JP2018112145A - 内燃機関のエアクリーナ - Google Patents

Abstract

【課題】通気抵抗の増大を抑制しつつ吸着材のパージ性能を向上させることができる。【解決手段】エアクリーナのキャップ３０は、樹脂成形体により形成された周壁及び頂壁３４を有し、頂壁３４の一部に開口部３７が形成されたキャップ本体３１と、開口部３７の周縁部３７１に固定されるとともに開口部３７を塞ぐ吸着シート４０とを備えている。吸着シート４０は、外側繊維成形体４１と、外側繊維成形体４１の内側に設けられた内側繊維成形体４３と、外側繊維成形体４１と内側繊維成形体４３との間に介設されるとともに内燃機関の蒸発燃料を吸着する吸着材４９とを有している。【選択図】図４

Description

本発明は、内燃機関のエアクリーナに関する。

内燃機関の吸気通路には、吸気を濾過するためのエアクリーナが設けられている（例えば特許文献１参照）。特許文献１に記載のエアクリーナは、インレットポートを有する第１ハウジングと、アウトレットポートを有する第２ハウジングとを備えている。また、第１ハウジングの開口と、同開口に向かい合う第２ハウジングの開口との間には、フィルタエレメントが設けられている。

また、特許文献１に記載のエアクリーナにおいては、内燃機関の蒸発燃料を吸着する吸着部材が第２ハウジングの内面に沿って設けられており、同内面と吸着部材との間には間隙が形成されている。具体的には、吸着部材は、蒸発燃料を吸着する活性炭などを含む吸着シートと、吸着シートの周縁に設けられたフレームとを有している。第２ハウジングの内面から突出する複数の固定ピンにフレームが固定されることで、吸着部材が第２ハウジングに取り付けられている。

特許文献１に記載のエアクリーナによれば、機関停止中に燃焼室側から吸気通路を逆流する蒸発燃料が吸着部材に吸着される。また、機関運転時には、吸着部材に吸着されている燃料成分が、吸気と共に上記間隙を通過して燃焼室側に持ち去られることにより吸着部材がパージされて吸着性能が回復される。

また、上記エアクリーナによれば、第２ハウジングの内面に沿って吸着部材が設けられているため、吸着部材が吸気の流路断面に沿って設けられる構成に比べて、吸着部材によって吸気の流れが乱されにくく、通気抵抗が増大されにくい。

特開２００７−３２４０９号公報

ところで、特許文献１に記載のエアクリーナの場合、吸着部材が第２ハウジングの内面に沿って設けられているものの、吸着部材に吸着されている燃料成分が吸気によって持ち去られるように吸着部材と第２ハウジングの内面との間に間隙を設ける必要がある。すなわち、第２ハウジングの内面から浮いた状態で吸着部材を配置する必要がある。そのため、吸着部材によって吸気の流れが乱されることとなり、通気抵抗の増大を抑制することが難しい。

本発明の目的は、通気抵抗の増大を抑制しつつ吸着材のパージ性能を向上させることのできる内燃機関のエアクリーナを提供することにある。

上記目的を達成するための内燃機関のエアクリーナは、インレット及びアウトレットを有するハウジングと、前記ハウジングの内部に設けられるフィルタエレメントとを備える内燃機関のエアクリーナにおいて、前記ハウジングは、樹脂成形体により形成された壁部を有し、前記壁部の一部に開口部が形成されているハウジング本体と、前記開口部の周縁部に固定されるとともに前記開口部を塞ぐ吸着シートとを備えており、前記吸着シートは、外側繊維成形体と、前記外側繊維成形体の内側に設けられた内側繊維成形体と、前記外側繊維成形体と前記内側繊維成形体との間に介設されるとともに内燃機関の蒸発燃料を吸着する吸着材とを有している。

同構成によれば、機関停止中において、燃焼室側から吸気通路を逆流する蒸発燃料は、アウトレットを通じてハウジング内に充満する。そして、ハウジングの壁部をなしている吸着シートの吸着材により吸着される。

また、その後の機関運転中において、吸気管負圧により外側繊維成形体を通じて外部から僅かに流入する空気によって吸着材に吸着されている燃料成分が持ち去られる。これにより、吸着材のパージが促進される。

しかも、吸着シートがハウジングの壁部をなしているため、吸着シートを設定することに伴ってハウジング内における通気抵抗が増大することを抑制することができる。

本発明によれば、通気抵抗の増大を抑制しつつ吸着材のパージ性能を向上させることができる。

内燃機関のエアクリーナの第１実施形態について、エアクリーナ全体を斜め上方から示す斜視図。 図１の２−２線に沿ったエアクリーナの断面構造を示す断面図。 同実施形態における吸着シートを斜め下方から示す斜視図。 図２の吸着シートを中心としたキャップの一部を拡大して示す拡大断面図。 第２実施形態におけるエアクリーナのキャップの頂壁を斜め上方から示す斜視図。 同実施形態のキャップの頂壁を構成するキャップ本体、内側繊維成形体、外側繊維成形体を互いに離間して示す分解斜視図。 図５の７−７線に沿ったキャップの断面構造を示す断面図。 吸着シートの第１変形例について、吸着シートの断面構造を示す断面図。 吸着シートの第２変形例について、吸着シートの断面構造を示す断面図。 吸着シートの第３変形例について、吸着シートの断面構造を示す断面図。 エアクリーナの変形例について、図２に対応する位置でのエアクリーナの断面構造を示す断面図。

＜第１実施形態＞
以下、図１〜図４を参照して、第１実施形態について説明する。
図１及び図２に示すように、エアクリーナ１０は、車載内燃機関の吸気通路に設けられるものであり、吸気を導入するインレット２６及び吸気を導出するアウトレット３６を有するハウジング１１と、ハウジング１１の内部に設けられたフィルタエレメント５０とを備えている。

図２に示すように、ハウジング１１は、ケース２０と、ケース２０に対して着脱可能なキャップ３０とを有している。
＜ケース２０＞
図１及び図２に示すように、ケース２０は、開口２２を取り囲む周壁２３、開口２２に対向する底壁２４、開口２２の周縁に全周にわたって形成されたフランジ２５、及び周壁２３から外側に向けて突設された上記インレット２６を有している。

周壁２３のうち一方の側（図２の左側）の外面には、上方に向けて突出するとともに係合孔２８１を有する一対のアーチ部２８が開口２２の周方向（以下、周方向）に間隔をおいて形成されている。なお、図１及び図２においては、一方のアーチ部２８のみが示されている。

周壁２３のうち上記一方の側とは反対側（図２の右側）の外面には、一対の支持部２９が周方向に間隔をおいて形成されている。一対の支持部２９には、一対のクランプ７０がそれぞれ傾動可能に支持されている。

ケース２０は、硬質樹脂材料により一体に形成されている。
＜キャップ３０＞
図１及び図２に示すように、キャップ３０は、開口３２を取り囲む周壁３３、開口３２に対向する頂壁３４、開口３２の周縁に全周にわたって形成されたフランジ３５、及び周壁３３から外側に向けて突設された上記アウトレット３６を有しており、硬質樹脂材料により形成されたキャップ本体３１を有している。すなわち、キャップ本体３１は、樹脂成形体により形成されている。なお、アウトレット３６には、吸気の流量を検出するエアフローメータ８０が取り付けられる。

周壁３３の外面におけるケース２０の一対のアーチ部２８に対応する部分には、一対の係合突部３８が形成されている。一対のアーチ部２８の係合孔２８１に一対の係合突部３８がそれぞれ挿入されて係合されることにより、ケース２０に対してキャップ３０を傾動可能に支持するヒンジ機構が構成される。なお、図１及び図２においては、一方のアーチ部２８及び係合突部３８のみが示されている。

周壁３３の外面におけるケース２０の一対の支持部２９（クランプ７０）に対応する部分には、一対の被掛止部３９が形成されている。一対の支持部２９に傾動可能に支持された一対のクランプ７０が一対の被掛止部３９に掛止されることにより、ケース２０に対してキャップ３０を締結する締結機構が構成される。

本実施形態では、キャップ本体３１の頂壁３４の一部に平面視長方形状の開口部３７が形成されている。頂壁３４における開口部３７の周縁部３７１には、開口部３７全体を塞ぐ吸着シート４０が固定されている。なお、図２では、吸着シート４０及びその周辺の断面構造を簡略化して示している。

ここで、吸着シート４０の構成について詳細に説明する。
＜吸着シート４０＞
図３及び図４に示すように、吸着シート４０は、外側繊維成形体４１と、外側繊維成形体４１の内側に設けられた内側繊維成形体４３と、外側繊維成形体４１と内側繊維成形体４３との間に介設されるとともに内燃機関の蒸発燃料を吸着する吸着材４９とを有している。

各繊維成形体４１，４３は、熱可塑性樹脂により形成された基材繊維と、同基材繊維よりも融点が低い熱可塑性樹脂により形成され、同基材繊維に熱融着されることで同基材繊維同士を結合するバインダ繊維とを有している。本実施形態では、基材繊維として、ＰＥＴ（ポリエチレンテレフタレート）が用いられており、バインダ繊維として、変性ＰＥＴが用いられている。

各繊維成形体４１，４３におけるバインダ繊維の配合割合は、３０％〜７０％であることが好ましい。本実施形態では、バインダ繊維の配合割合が５０％とされている。
各繊維成形体４１，４３は、基材繊維及びバインダ繊維からなる不織布シートを熱プレスすることにより形成されている。

次に、外側繊維成形体４１及び内側繊維成形体４３について更に詳細に説明する。
＜外側繊維成形体４１＞
図３及び図４に示すように、外側繊維成形体４１の外周縁４２は、上記開口部３７の内周縁よりも大きい長方形のシート状をなしている。

図４に示すように、外側繊維成形体４１の外周縁４２が全周にわたってキャップ本体３１における開口部３７の周縁部３７１により包み込まれることで外側繊維成形体４１がキャップ本体３１に固定されている。

外側繊維成形体４１の外周縁４２の充填密度（圧縮度合）は、外側繊維成形体４１のうち周縁部３７１により包み込まれていない他の部分の充填密度（圧縮度合）よりも低くされている。

外側繊維成形体４１の目付量としては、３００〜１５００ｇ／ｍ２（平方メートル）であることが好ましい。本実施形態では、外側繊維成形体４１の目付量が８００ｇ／ｍ２とされている。

外側繊維成形体４１の板厚は、０．５〜３．０ｍｍであることが好ましい。本実施形態では、外側繊維成形体４１の板厚が、１．５ｍｍとされている。
＜内側繊維成形体４３＞
図３及び図４に示すように、内側繊維成形体４３の外周縁４５は、外側繊維成形体４１よりも一回り小さい長方形のシート状をなしている。内側繊維成形体４３の中央部分には、外側繊維成形体４１に対して間隔をおいて対向するとともに同外側繊維成形体４１との間に吸着材４９を保持する保持部４４が形成されている。

内側繊維成形体４３の外周縁４５が、外側繊維成形体４１のうちキャップ本体３１における開口部３７の周縁部３７１によって包み込まれた外周縁４２よりも開口部３７の内周側の部位に接合されている。

外側繊維成形体４１と内側繊維成形体４３とは、各々のバインダ樹脂を介して接合されている。
内側繊維成形体４３の目付量としては、３０〜１５０ｇ／ｍ２（平方メートル）であることが好ましい。本実施形態では、内側繊維成形体４３の目付量が６０ｇ／ｍ２とされている。

内側繊維成形体４３の板厚は、０．１〜１．５ｍｍであることが好ましい。本実施形態では、内側繊維成形体４３の板厚が、０．３ｍｍとされている。
吸着材４９としては、例えば粒状の活性炭が好ましい。

本実施形態においては、キャップ本体３１は、吸着シート４０をインサートすることにより一体に成形されている。
＜フィルタエレメント５０＞
図２に示すように、フィルタエレメント５０は、濾材シートを襞折りすることにより形成された濾過部５１と、濾過部５１の周縁に設けられた環状のシール部５２とを有している。濾材シートは、例えば不織布や濾紙により形成されている。また、シール部５２は、独立気泡のポリウレタンなどの発泡弾性体により形成されている。

ケース２０の開口２２と、同開口２２に向かい合うキャップ３０の開口３２との間に濾過部５１が収容された状態で、ケース２０のフランジ２５とキャップ３０のフランジ３５とによりシール部５２が挟持されることにより、キャップ３０とシール部５２との間がシールされている。

次に、本実施形態の作用について説明する。
機関停止中において、燃焼室側から吸気通路を逆流する蒸発燃料は、アウトレット３６を通じてキャップ３０内に充満する。そして、キャップ３０の頂壁３４をなしている吸着シート４０の吸着材４９により吸着される。

また、その後の機関運転中において、吸気管負圧により外側繊維成形体４１を通じて外部から僅かに流入する空気によって吸着材４９に吸着されている燃料成分が持ち去られる。これにより、吸着材４９のパージが促進される。

しかも、吸着シート４０がキャップ３０の頂壁３４をなしているため、吸着シート４０を設定することに伴ってキャップ３０内における通気抵抗が増大することを抑制ができる。

また、本実施形態のエアクリーナ１０によれば、キャップ本体３１の頂壁３４の一部に開口部３７が形成されるとともに同開口部３７が吸着シート４０、すなわち通気性の各繊維成形体４１，４３により塞がれている。このため、ハウジング１１内の吸気音の音波の一部が各繊維成形体４１，４３を通過することにより、吸気音の定在波の発生が抑制される。また、吸気音の音波によって各繊維成形体４１，４３を構成する繊維を共振させることによっても吸気音のエネルギが弱められる。したがって、樹脂成形体により形成された周壁３３及び頂壁３４によってキャップ３０の剛性を確保しつつ、吸気騒音を低減することができる。

以上説明した本実施形態に係る内燃機関のエアクリーナによれば、以下に示す効果が得られるようになる。
（１）エアクリーナ１０のキャップ３０は、樹脂成形体により形成された周壁３３及び頂壁３４を有し、頂壁３４の一部に開口部３７が形成されたキャップ本体３１と、開口部３７の周縁部３７１に固定されるとともに開口部３７を塞ぐ吸着シート４０とを備えている。吸着シート４０は、外側繊維成形体４１と、外側繊維成形体４１の内側に設けられた内側繊維成形体４３と、外側繊維成形体４１と内側繊維成形体４３との間に介設されるとともに内燃機関の蒸発燃料を吸着する吸着材４９とを有している。

こうした構成によれば、上記作用を奏することから、吸着材４９のパージ性能を向上させつつ通気抵抗の増大を抑制することができる。
また、上記構成によれば、樹脂成形体により形成された周壁３３及び頂壁３４によってキャップ３０の剛性を確保しつつ、吸気騒音を低減することができる。

（２）吸着シート４０がハウジング１１のうちクリーンサイドを構成するキャップ本体３１に設けられている。このため、吸着シート４０によって蒸発燃料を効果的に吸着させることができる。

ところで、キャップの壁部全体を繊維成形体により形成することにより、吸気騒音の一層の低減を図ることが考えられる。
しかしながら、この場合には、機関運転中において、吸気管負圧により繊維成形体を通じて外部から流入する空気によって、インレット２６からアウトレット３６に向かう吸気の流れが乱されるおそれがあり、アウトレット３６において吸気の流量を検出するエアフローメータ８０の検出特性に悪影響を及ぼすおそれがある。

この点、本実施形態のエアクリーナ１０によれば、キャップ本体３１の頂壁３４の一部に開口部３７が形成されるとともに同開口部３７が吸着シート４０により塞がれている。また、吸着シート４０は、外側繊維成形体４１、吸着材４９、及び内側繊維成形体４３を有している。これらのことから、機関運転中において、吸気管負圧により吸着シート４０を通じて外部から流入する空気が適度に制限され、同空気によって、インレット２６からアウトレット３６に向かう吸気の流れが乱されること、ひいてはエアフローメータ８０の検出特性に悪影響を及ぼすことを抑制することができる。

（３）内側繊維成形体４３は、外側繊維成形体４１に対して間隔をおいて対向するとともに同外側繊維成形体４１との間に吸着材４９を保持する保持部４４と、保持部４４の外周側に位置するとともに外側繊維成形体４１に接合された外周縁４５とを有している。

こうした構成によれば、内側繊維成形体４３の保持部４４と外側繊維成形体４１との間に吸着材４９を保持する空間が形成される。このため、内側繊維成形体４３と外側繊維成形体４１とを接合する際に、内側繊維成形体４３の外周縁４５を外側繊維成形体４１に対して押圧すればよく、吸着材４９に対してはほとんど荷重を作用させなくて済む。したがって、吸着材４９の割れを適切に回避することができる。

（４）外側繊維成形体４１の外周縁４２がキャップ本体３１における開口部３７の周縁部３７１により包み込まれることで外側繊維成形体４１がキャップ本体３１に固定されている。外側繊維成形体４１の外周縁４２の充填密度が、外側繊維成形体４１のうち周縁部３７１により包み込まれていない他の部分の充填密度よりも低くされている。

こうした構成によれば、外側繊維成形体４１の外周縁４２の充填密度が他の部分に比べて低くされているため、外側繊維成形体４１をインサートしてキャップ本体３１を樹脂成形する際に、外側繊維成形体４１の外周縁４２に溶融状態の樹脂が含侵されやすくなる。このため、外側繊維成形体４１の外周縁４２とキャップ本体３１の開口部３７の周縁部３７１とがアンカー効果によって強固に接合される。したがって、キャップ本体３１の上記周縁部３７１に対して外側繊維成形体４１を確実に固定することができる。

（５）内側繊維成形体４３の外周縁４５は、外側繊維成形体４１のうちキャップ本体３１における開口部３７の周縁部３７１によって包み込まれた外周縁４２よりも開口部３７の内周側の部位に接合されている。

外側繊維成形体４１及び内側繊維成形体４３の双方をインサートしてキャップ本体３１を樹脂成形する場合、外側繊維成形体４１と内側繊維成形体４３との間に溶融状態の樹脂が流入することにより、外側繊維成形体４１と内側繊維成形体４３との間に隙間が生じて剥離するおそれがある。

この点、上記構成によれば、内側繊維成形体４３の外周縁４５がキャップ本体３１の開口部３７の周縁部３７１に包み込まれないことから、上述したような不都合の発生を回避できる。

＜第２実施形態＞
以下、図５〜図７を参照して、第２実施形態について説明する。
図５〜図７に示すように、本実施形態のキャップ本体３１の頂壁３４の外面には、開口部３７の周縁部３７１を囲む長方形環状の突条部３７２が形成されている。突条部３７２により囲まれた周縁部３７１の外面には、吸着シート４０を構成する外側繊維成形体４１の外周縁４２が接着剤により接合されている。

なお、本実施形態においては、外側繊維成形体４１全体が均一に熱プレスされて形成されており、外周縁４２の充填密度が他の部分に比べて低くされている第１実施形態と相違している。

図７に示すように、内側繊維成形体４３の保持部４４の内面は、キャップ本体３１の頂壁３４における内側繊維成形体４３と隣り合う部分の内面よりも外側に位置している。
以上説明した本実施形態に係る内燃機関のエアクリーナによれば、以下に示す作用効果が得られるようになる。

（６）外側繊維成形体４１の外周縁４２は、キャップ本体３１における開口部３７の周縁部３７１の外面に対して接合されている。
こうした構成によれば、予め成形されたキャップ本体３１の周縁部３７１の外面に対して、接着剤により、外側繊維成形体４１の外周縁４２、すなわち吸着シート４０を容易に接合することができる。

また、上記構成によれば、吸着シート４０がキャップ本体３１の周縁部３７１よりも外側に位置しているため、吸気管負圧によって吸着シート４０が内側に引き込まれることを適切に阻止することができる。

（７）内側繊維成形体４３の内面は、キャップ本体３１の頂壁３４における内側繊維成形体４３と隣り合う部分の内面よりも外側に位置している。
こうした構成によれば、内側繊維成形体４３の内面が頂壁３４の内面よりも内側に突出しないため、キャップ３０内における通気抵抗の増大を適切に回避することができる。

＜変形例＞
なお、上記実施形態は、例えば以下のように変更することもできる。
・第２実施形態において、内側繊維成形体４３の外周縁４５を外側繊維成形体４１の外周縁４２と一致させるとともに、内側繊維成形体４３の外周縁４５をキャップ本体３１の開口部３７の周縁部３７１の外面に接合するようにしてもよい。

・第２実施形態において、内側繊維成形体４３の保持部４４の内面を、キャップ本体３１の頂壁３４における内側繊維成形体４３と隣り合う部分の内面と同一面上に設けることもできる。また、内側繊維成形体４３の保持部４４の内面を、キャップ本体３１の頂壁３４における内側繊維成形体４３と隣り合う部分の内面よりも内側に突出させて設けることもできる。この場合であっても、特許文献１に記載のエアクリーナのようにハウジングの内面から浮いた状態で吸着部材を配置する構成に比べて、吸着シートを設定することに伴う通気抵抗の増大を抑制することができる。

・図８に示すように、ガラス繊維からなる一対のネット部材４６により吸着材４９が外側及び内側から挟まれたものを、外側繊維成形体４１と内側繊維成形体４３との間に介設するようにしてもよい。

・内側繊維成形体４３を袋状に形成するとともに、その内部に吸着材４９を収容するようにしてもよい。すなわち、図９に示すように、内側繊維成形体４３は、内側部４３ａと、内側部４３ａの外側に重ね合わされた外側部４３ｂとを有しており、内側部４３ａと外側部４３ｂとの間に吸着材４９が収容された状態で、内側部４３ａと外側部４３ｂとの周縁が全周にわたって接合されている。そして、外側部４３ｂの外面が外側繊維成形体４１に接合されている。

・内側繊維成形体４３は、外側繊維成形体４１に対して間隔をおいて対向するとともに外側繊維成形体４１との間に吸着材４９を保持する保持部４４を有するものに限定されない。他に例えば、図１０に示すように、吸着シート１４０が、外側繊維成形体１４１と、外側繊維成形体１４１の内面全体に対して重ね合わされた内側繊維成形体１４３とを有するものであってもよい。この場合、外側繊維成形体１４１の内面と内側繊維成形体１４３の外面との間に粒状の吸着材４９が分散して配置されている。

・図１１に示すように、キャップ本体３１の開口部３７を、頂壁３４から、アウトレット３６に対向する周壁３３にわたって形成するとともに、同開口部３７を塞ぐように吸着シート４０を設けるようにしてもよい。この場合、吸着シート４０によりキャップ３０の壁部の角部の一部が構成される。

また、図１１に示すように、ケース２０が、樹脂成形体により形成された壁部を有し、同壁部の一部に開口部２７が形成されているケース本体２１と、開口部２７の周縁部に固定されるとともに開口部２７を塞ぐ吸着シート４０とを備えるものであってもよい。この場合、ケース本体２１は、周壁２３、底壁２４、フランジ３５、及びインレット２６を有しており、硬質樹脂材料により一体に形成されている。上記開口部２７は、ケース本体２１の底壁２４から、インレット２６に対向する周壁２３にわたって形成されている。吸着シート４０は、周壁２３及び底壁２４における開口部２７の周縁部に固定されている。吸着シート４０によりケース２０の壁部の角部の一部が構成される。

エアクリーナ１０においては、ハウジング１１の角部において、吸気音の音圧が高くなりやすい。この点、上記構成によれば、ケース本体２１及びキャップ本体３１の角部に開口部２７，３７がそれぞれ形成されるとともに、同開口部２７，３７が吸着シート４０、すなわち通気性の各繊維成形体により塞がれている。このため、吸気騒音を効果的に低減することができる。

・ケース本体２１の周壁２３やキャップ本体３１の周壁３３に開口部を形成するとともに、同開口部を塞ぐように吸着シートを設けるようにしてもよい。

１０…エアクリーナ、１１…ハウジング、２０…ケース、２１…ケース本体、２２…開口、２３…周壁、２４…底壁、２５…フランジ、２６…インレット、２８…アーチ部、２８１…係合孔、２９…支持部、３０…キャップ、３１…キャップ本体、３２…開口、３３…周壁（壁部）、３４…頂壁（壁部）、３５…フランジ、３６…アウトレット、３７…開口部、３７１…周縁部、３７２…突条部、３８…係合突部、３９…被掛止部、４０，１４０…吸着シート、４１，１４１…外側繊維成形体、４２…外周縁、４３，１４３…内側繊維成形体、４３ａ…内側部、４３ｂ…外側部、４４…保持部、４５…外周縁、４６…ネット部材、４９…吸着材、５０…フィルタエレメント、５１…濾過部、５２…シール部、７０…クランプ、８０…エアフローメータ。

Claims (7)

1. インレット及びアウトレットを有するハウジングと、前記ハウジングの内部に設けられるフィルタエレメントとを備える内燃機関のエアクリーナにおいて、
   前記ハウジングは、樹脂成形体により形成された壁部を有し、前記壁部の一部に開口部が形成されているハウジング本体と、
   前記開口部の周縁部に固定されるとともに前記開口部を塞ぐ吸着シートとを備えており、
   前記吸着シートは、外側繊維成形体と、前記外側繊維成形体の内側に設けられた内側繊維成形体と、前記外側繊維成形体と前記内側繊維成形体との間に介設されるとともに内燃機関の蒸発燃料を吸着する吸着材とを有している、
   内燃機関のエアクリーナ。
2. 前記ハウジングは、前記インレットを有するケースと、前記アウトレットを有するキャップとを備えており、
   前記フィルタエレメントは、前記ケースの開口と、同開口に向かい合う前記キャップの開口との間に設けられており、
   前記キャップは、樹脂成形体により形成された壁部を有し、前記壁部の一部に開口部が形成されたキャップ本体と、前記吸着シートとを備えている、
   請求項１に記載の内燃機関のエアクリーナ。
3. 前記内側繊維成形体は、前記外側繊維成形体に対して間隔をおいて対向するとともに同外側繊維成形体との間に前記吸着材を保持する保持部と、前記保持部の外周側に位置するとともに前記外側繊維成形体に接合された外周縁とを有している、
   請求項１または請求項２に記載の内燃機関のエアクリーナ。
4. 前記外側繊維成形体の外周縁が前記ハウジング本体における前記開口部の周縁部により包み込まれることで前記外側繊維成形体が前記ハウジング本体に固定されており、
   前記外側繊維成形体の外周縁の充填密度が、前記外側繊維成形体のうち前記周縁部により包み込まれていない他の部分の充填密度よりも低くされている、
   請求項３に記載の内燃機関のエアクリーナ。
5. 前記内側繊維成形体の外周縁は、前記外側繊維成形体のうち前記ハウジング本体における前記開口部の周縁部によって包み込まれた前記外周縁よりも前記開口部の内周側の部位に接合されている、
   請求項４に記載の内燃機関のエアクリーナ。
6. 前記外側繊維成形体の外周縁は、前記ハウジング本体における前記開口部の周縁部の外面に対して接合されている、
   請求項３に記載の内燃機関のエアクリーナ。
7. 前記内側繊維成形体の内面は、前記ハウジング本体の壁部における同内側繊維成形体と隣り合う部分の内面と同一面上または同内面よりも外側に位置している、
   請求項１〜請求項６のいずれか一項に記載の内燃機関のエアクリーナ。

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