JP2018118927A - 薬物の光分解を抑制したロチゴチン経皮吸収型貼付製剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】
支持体としてアルミニウム含有フィルムを使用せずに、光によるロチゴチンの分解を抑制可能なロチゴチン含有経皮吸収型貼付製剤を提供すること。
【解決手段】
支持体、薬物含有粘着剤層及び剥離ライナーからなる経皮吸収型貼付製剤であって、支持体が、波長310nm〜370nmの光線透過率が40%以下であるアルミニウム不含支持体であり、薬物がロチゴチン又はその製薬上許容される塩である経皮吸収型貼付製剤。
【選択図】 図4
支持体としてアルミニウム含有フィルムを使用せずに、光によるロチゴチンの分解を抑制可能なロチゴチン含有経皮吸収型貼付製剤を提供すること。
【解決手段】
支持体、薬物含有粘着剤層及び剥離ライナーからなる経皮吸収型貼付製剤であって、支持体が、波長310nm〜370nmの光線透過率が40%以下であるアルミニウム不含支持体であり、薬物がロチゴチン又はその製薬上許容される塩である経皮吸収型貼付製剤。
【選択図】 図4
Description
本発明は、ロチゴチン又はその塩を有効成分とする経皮吸収型貼付製剤に関し、さらに詳細には、支持体における特定の波長領域の光線透過率を制御することによって、ロチゴチン又はその塩の分解を抑制し、その薬理効果を有効かつ持続的に利用可能で安全性の高い経皮吸収型貼付製剤に関する。
ロチゴチン(Rotigotine)は、D3/D2/D1ドーパミンレセプターアゴニストであり、パーキンソン病、レストレスレッグス症候群(RLS)などに対して優れた治療効果を有する薬物である。これまでに、ロチゴチンを有効成分として含有する製剤が開発されてきており、例えばロチゴチンを含有する経皮吸収型貼付製剤である「Neupro(登録商標)」が欧州やその他の地域において市販されている。また、国内では「ニュープロ(登録商標)パッチ」の商品名で市販されている。
従来の経皮吸収型貼付製剤として、例えば、特許文献1では基剤としてアクリレート系又はシリコーン系のポリマー接着剤を配合したロチゴチン含有経皮吸収型貼付製剤が開示されている。また、特許文献2、3及び4には、基剤としてアクリレート系及び/又はシリコーン系のポリマー接着剤を配合し、さらに可溶化剤としてポリビニルピロリドン、抗酸化剤としてトコフェロール及びそのエステル誘導体、アスコルビン酸パルミチン酸エステルなどを配合したロチゴチン含有経皮吸収型貼付製剤が開示されている。
一方、本発明者らは、これまで特許文献5及び6においてゴム系粘着剤を基剤とするロチゴチン含有経皮吸収型貼付製剤を提供するために鋭意研究を行い、該ゴム系粘着剤を配合したロチゴチン含有経皮吸収型貼付製剤の有効性、経皮吸収性などの有利な効果を示している。
ロチゴチンは光に対して不安定な薬物であり、保管中及び使用中に薬物含有粘着剤層が光に曝露されることを極力避ける必要がある。国内市販品「ニュープロ(登録商標)パッチ」を無包装で光に曝露することにより類縁物質の増加が認められるが(非特許文献1)、上記市販品は薬袋及び支持体にアルミニウム層を含む遮光性の高いフィルムを使用しており、保管中及び使用中にロチゴチン含有粘着剤層が光に曝露されにくい構成となっている。しかし、上記市販品を貼付した患者が自動体外式除細動器(AED)や核磁気共鳴画像法(MRI)などの療法を受けると、支持体に含有されるアルミニウムに起因して火傷を引き起こすおそれがあるという安全上の問題がある(非特許文献1)。
上述したように、ロチゴチン経皮吸収型貼付製剤に関する技術は多数報告されているが、支持体としてアルミニウム含有フィルムを使用せずに光によるロチゴチンの分解を効果的に抑制するための技術は全く報告されていない。
医薬品インタビューフォーム「ニュープロパッチ」2016年5月改定(第6版)
本発明は、支持体としてアルミニウム含有フィルムを使用せずに光によるロチゴチンの分解を抑制可能なロチゴチン含有経皮吸収型製剤を提供することを課題とする。
上記問題点を解決するために、本発明者らが鋭意研究を重ねた結果、ロチゴチンの分解に特異的に影響を与える波長領域を特定し、当該波長領域の光線透過率を一定の値以下に制御した支持体を用いることによって、支持体中にアルミニウム層を含有していなくても、ロチゴチンの分解を抑制し、貼付製剤に含まれる有効成分量を安定的に維持できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の経皮吸収型貼付製剤は、ロチゴチンの分解が有効に抑制されるため、ロチゴチンの薬理効果を有効かつ持続的に利用することができる。また支持体中にアルミニウム層を含まないため、貼付した状態でAEDやMRIなどの療法を受けても火傷の恐れがなく安全性の高いものである。
本発明の経皮吸収型貼付製剤は、支持体上に薬物含有粘着剤層を設けてなる製剤である。そして、使用時まで薬物含有粘着剤層を保護する目的で、該薬物含有粘着剤層上に剥離ライナーを設ける。本明細書において、経皮吸収型貼付製剤とは医療用粘着貼付製剤であり、皮膚上に貼付され、治療有効量の有効成分が皮膚を通して血流に到達されるものを意味する。
該薬物含有粘着剤層は、有効成分としてロチゴチン((−)−5,6,7,8−テトラヒドロ−6−[プロピル−[2−(2−チエニル)エチル]−アミノ]1−ナフタレノール)又はその製薬上許容できる塩(以下、「ロチゴチン又はその塩」ということがある)を含有する。ロチゴチンの製薬上許容できる塩としては、例えば、無機酸または有機酸との酸付加塩が挙げられ、塩酸塩、臭化水素酸塩、硝酸塩、リン酸塩、硫酸塩、酢酸塩、アスコルビン酸塩、安息香酸塩、桂皮酸塩、クエン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルタミン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩(メシレート)、フタル酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、パモ酸塩、p−トルエンスルホン酸塩(トシレート)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。本発明では、ロチゴチンのフリー体を用いることが組織吸収性が良好であるため好ましい。
本発明の経皮吸収型貼付製剤は、治療有効量のロチゴチン又はその製薬上許容できる塩を溶解状態、または結晶成分として薬物含有粘着剤層中に含有する。パーキンソン病またはRLSの治療に有効な量の有効成分を患者へ長時間持続的に経皮投与させるため、薬物含有粘着剤層にある一定量の有効成分を含有させることが望ましい。本発明の粘着剤層中の薬物濃度は、薬物含有粘着剤層全体に対して1〜50質量%、好ましくは5〜30質量%、さらに好ましくは7〜20質量%である。1質量%より少ないと治療効果が十分でないおそれがあり、また50質量%より多いと、薬物含有粘着剤層を構成する粘着剤の含有量が低くなるため、十分な皮膚粘着性が得られない可能性があり、また経済的にも不利である。
本発明の経皮吸収型貼付製剤に用いる粘着基剤は特に限定されるものではないが、ゴム系粘着剤が、他の非水系の粘着剤、例えばアクリル系高分子及びシリコーン系高分子などの粘着剤と比較して安価であり、製造時のコストや、物性および品質などのコントロール、すなわち製剤設計が容易である点で好ましい。
ゴム系粘着剤としては、スチレン‐イソプレン‐スチレンブロック共重合体(SIS)(例えば市販のクレイトンD−KX401CS、D−1161JP(JSRクレイトンエラストマー製)、カリフレックスTR−1107、TR−1111、TR−1112、TR−1117(シェル化学製)、JSR−5000、5002、SR−5100(日本合成ゴム製)、クインタック3530、3570C、3421(日本ゼオン製)など)、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体(SBS)(例えば市販のカリフレックスTR−1101(シェル化学製)など)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム(IR)(例えば市販のNipol IR2200(日本ゼオン製)、クラプレンLIR−50(クラレ製)など)、ポリイソブチレン(PIB)(例えば市販のテトラックス3T(新日本石油化学製)、オパノールB10(BASFジャパン製)など)、ポリブテン(PB)(例えば市販のHV300F(新日本石油化学製)など)、ブチルゴム(IIR)、天然ゴム(NR)などが挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
薬物含有粘着剤層全体に対するゴム系粘着成分の量は、薬物含有粘着剤層の形成および充分な薬物放出性を考慮して、薬物含有粘着剤層に対して1〜98質量%、好ましくは5〜70質量%、さらに好ましくは10〜60質量%である。1質量%未満では、投錨性などの貼付剤としての物理的特性が低下する場合があり、また、98質量%を超える量では、貼付剤を人体に貼付する際に皮膚に対する良好な粘着力が得られない場合がある。
薬物含有粘着剤層には、さらに抗酸化剤を含有させることにより、ロチゴチン又はその塩の分解抑制効果を向上できる。抗酸化剤としては、ピロ亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸カリウムなどの亜硫酸塩、メルカプトベンズイミダゾール、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸プロピルなどのフェノール系抗酸化剤、L-アスコルビン酸、L-アスコルビン酸パルミチン酸エステル、イソアスコルビン酸ナトリウムなどのアスコルビン酸およびそのエステル誘導体、エデト酸ナトリウム、クエン酸、ジクロイソシアヌール酸カリウム、大豆レシチン、チモール、トコフェロールおよびそのエステル誘導体、1,3−ブチレングリコール、ベンゾトリアゾール、モノチオグリセリンなどが挙げられ、これらの1種又は2種以上を使用することができる。その中でも、ピロ亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウムなどの亜硫酸塩、メルカプトベンズイミダゾール、L-アスコルビン酸、L-アスコルビン酸パルミチン酸エステル、イソアスコルビン酸ナトリウムなどのアスコルビン酸およびそのエステル誘導体が好ましく、亜硫酸塩とアスコルビン酸又はそのエステル誘導体との併用、特にピロ亜硫酸ナトリウムとパルミチン酸アスコルビン酸とを併用することにより、ロチゴチン又はその塩の分解生成物の生成を顕著に抑制できるため好ましく、ロチゴチン又はその塩の分解生成物総量が抑制されるとともに、そのうちの分解生成物A(特許文献5参照)の生成量が顕著に抑制される。
薬物含有粘着剤層中に配合する抗酸化剤の量は、薬物含有粘着剤層全体に対して0.005〜2.0質量%、好ましくは0.01〜2.0質量%である。0.005質量%未満では十分なロチゴチンの光分解生成物の生成抑制効果が得られない場合があり、また2.0質量%を超える量では、配合量に相関した生成抑制効果の向上は認められない場合がある。また、亜硫酸塩とアスコルビン酸又はそのエステル誘導体とを併用する場合、亜硫酸塩の含有量は薬物含有粘着剤層全体に対して0.005〜2.0質量%が好ましく、0.01〜2.0質量%がより好ましい。またアスコルビン酸又はそのエステル誘導体の含有量は0.005〜2.0質量%が好ましく、0.01〜2.0質量%がより好ましい。さらに亜硫酸塩とアスコルビン酸又はそのエステル誘導体との配合比は、1:8〜8:1が好ましく、1:4〜4:1がより好ましい。このような範囲で亜硫酸塩とアスコルビン酸又はそのエステル誘導体とを併用することにより、ロチゴチン又はその塩の分解抑制効果がより顕著に向上する。
本発明の経皮吸収型貼付製剤は、必要に応じて、薬物含有粘着剤層に可塑剤、粘着付与剤、鎮痒剤、吸収促進剤、架橋剤、着色剤、紫外線吸収剤、香料などの追加の成分を配合してもよい。
可塑剤としては、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族プロセスオイルなどの石油系オイル、ミリスチン酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジイソプロピル、リノール酸イソプロピルなどの液状脂肪酸エステル類、オリーブ油、ツバキ油、ひまし油、トール油、ラッカセイ油などの植物系オイル、液状ポリイソブチレン、液状ポリブテン、液状ポリイソプレンなどの液状ゴム、グリセリン、クロロブタノール、酢酸ビニル樹脂、ジメチルポリシロキサン・二酸化ケイ素混合物、D−ソルビトール、中鎖脂肪酸トリグリセリド、トリアセチン、ピロリドン類、フィトステロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリソルベート80(登録商標)、モノステアリン酸グリセリンなどが挙げられる。
粘着付与剤としては、ロジン系樹脂[ロジン、ロジンのグリセリンエステル(ロジンエステル)、水添ロジン、水添ロジンのグリセリンエステル(水添ロジンエステル)などのロジン誘導体又はこれらの変性物等(例えば市販のパインクリスタルKE-311(荒川化学工業製)など)]、石油樹脂[脂肪族系、芳香族系、共重合系、水添系など(例えば市販のアルコンP−100(荒川化学工業製)など)]、テルペン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ケトンホルムアミド樹脂、クレゾール樹脂、キシレン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、スチレン樹脂、グアナミン樹脂、アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂またはこれらの変性物、ナルナウバロウ、カルメロースナトリウム、キサンタンガム、キトサン、グリセリン、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、軽質無水ケイ酸、酢酸ベンジル、タルク、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸部分中和物、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。これらの中でもロジン系樹脂が、ロチゴチンに由来する結晶成分の経時的な析出への抑制効果が良好である点で好ましい。また石油樹脂のうち、水添系、特に脂環族飽和炭化水素樹脂が、皮膚接着性が良好であるため好ましい。
薬物含有粘着剤層中に配合する粘着付与剤の量は、充分な皮膚接着性を考慮して、薬物含有粘着剤層全体に対して0〜98質量%、好ましくは0〜70質量%、さらに好ましくは0〜60質量%である。
鎮痒剤としては、l-メントールなどのモノテルペン類、クロタミトン、抗ヒスタミン剤、局所麻酔剤、ステロイド剤などが挙げられ、l-メントール、クロタミトンが掻痒感に対する抑制効果が顕著であるため好ましい。
吸収促進剤としては、従来経皮投与での吸収促進作用が認められている化合物のいずれでも良いが、例えばジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミンなどのアルカノールアミン、ラウリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、グリセリンオレイン酸モノエステル、イソステアリン酸ヘキシルデシルなどの脂肪酸およびそのエステル類、オレイルアルコール、プロピレングリコール、モノオレイン酸ポリエチレングリコールなどのアルコールおよびそのエステル類もしくはエーテル類、セスキオレイン酸ソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタンなどのソルビタンエステル類またはエーテル類、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルなどのフェノールエーテル類、ヒマシ油または硬化ヒマシ油、オレオイルサルコシン、ラウリンジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリル硫酸ナトリウムなどのイオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ジメチルラウリルアミンオキサイドなどの非イオン性界面活性剤、ジメチルスルホキサイド、デシルメチルスルホキサイドなどのアルキルメチルスルホキサイド、2−ピロリドン、1−メチル−2−ピロリドンなどのピロリドン類、1−ドデシルアザシクロヘプタン−2−オン、1−ゲラニルアザシクロヘプタン−2−オンなどのアザシクロアルカン類などが挙げられる。
架橋剤としては、アミノ樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステルなどの熱硬化性樹脂、イソシアネート化合物、有機系架橋剤、金属または金属化合物などの無機系架橋剤などが挙げられる。
薬物含有粘着剤層に配合する着色剤としては、インジゴカルミン、黄酸化鉄、黄色三二酸化鉄、カーボンブラック、カラメル、感光素201号、クマザサエキス、黒酸化鉄、ケッケツ、酸化亜鉛、酸化チタン、三二酸化鉄、アマランス、水酸化ナトリウム、タルク、銅クロロフィリンナトリウム、ハダカムギ緑葉エキス末、d−ボルネオール、ミリスチン酸オクチルドデシル、メチルロザニリン塩化物、メチレンブルー、リン酸マンガンアンモニウム、ローズ油などが挙げられる。
薬物含有粘着剤層に配合する紫外線吸収剤としては、ウロカニン酸などのアミノ酸系化合物、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系化合物、シノキサート、p−メトキシ桂皮酸ジエタノールアミンなどの桂皮酸誘導体、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3′−ジフェニルアクリレートなどのシアノアクリレート誘導体、p−アミノ安息香酸エチル、p−アミノ安息香酸プロピルなどのp−アミノ安息香酸誘導体、アントラニル酸メンチルエステルなどのアントラニル酸誘導体、フェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレートなどのサリチル酸誘導体、7−エチルアミノ−4−メチルクマリン、7,8−ジヒドロキシクマリンなどのクマリン誘導体などが挙げられる。
本発明の経皮吸収型貼付製剤の支持体には、波長310nm〜370nmの光線透過率が40%以下であるアルミニウム不含支持体を使用する。支持体を構成する材質や形態としては、特に限定されるものではなく、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレートなど)、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニル、エチレン酢酸ビニル共重合体、ナイロン、アクリル、ビニロン、ポリウレタンなどから選ばれる合成樹脂から形成されるフィルム、シート、不織布、織布、多孔質体、発泡体や、植物繊維から形成される不織布・織布、紙材などが挙げられる。本明細書において、アルミニウム不含支持体とは、支持体の構成中に、アルミニウム箔、アルミニウム蒸着フィルム等のアルミニウム層を含まないものを意味する。
支持体の光線透過率を制御する方法としては、顔料、染料などの着色剤を支持体表面に印刷、塗布することにより外部着色する方法、着色剤を支持体に練り込むことにより内部着色する方法、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤などの紫外線防御剤を支持体表面に塗布する方法、紫外線防御剤を支持体内部に練り込む方法などが挙げられ、これらの方法を単独で、または組み合わせて適用できる。これらの中でも、ポリエステルのフィルム、シート、不織布又はこれらの積層体の表面に、着色剤を印刷、塗装して外部着色する方法が好ましい。着色剤、紫外線防御剤を印刷、塗布する場合には、支持体のいずれか一方の表面の少なくとも一部に印刷、塗布すればよいが、ロチゴチン分解抑制の観点からは少なくとも一方の表面全体に印刷、塗布することが好ましく、両面全体に印刷、塗布することが好ましい。着色剤、紫外線防御剤は、公知の方法に従って、支持体表面に印刷、塗布したり、支持体内部に練りこむことができる。
このように支持体の光線透過率を調整することによって、本発明に用いる支持体は、波長310nmから波長370nmの光線透過率が40%以下、好ましくは20%以下、より好ましくは5%以下に制御される。波長310nmから波長370nmの光線透過率が40%以上では、十分な光分解抑制効果が得られない場合がある。また波長領域は310nm〜390nm、さらに310nm〜430nmの範囲で上記透過率の条件を満たすことが好ましい。なお、本明細書において支持体の光線透過率は、試験例1に記載の方法によって測定される値である。
支持体に配合する着色剤のうち、顔料としては、2,2'−[(3,3'−ジクロロ−1,1'−ビフェニル−4,4'−ジイル)ビス(アゾ)]ビス[N−(4−クロロ−2,5−ジメトキシフェニル)−3−オキソブタンアミド](C.I.ピグメントイエロー83)、4−[(5−クロロ−4−メチル−2−スルホフェニル)アゾ]−3−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸(C.I.ピグメントレッド48)などのアゾ系化合物、フタロシアニンブルー(C.I.ピグメントブルー15)、フタロシアニングリーン(C.I.ピグメントグリーン7)などのフタロシアニン系化合物、カーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)、二酸化チタン(C.I.ピグメントホワイト6)、シリカ(C.I.ピグメントホワイト27)などが挙げられ、これらを単独で、または組み合わせて所望の色として適用することができる。
染料としては、1−(メチルアミノ)アントラキノン(C.I.ソルベントレッド111)、1,4−ビス(イソプロピルアミノ)アントラキノン(C.I.ソルベントブルー36)、1,4−ビス(p-トルイジノ)アントラキノン(C.I.ソルベントグリーン3)などのアントラキノン系化合物、2−(3−ヒドロキシ−2−キノリニル)−1,3−インダンジオン(C.I.ソルベントイエロー114)などのキノフタロン系化合物などが挙げられ、これらを単独で、または組み合わせて所望の色として適用することができる。
染料としては、1−(メチルアミノ)アントラキノン(C.I.ソルベントレッド111)、1,4−ビス(イソプロピルアミノ)アントラキノン(C.I.ソルベントブルー36)、1,4−ビス(p-トルイジノ)アントラキノン(C.I.ソルベントグリーン3)などのアントラキノン系化合物、2−(3−ヒドロキシ−2−キノリニル)−1,3−インダンジオン(C.I.ソルベントイエロー114)などのキノフタロン系化合物などが挙げられ、これらを単独で、または組み合わせて所望の色として適用することができる。
支持体に配合する紫外線防御剤のうち、紫外線吸収剤としては、2−[4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−5−(オクチルオキシ)フェノールなどのトリアジン系化合物、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系化合物、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系化合物などが挙げられる。
紫外線散乱剤としては、二酸化チタン、酸化亜鉛などが挙げられる。
紫外線散乱剤としては、二酸化チタン、酸化亜鉛などが挙げられる。
本発明の経皮吸収型貼付製剤における剥離ライナーには、薬物不透過性の剥離ライナーを好適に使用することができる。剥離ライナーとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステルなどの合成樹脂で形成されたフィルムや、フィルムにアルミニウムを蒸着させたもの、紙の上にシリコーンオイルなどを塗布したものなどが挙げられる。なかでも、有効成分の透過がなく、加工性や低コストなどの点でポリエステルフィルムが好ましく、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムが特に好ましい。さらに、該剥離ライナーは、複数のフィルムを貼り合せたラミネートフィルムなどを使用しても良い。
本発明の経皮吸収型貼付製剤は、支持体、薬物含有粘着剤層及び剥離ライナーからなる貼付製剤であるが、さらに必要に応じ、有効成分の経皮吸収をコントロールするために、薬物含有粘着剤層の皮膚貼付側に放出制御膜や、皮膚へ貼付させるために粘着層を追加してもよい。さらには、リザーバー型の貼付製剤の形態を採用することができる。
本発明の経皮吸収型貼付製剤は、薬物含有粘着剤層が、有効成分と、基剤成分として粘着成分を含有するマトリックス型粘着剤層とすることが好ましい。該マトリックスタイプの貼付製剤は、製剤設計が容易であり、またリザーバータイプの貼付製剤のような複雑な構成ではないため、貼付製剤製造時のコストを低減することができる。
本発明の経皮吸収型貼付製剤は、特に制限はなく、公知の方法に従って製造することができる。例えば、有効成分および粘着剤、さらに必要に応じて抗酸化剤、経皮吸収促進剤などをトルエン、アセトン、メタノール、ヘキサン、酢酸エチルまたはその混合溶媒の有機溶媒に溶解させ、この溶解物を剥離ライナーまたは支持体上に展延し、該溶解物中の溶媒を蒸発させ薬物含有粘着剤層を形成した後、支持体または剥離ライナーを貼り合わせる方法や、有効成分および粘着剤、さらに必要に応じて抗酸化剤、経皮吸収促進剤などを加熱溶解させ、この溶融物を剥離ライナーまたは支持体上に展延し、薬物含有粘着剤層を形成した後、支持体または剥離ライナーを貼り合わせる方法などが挙げられる。
以下、実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲での種々の変更が可能である。
実施例1
表1に記載の配合比に従って、ロチゴチンのトルエン/アセトン溶液にピロ亜硫酸ナトリウム水溶液を混合したロチゴチン溶液に、スチレン‐イソプレン‐スチレンブロック共重合体(クレイトンD−KX401CS、JSRクレイトンエラストマー製)、流動パラフィン(ハイコールM−352、カネダ製)及び水素添加ロジングリセリンエステル(パインクリスタルKE−311、荒川化学工業製)をトルエン中で攪拌混合した粘着剤を加え攪拌混合し、均一な溶解物を得た。次にこの溶解物を、ドクターナイフ塗工機を用いて、溶媒留去後の厚さが50μmになるように剥離フィルムに展延し、溶媒留去して薬物含有粘着剤層を形成した後、支持体として淡黄色にグラビア印刷加工した層を含むPET/EVAラミネートフィルム(12μmPET/約2μm印刷層/25μmEVA、藤森工業(株)製;支持体A1)を貼り合せた。それから、所望の大きさに裁断して経皮吸収型貼付製剤を得た。
表1に記載の配合比に従って、ロチゴチンのトルエン/アセトン溶液にピロ亜硫酸ナトリウム水溶液を混合したロチゴチン溶液に、スチレン‐イソプレン‐スチレンブロック共重合体(クレイトンD−KX401CS、JSRクレイトンエラストマー製)、流動パラフィン(ハイコールM−352、カネダ製)及び水素添加ロジングリセリンエステル(パインクリスタルKE−311、荒川化学工業製)をトルエン中で攪拌混合した粘着剤を加え攪拌混合し、均一な溶解物を得た。次にこの溶解物を、ドクターナイフ塗工機を用いて、溶媒留去後の厚さが50μmになるように剥離フィルムに展延し、溶媒留去して薬物含有粘着剤層を形成した後、支持体として淡黄色にグラビア印刷加工した層を含むPET/EVAラミネートフィルム(12μmPET/約2μm印刷層/25μmEVA、藤森工業(株)製;支持体A1)を貼り合せた。それから、所望の大きさに裁断して経皮吸収型貼付製剤を得た。
実施例2
表1に記載の配合比に従って、支持体として淡黄色PET/EVAラミネートフィルムの代わりに青色にグラビア印刷加工した層を含むPETフィルム(約1μm印刷層/75μmPET/離型コート、NS-75-C-青w改、中本パックス(株)製;支持体A2)を用いたことを除き、実施例1と同様として経皮吸収型製剤を得た。
表1に記載の配合比に従って、支持体として淡黄色PET/EVAラミネートフィルムの代わりに青色にグラビア印刷加工した層を含むPETフィルム(約1μm印刷層/75μmPET/離型コート、NS-75-C-青w改、中本パックス(株)製;支持体A2)を用いたことを除き、実施例1と同様として経皮吸収型製剤を得た。
実施例3
表1に記載の配合比に従って、支持体として淡黄色PET/EVAラミネートフィルムの代わりに赤色にグラビア印刷加工したPETフィルム(約1μm印刷層/75μmPET/離型コート、NS-75-SA改-赤w改、中本パックス(株)製;支持体A3)を用いたことを除き、実施例1と同様として経皮吸収型製剤を得た。
表1に記載の配合比に従って、支持体として淡黄色PET/EVAラミネートフィルムの代わりに赤色にグラビア印刷加工したPETフィルム(約1μm印刷層/75μmPET/離型コート、NS-75-SA改-赤w改、中本パックス(株)製;支持体A3)を用いたことを除き、実施例1と同様として経皮吸収型製剤を得た。
実施例4
表1に記載の配合比に従って、支持体としてPET/EVAラミネートフィルムの代わりに紫外線吸収剤をフィルム表面に塗装したUVカットフィルム(商品名:3MTM スコッチティントTM オートフィルム ピュアカット 89DIY、スリーエム ジャパン(株)製;支持体A4)を用いたことを除き、実施例1と同様として経皮吸収型製剤を得た。
表1に記載の配合比に従って、支持体としてPET/EVAラミネートフィルムの代わりに紫外線吸収剤をフィルム表面に塗装したUVカットフィルム(商品名:3MTM スコッチティントTM オートフィルム ピュアカット 89DIY、スリーエム ジャパン(株)製;支持体A4)を用いたことを除き、実施例1と同様として経皮吸収型製剤を得た。
実施例5
表1に記載の配合比に従って、ロチゴチンのトルエン/アセトン溶液に、イソプレンゴム(Nipol IR2200、日本ゼオン製)、イソプレンゴム(クラプレンLIR−50、クラレ製)、脂環族飽和炭化水素樹脂(アルコンP−100、荒川化学工業製)及び水素添加ロジングリセリンエステル(パインクリスタルKE−311、荒川化学工業製)をトルエン中で攪拌混合した粘着剤を加え攪拌混合し、さらにl-メントールのトルエン溶液及びクロタミトンを加え攪拌混合し、均一な溶解物を得た。次にこの溶解物を、ドクターナイフ塗工機を用いて、溶媒留去後の厚さが50μmになるように剥離フィルムに展延し、溶媒留去して薬物含有粘着剤層を形成した後、支持体として淡黄色PET/EVAラミネートフィルム(支持体A1)を貼り合せた。それから、所望の大きさに裁断して経皮吸収型貼付製剤を得た。
表1に記載の配合比に従って、ロチゴチンのトルエン/アセトン溶液に、イソプレンゴム(Nipol IR2200、日本ゼオン製)、イソプレンゴム(クラプレンLIR−50、クラレ製)、脂環族飽和炭化水素樹脂(アルコンP−100、荒川化学工業製)及び水素添加ロジングリセリンエステル(パインクリスタルKE−311、荒川化学工業製)をトルエン中で攪拌混合した粘着剤を加え攪拌混合し、さらにl-メントールのトルエン溶液及びクロタミトンを加え攪拌混合し、均一な溶解物を得た。次にこの溶解物を、ドクターナイフ塗工機を用いて、溶媒留去後の厚さが50μmになるように剥離フィルムに展延し、溶媒留去して薬物含有粘着剤層を形成した後、支持体として淡黄色PET/EVAラミネートフィルム(支持体A1)を貼り合せた。それから、所望の大きさに裁断して経皮吸収型貼付製剤を得た。
実施例6
表1に記載の配合比に従って、ロチゴチンのトルエン/アセトン溶液にピロ亜硫酸ナトリウム水溶液を混合したロチゴチン溶液に、イソプレンゴム(Nipol IR2200、日本ゼオン製)、イソプレンゴム(クラプレンLIR−50、クラレ製)、脂環族飽和炭化水素樹脂(アルコンP−100、荒川化学工業製)、水素添加ロジングリセリンエステル(パインクリスタルKE−311、荒川化学工業製)及びL-アスコルビン酸パルミチン酸エステルのエタノール溶液をトルエン中で攪拌混合した粘着剤を加え攪拌混合し、さらにl-メントールのトルエン溶液及びクロタミトンを加え攪拌混合し、均一な溶解物を得た。次にこの溶解物を、ドクターナイフ塗工機を用いて、溶媒留去後の厚さが50μmになるように剥離フィルムに展延し、溶媒留去して薬物含有粘着剤層を形成した後、支持体として淡黄色PET/EVAラミネートフィルム(支持体A1)を貼り合せた。それから、所望の大きさに裁断して経皮吸収型貼付製剤を得た。
表1に記載の配合比に従って、ロチゴチンのトルエン/アセトン溶液にピロ亜硫酸ナトリウム水溶液を混合したロチゴチン溶液に、イソプレンゴム(Nipol IR2200、日本ゼオン製)、イソプレンゴム(クラプレンLIR−50、クラレ製)、脂環族飽和炭化水素樹脂(アルコンP−100、荒川化学工業製)、水素添加ロジングリセリンエステル(パインクリスタルKE−311、荒川化学工業製)及びL-アスコルビン酸パルミチン酸エステルのエタノール溶液をトルエン中で攪拌混合した粘着剤を加え攪拌混合し、さらにl-メントールのトルエン溶液及びクロタミトンを加え攪拌混合し、均一な溶解物を得た。次にこの溶解物を、ドクターナイフ塗工機を用いて、溶媒留去後の厚さが50μmになるように剥離フィルムに展延し、溶媒留去して薬物含有粘着剤層を形成した後、支持体として淡黄色PET/EVAラミネートフィルム(支持体A1)を貼り合せた。それから、所望の大きさに裁断して経皮吸収型貼付製剤を得た。
比較例1
表1に記載の配合比に従って、ロチゴチンのトルエン/アセトン混液にピロ亜硫酸ナトリウム水溶液を混合したロチゴチン溶液に、スチレン‐イソプレン‐スチレンブロック共重合体(クレイトンD−KX401CS、JSRクレイトンエラストマー製)、流動パラフィン(ハイコールM−352、カネダ製)及び水素添加ロジングリセリンエステル(パインクリスタルKE−311、荒川化学工業製)をトルエン中で攪拌混合した粘着剤を加え攪拌混合し、さらにl-メントールのトルエン溶液を加え攪拌混合し、均一な溶解物を得た。次にこの溶解物を、ドクターナイフ塗工機を用いて、溶媒留去後の厚さが50μmになるように剥離フィルムに展延し、溶媒留去して薬物含有粘着剤層を形成した後、支持体として透明なPETフィルム(商品名:フィルムバイナ75E‐0010 BD、藤森工業(株)製;支持体B1)を貼り合せた。それから、所望の大きさに裁断して経皮吸収型貼付製剤を得た。
表1に記載の配合比に従って、ロチゴチンのトルエン/アセトン混液にピロ亜硫酸ナトリウム水溶液を混合したロチゴチン溶液に、スチレン‐イソプレン‐スチレンブロック共重合体(クレイトンD−KX401CS、JSRクレイトンエラストマー製)、流動パラフィン(ハイコールM−352、カネダ製)及び水素添加ロジングリセリンエステル(パインクリスタルKE−311、荒川化学工業製)をトルエン中で攪拌混合した粘着剤を加え攪拌混合し、さらにl-メントールのトルエン溶液を加え攪拌混合し、均一な溶解物を得た。次にこの溶解物を、ドクターナイフ塗工機を用いて、溶媒留去後の厚さが50μmになるように剥離フィルムに展延し、溶媒留去して薬物含有粘着剤層を形成した後、支持体として透明なPETフィルム(商品名:フィルムバイナ75E‐0010 BD、藤森工業(株)製;支持体B1)を貼り合せた。それから、所望の大きさに裁断して経皮吸収型貼付製剤を得た。
比較例2
表1に記載の配合比に従って、支持体として淡黄色PET/EVAラミネートフィルムの代わりに透明なPETフィルム(支持体B1)を用いたことを除き、実施例5と同様として経皮吸収型製剤を得た。
表1に記載の配合比に従って、支持体として淡黄色PET/EVAラミネートフィルムの代わりに透明なPETフィルム(支持体B1)を用いたことを除き、実施例5と同様として経皮吸収型製剤を得た。
試験例1(光透過試験)
実施例1〜6及び比較例1〜2で使用した支持体について光透過試験を実施した。紫外可視分光光度計(V−550、測定モード:%T、走査速度:400nm/min、日本分光(株)製)のセル窓部に2cm×2cmに切り取った支持体を張り付けて配置し、波長250nmから波長500nmの範囲において光線透過率(%)を測定した。310nmから370nmの範囲における光線透過率の最大値(%)について表2に示す。また各支持体の光線透過率曲線を図1〜5に示す。
実施例1〜6及び比較例1〜2で使用した支持体について光透過試験を実施した。紫外可視分光光度計(V−550、測定モード:%T、走査速度:400nm/min、日本分光(株)製)のセル窓部に2cm×2cmに切り取った支持体を張り付けて配置し、波長250nmから波長500nmの範囲において光線透過率(%)を測定した。310nmから370nmの範囲における光線透過率の最大値(%)について表2に示す。また各支持体の光線透過率曲線を図1〜5に示す。
試験例2(光安定性試験)
実施例1〜6及び比較例1〜2の各試験物質について、5cm2に裁断した各試験物質を光安定性試験装置(LTL-200A-14、ランプ:D65蛍光ランプ、温度:25℃、照度:4000lx、ナガノサイエンス製)内に支持体側から光に曝露されるよう静置し、総照度が120万lx・hに達するまで保存した。保存前後における分解物生成量(%)を、後述の分析条件で得られた各ピーク面積から下記計算式(1)で算出し、保存後の分解物生成量から保存前の分解物生成量を差し引き、光照射による分解物増加量を算出した。各試験物質の剥離シートを剥がし、50mLの遠心沈殿管に取り、テトラヒドロフラン5mLを加え、20分間振とうし、膏体を完全に溶解させた。この液にメタノール/りん酸(200:1、v/v)5mLを加え、20分間振とうし、完全に粘着基剤成分を凝集、沈殿させた。この上澄液を移動相と任意の割合で希釈し、高速液体クロマトグラフィーで定量した。高速液体クロマトグラフィーの操作は、カラムがXbridge shiled C18 RP(3.5 μm 、3.0 mm×10 cm;日本ウォ―ターズ製)、検出波長が270 nm、移動相が水/トリフルオロ酢酸(5000:1、v/v)(移動相A)及び液体クロマトグラフィー用アセトニトリル(移動相B)、移動相の送液は移動相Aおよび移動相Bを任意の条件で混合させ濃度勾配制御させて行った。該方法により測定した各試験物質の分解物増加量を表3に示す。
(分解生成物量計算式)
分解物生成量(%) = D/T × 100 (1)
D:分解生成物のピーク面積の合計
T:ロチゴチン、分解生成物のピーク面積の合計
実施例1〜6及び比較例1〜2の各試験物質について、5cm2に裁断した各試験物質を光安定性試験装置(LTL-200A-14、ランプ:D65蛍光ランプ、温度:25℃、照度:4000lx、ナガノサイエンス製)内に支持体側から光に曝露されるよう静置し、総照度が120万lx・hに達するまで保存した。保存前後における分解物生成量(%)を、後述の分析条件で得られた各ピーク面積から下記計算式(1)で算出し、保存後の分解物生成量から保存前の分解物生成量を差し引き、光照射による分解物増加量を算出した。各試験物質の剥離シートを剥がし、50mLの遠心沈殿管に取り、テトラヒドロフラン5mLを加え、20分間振とうし、膏体を完全に溶解させた。この液にメタノール/りん酸(200:1、v/v)5mLを加え、20分間振とうし、完全に粘着基剤成分を凝集、沈殿させた。この上澄液を移動相と任意の割合で希釈し、高速液体クロマトグラフィーで定量した。高速液体クロマトグラフィーの操作は、カラムがXbridge shiled C18 RP(3.5 μm 、3.0 mm×10 cm;日本ウォ―ターズ製)、検出波長が270 nm、移動相が水/トリフルオロ酢酸(5000:1、v/v)(移動相A)及び液体クロマトグラフィー用アセトニトリル(移動相B)、移動相の送液は移動相Aおよび移動相Bを任意の条件で混合させ濃度勾配制御させて行った。該方法により測定した各試験物質の分解物増加量を表3に示す。
(分解生成物量計算式)
分解物生成量(%) = D/T × 100 (1)
D:分解生成物のピーク面積の合計
T:ロチゴチン、分解生成物のピーク面積の合計
表3の結果から、支持体の310nm〜370nmの波長領域における透過率を抑制することにより、アルミニウム層を構成中に含まなくても、ロチゴチンの分解物生成を抑制できることが示された(実施例5及び比較例2)。また、分解抑制効果は当該波長領域の透過率に依存し、薬物含有粘着剤層に抗酸化剤を配合することで分解抑制効果はさらに向上した(実施例1〜4、比較例1)。さらに、抗酸化剤として、亜硫酸塩と、アスコルビン酸又はそのエステル誘導体を併用することで、ロチゴチン分解抑制効果は顕著に向上した(実施例6)。
本発明の経皮吸収型貼付製剤は、支持体として波長310nmから波長370nmの光線透過率が40%以下のものを用いることで、支持体にアルミニウム層を含まなくても、ロチゴチン由来の分解生成物の生成を抑制可能なものである。そのため、該貼付製剤の経時的な品質の低下などを抑制し、ロチゴチンの薬理効果を有効に、しかも持続的に利用することが可能である。さらに、支持体にアルミニウムが含まれないため、AEDやMRIなどの療法を受けても火傷の恐れがない、より安全な製剤を提供することが可能である。よって、本発明の経皮吸収型貼付製剤は、パーキンソン病またはRLSなどの治療に有用な製剤である。
Claims (17)
- 支持体、薬物含有粘着剤層及び剥離ライナーからなる経皮吸収型貼付製剤であって、支持体が、波長310nm〜370nmの光線透過率が40%以下であるアルミニウム不含支持体であり、薬物がロチゴチン又はその製薬上許容される塩である経皮吸収型貼付製剤。
- 支持体の光線透過率が、着色剤又は紫外線防御剤により制御されたものである請求項1記載の経皮吸収型貼製剤。
- 支持体の着色剤による光線透過率の制御が、着色剤を支持体表面に印刷若しくは塗装することによる外部着色、及び/又は、着色剤を支持体内部に練り込むことによる内部着色によりなされるものである請求項1又は2記載の経皮吸収型貼付製剤。
- 支持体の紫外線防御剤による光線透過率の制御が、紫外線吸収剤及び紫外線散乱剤よりなる群から選ばれる1種以上の紫外線防御剤の支持体表面への塗布、及び/又は、支持体内部への練り込みによりなされるものである、請求項1又は2記載の経皮吸収型貼付製剤。
- 支持体が、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニル、エチレン酢酸ビニル共重合体、ナイロン、アクリル、ビニロン及びポリウレタンからなる群より選択される合成樹脂で形成されたフィルム、シート、不織布、織布、若しくはこれらの積層体、多孔質体又は発泡体である、請求項1〜4の何れかに記載の経皮吸収型貼付製剤。
- 薬物含有粘着剤層に含有されるロチゴチン又はその製薬上許容される塩の含量が、薬物含有粘着剤層全体に対して1〜50質量%である、請求項1〜5の何れかに記載の経皮吸収型貼付製剤。
- 薬物含有粘着剤層に、さらにゴム系粘着剤を含有する、請求項1〜6の何れかに記載の経皮吸収型貼付製剤。
- ゴム系粘着剤が、スチレン‐イソプレン‐スチレンブロック共重合体、スチレン‐ブタジエン‐スチレンブロック共重合体、スチレン‐エチレン・ブチレン‐スチレンブロック共重合体、ポリイソプレン及びポリイソブチレンからなる群より選択される1種以上である、請求項7記載の経皮吸収型製剤。
- 薬物含有粘着剤層に、さらに抗酸化剤を含有する、請求項1〜8の何れかに記載の経皮吸収型貼付製剤。
- 抗酸化剤が、亜硫酸塩、フェノール系抗酸化剤、アスコルビン酸及びそのエステル誘導体、エデト酸ナトリウム、クエン酸、ジクロイソシアヌール酸カリウム、大豆レシチン、チモール、トコフェロール及びそのエステル誘導体、1,3−ブチレングリコール、ベンゾトリアゾール並びにモノチオグリセリンからなる群より選択される1種以上である、請求項9記載の経皮吸収型貼付製剤。
- 抗酸化剤が、亜硫酸塩並びにアスコルビン酸及びそのエステル誘導体からなる群より選択される1種以上である、請求項10記載の経皮吸収型貼付製剤。
- 抗酸化剤が、ピロ亜硫酸ナトリウム及びパルミチン酸アスコルビン酸である請求項11に記載の経皮吸収型貼付製剤。
- 薬物含有粘着剤層に、さらにロジン系樹脂を含有する、請求項1〜12の何れかに記載の経皮吸収型貼付製剤。
- 前記ロジン系樹脂が、ロジン、ロジンエステル、水添ロジン及び水添ロジンエステルからなる群より選択される1種以上である請求項13に記載の経皮吸収型製剤。
- 薬物含有粘着剤層に、さらに脂環族飽和炭化水素樹脂を含有する、請求項1〜14の何れかに記載の経皮吸収型貼付製剤。
- 薬物含有粘着剤層に、さらに鎮痒剤を含有する、請求項1〜15の何れかに記載の経皮吸収型製剤。
- 前記鎮痒剤が、l-メントール及びクロタミトンからなる群より選択される1種以上である請求項16に記載の経皮吸収型貼付製剤。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017011805A JP2018118927A (ja) | 2017-01-26 | 2017-01-26 | 薬物の光分解を抑制したロチゴチン経皮吸収型貼付製剤 |
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JP (1) | JP2018118927A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2024116965A1 (ja) * | 2022-12-01 | 2024-06-06 | 久光製薬株式会社 | ロチゴチン含有貼付剤及びロチゴチン安定性向上方法 |
-
2017
- 2017-01-26 JP JP2017011805A patent/JP2018118927A/ja active Pending
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WO2024116965A1 (ja) * | 2022-12-01 | 2024-06-06 | 久光製薬株式会社 | ロチゴチン含有貼付剤及びロチゴチン安定性向上方法 |
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