JP2018101098A - フレネルレンズとフレネルレンズの膜形成方法 - Google Patents

フレネルレンズとフレネルレンズの膜形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】レンズ面に形成された複数の溝に形成された光吸収体の広がりを押さえたフレネルレンズとその製造方法を提供する。【解決手段】レンズ面に形成された複数の溝3と、上記溝3に形成された光吸収体50と、を含み、上記光吸収体50は波打ち形状を為しているフレネルレンズ1を用いる。また、ノズルから光吸収体50を有するインク33を、フレネルレンズ1の溝3の下底部にドット状で吐出させる第1工程と、上記ドット状のインク33を硬化させる第2工程と、上記インク33を、上記溝3の側壁に対してドット状に吐出させる第3工程と、上記側壁に吐出させたインク33を硬化させる第4工程と、を含む。【選択図】図8

Description

本発明は、フレネルレンズとフレネルレンズの膜形成方法に、関するものである。特に、フレネルレンズとフレネルレンズのレンズ面に形成された溝の側壁に光吸収体を形成する方法に関するものである。
映像等の光源を拡大させて表示させるための光学系部材としてフレネルレンズが用いられる。フレネルレンズは、図1(a)の斜視図に示すように、フレネルレンズ101のレンズ面102に複数個の平行直線状の溝103が形成されている。図1(a)のレンズ面102のA部分を拡大した断面図を図1(b)に示す。この断面図に示すようにフレネルレンズ101のレンズ面102の溝103は垂直ではなく、若干の傾斜をもった側壁を形成している。
従来、フレネルレンズ101において投射光を照射したとき光学特性の悪化を招く場合があった。投射光をフレネルレンズ101のレンズ面102に入射させたとき、投射光がフレネルレンズ101のレンズ面102に形成された溝103の側壁で反射し、この反射光がフレネルレンズ101内で散乱光となり光学特性の悪化を引き起こすためである。
そこで、特許文献1においては、投射光を投射したときフレネルレンズ101のレンズ面102に形成された溝103の側壁で反射させず散乱光を抑えるため、図1(c)に示すフレネルレンズ101の断面図のように、フレネルレンズ101のレンズ面102に形成された溝103の側壁に光吸収体104を塗布することが提案されている。フレネルレンズ101のレンズ面102に形成された溝103の側壁へ光吸収体104を形成する方法としては、例えば、特許文献2に示すように、光吸収体104を形成したフィルムを張り合わせて形成する方法がある。
しかしながら、光吸収体104を形成したフィルムを張り合わせで形成する場合、位置合わせなどが必要なため、ある程度、溝103の形状が大きいレンズに限られてしまう。また、フレネルレンズ101の設計ごとに光吸収体104を形成したフィルムを製作する必要があるため、任意の形状の溝103に対応するのにコストと時間がかかる。フレネルレンズ101の小型化や光学特性向上のためには、微細な任意の形状の溝103を多数形成する必要があり、溝103の側壁に光を遮蔽する光吸収体を形成する方法が求められている。
近年、微細なパターンを低コストかつ簡易的に形成する方法として、インクジェットによる塗布方法が広く用いられている。このインクジェットよる塗布方法は、インクジェット装置の塗布ヘッド備えられた複数のノズルから、所定の位置に対して、微小量のインクを吐出させて塗布を行う方法である。このインクジェット法によりフレネルレンズのレンズ面102の溝傾斜部に対して光吸収体104を含むインクを吐出させることで、フレネルレンズの任意の位置に形成された微細な溝の側壁に対して、光吸収体104を形成することが可能である。
しかしながら、一般的に、インクジェットにより吐出させるインクは垂直方向のためインクジェットにより塗布させる対象物は平面形状である。よって、フレネルレンズ101の溝103の側壁にインクを塗布するのは困難である。
そこで、インクジェットにより被対象物の側面に対してインクを塗布する方法として、例えば特許文献3に示すような方法が提案されている。図2(a)の斜視図は、特許文献3におけるインクジェットによる塗布方法を示している。図2(a)に示すように、搬送ベルト105上に設置した被対象物106である短冊状の絶縁物が設置されており、インクジェットの塗布ヘッド107を斜め上方に設置し、被対象物106の側面を狙って斜めから側面電極用ペーストを吐出させて、短冊状の被対象物106の側面に側面電極用のペースト108を塗布する。図2(b)は、被対象物106である短冊状の絶縁物に側面電極用のペースト108を塗布した後の状態を示した図である。搬送ベルト105上の短冊状の絶縁物を搬送させながら側面電極用のペースト108を斜めから吐出させることで、短冊状の被対象物106の側壁全面にペースト108を塗布することができる。
特許文献3に示された方法でフレネルレンズ101の溝103の側壁に塗布する場合の塗布方法を図3(a)に示す。フレネルレンズ110を固定および矢印の方向に移動する搬送用のジグ111が設置されるとともに、インクジェットの塗布ヘッド112が搬送ジグ斜め上方に設置する必要がある。この構成により、フレネルレンズ110を固定させたジグ111を移動させながら、光吸収体104を含むインク113を塗布ヘッド112から斜めから吐出させる。
図3(b)の断面図は、光吸収体104を含むインク113をフレネルレンズ110の溝の側壁114に対して吐出したときの図である。光吸収体104を含むインク113をフレネルレンズ110の溝の側壁114を狙ってインク113を吐出させることで側壁114に光吸収体104を着弾させる。フレネルレンズ110の溝の側壁114に光吸収体104を含むインク113を着弾させた後、乾燥や硬化等を行い、溝の側壁114に光吸収体104を形成する。
特開平4−163539号公報 特昭58−186732号公報 特開2008−263094号公報
図4(a)は、特許文献3の方法でフレネルレンズの溝の側壁114に光吸収体104を形成したときの断面図を示す。この断面図に示すようにインクジェットで光吸収体104を含むインク113を側壁114に着弾させた後、インク113は側壁を伝わり側壁114の下底部の方に流動し、その後、下底部からさらにインク113が広がっていくために、光吸収体104は側壁114の幅だけでなくその下底部に対して大きな距離まで濡れ広がっていく。
図4(b)は、フレネルレンズの溝の側壁に光吸収体104を形成したときの上面図を示す。この上面図に示すように、光吸収体104は、フレネルレンズの側壁の幅115だけでなく側壁下底部に広い幅116で光吸収体が形成されてしまう。このとき投射光をフレネルレンズに入射させたとき、フレネルレンズの側壁114の下底部に広く形成された光吸収体104で光が吸収されるために影となりレンズの光学特性を大幅に低減させてしまう。
本発明は、上記課題を解決するもので、レンズ面の複数の溝に形成される光吸収体の広がりを押さえたフレネルレンズとその膜形成方法を提供すること。
上記目的を達成するために、レンズ面に形成された複数の溝と、上記溝に形成された光吸収体と、を含み、上記光吸収体は波打ち形状を為しているフレネルレンズを用いる。また、ノズルから光吸収体を有するインクを、フレネルレンズの溝の下底部にドット状で吐出させる第1工程と、上記ドット状のインクを硬化させる第2工程と、上記インクを、上記溝の側壁に対してドット状に吐出させる第3工程と、上記側壁に吐出させたインクを硬化させる第4工程と、を含むフレネルレンズの膜形成方法を用いる。
本発明のフレネルレンズの製造方法によれば、まず、インクジェットによりレンズ面に形成された溝の側壁下底部に光吸収体を有する小液滴インクを着弾させて光吸収体を形成させる。次にインクジェットによりレンズ面に形成された溝の側壁中央部に対して光吸収体を有する液滴インクを着弾させる。レンズ溝の側壁に対してインクを着弾させたとき、溝の側壁下底部に形成された光吸収体によりインクの側壁下底部への流動が抑えられる。そのため、フレネルレンズの溝の側壁に光吸収体を形成するとき、溝の下底部に光吸収体の濡れ広がりがなく、側壁のみに光吸収体を形成することができる。
(a)従来のフレネルレンズの斜視図、(b)フレネルレンズの溝部の拡大断面図、(c)フレネルレンズの溝部に光吸収体を形成したときの断面図 (a)従来のインクジェット法による断面への塗布方式を示す断面図、(b)従来のインクジェット法で矩形ワークの側面に塗布したときの斜視図 (a)従来のインクジェット法で溝部への光吸収体の形成方法を示した斜視図、(b)従来のインクジェット法で溝部への光吸収体の形成方法を示した断面図 (a)従来のインクジェット法により溝部へ光吸収体を形成したときの断面図、(b)従来のインクジェット法により溝部へ光吸収体を形成したときの上面図 (a)実施の形態のフレネルレンズの斜視図、(b)実施の形態のフレネルレンズの溝部の拡大断面図 本発明におけるインクジェット装置の構成を示した斜視図 (a)〜(d)本発明のフレネルレンズの製造方法において、レンズ溝の下底部に光吸収体を形成させる製造方法を示した断面図および上面図 (a)〜(d)本発明のフレネルレンズの製造方法において、レンズ溝の側壁に光吸収体を形成させる製造方法を示した断面図および上面図
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態)
<フレネルレンズ>
実施の形態のフレネルレンズを、図5(a)の斜視図に示す。フレネルレンズ1のレンズ面2に複数個の平行直線状の溝3が形成されている。図5(b)は、レンズ面2のA部分を拡大した断面図である。なお、溝3は、この場合、V字状であるが、V字に限られない。また、V字の両平面は、フレネルレンズを水平にした時、水平ではないが、一方が水平、または、垂直でもよい。
フレネルレンズ1を形成する基材や厚みは、特に限定されるものではないが、光学特性的に着色や濁り等により透過率が低減するものは好ましくない。また、必要に応じてレンズの表面に反射防止膜を形成しても良い。フレネルレンズ1の溝3の形成方法については、基材を切削加工する方法や合成樹脂の射出成型、加熱による転写方法など特に限定されないが、光学特性を確保するために設計値どおりの溝3を形成する必要がある。このとき、溝3の加工によるバリや汚れ等を残さないようにする必要がある。
フレネルレンズ1の溝3の構造は、図5(b)に示すように、垂直に溝3が形成されているのではなく、若干の傾斜角をもった溝3を形成させることでフレネルレンズの光学特性を持たせている。
<フレネルレンズ溝へインク吐出させるためのインクジェット装置>
フレネルレンズ1に形成された平行直線状の溝3に対して、レンズの光学特性の劣化を防ぐために溝3の側壁に光吸収体4を形成する。このときインクジェット装置を用いて、光吸収体4を有するインクをインクジェット装置の塗布ノズルから吐出させて、溝3の側壁に光吸収体4の塗布膜を形成させる。
図6は、実施の形態の実施の形態におけるインクジェット装置の斜視図を示した図である。実施の形態のインクジェット装置は、架台20上に設置された可動のステージ21と、架台をまたぐように設置されたガントリー(門柱)22、塗布ヘッド23および紫外線照射装置24を設置するための支持フレーム25、および観察カメラ26から構成される。
架台20は剛性が強く平面度の高い構造の定盤を用いる(たとえば、石定盤)。架台20上には、塗布ヘッド23に対して縦方向および横方向に移動することのできるステージ21が設置されている。ステージ21には、塗布ヘッド23に対して、縦横の方向に自由に移動できるようにそれぞれの方向についてボールネジ27が接続されている。ボールネジ27には、ボールネジ27を回転させるためのモータ28が接続され、モータ28の回転を制御することでステージ21の位置を自由に移動させる。モータ28には、モータの回転制御を行うための制御装置に接続され、制御装置からの指令によって、架台20上の所定の位置に任意の速度で移動させることができる。
ステージ表面には細かい小さな穴が開いており、これらの穴は真空排気させることができる。ステージ上にフレネルレンズを設置したとき小さい穴を真空吸引することでフレネルレンズを固定することができる。
ガントリー22は、架台同様に剛性を高くしたフレームによって構成されている。ガントリー22には、塗布ヘッド23、紫外線照射装置24が設置された支持フレーム25が設置されている。この支持フレーム25は剛性が高い構造のフレームを使用し、塗布ヘッド23、紫外線照射装置24を取り付けても変形がほとんど無いようにしている。
支持フレーム25には、塗布ヘッド23を取り付けるためのブラケットが設置されている。このブラケットには、塗布ヘッド23とステージ表面との並行度および、塗布ヘッド23とステージ21との距離が調整できるような調整機構がある。この調整機構により、塗布ヘッド23とステージ21との平行度、および、塗布ヘッド23とステージ21との距離を適切に調整した状態で塗布ヘッド23が設置されている。
図6では、塗布ヘッド23の数が1ヘッドのみ指示しているが複数個のヘッドを設置する事が出来る。塗布ヘッド23のそれぞれのノズルから紫外線硬化型インクを吐出させるために、圧電素子によって各ノズル内の内圧を変動させて紫外線硬化型インクを吐出させる塗布ヘッド23を用いた。各ノズルから吐出する塗布液の吐出量を制御するには、各ノズルに設置された圧電素子の電圧を制御することが必要である。塗布ヘッド23には、各ノズルに設置された圧電素子を制御するための制御装置が接続されおり、この制御装置から塗布ヘッド23の各ノズルの圧電素子を制御するとで、要求された塗布パターンを塗布するためのインクの吐出を行うことができる。塗布ヘッド23には、紫外線硬化型インクを供給するためのインク供給配管が接続されており、適宜、紫外線硬化型インクを塗布ヘッド23に供給して安定したインクの吐出を行っている。
塗布ヘッド23が設置された支持フレーム25の先端側には、紫外線照射装置24が取り付けられている。紫外線照射装置24の照射エネルギーはインクジェット装置の制御装置で制御することができる。
ガントリーに接続された支持フレーム25の近傍には、観察カメラ26が設置されている。塗布ヘッド23からインクを吐出した後の着弾位置を観察することができる。観察カメラ26の位置は上下方向に位置を調整する機構が設置されており、焦点距離を調整することができる。
<フレネルレンズの溝へのインク吐出>
フレネルレンズ1の溝3の側壁に対して、光吸収体4を有するインクを吐出させる時、溝3の位置にインクが着弾するように位置合わせをする必要がある。そのためインクジェット装置から吐出させるインクの着弾精度を確保する必要がある。そのため、インクジェット装置の塗布ヘッドとフレネルレンズ1のレンズ面2との距離は2mm以下の距離で設置されている。これは、インクジェット装置の塗布ヘッドから吐出されるインクの飛距離が長いと着弾位置のばらつきが大きり、正確に所定の位置にインクを着弾させることが困難となるためである。
インクジェット装置の塗布ヘッドからインクを吐出させるときの位置合わせは、フレネルレンズ上に位置合わせ用のアライメントマークをあらかじめ加工しておいて、このマークをアライメントカメラで認識して位置合わせを行う。アライメントマークの位置情報を搬送ステージに与えることで、搬送ステージ上のレンズの溝の位置にインクを塗布するように調整できる。
この時、フレネルレンズ1上に位置合わせ用のアライメントマークを加工しなくても、レンズに形成した溝3やレンズの端部の位置などを認識して位置合わせをしても良い。あるいは、インクジェット装置にアライメントカメラが無くても、搬送ステージ上に設置されたフレネルレンズに対して厚みの薄いカバーフィルムを張り、インクジェット装置の塗布ヘッドからフィルム上にインクを吐出させて、ステージの位置や塗布ヘッドの位置を調整させてレンズの溝の位置にインクが吐出させるように調整しても良い。
インクジェット装置の塗布ヘッドからインクを吐出後、インクジェット装置の観察によりレンズの溝3の位置からインクの着弾位置がずれている場合、搬送ステージ位置あるいは、塗布ヘッドの位置を調整して着弾位置の修正を行い着弾位置の精度を確保する。
フレネルレンズ1の溝3に形成する光吸収体4は、光を吸収させる物質であれば特に制限はない。ただし、インクジェット装置の塗布ノズルから吐出できることが条件となる。通常、インクジェット装置における塗布ヘッドのノズル径は、数十ミクロンであるため、光吸収体4は、数ミクロンからナノレベルの粒子を用いる必要がある。また、光吸収体を溶剤等のなかで分散させ、かつ、インク中で光吸収体の粒子を凝集させないようにする必要がある。インク中の粒子が凝集するとインクジェット装置の塗布ノズルに凝集物が詰まり、インクが吐出できなくためである。
インクジェット装置の塗布ヘッドから光吸収体を有するインクをフレネルレンズの溝側壁に着弾したあとは、インクを乾燥、硬化させる必要がある。インクが溶剤を含んだインクであれば熱で乾燥させる必要があり、紫外線硬化型のインクであれば紫外線を照射してインクを硬化させる必要がある。そのため、インクジェット装置には塗布ヘッドからインクを吐出させた後に乾燥、硬化を行う装置が設置され、塗布ヘッドからインクを吐出した直後に搬送ステージがこれらの装置に移動するように設定されている。インクジェット装置からインクを吐出させ、乾燥、硬化を行うことを考慮すると、光吸収体として炭素粒子を用いこれを感光性樹脂や添加材によりインク化した、紫外線硬化型の黒インクを用いるのが好ましい。
<フレネルレンズ溝への光吸収体の形成工程>
フレネルレンズ1に形成された溝3の側壁に対して光吸収体4を形成する工程は、以下の(1)〜(4)の工程を含む。
(1)第1工程:フレネルレンズ1の溝3の側壁の下底部に対して、インクジェット装置の塗布ヘッドから光吸収体を有するインクの小液滴を吐出させる。
(2)第2工程:フレネルレンズ1の溝3の側壁の下底部に着弾した光吸収体を有するインクを硬化させて、レンズ溝の下底部に光吸収体を形成させる。
(3)第3工程:フレネルレンズ1の溝3の側壁の下底部に光吸収体を形成した後、レンズの溝3の側壁に光吸収体4を有するインクを吐出させる。
(4)第4工程:フレネルレンズ1の溝3の側壁に着弾した光吸収体4を有するインクを硬化させて、溝3の側壁および下底部に光収集体を形成する。
(1)フレネルレンズ1の溝3の側壁の下底部に対して、インクジェット装置の塗布ヘッドから光吸収体4を有するインクの小液滴を吐出させる第1の工程を図7(a)、図7(b)に示す。
第1の工程では、図7(a)の断面図に示すようにフレネルレンズ1の溝3の側壁31の下底部32に光吸収体4を有するインク33が着弾するように、インクジェット装置の塗布ノズルから光吸収体4を有するインクを吐出させる。塗布ノズルからフレネルレンズ1の溝3の側壁31の下底部32に対して、図7(b)の上面図に示すように、インクジェット装置の塗布ノズルから等しい塗布のピッチ34で溝3の下底部32の直線に沿ってインク33を着弾させる。このとき、塗布ヘッドから吐出させるインク33の塗布のピッチ34は、溝3の幅35と同じ距離のピッチになるように、塗布ヘッドから吐出させるインクの吐出タイミング、および、レンズが固定された搬送ステージの動作速度を制御させる。
インクジェット装置の塗布ヘッドからフレネルレンズ1の溝3の側壁31の下底部32へ吐出させる光吸収体4を有するインク33の液滴量は、インク33が着弾した時に着弾痕(第1ドット体の径)の直径が溝3の幅35の0.4±0.06倍になるように調整する。あらかじめ、インクジェット装置の塗布ヘッドから吐出されるインク33の量と着弾痕の直径との相関を調査しておき、吐出量の調整を行う必要がある。
(2)フレネルレンズ1の溝3の側壁31の下底部32に着弾した光吸収体4を有するインク33を硬化させて、溝3の下底部32に光吸収体4を形成させる第2の工程を図7(c)の断面図と図7(d)の上面図に示す。
第2の工程では、フレネルレンズ1の溝3の側壁31の下底部32に光吸収体4を有するインク33が着弾した後、図7(c)、図7(d)に示すようにインク33を乾燥、硬化させてレンズの側壁31の下底部32に光吸収体36(第1ドット体)を形成させる。インクによって、乾燥、硬化方法を選択する必要がある。インク33に溶媒などを用いた場合はヒーター等を用いてインク33中に溶媒を除去させて光吸収体36(第1ドット体)を形成させる。感光性樹脂を用いる場合は、紫外線を照射させてインク33を固化させて光吸収体を形成させる。
(3)フレネルレンズ1の溝3の側壁31の下底部32に光吸収体36(第1ドット体)を形成した後、溝3の側壁31に光吸収体を有するインクを吐出させる第3の工程を図8(a)、図8(b)に示す。
第3の工程では、図8(a)の断面図に示すように、フレネルレンズ1の溝の側壁31の下底部32に光吸収体36(第1ドット体)を形成した後、溝3の側壁31に光吸収体を有するインク33が着弾するように、インクジェット装置の塗布ノズルから光吸収体を有するインク33を吐出させる。
インクジェット装置の塗布ノズルから光吸収体を有するインク33を吐出させる時、フレネルレンズの溝の側壁31に対して、側壁の幅35の中央部にインク33が着弾するように吐出位置を調整する。また、図8(b)の上面図に示すように、インクジェット装置の塗布ノズルから等しいピッチ37で溝3の側壁31の幅35内を通る直線に沿ってインク33を着弾させる。このとき、塗布ヘッドから吐出させるインク33の塗布のピッチ37は、溝3の幅35と同じ距離のピッチ37になるように、塗布ヘッドから吐出させるインク33の吐出タイミング、および、フレネルレンズ1が固定された搬送ステージの動作速度を制御させる。このとき、フレネルレンズ1の下底部32に形成させた光吸収体36(第1ドット体)の塗布のピッチ34に対して半ピッチずらした位置で、インクジェット装置の塗布ヘッドから光吸収体を有するインク33を吐出させる。インクジェット装置の塗布ヘッドからフレネルレンズ1の溝3の側壁31の下底部32へ吐出させる光吸収体を有するインク33の液滴量は、インク33が着弾したときに着弾痕の直径が溝3の幅35と同等のばらつきの長さになるように調整する。着弾痕の直径は、溝3の幅35の15%までのばらつきを許容する。あらかじめ、インクジェット装置の塗布ヘッドから吐出されるインク33の量と着弾痕の直径との相関を調査しておき、吐出量の調整を行う。
なお、第1の工程でフレネルレンズ1の溝の側壁31の下底部32に吐出させる光吸収体を有するインク33と、第3の工程で、フレネルレンズ1の溝の側壁31に対して吐出させる光吸収体を有するインク33とは、同じインク33が好ましいが異なっても良い。ただし、この場合インクジェット装置に複数の塗布ヘッドを配置させ、それぞれのインク33の吐出を制御させる必要がある。
また、第3の工程においては、インクジェット装置の塗布ヘッドから光吸収体を有するインク33の吐出量は、1回の吐出量を小さく設定し、複数回吐出させることで溝3の幅35と同等になるように設定してもよい良い。つまり、第2ドット体の径は、溝3の幅35と同等である。
(4)フレネルレンズ1の溝3の側壁31に着弾した光吸収体を有するインク33を硬化させて、溝3の側壁31および下底部32に光吸収体を形成する第4の工程を図8(c)と図8(d)に示す。
第4の工程では、フレネルレンズ1の溝3の側壁31の光吸収体を有するインク33を着弾させた後、第2の工程と同様の方法で、インク33を硬化させて、下底部32に形成した光吸収体36(第1ドット体)上に側壁31に光吸収体40(第2ドット体)を形成させる。
第3の工程でフレネルレンズ1の溝3の側壁31に光吸収体を有するインク33を吐出させて側壁31に着弾した後、インク33は自重によって側壁31の下底部32に流動していく。この時、下底部32には、光吸収体36(第1ドット体)が等しいピッチ34で形成されているために、図8(c)の断面図や図8(d)の上面図に示すように、フレネルレンズ1の溝3の側壁31から流動する光吸収体40(第2ドット体)を含むインクの流れが、下底部32に形成された光吸収体36(第1ドット体)によって制限される。よって、フレネルレンズ1の溝3の側壁31に光吸収体を有するインク33を着弾させて硬化した時、側壁31の幅35に対して溝3の下底部32へのインク33の濡れ広がりを大きく抑えることができる。これで、下底部32に対して濡れ広がり幅39が抑えられた光吸収体50を形成することができる。また、フレネルレンズ1の溝3の下底部32で濡れ広がった光吸収体50は微細な波打ち形状の為、下底部32に対して直線状に光吸収体を形成する場合に比べて光学特性の性能が良好となる。光吸収体36(第1ドット体)は、光吸収体40(第2ドット体)より小さく、濡れ広がらりにくい。光吸収体は、光吸収体36と光吸収体40とのため、下部の端面が波形状45となっている。上部端面は、下部端面よりは波打たない。
なお、フレネルレンズ1の溝3の側壁31に着弾した光吸収体を有するインクの膜厚を厚くさせて光吸収の効果を高めたい場合は、第3の工程と第4の工程を繰り返し行えばよい。
(実施例)
アクリル樹脂に深さ150μm、傾斜の幅(側壁31の幅35)50μmの溝3を切削加工で複数形成し、反射防止膜としてフッ素系の樹脂薄膜を形成したフレネルレンズ1の溝3の側壁31に光吸収体を形成した実施例を以下に示す。
光吸収体を含むインクを吐出するためのインクジェット装置はピエゾ方式の塗布ヘッドを有する装置を用いた。塗布ヘッドにおける各ノズルの直径は20μmのノズルを使用した。所定の吐出波形をピエゾに印加させることで光吸収体を含むインク33の吐出を行った。吐出波形の調整を行うことで、所定の液滴量のインク33を吐出させることができる。
光吸収体を有するインク33としては、光吸収体としてカーボンブラックを含んだ紫外線硬化型の黒インクを使用した。(KIS−LED BLACK:株式会社DNPファインケミカル社製)インク粘度は、10mPa・sに調合された紫外線硬化型の黒インク(以下、黒インク)を使用した。
インクジェット装置の塗布ヘッドの下部に設置された搬送ステージにフレネルレンズ1を固定し、ステージの移動とインクジェット装置の塗布ヘッドから吐出させるインク33の吐出タイミングを制御することで、フレネルレンズ1の所定の位置にインク33を吐出させることができる。インクジェット装置の塗布ヘッドとフレネルレンズ1の表面とのギャップ距離は1.5mmで設定した。
まず、フレネルレンズ1の溝3の下底部に黒インクが着弾するように、インクジェット装置を調整した。インクジェット装置の塗布ヘッドから吐出される黒インクの液滴の量が2.5plになるように吐出波形を調整し、塗布のピッチ34が50μmになるように、吐出タイミングと搬送ステージの移動速度を調整して、溝3の下底部32に直径約25μmの黒いインク33の着弾痕を形成した。その後、紫外線照射装置から紫外線を照射させて、下底部32に黒いインク33による光吸収体36(第1ドット体)を形成した。
次に、フレネルレンズ1の溝3の側壁31の中心に黒いインク33が着弾するように、インクジェット装置を調整した。インクジェット装置の塗布ヘッドから吐出される黒いインク33の液滴の量が5plになるように吐出波形を調整し、塗布のピッチ37が50μmで、かつ、下底部32に形成した黒いインク33のピッチ34から半ピッチずらした位置になるように、吐出タイミングと搬送ステージの移動速度を調整して、側壁31に黒いインク33の着弾痕を形成した。その後、紫外線照射装置から紫外線を照射させることで、側壁31、および下底部32に濡れ広がりの少ない、少なくとも5μm以下の濡れ広がりで光吸収体40(第2ドット体)である黒インクの塗布膜を形成できた。
また、実施の形態においては、フレネルレンズ1の製造方法として説明をしたが、レンズの溝3が複数同心円上に形成される従来のフレネルレンズ1においても同様に適用することができる。その場合、インクジェット装置の塗布ヘッドから光吸収体を有するインク33を吐出させる時、塗布パターンを同心円の形状にし、レンズの溝3の下底部32、および側壁31にインク33が着弾するように、インクジェット装置による塗布パターンを調整すればよい。
本発明のフレネルレンズの製造方法は、垂直に近い形状に対して側壁のみにインクを塗布することが出来る。よって、フレネルレンズの製造だけでなく、各種、立体構造の側壁に対して塗布膜を形成する製造方法に適用することができる。例えば、3次元構造を有するデバイスの側壁へ機能膜の形成や立体形状のデザインの加飾など、広く利用されることができる。
1 フレネルレンズ
2 レンズ面
3 溝
4 光吸収体
20 架台
21 ステージ
22 ガントリー
23 塗布ヘッド
24 紫外線照射装置
25 支持フレーム
26 観察カメラ
27 ボールネジ
28 モータ
31 側壁
32 下底部
33 インク
34 ピッチ
35 幅
36 光吸収体(第1ドット体)
37 ピッチ
39 幅
40 光吸収体(第2ドット体)
45 波形状
50 光吸収体
101 フレネルレンズ
102 レンズ面
103 溝
104 光吸収体
105 搬送ベルト
106 被対象物
107 塗布ヘッド
108 ペースト
110 フレネルレンズ
111 ジグ
112 塗布ヘッド
113 インク
114 側壁
115 幅
116 幅

Claims (7)

  1. レンズ面に形成された複数の溝と、
    前記溝に形成された光吸収体と、を含み、
    前記光吸収体は波打ち形状を為しているフレネルレンズ。
  2. 前記光吸収体は、複数のドット体からなる請求項1記載のフレネルレンズ。
  3. 前記光吸収体は、溝の底部に複数の第1ドット体が前記溝に沿って並び、複数の第2ドット体が前記複数の第1ドット間に配列されている請求項1または2記載のフレネルレンズ。
  4. 前記第1ドット体の径は、前記第2ドット体の径より小さい請求項3記載のフレネルレンズ。
  5. 前記複数の第1ドット体のピッチは、側壁の幅と同等長さのピッチである請求項3または4記載のフレネルレンズ。
  6. 前記第1ドット体は、カーボン粒子を含む請求項3〜5のいずれか1項に記載のフレネルレンズ。
  7. ノズルから光吸収体を有するインクを、フレネルレンズの溝の下底部にドット状で吐出させる第1工程と、
    前記ドット状のインクを硬化させる第2工程と、
    前記インクを、前記溝の側壁に対してドット状に吐出させる第3工程と、
    前記側壁に吐出させたインクを硬化させる第4工程と、
    を含むフレネルレンズの膜形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023098379A1 (zh) * 2021-12-03 2023-06-08 华为技术有限公司 心率检测模组及电子设备

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