JP2018110648A - 空気清浄器、ファンフィルタユニット - Google Patents

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直生 庭屋
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美喜大 森
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Abstract

【課題】生物微粒子を確実に低減しつつ消費電力を抑えることができる空気清浄器を提供すること。【解決手段】本発明の空気清浄器10は、プラズマ発生器11とオゾンフィルタ12とを備える。プラズマ発生器11はプラズマパネル積層体20を備える。プラズマパネル積層体20は、放電電極24の少なくとも一部が誘電体25で覆われた電極パネル23を積層した構造を有する。プラズマパネル積層体20は、隣接する電極パネル23間の隙間S1に気体A1を流して電圧を印加することにより、プラズマを発生させる。オゾンフィルタ12は、プラズマ発生器11の下流側に配設され、オゾンを分解する触媒を触媒担体30に担持させてなる。【選択図】図2

Description

本発明は、空気清浄器及びそれを使用したファンフィルタユニットに関するものである。
室内の生物微粒子及び非生物微粒子を制御し、同時に室内の温湿度及び圧力を制御できる施設として、いわゆるバイオロジカルクリーンルーム(BCR:biological clean room )が従来からよく知られている。バイオロジカルクリーンルームの設置を必要とする設備には、手術室や無菌室等の医療系の設備、バイオ系の実験設備、薬品系や食品系の工場などがある。そしてこれらの設備では、大気に浮遊する菌を殺菌し、ウイルスを不活性化する必要がある。
この種のバイオロジカルクリーンルームには、通常、浄化した空気を室内に送るための装置であるファンフィルタユニットが設けられている(例えば、特許文献1,2参照)。例えば、特許文献1においては、除菌HEPAフィルタ(High
Efficiency Particulate Air Filter)を用い、浮遊する菌やウイルスを捕集除去する技術が開示されている。また、特許文献2においては、除去対象を加熱して放電処理することで不活性化等する技術が開示されている。これによると、40℃の加熱条件ではウイルスの生存率9.8×10−3、60℃の加熱条件ではウイルスの生存率9.9×10−5が達成されるとしている。
特開2015−81720号公報(図1,図2等) 特許第5683247号公報(図1,図3等)
しかしながら、HEPAフィルタを用いた特許文献1に記載の装置では、生物微粒子である菌やウイルスの捕集量が多くなると、微量ではあるものの菌やウイルスがHEPAフィルタを通過してしまう虞がある。その場合、バイオロジカルクリーンルーム内にそれらが浮遊してしまい、感染などの危険性が高まってしまう。また、HEPAフィルタの交換では、作業者がHEPAフィルタに捕集された菌の感染を防ぐため、専用の防護服を着用する必要があり作業性が悪いという問題がある。さらに、HEPAフィルタ自体が高価であり、その交換費用が高いという問題もある。従って、できればHEPAフィルタを延命して交換の頻度を少なくしたいという要請がある。
また、加熱と放電処理とを行う特許文献2に記載の装置では、ウイルスの生存率9.9×10−5の殺菌能力が示されているものの、さらなる改善が望まれている。また、処理されたきれいな空気をバイオロジカルクリーンルーム内に送り込む際には、冷却が必要になることが想定される。さらに、処理量が大きくなると所定の温度に処理空気を加熱するにあたり、消費電力が増加するという問題が発生する。また、放電処理の電撃による殺菌を確実に行うためには高電圧を印加しなければならず、これも消費電力が増加する原因になる。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、生物微粒子を確実に低減しつつ消費電力を抑えることができる空気清浄器及びそれを用いたファンフィルタユニットを提供することにある。
上記課題を解決するための手段(手段1)としては、放電電極の少なくとも一部が誘電体で覆われた電極パネルを積層した構造を有し、隣接する前記電極パネル間の隙間に気体を流して電圧を印加することによりプラズマを発生させるプラズマパネル積層体を備えるプラズマ発生器と、前記プラズマ発生器の下流側に配設され、オゾンを分解する触媒を触媒担体に担持させてなるオゾンフィルタとを備えたことを特徴とする空気清浄器がある。
従って、上記手段1に記載の発明では、気体がプラズマ発生器の電極パネル間の隙間を通過する際に、誘電体バリア放電による電撃により、生物微粒子である菌が殺菌され、同じく生物微粒子であるウイルスが不活性化される。また、誘電体バリア放電を行うとオゾンを含む活性種が発生するが、発生した活性種の接触により、菌がさらに殺菌され、ウイルスがさらに不活性化される。さらに、オゾンがオゾンフィルタを通過するとオゾンが触媒に分解されて活性酸素が発生するが、活性酸素の接触により、殺菌されなかった一部の菌が殺菌され、不活性化されなかった一部のウイルスが不活性化される。即ち、上記3つの作用により、生物微粒子を確実に低減することができる。また、菌の殺菌やウイルスの不活性化を、オゾンフィルタだけでなくプラズマ発生器も用いて行っている。このため、菌の殺菌やウイルスの不活性化のために、気体を敢えて加熱したり冷却したりしなくても済む。
また、プラズマ発生器とオゾンフィルタとの両方を用いて菌の殺菌やウイルスの不活性化を行うため、気体の処理量が増加したとしても、電極パネル間の隙間に高電圧を印加しなくても済み、プラズマ発生器の消費電力の増加が抑えられる。しかも、電極パネル間の隙間への高電圧の印加を可能とするために、プラズマ発生器を大型化しなくても済むため、空気清浄器の小型化を図ることができる。
上記空気清浄器を構成するプラズマ発生器は、放電電極の一部が誘電体で覆われた電極パネルを積層した構造を有するプラズマパネル積層体を備える。ここで、放電電極の形成材料としては、例えば、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、酸化ルテニウム(RuO)、銀(Ag)、銅(Cu)、白金(Pt)などを挙げることができる。また、誘電体の形成材料としては、例えば、アルミナ(Al)、窒化アルミニウム(AlN)、酸化イットリウム(Y)等のセラミックやそれらの混合物を挙げることができる。なお、放電電極の材料がタングステンであり、誘電体の材料がアルミナであれば、窒化アルミニウム等よりも焼成温度が低いため、プラズマパネル積層体を容易にかつ安価に形成することができる。
また、プラズマ発生器は、交流電源または直流パルス電源を用いて駆動されることが好ましい。このようにすれば、放電電極に対して一定間隔で電流が流れるようになるため、プラズマ発生器の消費電力や発熱量を低下させることができる。
上記空気清浄器を構成するオゾンフィルタは、オゾンを分解する触媒を触媒担体に担持させてなる。ここで、オゾンを分解する触媒の形成材料としては、例えば、二酸化マンガン(MnO)等の酸化マンガン、酸化ニッケル(NiO)などを挙げることができる。なお、触媒の材料が酸化マンガンであれば、オゾンを触媒によって確実に分解することができる。
さらに、プラズマ発生器とオゾンフィルタとの間には、プラズマ発生器にて発生したオゾンを利用して殺菌を行う殺菌室が配設されていることが好ましい。このようにすれば、プラズマ発生器内と殺菌室内との両方において、オゾンが菌やウイルスに対して作用する。このため、殺菌室が存在しない場合に比べて、オゾンを菌やウイルスに対して一定時間作用させることができる。よって、菌を効率良く殺菌できるとともに、ウイルスを効率良く不活性化させることができる。
上記課題を解決するための別の手段(手段2)としては、HEPAフィルタと、前記HEPAフィルタに空気を送るブロアと、前記HEPAフィルタよりも上流側に配置される上記手段1に記載の空気清浄器とを備えたことを特徴とするファンフィルタユニットがある。
従って、上記手段2に記載の発明では、気体がプラズマ発生器の電極パネル間の隙間を通過する際に、誘電体バリア放電による電撃により、生物微粒子である菌が殺菌され、同じく生物微粒子であるウイルスが不活性化される。また、誘電体バリア放電を行うとオゾンを含む活性種が発生するが、発生した活性種の接触により、菌がさらに殺菌され、ウイルスがさらに不活性化される。さらに、オゾンがオゾンフィルタを通過するとオゾンが触媒に分解されて活性酸素が発生するが、活性酸素の接触により、殺菌されなかった一部の菌が殺菌され、不活性化されなかった一部のウイルスが不活性化される。即ち、上記3つの作用により、生物微粒子を確実に低減することができる。その結果、HEPAフィルタによる殺菌されていない菌や不活性化されていないウイルスの捕集量が少なくなるため、殺菌されていない菌や不活性化されていないウイルスがHEPAフィルタで捕集し切れずに通過してしまう、といった問題を解消することができる。ゆえに、比較的高価で交換費用が高いHEPAフィルタの延命が図られるため、HEPAフィルタの交換の頻度を少なくすることができる。
また、プラズマ発生器とオゾンフィルタとの両方を用いて菌の殺菌やウイルスの不活性化を行うため、気体の処理量が増加したとしても、電極パネル間の隙間に高電圧を印加しなくても済み、プラズマ発生器の消費電力の増加が抑えられる。しかも、電極パネル間の隙間への高電圧の印加を可能とするために、プラズマ発生器を大型化しなくても済むため、空気清浄器の小型化を図ることができる。
本実施形態におけるファンフィルタユニットを示す要部断面図。 空気清浄器を示す概略断面図。 プラズマリアクタ及びオゾンフィルタを示す斜視図。 直流パルス電源から供給されるパルス電圧の波形を示すグラフ。 直流パルス電源から供給されるパルス電圧の波形を示すグラフ。 他の実施形態における空気清浄器を示す概略断面図。
以下、本発明を空気清浄器及びそれを用いたファンフィルタユニットに具体化した一実施形態を図面に基づき詳細に説明する。
図1に示されるように、本実施形態のファンフィルタユニット1は、外部から取り込んだ空気A1(気体)を浄化してバイオロジカルクリーンルーム4に供給する装置である。バイオロジカルクリーンルーム4内には、内部空間を上部領域7と下部領域8とに区画する区画板6が設けられている。区画板6は、水平に配置されており、ファンフィルタユニット1を支持するようになっている。
また、ファンフィルタユニット1は、HEPAフィルタ2、ブロア3及び空気清浄器10を備えている。HEPAフィルタ2は、バイオロジカルクリーンルーム4外から空気A1を供給する供給管5の下流側に配置されており、空気A1に含まれている生物微粒子(具体的には、菌やウイルス)を捕集除去する機能を有している。ブロア3は、供給管5においてHEPAフィルタ2よりも上流側に配置されており、HEPAフィルタ2に空気A1を送る機能を有している。空気清浄器10は、HEPAフィルタ2及びブロア3よりも上流側に配置されている。
図2,図3に示されるように、本実施形態の空気清浄器10は、プラズマリアクタ11(プラズマ発生器)及びオゾンフィルタ12を備えている。プラズマリアクタ11及びオゾンフィルタ12は、供給管5内に収容されたハウジング13内に収容されている。
なお、ハウジング13は、例えばステンレス(本実施形態ではSUS316)を用いて矩形筒状に形成されている。ハウジング13の第1端部(図2では左端部)は供給管5の上流側に配置され、ハウジング13の第2端部(図2では右端部)は供給管5の下流側に配置されている。なお、バイオロジカルクリーンルーム4外の空気A1は、供給管5の上流側から第1端部を介してハウジング13内に流入し、ハウジング13内を通過した後、第2端部を介して供給管5の下流側に流出する。
また、ハウジング13とプラズマリアクタ11との間やハウジング13とオゾンフィルタ12との間には、隙間を埋めて保持する保持部材としてのマット(図示略)が介在されている。マットは、プラズマリアクタ11及びオゾンフィルタ12をハウジング13に固定する機能を有している。ここで、マットを構成する材料としては、例えば、セラミック繊維、金属繊維、発泡金属等の絶縁材料を用いることができる。
図2,図3に示されるように、プラズマリアクタ11は、直流パルス電源(図示略)を用いて駆動され、プラズマパネル積層体20を備えている。プラズマパネル積層体20は、一対のガス通過面21,22を有し、縦75mm×横75mm×奥行10mmの略直方体状を成している。両ガス通過面21,22は、プラズマパネル積層体20において互いに反対側に位置している。また、プラズマパネル積層体20は、複数の電極パネル23を積層した構造を有している。各電極パネル23は、ハウジング13内における空気A1の通過方向と平行に配置されており、互いに隙間S1(本実施形態では、0.5mmの隙間)を有するように配置されている。
なお、各電極パネル23には、プラズマパネル積層体20の厚さ方向に沿って第1の配線(図示略)及び第2の配線(図示略)が交互に電気的に接続されている。第1の配線は、直流パルス電源の第1の端子に電気的に接続され、第2の配線は、直流パルス電源の第2の端子に電気的に接続されている。
図2,図3に示されるように、本実施形態の電極パネル23は、略矩形板状を成し、放電電極24(厚さ10μm)の全てが矩形板状の誘電体25で覆われた構造を有している。本実施形態では、放電電極24の材料がタングステン(W)であり、誘電体25の材料がアルミナ(Al)である。また、隣接する電極パネル23の間には、一対のスペーサ26が介在されている。両スペーサ26は、空気A1が通過するガス流路(図示略)に沿って延びるとともに、ガス流路を挟んで互いに反対側に配置されている。なお、両スペーサ26間の領域が、上述した隙間S1となる。
なお、各電極パネル23は、複数の放電電極24を1枚おきに導通させる導通構造(図示略)を2系統有している。導通構造は、スルーホール導体及びパッドを含んで構成されている。スルーホール導体は、電極パネル23を厚さ方向に貫通している。パッドは、電極パネル23の表裏面に形成されており、スルーホール導体の両端部にそれぞれ電気的に接続されている。また、各スペーサ26は、導通構造の一部を構成する導通部(図示略)を有している。即ち、各導通部は、スルーホール導体及び表面電極を備えている。スルーホール導体は、スペーサ26を厚さ方向に貫通している。表面電極は、スペーサ26の表裏面に形成されており、スルーホール導体の両端部にそれぞれ電気的に接続されるとともに、電極パネル23のパッドに面接触可能となっている。
なお、図2,図3に示されるように、本実施形態のプラズマリアクタ11は、隙間S1を流れる空気A1に含まれている生物微粒子を除去するために用いられる。この場合、直流パルス電源から隣接する電極パネル23間にパルス電圧(例えば、ピーク電圧:4〜20kV、周波数:20kHz以上)が印加されると、誘電体バリア放電が生じ、放電電極24間に誘電体バリア放電によるプラズマが発生する。そして、誘電体バリア放電による電撃により、放電電極24間を流通する空気A1に含まれる菌が殺菌され、同じく放電電極24間を流通する空気A1に含まれるウイルスが不活性化される。
図2,図3に示されるように、オゾンフィルタ12は、プラズマリアクタ11の下流側に配置され、触媒担体30を備えている。触媒担体30は、一対のガス通過面31,32を有し、縦75mm×横75mm×奥行20mm〜40mm(本実施形態では40mm)の略直方体状を成している。両ガス通過面31,32は、触媒担体30において互いに反対側に位置している。
また、オゾンフィルタ12は、オゾンを分解する触媒(図示略)を触媒担体30に担持させることにより構成されている。具体的に言うと、触媒担体30には、断面矩形状をなす複数の貫通孔33が格子状に形成されている。即ち、本実施形態の触媒担体30は、いわゆるハニカム構造体である。また、各貫通孔33は、ハウジング13内における空気A1の通過方向と平行に配置されており、ガス通過面31,32の両方において開口している。そして、各貫通孔33の内側面には、触媒が塗布されている。本実施形態では、触媒担体30の材料がコージェライトであり、触媒の材料が二酸化マンガン(MnO)である。
なお、図2,図3に示されるように、本実施形態のオゾンフィルタ12は、プラズマリアクタ11にて誘電体バリア放電を行った際に発生したオゾンを分解するために用いられる。この場合、オゾンが貫通孔33を通過すると、オゾンが触媒に分解されて活性酸素が発生する。そして、活性酸素の接触により、プラズマリアクタ11によって殺菌されなかった菌が殺菌され、プラズマリアクタ11によって不活性されなかったウイルスが不活性化される。
また、ハウジング13内におけるプラズマリアクタ11及びオゾンフィルタ12は、互いに離間して配置されている。その結果、プラズマリアクタ11とオゾンフィルタ12との間には、殺菌室41が配設されるようになる。殺菌室41は、プラズマリアクタ11にて発生したオゾンを利用して、菌の殺菌とウイルスの不活性化とを行うようになっている。なお、殺菌室41は、縦75mm×横75mmの断面正方形状を成している。また、空気A1の通過方向における殺菌室41の長さは、プラズマリアクタ11の奥行の長さ(10mm)よりも長く、本実施形態では40mmに設定されている。
次に、ファンフィルタユニット1による空気A1の供給方法を説明する。
まず、プラズマリアクタ11の電極パネル23間にパルス電圧を印加して誘電体バリア放電を発生させ、放電電極24間に誘電体バリア放電によるプラズマを発生させる。これに伴い、オゾンを含む活性酸素(活性種)が発生する。なお、プラズマ発生時のプラズマリアクタ11の温度は、30℃以下(本実施形態では23℃)となっている。また、ブロア3を駆動し、バイオロジカルクリーンルーム4の外部から供給管5内に空気A1を取り込む。その結果、空気A1はプラズマリアクタ11に導かれる。
プラズマリアクタ11に導かれた空気A1が電極パネル23間の隙間S1を通過すると、誘電体バリア放電による電撃により、空気A1に含まれている菌が殺菌され、同じく空気A1に含まれているウイルスが不活性化される。また、誘電体バリア放電で発生したプラズマに含まれている陽イオンが衝突することにより、菌が殺菌され、ウイルスが不活性化される。さらに、誘電体バリア放電により発生した活性酸素の接触により、菌が殺菌され、ウイルスが不活性化される。なお、菌やウイルスの一部は、誘電体バリア放電において発生する熱により燃焼する。その後、オゾン及び空気A1は、殺菌室41に導かれる。
なお、陽イオンを確実に菌やウイルスに衝突させるためには、菌やウイルスが電極パネル23を通過するまでの間に、少なくとも1回は誘電体バリア放電を発生させる必要がある。そこで、本実施形態では、隙間S1を通過する空気A1の流速をV、空気A1が流れる方向に沿った放電電極24の長さをL、プラズマリアクタ11に印加される電圧においてプラズマリアクタ11で放電が開始されるに十分な電圧の1秒当りの印加回数をKとしたときに、L/V≧1/Kの関係を満たすように各値を設定している。ここで、流速Vは、空気A1の総流量をQ(m/sec)、隙間S1の開口面積をA(m)としたとき、V=Q/Aの関係を満たすように設定される。なお、例えば図4,図5に示されるように、放電電極24に印加されるパルス電圧の波形C1,C2は、正電圧のピークP11,P21,P31,…と負電圧のピークP12,P22,P32,…とを交互に繰り返す波形である。波形C2の周期は、波形C1の周期よりも短くなっている。なお、波形C1,C2では、正電圧のピークP11,P21,P31,…の周期が、菌やウイルスが電極パネル23を通過するまでの時間よりも短くなっている。
殺菌室41では、プラズマリアクタ11にて発生したオゾンが、空気A1に含まれている菌やウイルスに対してさらに作用する。その結果、オゾンが菌やウイルスに対して一定時間作用するため、プラズマリアクタ11を通過する際に殺菌されなかった菌が殺菌され、プラズマリアクタ11を通過する際に不活性化されなかったウイルスが不活性化される。その後、オゾン及び空気A1は、オゾンフィルタ12に導かれる。
オゾンフィルタ12に導かれたオゾンが貫通孔33を通過すると、オゾンが触媒に分解されて活性酸素が発生する。詳述すると、触媒の表面の二酸化マンガンにオゾンが接触した際に、オゾン分子(O)を構成する酸素原子の1つがマンガン(Mn)に奪い取られることにより、オゾン分子が酸素原子(O)と酸素分子(O)とに分解される。なお、マンガンに奪い取られた酸素原子は、活性酸素であるため、オゾンと反応することでさらにオゾンを分解する。
そして、オゾンフィルタ12に導かれた空気A1が貫通孔33を通過すると、触媒に分解されることにより発生した活性酸素が空気A1に含まれている菌やウイルスに接触する。その結果、プラズマリアクタ11及び殺菌室41を通過しても殺菌されなかった菌が殺菌され、プラズマリアクタ11及び殺菌室41を通過しても不活性化されなかったウイルスが不活性化される。
その後、空気A1は、供給管5の下流側に導かれてHEPAフィルタ2を通過する。このとき、殺菌された菌や不活性化されたウイルスに加えて、ごく一部の殺菌されなかった菌や不活性化されなかったウイルスがHEPAフィルタ2によって捕集され、空気A1が浄化される。そして、浄化された空気A1は、バイオロジカルクリーンルーム4の下部領域8内に供給される。
次に、空気清浄器10の評価方法及びその結果を説明する。
まず、空気清浄器10によって不活性化するウイルスとして、大腸菌ファージΦX174を準備した。次に、プラズマリアクタ11の通電をオフにした状態で、プラズマリアクタ11及びオゾンフィルタ12に対してウイルスを通過させた。そして、プラズマリアクタ11及びオゾンフィルタ12を通過したにもかかわらず不活性化されていないウイルスを観察し、観察されたウイルス数をA(PFU/50L−air)とした。なお、「PFU」とは、Plaque Forming Unit の略である。また、プラズマリアクタ11の通電をオンにした状態で、プラズマリアクタ11及びオゾンフィルタ12に対してウイルスを通過させた。そして、プラズマリアクタ11及びオゾンフィルタ12を通過したにもかかわらず不活性化されていないウイルスを観察し、観察されたウイルス数をB(PFU/50L−air)とした。次に、観察結果に基づいて、ウイルスの生存率、即ち、ウイルスを不活性化できなかった確率(=B÷A)を算出した。
その結果、本実施形態の空気清浄器10では、ウイルス数Aが18333個、ウイルス数Bが1個であったため、ウイルスの生存率が5.5×10−5(=1/18333)になることが確認された。従って、プラズマリアクタ11及びオゾンフィルタ12の両方を用いてウイルスの不活性化を行えば、例えばプラズマリアクタ11を加熱したりしなくても、ウイルスを確実に不活性化できることが証明された。
従って、本実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
(1)本実施形態の空気清浄器10では、プラズマリアクタ11、オゾンフィルタ12及び殺菌室41により、生物微粒子である菌が殺菌され、同じく生物微粒子であるウイルスが不活性化されるため、生物微粒子を確実に低減することができる。その結果、HEPAフィルタ2による殺菌されていない菌や不活性化されていないウイルスの捕集量が少なくなるため、殺菌されていない菌や不活性化されていないウイルスがHEPAフィルタ2で捕集し切れずに通過してしまう、といった問題を解消することができる。また、仮に、菌やウイルスがHEPAフィルタ2を通過してバイオロジカルクリーンルーム4の下部領域8内に到達したとしても、殺菌されていない菌や不活性化されていないウイルスは下部領域8内に殆ど存在しないため、感染の可能性はほぼ0%となる。しかも、殺菌されていない菌や不活性化されていないウイルスがHEPAフィルタ2に殆ど堆積しないため、HEPAフィルタ2の交換時の作業性を改善することができる(防護服の簡易化など)。さらに、菌やウイルスの一部は、プラズマリアクタ11での誘電体バリア放電により燃焼してしまうため、HEPAフィルタ2への菌やウイルスの堆積量が低減される。ゆえに、比較的高価で交換費用が高いHEPAフィルタ2の延命が図られるため、HEPAフィルタ2の交換の頻度を少なくすることができる。また、菌の殺菌やウイルスの不活性化のために、空気A1を敢えて加熱する必要はないため、空気A1の冷却も不要である。
(2)本実施形態では、プラズマリアクタ11、オゾンフィルタ12及び殺菌室41によって菌の殺菌やウイルスの不活性化を行うため、空気A1の処理量が増加したとしても、電極パネル23間の隙間S1に高電圧を印加しなくても済み、プラズマリアクタ11の消費電力の増加が抑えられる。しかも、電極パネル23間の隙間S1への高電圧の印加を可能とするために、プラズマリアクタ11を大型化しなくても済むため、空気清浄器10の小型化を図ることができる。
(3)例えば、多数の孔を有するケース内にペレット状の触媒を充填したものを、オゾンフィルタの触媒担体として用いることが考えられる。しかし、この場合、空気が触媒担体を通過する際の抵抗が大きいため、オゾンフィルタ内における圧力損失が大きくなるという問題がある。一方、本実施形態では、オゾンフィルタ12の触媒担体30が、空気A1の通過方向と平行に延びる貫通孔33を格子状に配置してなる構造(ハニカム構造体)を有している。その結果、空気A1が触媒担体30を通過する際の抵抗が低減されるため、オゾンフィルタ12内における圧力損失を抑えることができる。ひいては、バイオロジカルクリーンルーム4の下部領域8内に対する空気A1の供給を効率良く行うことができる。
(4)本実施形態のプラズマリアクタ11は、周波数が20kHz以上の直流パルス電源を用いて駆動されている。この場合、直流パルス電源の周波数は可聴域よりも高いため、プラズマリアクタ11の駆動時に発生する騒音を低減することができる。
なお、上記実施形態を以下のように変更してもよい。
・上記実施形態の空気清浄器10では、プラズマリアクタ11とオゾンフィルタ12とが互いに離間配置されていたため、結果的にプラズマリアクタ11とオゾンフィルタ12との間には殺菌室41が配設されるようになっていた。しかし、図6の空気清浄器10Aに示されるように、プラズマリアクタ11A(プラズマ発生器)とオゾンフィルタ12Aとを接近させることにより、殺菌室41を省略してもよい。
・上記実施形態のプラズマリアクタ11は、直流パルス電源を用いて駆動されていたが、交流電源を用いて駆動されていてもよい。なお、交流電源を用いる場合も、周波数は可聴域よりも高い20kHz以上であることが好ましい。このようにすれば、プラズマリアクタ11の駆動時に発生する騒音を低減することができる。
・上記実施形態のオゾンフィルタ12では、触媒担体30の材料がコージェライトであったが、アルミナや窒化アルミニウム等の他のセラミックからなっていてもよいし、セラミック以外のもの、例えばステンレス(SUS316)等のような金属からなっていてもよい。触媒担体30の材料がステンレスであれば、プラズマやオゾンに強く、腐食しにくい触媒担体とすることができる。
・上記実施形態のファンフィルタユニット1では、HEPAフィルタ2と空気清浄器10との間にブロア3が配置されていた。しかし、ブロア3は、空気清浄器10よりも上流側に配置されていてもよいし、空気清浄器10を構成するプラズマリアクタ11とオゾンフィルタ12との間に配置されていてもよい。
・上記実施形態では、オゾンフィルタ12の触媒担体30に触媒が担持されていた。しかし、触媒担体30に担持されている触媒と同じ触媒をHEPAフィルタ2に塗布するなどして、HEPAフィルタ2にも触媒を担持させるようにしてもよい。
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
(1)上記手段1において、前記触媒担体の材料がステンレスであることを特徴とする空気清浄器。
(2)上記手段1において、前記触媒担体はハニカム構造体であることを特徴とする空気清浄器。
(3)上記手段1において、前記プラズマ発生器は、周波数が20kHz以上の電源を用いて駆動されることを特徴とする空気清浄器。
(4)上記手段1において、前記電極パネル間の隙間を通過する気体の流速をVとし、前記気体が流れる方向に沿った前記放電電極の長さをLとし、電源から前記プラズマ発生器に印加される電圧において前記プラズマ発生器で放電が開始されるに十分な電圧の1秒当りの印加回数をKとしたとき、L/V≧1/Kの関係を満たすように設定されていることを特徴とする空気清浄器。
(5)上記手段1において、プラズマ発生時の前記プラズマ発生器の温度は30℃以下であることを特徴とする空気清浄器。
1…ファンフィルタユニット
2…HEPAフィルタ
3…ブロア
10,10A…空気清浄器
11,11A…プラズマ発生器としてのプラズマリアクタ
12,12A…オゾンフィルタ
20…プラズマパネル積層体
23…電極パネル
24…放電電極
25…誘電体
30…触媒担体
41…殺菌室
A1…気体としての空気
S1…隙間

Claims (6)

  1. 放電電極の少なくとも一部が誘電体で覆われた電極パネルを積層した構造を有し、隣接する前記電極パネル間の隙間に気体を流して電圧を印加することによりプラズマを発生させるプラズマパネル積層体を備えるプラズマ発生器と、
    前記プラズマ発生器の下流側に配設され、オゾンを分解する触媒を触媒担体に担持させてなるオゾンフィルタと
    を備えたことを特徴とする空気清浄器。
  2. 前記触媒の材料が酸化マンガンであることを特徴とする請求項1に記載の空気清浄器。
  3. 前記放電電極の材料がタングステンであり、前記誘電体の材料がアルミナであることを特徴とする請求項1または2に記載の空気清浄器。
  4. 前記プラズマ発生器と前記オゾンフィルタとの間には、前記プラズマ発生器にて発生した前記オゾンを利用して殺菌を行う殺菌室が配設されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の空気清浄器。
  5. 前記プラズマ発生器は、交流電源または直流パルス電源を用いて駆動されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の空気清浄器。
  6. HEPAフィルタと、前記HEPAフィルタに空気を送るブロアと、前記HEPAフィルタよりも上流側に配置される請求項1乃至5のいずれか1項に記載の空気清浄器とを備えたことを特徴とするファンフィルタユニット。
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JP7478436B2 (ja) 2020-10-29 2024-05-07 株式会社エス・イー・イー 空気浄化装置

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