JP2018107080A - レドックスフロー電池の製造方法 - Google Patents

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雅敏 市川
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恵三 井関
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Abstract

【課題】レドックスフロー電池の組み立て時における電極の面内方向のずれを抑制できるレドックスフロー電池を作製することを目的とする。【解決手段】このレドックスフロー電池の製造方法は、イオン交換膜と、それを挟むように順に配置された電極と、集電板と、を有するレドックスフロー電池の製造方法であって、前記電極又は前記集電板の少なくとも一部に水溶性の接着剤を供給する工程と、前記水溶性の接着剤を介して前記電極と前記集電板とを接着し、電極構造体を作製する工程と、前記イオン交換膜を挟んで前記電極構造体を積層し、セルを作製する工程と、前記セル内に通液し、前記水溶性の接着剤を除去する工程と、を有する。【選択図】図4

Description

本発明は、レドックスフロー電池の製造方法に関する。
大容量蓄電池としてレドックスフロー電池が知られている。レドックスフロー電池は、一般に電解液を隔てるイオン交換膜と、そのイオン交換膜の両側に設けられた電極とを有する。この電極上で酸化反応と還元反応を同時に進めることにより充放電が行われる。
レドックスフロー電池では、電極は電極室内に格納されている。レドックスフロー電池は、電極室内に電解液を供給し、電解液を循環させながら動作する。電解液中のイオンは、電子を電極に渡し、電子はレドックスフロー電池の外部に授受される。この際、プロトンは、イオン交換膜を介して他方の電極室に授受される。レドックスフロー電池は、このような電子とプロトンの流れを介して充放電を行う。
レドックスフロー電池は、別個の部材である集電体、電極、イオン交換膜をそれぞれ順に積層し、積層方向から挟みこむことで作製される(例えば、特許文献1及び特許文献2)。
特開2015−122231号公報 特表2015−505147号公報
レドックスフロー電池の作製過程において別個の部材を組み合わせる際には、それぞれの位置関係を合わせる必要がある。例えば、集電板に対して電極の位置がずれると、電極を通過しない電解液の流れが生じ、レドックスフロー電池の充放電容量が低下する。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、レドックスフロー電池の組み立て時における電極の面内方向のずれを抑制することを目的とする。
本発明者らは、作製時において電極と集電板とを水溶性の接着剤で固定することで、レドックスフロー電池の組み立て時に電極が面内方向にずれることを抑制できることを見出した。またその水溶性の接着剤は、組み上げた後のレドックスフロー電池内に通液することで容易に除去可能であることを見出した。
すなわち、本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を提供する。
(1)第1の態様にかかるレドックスフロー電池の製造方法は、イオン交換膜と、それを挟むように順に配置された電極と、集電板と、を有するレドックスフロー電池の製造方法であって、前記電極又は前記集電板の少なくとも一部に水溶性の接着剤を供給する工程と、前記水溶性の接着剤を介して前記電極と前記集電板とを接着し、電極構造体を作製する工程と、前記イオン交換膜を挟んで前記電極構造体を積層し、セルを作製する工程と、前記セル内に通液し、前記水溶性の接着剤を除去する工程と、を有する。
(2)第2の態様にかかるレドックスフロー電池の製造方法は、イオン交換膜と、それを挟むように順に配置された電極と、集電板と、を有するレドックスフロー電池の製造方法であって、炭素繊維が分散した分散液を準備する工程と、前記分散液中に水溶性の接着剤を添加し、接着剤を分散液中に溶解させる工程と、前記分散液から溶媒を除去し、前記水溶性の接着剤を含む電極を作製する工程と、前記水溶性の接着剤を介して前記電極と前記集電板とを接着し、電極構造体を作製する工程と、前記イオン交換膜を挟んで前記電極構造体を積層し、セルを作製する工程と、前記セル内に通液し、前記水溶性の接着剤を除去する工程と、を有する。
(3)上記態様にかかるレドックスフロー電池の製造方法において、前記水溶性の接着剤が、ポリビニルアルコールであってもよい。
上記態様に係るレドックスフロー電池は、レドックスフロー電池の組み立て時に電極が面内方向にずれることを抑制できる。
第1実施形態にかかるレドックスフロー電池の製造方法により作製されるレドックスフロー電池の断面模式図である。 第1実施形態にかかるレドックスフロー電池の製造方法により作製されるレドックスフロー電池の集電板と電極の接合途中の様子を示した断面模式図である。 第1実施形態にかかるレドックスフロー電池の製造方法により作製されるレドックスフロー電池のセルフレーム内に収納された集電板を積層方向から平面視した図である。 図3で示されるレドックスフロー電池をA−A面で切断した断面模式図である。 第1実施形態にかかるレドックスフロー電池の製造方法により作製されるレドックスフロー電池の電解液の流れを示した図である。
以下、レドックスフロー電池について、図を適宜参照しながら詳細に説明する。以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などは実際とは異なっていることがある。以下の説明において例示される材質、寸法等は一例であって、本発明はそれらに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
(第1実施形態)
まずレドックスフロー電池の全体像を説明した後に、第1実施形態にかかるレドックスフロー電池の製造方法について説明する。
<レドックスフロー電池>
図1は、第1実施形態にかかるレドックスフロー電池の製造方法により作製されるレドックスフロー電池の断面模式図である。
図1に示すレドックスフロー電池100は、イオン交換膜10と、電極構造体Eと、を備える。電極構造体Eは、集電板20と、電極30とを有する。集電板20と電極30とは、セルフレーム40によって外周を囲まれている。電極30は、イオン交換膜10と集電板20とセルフレーム40によって形成された電極室K内に設けられている。セルフレーム40は、電極室Kに供給される電解液が、外部に漏れだすのを防ぐ。
図1に示すレドックスフロー電池100は、複数の単セルCEが積層されたセルスタック構造を有する。単セルCEの積層数は、用途に応じて適宜変更することができ、単セルのみとしてもよい。単セルCEを複数直列接続することで、実用的な電圧が得られる。一つの単セルCEは、イオン交換膜10と、イオン交換膜10を挟む正極及び負極として機能する二つの電極30と、二つの電極30を挟む集電板20とからなる。
以下、単セルCEが積層されるセルスタック構造の積層方向を単に「積層方向」、セルスタック構造の積層方向に垂直な面方向を「面内方向」と言うことがある。
「イオン交換膜」
イオン交換膜10は、好ましくは陽イオン交換膜を用いることができる。具体的には、スルホ基を有するパーフルオロカーボン重合体、スルホ基を有する炭化水素系高分子化合物、リン酸などの無機酸をドープさせた高分子化合物、一部がプロトン伝導性の官能基で置換された有機/無機ハイブリッドポリマー、高分子マトリックスにリン酸溶液や硫酸溶液を含浸させたプロトン伝導体等が挙げられる。これらのうち、スルホ基を有するパーフルオロカーボン重合体が好ましく、ナフィオン(登録商標)がより好ましい。
「電極構造体」
電極構造体Eは、集電板20と電極30とを有し、電極構造体Eの製造過程においてこれらは水溶性の接着剤によって固定されている。以下、集電板20及び電極30のそれぞれについて説明した後、製造過程におけるこれらの接合状態について説明する。
[集電板]
集電板20は、電極30に電子を授受する役割を持つ集電体である。集電板は、その両面が集電体として使用できるものである場合、双極板と言われることもある。本実施形態にかかる集電板は、レドックスフロー電池により好ましく用いられる。
集電板20は、導電性を有する材料を用いることができる。例えば炭素を含有する導電性材料を用いることができる。具体的には、黒鉛と有機高分子化合物とからなる導電性樹脂、もしくは黒鉛の一部をカーボンブラックとダイヤモンドライクカーボンの少なくとも1つに置換した導電性樹脂、カーボンと樹脂とを混練成形した成形材が挙げられる。これらのうち、カーボンと樹脂とを混練成形した成形材を用いることが好ましい。
図2は、第1実施形態にかかるレドックスフロー電池の集電板と電極との接合状態を説明するための断面模式図である。図2に示す集電板20は、周縁壁21と内部壁22とを一面に有する。周縁壁21は、所定の領域を囲み、内部に凹部20Aを有する。凹部20Aは、周縁壁21によって規定される領域である。集電体20と電極30とは、水溶性の接着剤50を介して接着される。図2では、理解を容易にするために、集電体20と電極30とを離して図示している。
なお、図2は集電板20の一例であり、本実施形態にかかる集電板は当該構成に限られず、種々の構成をとることができる。例えば、内部壁22を有さない構成、所定の構造(周縁壁21及び内部壁22)を有さない構成でもよい。
図3は、セルフレーム40内に図2に示す集電板20が収納された様子を積層方向から平面視した図である。図2は、図3におけるA−A面における切断面に対応する。
集電板20のイオン交換膜10側の面には複数の溝部Cが設けられている。複数の溝部Cの溝間に当る位置には内部壁22が形成されている。内部壁22を設けることにより凹部20A内全面に電解液を供給しやすくなる。溝部Cの形状および複数の溝部Cによって規定される内部壁22の形状は、特に限定されない。
図3に示す内部壁22は、溝部Cが開口部21iから一方向に延在する第1溝部C1と、第1溝部C1に繋がり第1溝部C1から交差する方向に分岐する第2溝部C2と、を有する。
周縁壁21で囲まれた凹部20A内には、周縁壁21の開口部21iから電解液が供給される。周縁壁21の開口部21iから供給された電解液は、第1溝部C1に沿って流れると共に、第2溝部C2に広がるように流れる。電解液は、溝部Cに沿って流れることで、凹部20Aの面内方向に広がりやすい。
電解液は、凹部20A内全面に広がった後、排出路24から排出されることが好ましい。電解液が凹部20A内の面内方向全面に行き渡ることで、面内方向全面に渡って電極30を利用することができる。その結果、レドックスフロー電池のセル抵抗が小さくなると共に、充放電特性が向上する。
周縁壁21及び内部壁22の形状は特に問わない。図2では、周縁壁21及び内部壁22の断面を矩形として図示しているが、半円状、三角形状でもよい。
内部壁22の幅は、0.5mm以上30mm以下であることが好ましく、0.5mm以上10mm以下であることがより好ましい。電解液は溝部Cに沿って供給される。そのため、内部壁22の幅を狭くすることで、相対的に溝部Cの幅を広くできる。溝部Cの幅が広くなれば、乱流の発生を抑制できる。
一方で、内部壁22は、電解液を流すための流路を構成する。そのため、内部壁22がある程度の厚みを有することで、十分な強度を確保できる。その結果、加工し易くなる等の利点を有する。
<電極>
図4は、第1実施形態にかかるレドックスフロー電池を図3におけるA−A面で切断した断面模式図である。
電極30には、炭素繊維を含む導電性シートを用いることができる。ここで言う炭素繊維とは、繊維状炭素であり、例えばカーボンファイバー、カーボンナノチューブ等が挙げられる。電極30が炭素繊維を含むことで、電解液と電極30の接触面積を増し、レドックスフロー電池100の反応性が高まる。
特に径が1μm以下のカーボンナノチューブを電極30が含む場合、カーボンナノチューブの繊維径が小さく、電解液と電極30との接触面積を大きくできる。一方で、径が1μm以上のカーボンファイバーを電極30が含む場合、その導電性シートが強く、破れにくくなる。炭素繊維を含む導電性のシートとしては、例えば、カーボンフェルト、カーボンペーパー、カーボンナノチューブシート等を用いることができる。
電極30は、積層方向に1層構成でも複数層構成でもよい。例えば、図4に示すように、電極30は、集電板20側から第1電極31と、第2電極32と、液流出層33と、を有する構成でも良い。
第1電極31は、集電板20の凹部20Aに嵌合し、周縁壁21の第1面21a(内部壁22が形成された一面側の露出面)より集電板20側に存在する。第2電極32は、周縁壁21の第1面21aよりイオン交換膜10側にあり、セルフレーム40で囲まれる領域全面に広がっている。液流出層33は、セルフレーム40で囲まれる領域全面に広がっており、第2電極32と比較して電解液が流れやすい。液流出層33は、通液する多数の孔を有する多孔性シートであればよく、必ずしも導電性を有していなくてもよい。
第1電極31は、第2電極32より通液性が高いことが好ましい。第1電極31の面内方向の通液性が第2電極32の積層方向の通液性より高いと、電極室K内に流入した電解液の流れが第2電極32によって阻まれ、電解液が面内方向に広がる。電解液が凹部20Aの面内方向全面に広がると、第2電極32全面に電解液をより均一に流入させやすい。
液流出層33は、多孔質で、第2電極32より流出した電解液を排出路へと導く。そのため、液流出層33は第2電極32より通液性が高いことが好ましい。液流出層33の面内方向の通液性が第2電極32の積層方向の通液性より高いと、第2電極32の排出路24近傍における電解液の流れの差が少なくなる。その結果、第2電極32の全面を用いて充放電反応を行うことができ、セル抵抗が低下する。液流出層33に導電性の材料を用い、電極30の一部を構成する電極(第3電極)とすると、よりセル抵抗が低下する。導電性材料としては、第1電極31に例示した材料を用いることができる。
通液性は、ダルシー則の透過率(以下、単に透過率と言うことがある。)により評価できる。ダルシー則は多孔性媒体の透過率を表すのに用いられるのが一般的であるが、便宜上多孔性材料以外の部材にも適用する。その際、不均一で異方性のある部材については、最も低い透過率となる方向の透過率を採用する。
ダルシー則の透過率k(m)は、粘度μ(Pa・sec)の液を通液させる部材の断面積S(m)、部材の長さL(m)と、流量Q(m/sec)を通液した際の部材の液流入側と液流出側の差圧ΔP(Pa)から、次式で表される液体の透過流束(m/sec)の関係より算出される。
Figure 2018107080
第1電極31の透過率は、第2電極32の透過率と比べて、100倍以上であることが好ましく、300倍以上であることがより好ましく、1000倍以上であることがさらに好ましい。当該関係を実現できる具体的な例としては、第1電極31として繊維径が1μm以上の炭素繊維等により構成されたカーボンフェルト、カーボンペーパー等を用い、第2電極32として繊維径が1μm以下のカーボンナノチューブ等により構成されたカーボンナノチューブシート等を用いる場合が挙げられる。なお、第1電極31の透過率は面内方向の透過率を意味し、第2電極32の透過率は積層方向(面内方向の法線方向)の透過率を意味する。
液流出層33は第2電極32より通液性が高いことが好ましい。第2電極32を通過した電解液が、速やかに排出路24へ排出されるためである。液流出層33の透過率は、第2電極32の透過率と比べて、50倍以上であることが好ましく、100倍以上であることがより好ましく、300倍以上であることがさらに好ましく、1000倍以上であることが特に好ましい。当該関係を実現できる具体的な例としては、液流出層33として第1電極31に例示した材料を用いることができる。なお、第2電極32の透過率は積層方向の透過率を、液流出層33の透過率は面内方向の透過率を意味する。
<接合状態>
製造過程においては集電板20と電極30との間の少なくとも一部には、集電板20と電極30とを接合する水溶性の接着剤50(図2参照)が設けられている。集電板20と電極30とは、接着剤により少なくとも一部で固着しており、集電板20に対する電極30の面内方向の位置は固定されている。その結果、レドックスフロー電池100を組み立てる際に、集電板20に対して電極30がずれることが避けられる。
電極30が、集電板20に対して面内方向にずれると、凹部20Aと第1電極31との間、及び、セルフレーム40と第2電極32及び液流出層33との間に、隙間が形成される。これらの隙間は、反応に寄与しない電解液の流れの原因となる。
集電板20と電極30との面内方向の位置ずれは、レドックスフロー電池の各構成部材を積層した後に、積層方向の両端からエンドプレート等を介して圧力が加えられ、レドックスフロー電池を組み上げる際に生じやすい。そのため、圧力印加時に集電板20と電極30とが接着していれば、隙間の発生を抑制できる。
集電板20と電極30とを繋ぐ水溶性の接着剤は、レドックスフロー電池を組み上げた後に除去される。そのため、水溶性の接着剤がレドックスフロー電池の充放電に悪影響を及ぼすこともない。
集電板20が周縁壁21を有する場合、電極30と集電板20とは、少なくとも周縁壁21の第1面21aで固定されていることが好ましい。図4に示すように、隙間は集電板20の周縁壁21と電極30の間に形成されやすい。そのため、周縁壁21の第1面21aで電極30を固定することで隙間の発生をより抑制できる。
「レドックスフロー電池の動作」
図5を用いて、レドックスフロー電池100の動作の一例を説明する。図5は、第1実施形態にかかるレドックスフロー電池100の電解液の流れを示した図である。
レドックスフロー電池100の電極室Kにはセルフレーム40に設けられた流入口から電解液が供給される。電極室K内に供給された電解液は、電極室K内の電極30と反応する。反応時に生じたイオンは、イオン交換膜10を介して電極30間を流通し、充放電を行う。反応後の電解液は、セルフレーム40に設けられた流出口から排出される。
電極室K内においては、電解液は、周縁壁21の開口部21iから凹部20A内に供給される(流れf11)。供給された電解液は、内部壁22に沿って流れ凹部20Aの面内方向に広がる(流れf12)。そして、電解液は、電極30を通って排出路24から排出される(流れf13)。
上述のように、本実施形態にかかるレドックスフロー電池によれば、集電板に対する電極の位置ずれを避けることができる。そのため、レドックスフロー電池の組み立て時に集電板に対する電極の位置がずれ、電極を通過しない電解液の流れが生じることを防ぐことができる。つまり、レドックスフロー電池の充放電容量の低下を抑制できる。
「レドックスフロー電池の製造方法」
本実施形態にかかるレドックスフロー電池の製造方法は、図1に示すように、イオン交換膜10と、それを挟むように順に設けられた電極30と、集電板20とを有するレドックスフロー電池の製造方法である。
本実施形態にかかるレドックスフロー電池100の製造方法は、以下の二つのいずれかの方法を利用できる。第1の方法は、電極30及び集電体20をそれぞれ準備した後にそれぞれの界面に接着剤を供給する方法であり、第2の方法は、電極30に接着剤を含有させる方法である。
第1の方法から説明する。第1の方法は、電極30又は集電板20の両者の界面の少なくとも一部に水溶性の接着剤を供給する工程と、水溶性の接着剤を介して電極30と集電板20とを接着し、電極構造体Eを作製する工程と、イオン交換膜10を挟んで電極構造体Eを積層し、セルCEを作製する工程と、セルCE内に通液し、水溶性の接着剤を除去する工程と、を有する。
まず、電極30又は集電板20の少なくとも一部に水溶性の接着剤を供給する。接着剤は、電極30と集電板20を積層した後に供給してもよいし、積層する前に供給してもよい。
積層した後に供給する場合は、集電板20に対する電極30の面内方向の位置を調整した後、集電板20と電極30の間に水溶性の接着剤を注入する。水溶性の接着剤は、必要に応じて水で希釈して粘度を下げてもよい。具体的には電極30と集電板20を積層した後、接着したい部分に水溶性の接着剤を注入する方法がある。電極側から接着剤を添加し電極と集電板の界面に接着剤を到達させる。または、集電板20が周縁壁21を有する場合は、周縁壁21と電極30との界面に接着剤を注入しても良い。そして、加熱等によって溶媒の水を蒸発させ、集電板と電極を固定する。電極30が繊維の集合体である場合は、特に接着剤を含ませやすく好ましい。電極30が繊維を含むと、集電板20と電極30を積層した後でも、接着剤を集電板20と電極30の界面に容易に供給できる。
積層する前に供給する場合は、水溶性の接着剤を電極30又は集電板20の一面に水溶性の接着剤を供給する。接着剤の供給状態は特に問わず、シート状、粉末状、ペレット状に加工した接着剤に水を含浸させてから電極30又は集電板20の一面に設けてもよいし、水溶性の接着剤の水溶液を電極30又は集電板20の一面に塗布してもよいし、電極30を構成する炭素繊維の内部に注入してもよい。
接着剤は、水溶性のものであれば特に問わない。一般に水溶性の接着剤として、天然糊や化学糊が知られている。天然糊は、デンプンを主成分としたものがある。化学糊は、加工デンプン、カルボキシメチルセルロース(CMC)を主成分とする半合成糊、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール(PVA)、耐熱性ポリマー等を用いることができる。この中でも、接着力が高いポリビニルアルコールが好ましい。接着剤は、水に溶解あるいは水で希釈して、使いやすい粘度にしてから用いても良い。
そして接着剤を介して電極30と集電板20とを接着することで、電極構造体Eが作製される。集電板20に対する電極30の面内方向の位置は、接着剤により固定される。
次いで、電極30と集電板20とが接合した電極構造体Eを、セルフレーム40の開口部に設置する。そして、セルフレーム40の開口部を塞ぐようにイオン交換膜10を配設する。
配設されたイオン交換膜10を挟んで、開口部同士の位置が合うように、次のセルフレーム40を積層する。積層したセルフレーム40の開口部には、次の電極構造体Eが電極30を向けて積層される。この際積層される電極構造体Eも、集電板20に対する電極30の面内方向の位置が接着剤によって固定されている。このような手順で各部材を積層して、図1に示すような単セルCEが作製される。
この単セルCEを基準として、セルを複数積層する。この際、単セルCEのいずれか一方の集電板20を共用して、セルを積層していく。セルを必要数積層することで、複数の電極室Kを有するレドックスフロー電池が作製される。複数のセルフレーム40の開口部内には、集電板20、電極30、イオン交換膜10、電極30が、この順で複数回繰り返し積層される。
最後に、積層された単セルCE内に通液を行う。通液することで、水溶性の接着剤は溶解し、除去される。通液する液は、電解液、純水等を用いることができる。レドックスフロー電池における電解液は原則循環する為、不純物が循環する電解液中に混在しないように、純水を用いてまず洗浄することが好ましい。
上述のように、集電板20と電極30との面内方向の位置ずれは、積層方向の両端から圧力が加えられ、レドックスフロー電池を組み上げる際に生じやすい。そのため、レドックスフロー電池を組みあげた後に、接着剤が除去されても、隙間が発生することは少ない。
第2の方法は、炭素繊維が水に分散した分散液を準備する工程と、分散液中に水溶性の接着剤を添加し、接着剤を分散液中に溶解させる工程と、分散液から水を除去し、水溶性の接着剤を含む電極を作製する工程と、水溶性の接着剤を介して電極と集電板とを接着し、電極構造体を作製する工程と、イオン交換膜を挟んで電極構造体を積層し、セルを作製する工程と、セル内に通液し、水溶性の接着剤を除去する工程と、を有する。電極と集電板の接着時に電極を水で湿らせておくことが好ましい。
第2の方法は、接着剤を別途供給するのではなく、電極30中に接着剤を含有させている点が第1の方法と異なる。電極構造体Eを組み上げた後の工程は、第1の方法と同じである。
水溶性の接着剤を含む電極は、以下の手順で作製できる。
まず、カーボンナノチューブ等の炭素繊維を含む水分散液を調製する。炭素繊維を含む分散液を調製する方法は特に限定されない。例えば、ボールミル、ペイントシェーカー、超音波ホモジナイザー、ジェットミル等を用いることができる。湿式ジェットミルは、炭素繊維の損傷を抑えつつ炭素繊維が均一に分散するため好ましい。湿式ジェットミルによる分散を行う前に、湿式分散機等を用いて予備的な分散を行ってもよい。
次いで、分散液中に接着剤を溶解させる。接着剤は水溶性であるため、分散液に添加すると、自然と溶解する。
そして、接着剤及び炭素繊維を含んだ分散液から濾過により溶媒を除去し、シート状に成形する。また、分散液を塗布、キャスト法、スプレー法、浸漬法などを行った後に余分な溶媒を除去してシート状の電極を作製してもよい。
上記のように溶媒を除去することで、シート状に加工された電極30が形成される。電極30を構成する炭素繊維には接着剤が付着しており、電極30は水で湿らせることにより接着性を有する。そしてこの電極30に集電板20を積層すると、電極30に含まれる接着剤を介して集電板20と電極30とが接着し、乾燥させると電極構造体Eが形成される。そして得られた電極構造体Eを用いて、レドックスフロー電池100が得られる。
上述のように、本実施形態にかかるレドックスフロー電池の製造方法によれば、製造過程において、集電板20に対する電極30の面内方向の位置がずれることが抑制される。そのため、電極を通過しない電解液の流れが生じることを防ぐことができる。また製造過程において集電板20と電極30とを接着する接着剤は、レドックスフロー電池を組み上げた後に除去されるため、レドックスフロー電池に悪影響を及ぼすことも避けられる。
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
10…イオン交換膜、20…集電板、20A…凹部、21…周縁壁、21a…第1面、21i…開口部、22…内部壁、24…排出路、30…電極、31…第1電極、32…第2電極、33…液流出層、40…セルフレーム、50…水溶性の接着剤、100…レドックスフロー電池、CE…単セル、E…電極構造体、K…電極室、C…溝部、C1…第1溝部、C2…第2溝部

Claims (3)

  1. イオン交換膜と、それを挟むように順に配置された電極と、集電板と、を有するレドックスフロー電池の製造方法であって、
    前記電極又は前記集電板の少なくとも一部に水溶性の接着剤を供給する工程と、
    前記水溶性の接着剤を介して前記電極と前記集電板とを接着し、電極構造体を作製する工程と、
    前記イオン交換膜を挟んで前記電極構造体を積層し、セルを作製する工程と、
    前記セル内に通液し、前記水溶性の接着剤を除去する工程と、を有するレドックスフロー電池の製造方法。
  2. イオン交換膜と、それを挟むように順に配置された電極と、集電板と、を有するレドックスフロー電池の製造方法であって、
    炭素繊維が分散した分散液を準備する工程と、
    前記分散液中に水溶性の接着剤を添加し、接着剤を分散液中に溶解させる工程と、
    前記分散液から溶媒を除去し、前記水溶性の接着剤を含む電極を作製する工程と、
    前記水溶性の接着剤を介して前記電極と前記集電板とを接着し、電極構造体を作製する工程と、
    前記イオン交換膜を挟んで前記電極構造体を積層し、セルを作製する工程と、
    前記セル内に通液し、前記水溶性の接着剤を除去する工程と、を有するレドックスフロー電池の製造方法。
  3. 前記水溶性の接着剤が、ポリビニルアルコールである請求項1又は2のいずれかに記載のレドックスフロー電池の製造方法。
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