加工装置によって修正加工を行うようにしてもよい。すなわち、修正加工情報を取得するために用いられる加工情報は、修正加工を行う眼鏡レンズ周縁加工装置とは異なる眼鏡レンズ周縁加工装置(加工済レンズを取得する際に用いた眼鏡レンズ周縁加工装置)の記憶手段の加工情報から取得されるようにしてもよい。例えば、眼鏡レンズの加工工場にて周縁加工が行われた加工済レンズが眼鏡店に送付され、眼鏡店にて加工済レンズを眼鏡フレームに良好に嵌め込むことができない場合に、加工工場に返却して修正加工を行う負担を抑制できる。すなわち、加工工場における眼鏡レンズ周縁加工装置にて加工された際の加工情報を用いて、眼鏡店の眼鏡レンズ周縁加工装置にて修正加工を行うことができ、負担なくスムーズに修正加工を行うことができる。
<実施例>
以下、本開示の典型的な実施例の1つについて、図面を参照して説明する。図1は眼鏡レンズ周縁加工装置の加工機構部の概略構成図である。例えば、本実施例においては、眼鏡レンズ周縁加工情報設定装置を備える眼鏡レンズ加工装置を例に挙げて説明する。もちろん、眼鏡レンズ周縁加工情報設定装置と眼鏡レンズ周縁加工装置は、別途それぞれ設けられていてもよい。
例えば、眼鏡レンズ周縁加工装置1は、眼鏡レンズ(以下、レンズと記載)LEを保持する一対のレンズチャック軸102L、102Rを有するレンズ保持部100と、レンズLEの形状を測定するための測定子260(例えば、図2参照)を備えるレンズ形状測定ユニット(形状測定ユニット)200と、レンズLEの周縁を加工するための加工具62が取り付けられた加工具回転軸61aを回転する加工具回転ユニット60Aと、を備える。
なお、本実施例においては、一対のレンズチャック軸102L、102Rは、レンズLEの周縁を加工した後の加工済レンズ、又は、眼鏡フレームから取り外されたデモレンズ(加工済レンズを得るために用いられたデモレンズ)を保持することができる。
例えば、レンズ保持部100は、レンズ回転ユニット100Aと、X方向移動ユニット(レンズチャック軸移動ユニット)100Bと、Y方向移動ユニット(軸間距離変動ユニット)100Cと、レンズチャックユニット300と、を備える。
レンズ回転ユニット100Aは、一対のレンズチャック軸102L、102Rを回転させるために用いられる。例えば、X方向移動ユニット100Bは、レンズチャック軸102L、102Rの軸線X1が延びるX方向(レンズチャック軸方向)にレンズチャック軸102L、102Rを移動するために用いられる。なお、X方向移動ユニット100Bは、相対的に加工具回転軸61a(加工具62)をX方向に移動する機構であっても良い。例えば、Y方向移動ユニット100Cは、レンズチャック軸102L、102Rと加工具回転軸61aとの軸間距離が変動する方向(Y方向)に、加工具回転軸61aに対してレンズチャック軸102L、102Rを相対的に移動させるために用いられる。なお、Y方向移動ユニット100Cとしては、レンズチャック軸102L、102Rに対して加工具回転軸61a(加工具62)を移動する機構であっても良い。例えば、レンズチャックユニット300は、レンズLEを挟持すべく、一方のレンズチャック軸102Lに対してもう一方のレンズチャック軸102Rをレンズチャック軸102L側に移動させるために用いられる。
以下、眼鏡レンズ周縁加工装置1についてより詳細に説明する。眼鏡レンズ周縁加工装置1の本体ベース170上にはレンズ保持部100、加工具回転ユニット60A、レンズ形状測定ユニット200が搭載されている。なお、レンズチャックユニット300は周知の構成が使用できるので、説明は省略する。
<レンズ保持部>
例えば、レンズ保持部100は、レンズチャック軸102L、102Rを保持するキャリッジ101を有する。例えば、キャリッジ101は、レンズチャック軸102Lを回転可能に保持する第1アーム101Lと、レンズチャック軸102Rを回転可能に、且つX方向(軸線X1方向)に移動可能に保持する第2アーム101Rと、を有する。例えば、レンズチャック軸102Rは、レンズチャックユニット300によってレンズチャック軸102L側に移動される。レンズチャック軸102Rの移動によって、レンズLEが2つのレンズチャック軸102R、102Lにより保持(挟持)される。レンズチャックユニット300は、第2アーム101Rに配置されたモータ110と、モータ110の駆動によりレンズチャック軸102Rをレンズチャック軸102L側に移動させる移動機構を有する。レンズチャックユニット300は周知の機構を使用されるので、その説明は省略する。
<レンズ回転ユニット>
レンズ回転ユニット100Aは、レンズチャック軸102Rを回転するためのモータ120及び回転伝達機構121と、レンズチャック軸102Lを回転するために、第1アーム101Lに取り付けられたモータ115(例えば、図3参照)と、回転伝達機構116と、を有する。モータ120及びモータ115が同期して回転されることによってレンズチャック軸102R及び102Lが同時に回転される。なお、レンズ回転ユニット100Aとしては、1つのモータで周知の回転伝達機構を介してレンズチャック軸102R及び102Lの両方を同時に回転する構成であっても良い。
レンズチャック軸102Lの先端には、カップホルダ102aが取付けられている。カップホルダ102aには、レンズLE(本実施例においては、加工済レンズ又はデモレンズ)を保持するために、レンズLEの表面に取付けられた治具であるカップ(図示を略す)が装着される。この状態で、レンズチャックユニット300によってレンズチャック軸102Rがレンズチャック軸102L側に移動されることにより、レンズLEがレンズチャック軸102L、102Rに保持される。
<X方向移動ユニット>
例えば、X方向移動ユニット100Bは、キャリッジ101を有する。例えば、キャリッジ101は、レンズチャック軸102R,102Lの軸線X1及び加工具回転軸(シャフト)の軸線X2と平行に延びるシャフト103、104に沿ってX方向に移動可能なX移動支基140に搭載されている。本体ベース170上にモータ145が配置されている。X移動支基140は、ボールネジ及びナット等のスライド機構を介してモータ145の駆動によってX方向に移動される。X移動支基140がX方向に移動されることにより、キャリッジ101に保持されたレンズチャック軸102R,102LがX方向に移動される。なお、なお、X方向移動ユニット100Bとしては、レンズチャック軸102R,102Lに対して加工具回転軸61a(加工具62)がX方向に相対的に移動される構成であっても良い。モータ145の回転軸にはレンズチャック軸102R,102LのX方向の移動を検出する検出器であるエンコーダ146が設けられている。
<Y方向移動ユニット>
例えば、Y方向移動ユニット100Cは、モータ150を有する。X移動支基140には、シャフト103の軸線を中心にキャリッジ101(第1アーム101L及び第2アーム101R)が回転(揺動)可能に設けられている。X移動支基140の前方にモータ150が加工具回転軸61aの軸線X2を中心に揺動可能に設けられている。モータ150に回転軸には、レンズチャック軸102L、102Rの軸線X1と加工具回転軸61aの軸線X2とを結ぶ方向に平行に延びるボールネジ155が取付けられている。また、キャリッジ101の第1アーム101Lには軸線X2を中心に回転可能な連結ブロック180が設けられている。連結ブロック180はボールネジ155に噛み合うナット等の移動部材に連結されている。モータ150の駆動によってボールネジ155が回転されると、移動部材と共に連結ブロック180がボールネジ155の軸方向に移動される。これにより、第1アーム101Lと共にレンズチャック軸102L、102Rがシャフト103を中心に回転され、レンズチャック軸102L、102Rと加工具回転軸61aとの軸間距離が変えられる。
<加工具回転ユニット>
ベース部170上において、眼鏡レンズ周縁加工装置1の手前側には加工具回転ユニット60Aが配置されている。加工具回転ユニット60Aは、加工具回転軸61aを回転するためのモータ60を有する。加工具回転軸61aにはレンズLEの周縁を加工するための加工具62が取付けられている。加工具62は、ガラス用粗砥石63、レンズにヤゲンを形成するV溝(ヤゲン溝)VG及び平坦加工面を持つ仕上げ用砥石64、平鏡面仕上げ用砥石65、プラスチック用粗砥石66などから構成されている。キャリッジ101が持つレンズチャック軸102L,102Rに挟持されたレンズLEは加工具62に押し付けられ、加工具62によってレンズLEの周縁が加工される。なお、加工具62の構成は上記構成に限定されない。異なる種類の砥石によって加工具62が構成されていてもよい。また、加工具62としては、レンズLEを加工できるものであればよく、砥石とは異なる種類の加工具が用いられてもよい。例えば、加工具としては、カッター等が用いられてもよい。
<レンズ形状測定ユニット>
例えば、図1において、キャリッジ101の上方であって、キャリッジ101を介してレンズ加工具168と反対方向の位置には、レンズ形状測定ユニット200が配置されている。本実施形態のレンズ形状測定ユニット200は、レンズの外径形状(輪郭形状)を測定(トレース)するための外径形状測定ユニットと、レンズ面の形状を測定するための面形状測定ユニットと、の2つの機能を備える。
レンズ形状測定ユニット200についてより詳細に説明する。例えば、図2は、レンズ形状測定ユニット200の概略構成図である。例えば、レンズ形状測定ユニット200は、レンズ面形状を測定するための測定子260として、レンズLEの前面に接触させる測定子261と、レンズLEの後面に接触させる測定子262と、を備える。また、測定子262は円筒状の側面を有する。測定子262の側面は、レンズの外径形状を測定するために、レンズLE(デモレンズ)の外周に接触される測定子263として利用される。また、レンズ形状測定ユニット200は、測定子261、262のX方向の移動位置を検知するためのセンサ271と、レンズチャック軸102L、102Rから離れる方向への測定子263の移動位置を検知するためのセンサ273を備える。
例えば、測定子261、262は、X方向に移動可能なアーム265によって保持されている。本実施形態では、アーム265はU字上の形状を有する。また、本実施形態では、アーム265は支柱267に取付けられ、支柱267がX軸方向移動可能にブロック269に保持されている。支柱267は図示を略すバネ(付勢部材)によって、図2の状態を中立位置として、レンズの前面側方向及び後面側方向にそれぞれ付勢されている。測定子261、262のX方向の移動位置は、アーム265及び支柱267を介してセンサ(検知器)271によって検知される。例えば、センサ271の構成は周知のものが使用される。
例えば、レンズ形状の測定時には、レンズチャック軸102R,102Lの回転によってレンズLEが回転され、玉型に基づいてレンズチャック軸102R,102LのY方向の移動が制御されることにより、玉型に対応したレンズの前面及び後面のX方向の位置がセンサ271によって検知される。なお、本装置では、レンズチャック軸102R,102LのX方向の移動制御も利用してレンズの前面及び後面の形状測定が行われる。
また、例えば、支柱267はX方向に平行に延びる軸線S1を中心にして後方(レンズチャック軸102L、102Rから離れる方向)に傾斜可能に、ブロック269に取付けられている。支柱267は、図示を略すバネ(付勢部材)によって、常時、前側に付勢されている。支柱267は前方への傾斜は、図示を略す制限部材によって、例えば、図2の状態で制限されている。レンズLEの外径測定時には、測定子263がレンズLEの外周に接触され、レンズLEが回転されることによって、レンズLEの外径に応じて測定子263がレンズチャック軸102L、102Rから離れる方向に移動される。すなわち、レンズLEの外径に応じて支柱267が軸線S1を中心に傾斜される。支柱267の傾斜は、センサ(検知器)273によって検知される。すなわち、センサ273は、レンズチャック軸102L、102Rから離れる方向への測定子263の移動位置を検知する。
<電気的構成>
例えば、図3は、眼鏡レンズ周縁加工装置の電気的構成を説明するブロック図である。制御部50には、スイッチ部(操作部)7、不揮発性メモリ(記憶手段)51、モータ60、モータ110、モータ145、モータ150、センサ271、センサ273、ディスプレイ5等が接続される。例えば、制御部50は、CPU(プロセッサ)、RAM、ROM等を備える。例えば、制御部50のCPUは、装置全体の制御を司る。また、例えば、制御部50は、各種演算(例えば、各センサからの出力信号等に基づいて加工情報の演算等)を行う演算手段として機能する。例えば、RAMは、各種情報を一時的に記憶する。
例えば、制御部50のROMには、装置全体の動作を制御するための各種プログラム、初期値等が記憶されている。なお、制御部50は、複数の制御部(つまり、複数のプロセッサ)によって構成されてもよい。不揮発性メモリ(記憶手段)51は、電源の供給が遮断されても記憶内容を保持できる非一過性の記憶媒体である。例えば、ハードディスクドライブ、フラッシュROM、眼鏡レンズ周縁加工装置1に着脱可能に装着されるUSBメモリ等を不揮発性メモリ(メモリ)51として使用することができる。例えば、メモリ51には、レンズLEの周縁を加工した際に用いた加工情報(例えば、玉型データ及びレイアウトデータ)が記憶される。
例えば、本実施例において、ディスプレイ5は、タッチパネル式のディスプレイが用いられる。すなわち、本実施例において、ディスプレイ5がタッチパネルであるため、ディスプレイ5が操作部として機能する。この場合、制御部50はディスプレイ5が持つタッチパネル機能により入力信号を受け、ディスプレイ5の図形及び情報の表示等を制御する。もちろん、眼鏡レンズ周縁加工装置1に、別途、操作部が設けられる構成としてもよい。この場合、例えば、操作部には、例えば、マウス、ジョイスティック、キーボード、タッチパネル等の少なくともいずれかを用いればよい。もちろん、ディスプレイ60と、操作部と、の双方が用いられ、眼鏡レンズ周縁加工装置1が操作される構成としてもよい。なお、本実施例においては、ディスプレイ5が操作部として機能するとともに、別途、スイッチ部7が備えられた構成を例に挙げて説明する。
<制御動作>
次に、以上のような構成を持つ眼鏡レンズ周縁加工装置1の制御動作について説明する。本実施例において、例えば、眼鏡レンズ周縁加工装置1は、加工済レンズの修正加工を行うことができる。例えば、一連の眼鏡レンズの周縁加工が行われた後、周縁が加工された後の加工済レンズが眼鏡フレームに上手く取り付かない場合等に、加工済レンズを修正(二度摺り加工)する。
以下、一連の加工動作から修正加工動作までを説明する。例えば、玉型データは、図示無き眼鏡枠形状測定装置によって取得される。例えば、眼鏡枠形状測定装置によって眼鏡フレームを測定することで、レンズ枠の玉型データ(rn,ρn)(n=1,2,3,…,N)が測定される。眼鏡枠形状測定装置の図示無きデータ送信スイッチを操作することによって、眼鏡形状測定装置から玉型データを眼鏡レンズ周縁加工装置1に送信し、眼鏡レンズ周縁加工装置1のメモリ51に記憶させる。
なお、本実施形態において、玉型データは、眼鏡枠形状測定装置によって取得される構成を例に挙げたがこれに限定されない。例えば、操作者は、眼鏡フレームに取り付けられたデモレンズを取り外した後、そのデモレンズの輪郭を輪郭読み取り装置等で読み取ることによって、玉型データを測定する構成してもよい。また、本実施形態においては、眼鏡枠形状測定装置の図示無きデータ送信スイッチが操作されることによって、玉型データが眼鏡枠形状測定装置から送信される構成としたがこれに限定されない。例えば、操作者が眼鏡レンズ周縁加工装置1のディスプレイ5を操作することによって、玉型データを入力する構成としてもよい。
玉型データが取得されると、制御部50は、玉型データに対するレイアウトデータを設定するためのレイアウトデータ設定画面を表示する。レイアウトデータ設定画面では、各種加工条件を設定することができる。例えば、操作者は、ディスプレイ5を操作して、装用者の瞳孔間距離(PD値)、眼鏡フレームFの枠中心間距離(FPD値)、玉型の幾何中心FCに対する光学中心OCの高さ等のレイアウトデータを設定する。また、例えば、操作者は、ディスプレイ5を操作して、レンズの材質、フレームの種類、加工モード(ヤゲン加工、溝掘り加工、穴あけ加工等)の加工条件を設定する。例えば、レンズの材質は、プラスチックレンズ及びポリカーボネイトレンズ等が選択できる。
なお、本実施形態においては、眼鏡レンズ周縁加工装置1において、ディスプレイ5を操作することによって、レイアウトデータが設定される構成としたがこれに限定されない。例えば、別の装置やPC(パーソナルコンピュータ)等でレイアウトデータを設定し、眼鏡レンズ周縁加工装置1(本実施形態においては制御部50)が設定されたレイアウトデータを受信することによって、レイアウトデータを取得する構成であってもよい。
なお、本実施例においては、仕上げ加工としてヤゲン加工が行われる加工モードが設定される場合を例に挙げて説明する。例えば、本実施例において、ヤゲン加工を行う場合は、操作者は、ディスプレイ5を操作し、ヤゲン加工のモードを選択する。
以上のように、レンズ加工に必要なデータが取得されたら、操作者は、レンズLEをレンズチャック軸102R、102Lにより挟持させる。操作者によって、ディスプレイ5に表示されている図示無き加工スタートスイッチを選択されると、制御部50は、レンズLEの周縁の加工を開始する。
初めに、スタートスイッチが押されると、制御部50は、レンズ形状測定ユニット200を作動させ、玉型データに基づくレンズ前面及びレンズ後面のコバ位置を測定する。レンズLEのコバ位置測定によって、玉型に対して未加工のレンズLEの径が不足しているか否かが確認される。ヤゲン加工が設定されている場合、レンズ前面及びレンズ後面のコバ位置データに基づいて、コバに形成するヤゲン軌跡が演算される。
レンズ形状測定が完了すると、制御部50は、粗加工を開始する。制御部50は、玉型データ及びレイアウトデータに基づいて、レンズLE周縁を粗加工するために、各部材を駆動するための加工情報(加工制御データ)を求める。取得された加工情報は、メモリ51に記憶される。
例えば、加工情報が取得されると、制御部50は、X軸移動用モータ145の駆動を制御し、レンズLEを加工具62上に位置させる。その後、制御部50は、加工情報に基づいて、レンズLEをモータ120により回転しながら、Y軸移動用モータ150の駆動を制御する。レンズLEの周縁は、レンズLEの複数回の回転により粗加工される。次いで、粗加工と同様にして、加工情報に基づいて、粗加工後のレンズLEに対して、ヤゲン加工が行われる。以上のようにして、レンズLEの周縁が加工され、加工済レンズが取得される。複数のレンズに対して、上記のような周縁加工を繰り返して、周縁加工を行い、複数の加工済レンズが取得される。
取得された複数の加工済レンズは、眼鏡フレームへと順に組み付けされる。このとき、加工済レンズの中には眼鏡フレームに上手く取り付かないものが生じることがある。このような場合に、眼鏡フレームに上手く取り付かない加工済レンズを修正加工(二度摺り加工)する。例えば、加工者は二度摺りに用いる加工情報を呼び出し、修正を行うことによって、修正加工情報を取得する。なお、修正加工を行う際には、加工済レンズ又はデモレンズにカップが取り付けられたままであることが好ましい。カップが取り付けられたままであった場合には、レンズの周縁の加工を行った際のカップと周縁加工前のレンズとの関係が、修正加工を行う際のカップと加工済レンズとの関係と一致した関係となる。このため、後述する形状データとメモリ51に記憶された加工情報との比較を行う際に、カップが取り付けられた位置及び向きに基づいて、形状データとメモリ51に記憶された加工情報との位置関係を把握しやすくなり、比較処理を容易に精度よく行うことができる。もちろん、カップが取り外されていた場合であっても、形状データとメモリ51に記憶された加工情報との比較を行うことができる。
以下、修正加工情報の取得の詳細について説明する。例えば、加工者は、ディスプレイ5を操作して、二度摺りを行うための二度摺りモードを選択する。例えば、二度摺りモードを選択した後、加工者は、加工済レンズ又は加工済レンズを取得する際に用いたデモレンズを眼鏡レンズ周縁加工装置のレンズチャック軸102R,102Lに挟持させる。なお、以下の修正加工の説明においては、加工済レンズを用いた場合を例に挙げて説明する。例えば、加工者は、加工済レンズの表面に取り付けられたカップをレンズチャック軸102Lのカップホルダ102aに装着した後、レンズチャックユニット300を駆動して、加工済レンズをレンズチャック軸102L、102Rに所定の状態で保持させる。
例えば、加工者は、ディスプレイ5を操作して、図示無き、メモリ51に記憶された加工情報から加工済レンズに対応する加工情報を取得するための取得スイッチを選択する。例えば、取得スイッチの信号が入力されると、レンズ形状測定ユニット200によって、レンズチャック軸102L、102Rに保持された加工済レンズの形状測定が行われる。なお、被加工レンズである眼鏡レンズLEの形状測定ユニットとしてのレンズ形状測定ユニット200は、加工済レンズの形状測定ユニットとして兼用される。
例えば、図4は、加工済レンズの外径形状の測定を説明する図である。例えば、制御部50によって、X方向移動ユニット100B(モータ145)が駆動され、加工済レンズPLが測定子263の測定範囲の位置に移動される。その後、Y方向移動ユニット100C(モータ150)が駆動され、測定子263に加工済レンズPLの外周が接触するように加工済レンズPLがY方向(測定子263側)に移動される。加工済レンズPLの外周(すなわち、デモレンズに形成されているヤゲンPLYの頂点)が測定子263に接触し、支柱267が軸線S1を中心に後方に傾斜されると、支柱267の傾斜角がセンサ273によって検知される。そして、レンズ回転ユニット100A(モータ115、120)が駆動され、加工済レンズPLが1回転されると、センサ273の検知結果に基づいて、レンズチャック軸102L、102Rのチャック中心(軸線X1)に対する加工済レンズPLの全周の外径形状データが制御部50によって得られる。例えば、本実施例では、レンズチャック軸102L、102RのY方向の移動制御を利用し、Y方向のレンズチャック軸102L、102Rの移動位置と、センサ273の検知結果と、に基づいて加工済レンズPLの外径データFDTが得られる。例えば、制御部50は、支柱267の傾斜角度(すなわち、測定子263の位置)が一定となるように、測定開始後に得られた測定結果に基づいてY方向移動ユニット100Cの駆動を制御する。これにより、測定子263及び支柱267の移動機構を大型化せずに、レンズの外径形状データを得ることができる。
なお、加工済レンズPLの外径形状データFDTは、例えば、レンズチャック軸102L、102Rのチャック中心(カップの中心)COを基準にして、(Frn、Fθn)(n=1,2,3、・・・N)として得られる(例えば、図5参照)。Frnはレンズチャック軸102L、102Rのチャック中心(カップの中心)を基準にした動径長であり、Fθnは動径角である。測定ポイント数であるNは、例えば、0.36°毎の1000ポイントである。
例えば、制御部50は、外形形状が測定できると、外形形状データFDTに基づいて、メモリ51の記憶された加工情報から、加工済レンズPLを得るために用いた加工情報を取得する。例えば、本実施例において、外形形状データFDTと加工情報Tとを比較処理して、メモリ51の記憶された加工情報から、加工済レンズPLを得るために用いた加工情報を取得する。
本実施例において、例えば、制御部50は、外形形状データFDTと加工情報Tとを差分処理して位置ずれ量を算出する。例えば、制御部50は、メモリ51に記憶された加工情報を順に呼び出し、外形形状データFDTと順に差分処理を行い、位置ずれ量を算出する。例えば、制御部50は、メモリ51に複数の加工情報が記憶されていた場合に、メモリ51から各加工情報を順に呼び出し、外形形状データFDTに対して順に差分処理を行い、位置ずれ量を算出していく。
図5は、外形形状データFDTと加工情報との比較処理について説明する図である。例えば、外形形状データFDTと加工情報Tとの位置ずれ量を算出する場合、外形形状データFDTと加工情報Tとの位置合わせをした後、各動径角毎に位置ずれを算出していく。本実施例において、例えば、制御部50は、レンズチャック軸102L、102Rのチャック中心(カップの中心)COを基準にして、外形形状データFDTと加工情報Tとの位置合わせを行う。本実施例においては、加工済レンズPLにおいて、周縁の加工時に取り付けられたカップが取り付けられたままの状態となっているため、カップを中心として位置合わせを行うことができる。すなわち、カップの中心COを一致させることによって、外形形状データFDTを取得した際の中心位置と、加工情報Tに基づいて周縁の加工を行った際の中心位置と、を一致させることができ、外形形状データFDTと加工情報Tとの位置合わせを行うことができる。
例えば、制御部50は、外形形状データFDTと加工情報Tとを一致させた後、各動径角毎の位置ずれ量を算出していく。例えば、図5に示されるように、制御部50は、カップの中心COを基準にして、所定の動径角αにおける外形形状データFDTの座標位置FDT1と、加工情報Tにおける座標位置T1と、の位置ずれ量を算出する。例えば、制御部50は、カップの中心COを基準にして、各動径角毎に順に差分処理をしていく。例えば、制御部50は、各動径角毎に得られた位置ずれ量を積算することによって、外形形状データFDTと加工情報Tとの全体の位置ずれ量を算出する。
例えば、制御部50は、メモリ51に複数の加工情報が記憶されていた場合に、メモリ51から各加工情報を順に呼び出し、外形形状データFDTに対して各加工情報との差分処理を順に行い、それぞれの位置ずれ量を算出していく。例えば、制御部50は、外形形状データFDTと各加工情報との位置ずれ量の算出が完了すると、各位置ずれ量を比較して、位置ずれ量が最小である加工情報を加工済レンズPLを得るために用いた加工情報として取得する。これによって、制御部50は、メモリ51の記憶された加工情報から、加工済レンズPLを得るために用いた加工情報を取得することができる。
次いで、例えば、制御部50は、修正加工情報を得るための修正データを設定する設定画面を表示する。例えば、制御部50は、上記の処理で取得した加工情報に基づいて、設定画面に加工済レンズPLのレイアウトや数値情報を表示する。例えば、加工者は、設定画面に表示されたレイアウトや数値を基に、修正値の入力を行う。修正値の入力方法は、加工方法等によって様々である。一例として、例えば、加工者は、設定画面に表示されたレイアウトや数値を基に、加工済レンズのサイズを変更の入力を行う。このようにして、修正データが設定される(例えば、修正データの設定については、特開平11−019857号公報等を参照)。
例えば、修正データの設定が完了すると、制御部50は、修正データと、上記の処理で取得した加工情報を修正データに基づいて修正することによって、修正加工情報を取得する。次いで、加工者によって、修正加工を開始するスイッチが選択されると、制御部50は、修正加工情報に基づいて加工済レンズPLの修正加工を行う。以上のようにして、修正加工を行うことができる。
以上のように、例えば、眼鏡レンズ周縁加工情報設定装置は、加工済レンズに関する形状データを取得する形状データ取得手段と、形状データ取得手段によって取得された形状データに基づいて、記憶手段に記憶された加工情報から加工済レンズを得るために用いた加工情報を取得する加工情報取得手段と、修正加工情報を得るための修正データを設定する設定手段と、加工情報取得手段によって取得された加工情報を設定手段によって設定された修正データに基づいて修正することによって、修正加工情報を取得する演算手段と、を備える。このような構成によって、例えば、加工済レンズに関する形状データに基づいて、加工済レンズを得るために用いた加工情報が取得されるため、加工者は手間無く加工済レンズを得るために用いた加工情報を取得することができる。また、例えば、加工者は、誤って異なる加工済レンズの加工情報を取得してしまうことを抑制することができる。このため、加工者は、加工情報を容易に取得でき、取得した加工情報に基づいて修正加工を行うための修正加工情報を容易に取得することができる。また、例えば、眼鏡レンズの左右のレンズを加工した後、修正加工を行う際に、左右の取り間違えを抑制することができる。
また、例えば、形状データ取得手段は、加工済レンズと、眼鏡フレームのリムと、眼鏡フレームのリムに嵌まり込むデモレンズと、の少なくともいずれかの外形形状データを形状データとして取得するようにしてもよい。例えば、外形形状データは外形形状測定ユニットによって容易に取得することができるデータであるため、外形形状データに基づいて、より容易に加工済レンズを得るために用いた加工情報を取得することができる。これによって、加工者は、修正加工を行うための修正加工情報をより容易に取得することができる。
また、例えば、加工情報取得手段は、形状データと、記憶手段に記憶された加工情報とを比較処理し、記憶手段に記憶された加工情報から加工済レンズを得るために用いた加工情報を取得するようにしてもよい。例えば、比較処理によって、形状データと加工情報との一致度合を容易に確認することができ、記憶手段に記憶された加工情報から加工済レンズを得るために用いた加工情報を容易に取得しやすくなる。
また、例えば、眼鏡レンズ周縁加工装置が眼鏡レンズ周縁加工情報設定装置と、レンズの周縁を加工するための加工具と、修正加工情報に基づいて、加工具を制御し、加工済レンズの修正加工をする加工制御手段と、を備え、修正加工情報に基づいて加工済レンズの修正加工をするようにしてもよい。例えば、眼鏡レンズ周縁加工装置が眼鏡レンズ周縁加工情報設定装置を備えている構成により、修正加工情報の取得から修正加工情報に基づく修正加工までの作業をスムーズに行うことができ、迅速に眼鏡レンズの周縁加工を完了させることができる。
<変容例>
なお、本実施例においては、外形形状データに基づいて、加工済レンズPLを得るために用いた加工情報を取得する構成を例に挙げて説明したがこれに限定されない。例えば、外形形状データとともに面形状データに基づいて、加工済レンズPLを得るために用いた加工情報を取得する構成であってもよい。図6は、面形状データの測定について説明する図である。
例えば、制御部50は、レンズ形状測定ユニット200によって、加工済レンズPLの前面及び後面の少なくとも一方における測定位置P1、P2(さらにP3、P4)のX方向の位置を測定するように、レンズチャック軸102L、102Rの相対的な移動を制御する。例えば、制御部50は、加工済レンズPLの前面を測定する。制御部50は、測定子261の先端が加工済レンズPLの前面の測定位置P1に接触するように、レンズ回転ユニット100A、X方向移動ユニット100B及びY方向移動ユニット100Cの駆動を制御し、レンズチャック軸102L、102Rを移動する。測定子261の先端が加工済レンズPLの前面の測定位置P1に接触したことは、センサ271によって検知される。測定位置P1のX方向の位置は、センサ271の検知結果と、X方向移動ユニット100Bによるレンズチャック軸102L、102RのX方向の位置と、によって得られる。測定位置P2(さらに、P3及びP4)のX方向の位置も、測定位置P1の時と同様な制御によってそれぞれ得られる。
例えば、測定位置P1及びP2のX方向の位置が得られると、これらの測定結果と、チャック中心COに対する測定位置P1及びP2のそれぞれ距離と、加工済レンズ前面におけるチャック中心COのX方向の位置(これは、X方向の測定基準として既知である)と、に基づいて加工済レンズPLの前面のカーブ形状LDCが得られる。なお、測定位置P3及びP4が測定された場合には、同様に、測定位置P3及びP4の測定結果に基づいて加工済レンズPLの前面のカーブ形状LDCが得られる。2つ以上のカーブ形状データが得られている場合は、これの平均値が計算されることにより、前面のカーブ形状LDCが得られる。なお、測定時間が多少長くなるが、加工済レンズPLを回転しながら、外径形状データFDTの最外周から内側に入った2つ以上の測定軌跡で加工済レンズ前面のX方向の位置を測定しても良い。こうすると、レンズ面のより正確なカーブ形状LDCが得られる。
例えば、制御部50は、取得した面形状データと、メモリ51に記憶された加工情報に含まれる面形状データと、を比較処理することによって、加工済レンズPLを得るために用いた加工情報を取得する。例えば、制御部50は、メモリ51から各加工情報を順に呼び出し、取得した面形状データに対して各加工情報の面形状データとの比較を行い、もっとも一致する面形状データを含む加工情報を加工済レンズPLを得るために用いた加工情報として取得する。これによって、制御部50は、面形状データに基づいて、メモリ51の記憶された加工情報から、加工済レンズPLを得るために用いた加工情報を取得することができる。また、例えば、制御部50は、外形形状データに基づいて、加工済レンズPLを得るために用いた加工情報として取得する。例えば、制御部50は、外形形状データ及び面形状データの双方を用いて、双方の形状データにもっとも適合する加工情報を加工済レンズPLを得るために用いた加工情報として取得する。
このように、例えば、形状データ取得手段は、加工済レンズと、デモレンズと、の少なくとも一方の面形状データを形状データとして取得するようにしてもよい。例えば、面形状データは外形形状測定ユニットによって容易に取得することができるデータであるため、面形状データに基づいて、より容易に加工済レンズを得るために用いた加工情報を取得することができる。また、例えば、面形状データと外形形状データとに基づいて、加工情報を取得するため、加工情報をより取得しやすくなる。
なお、例えば、面形状データ及び外形形状データのそれぞれで比較処理を行う一例として、外形形状データで加工済レンズPLを得るために用いた加工情報の候補を取得するとともに、面形状データに基づいて、取得した候補から、加工済レンズPLを得るために用いた加工情報を絞り込むことによって、加工済レンズPLを得るために用いた加工情報を取得する構成としてもよい。例えば、制御部50は、外形形状データに基づいて、メモリ51に記憶された加工情報から加工済レンズPLを得るために用いた加工情報を取得する。例えば、制御部50は、取得した加工情報が複数存在するか否かを判定する。例えば、制御部50は、取得した加工情報が複数存在すると判定した場合に、面形状データを用いて加工情報の絞り込みを行う。例えば、制御部50は、面形状データに基づいて、複数の加工情報から1つの加工情報を取得する。
このように、例えば、加工情報取得手段は、外形形状データに基づいて、記憶手段に記憶された加工情報から加工済レンズを得るために用いた加工情報を取得し、取得した加工情報が複数取得された場合に、面形状データに基づいて、複数の加工情報から1つの加工情報を取得するようにしてもよい。例えば、外形形状データから加工情報を取得した場合に、複数の加工情報が取得され、1つの加工情報を取得することができない場合に、さらに、面形状データに基づいて、複数の加工情報から1つの加工情報を取得することができる。これによって、より良好に加工済レンズを得るために用いた加工情報を取得することができる。
なお、例えば、外形形状データと面形状データとが取得されている場合に、三次元形状データを取得し、三次元形状データに基づいて、加工済レンズを得るために用いた加工情報を取得してもよい。例えば、制御部50は、加工済レンズPLの外径形状データFDTと前面(又は後面)のカーブ形状LDCが得られれば、これらに基づいて加工済レンズPLに形成されているヤゲン(ヤゲン頂点)の三次元形状データを算出する。例えば、制御部50は、カーブ形状LDCから求められる球面に外径形状データFDTを投影することにより、加工済レンズPLに形成されているヤゲン軌跡の三次元形状データ(Frn、Fθn、Fzn)(n=1,2,3、・・・N)を算出する。Fznは、玉型データである外径形状データFDT(Frn、Fθn)に直交する方向のヤゲン頂点位置のデータである。ヤゲン軌跡の三次元形状データは、加工済レンズPLが取付けられていた眼鏡フレームのリムの溝の形状データと見なすことができる。
例えば、制御部50は、三次元形状データが得られると、三次元形状データと加工情報とを比較処理することによって、得られた三次元形状データともっとも適合する加工情報を加工済レンズを得るために用いた加工情報として取得する。