JP2018096206A - 悪臭防止型排水設備 - Google Patents

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美帆 磯野
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要 栗田
博 打田
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博 打田
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剣明 カク
健太 東海林
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健太 東海林
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和也 平本
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Abstract

【課題】簡易な構造で、ポンプのモータ部を冷却することのできる手段を提供する。【解決手段】羽根車に接続される主軸と一体に回転するロータ及びロータの外周側に設けられたステータを収容するモータフレームと、羽根車を収容するポンプケーシングと、を備えるポンプと、ポンプの吐出口に接続される吐出配管と、を含む悪臭防止型排水設備が提供される。悪臭防止型排水設備は、ポンプケーシング及び吐出配管の少なくとも一方から分岐して配置される少なくとも1つの管状部を含み、少なくとも1つの管状部は、ポンプの吸込口から吸い込まれる水を、モータフレームに放出するように構成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、悪臭防止型排水設備に関する。
一般に汚水、廃水、または河川水等を水槽に一時貯留し、ポンプで排水する設備では、その液体にごみや汚物が含まれることがある。特に地下構造を備える建築物においては、地階部分で生じた汚水等はもちろんのこと、建物内で発生した汚水も地下に設置された大きな排水槽又は汚水槽(ピット、又はビルピットとも呼ばれる)に一時貯留されることがある。これら一時貯留された液体は公共下水道管よりも下に位置しているので、ピット内に設置されたポンプによって汚水ますに汲み上げられ、汚水ますを介して公共下水道管に排水される。
図8は、建築物1100の地下部分に形成された排水設備を概略的に示す図である。図8に示すように、建築物1100の地階部分Bは、公共下水道管1180よりも下に位置している場合がある。従来、こうした地階部分Bで生じた汚水及び雑排水等(以下、汚水等という)は、流入管1181を介して更に下に設置された大きな排水槽(ピット)1185に一時貯留される。その後、汚水等は、排水槽1185内に設置された排水用のポンプ1190によって汚水ます1191に汲み上げられ、汚水ます1193を介して公共下水道管1180に排水される。なお、建築物1100の1階以上の部分で生じる汚水等は、直接に自然流下で汚水ます1191に排水する場合もある。
こうした設備では、ポンプ1190は、排水槽1185内の水位が所定の水位になった場合に運転が開始される。しかし、排水槽1185内の水位が所定の水位まで至らずに排水槽1185の底部に汚水等が長時間残留すると、腐敗が進行して、公共下水道管1180への放流時にマンホール等から悪臭が発生する場合がある。
上記問題は、排水槽1185が大きすぎることにより、水槽底面の面積が大きく、残留する汚水等の水量が多くなるために顕著になっている。これを改善するため図8に示す排水槽1185においては、排水槽1185の底盤1187にポンプ1190に向けて下降する勾配を設けたり、ポンプ1190を設置する部分の底盤1187に凹部1189を設けたりしている。また、ポンプ1190の運転方法を改善して、例えばポンプオフ水位WL2までポンプ1190を運転した後、さらに所定時間にわたってポンプ1190の運転を継続するようにして、できるだけ残留する汚水等の水量を減らすようにしている。
しかしながら上記のように改善しても、残留する汚水や雑排水の量は依然として多く、汚水や雑排水の腐敗進行を抑制するまでには至っていない。このため、大きな排水槽(ピット)内に小型の筒形水槽(バレル)等を配置して、小型の水槽内にポンプを採用した悪臭防止型排水設備が提案されている(たとえば特許文献1)。
図7に、従来の水中ポンプの構成例を示す。この例では、水中ポンプは、主軸1を駆動するモータ部2と、主軸1の回転によって揚水を行うポンプ部3とを備えている。また、ポンプ部3の圧力水がモータ部2側へ漏洩しないように、ポンプ部3とモータ部2の間が上部メカニカルシール4a及び下部メカニカルシール4bで2重に軸封されている。
モータ部2には、主軸1と一体に回転するロータ5と、ステータ巻線6を備えたステータ7とがモータ室8内に収納されている。このモータ室8は、上方に開口した略円筒状のモータフレーム10とモータフレーム10の上端に連結したモータカバー11で水密的に
封止されているとともに、上部には、水中ケーブル12が接続されている。
主軸1は、モータカバー11に取付けた上部軸受13とモータフレーム10の下端に連結した負荷側ブラケット14の内周面に取付けた下部軸受15を介して回転自在に支承されている。尚、16は、モータカバー11の上面に設けられた、ピット内への吊下げや移動を行なう把手である。
ポンプ部3は、複数の羽根50を有し主軸1の先端にこれと一体に回転するように連結されたポンプ用羽根車51を備えている。羽根車51は、ポンプケーシング52に収容される。ポンプケーシング52は、吐出口52aと吸込口52bを有するポンプ室53を画定し、ポンプケーシング52の底面から汚水を吸い込んで側面から吐出するようになっている。吐出口52aには、吐出曲管24が連結されている。ポンプケーシング52には、ポンプを自立させるようにしたポンプ台55が取付けられている。
メカニカルシール4a,4bが、メカニカルシール室31内に配置されている。メカニカルシール室31は、負荷側ブラケット14とポンプケーシング52とを接続する中間ケーシング30と負荷側ブラケット14とで区画されている。メカニカルシール4a,4bの寿命を長くするため、中間ケーシング30と羽根車51のボス部との間にオイルシール32が組み込まれて、砂等の異物がメカニカルシール摺動面に接近するのを防いでいる。
上記したような水中ポンプは、通常、上記したような小型の水槽又はピット内で水没状態で使用される。小型の水槽又はピット内の汚水の水位が低下し、水中ポンプのモータ部2が気中に露出されると、モータ部2、特にステータ7が過熱する。これにより、モータ部2が故障する可能性がある。従って、水中ポンプのモータ部2の発熱による温度上昇を防止するため、水中ポンプは、所定の停止水位が決められており、停止水位に達すると運転が停止される。
特許4455742号公報
しかし、汚水から発生する悪臭に対する防止策として、排水運転終了時の汚水の残留量を少なくして腐敗を抑制することが好ましい。すなわち、停止水位はできるだけ低く設定することが望ましい。従って、簡易な構造で、ポンプのモータ部を冷却することのできる手段が必要とされている。
形態1によれば、羽根車に接続される主軸と一体に回転するロータ及びロータの外周側に設けられたステータを収容するモータフレームと、羽根車を収容するポンプケーシングと、を備えるポンプと、ポンプの吐出口に接続される吐出配管と、を含む悪臭防止型排水設備であって、ポンプケーシング及び吐出配管の少なくとも一方から分岐して配置される少なくとも1つの管状部を含み、少なくとも1つの管状部は、ポンプの吸込口から吸い込まれる水を、モータフレームに放出するように構成されている、悪臭防止型排水設備が提供される。この構成によれば、例えば、ポンプの運転中に、ポンプが配置されるバレル、パネル式水槽等の小型水槽又はピット内の水位が低下してモータ部が気中に露出されても、管状部から放出される水によってポンプのモータ部を冷却することができる。従って、ポンプの停止水位を従来よりも低く設定することができる。
形態2によれば、形態1の悪臭防止型排水設備において、管状部は、ポンプケーシングの側部またはそれより上方の位置でポンプケーシングと接続する。
形態3によれば、形態1または2の悪臭防止型排水設備において、悪臭防止型排水設備は、管状部の内部に配置されるフィルター部材を有する。
形態4によれば、形態1〜3のいずれかの悪臭防止型排水設備において、悪臭防止型排水設備は、吐出配管に配置される弁と、吐出配管に配置される弁とポンプの吐出口との間に連結される洗浄用配管と、洗浄用配管に配置される弁と、を有する。
形態5によれば、形態1〜4のいずれかの悪臭防止型排水設備において、流出口を備える水槽を備えており、流出口がポンプの吸込口に連結されており、ポンプは、さらに、モータフレームの外周面を取り囲む冷却ジャケットを備えており、冷却ジャケットは、管状部の開口に連通可能な上部開口と、水槽に連通可能な下部開口と、下部開口に連結される戻り配管と、を有し、戻り配管は、水槽に連通可能な吐出口を有する。
形態6によれば、形態5の悪臭防止型排水設備において、上部開口はステータより上方の位置に形成されており、下部開口はステータより下方の位置に形成されている。
形態7によれば、回転することにより水を移送可能に構成された羽根車と、羽根車に接続される主軸と、主軸と一体に回転するロータ及びロータの外周側に設けられたステータを収容するモータフレームと、羽根車を収容するポンプケーシングと、モータフレームの外周面を取り囲む冷却ジャケットと、を備えるポンプと、ポンプの吐出口に連結される吐出配管と、を含む悪臭防止型排水設備であって、冷却ジャケットは、ポンプケーシングに連通可能であるように少なくとも部分的に開放された下端部を有しており、ポンプの吐出口が、冷却ジャケットに形成されている。この構成によれば、ポンプの移送対象である水を、ポンプのモータ部の冷却に使用することができる。また、冷却後の汚水は、そのままポンプから外部に移送されるので。戻り配管を設置する必要が無く、また、戻り配管によるエネルギー損失も無い。
形態8によれば、形態7の悪臭防止型排水設備において、ポンプの吐出口が、ステータより上方の位置に形成されている。
形態9によれば、形態7または8の悪臭防止型排水設備において、悪臭防止型排水設備は、吐出配管に配置される弁と、吐出配管に配置される弁とポンプの吐出口との間に連結される洗浄用配管と、洗浄用配管に配置される弁と、を含む。
形態10によれば、主ポンプ及び補助ポンプを備える悪臭防止型排水設備であって、補助ポンプは、補助ポンプの吐出口に接続される冷却用配管を有し、冷却用配管は、主ポンプに水を放出するように構成されている、悪臭防止型排水設備が提供される。この構成によれば、冷却専用の補助ポンプによって主ポンプを冷却することができるので、主ポンプは、本来の排水処理のためにのみ仕事を行うことができる。
形態11によれば、形態10の悪臭防止型排水設備において、悪臭防止型排水設備は、冷却用配管の内部に配置されるフィルター部材を有する。
形態12によれば、羽根車に接続される主軸と一体に回転するロータ及びロータの外周側に設けられたステータを収容するモータフレームと、羽根車を収容するポンプケーシングと、を備えるポンプであって、ポンプケーシングから分岐して配置される少なくとも1つの管状部を含み、少なくとも1つの管状部は、ポンプの吸込口から吸い込まれる水を、
モータフレームに放出するように構成されている、ポンプが提供される。
形態13によれば、形態12のポンプにおいて、管状部は、ポンプケーシングの側部またはそれより上方の位置でポンプケーシングと接続する。
形態14によれば、形態12または13のポンプにおいて、ポンプは、管状部の内部に配置されるフィルター部材を有する。
形態15によれば、回転することにより水を移送可能に構成された羽根車と、羽根車に接続される主軸と、主軸と一体に回転するロータ及びロータの外周側に設けられたステータを収容するモータフレームと、羽根車を収容するポンプケーシングと、モータフレームの外周面を取り囲む冷却ジャケットと、を備えるポンプであって、冷却ジャケットは、ポンプケーシングに連通可能であるように少なくとも部分的に開放された下端部を有しており、ポンプの吐出口が、冷却ジャケットに形成されている、ポンプが提供される。
形態16によれば、形態15のポンプにおいて、ポンプの吐出口が、ステータより上方の位置に形成されている。
本発明の第1実施形態によるポンプシステムを概略的に示す図である。 第1実施形態の変形例を概略的に示す図である。 第1実施形態の変形例を概略的に示す図である。 図2Aの管状部を示す上面図である。 本発明の第2実施形態によるポンプシステムを概略的に示す図である。 本発明の第3実施形態によるポンプシステムを概略的に示す図である。 本発明の第4実施形態によるポンプシステムを概略的に示す図である。 本発明の第5実施形態によるポンプシステムを概略的に示す図である。 従来の水中ポンプの内部構造の例を概略的に示す図である。 従来の排水設備を概略的に示す図である。 パネル式汚水槽が配置される排水設備を概略的に示す図である。 図9のパネル式汚水層を、パネル部材の一部を省略して示す斜視図である。 ピット内へのパネル部材の搬入を模式的に示す図である。
以下、本発明の実施形態を添付図面とともに説明する。添付図面において、同一または類似の要素には同一または類似の参照符号が付され、各実施形態の説明において同一または類似の要素に関する重複する説明は省略することがある。また、各実施形態で示される特徴は、互いに矛盾しない限り他の実施形態にも適用可能である。尚、以下の説明において、「上」「下」等の方向を示す用語は、各図に示すポンプシステムの設置状態について用いられる。
ここで、図9〜図11を参照して、本発明の各実施形態において使用され得る小型水槽の一例としてのパネル式汚水槽について説明する。パネル式汚水層は、複数のパネル部材を統合して形成されることができる。例えば、図9に示す例では、パネル式汚水槽1112は、建築物(例えばビル)1100の地階部分Bの下側に設置した排水槽であるピットP内に設けられた悪臭防止型排水設備1000に配置されている。ピットPには、開口(マンホール)1115が形成されており、開口1115には蓋1116が取り付けられている。悪臭防止型排水設備1000は、図9に示すように、ピットP内に設けられたパネル式汚水槽1112と、この汚水槽1112内に設置されたポンプ20と、を備える。ポンプ20は、排水用の公知のポンプであり、汚水槽1112に貯留した汚水等を外部に排
水するために設けられている。
汚水槽1112は、全体として略直方体状(箱状)であり、底面1112a、側面1112b、及び上面1112cにより画定される内部空間を有している。この汚水槽1112には、上面1112cに開口部1113が形成されており、開口部1113は蓋1114で覆われている。開口部1113は、ポンプ20の上方に形成され、ポンプ20が通過可能な大きさに形成されている。図9の例では、汚水槽1112内に2台のポンプ20が設置され、各ポンプ20に対応して開口部1113および蓋1114が設けられている。これにより、例えば吊り具を用いてポンプ20を鉛直方向に移動させ、ポンプ20を汚水槽1112内に設置したり汚水槽1112から取り出したりすることができ、汚水槽1112の汚水を抜くことなく、ポンプ20の交換およびメンテナンス等を実施することができる。
汚水槽1112には、蓋1114を貫通して流入管1123が内部に挿入されている。流入管1123は、ピットPの蓋1116を通じて地階部分Bより配管され、地階部分Bにおいて発生した汚水等を汚水槽1112内に流入する。また、汚水槽1112には、蓋1114を貫通して流出管1121が内部に挿入されている。流出管1121は、汚水槽1112内でポンプ20の吐出口に接続されると共に、ピットPの蓋1116を貫通して逆流防止弁1117と仕切弁1118を介して汚水ます1191に接続されている。図示の例では、流出管1121は、汚水槽1112内で2台のポンプ20の吐出口のそれぞれに接続され、汚水槽1112の外で且つピットP内で統合されて汚水ます1191側に接続されている。つまり、2台のポンプ20は、外部に対して並列に接続されている。なお、流出管1121は、ピットP内で統合されるものに限定されず、汚水槽1112内で統合されてもよいし、それぞれが逆流防止弁1117および仕切弁1118を通過した後に統合されてもよい。また、流入管1123および流出管1121は、汚水槽1112の蓋1114とピットPの蓋1116とを貫通するものに限定されず、汚水槽1112の側面1112bまたは上面1112cを貫通してもよいし、ピットPの側面または上面を貫通して配管されてもよい。
汚水槽1112の底面1112aには、ポンプ20の吸込口が挿入される円筒状の凹部である釜場1124が形成されている。ここで、ポンプ20には、釜場1124の深い位置まで吸込口が至るようにノズルが取り付けられてもよい。このように、汚水槽1112の底面に釜場1124が形成されていることにより、汚水槽1112内の汚水等が釜場1124に案内され、ポンプ20の排水運転が終了したときに汚水等の残留量を少なくして汚水槽1112内の腐敗を抑制できる。なお、釜場1124は、複数のポンプ20に対してそれぞれに設けられてもよいし、複数のポンプ20に共通する釜場1124が設けられてもよいし、特定のポンプ20だけに対して釜場1124が設けられてもよい。また、図9の例では、汚水槽1112の底面1112aは、ポンプ20から遠いほど高さが大きく、ポンプ20に近いほど高さが小さくなる傾向に傾斜が設けられている。これにより、汚水槽1112内の汚水等を更に効果的に釜場1124(ポンプ20)に案内することができ、悪臭の発生を防止できる。
また、図9に示すように、汚水槽1112の底面1112aには水位センサ1125が設置されている。この水位センサ1125は圧力式であり、底面1112aに設置することで現在の水位を測定することができるものである。
図10は、パネル部材の一部を省略して汚水槽1112を示す斜視図であり、図11は、ピット内へのパネル部材の搬入を模式的に示す図である。図10に示すように、汚水槽1112は、複数のパネル部材1120が連結されることにより形成されている。複数のパネル部材1120のそれぞれは、汚水槽1112の底面1112a、側面1112b、
および、上面1112cを画定する。なお、図9では、一点鎖線によって汚水槽1112における複数のパネル部材1120の区切りを示している。図9〜図11に示す例では、底面1112aおよび天面1112cが3枚×5枚のパネル部材1120により形成されていると共に側面が高さ2枚で形成されて、計62枚のパネル部材1120で汚水槽1112が形成されている。ただし、こうした例に限定されず、汚水槽1112は任意の枚数のパネル部材1120で形成されればよい。
複数のパネル部材1120は、例えば樹脂または金属により形成される。また、パネル部材1120は、複数層の素材により形成されてもよく、例えば断熱性に優れた繊維強化プラスチック(FRP)、合成樹脂発泡体、及び、合成樹脂外装などが積層されて形成されてもよい。複数のパネル部材1120のそれぞれは、ピットPに形成されている開口(マンホール)1115を通過できるように、一辺の長さLpが開口1115の径Dmよりも小さくなっている。例えば、本実施形態では、ピットPの開口1115は径Dmが600mmの円柱状であり、複数のパネル部材1120のそれぞれは、板面の各辺が径Dmより小さく、略500mm四方である。ただし、複数のパネル部材1120は、それぞれが同一の大きさの板面形状である必要はなく、例えば底面を画定するパネル部材1120と側面を画定するパネル部材1120とで大きさが異なっていてもよい。また、パネル部材1120は、板面の各辺の長さが開口1115の径Dmより小さいものに限定されず、板面の長辺が径Dmより大きいと共に短辺が径Dmより小さくてもよい。このようにパネル部材1120の大きさが決められることにより、図11に示すように、開口1115を通じて地階部分BからピットP内にパネル部材1120を搬入することができる。このため、地階部分BとピットPとに新たに開口を形成しなくても、パネル部材1120をピットP内に搬入できる。
複数のパネル部材1120のうち、ポンプ20の上方の上面1112cを構成するパネル部材1120には、開口部1113が形成されて蓋1114が設けられている。また、ポンプ20が設置される底面1112aを構成するパネル部材1120には、釜場1124が形成されている。ここで、上記したように釜場1124は凹部であり、他の底面1112aを構成するパネル部材1120と比べて下方に突出する。このため、この例では、汚水槽1112を支持する架台1119が設けられている。この架台1119は、釜場1124の深さDhよりも大きい高さHtとなっている(図10参照)。架台1119は、例えば金属、樹脂、またはコンクリート等で形成され、図示しないアンカーボルト等で汚水槽1112と接続される。このように架台1119を設けることにより、汚水槽1112の下方にできる隙間をすべてコンクリートで埋めたり釜場1124に対応したピットP底面に穴をあけたりすることなく、汚水槽1112をピットP内に設置することができる。
次に、汚水槽1112をピットP内に設置する方法について説明する。汚水槽1112をピットP内に設置するときには、まず、汚水槽1112を組み立てるための複数のパネル部材1120を用意する。つまり、ピットPに形成されている開口1115の径Dmよりも一辺(少なくとも板面における短辺)の長さLpが小さい複数のパネル部材1120を用意する。続いて、用意した複数のパネル部材1120を地階部分Bから開口1115を通じてピットP内に搬入する(図11参照)。そして、ピットP内にて複数のパネル部材1120を組み立てることによって汚水槽1112が形成される。このときには、架台1119の上に汚水槽1112が形成されればよい。また、ポンプ20は、汚水槽1112が組み立てられた後に開口部1113を通じて汚水槽1112内に設置されてもよいし、ポンプ20が内部に位置する状態で汚水槽1112が組み立てられてもよい。さらに、複数のパネル部材1120は、ビス等を用いて連結されてもよいし、接着または溶着によって連結されてもよい。また、汚水槽1112を補強するために、汚水槽1112の内部と外部との少なくとも一方に補強部材が設けられてもよい。組み立てられた汚水槽111
2は、汚水等の流路(流出管1121、流入管1123)および図示しない通気口を除いて密閉されることが好ましい。こうすれば、ピットPおよび地階部分Bに悪臭が生じるのを抑制できる。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態によるポンプシステム(換言すれば、悪臭防止型排水設備)100を概略的に示す図である。ポンプシステム100は、ポンプ60と、ポンプ60の吐出口63aに接続される吐出配管70と、を備えている。ポンプ60は、回転することにより水を移送可能に構成された羽根車と、羽根車に接続される主軸と、主軸と一体に回転するロータ及びロータの外周側に設けられたステータを収容するモータフレーム61と、羽根車を収容するポンプケーシング63と、を備える点で、図7に示す水中ポンプと共通している。図1では、羽根車等を含む、ポンプ60の内部構成要素は図示を省略されている。
第1実施形態では、ポンプ60は、従来のバレル又は上記のパネル式汚水槽(図9〜図11参照)等の小型水槽又はピット内に配置されることができる。従って、ポンプ60は、建物の地階部分に設置されるピット内に設置されてよい。図示の例では、ポンプ60は、ピット内に配置される汚水槽101内に配置されている。
第1実施形態では、ポンプケーシング63と吐出配管70の各々から分岐するように配置される、管状部(換言すれば、分岐部)80、90が設けられている。管状部80の基端部はポンプケーシング63内に開口し、管状部90の基端部は、吐出配管70内に開口している。しかし、管状部80、90は、ポンプケーシング63及び吐出配管70のうち少なくとも一方に配置されていればよい。管状部80及び管状部90は、それぞれ、モータフレーム61に水を放出するように構成された開口81、91を有している。本実施形態では、水は、ポンプ60の吸込口63bから吸い込まれた汚水の一部である。
管状部80、90は、ポンプケーシング63及び吐出配管70と同様に金属で形成されていてもよいし、ホース等の可撓性を有する樹脂、ゴム等の非金属製のチューブであってもよい。また、管状部80、90は、ポンプケーシング63及び吐出配管70と一体的に形成されてもよいし、別個の部材としてポンプケーシング63及び吐出配管70に取り付けられてもよい。
図1の例では、管状部80は、基端側の開口から実質的に水平方向に延びる下側側方伸長部分80aと、下側側方伸長部分80aから上方に延びる上方伸長部分80bと、上方伸長部分80bから実質的に水平方向に延びる上側側方伸長部分80cと、を有する。下側側方伸長部分80aは、ポンプケーシング63との連結位置において、ポンプケーシング63に対して(換言すれば、ポンプケーシング63内の汚水の流れ方向に対して)実質的に接線方向に延びていることが好ましい。開口81は、モータフレーム61に面するように上側側方伸長部分80cに形成されている。しかし、管状部80の形状及び開口81の向きは、図1の例に限られない。モータフレーム61に向けて水を放出可能であれば、開口81は、例えば、図1における上方に向けて開口していてもよい。その場合、上側側方伸長部分80cは省略することができ、開口81は、上方伸長部分80bに形成することができる。また、図1Aに示すように、管状部80は、ポンプ60の最上部まで延びて、開口81が、モータフレーム61の上部で開口していてもよい。
吐出配管70内に開口する管状部90は、吐出配管70の側面から実質的に水平方向に延びている。管状部90は、モータフレーム61に向けて開口する開口91を有している。しかし、管状部80と同様に、モータフレーム61に水を放出可能である限り、管状部90の形状及び開口91の向きは、図1の例に限られない。
管状部80、90の開口81、91から放出される汚水によって、ポンプ60のモータ部が冷却される。モータ部の発熱は、主にステータのステータ巻線で生じるので、管状部80、90の開口は、ステータより上方の位置に配置されることが好ましい。また、モータの上部軸受(図7の13を参照)も高温になることが知られている。従って、ステータだけでなく上部軸受も十分に冷却することができるように、管状部80、90の開口を上部軸受よりも上方の位置に配置することがさらに好ましい。
こうして、第1実施形態によれば、ポンプ60の運転中に汚水槽101内の水位が低下し、モータ部が気中に露出されても、管状部80、90から放出される汚水によって、常にモータ部を冷却することができる。従って、ポンプ60の停止水位を従来よりも低く設定することができる。従って、汚水槽101内の汚水の残留量を小さくすることができ、これにより、汚水槽101の悪臭の発生を防止することができる。
尚、各管状部80、90は、少なくとも1つの開口81、91を有していればよい。すなわち、各管状部80、90は、単一の開口81、91を有していてもよいし、複数の開口81、91を有していてもよい。管状部が複数の開口を有する一例を、図2A及び図2Bに示す。
図2A及び図2Bに示す管状部80Aは、ポンプケーシング63から分岐して延びている。管状部80Aは、図1の上側側方伸長部分80cに代えて、上方伸長部80bから実質的に水平な平面内を延びる環状部80dを有している。環状部80dの内周側から半径方向に延びる複数の上側側方伸長部分180が設けられている。上側側方伸長部分180の開口181から、モータフレーム61に汚水が放出される。尚、上記したように、管状部80、80A、90は、可撓性を有していてもよい。従って、図1等に示す上側及び下側側方伸長部分は、必ずしも図示されるような水平方向に延びていなくてもよい。
しかし、管状部80、80A.90の形状及び開口81、181、91の配置は、図1〜図2Bの例に限られない。例えば、それぞれ、単一の開口を有する複数の管状部80がポンプケーシング63から延びていてもよい。また、吐出配管70から分岐する管状部90が、上記の環状部80dを形成するように構成されていてもよい。また、管状部80、80A.90が複数の開口81、181、91を有する場合、複数の開口は、汚水をスプレー状又はジェット状に放出することができる複数の小孔であってもよい。汚水をスプレー状又はジェット状に放出することにより、モータフレーム61の表面の広い領域を冷却することができる。また、複数の開口81、181、91がそれぞれ異なる高さに配置されてもよい。
管状部80、80Aがポンプケーシング63から分岐する位置は特に限られないが、ポンプケーシング63の底面以外の位置、具体的には、ポンプケーシング63の側部またはそれより上方の位置であることが好ましい。これにより、汚水は、羽根車による遠心力の作用を十分に受けて管状部80、80A内を上昇することができる。また、管状部80、80Aは、ポンプ60の吐出口63aの近傍でポンプケーシング63から分岐することが好ましい。具体的には、図2Bの矢印Cで示すように、羽根車の回転方向Rに関して吐出口63aから吐出口63aの手前180度の範囲内の位置で分岐することが好ましい。
また、管状部80、80A、90の内部にフィルター部材(図示せず)が配置されてもよい。これにより、モータフレーム61に放出される汚水中の異物を予め取り除くことができ、モータフレーム61に汚水中の異物が付着することを防止することができる。
[第2実施形態]
図3に、第2実施形態によるポンプシステム200を概略的に示す。第2実施形態では、ポンプ60の吐出口63aに接続された吐出配管70に、洗浄用配管201が連結されている。洗浄用配管201は、ポンプ60の吐出口63aと、吐出配管70に配置される弁70Aとの間に連結されている。弁70Aは、吐出配管70からポンプ60へ向かう流体の流れを阻止する逆止弁であってよい。洗浄用配管201は、流体源202に接続されており、流体源202と吐出配管70との間に弁201Aが設けられている。弁201Aは、吐出配管70から流体源202へ向かう流体の流れを阻止する逆止弁であってよい。例えばメンテナンスのためにポンプ60を汚水槽101から引き上げる場合等には、ポンプ60の運転を停止した後、ポンプ60を吐出配管70から分離する前に、洗浄用配管201を通して吐出配管70に、例えば空気等の流体を供給することができる。これにより、吐出配管70及びポンプケーシング63の内部に付着した汚水、異物等を空気で吹き飛ばすことができる。また、吐出配管70及びポンプケーシング63に供給された空気の一部を、管状部80、90からモータフレーム61に放出することによって、モータフレーム61の外部に付着した汚水、異物等を吹き飛ばすことができる。この目的のため、図3のように吐出配管70に管状部90が設けられている場合は、洗浄用配管201は、弁70Aと管状部90との間に連結されていることが好ましい。こうして、ポンプ60の内部及び外部に付着した汚水、異物等を空気で吹き飛ばすことができる。
尚、流体源202から供給される流体は、例えば、浄水等の液体であってもよい。浄水を供給する場合は、例えば、いったんポンプ60内を浄水で満たした後、ポンプ60を通常通りに運転してポンプ60内の水を、吐出配管70及び管状部80、90を通して排出することができる。その後、上記したように空気を流体源202から供給してもよい。
尚、図示の例では、ポンプ60は、ピット内に配置される汚水槽101内に配置されている。しかし、第1実施形態と同様に、ポンプ60は、従来のバレル又は上記のパネル式汚水槽(図9〜図11参照)等の小型水槽又はピット内に配置されることができる。従って、ポンプ60は、建物の地階部分に設置されるピット内に設置されてよい。
[第3実施形態]
第3実施形態によれば、さらに、図4に示すようなポンプシステム300を提供することができる。ポンプシステム300のポンプ160は、回転することにより水を移送可能に構成された羽根車167と、羽根車167に接続される主軸161と、主軸161と一体に回転するロータ162及びロータ162の外周側に設けられたステータ163を収容するモータフレーム164と、羽根車167を収容するポンプケーシング166と、を備える。ポンプ160の吐出口63aには吐出配管70が接続される。尚、図4の例において、ポンプ160が設置される設置面Msは、ピットの底面である。
第3実施形態では、ポンプ160は、さらに、モータフレーム164の外周面を取り囲む冷却ジャケット165を備えている。冷却ジャケット165は、上部開口165Aと下部開口165Bとを有しており、モータフレーム164の外周面と冷却ジャケット165との間の空間は、上部開口165Aと下部開口165Bとを通じて冷却ジャケット165の外部と連通可能である。上部開口165Aはステータ163より上方の位置に形成されることが好ましく、下部開口165Bは、ステータより下方の位置に形成されていることが好ましい。
モータフレーム164に向けて水を放出するように構成された管状部90が、吐出配管70から分岐して延びている。第3実施形態では、管状部90は、その開口91が冷却ジャケット165の上部開口165Aと連通するように、冷却ジャケット165に取り付けられている。
ポンプシステム300は、流出口101Aと、流出口101Aより下方(換言すれば、汚水槽101の底面と流出口101Aとの間)に配置される開口101Bと、を備える汚水槽101を備えている。第3実施形態では、ポンプ160は、汚水槽101の外側に配置されており、流出口101Aが、ポンプ160の吸込口63bに吸込配管170を介して連結されている。開口101Bは、冷却ジャケット165の下部開口165Bに、戻り配管190を介して連通している。戻り配管190は、汚水槽101の開口101Bに接続される吐出口191を有している。
羽根車167の回転により汚水槽101から吸い込まれた汚水は、吐出配管70を通ってポンプシステム300の外部に移送される。吐出配管70を通る汚水の一部は、管状部90を流れ、冷却ジャケット165内で上部開口165Aからモータフレーム164に向けて放出される。冷却ジャケット165内を流れる汚水は、モータ部と熱交換し、モータ部を冷却する。熱交換後の汚水は、冷却ジャケット165の下部開口165Bを通って、戻り配管190に流入し、汚水槽101の開口101Bから汚水槽101内に戻る。汚水槽101における、流出口101A付近の底面には、ポンプ160に吸い込まれずに残った固形物が沈殿し易い。戻り配管190を通った汚水は、開口101Bから汚水槽101内にジェット流のように噴き出し、汚水槽101の底面に沈殿した固形物に衝突する。これにより、固形物を破砕することができる。こうして、汚水槽101の沈殿物を破砕し、流出口101Aからポンプ160に吸い込むことができる。また、上記ジェット流を、汚水槽101の流出口101Aに対向する壁面に衝突させて旋回流を生じさせ、汚水を吸い込み易くすることができる。
また、汚水槽101の底面に、流出口101Aに近づくほど低くなるような傾斜及び/又は流出口101A側で低くなるような段差が設けられている場合には、開口101Bからの汚水は傾斜面及び/又は段差面に衝突し、流出口101Aへ向かう旋回流を形成する。この場合、破砕された固形物が、旋回流によって一層容易にポンプ160内へ吸い込まれる。
こうして、第3実施形態によれば、移送対象である汚水を使用して、ポンプ160のモータ部を冷却することができるだけでなく、冷却後の汚水を利用して、汚水槽101中に堆積した異物を破砕し、ポンプ160が異物を容易に吸い込むことを可能にする。こうして、汚水槽101内の沈殿物を除去することができる。
[第4実施形態]
第4実施形態によれば、図5に示すポンプシステム400を提供することができる。図5のポンプシステム400は、回転することにより水を移送可能に構成された羽根車467と、羽根車467に接続される主軸461と、主軸461と一体に回転するロータ462及びロータ462の外周側に設けられたステータ463を収容するモータフレーム464と、羽根車467を収容するポンプケーシング466と、モータフレーム464の外周面を取り囲む冷却ジャケット465と、を備えるポンプ460と、ポンプ460の吐出口460Aに連結される吐出配管470と、を含む。
ポンプ460は、さらに、主軸461が貫通する貫通孔(符号省略)を有し且つポンプケーシング466と係合するポンプブラケット450と、主軸461を軸支する軸受部を有してモータフレーム464およびポンプブラケット450と係合する軸受ハウジング440と、を含むことができる。
冷却ジャケット465は、ポンプケーシング466に連通可能であるように少なくとも部分的に開放された下端部465Bを有している。図5の例では、冷却ジャケット465の下端部465Bは、ポンプブラケット450に形成された開口450Aを介してポンプ
ケーシング466に連通している。しかし、冷却ジャケット465の下端部465Bは、少なくとも部分的にポンプケーシング466に連通していればよく、そのための具体的な構造は、図5の例に限られない。
第4実施形態では、ポンプ460の吐出口460Aは、ポンプケーシング466ではなく、冷却ジャケット465に形成されている。図5の例では、冷却ジャケット465の上端面465Aに吐出口460Aが形成されている。吐出口460Aに吐出配管470が接続されている。
汚水は、吸込配管480から、これに接続されたポンプ460の吸込口460Bを通って、ポンプケーシング466内に吸い込まれる。吸い込まれた汚水は、冷却ジャケット465内に通じる開口450Aを通って、冷却ジャケット465内を上昇する。上昇した汚水は、そのまま、吐出配管470に吐出される。このような汚水の流れが、図5に矢印で示されている。第3実施形態によれば、移送対象である汚水を、モータ部の冷却に使用することができる。また、冷却後の汚水は、吸込配管480等に戻されることなく、ポンプ460から外部に排出される。従って、戻り配管を設置する必要が無く、また、戻り配管によるエネルギー損失も無い。ステータ463で発生する熱を十分に冷却するため、吐出口460Aは、ステータ463より上方の位置に形成されていることが好ましく、上部軸受よりも上方の位置に形成されていることがさらに好ましい。
[第5実施形態]
第5実施形態によれば、図6に示すポンプシステム500を提供することができる。図6のポンプシステム500は、主ポンプ501及び補助ポンプ502を備える。主ポンプ501は、例えば、図7に示すような従来の水中ポンプであってよく、従って、その内部構成は図示を省略されている。
補助ポンプ502もまた、回転することにより水を移送可能に構成された羽根車と、羽根車に接続される主軸と、主軸と一体に回転するロータ及びロータの外周側に設けられたステータを収容するモータフレームと、羽根車を収容するポンプケーシング503と、を備える点で、図7に示す水中ポンプと共通している。図6では、羽根車等を含む、補助ポンプ502の内部構成要素は図示を省略されている。補助ポンプ502では、ポンプケーシング503に設けられた吐出口504に冷却用配管505が接続されている。冷却用配管505は、主ポンプ501(具体的には、モータフレーム507)に水を放出するように構成された開口505Aを有している。本実施形態では、水は、補助ポンプ502の吸込口506から吸い込まれた汚水である。補助ポンプ502に吸い込まれた汚水は、ポンプシステム500の外部に移送されず、主ポンプ501のモータ部を冷却するためにのみ使用される。
冷却用配管505は、ポンプケーシング503と同様に金属で形成されていてもよいし、ホース等の可撓性を有する樹脂、ゴム等の非金属製のチューブであってもよい。また、冷却用配管505は、ポンプケーシング503と一体的に形成されてもよいし、別個の部材としてポンプケーシング503に取り付けられてもよい。
冷却用配管505の開口505Aから放出される汚水によって、主ポンプ501のモータ部(具体的には、モータフレーム507内のステータ)が冷却される。モータ部の発熱は、主にステータのステータ巻線で生じるので、冷却用配管505の開口505Aは、主ポンプ501のステータより上方の位置に配置されることが好ましく、主ポンプ501の上部軸受よりも上方の位置に配置することがさらに好ましい。
図6の例では、冷却用配管505の開口505Aは、主ポンプ501のモータフレーム
507に面するように配置されている。しかし、冷却用配管505の開口505Aの配置は、図6の例に限られない。開口505Aは、例えば、主ポンプ501の最上部で開口していてもよい。
主ポンプ501と補助ポンプ502とは、同じ汚水槽101内に配置することができる。主ポンプ501の運転中に汚水槽101内の水位が低下し、主ポンプ501のモータ部が気中に露出されても、補助ポンプ502の冷却用配管505から放出される汚水によって、常に主ポンプ501のモータ部を冷却することができる。従って、主ポンプ501の運転を停止させる停止水位を、従来よりも低く設定することができる。尚、補助ポンプ502は、主ポンプ501を冷却するためだけに使用されるので、主ポンプ501よりも停止水位の低い小型の水中ポンプを使用することができる。
尚、補助ポンプ502は、主ポンプ501の起動水位と異なる起動水位で起動されることができる。
冷却用配管505は、少なくとも1つの開口505Aを有していればよい。すなわち、冷却用配管505は、単一の開口505Aを有していてもよいし、複数の開口505Aを有していてもよい。また、冷却用配管505の形状及び開口505Aの配置は、図6の例に限られない。冷却用配管505が複数の開口505Aを有する場合、複数の開口505Aは、汚水をスプレー状又はジェット状に放出することができる複数の小孔であってもよい。汚水をスプレー状又はジェット状に放出することにより、主ポンプ501のモータフレーム507の表面の広い領域を冷却することができる。また、複数の開口505Aがそれぞれ異なる高さ位置に配置されてもよい。また、冷却用配管505は、図2A及び図2Bに示す環状部80dのような環状部を形成するように構成されていてもよい。その場合、冷却用配管505の環状部は、例えば、主ポンプ501のモータフレーム507を取り囲むように配置されることができ、環状部の内周側に形成される複数の開口505Aから汚水を放出することができる。
また、冷却用配管505の内部にフィルター部材(図示せず)が配置されてもよい。これにより、主ポンプ501のモータフレーム507に放出される汚水中の異物を予め取り除くことができ、主ポンプ501のモータフレーム507に汚水中の異物が付着することを防止することができる。
尚、図示の例では、主ポンプ501および補助ポンプ502は、ピット内に配置される汚水槽101内に配置されている。しかし、主ポンプ501および補助ポンプ502は、従来のバレル又は上記のパネル式汚水槽(図9〜図11参照)等の小型水槽又はピット内に配置されることができる。従って、主ポンプ501および補助ポンプ502は、建物の地階部分に設置されるピット内に設置されてよい。
以上、いくつかの例に基づいて本発明の実施形態について説明してきたが、上記した発明の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明には、その均等物が含まれることはもちろんである。また、上述した課題の少なくとも一部を解決できる範囲、または、効果の少なくとも一部を奏する範囲において、特許請求の範囲および明細書に記載された各構成要素の任意の組み合わせ、または、省略が可能である。
本発明は、悪臭防止型排水設備に広く適用することができる。
Ms 設置面
100、100A、200、300、400、500 ポンプシステム(悪臭防止型排水設備)
101 汚水槽
101A 流出口
101B 開口
60 ポンプ
61 モータフレーム
63 ポンプケーシング
63a 吐出口
63b 吸込口
70 吐出配管
70A 弁
80、80A、90 管状部
80a 下側側方伸長部分
80b 上方伸長部分
80c 上側側方伸長部分
80d 環状部
81、91 開口
160 ポンプ
161 主軸
162 ロータ
163 ステータ
164 モータフレーム
165 冷却ジャケット
165A 上部開口
165B 下部開口
166 ポンプケーシング
167 羽根車
170 吸込配管
180 上側側方伸長部分
181 開口
190 戻り配管
201 洗浄用配管
201A 弁
202 流体源
440 軸受ハウジング
450 ポンプブラケット
450A 開口
460 ポンプ
460A 吐出口
460B 吸込口
461 主軸
462 ロータ
463 ステータ
464 モータフレーム
465 冷却ジャケット
465A 上端面
465B 下端部
466 ポンプケーシング
467 羽根車
470 吐出配管
480 吸込配管
501 主ポンプ
502 補助ポンプ
503 ポンプケーシング
504 吐出口
505 冷却用配管
505A 開口
506 吸込口
507 モータフレーム
1000 悪臭防止型排水設備
1100 建築物
1112 パネル式汚水層
1113 開口部
1114 蓋
1115 開口(マンホール)
1116 蓋
1117 逆流防止弁
1118 仕切弁
1119 架台
1121 流出管
1123 流入管
1124 釜場
1125 水位センサ

Claims (16)

  1. 羽根車に接続される主軸と一体に回転するロータ及び前記ロータの外周側に設けられたステータを収容するモータフレームと、
    前記羽根車を収容するポンプケーシングと、を備えるポンプと、
    前記ポンプの吐出口に接続される吐出配管と、を含む悪臭防止型排水設備であって、
    前記ポンプケーシング及び前記吐出配管の少なくとも一方から分岐して配置される少なくとも1つの管状部を含み、前記少なくとも1つの管状部は、前記ポンプの吸込口から吸い込まれる水を、前記モータフレームに放出するように構成されている、悪臭防止型排水設備。
  2. 前記管状部は、前記ポンプケーシングの側部またはそれより上方の位置で前記ポンプケーシングと接続する、請求項1に記載の悪臭防止型排水設備。
  3. 前記管状部の内部に配置されるフィルター部材を有する、請求項1または2に記載の悪臭防止型排水設備。
  4. 前記吐出配管に配置される弁と、
    前記吐出配管に配置される弁と前記ポンプの前記吐出口との間に連結される洗浄用配管と、
    前記洗浄用配管に配置される弁と、を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の悪臭防止型排水設備。
  5. 流出口を備える水槽を備えており、
    前記流出口が前記ポンプの吸込口に連結されており、
    前記ポンプは、さらに、前記モータフレームの外周面を取り囲む冷却ジャケットを備えており、
    前記冷却ジャケットは、前記管状部の前記開口に連通可能な上部開口と、前記水槽に連通可能な下部開口と、前記下部開口に連結される戻り配管と、を有し、前記戻り配管は、前記水槽に連通可能な吐出口を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の悪臭防止型排水設備。
  6. 前記上部開口は前記ステータより上方の位置に形成されており、前記下部開口は前記ステータより下方の位置に形成されている、請求項5に記載の悪臭防止型排水設備。
  7. 回転することにより水を移送可能に構成された羽根車と、
    前記羽根車に接続される主軸と、
    前記主軸と一体に回転するロータ及び前記ロータの外周側に設けられたステータを収容するモータフレームと、
    前記羽根車を収容するポンプケーシングと、
    前記モータフレームの外周面を取り囲む冷却ジャケットと、を備えるポンプと、
    前記ポンプの吐出口に連結される吐出配管と、を含む悪臭防止型排水設備であって、
    前記冷却ジャケットは、前記ポンプケーシングに連通可能であるように少なくとも部分的に開放された下端部を有しており、前記ポンプの吐出口が、前記冷却ジャケットに形成されている、悪臭防止型排水設備。
  8. 前記ポンプの吐出口が、前記ステータより上方の位置に形成されている、請求項7に記載の悪臭防止型排水設備。
  9. 前記吐出配管に配置される弁と、
    前記吐出配管に配置される弁と前記ポンプの前記吐出口との間に連結される洗浄用配管と、
    前記洗浄用配管に配置される弁と、を含む、請求項7または8に記載の悪臭防止型排水設備。
  10. 主ポンプ及び補助ポンプを備える悪臭防止型排水設備であって、
    前記補助ポンプは、前記補助ポンプの吐出口に接続される冷却用配管を有し、
    前記冷却用配管は、前記主ポンプに水を放出するように構成されている、悪臭防止型排水設備。
  11. 前記冷却用配管の内部に配置されるフィルター部材を有する、請求項10に記載の悪臭防止型排水設備。
  12. 羽根車に接続される主軸と一体に回転するロータ及び前記ロータの外周側に設けられたステータを収容するモータフレームと、
    前記羽根車を収容するポンプケーシングと、を備えるポンプであって、
    前記ポンプケーシングから分岐して配置される少なくとも1つの管状部を含み、前記少なくとも1つの管状部は、前記ポンプの吸込口から吸い込まれる水を、前記モータフレームに放出するように構成されている、ポンプ。
  13. 前記管状部は、前記ポンプケーシングの側部またはそれより上方の位置で前記ポンプケーシングと接続する、請求項12に記載のポンプ。
  14. 前記管状部の内部に配置されるフィルター部材を有する、請求項12または13に記載のポンプ。
  15. 回転することにより水を移送可能に構成された羽根車と、
    前記羽根車に接続される主軸と、
    前記主軸と一体に回転するロータ及び前記ロータの外周側に設けられたステータを収容するモータフレームと、
    前記羽根車を収容するポンプケーシングと、
    前記モータフレームの外周面を取り囲む冷却ジャケットと、を備えるポンプであって、
    前記冷却ジャケットは、前記ポンプケーシングに連通可能であるように少なくとも部分的に開放された下端部を有しており、前記ポンプの吐出口が、前記冷却ジャケットに形成されている、ポンプ。
  16. 前記ポンプの吐出口が、前記ステータより上方の位置に形成されている、請求項15に記載のポンプ。
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