JP2018100010A - 車両用空調装置の状態評価方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 鉄道車両の機器モニタリングデータを利用して、空調装置の故障発生を高い精度で事前に予測することができる車両用空調装置の状態評価方法を実現する。【解決手段】 鉄道車両に搭載されたデータ収集システムによって収集された車内実測温度情報を受信し記憶する第1ステップと、記憶された車内実測温度情報および目標温度情報に基づいて、車内実測温度が目標温度を超えているサイクル時間を車両ごとに日単位で算出する第2ステップと、前記サイクル時間を指標として車両用空調装置の状態を評価する第3ステップと、を含むようにした。【選択図】 図6

Description

本発明は、車両用空気調和装置(以下、単に空調装置と称する)の故障発生を事前に予測するために空調装置の状態を監視し評価する方法に関するものである。
鉄道車両にあっては、搭載されている空調装置が故障した場合、空調装置の動作を停止したまま車両を運行するのを回避する必要があるので、列車の運行に支障を来たすことがある。また、空調装置が故障してから修理するのでは、維持コストが高くなってしまう。
そこで、従来、鉄道車両用空調装置の故障の発生を診断もしくは事前に予測する技術として、例えば特許文献1や特許文献2に開示されている発明が提案されている。
このうち、特許文献1に開示されている鉄道車両用空調装置の故障診断方法は、高圧スイッチ,低圧スイッチ、サーマルリレー、室内熱交換器の出入口温度センサの故障を診断し、圧縮機の故障発生を未然に防止するというものである。
また、上記特許文献2に開示されている技術は、鉄道車両の機器モニタリングデータに含まれる設定温度と測定された温度との差分を算出し、その機器に関する許容範囲情報を参照して、算出された差分の値が許容範囲を超えているか否かを判定し、許容範囲を超えた回数を機器ごとにカウントして、そのカウントされた回数が所定回数を超えた場合に、その空気調和装置が故障する可能性があると判断するというものである。
特開2000−6802号公報 特開2009−18770号公報
上記特許文献1に開示されている鉄道車両用空調装置の故障を診断方法は、圧縮機の故障発生を未然に防止するものであるため、圧縮機以外の機器の機能低下による空調装置の不具合を事前に予測することができないという課題がある。
また、鉄道車両用空調装置は、ドアの開閉や乗車率等によって冷暖房の効き方に差異があり、車内温度が長時間に亘って設定温度を超える場合や短時間だけ車内温度が設定温度を超える場合などがある。そのため、上記特許文献2に開示されている発明のように、単に設定温度と測定された温度との差分が許容範囲を超えた回数をカウントして故障を判断する方法では、高精度の予測結果が得られないという課題がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、鉄道車両の機器モニタリングデータを利用して、ドアの開閉や乗車率等の条件の差異に影響されずに、空調装置の故障発生を高い精度で事前に予測することができる車両用空調装置の状態評価方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る車両用空調装置の状態評価方法は、
鉄道車両に搭載されたデータ収集システムによって収集された車内実測温度情報を受信し記憶する第1ステップと、
記憶された車内実測温度情報および目標温度情報に基づいて、車内実測温度が目標温度を超えているサイクル時間を車両ごとに日単位で算出する第2ステップと、
前記サイクル時間を指標として車両用空調装置の状態を評価する第3ステップと、
を含むようにしたものである。
上記方法によれば、車内実測温度が目標温度を超えているサイクル時間という従来にない新しい指標を用いて車両用空調装置の状態を評価するため、ドアの開閉や乗車率等の条件の差異に影響されずに、精度の高い評価が可能となる。その結果、空調装置の故障発生を高い精度で事前に予測することができる。
ここで、望ましくは、前記第2ステップにおいては、算出されたサイクル時間内における最大の超過温度を車両ごとに日単位で算出する処理をさらに行い、
前記第3ステップにおいては、前記第2ステップで算出されたサイクル時間および最大超過温度をパラメータとして標本をプロットしたグラフにおける主集団を内包する境界線を算出する処理と、算出された境界線と前記第2ステップで算出されたサイクル時間および最大超過温度とを比較して車両用空調装置の状態を評価する処理と、を実行するようにする。
主集団を内包する境界線を算出し、算出された境界線とサイクル時間および最大超過温度とを比較して車両用空調装置の状態を評価するようにしているので、サイクル時間と最大超過温度という2つの指標を用いて車両用空調装置の状態を評価するため、より精度の高い評価が可能となる。
また、望ましくは、前記車両用空調装置の状態を評価する処理においては、前記第2ステップで算出されたサイクル時間および最大超過温度が前記境界線を越えた回数を計数し、その計数値が予め設定した所定回数よりも大きいか否か判定し、計数値が予め設定した所定回数よりも大きい場合に異常を知らせる情報を出力するようにする。
このように、サイクル時間および最大超過温度が境界線を越えた回数を計数し、当該計数値が予め設定した所定回数よりも大きいか否か判定して異常を知らせる情報を出力することにより、比較的簡単な処理により故障の予兆の有無の判定を行うことができるとともに、判定結果および報知の信頼性を高めることができる。
さらに、望ましくは、前記車両用空調装置の状態を評価する処理においては、前記境界線を越えた回数の変化率を算出し、当該変化率が予め設定した所定値よりも大きいか否か判定し、変化率が予め設定した所定回数よりも大きい場合に異常を知らせる情報を出力するようにする。
このように、境界線を越えた回数の変化率を算出し、変化率が予め設定した所定値よりも大きいか否か判定して異常を知らせる情報を出力することにより、回数のみに基づいて判定する場合に比べていち早く異常の発生を報知することができる。
また、望ましくは、前記第2ステップにおいては、当該ステップで算出されたサイクル時間内において目標温度または設定温度が変化している期間の車内実測温度情報を算出対象から外し、当該ステップで算出されたサイクル時間内において目標温度または設定温度が変化していない期間の車内実測温度情報に基づいて最大超過温度を算出し、前記境界線との比較を行うようにする。
このように、目標温度または設定温度が変化している期間の車内実測温度情報を算出対象から外すことにより、判定の際のノイズとなる情報を除去することができるため、より精度の高い判定結果を出力することが可能となる。
本発明によれば、鉄道車両の機器モニタリングデータを利用して、ドアの開閉や乗車率等の条件の差異に影響されずに、空調装置の故障発生を高い精度で事前に予測することができるという効果がある。
本発明に係る車両用空調装置の状態評価方法を実施する上で必要なデータを収集するシステムの概略構成を示したブロック図である。 図1のデータ収集システムにより収集されたデータの変化を示すグラフである。 本発明の一実施形態に係る車両用空調装置の状態評価方法における空調温度指標(最大超過温度とサイクル時間)の概念を示すグラフである。 収集されたデータを最大超過温度およびサイクル時間をパラメータとして示したグラフである。 図4に示したデータをフィルタリングして残ったデータを最大超過温度およびサイクル時間をパラメータとして示したグラフである。 本発明の一実施形態に係る車両用空調装置の状態評価方法における処理の手順を示すフローチャートである。 実施形態に係る車両用空調装置の状態評価方法におけるしきい値の設計の考え方を示す図である。 収集された他のデータを最大超過温度およびサイクル時間をパラメータとしてプロットするとともに、図6のフローチャートのステップS5で算出された境界線の例を示したグラフである。
以下、本発明に係る車両用空調装置の状態評価方法の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
本発明に係る車両用空調装置の状態評価方法は、走行中の列車の実測温度データに基づいて、各車両の空調装置の性能を把握し、装置の劣化具合から故障発生を予測するものである。そこで、予測に必要なデータの収集システムおよび該データ収集システムにより収集されたデータに基づいて空調装置の劣化具合を判定し報知する状態評価システムのハードウェア構成について、図1を用いて先ず説明する。
図1には、走行中の列車からデータを収集するシステム10および収集されたデータに基づく空調装置の劣化具合を判定し報知する状態評価システム20の概要が示されている。
図1に示されているように、1編成の列車の各車両A,B,C……には、空調装置11A,11B,11C……およびその制御器(空調制御器)12A,12B,12C……が設けられている。本実施形態におけるデータ収集システム10は、列車に設けられているデータ伝送路13を利用して、各車両の空調制御器12A,12B,12C……から実測温度データを収集可能に構成されている。
なお、既存の列車には、各車両に搭載されている軌道変位検測装置等の各種計測機器からの情報を収集するシステム(データ伝送路)が設けられているものがあるので、そのような列車においては、既存のシステムを利用して空調制御器12A,12B,12C……から実測温度データを収集することができる。
各車両の室内温度は、車内機器の温度や外気温度の影響を直接受けない平均的な温度が望ましい。そのような温度としては、例えば各車両のほぼ中央の天井部に設けられている空調装置を構成する熱交換器(室内機)の空気取入れ口の近傍等の温度が考えられる。
そこで、本実施形態では、空調装置の空気取入れ口の近傍等に温度センサを設置して、該温度センサの検出温度を空調制御器12A,12B,12C……を介して収集するように構成されている。この検出温度は、空調制御器12A,12B,12C……が各車両の空調装置を制御するのに使用する検出温度としても利用できるものである。なお、車内の複数個所に温度センサを設置して、それらの検出温度を収集して平均をとるようにしても良い。
具体的には、車両ごとに設けられている伝送端末装置14A,14B,14C……が空調制御器12A,12B,12C……から所定周期(例えば10秒)で実測温度データを取得し、データ伝送路13を介して例えば先頭車両(1号車)に設けられている中央端末装置15へ伝送する。中央端末装置15は、データ伝送路13を介して収集したデータを、車両識別情報(号車情報)と共に例えばハードディスクや半導体メモリのような記憶装置を備えた記録装置16に格納し、無線通信機能を有する送信ユニット17が地上側装置である状態評価システム20へ収集データを定期的に送信するように構成されている。記録装置16には、当該列車の識別情報(編成番号)が格納されており、中央端末装置15が収集データを送信する際には、列車の識別情報と車両識別情報を付加して送信する。
なお、記録装置16は、サーバーであっても良い。中央端末装置15は、各車両の空調制御器12A,12B,12C……へ目標温度等の指令を送信する機能を備え、各車両の空調制御器12A,12B,12C……は、受信した目標温度と温度センサの検出温度に基づいて、各空調装置11A,11B,11C……へ制御信号を送って稼働状態の制御を行う。
空調装置の状態評価システム20は、車上側のデータ収集システム10の送信ユニット17から送信された収集データを受信するデータ受信部21と、受信した収集データを記憶するハードディスクや半導体メモリのようなデータ格納部22を備える。また、空調装置の状態評価システム20は、受信したデータ(実測温度データおよび目標温度)を列車識別情報および車両識別情報ごとに分析して空調劣化状態の判定基準となるしきい値としての境界線を算出する境界線算出部23と、算出された境界線と収集されたデータとを比較して空調劣化状態を判定する判定処理部24と、判定結果を記憶する結果格納部25と、アラート(警報)情報を外部の携帯情報端末30等へ送信するアラート発信部26を備える。
なお、上記境界線算出部23および判定処理部24の機能は、CPU(マイクロプロセッサ)のような演算装置、ROMやRAMなどの記憶装置、キーボードのような入力装置および表示装置のような出力装置を備えたパーソナルコンピュータと、その記憶装置に記憶されるプログラムとによって実現することができる。かかるパーソナルコンピュータのハードウェア構成自体は自明であるのでその図示は省略する。
次に、空調装置の状態評価システム20における境界線算出処理と空調劣化状態判定処理の詳細を、本発明を開発するに至った過程とともに説明する。
本発明者らは、本発明の空調装置状態評価システムの開発に先立って、走行中の列車における車内温度および外気温度の変化を示すデータを、空調装置の関連情報と共に取得する試験を行なった。
図2に、通常の営業列車における試験で得られた各種データの推移の一例を、横軸に時間をとって示した。図2は、外気の最高気温が36.7℃に達した7月の平日の5時〜17時の時間帯に走行した列車の任意の車両で取得したデータの推移を示すグラフである。図2のグラフにおいて、(A)は車内温度の推移、(B)は外気温度の推移、(C)はドアの開閉状態の推移をそれぞれ表わしている。空調装置の設定温度Tsは25℃とした。
本発明者らは、図2(A)の車内温度の推移に着目して分析を行なった。その結果、車内温度は、図3(A)に示すように、設定温度Tsである25℃を超えて上昇した後、25℃より下がるという変化を繰り返していること、25℃を超えている時間は毎回異なっていることが分かった。
そこで、図3(B)に示すように、目標温度を超えている時間をサイクル時間と定義するとともに、目標温度を超えた1サイクル時間内で最も実測温度と目標温度との差が大きかった温度(ΔTmax)を最大超過温度と定義した。そして、7月〜8月の約2か月間の試験で得られた実測値を、上記1サイクル時間と最大超過温度とをパラメータとして、グラフに表わしてみた。図4がそのグラフである。
図4より、バラツキはあるものの、概ね最大超過温度は4℃以下、サイクル時間は50分以下に収まっていることが分かる。また、これらの集団から外れているものについて、条件を調べたところ、図4において、破線A1で囲まれた範囲のデータは車両起動直後の空調装置の稼働による冷房効果が充分でない時間帯のもの、破線A2で囲まれた範囲のデータは空調装置の稼働を強制的にオフにした改修作業中のものであることが分かった。従って、これらのデータを無視(フィルタリングで除去)して空調装置の状態を評価したとしても何ら支障ないとの結論に達した。
さらに、7月〜8月の約2か月間の試験で得られた実測値から上記特殊時間帯のデータを除去、つまり乗客を乗せて走行する営業運転中(乗車率10%以上)に限定した1車両のデータを、1サイクル時間と最大超過温度とをパラメータとし、横軸と縦軸のスケールを図4よりも拡大してグラフに表わしてみた。図5がそのグラフである。図5において、破線B1で囲まれた範囲のデータは気温が高い時間帯でドアが開いたときのもの、破線B2で囲まれた範囲のデータは外気温が26℃程度の低い時間帯(車内温度が設定温度を下回る前に空調が切れていた時間帯)で発生したものであることが分かった。
前記分析結果および試験結果から、本発明者らは、以下に説明するような空調装置の状態評価方法を開発した。
図6は、図1に示す空調装置の状態評価システム20の境界線算出部23および判定処理部24によって実行される処理の手順を示すフローチャートである。なお、以下に説明する処理は、評価対象の列車の車両ごとに実行される。
図6に示すように、空調装置の状態評価システム20は、先ず、評価対象の車両(列車)が営業開始から1年以内のものであるか否か判定する(ステップS1)。営業開始から1年以内の判定を行うのは、正常な状態の空調装置の稼動による実績データを評価の基礎データとして取得するとともに、通年(全季節)のデータを取得しておくのが望ましいためである。なお、本実施例の評価方法は、空調装置の劣化の進み具合を把握するためのものであるので、通年のデータを取得できれば、営業開始から1年以内の車両についてのデータ取得に限定されるものでない。
上記ステップS1で、営業開始から1年以内のものである(Yes)と判定すると、ステップS2へ移行して、しきい値となる境界線の算出処理を開始し、営業走行中であるか否か判断する。そして、営業走行中でない(No)と判定すると境界線の算出のための計算をしないで当該処理を終了する。判断の基礎データとして、営業走行中の実績データを用いているためである。また、ステップS2で営業走行中である(Yes)と判定すると、ステップS3へ進み、各温度サイクル中に基準温度(目標温度、設定温度)の変化があったか否か判定する。そして、温度サイクル中に基準温度の変化があったときは、境界線の算出のための計算をしないで当該処理を終了する。
一方、ステップS3で、温度サイクル中に基準温度(目標温度)の変化がないと判定すると、ステップS4へ進み、各温度サイクル中における最大超過温度ΔTmaxとサイクル時間Tcycを算出する。その後、ステップS5へ進んで、図4の左下の集団を内包する境界線を算出し、境界線情報を記憶装置に格納して処理を終了する(ステップS6)。
ここで、境界線は、取得したデータ(標本)をフィルタリングした後、最大超過温度ΔTmaxおよびサイクル時間Tcycをパラメータとしてプロットしたグラフが、図5に示すような分布である場合には符号C1で示すような直線、図8に示すような分布である場合には、符号C1で示すような直線でも良いし、符号C2で示すような折れ線でも良い。なお、符号C3で示す線は、設計上許容できる最大温度である。図8は、空調制御が図5に示すものと異なる車両について得られた実測値をプロットしたものである。また、■は弱冷房車の実測値、◇は弱冷房車以外の車両の実測値である。
ステップS5における境界線の算出の仕方としては、例えば、コンピュータが予め記憶装置に格納されている基本となる境界線を表わす直線あるいは折れ線を、図5や図8に示すようなグラフが表示されている表示画面上に重ねて表示し、オペーレータがその画面を見ながら、入力装置を用いて直線の傾きや折れ線の変曲点の座標を、分布に応じて変更する指示を入力することで実行させることができる。
また、境界線は、直線あるいは折れ線に限定されず、曲線であっても良い。かかる曲線は、コンピュータが、例えば図5や図8に示すドットの中から、左下の主集団から最も右方向へ離れているもの(サイクル時間の長いもの)のうち数個および最も上方向へ離れているもの(最大超過温度の大きいもの)のうち数個を抽出し、抽出した数個のドット同士を結ぶ直線を描画してそれらの直線群に対する包絡線を算出することで得ることができる。なお、判定に余裕を持たせるため、算出した包絡線を、左下の主集団から離れる方向へ所定量だけ移動したものを境界線として決定しても良い。
最初のステップS1で、評価対象車両が営業開始から1年以内でない(No)と判定すると、ステップS7へ移行して、空調装置の状態評価処理を開始し、営業走行中であるか否か判断する。そして、営業走行中でない(No)と判定すると境界線の算出のための計算をしないで当該処理を終了する。また、ステップS7で営業走行中である(Yes)と判定すると、ステップS8へ進み、各温度サイクル中に基準温度(目標温度、設定温度)の変化があったか否か判定する。そして、温度サイクル中に基準温度の変化があったときは、空調装置の状態評価をしないで当該処理を終了する。
一方、ステップS8で、温度サイクル中に基準温度(目標温度)の変化がないと判定すると、ステップS9へ進み、各温度サイクル中における最大超過温度ΔTmaxとサイクル時間Tcycを算出する。
その後、ステップS10へ進んで、算出された値とステップS6で記憶装置に格納した境界線情報とを比較して、境界線を越えた回数を計数する(ステップS11)。そして、境界線を越えた回数(カウント値)が所定の回数以上であるか否か判定する(ステップS12)。ここで、境界線を越えた回数(カウント値)が所定の回数以上である(Yes)と判定すると、ステップS13へ移行してアラートを発信(もしくはアラームを発報)してから、ステップS17へ進んで判定結果を記憶装置に格納して当該処理を終了する。境界線を1度でも越えたらアラートを発信することも考えられるが、境界線を越えた回数が所定の回数以上となった場合にアラートを発信することで、報知の信頼性を高めることができる。
また、ステップS12で、境界線を越えた回数(カウント値)が所定の回数以上でない(No)と判定すると、ステップS14へ進んでカウント値の変化率(前日比)を算出し、算出された変化率が所定値以上であるか否か判定する(ステップS15)。そして、算出された変化率が所定値以上である(Yes)と判定すると、ステップS16へ移行して、アラートを発信してから、ステップS17へ進んで判定結果を記憶装置に格納して当該処理を終了する。変化率が所定値以上であるか否かの判定(ステップS15)を行うことで、境界線を越える回数が少なくても急に回数の変化率が大きくなった場合にはアラートを発信して注意を促すことができる。また、回数のみに基づいて判定する場合に比べていち早く異常の発生を報知することができる。
図7(A)にステップS12の判定のイメージを、図7(B)にステップS15の判定のイメージを、横軸に日付をとって示す。
空調装置が故障する前であっても、空調装置の劣化が進むと冷房性能が低下し、同一の温度条件下においても、最大超過温度ΔTmaxが徐々に増加するとともにサイクル時間Tcycが徐々に長くなり、境界線を越える回数が次第に多くなる。また、空調装置の劣化が進むと、回数の変化率が次第に高くなると予想される。図6に示す空調装置の状態評価処理のフローチャートでは、図7(A)に示すように境界線を越える回数が次第に多くなって所定回数をオーバーするか、図7(B)に示すように回数の変化率が急に高くなって所定値をオーバーすると、アラートを発信するため、空調装置の故障の予兆を的確に捉えて異常の発生を報知することができる。
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではない。例えば、図6のフローチャートでは、ステップS12で境界線を越えた回数が所定の回数以上であると判定したとき、またはステップS15で回数の変化率が所定値以上であると判定したときにアラートを発信しているが、ステップS12で境界線を越えた回数が所定の回数以上であると判定しかつステップS15で回数の変化率が所定値以上であると判定したとき(論理積条件成立時)にアラートを発信するようにしてもよい。
また、上記実施例の空調装置の状態評価方法では、収集されたデータを最大超過温度およびサイクル時間をパラメータとして示したグラフにおいて境界線を設定し、該境界線を越えた回数が所定の回数以上であると判定したときにアラートを発信しているが、サイクル時間が所定時間よりも長いものを計数し、該計数値が所定値以上である場合にアラートを発信する、つまりサイクル時間のみを指標としてアラートを発信するようにしてもよい。
さらに、上記実施例では、本発明を車両用の空調装置の状態評価に適用した場合について説明したが、本発明は車両用の空調装置に限定されず、施設や建物などの空調装置にも利用することができる。
10 データ収集システム
20 地上側装置(状態評価システム)
11A,11B,11C 空調装置
12A,12B,12C 空調制御器
13 データ伝送路
14A,14B,14C 伝送端末装置
15 中央端末装置
16 記録装置
17 送信ユニット
21 データ受信部
22 データ格納部
23 境界線算出部
24 判定処理部
25 結果格納部
26 アラート発信部

Claims (5)

  1. 鉄道車両に搭載されたデータ収集システムによって収集された車内実測温度情報を受信し記憶する第1ステップと、
    記憶された車内実測温度情報および目標温度情報に基づいて、車内実測温度が目標温度を超えているサイクル時間を車両ごとに日単位で算出する第2ステップと、
    前記サイクル時間を指標として車両用空調装置の状態を評価する第3ステップと、
    を含むことを特徴とする車両用空調装置の状態評価方法。
  2. 前記第2ステップにおいては、算出されたサイクル時間内における最大の超過温度を車両ごとに日単位で算出する処理をさらに行い、
    前記第3ステップにおいては、前記第2ステップで算出されたサイクル時間および最大超過温度をパラメータとして標本をプロットしたグラフにおける主集団を内包する境界線を算出する処理と、算出された境界線と前記第2ステップで算出されたサイクル時間および最大超過温度とを比較して車両用空調装置の状態を評価する処理と、を実行することを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置の状態評価方法。
  3. 前記車両用空調装置の状態を評価する処理においては、前記第2ステップで算出されたサイクル時間および最大超過温度が前記境界線を越えた回数を計数し、その計数値が予め設定した所定回数よりも大きいか否か判定し、計数値が予め設定した所定回数よりも大きい場合に異常を知らせる情報を出力することを特徴とする請求項2に記載の車両用空調装置の状態評価方法。
  4. 前記車両用空調装置の状態を評価する処理においては、前記境界線を越えた回数の変化率を算出し、当該変化率が予め設定した所定値よりも大きいか否か判定し、変化率が予め設定した所定回数よりも大きい場合に異常を知らせる情報を出力することを特徴とする請求項3に記載の車両用空調装置の状態評価方法。
  5. 前記第2ステップにおいては、当該ステップで算出されたサイクル時間内において目標温度または設定温度が変化している期間の車内実測温度情報を算出対象から外し、当該ステップで算出されたサイクル時間内において目標温度または設定温度が変化していない期間の車内実測温度情報に基づいて最大超過温度を算出し、前記境界線との比較を行うことを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の車両用空調装置の状態評価方法。
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