JP2018096264A - 内燃機関の燃料噴射制御装置 - Google Patents

内燃機関の燃料噴射制御装置 Download PDF

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Kunimi Kanayama
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Abstract

【課題】NOxパージ制御の時に、シリンダの壁面温度に応じてポスト噴射による燃焼を安定して行う。
【解決手段】シリンダの壁面温度が低い場合に、ポスト噴射の時期を基準時期である時刻t4から時刻t3に進角し、シリンダの壁面温度が十分に昇温されていない状態であっても、着火遅れにd2に対応して燃料を噴射し、シリンダの壁面が通常の温度の場合と同様の燃焼を行う。
【選択図】図4

Description

本発明は、内燃機関に噴射される燃料量を制御する内燃機関の燃料噴射制御装置に関する。
内燃機関(例えば、ディーゼルエンジン)の排気ガスに含まれる窒素酸化物(NOx)を低減する技術として、リーン空燃比の運転中に排気ガス中のNOxを吸蔵(吸着)し、理論空燃比もしくはリッチ空燃比の運転中に吸蔵されたNOxを放出還元するNOx吸蔵触媒を備えた排気浄化装置が知られている。
NOx吸蔵触媒を備えた排気浄化装置では、リーン空燃比の運転が所定時間継続すると、主噴射とは別に燃料を噴射するポスト噴射を実施している。ポスト噴射により、排気温度を一時的に上昇させて、吸蔵されたNOxを放出して浄化還元(NOxパージ)が実施され、NOx吸蔵触媒の再生が行われる(特許文献1参照)。ポスト噴射は、例えば、膨張行程の前半から中盤にかけて燃料が気筒内(シリンダ内)に噴射され、排気ガスがリッチ化される。
NOxパージでは、ポスト噴射を行うことで、膨張行程のシリンダ内で燃焼が実施されるが、シリンダ内の圧力・温度が低下してから燃料が噴射されるため着火まで時間がかかり、シリンダの壁面に噴霧が衝突してから燃焼する。従って、噴霧の着火性能はシリンダの壁面温度に影響される。
ポスト噴射の噴射時期は、燃焼が定常安定後の状態で適合することが一般的である。排気温度を高くするNOxパージの制御は、排気温度が低い通常運転の制御から切り替わるため、NOxパージの制御に切り替わった直後は、シリンダの壁面温度が十分に昇温されていない状態の場合が考えられる。このため、ポスト噴射による燃焼が不安定になる虞があるのが現状である。
特開2016−176404号公報
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、内燃機関の気筒(シリンダ)の壁面温度に応じてポスト噴射による燃焼を安定して行うことができる内燃機関の燃料噴射制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための請求項1に係る本発明の内燃機関の燃料噴射制御装置は、内燃機関の気筒内に対し主噴射の後にポスト噴射を実施するポスト噴射手段と、前記気筒の壁面温度を導出する壁面温度導出手段と、前記壁面温度導出手段で導出された前記壁面温度に基づいて前記ポスト噴射手段によるポスト噴射の時期を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする。
請求項1に係る本発明では、気筒(シリンダ)の壁面温度に基づいてポスト噴射の噴射時期を基準時期に対して変更することで、シリンダの壁面温度に応じて、燃焼が安定する時期にポスト噴射の燃料を噴射することができる。ポスト噴射手段によるポスト噴射は、具体的には、NOx吸蔵触媒を昇温させてNOx吸蔵触媒からNOxを放出させるために実施される。
このため、内燃機関の気筒(シリンダ)の壁面温度に応じてポスト噴射による燃焼を安定して行うことが可能になる。
因みに、特許第5664483号公報には、気筒の壁面温度に応じて未燃ポスト噴射(燃料を気筒内で燃焼させることなく排気系に供給するためのポスト噴射)の燃料量を減少させる技術が開示されている。本願発明は、ポスト噴射の燃料を燃焼させる技術であり、しかも、ポスト噴射による燃料の噴射時期を制御する技術であるため、当該技術とは内容が相違するものである。
そして、請求項2に係る本発明の内燃機関の燃料噴射制御装置は、請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置において、前記制御手段は、前記壁面温度が所定温度よりも低い場合に、前記ポスト噴射手段によるポスト噴射の時期を基準時期に対して進角させることを特徴とする。
請求項2に係る本発明では、シリンダの壁面温度が所定温度よりも低い場合に、ポスト噴射の噴射時期を進角することで、壁面温度が低い時にポスト噴射を早く行うことができ、着火遅れを加味して燃焼を実施し、シリンダ内の温度を適正に昇温して燃焼を安定させることができる。
また、請求項3に係る本発明の内燃機関の燃料噴射制御装置は、請求項2に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置において、前記制御手段は、前記壁面温度が低いほどポスト噴射の時期の進角の度合いを高めることを特徴とする。
請求項3に係る本発明では、シリンダの壁面温度が低いほどポスト噴射の時期を早めることで、シリンダの壁面温度に拘わらず着火遅れに対応した適正な時期にポスト噴射を実施することができる。
また、請求項4に係る本発明の内燃機関の燃料噴射制御装置は、請求項2もしくは請求項3に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置において、前記制御手段は、前記壁面温度が所定温度よりも低い低温所定温度以下になった場合に、ポスト噴射の時期の進角を停止して前記基準時期でポスト噴射を行うと共に、前記基準時期でのポスト噴射に対し進角して少量噴射を行うように、前記ポスト噴射手段を制御することを特徴とする。
請求項4に係る本発明では、シリンダの壁面温度が低温所定温度以下になった場合に、即ち、要求されるトルクが高くない状態の温度になった場合に、トルクを上げすぎることがないように、基準位置での(少ない量の)ポスト噴射の燃料で燃焼を行う。基準位置でのポスト噴射に先立ち、少量噴射を進角して行うことで、着火を安定させることができる。少量噴射の進角の時期は、通常のポスト噴射が最も進角した時期にほぼ等しい時期が好ましい。噴射量と噴射時期を適宜制御することで、トルクが上がり過ぎない状態で着火(燃焼)を適切に制御することができる。
また、請求項5に係る本発明の内燃機関の燃料噴射制御装置は、請求項4に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置において、前記制御手段は、前記ポスト噴射手段による、前記基準時期でのポスト噴射と前記少量噴射の総燃料量を、前記基準時期に対して進角させるポスト噴射の燃料量と等しく設定することを特徴とする。
請求項5に係る本発明では、シリンダの壁面温度が低温所定温度以下になってトルクを上げすぎることがないように、前記基準時期でのポスト噴射と少量噴射を行った場合でも、基準時期に対して進角させる通常のポスト噴射と同じ状態の空燃比を保つことができる。
また、請求項6に係る本発明の内燃機関の燃料噴射制御装置は、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置において、前記壁面温度導出手段は、前記内燃機関の排気ガスの温度の状況に基づいて前記気筒の壁面温度を推定することを特徴とする。
請求項6に係る本発明では、排気ガスの温度の情報に基づいてシリンダの壁面温度を導出することができる。
本発明の内燃機関の燃料噴射制御装置は、内燃機関の気筒(シリンダ)の壁面温度に応じてポスト噴射による燃焼を安定して行うことが可能になる。
本発明の一実施例に係る内燃機関の燃料噴射制御装置の系統を表す概略構成図である。 制御手段のブロック構成図である。 本発明の一実施例に係る内燃機関の燃料噴射制御装置の基本の動作の経時変化を説明するグラフである。 本発明の一実施例に係る内燃機関の燃料噴射制御装置の燃料噴射の信号の経時変化を説明するグラフである。
図1に基づいて本発明の一実施例の構成を説明する。図1には本発明の一実施例に係る内燃機関の燃料噴射制御装置の系統を表す概略構成を示してある。
図に示すように、車両に搭載される内燃機関としての多気筒ディーゼルエンジン(エンジン)1の排気管2にはNOx吸蔵触媒21、及び、ディーゼル微粒子捕集フィルター22が備えられている。エンジン1の気筒(シリンダ)内にはピストン5が往復動自在に備えられ、ピストン5とシリンダヘッド6との間で燃焼室7が形成されている。ピストン5の往復運動によってクランクシャフトが駆動される。
シリンダヘッド6には吸気ポートを介して吸気管12が接続され、吸気ポートは吸気バルブにより開閉される。また、シリンダヘッド6には排気ポートを介して排気管2が接続されている。排気ポートは排気バルブにより開閉される。シリンダヘッド6には各気筒の燃焼室7に燃料を直接噴射する燃料噴射弁9が設けられ、燃料噴射弁9には図示しないコモンレールから燃料が供給される。燃料噴射弁9は、制御手段10からの噴射信号に基づいて駆動され、所定の時期に所定量の燃料が燃焼室7内(シリンダ内)に噴射される。
吸気管12及び排気管2の途中部にはターボチャージャ15が設けられ、ターボチャージャ15は排気管2側にタービンが備えられ、タービンに連結されたコンプレッサが吸気管12側に備えられている。エンジン1の排気ガスが排気管2からターボチャージャ15に送られると、排気ガスの流れによりタービンが回転し、タービンの回転に伴ってコンプレッサが回転して吸気管12内の吸気が過給される。
ターボチャージャ15(コンプレッサ)の上流側における吸気管12にはエアフローセンサー13が設けられ、ターボチャージャ15(タービン)の下流側における排気管2には、排気温度センサー14が設けられている。また、エンジン1には、冷却水温を検出する水温センサー11が設けられている。
ターボチャージャ15の下流側の吸気管12にはインタークーラー16が配され、過給された吸気はインタークーラー16で冷却されて燃焼室7に送られる。インタークーラー16の下流側の吸気管12には、吸気管12を開閉するスロットルバルブ17が設けられ、スロットルバルブ17の開閉状況がスロットル開度センサー20で検出される。スロットルバルブ17の下流側の吸気管12には、吸気の温度を検出する吸気温度センサー18、吸気管内の圧力を検出するインマニ圧センサー19が備えられている。
ターボチャージャ15の上流側の排気管2には高圧EGR管31の一端が接続され、高圧EGR管31の他端はスロットルバルブ17の下流側(ターボチャージャ15の下流側)の吸気管12に連通している。高圧EGR管31の吸気管12との接続部には高圧EGRバルブ33が設けられている。
高圧EGRバルブ33を開くことで、ターボチャージャ15の上流側の排気管2を流れる排気ガスの一部が高圧EGR管31に導入され、高圧EGR管31に導入された排気ガスはターボチャージャ15の下流側の吸気管12に供給される。排気ガスの一部を吸気に還流させることで、エンジン1の燃焼室7内の燃焼温度を低下させ、NOxの排出量を低減させることができる。
水温センサー11、エアフローセンサー13、排気温度センサー14、吸気温度センサー18、インマニ圧センサー19、スロットル開度センサー20の検出情報は、制御手段10に入力される。制御手段10では、燃料噴射弁9の駆動が制御される。
NOx吸蔵触媒21は、排気空燃比がリーン雰囲気の時にNOxを吸蔵し、排気空燃比がストイキもしくはリッチ雰囲気の時に吸蔵したNOxを還元して浄化するものである。リーン空燃比の運転が所定時間継続すると、NOx吸蔵触媒21にはNOxが吸蔵されるため、主噴射とは別に燃料を噴射するポスト噴射を実施して吸蔵されたNOxを放出して浄化還元(NOxパージ)が実施される。
排気温度を高くするNOxパージの制御(NOxパージ制御)は、排気温度が低い通常運転の制御から切り替わるため、NOxパージ制御に切り替わった直後は、シリンダの壁面温度が十分に昇温されていない状態の場合が考えられ、ポスト噴射による燃焼が不安定になることが考えられる。
このため、本実施例では、シリンダの壁面温度に応じてポスト噴射の噴射時期を制御し、シリンダの壁面温度に拘わらずポスト噴射による燃料の燃焼を安定させるようにしている。
図2に基づいて制御手段10を具体的に説明する。図2には制御手段10のブロック構成を示してある。
図に示すように、制御手段10には主噴射手段25が備えられている。主噴射手段25では、通常制御時における主噴射とプレ噴射の噴射信号を燃料噴射弁9に出力する。また、シリンダの壁面温度を導出するための壁面温度導出手段26が備えられ、壁面温度導出手段26で導出されたシリンダの壁面温度の情報はポスト噴射手段27に送られる。ポスト噴射手段27では、NOxパージ制御時におけるシリンダの壁面温度に応じた噴射時期を設定し、ポスト噴射、少量噴射の噴射信号を燃料噴射弁9に出力する(具体的には後述する)。
壁面温度導出手段26では、水温センサー11、エアフローセンサー13、排気温度センサー14、吸気温度センサー18、インマニ圧センサー19、スロットル開度センサー20の検出情報に基づいて、シリンダの壁面温度が推定される(導出される)。シリンダの壁面温度は、排気マニホールドの温度とエンジン1の水温とにより推定される。
排気マニホールドの温度は、排気温度センサー14によりターボチャージャ15の出口(タービンの出口)の排気ガスの温度が検出されることにより求められる。つまり、ターボチャージャ15の出口の排気ガスの温度とタービンの仕事量とに基づいて排気温度の低下を判断することで、排気マニホールドの温度が推定される。タービンの仕事量は、排気温度センサー14により検出されるターボ出口の排気ガスの温度と、ターボチャージャ15(コンプレッサ)の仕事量で推定される。
即ち、ターボチャージャ15で仕事をした後の排気ガスの温度(低下した温度)が排気温度センサー14で検出され、コンプレッサの仕事量、及び、検出された温度に基づいて、ターボチャージャ15(タービン)で仕事をする前の(低下する前の)温度である排気マニホールドの温度が推定される。
コンプレッサの仕事量は、ターボチャージャ15のコンプレッサの上流の圧力・温度と、ターボチャージャ15のコンプレッサの下流の圧力・温度とで推定される。つまり、エアフローセンサー13、吸気温度センサー18、インマニ圧センサー19、スロットル開度センサー20(スロットル開度面積)の検出情報に基づいて、コンプレッサの仕事量が推定される。
上述したように、コンプレッサの仕事量に応じてタービンの仕事量が推定され、タービンの仕事量、及び、排気温度センサー14の検出情報により、排気マニホールドの温度が推定される。そして、排気マニホールドの温度と、水温センサー11で検出されるエンジン1の水温の情報とにより、シリンダの壁面温度が推定される。
尚、シリンダの壁面温度の推定を排気ガスの温度に基づいて推定したが、壁面温度の導出は、排気ガスの温度を用いずに行うことも可能である。例えば、冷却水温の検出値、及び、燃焼時に発生した熱量を燃焼サイクル毎に平均する等した値を基に、シリンダの壁面温度を推定することも可能である。
図3に基づいて燃料噴射制御装置の動作を説明する。図3には燃料噴射制御装置の基本の動作の経時変化を示してある。
時刻t1までの通常制御では、図3(a)に示すように、主噴射量が多くされ、図3(b)に示すように、ポスト噴射量はゼロにされている。図3(c)に示すように、シリンダの壁面温度は低い状態に維持され、図3(e)に示すように、トルクが一定に維持されている。
時刻t2でNOxパージ制御に移行すると、図3(a)に示すように、主噴射量が減らされ、図3(b)に示すように、ポスト噴射量が多くされる。図3(c)に示すように、シリンダの壁面温度が徐々に上昇し、NOxパージ制御に移行して所定時間経過後(時刻t3)、壁面温度が高温に維持される。図3(d)に示すように、シリンダの壁面温度が低い状態に応じてポスト噴射時期が進角側に制御され、着火遅れに応じて燃料が早期に供給され、図3(e)に示すように、トルクが一定に保たれる。
図3(d)に点線で示すように、ポスト噴射時期を進角しない場合、図3(e)に示すように、時刻t1でトルクが一旦低下し、時刻t2に至る時間でトルクが一定に回復する。このため、シリンダの壁面温度が低い状態でポスト噴射時期を進角しない場合、NOxパージ制御の移行時にトルクが低下し、乗り心地が悪化することになる。
本実施例では、シリンダの壁面温度が低い状態に応じてポスト噴射時期が進角側に制御されるので、着火遅れに応じて燃料が早期に供給されてポスト噴射による燃焼を安定させることができる。このため、NOxパージ制御の移行時であってもトルクが一定に保たれるので、乗り心地が悪化することがない。
ポスト噴射の進角側への制御は、シリンダの壁面温度の情報に対して補正を加えることができる。例えば、ポスト噴射の実行時のシリンダ内の圧力・温度・酸素濃度・燃料量を基に、ポスト噴射の着火遅れ時間、または、噴射から燃焼重心までの時間を推定し、目標の着火時期、または、燃焼重心となるように、ポスト噴射の時期を補正することが可能である。
図4に基づいてNOxパージ制御に移行する際の燃料の噴射信号の状況を具体的に説明する。図4には燃料噴射の信号の経時変化(クランク角に対する変化)を示してある。
図4(a)は通常温度での燃料噴射信号に基づく熱発生率の経時変化、図4(b)は通常温度での燃料噴射信号の状況の経時変化、図4(c)は所定温度以下での燃料噴射信号の状況の経時変化、図4(d)は低温所定温度以下での燃料噴射信号の状況の経時変化である。
図4(b)に示すように、圧縮上死点(TDC)の前の時刻t1でプレ噴射の信号が出力され、圧縮上死点(TDC)の時刻t2で主噴射の信号が出力される。この場合、図4(a)に示すように、プレ噴射、及び、主噴射に応じて熱発生が起こる。
図4(b)に示すように、時刻t4(基準時期)でポスト噴射の信号が出力され、着火遅れ時間d1経過後の時刻t5で燃料が着火し、時間T経過後の時刻t6が燃焼重心となる。
このように、シリンダの壁面温度が通常温度の場合、着火遅れ時間d1に応じた時刻t4(基準時期)でポスト噴射が実行される。これにより、膨張行程のシリンダ内で燃焼が実施され、排気温度を一時的に上昇させて、吸蔵されたNOxを放出して浄化還元(NOxパージ)が実施される。
図4(c)に示すように、シリンダの壁面温度が所定温度以下になると、噴霧の着火性能が低下し、着火まで時間がかかる。このため、燃焼が定常安定する着火時期である時刻t5に着火される着火遅れ時間d2を確保するために、燃料噴射時期を進角する。即ち、時刻t4(基準時期)から着火遅れ時間d2を考慮した時刻t3でポスト噴射の信号が出力される。
これにより、着火遅れ時間d2経過後の時刻t5で燃料が着火し、通常温度と同様に、時間T経過後の時刻t6が燃焼重心となる。
図4(c)に点線で示すように、シリンダの壁面温度に応じて、所定温度との温度差により、即ち、着火遅れ時間d3に基づいて、時刻t3から時刻t4の間の任意の時刻でポスト噴射の信号を出力することができる。これにより、時刻t5で燃料を着火させて通常温度と同様の燃焼状態を得ることができる。
上述したように、シリンダの壁面温度が低いほどポスト噴射の時期の進角の度合いが高められている。このため、シリンダの壁面温度が低いほどポスト噴射の時期を早めることで、シリンダの壁面温度に拘わらず着火遅れに対応した適正な時期にポスト噴射を実施することができる。
図4(d)に示すように、シリンダの壁面温度が所定温度よりも低い低温所定温度以下になると、ポスト噴射の時期の進角を停止して基準時期である時刻t4でポスト噴射を行う信号が出力されると共に、基準時期でのポスト噴射に対し進角して少量噴射を行う信号が出力される。即ち、着火遅れ時間d2に基づいて、時刻t3で少量噴射を行う信号が出力されてシリンダ内に少量の燃料が噴射されて火種が作られる。そして、時刻t4(基準時期)でポスト噴射を行う信号が出力されて燃料が噴射され、火種が存在するシリンダ内で燃焼が実施される。
つまり、シリンダの壁面温度が低温所定温度以下になった時に、即ち、要求されるトルクが高くない状態の温度になった時に、トルクを上げすぎることがないように、進角しないポスト噴射で燃焼を行う。進角しないポスト噴射に先立ち、少量噴射を進角して行うことで、着火を安定させることができる。少量噴射の進角の時期は、通常のポスト噴射(時期を進角させるポスト噴射)が最も進角した時期(時刻t3)にほぼ等しい時期が好ましい。噴射量と噴射時期を適宜制御することで、トルクが上がり過ぎない状態で着火(燃焼)を適切に制御することができる。
そして、進角しないポスト噴射と少量噴射の総燃料量は、時期を進角させるポスト噴射の燃料量と等しく設定されている。このため、シリンダの壁面温度が低温所定温度以下になってトルクを上げすぎることがないように、進角しないポスト噴射、少量噴射を行った場合でも、通常のポスト噴射(時期を進角させるポスト噴射)と同じ状態の空燃比を保つことができる。
上述した内燃機関の燃料噴射制御装置は、シリンダの壁面温度に応じてポスト噴射の時期を制御しているので、即ち、壁面温度が低い場合にポスト噴射の時期を進角しているので、ポスト噴射の噴射時期を、燃焼が定常安定後の状態で適合させることができる。つまり、排気温度が低い通常運転の制御(シリンダの壁面温度が十分に昇温されていない状態の制御)から切り替わるNOxパージ制御の時に、ポスト噴射の時期を進角しているので、シリンダの壁面温度が十分に昇温されていない状態であっても、着火遅れに対応して通常の温度の場合と同様の燃焼を行うことができる。
従って、NOxパージ制御の時に、エンジン1のシリンダの壁面温度に応じてポスト噴射による燃焼を安定して行うことが可能になる。
尚、上述した実施例では、ディーゼルエンジンを例に挙げて説明したが、シリンダ内に燃料を直接噴射する直噴エンジンで、ポスト噴射(多段噴射)が可能なエンジンであれば本発明を適用することができる。
本発明は、内燃機関の燃料噴射制御装置の産業分野で利用することができる。
1 多気筒ディーゼルエンジン(エンジン)
2 排気管
5 ピストン
6 シリンダヘッド
7 燃焼室
9 燃料噴射弁
10 制御手段
11 水温センサー
12 吸気管
13 エアフローセンサー
14 排気温度センサー
15 ターボチャージャ
16 インタークーラー
17 スロットルバルブ
18 吸気温度センサー
19 インマニ圧センサー
20 スロットル開度センサー
21 NOx吸蔵触媒
22 ディーゼル微粒子捕集フィルター
25 主噴射手段
26 壁面温度導出手段
27 ポスト噴射手段
31 高圧EGR管
33 高圧EGRバルブ

Claims (6)

  1. 内燃機関の気筒内に対し主噴射の後にポスト噴射を実施するポスト噴射手段と、
    前記気筒の壁面温度を導出する壁面温度導出手段と、
    前記壁面温度導出手段で導出された前記壁面温度に基づいて前記ポスト噴射手段によるポスト噴射の時期を制御する制御手段とを備えた
    ことを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
  2. 請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置において、
    前記制御手段は、
    前記壁面温度が所定温度よりも低い場合に、前記ポスト噴射手段によるポスト噴射の時期を基準時期に対して進角させる
    ことを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
  3. 請求項2に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置において、
    前記制御手段は、
    前記壁面温度が低いほどポスト噴射の時期の進角の度合いを高める
    ことを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
  4. 請求項2もしくは請求項3に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置において、
    前記制御手段は、
    前記壁面温度が所定温度よりも低い低温所定温度以下になった場合に、ポスト噴射の時期の進角を停止して前記基準時期でポスト噴射を行うと共に、前記基準時期でのポスト噴射に対し進角して少量噴射を行うように、前記ポスト噴射手段を制御する
    ことを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
  5. 請求項4に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置において、
    前記制御手段は、
    前記ポスト噴射手段による、前記基準時期でのポスト噴射と前記少量噴射の総燃料量を、前記基準時期に対して進角させるポスト噴射の燃料量と等しく設定する
    ことを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置において、
    前記壁面温度導出手段は、
    前記内燃機関の排気ガスの温度の状況に基づいて前記気筒の壁面温度を推定する
    ことを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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