JP2018118492A - 金属/樹脂複合構造体およびその製造方法 - Google Patents

金属/樹脂複合構造体およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 表面粗化された金属部材と、高耐熱性の熱可塑性樹脂組成物により構成された熱可塑性樹脂部材とが接合してなる密着力に優れた金属/樹脂複合構造体、それに用いる、流動性に優れ、優れた密着力を呈する熱可塑性樹脂組成物、およびそれを溶融成形してなる、優れた密着力を呈する熱可塑性樹脂部材およびそれらの製造方法を提供する。【解決手段】 融点が160℃以上の熱可塑性樹脂(A)と、フェノール樹脂(B)とを、前記熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して、前記フェノール樹脂(B)を0.05〜20質量部の範囲で含む熱可塑性樹脂組成物、その成形体、および、表面粗化された金属部材と、前記熱可塑性樹脂組成物により構成された熱可塑性樹脂部材とが接合してなる金属/樹脂複合構造体であって、前記金属部材がアルミニウム、銅、マグネシウム、鉄、チタンまたはそれらを含有する合金である、金属/樹脂複合構造体およびそれらの製造方法。【選択図】 図1

Description

本発明は、金属部材と、熱可塑性樹脂組成物により構成された熱可塑性樹脂部材とが接合してなる金属/樹脂複合構造体、その製造方法、さらに金属/樹脂複合構造体に用いる樹脂組成物および樹脂部材に関する。
各種部品の軽量化の観点から、金属部材代替品として高耐熱性の樹脂部材が使用されている。しかしながら、機械的強度などの問題から全ての金属部材を樹脂で代替することが難しい場合には、金属部材と該樹脂部材を接合一体化して得られる複合構造体(以下、金属/樹脂複合構造体という)が用いられている。このような金属/樹脂複合構造体として、例えば、金属部材表面に対して、レーザー照射を行い、微小な凹部を形成して、アンカー効果により接合する方法が挙げられる(特許文献1、2、3)。レーザー照射により形成された金属部材表面は非常に粗いため、樹脂との接合面における摩擦力が向上し、接合面と同方向に働くせん断力に対しては耐久性を保持する。しかしながら、冷熱サイクル試験を行うと、樹脂の膨張−収縮に伴ってサブミクロンレベルで界面剥離が発生しやすく、それゆえ、金属成形体と樹脂成形体の密着力、特に冷熱サイクルを課した際の密着力(耐冷熱サイクル性という)が低いという問題があった。
そこで、熱可塑性樹脂部材と接合する前記金属部材表面に対してレーザー照射で凹部を形成する際、該金属部材表面と該凹部側面とのなす角を10〜55℃の範囲で行うことにより、高い密着力、特に優れた耐冷熱サイクル性を有する金属樹脂接合成形品を提供することが可能となった(特許文献4参照)。しかしながら、該金属樹脂接合成形品は、金属部材の凹部に樹脂が流れ込むことにより、固化した後にひっかかりとなる部位が形成されることで優れた密着力が得られるため、金属部材の凹部への流れ込みがより容易なよう、より流動性の高い樹脂材料が求められるようになった。
樹脂部材の改良に関しては、例えば、侵食性水溶液又は浸食性懸濁液と言った薬液処理により表面に数平均内径10〜80nmの凹部を有するアルミニウム合金又はマグネシウム合金、或いは陽極酸化法で処理することにより表面に数平均内径10〜80nmの凹部を有するアルミニウム合金に、ポリフェニレンスルフィドと特定割合の無水マレイン酸変性エチレン系共重合体、グリシジルメタクリレート変性エチレン系共重合体、グリシジルエーテル変性エチレン系共重合体及びエチレンアルキルアクリレート系共重合体からなる群から選択される1種以上のポリオレフィン系樹脂を含む樹脂組成物を射出成形し、凹部に該樹脂組成物が浸入した状態で固着してなる複合体が知られている(特許文献5参照)。いずれの処理法で形成された金属表面の微細な凹部もその内径が非常に微細であることから、樹脂組成物が浸入しにくく、それゆえ金属部品と樹脂組成物により構成された樹脂部材との密着力が充分とはいえなかった。
このため、レーザー加工や侵食性水溶液又は浸食性懸濁液による処理法、陽極酸化法など、その手段を問わず、表面粗化により形成した微細凹凸部に対して樹脂材料が浸入しやすいよう、より流動性に優れた樹脂材料の開発が求められていた。
国際公開2007/072603パンフレット 特開2010−167475号公報 特開2013−107273号公報 特開2015−100959号公報 特開2007−050630号公報
そこで本発明が解決しようとする課題は、表面粗化された金属部材と、高耐熱性の熱可塑性樹脂組成物により構成された熱可塑性樹脂部材とが接合してなる密着力に優れた金属/樹脂複合構造体およびその製造方法を提供することにある。さらに本発明は、流動性に優れ、その成形体である熱可塑性樹脂部材が、表面に微細凹凸部が形成された金属部品に対して優れた密着力を呈することができる熱可塑性樹脂組成物、およびそれを溶融成形してなる、表面に微細凹凸部が形成された金属部品に対して優れた密着力を呈することができる熱可塑性樹脂部材、を提供することにある。
本願発明者らは種々の検討を行った結果、融点160℃以上の熱可塑性樹脂にフェノール樹脂を配合してなる熱可塑性樹脂組成物が、流動性に優れ、かつ、表面に微細凹凸部が形成された金属部品に対して優れた密着力を呈する熱可塑性樹脂部材を提供できることを見出し、本発明を解決するに至った。
すなわち、本発明は表面粗化された金属部材と、熱可塑性樹脂組成物により構成された熱可塑性樹脂部材とが接合してなる金属/樹脂複合構造体であって、
前記金属部材がアルミニウム、銅、マグネシウム、鉄、チタンまたはそれらを含有する合金であること、
前記熱可塑性樹脂組成物が、融点が160℃以上の熱可塑性樹脂(A)と、フェノール樹脂(B)とを、前記熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して、前記フェノール樹脂(B)を0.05〜20質量部の範囲で含む熱可塑性樹脂組成物を成形してなること、を特徴とする金属/樹脂複合構造体、に関する。
すなわち、本発明は、表面粗化された金属部材と、熱可塑性樹脂組成物により構成された熱可塑性樹脂部材とが接合してなる金属/樹脂複合構造体であって、
前記金属部材がアルミニウム、銅、マグネシウム、鉄、チタンまたはそれらを含有する合金であること、
前記熱可塑性樹脂組成物が、融点が160℃以上の熱可塑性樹脂(A)と、フェノール樹脂(B)とを、前記熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して、前記フェノール樹脂(B)を0.05〜20質量部の範囲で含む熱可塑性樹脂組成物を成形してなること、を特徴とする金属/樹脂複合構造体、に関する。
また、本発明は、表面粗化された金属部材と、熱可塑性樹脂組成物により構成された熱可塑性樹脂部材とが接合してなる金属/樹脂複合構造体の製造方法であって、
前記金属部材がアルミニウム、銅、マグネシウム、鉄、チタンまたはそれらを含有する合金であること、
融点が160℃以上の熱可塑性樹脂(A)と、フェノール樹脂(B)とを含む熱可塑性樹脂組成物を、金属部材に、前記熱可塑性樹脂(A)の融点以上で溶融成形することを特徴とする金属/樹脂複合構造体の製造方法、に関する。
また、本発明は、表面粗化された金属部材と、熱可塑性樹脂組成物により構成された熱可塑性樹脂部材とが接合してなる金属/樹脂複合構造体に用いる熱可塑性樹脂組成物であって、
前記金属部材がアルミニウム、銅、マグネシウム、鉄、チタンまたはそれらを含有する合金であること、
前記熱可塑性樹脂組成物が、融点が160℃以上の熱可塑性樹脂(A)と、フェノール樹脂(B)とを必須成分として配合してなり、前記熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して、前記フェノール樹脂(B)を0.05〜20質量部の範囲であること、を特徴とする熱可塑性樹脂組成物、に関する。
また、本発明は、表面粗化された金属部材と、熱可塑性樹脂組成物により構成された熱可塑性樹脂部材とが接合してなる金属/樹脂複合構造体に用いる熱可塑性樹脂部材であって、
前記金属部材がアルミニウム、銅、マグネシウム、鉄、チタンまたはそれらを含有する合金であること、
前記熱可塑性樹脂組成物が、融点が160℃以上の熱可塑性樹脂(A)と、フェノール樹脂(B)とを必須成分として配合してなり、前記熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して、前記フェノール樹脂(B)0.05〜20質量部の範囲であること、
前記熱可塑性樹脂部材が熱可塑性樹脂組成物を溶融成形して得られるものであること、を特徴とする熱可塑性樹脂部材、に関する。
本発明によれば、表面粗化された金属部材と、熱可塑性樹脂組成物により構成された熱可塑性樹脂部材とが接合してなる密着力に優れた金属/樹脂複合構造体およびその製造方法を提供することにある。さらに本発明は、流動性に優れ、その成形体である熱可塑性樹脂部材が、表面に微細凹凸部が形成された金属部品に対して優れた密着力を呈することができる熱可塑性樹脂組成物、およびそれを溶融成形してなる、表面に微細凹凸部が形成された金属部品に対して優れた密着力を呈することができる熱可塑性樹脂部材、を提供することができる。
金属部材表面に対して垂直方向の断面において、微細凹凸面における測定基準を示すための説明図。
本発明の金属/樹脂複合構造体は、表面粗化された金属部材と、熱可塑性樹脂組成物により構成された熱可塑性樹脂部材とが接合してなる金属/樹脂複合構造体であって、
前記金属部材がアルミニウム、銅、マグネシウム、鉄、チタンまたはそれらを含有する合金であること、
前記熱可塑性樹脂組成物が、融点が160℃以上の熱可塑性樹脂(A)と、フェノール樹脂(B)とを、前記熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して、前記フェノール樹脂(B)を0.05〜20質量部の範囲で含む熱可塑性樹脂組成物を成形してなること、を特徴とする。
(金属部材)
本発明の金属/樹脂複合構造体を構成する金属部材は、熱可塑性樹脂組成物により構成された熱可塑性樹脂部材と接合する金属部材表面(以下、単に金属部材表面という)に微細な凹凸面(以下、単に微細凹凸面という)を有する。
本発明の金属/樹脂複合構造体は、前記微細凹凸面の凹部に、本発明に用いる熱可塑性樹脂組成物が溶融した状態で進入して固化することで金属部材と該樹脂組成物により構成された熱可塑性樹脂部材とが接合し、金属部材及び熱可塑性樹脂部材との界面(以下、単に金属−樹脂界面という)が形成される。
本発明に用いる金属部材は、表面粗化により金属部材料面に微細凹凸面が形成されているが、その凹凸部の間隔は、凸部から隣接する凸部まで(以下、凸部間という)の長さが好ましくは5nm以上の範囲、より好ましくは10nm以上の範囲である。上限値については、流動性が低くても流れ込むことができるため、特に限定されないが、凹凸密度が高いと密着力も向上する傾向にあることから700μm以下の範囲が好ましく、500μm以下の範囲がより好ましい。凸部間の長さが上記範囲内にあると、本発明に用いる熱可塑性樹脂組成物が微細凹凸面の凹部に密着性よく入り込むことが可能となり、金属−樹脂界面で優れた密着力を発揮することができる。さらに凹凸部の間隔が周期性を有すると、金属−樹脂界面でより優れた密着力を発揮することができるため好ましい。
また、凹凸部の高低差について、好ましくは50nm以上、より好ましくは100nm以上の範囲である。高低差があるほど密着強さは向上する傾向であるが、凹凸部にボイドを生じないように樹脂を充填させることなどを考慮すると、500μm以下が好ましい。
なお、該凸部間の長さは、金属部材表面の微細凹凸面に対して垂直方向に切断した断面を、電子顕微鏡またはレーザー顕微鏡により撮影した写真をもとに、凸部の頂上部から隣接する凸部の頂上部までの2点間を少なくとも50点を選び出した上で、金属部材表面の微細凹凸面と平行方向の成分の長さ(図1の符号x)を測定し、その数平均値として求めることができる。また凹凸部の高低差は、前記断面を、電子顕微鏡またはレーザー顕微鏡により撮影した写真をもとに、凸部の頂上部から隣接する凹部の底面部までの2点間を少なくとも50点選び出した上で金属部材表面の微細凹凸面と垂直方向の成分の長さ(図1の符号y)を測定し、その数平均値として求めることができる。
また、前記微細凹凸面において凹凸形状は、特に限定されず、後述する表面粗化により前記凸部間の距離よりも小さな孔径を有する凹部として形成されていてもよく、さらに表面粗化を進行させて、丸みをおびた凸部、すなわち、球状、なめらかな端部を有する円柱あるいはイボ状、かりん糖状などの三次元局面を有する突起物として、林立状態で観測される形状でもよい。
前記金属部材を構成する金属の種類としては、アルミニウム、銅、マグネシウム、鉄、チタンまたはそれらを含有する合金が挙げられる。より具体的には、鉄や、例えば、ステンレス、鋼材など、鉄を主成分、すなわち20質量%以上、より好ましくは50質量%以上、さらに好ましくは80質量%の割合として、他に炭素、ケイ素、マンガン、クロム、タングステン、モリブデン、ホスホル、チタン、バナジウム、ニッケル、ジルコニウム、ボロン等を含む合金(以下、鉄合金)や、アルミニウムや、アルミニウムを主成分として、他に銅、マンガン、ケイ素、マグネシウム、亜鉛、ニッケルを含む合金(以下、アルミニウム合金)や、マグネシウムや、マグネシウムを主成分として、他に亜鉛、アルミニウム、ジルコニウムなどを含む合金(以下、マグネシウム合金)や、銅や、銅を主成分として、他に亜鉛、スズ、リン、ニッケル、マグネシウム、ケイ素、クロムを含む合金(以下、銅合金)や、チタンや、チタンを主成分として、他に銅、マンガン、ケイ素、マグネシウム、亜鉛、ニッケルを含む合金(以下、チタン合金)が挙げられる。これらのうち、より好ましくは鉄、鉄合金、アルミニウム合金、マグネシウム合金、銅合金、チタン合金が挙げられ、さらに好ましくは鉄合金、アルミニウム合金、マグネシウム合金が挙げられる。
本発明で用いる金属部材は、表面粗化されて、表面に微細凹凸面を有するものであることが好ましい。表面粗化の方法は特に公知の方法を限定なく用いることができるが、例えば、3種類の方法があげられる。
(1)侵食性水溶液または侵食性懸濁液による浸漬法。金属表面に微細凹凸面が形成された形状とすることが好ましく、さらに、金属表面を多数の凹部が形成された形状とし、かつ、その凹部を数平均内径3μm以下の範囲とすることがより好ましく、同様にその凹部を数平均内径10nm〜3μmの範囲とすることがさらに好ましい。
(2)陽極酸化法。表面に主として金属酸化物層を形成させることにより、その表面層に多数の数平均内径1μm以下の範囲を有する開口部を形成することが好ましく、同様に数平均内径1nm〜1μmの範囲を有する開口部を形成することがより好ましく、さらには同様に数平均内径10〜200nmの範囲を有する開口部を形成することがより好ましい。
(3)機械的切削、例えばダイヤモンド砥粒研削またはブラスト加工によって作成した凹凸有する金型パンチをプレスすることにより金属表面に凹凸を形成する方法や、サンドブラスト、レーザー加工により金属表面に凹凸形状を作成する方法。主として、表面を多数の凹部に加工することが好ましく、凹部の数平均内径またはレーザー加工等の連続形状の凹部を形成させる場合はその幅が1〜1000μmの範囲とすることが好ましく、さらに10〜800μmの範囲とすることがより好ましい。
前記金属部材は、上述した微細凹凸面を形成する前に、上記金属部材を切断、プレス等による塑性加工、打ち抜き加工、切削、研削、放電加工等の除肉加工によって所定の形状に加工することが好ましい。
なお、金属の表面処理がなされた金属部材の表面にはプライマー層を形成させてもよい。プライマー層を構成する材料は特に限定されないが、通常は樹脂成分を含むプライマー樹脂材料からなる。プライマー樹脂材料は特に限定されず、公知のものを用いることができる。具体的には、公知のポリオレフィン系プライマー、エポキシ系プライマー、ウレタン系プライマーなどを挙げることができる。プライマー層の形成方法は特に限定されないが、例えば、上記のプライマー樹脂材料の溶液や、上記のプライマー樹脂材料のエマルションを、上記表面処理を行った金属部材に塗工して形成することができる。溶液とする際に用いる溶媒としては、トルエン、メチルエチルケトン(MEK)、ジメチルフォスフォルアミド(DMF)などが挙げられる。エマルション用の媒体としては、脂肪族炭化水素媒体や、水などが挙げられる。
本発明に用いる熱可塑性樹脂(A)としては、融点が160℃以上、好ましくは210℃以上、より好ましくは210〜390℃の範囲の熱可塑性樹脂が挙げられ、具体的にはポリプロピレン樹脂やPMPなど、融点160℃以上の範囲、好ましくは融点210〜250℃の範囲のポリオレフィン樹脂や、ポリアミド6(6−ナイロン)樹脂、ポリアミド66(6,6−ナイロン)樹脂またはポリアミド12(12−ナイロン)樹脂などの脂肪族骨格を有するポリアミド樹脂や、ポリアミド6T(6T−ナイロン)樹脂、ポリアミド9T(9T−ナイロン)樹脂などの融点が210℃以上、好ましくは210〜310℃の範囲である芳香族骨格を有するポリアミド樹脂(以下、芳香族骨格を有するポリアミド樹脂を芳香族ポリアミド樹脂ということがある)や、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリイソブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂またはポリシクロヘキセンテレフタレート樹脂などの融点が210℃以上、好ましくは210〜280℃の範囲であるポリエステル樹脂や、融点が300〜390℃の範囲であるポリエーテルエーテルケトン樹脂や、パラヒドロキシ安息香酸を骨格中に有する融点が300℃以上、好ましくは300℃〜熱分解温度(380℃)未満である液晶ポリマーや、融点が210℃以上、好ましくは210〜280℃の範囲であるシンジオタクチックポリスチレン樹脂等の融点が210〜390℃の範囲の熱可塑性樹脂といった、いわゆる汎用エンジニアリングプラスチックないしスーパーエンジニアリングプラスチックが挙げられ、このうち、優れた難燃性や寸法安定性を有する、ポリブチレンテレフタレート樹脂、芳香族ポリアミド樹脂が好ましい。
本発明において「融点」は、JIS 7121(1999年) 9.1(1)の方法に準拠し、示差走査熱量測定(DSC)により測定した融解ピーク温度を指すものとする。
本発明に用いる熱可塑性樹脂組成物は、フェノール樹脂(B)を必須成分として配合してなる。
次に、本発明で用いるフェノール樹脂は、フェノール骨格を有する熱可塑性重合体を指し、ノボラック型フェノール樹脂またはビスフェノール型フェノール樹脂の何れもが好ましいものとして使用でき、さらにノボラック型フェノール樹脂がより好ましい。なお、フェノール樹脂(B)は、160℃以上の融点を有していない点で前記熱可塑性樹脂(A)と区別される。
フェノール樹脂は、一般的に、フェノール化合物とアルデヒド化合物とを、酸触媒の存在下、40〜150℃で1〜5時間反応させ、次いで、常圧脱水、又は減圧脱水工程を経て、残留した水分を反応系内から除去し、さらに、反応系内にある縮合物をメタノール等の溶剤に溶解することにより得られる。〔アルデヒド化合物〕/〔フェノール化合物〕の比率は、公知の範囲で特に制限されないが、好ましくはモル比で0.3〜1.0となる範囲である。該フェノール骨格は、原料のフェノール化合物に由来する。当該フェノール化合物としては公知の範囲で特に限定されるものではなく、たとえばフェノール、ナフトールあるいはクレゾール、キシレノール、エチルフェノール、ブチルフェノール、オクチルフェノールなどのアルキルフェノール類;レゾルシン、カテコールなどの多価フェノール類;ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビスフェノールE、チオビスフェノール、ビス(ヒドロキシフェニル)エーテル、ジヒドロキシベンゾフェノン、ビスフェノールフルオレン等のビスフェノール類;ハロゲン化フェノール、フェニルフェノール、アミノフェノール等が挙げられる。またこれらのフェノール化合物は、その使用にあたって1種類のみに限定されるものではなく、2種以上の併用も可能である。
前記アルデヒド化合物はフェノール樹脂製造の際に一般的に用いられるものであれば特に制限なく用いることができ、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、トリオキサン等のホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等が挙げられ、ヘキサメチレンテトラミンもまた用いることができる。
前記酸触媒としては、ノボラック型フェノール樹脂の製造の際に用いられる酸類を用いることができ、例えば、蟻酸、塩酸、燐酸、硫酸、パラトルエンスルホン酸、フェノールスルホン酸等が挙げられる。
フェノール樹脂の配合は、熱可塑性樹脂組成物をより低粘度化することができ、成形時の流動性を向上できることから、金属部材の接着表面の凹凸の細部まで該組成物が流入して、アンカー効果を増大させることができる。さらに、水酸基の存在により、金属部材の接着表面において多数の水素結合を形成し密着力を向上させることができる。さらに、高温高湿環境下であっても、該接着表面への水分の浸入を抑制し、高い接着保持率を発現することができる。
フェノール樹脂の水酸基当量は、高い方が好ましく、その範囲については公知の範囲のものでよいが、より接着力または密着力を向上させることが可能なことから、80〜200g/当量の範囲であるものが好ましく、100〜180g/当量の範囲であるものがより好ましく、110〜150g/当量の範囲であるものがさらに好ましい。
フェノール樹脂は固形タイプ、溶剤タイプいずれでもよいが、固形タイプを用いることがより好ましい。固形タイプを用いる際は軟化点が50〜180℃の範囲であるものを用いることが好ましく、70〜150℃の範囲である物を用いることがより好ましい。溶剤タイプを用いる際は粘度(固形分60%MEK溶液として)が50〜2000(25℃、mPa・s)の範囲であるものを用いることが好ましく、70〜1500(25℃、mPa・s)の範囲であるものを用いることがより好ましい。
熱可塑性樹脂組成物中における前記フェノール樹脂(B)の配合の割合は、熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して、0.05〜20質量部の範囲であることが好ましく、0.1〜15質量部の範囲であることが好ましく、さらに0.5〜10質量部の範囲であることが好ましい。上記範囲内であると、優れた金属部材接着性と溶融混練時や溶融成形時の低ガス性とを両立することができる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、必要に応じて、充填剤を任意成分として配合することができる。これら充填剤としては本発明の効果を損なうものでなければ公知慣用の材料を用いることもでき、例えば、繊維状のものや、粒状や板状などの非繊維状のものなど、さまざまな形状の充填剤等が挙げられる。具体的には、ガラス繊維、炭素繊維、シランガラス繊維、セラミック繊維、アラミド繊維、金属繊維、チタン酸カリウム、炭化珪素、珪酸カルシウム、ワラストナイト等の繊維、天然繊維等の繊維状充填剤が使用でき、またガラスビーズ、ガラスフレーク、硫酸バリウム、クレー、パイロフィライト、ベントナイト、セリサイト、マイカ、雲母、タルク、アタパルジャイト、フェライト、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ガラスビーズ、ゼオライト、ミルドファイバー、硫酸カルシウム等の非繊維状充填剤も使用できる。
本発明において充填剤は必須成分ではなく、添加する場合、その含有量は本発明の効果を損ねなければ特に限定されるものではない。充填剤の含有量としては例えば、熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して、1〜600質量部の範囲であることが好ましく、さらに10〜200質量部の範囲であることがより好ましい。かかる範囲において、樹脂組成物が良好な機械強度と成形性を示すため好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、必要に応じて、シランカップリング剤を任意成分として配合することができる。シランカップリング剤としては、本発明の効果を損ねなければ特に限定されないが、カルボキシ基と反応する官能基、例えば、エポキシ基、イソシアナト基、アミノ基または水酸基を有するシランカップリング剤が好ましいものとして挙げられる。このようなシランカップリング剤としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ基含有アルコキシシラン化合物、γ−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルエチルジメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルエチルジエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルトリクロロシラン等のイソシアナト基含有アルコキシシラン化合物、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基含有アルコキシシラン化合物、γ−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン等の水酸基含有アルコキシシラン化合物が挙げられる。本発明においてシランカップリング剤は必須成分ではないが、添加する場合、その配合の割合は、本発明の効果を損ねなければ特に限定されないが、熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して、0.01〜10質量部の範囲であることが好ましく、さらに0.1〜5質量部の範囲であることがより好ましい。かかる範囲において、樹脂組成物が良好な耐コロナ性と成形性、特に離形性を有し、かつ成形品がエポキシ樹脂と優れた接着性を呈しつつ、さらに機械的強度が向上するため好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、必要に応じて、熱可塑性エラストマーを任意成分として配合することができる。熱可塑性エラストマーとしては、ポリオレフィン系エラストマー、弗素系エラストマーまたはシリコーン系エラストマーが挙げられ、このうちポリオレフィン系エラストマーが好ましいものとして挙げられる。これらのエラストマーを添加する場合、その配合の割合は、本発明の効果を損ねなければ特に限定されないが、前記熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して、0.01〜30質量部の範囲であることが好ましく、さらに0.1〜25質量部の範囲であることがより好ましい。かかる範囲において、得られる熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃性が向上するため好ましい。
前記ポリオレフィン系エラストマーは、例えば、α−オレフィンの単独重合または異なるα−オレフィン同士の共重合により、さらに、官能基を付与する場合には、α−オレフィンと官能基を有するビニル重合性化合物との共重合により得ることができる。α−オレフィンは、例えば、エチレン、プロピレン及びブテン−1等の炭素原子数2〜8の範囲のものが挙げられる。また、官能基としては、カルボキシ基、式−(CO)O(CO)−で表される酸無水物基、それらのエステル、エポキシ基、アミノ基、水酸基、メルカプト基、イソシアネート基、またはオキサゾリン基などが挙げられる。
このような官能基を有するビニル重合性化合物の具体例としては、例えば、(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸エステル等のα,β−不飽和カルボン酸及びそのアルキルエステル、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸及びその他の炭素原子数4〜10のα,β−不飽和ジカルボン酸及びその誘導体(モノ若しくはジエステル、及びその酸無水物等)、並びにグリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中でも、上述したエポキシ基、カルボキシ基、及び、該酸無水物基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を有するエチレン−プロピレン共重合体及びエチレン−ブテン共重合体が、機械的強度、特に靭性及び耐衝撃性の向上の点から好ましい。
なお、前記エラストマーが官能基としてエポキシ基を有する場合には、溶融混練時にフェノール樹脂と反応するため、その配合の割合の上限値は、前記熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して、10質量部以下の範囲であることが好ましく、さらに5質量部の範囲であることがより好ましく、0質量部であること、すなわち、実質的にそのようなエポキシ基を有するエラストマーを用いないことが特に好ましい。
更に、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、上記成分に加えて、さらに用途に応じて、熱可塑性樹脂(A)以外の合成樹脂を任意成分として含有することができる。当該合成樹脂としては、融点が160℃未満の結晶性の熱可塑性樹脂や、非晶性の熱可塑性樹脂などの合成樹脂が挙げられ、具体的には、ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、変性ポリフェニレンエーテル(mPPE)樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂などが挙げられる。これらの樹脂の配合の割合は、それぞれの目的に応じて異なり、一概に規定することはできないが、熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して0.01〜1000質量部の範囲で、本発明の効果を損なわないよう目的や用途に応じて適宜調整して用いればよい。
また本発明の熱可塑性樹脂組成物は、その他にも着色剤、帯電防止剤、酸化防止剤、耐熱安定剤、紫外線安定剤、紫外線吸収剤、発泡剤、難燃剤、難燃助剤、離型剤、防錆剤、およびカップリング剤等の公知慣用の添加剤を必要に応じ、任意成分として含有してもよい。これらの添加剤は必須成分ではなく、その配合の割合は、例えば、熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して、好ましくは0.01〜1000質量部の範囲で、本発明の効果を損なわないよう目的や用途に応じて適宜調整して用いればよい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物の製造方法は、熱可塑性樹脂(A)と、前記フェノール樹脂(B)とを必須成分として配合し、熱可塑性樹脂(A)の融点以上で溶融混練する。
本発明の熱可塑性樹脂組成物の好ましい製造方法は、上述した配合の割合となるよう、熱可塑性樹脂(A)と、前記フェノール樹脂(B)の各必須成分と、必要に応じて、充填剤などの任意成分を、粉末、ペレット、細片など様々な形態でリボンブレンター、ヘンシェルミキサー、Vブレンダーなどに投入してドライブレンドした後、バンバリーミキサー、ミキシングロール、単軸または2軸の押出機およびニーダーなどの公知の溶融混練機に投入し、樹脂温度が熱可塑性樹脂(A)の融点以上となる温度範囲、好ましくは融点+10℃以上となる温度範囲、より好ましくは融点+10℃〜融点+100℃となる温度範囲、さらに好ましくは融点+20〜融点+50℃となる温度範囲で溶融混練する工程を経て製造することができる。溶融混練機への各成分の添加、混合は同時に行ってもよいし、分割して行っても良い。
このように溶融混練して得られる本発明の熱可塑性樹脂組成物は、必須成分である熱可塑性樹脂(A)と、前記フェノール樹脂(B)と、必要に応じて加える任意成分およびそれらの由来成分を含む溶融混合物であり、該溶融混練後に、公知の方法でペレット、チップ、顆粒、粉末等の形態に加工してから、必要に応じて100〜150℃の温度で予備乾燥を施して、各種成形に供することが好ましい。
上記製造方法により製造される本発明の熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂(A)をマトリックスとし、当該マトリックス中に、必須成分である前記フェノール樹脂(B)、それらに由来する成分、必要に応じて添加する任意成分が分散したモルフォロジーを形成する。本発明に用いる熱可塑性樹脂組成物は、融点160℃以上の熱可塑性樹脂にフェノール樹脂を加えることにより、マトリックスである熱可塑性樹脂の結晶性を崩して結晶化温度を下げることで溶融時の流動性を高めることができると考えられ、その結果、金属部材に表面粗化処理により形成された微細凹凸部の凹部に濡れ性よく入り込むことが可能となり、金属−樹脂界面でさらに優れた接着性を発揮することができるものと考えらる。当該接着性の効果はアンカー効果という物理的保持力で金属−樹脂界面を保持する原理であるため、樹脂自体は、結晶性を有する熱可塑性樹脂であれば、また、金属自体も表面粗化されていれば材質を問わず、いずれも問題無くその効果を発揮できるが、溶融時の流動性の向上効果は該熱可塑性樹脂の融点が高いほど高い傾向にあることから、融点160℃以上、好ましくは210℃以上、より好ましくは210〜390℃の範囲の熱可塑性樹脂が本発明に好適に用いられる。
本発明の、金属部材と、熱可塑性樹脂組成物により構成された熱可塑性樹脂部材とが接合してなる金属/樹脂複合構造体は、熱可塑性樹脂(A)と、フェノール樹脂(B)とを含む熱可塑性樹脂組成物を、金属部材に、前記熱可塑性樹脂(A)の融点以上で溶融成形することにより得られる。本発明に用いる熱可塑性樹脂部材の金属材料表面への溶融成形法は、本発明に用いる熱可塑性樹脂組成物を射出成形、圧縮成形、コンポジット、シート、パイプなどの押出成形、引抜成形、ブロー成形、トランスファー成形など各種溶融成形にて行うことが可能であるが、特に離形性にも優れるため予め金型内に金属部材をセットして射出成形を行う、いわゆる金属インサート成形法を用いることが好ましい。いずれの成形法を用いた場合でも、各種成形条件は通常の一般的な方法にて成形することができる。例えば、射出成形機内で、樹脂温度が熱可塑性樹脂(A)の融点以上の温度範囲、好ましくは該融点+10℃以上の温度範囲、より好ましくは融点+10℃〜融点+100℃の温度範囲、さらに好ましくは融点+20〜融点+50℃の温度範囲で熱可塑性樹脂組成物を溶融する工程を経た後、樹脂吐出口よりを金属部材をセットした金型内に注入して成形すればよい。その際、金型温度も公知の温度範囲、例えば、室温(23℃)〜300℃、好ましくは40〜200℃、さらに好ましくは120〜180℃に設定すればよい。
前記複合成形体の主な用途例としては、各種家電製品、携帯電話、及びPC(Personal Computer)等の電子機器の筐体、箱型の電気・電子部品集積モジュール用保護・支持部材・複数の個別半導体またはモジュール、センサ、LEDランプ、コネクタ、ソケット、抵抗器、リレーケース、スイッチ、コイルボビン、コンデンサ、バリコンケース、光ピックアップ、発振子、各種端子板、変成器、プラグ、プリント基板、チューナ、スピーカ、マイクロフォン、ヘッドフォン、小型モーター、磁気ヘッドベース、パワーモジュール、端子台、半導体、液晶、FDDキャリッジ、FDDシャーシ、モーターブラッシュホルダ、パラボラアンテナ、コンピュータ関連部品等に代表される電気・電子部品;VTR部品、テレビ部品、アイロン、ヘアードライヤ、炊飯器部品、電子レンジ部品、音響部品、オーディオ・レーザディスク・コンパクトディスク・DVDディスク・ブルーレイディスク等の音声・映像機器部品、照明部品、冷蔵庫部品、エアコン部品、タイプライタ部品、ワードプロセッサ部品、あるいは給湯機や風呂の湯量、温度センサなどの水回り機器部品等に代表される家庭、事務電気製品部品;オフィスコンピュータ関連部品、電話器関連部品、ファクシミリ関連部品、複写機関連部品、洗浄用治具、モーター部品、ライタ、タイプライタなどに代表される機械関連部品:顕微鏡、双眼鏡、カメラ、時計等に代表される光学機器、精密機械関連部品;オルタネーターターミナル、オルタネーターコネクタ、ブラシホルダー、スリップリング、ICレギュレータ、ライトディヤ用ポテンシオメーターベース、リレーブロック、インヒビタースイッチ、排気ガスバルブ等の各種バルブ、燃料関係・排気系・吸気系各種パイプ、エアーインテークノズルスノーケル、インテークマニホールド、燃料ポンプ、エンジン冷却水ジョイント、キャブレターメインボディ、キャブレタースペーサ、排気ガスセンサ、冷却水センサ、油温センサ、ブレーキパットウェアーセンサ、スロットルポジションセンサ、クランクシャフトポジションセンサ、エアーフローメータ、ブレーキパッド摩耗センサ、エアコン用サーモスタットベース、暖房温風フローコントロールバルブ、ラジエーターモーター用ブラッシュホルダ、ウォーターポンプインペラ、タービンベイン、ワイパーモーター関係部品、デュストリビュータ、スタータースイッチ、イグニッションコイルおよびそのボビン、モーターインシュレータ、モーターロータ、モーターコア、スターターリレ、トランスミッション用ワイヤーハーネス、ウィンドウォッシャーノズル、エアコンパネルスイッチ基板、燃料関係電磁気弁用コイル、ヒューズ用コネクタ、ホーンターミナル、電装部品絶縁板、ステップモーターロータ、ランプソケット、ランプリフレクタ、ランプハウジング、ブレーキピストン、ソレノイドボビン、エンジンオイルフィルタ、点火装置ケース等の自動車・車両関連部品、その他各種用途にも適用可能である。
以下に具体的な例を挙げて、本発明をさらに詳しく説明する。また、部、%は、特に断りがない場合、質量基準とする。
(実施例1〜9及び比較例1〜3)熱可塑性樹脂組成物の製造
表1〜3に記載する組成成分および配合量(全て質量部)にしたがい、各材料をタンブラーで均一に混合した。その後、株式会社日本製鋼所ベント付き2軸押出機「TEX30α」に前記配合材料を投入し、樹脂成分吐出量25kg/hr、スクリュー回転数250rpm、設定樹脂温度をPA樹脂は330℃、PBT樹脂は270℃、PP樹脂は200℃に設定して溶融混練し、樹脂組成物のペレットを得た。このペレットを用いて以下の各種評価試験を行った。試験及び評価の結果は、表1〜3に示す。
(測定例4)密着強度
実験方法 下記の粗化処理を施した金属試験片(長さ×幅×厚み=50mm ×10mm×2mm)を射出成形用金型(金型温度はPA成形時140℃、PBT成形時140℃、 PP成形時は60℃)にセットし、処理面と樹脂組成物が垂直に接合されるように金属/樹脂複合構造体(ISO19095に準拠Type−A型に準拠)を成形した。得られた構造体の接合面に対し垂直方向に引張試験(引張速度1mm/分)を実施し、得られた最大応力値を密着強度とした。
金属処理(S):アルミニウム板(材質:A1050)から前述の大きさに金属片を切り出し、さらに接合面を研磨した(研磨紙粗さ:1000番)。研磨後の接合面を電子顕微鏡観察したところ、数平均内径100nm以下の凹部で表面が覆われているという様子は観測されなかった。このアルミニウム片の接合面と反対側の端部に穴を開け、十数個に対し塩化ビニルでコートした銅線を通し、アルミニウム片同士が互いに重ならないように銅線を曲げて加工し、全てを同時にぶら下げられるようにした。
槽に市販のアルミニウム合金用脱脂剤「NE−6(メルテックス社製)」7.5%を水に投入した後で75℃として加熱溶解し、前記のアルミニウム片を5分浸漬し、よく水洗した。続いて別の槽に50℃とした10%苛性ソーダ水溶液を用意し、これに前記のアルミニウム片を0.5分浸漬してよく水洗した。
続いて別の槽に90℃とした60%硝酸液を用意し、15秒浸漬してよく水洗した。続いて別の槽に20℃とした5%硫酸水溶液を用意し、前記のアルミニウム片の穴部に直流電源装置「ASR3SD−150−500(中央製作所製)」の陽極を結線し、陰極は槽に入れた鉛板に結線して5A/dmの電流密度になる定電流制御で陽極酸化した。40分陽極酸化して水洗し、60℃とした温風乾燥機に1時間入れて乾燥した。1日後、うち1個の接合面を走査型電子顕微鏡にて撮影(倍率50万倍)し、各画像からそれぞれ凹部50個を無作為に選択した上で測定した。表面に凹部が周期的に連続して形成され、凸部間が数平均で50nm、数平均孔径が30μm、凹部の密度が100nmあたり10個であった。
処理後速やかに成形し、密着強度(S1)を測定した。さらに、恒温高湿(80℃、湿度95%)環境下で200時間放置後に密着強度(S2)を測定した。n=3回で評価し、その平均値をとった。
金属処理(T):金属試験片としてYAGレーザーマーカー装置(芝浦エレテック株式会社製「LAY−791DE」)を用いてレーザー溝加工を施した。金属片の端面に長さ10mm、深さ150μm、幅100μmの連続した溝を100μm間隔で形成した。
処理後速やかに成形し、密着強度(T1)を測定した。さらに、恒温高湿(80℃、湿度95%)環境下で200時間放置後に密着強度(T2)を測定した。n=3回で評価し、その平均値をとった。
Figure 2018118492
Figure 2018118492
Figure 2018118492
なお、表1〜3中の配合樹脂、材料の配合比率は質量部を表し、下記のものを用いた。
A−1:芳香族ポリアミド(PA)樹脂は以下の方法で製造した。
[製造例1]
テレフタル酸1827g(11.0モル)、1,6−ヘキサンジアミン2343g(20.2モル)、アジピン酸1315g(9.0モル)、安息香酸30.5g(0.25モル)、次亜リン酸ナトリウム一水和物4.7g(原料に対して0.08質量%)及び蒸留水445gを内容量13.6Lのオートクレーブに入れ、窒素置換した。190℃から攪拌を開始し、4時間かけて内部温度を250℃まで昇温した。この時、オートクレーブは3.1MPaまで昇圧した。このまま1時間反応を続けた後、オートクレーブ下部に設置したスプレーノズルから大気放出して低次縮合物を抜き出した。その後、室温まで冷却後、粉砕機で1.5mm以下の粒径まで粉砕し、110℃で24時間乾燥した。得られた低次縮合物の極限粘度[η]は0.15dl/gであった。次に、この低次縮合物を棚段式固相重合装置に入れ、窒素置換後、2時間かけて220℃まで昇温した。その後、4時間反応し、室温まで降温した。得られた芳香族ポリアミド(PA)樹脂の融点は320℃、極限粘度[η]は1.1dl/gであった。
A−2:ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂 ポリプラスチック株式会社製「930HL」(ガラス繊維30質量%の強化品)融点225℃
A−3:ポリプロピレン(PP)樹脂 プライムポリマー株式会社製「J105G」融点160℃
B−1:フェノールノボラック DIC株式会社製「TD−2090」(水酸基当量105g/当量、軟化点117−123℃)
B−2:クレゾールノボラック DIC株式会社製「KA−1165」(水酸基当量119g/当量、軟化点117−130℃)
※なお、フェノール樹脂の軟化点測定は、メイホー社製環球式軟化点測定装置ASP−M4SPを用い、昇温3℃/分で測定した値とする。またフェノール樹脂の水酸基当量の測定はJIS K 0070(1992)に規定される中和滴定法に準拠した方法で測定した値とする。
C−1:ガラス繊維(チョップドストランド、Eガラス、平均繊維長200μm、平均直径10μm、エポキシ系集束剤による表面処理品)
x ・・・凸部の頂上部から隣接する凸部の頂上部までの2点間の、金属部材表面の微細凹凸面と平行方向の成分の長さ
y ・・・凸部の頂上部から隣接する凹部の底面部までの2点間の、金属部材表面の微細凹凸面と垂直方向の成分の長さ

Claims (10)

  1. 表面粗化された金属部材と、熱可塑性樹脂組成物により構成された熱可塑性樹脂部材とが接合してなる金属/樹脂複合構造体であって、
    前記金属部材がアルミニウム、銅、マグネシウム、鉄、チタンまたはそれらを含有する合金であること、
    前記熱可塑性樹脂組成物が、融点が160℃以上の熱可塑性樹脂(A)と、フェノール樹脂(B)とを、前記熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して、前記フェノール樹脂(B)を0.05〜20質量部の範囲で含む熱可塑性樹脂組成物を成形してなること、を特徴とする金属/樹脂複合構造体。
  2. 前記フェノール樹脂(B)が、ノボラック型フェノール樹脂である請求項1記載の金属/樹脂複合構造体。
  3. 前記フェノール樹脂(B)が80〜200g/当量の範囲の水酸基当量を有するものである請求項1または2記載の金属/樹脂複合構造体。
  4. 前記フェノール樹脂(B)が50〜180℃の範囲の軟化点を有するものである請求項1〜3のいずれか一項記載の金属/樹脂複合構造体。
  5. 前記樹脂組成物が溶融混練物である請求項1〜4のいずれか一項に記載の金属/樹脂複合構造体。
  6. 前記熱可塑性樹脂部材が熱可塑性樹脂組成物を溶融成形して得られるものである請求項1〜5のいずれか一項に記載の金属/樹脂複合構造体。
  7. 表面粗化された金属部材と、熱可塑性樹脂組成物により構成された熱可塑性樹脂部材とが接合してなる金属/樹脂複合構造体の製造方法であって、
    前記金属部材がアルミニウム、銅、マグネシウム、鉄、チタンまたはそれらを含有する合金であること、
    融点が160℃以上の熱可塑性樹脂(A)と、フェノール樹脂(B)とを含む熱可塑性樹脂組成物を、金属部材に、前記熱可塑性樹脂(A)の融点以上で溶融成形することを特徴とする金属/樹脂複合構造体の製造方法。
  8. 前記熱可塑性樹脂組成物が、前記熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して、前記フェノール樹脂(B)を0.05〜20質量部の範囲で含むものである請求項7記載の金属/樹脂複合構造体の製造方法。
  9. 表面粗化された金属部材と、熱可塑性樹脂組成物により構成された熱可塑性樹脂部材とが接合してなる金属/樹脂複合構造体に用いる熱可塑性樹脂組成物であって、
    前記金属部材がアルミニウム、銅、マグネシウム、鉄、チタンまたはそれらを含有する合金であること、
    前記熱可塑性樹脂組成物が、融点が160℃以上の熱可塑性樹脂(A)と、フェノール樹脂(B)とを必須成分として配合してなり、前記熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して、前記フェノール樹脂(B)を0.05〜20質量部の範囲であること、を特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
  10. 表面粗化された金属部材と、熱可塑性樹脂組成物により構成された熱可塑性樹脂部材とが接合してなる金属/樹脂複合構造体に用いる熱可塑性樹脂部材であって、
    前記金属部材がアルミニウム、銅、マグネシウム、鉄、チタンまたはそれらを含有する合金であること、
    前記熱可塑性樹脂組成物が、融点が160℃以上の熱可塑性樹脂(A)と、フェノール樹脂(B)とを必須成分として配合してなり、前記熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して、前記フェノール樹脂(B)0.05〜20質量部の範囲であること、
    前記熱可塑性樹脂部材が熱可塑性樹脂組成物を溶融成形して得られるものであること、を特徴とする熱可塑性樹脂部材。
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