JP2018095448A - 使用フック判定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】構成の複雑化を招くことなく、主巻フックと補巻フックとのいずれを使用しているのかを判定することのできる使用フック判定装置を提供する。【解決手段】ブーム8を起伏させる起伏シリンダ9に掛かる圧力に基づいて吊荷16による実荷重Wを検出する荷重検出器(22、23、24)と、主巻フック17および補巻フック18のいずれか一方に取り付けられたワイヤロープ(13、15)の張力Tを検出する張力検出器21と、実荷重Wがゼロではないことが検出されかつ張力Tがゼロではないことが検出されると、主巻フック17および補巻フック18の一方に吊荷16が吊り下げられていると判定し、実荷重Wがゼロではないことが検出されかつ張力Tがゼロであることが検出されると、主巻フック17および補巻フック18の他方に吊荷16が吊り下げられていると判定する制御部25と、を備える。【選択図】図3B
Description
本開示は、使用フック判定装置に関する。
ブームや補助ジブ(以下では、ブーム等ともいう)を備える作業車両では、ブーム等からワイヤロープにより吊り下げられたフックに吊荷を玉掛けして、吊荷を移動させるものが知られている。
このような作業車両では、ブームを用いた作業の場合と補助ジブを用いた作業の場合とで吊り下げることのできる荷重が異なることから、いずれの作業であるのかを検出して対応する荷重を超えると警報信号を発生させるものがある(例えば、特許文献1等参照)。この従来の作業車両は、作業者が選択スイッチを操作しなくても、いずれの作業を行っているのかを自動で判定して適宜警報信号を発生させることができ、作業車両の転倒やブーム等の破損を防止できる。
ところで、上記した従来の作業車両は、使い勝手を向上させるために主巻フックおよび補巻フックの2つのフックを備えている。この主巻フックと補巻フックとは、吊り下げることのできる荷重が異なるものとされている。
本開示は、上記の事情に鑑みて為されたもので、構成の複雑化を招くことなく、主巻フックと補巻フックとのいずれを使用しているのかを判定することのできる使用フック判定装置を提供することを目的とする。
本開示の使用フック判定装置は、作業車両のブームを起伏させる起伏シリンダに掛かる圧力に基づいて吊荷による実荷重を検出する荷重検出器と、主巻フックおよび補巻フックのいずれか一方に取り付けられたワイヤロープの張力を検出する張力検出器と、前記荷重検出器により前記実荷重がゼロではないことが検出されかつ前記張力検出器により前記張力がゼロではないことが検出されると、前記主巻フックおよび前記補巻フックの一方に前記吊荷が吊り下げられていると判定し、前記荷重検出器により前記実荷重がゼロではないことが検出されかつ前記張力検出器により前記張力がゼロであることが検出されると、前記主巻フックおよび前記補巻フックの他方に前記吊荷が吊り下げられていると判定する制御部と、を備えることを特徴とする。
本開示の使用フック判定装置によれば、構成の複雑化を招くことなく、主巻フックと補巻フックとのいずれを使用しているのかを判定することができる。
以下に、本開示に係る一例としての使用フック判定装置20を、作業車両の一例としてのクレーン車1に用いた実施例について図面を参照しつつ説明する。なお、図1は、一例として主巻フック17に吊荷16が玉掛けされている様子を示し、図4は、一例として補巻フック18に吊荷16が玉掛けされている様子を示している。
本開示に係る使用フック判定装置の一実施形態に係る実施例1の使用フック判定装置20を、図1から図3Bを用いて説明する。実施例1の使用フック判定装置20は、図1に示すように、作業車両の一例としてのクレーン車1に用いる。クレーン車1は、走行体(キャリヤ)2と旋回台3とを備える。走行体2は、走行機能を有する車両の本体部分(車体)となり、複数の車輪と、車輪および旋回台3を駆動する駆動源と、を有する。走行体2には、前側および後側に各々左右一対のアウトリガ4(図1に走行体2の右側のみ図示)が設けられる。各アウトリガ4は、左右に張り出しおよび格納を可能とし、適宜張り出して地面Gに接地することで後述するブーム8を用いた作業時(クレーン作業)に走行体2を安定して支持する。
旋回台3は、走行体2の上部に水平旋回可能に設けられ、一体的に旋回可能なキャビン5とブームサポート6とを有する。キャビン5には、作業者(オペレータ)が各種の操作を行うための操作部7が設けられる。その各種の操作としては、例えば、走行体2の走行、旋回台3の旋回、後述するブーム8の起伏および伸縮、ブームサポート6に設けた主巻ウインチ12や補巻ウインチ14の巻上および巻下、各アウトリガ4の張出および格納、エンジンの始動および停止等がある。
ブームサポート6は、ブーム8を取り付ける箇所であり、ブーム8の基端部がブーム根本支点ピンを介して取り付けられ、そのブーム根本支点ピンを中心にしてブーム8を起伏可能とする。また、ブームサポート6では、ブーム8との間に起伏シリンダ9が設けられ、起伏シリンダ9を伸縮することでブーム8が起伏される。ブーム8は、複数のブーム部が外側から内側へと入れ子式に組み合わせて収納して構成され、各伸縮シリンダが伸縮することで伸縮する。なお、ブーム8は、箱型構造ジブとしているが、旋回台3の一端を支点とした腕となる構造体であればよく、ラチス構造ジブやブームを伸長するための補助ジブも含む。
ブーム8の先端には、ブームヘッド11が設けられている。ブームヘッド11には、主巻ウインチ12で巻き上げられるまたは巻き下げられる主巻ワイヤロープ13と、補巻ウインチ14で巻き上げられるまたは巻き下げられる補巻ワイヤロープ15と、が巻き掛けられている。主巻ワイヤロープ13には、吊荷16等が玉掛けされる主巻フック17が吊り下げられ、主巻ウインチ12による巻き上げまたは巻き下げにより主巻フック17とともに吊荷16が昇降される。主巻フック17は、複数の巻掛け数(複索)とされている。補巻ワイヤロープ15には、吊荷16等が玉掛けされる補巻フック18が吊り下げられ、補巻ウインチ14による巻き上げまたは巻き下げにより補巻フック18とともに吊荷16が昇降される。補巻フック18は、単一の巻掛け数(単索)とされている。
ブーム8は、使用時には適宜起伏されるとともに各ブーム部が適宜進退されつつ旋回され、使用している主巻フック17または補巻フック18が適宜昇降されることで吊荷16を移動させる。また、ブーム8は、走行時等の非使用時には、主巻フック17および補巻フック18が最も上昇されつつ各ブーム部が最も後退されて収納した状態とされる。
このブーム8の伸縮、起伏および旋回や、主巻フック17や補巻フック18の昇降は、操作部7の操作に従って行われる。操作部7は、入力された操作に対応した操作信号を出力する。その操作信号は、油圧ポンプ、方向制御弁、流量制御弁等の駆動装置の動作を制御する。それらの動作により、旋回台3の旋回や、主巻ウインチ12または補巻ウインチ14の駆動のための油圧モータや、起伏シリンダ9や伸縮シリンダ等の油圧シリンダが作動して、ブーム8の伸縮、起伏および旋回や、主巻フック17または補巻フック18の昇降が行われる。その主巻フック17および補巻フック18のいずれが使用されているのかを判定するために使用フック判定装置20を設けている。
使用フック判定装置20は、図2に示すように、張力検出器21と起伏圧力検出器22と起伏角度検出器23とブーム長検出器24とが、制御部25に接続されて形成されている。張力検出器21は、主巻フック17および補巻フック18のうちの対応する一方に取り付けられたワイヤロープの張力を検出するものであり、実施例1では一方としての主巻フック17に対応されている。張力検出器21は、図1に示すように、主巻ワイヤロープ13において、ブーム8の先端のブームヘッド11から吊り下げられた吊下部分13aに設けられている。張力検出器21は、吊下部分13aにおける張力を即時連続的に(リアルタイムで)検出し、その検出した張力を示す検出信号S1を制御部25に出力する。張力検出器21は、実施例1では、主巻ワイヤロープ13の終端に設けられており(所謂索端止め)、主巻フック17の昇降に関係なくブームヘッド11に対する位置関係が一定とされている。張力検出器21は、図2に示すように、ブームヘッド11およびブーム8を通した接続線21aにより制御部25に接続されており、その接続線21aを介して制御部25に検出信号S1を送信する。
起伏圧力検出器22は、起伏可能とされたブーム8を支える起伏シリンダ9に掛かる圧力を検出する。起伏圧力検出器22は、起伏シリンダ9における圧力を即時連続的に検出し、その検出した圧力を示す検出信号S2を制御部25に出力する。
起伏角度検出器23は、起伏可能とされたブーム8の起伏角度(水平面または基準姿勢に対する角度)を検出する。起伏角度検出器23は、ブーム8の起伏角度を即時連続的に検出し、その検出した起伏角度を示す検出信号S3を制御部25に出力する。
ブーム長検出器24は、伸縮可能とされたブーム8の長さ(伸縮度合)を検出する。ブーム長検出器24は、ブーム8の長さを即時連続的に検出し、その検出した長さを示す検出信号S4を制御部25に出力する。
制御部25は、記憶部(内蔵する内蔵メモリ26)や演算部を有するマイクロコンピュータであり、実施例1ではキャビン5に設けられる(図1参照)。制御部25は、内蔵メモリ26あるいは接続される記憶部に格納されたプログラムに基づき、張力検出器21、起伏圧力検出器22、起伏角度検出器23およびブーム長検出器24の動作を統括的に制御し、それらから適宜情報を取得する。制御部25は、張力検出器21、起伏圧力検出器22、起伏角度検出器23およびブーム長検出器24が取得した各種情報の取得処理や、主巻ワイヤロープ13の張力Tの演算処理や、ブーム8の吊荷16の実荷重Wの演算処理や、使用されているフックを判定する使用フック判定処理の制御を行う。制御部25は、実施例1では、張力Tの演算処理を行う張力演算部27と、実荷重Wの演算処理を行う実荷重演算部28と、判定処理を行うフック判定部29と、を有する。
張力演算部27は、張力検出器21から吊下部分13aの張力の検出信号S1が入力されると、その張力検出器21が検出した張力から、主巻フック17等の自重成分を差し引くことで主巻フック17が吊り下げる吊荷16等の荷重に起因する張力Tを演算する。この張力Tは、主巻フック17に吊荷16等が吊り下げられることで主巻ワイヤロープ13に生じた張力を示している。張力演算部27は、演算結果としての張力T(それを示す信号)をフック判定部29に出力する。
実荷重演算部28は、起伏圧力検出器22から起伏シリンダ9における圧力の検出信号S2と、起伏角度検出器23からブーム8の起伏角度の検出信号S3と、ブーム長検出器24からブーム8の長さの検出信号S4と、が入力される。すると、実荷重演算部28は、ブーム8の起伏角度および長さ(補助ジブも含む)に基づいて、クレーン車1の作業半径を求める。また、実荷重演算部28は、起伏シリンダ9における圧力から、ブーム8や主巻フック17等の自重成分を差し引くことで、主巻フック17に吊荷16等が吊り下げられたことに起因して起伏シリンダ9に掛かるモーメントを演算する。そして、実荷重演算部28は、作業半径に基づいてモーメントからブーム8の吊荷16の実荷重Wを演算する。この実荷重Wは、主巻フック17または補巻フック18に吊荷16等が吊り下げられることによるブーム8での実荷重を示しており、ブーム8の態様の変化に応じて刻一刻と変化する。起伏圧力検出器22と起伏角度検出器23とブーム長検出器24とは、実荷重演算部28がクレーン車1のブーム8の吊荷16の実荷重Wを演算するための実荷重を検出する荷重検出器として機能する。実荷重演算部28は、演算結果としての実荷重W(それを示す信号)をフック判定部29に出力する。
フック判定部29は、張力演算部27からの張力Tと実荷重演算部28からの実荷重Wとに基づいて、主巻フック17および補巻フック18のうちのどちらが使用されているのかを判定する。フック判定部29は、実荷重Wがゼロではなく(実荷重Wが存在し)かつ張力Tがゼロではない(張力Tが発生している)場合には、一方としての主巻フック17に吊荷16が吊り下げられていると判定する。また、フック判定部29は、実荷重Wがゼロではなく(実荷重Wが存在し)かつ張力Tがゼロ(張力Tが発生していない)の場合には、他方としての補巻フック18に吊荷16が吊り下げられていると判定する。
ここで、実荷重Wがゼロの場合には、どちらのフックにも吊荷16が吊り下げられていないこととなる。そして、実施例1のフック判定部29は、実荷重Wがゼロの場合には、これよりも前に判定した内容(前回の判定結果)を採用する。また、実施例1のフック判定部29は、後述する初期設定の際に実荷重Wがゼロの場合には、後述するように過負荷防止装置(AML)31に設定された状態に基づいて、主巻フック17および補巻フック18のうちのどちらが使用されているのかを判定する。ここで、使用しているフックを判定することは、対応するフックを昇降させるために主巻ウインチ12または補巻ウインチ14のどちらが駆動(使用)されているのかを判定していることにもなる。
なお、フック判定部29は、上記したように、実荷重Wおよび張力Tが各々ゼロであるか否かを用いて判定している。このため、張力演算部27は、張力検出器21からの検出信号S1に基づき張力Tがゼロであるか否かを演算すればよく、かつ実荷重演算部28は、起伏圧力検出器22、起伏角度検出器23およびブーム長検出器24からの検出信号S2、S3、S4に基づき実荷重Wがゼロであるか否かを演算すればよく、実施例1の構成に限定されない。
制御部25は、過負荷防止装置31に接続されており、過負荷防止装置31から設定された状態の情報を取得可能とされているとともに、主巻フック17および補巻フック18のうちのいずれが使用されているかの判定結果を過負荷防止装置31に出力可能とされている。過負荷防止装置31は、ブーム8(クレーン車1)に過度の負荷が掛るのを未然に防止するために設けられている。過負荷防止装置31は、ブーム8における起伏角度、伸長長さ、回転角度や、主巻ワイヤロープ13または補巻ワイヤロープ15における繰り出し長さ、張力等をそれぞれ検出する各種センサの出力に基づいて、許容荷重(転倒モーメントの限界値)を演算する。また、過負荷防止装置31は、主巻フック17および補巻フック18のうちのいずれを使用するのかの設定を手動で行うものとされている。過負荷防止装置31は、これらのセンサの出力に基づいてブーム8に作用する反力が、設定された主巻フック17および補巻フック18に対応する許容荷重を超えようとすると、ブーム8の作動を規制または警報を発するように構成されている。
次に、使用フック判定装置20において、制御部25の制御下で、主巻フック17および補巻フック18のうちのいずれが使用されているのかを判定する使用フック判定処理の一例について、図3(図3A、図3B)を用いて説明する。その図3は、実施例1における制御部25にて実行される使用フック判定処理(使用フック判定処理方法)を示すフローチャートである。この使用フック判定処理は、制御部25の内蔵メモリ26もしくは記憶部に記憶されたプログラムに基づいて制御部25が実行する。以下では、この図3のフローチャートの各ステップ(各工程)について説明する。図3のフローチャートは、使用フック判定装置20が使用フック判定処理を実行する状態とされることにより開始される。使用フック判定装置20は、常に使用フック判定処理を実行する状態とされていてもよく、操作部の操作で実行の有無を切り替え可能としてもよい。実施例1では、常に使用フック判定処理を実行する状態とされており、クレーン車1が起動されると使用フック判定処理を実行する状態となり、図3のフローチャートが開始される。
ステップS1は、判定処理に用いる各種の検出値を取得し、ステップS2へ進む。このステップS1は、クレーン車1が起動されて使用フック判定処理を実行する状態とされると、張力演算部27が張力検出器21から吊下部分13aにおける張力(検出信号S1)を取得する。また、ステップS1は、実荷重演算部28が、起伏圧力検出器22から起伏シリンダ9における圧力(検出信号S2)と、起伏角度検出器23からブーム8の起伏角度(検出信号S3)と、ブーム長検出器24からブーム8の長さ(検出信号S4)と、を取得する。このとき、各種の検出値が安定しない場合には、安定するまでの所定の時間待機してからステップS1を実行することが好ましい。
ステップS2は、張力Tおよび実荷重Wを演算し、ステップS3へ進む。このステップS2は、張力演算部27が張力検出器21からの張力に基づいて吊荷16等の荷重に起因する張力Tを演算する。また、ステップS2は、実荷重演算部28が、起伏圧力検出器22からの起伏シリンダ9における圧力と起伏角度検出器23からのブーム8の起伏角度とブーム長検出器24からのブーム8の長さと、に基づいて吊荷16等による実荷重Wを演算する。ステップS2は、演算した張力T(その信号)および張力T(その信号)をフック判定部29に出力する。
ステップS3は、実荷重Wがゼロではないか否かを判断し、YESの場合はステップS4へ進み、NOの場合はステップS7へ進む。このステップS3は、フック判定部29が、実荷重演算部28からの実荷重Wに基づき、実荷重Wがゼロか否かを判断する。そして、ステップS3は、実荷重Wがゼロではない場合、主巻フック17か補巻フック18のどちらかに吊荷16等が吊り下げられているので、どちらであるのかを判定するためにステップS4へ進む。また、ステップS3は、実荷重Wがゼロの場合、主巻フック17と補巻フック18とのどちらにも吊荷16等が吊り下げられていないので、過負荷防止装置31での設定を用いるためにステップS7へ進む。
ステップS4は、張力Tがゼロではないか否かを判断し、YESの場合はステップS5へ進み、NOの場合はステップS6へ進む。このステップS4は、フック判定部29が、張力演算部27からの張力Tに基づき、張力Tがゼロか否かを判断する。
ステップS5は、主巻フック17を使用していると判定し、ステップS10へ進む。このステップS5は、実荷重Wおよび張力Tがゼロではないので、フック判定部29が、主巻フック17に吊荷16等が吊り下げられていると判定する。
ステップS6は、補巻フック18を使用していると判定し、ステップS10へ進む。このステップS6は、実荷重Wがゼロではなく張力Tがゼロであるので、フック判定部29が、補巻フック18に吊荷16等が吊り下げられていると判定する。
ステップS7は、過負荷防止装置31での設定がブームであるか否かを判断し、YESの場合はステップS8へ進み、NOの場合はステップS9へ進む。このステップS7は、過負荷防止装置31に為された設定がブームであるか、シングルトップであるか、補助ジブであるか、を判断し、ブームである場合にはステップS8へ進み、ブームではないすなわちシングルトップまたは補助ジブである場合にはステップS9へ進む。
ステップS8は、主巻フック17を使用していると判定し、ステップS10へ進む。このステップS8は、過負荷防止装置31での設定がブームであるので、主巻フック17に吊荷16等が吊り下げられ得ると判定する。
ステップS9は、補巻フック18を使用していると判定し、ステップS10へ進む。このステップS9は、過負荷防止装置31での設定がブームではないため、シングルトップまたは補助ジブに設定されており、双方とも補巻フック18を使用するものであるので、補巻フック18に吊荷16等が吊り下げられ得ると判定する。ここで、過負荷防止装置31では、ブームかシングルトップか補助ジブかの設定は手動で為される。ところが、ステップS7に進む場面では実荷重Wがゼロであるため、主巻フック17と補巻フック18とのいずれにも吊荷16等が吊り下げられていない。このため、過負荷防止装置31での設定が誤って為されていた場合でも、ステップS8やステップS9のように過負荷防止装置31での設定を用いても問題となることはない。なお、このステップS7からステップS9は、後述するステップS16の工程と同様に、これ以前に判定した内容を採用するものとしてもよい。
このステップS9までの工程は、クレーン車1が起動されてから実際に動作を開始するまでに行われる所謂初期設定の際に行われる。そのステップS5、S6、S8、S9での判定結果は、適宜内蔵メモリ26や記憶部等に記憶され、適宜読み出すことが可能とされている。そして、ステップS10以降は、クレーン車1が動作している状況では後述するステップS17→ステップS10へと進むことで繰り返し行われることとなる。
ステップS10は、判定処理に用いる各種の検出値を取得し、ステップS11へ進む。このステップS10は、ステップS1と同様に、張力演算部27が張力検出器21から張力(検出信号S1)を取得し、実荷重演算部28が、起伏圧力検出器22から起伏シリンダ9における圧力(検出信号S2)と、起伏角度検出器23からブーム8の起伏角度(検出信号S3)と、ブーム長検出器24からブーム8の長さ(検出信号S4)と、を取得する。
ステップS11は、張力Tおよび実荷重Wを演算し、ステップS12へ進む。このステップS11は、ステップS2と同様に、張力演算部27が張力Tを演算し、実荷重演算部28が吊荷16等の実荷重Wを演算し、演算した張力T(それを示す信号)および張力T(それを示す信号)をフック判定部29に出力する。
ステップS12は、実荷重Wがゼロではないか否かを判断し、YESの場合はステップS13へ進み、NOの場合はステップS16へ進む。このステップS12は、ステップS3と同様に、フック判定部29が、実荷重Wがゼロか否かを判断する。
ステップS13は、張力Tがゼロではないか否かを判断し、YESの場合はステップS14へ進み、NOの場合はステップS15へ進む。このステップS13は、ステップS4と同様に、フック判定部29が、張力Tがゼロか否かを判断する。
ステップS14は、主巻フック17を使用していると判定し、ステップS17へ進む。このステップS14は、ステップS5と同様に、主巻フック17に吊荷16等が吊り下げられていると判定する。
ステップS15は、補巻フック18を使用していると判定し、ステップS17へ進む。このステップS15は、ステップS6と同様に、補巻フック18に吊荷16等が吊り下げられていると判定する。
ステップS16は、前に判定した内容(前回の判定結果)を採用して、ステップS17へ進む。このステップS16は、主巻フック17および補巻フック18のうちの前の判定において使用しているものとした方を使用され得るものとして設定する。このため、ステップS16は、最初に進んできた際にはステップS5、S6、S8、S9で設定したものと同様となり、2回目以降に進んできた際にはステップS14、S15、S16で設定したものと同様となる。なお、このステップS16は、ステップS7からステップS9までの工程と同様に、過負荷防止装置31での設定を用いるものとしてもよい。このステップS14、S15、S16での判定結果は、適宜内蔵メモリ26や記憶部等に記憶され、適宜読み出すことが可能とされている。
ステップS17は、判定処理を終了するか否かを判断し、YESの場合は判定処理を終了し、NOの場合はステップS10へ戻る。このステップS17は、クレーン車1を停止することや、使用フック判定装置20を停止することや、操作部の操作で実行をしない旨が選択されると、使用フック判定処理を終了すると判断し、実施例1ではクレーン車1が停止されると使用フック判定処理を終了する。
次に、使用フック判定装置20による使用しているフックの判定の動作の一例を説明する。この例では、過負荷防止装置31において主巻フック17が設定されており、起動前のクレーン車1ではいずれのフックにも吊荷16等が吊り下げられていないものとする。そのクレーン車1が起動される。すると、使用フック判定装置20は、図3のフローチャートのステップS1→S2へと進み、張力Tおよび実荷重Wがともにゼロである旨を取得する。すると、実荷重Wがゼロであり、かつ過負荷防止装置31で主巻フック17が設定されているので、ステップS3→S7→S8へと進んで、主巻フック17を使用し得るものと判定して、初期設定における使用フックの判定を終えて、動作時の判定に移行する。
次に、起動されたクレーン車1は、補巻フック18に吊荷16が玉掛けされたものとする。ここで、吊荷16が玉掛けされた時点では張力Tおよび実荷重Wがともにゼロである。このため、図3のフローチャートのステップS10→S11へと進み、張力Tおよび実荷重Wがともにゼロである旨を取得する。すると、実荷重Wがゼロであり、かつ先の動作では主巻フック17を使用し得るものと判定したので、ステップS12→S16へと進んで、主巻フック17を使用し得るものと判定する。
その後、クレーン車1は、ブーム8や補巻ウインチ14の動作により吊荷16を持ち上げて所謂地切りしたものとする。ここで、補巻フック18により吊荷16が持ち上げられると、実荷重Wがゼロではなくなり、かつ張力Tはゼロのままである。このため、図3のフローチャートのステップS17→S10→S11→S12→S13→S15へと進み、実荷重Wがゼロではなくかつ張力Tがゼロであるので、補巻フック18を使用していると判定する。そして、補巻フック18で吊荷16等を吊り下げている間は、図3のフローチャートのステップS17→S10→S11→S12→S13→S15→S17へと進むことを繰り返し、補巻フック18を使用していると判定し続ける。
次に、クレーン車1は、補巻フック18の吊荷16を降ろし、主巻フック17に吊荷16が玉掛けされたものとする。ここで、補巻フック18で吊荷16を降ろされてから主巻フック17に吊荷16が玉掛けされる時点までは張力Tおよび実荷重Wがともにゼロである。このため、図3のフローチャートのステップS17→S10→S11へと進み、張力Tおよび実荷重Wがともにゼロである旨を取得する。すると、実荷重Wがゼロであり、かつ先の動作では補巻フック18を使用していたと判定したので、ステップS12→S16へと進んで、補巻フック18を使用し得るものと判定する。
その後、クレーン車1は、ブーム8や主巻ウインチ12の動作により吊荷16を持ち上げて所謂地切りしたものとする。ここで、主巻フック17により吊荷16等が持ち上げられると、実荷重Wがゼロではなくなり、張力Tもゼロではなくなる。このため、図3のフローチャートのステップS17→S10→S11→S12→S13→S14へと進み、張力Tおよび実荷重Wがゼロではないので、主巻フック17を使用していると判定する。そして、主巻フック17で吊荷16等を吊り下げている間は、図3のフローチャートのステップS17→S10→S11→S12→S13→S14→S17へと進むことを繰り返し、主巻フック17を使用していると判定し続ける。なお、上記した以外の状況の場合には、その状況に合わせて分岐する際の判断が変わりそれに応じて判定が変わることとなり、上記した例と同様の動作が行われる。
このように、使用フック判定装置20は、過負荷防止装置31の設定が主巻フック17とされていても、補巻フック18により吊荷16等が持ち上げられる際、すなわち補巻フック18を介してブーム8に負荷が生じる際には補巻フック18を使用していると判定する。このことは、過負荷防止装置31の設定が補巻フック18とされていて主巻フック17を使用した場合でも、同様に主巻フック17を使用していると判定する。このため、使用フック判定装置20は、過負荷防止装置31での設定が誤っている場合であっても、実際に使用しているフックを正しく判定することができる。また、使用フック判定装置20は、使用するフックを補巻フック18から主巻フック17に変更した場合であっても、主巻フック17により吊荷16等が持ち上げられる際、すなわち主巻フック17を介してブーム8(主巻ウインチ12)に負荷が生じる際には主巻フック17を使用していると判定する。このことは、主巻フック17から補巻フック18に変更した場合であっても、同様に補巻フック18を使用していると判定する。このため、使用フック判定装置20は、判定結果を過負荷防止装置31に出力することで、過負荷防止装置31による過負荷の防止のための判定を適切なものにでき、過負荷状態となることを確実に防止できる。
実施例1の使用フック判定装置20は、以下の各作用効果を得ることができる。
使用フック判定装置20は、荷重検出器により実荷重Wがゼロではないことが検出されかつ張力検出器21により張力Tがゼロではないことが検出されると、張力検出器21が設けられた主巻ワイヤロープ13に取り付けられた一方となる主巻フック17に吊荷16等が吊り下げられていると判定する。また、使用フック判定装置20は、荷重検出器により実荷重Wがゼロではないことが検出されかつ張力検出器21により張力Tがゼロであることが検出されると、他方となる補巻フック18に吊荷16等が吊り下げられていると判定する。このため、使用フック判定装置20は、主巻フック17または補巻フック18の一方に取り付けられたワイヤロープ(実施例1では主巻ワイヤロープ13)に張力検出器21を設けるだけでよいので、簡易な構成としつつ主巻フック17と補巻フック18とのどちらが使用されているのかを適切に判定することができる。これは、主巻フック17と補巻フック18とのどちらが使用されているのかを判定する場合、例えば、引用文献1のように主巻ワイヤロープ13と補巻ワイヤロープ15との双方に張力検出器を設けることが考えられるが、双方に張力検出器を設けると、部品点数が増加して構成の複雑化を招き、コストの増加を招いてしまうことによる。
また、使用フック判定装置20は、荷重検出器が、起伏シリンダ9に掛かる圧力に基づいて実荷重Wを検出している。このため、使用フック判定装置20は、ブーム8に掛かる実荷重Wを適切に取得することができ、主巻フック17と補巻フック18とのどちらが使用されているのかを適切に判定できる。これは以下のことによる。例えば、実荷重Wの有無を検出するために、主巻ウインチ12や補巻ウインチ14の動作(その信号)を用いることも考えられるが、ブーム8を起こすことや伸長させることで吊荷16等を地切りした際には実荷重Wが生じたことを検出できなくなる。これに対して、起伏シリンダ9に掛かる圧力は、ブーム8や主巻フック17や補巻フック18の態様に関わらず吊荷16等を地切りした際には必ず上昇するので、実荷重Wが生じたことを確実に検出できる。
さらに、使用フック判定装置20は、張力検出器21を主巻ワイヤロープ13の吊下部分13aに設けているので、対応する主巻フック17に吊荷16等が玉掛けされることに起因して張力Tが生じたことを確実に検出できる。
使用フック判定装置20は、張力検出器21を主巻ワイヤロープ13の終端に設けているので、主巻フック17の昇降に関係なくブーム8の先端のブームヘッド11に対する張力検出器21の位置関係を一定にできる。このため、使用フック判定装置20は、張力検出器21と制御部25とを接続線21aで接続することができ、簡易な構成としつつ張力検出器21からの検出値(その信号)を制御部25に確実に送ることができる。
したがって、本開示に係る使用フック判定装置の実施例1の使用フック判定装置20では、構成の複雑化を招くことなく、主巻フック17と補巻フック18とのいずれを使用しているのかを判定することができる。
次に、本開示の一実施形態である実施例2の使用フック判定装置20Aについて、図4から図6Bを用いて説明する。使用フック判定装置20Aは、実施例1の使用フック判定装置20とは張力検出器21Aを設ける箇所が主に異なる例である。使用フック判定装置20Aは、基本的な概念、構成および効果は実施例1の使用フック判定装置20と同様であるので、等しい構成の個所には同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。使用フック判定装置20Aは、使用フック判定装置20と似た構成では符号として数字の後にAを付して示し、異なる構成について以下で説明する。
実施例2の使用フック判定装置20Aでは、図4に示すように、張力検出器21Aを一方としての補巻フック18に対応させており、補巻ワイヤロープ15においてブーム8の先端のブームヘッド11から吊り下げられた吊下部分15aに設けている。張力検出器21Aは、吊下部分15aにおける張力を即時連続的に検出し、その検出した張力を示す検出信号S1を制御部25に出力する(図5参照)。張力検出器21Aは、実施例2では、補巻ワイヤロープ15における補巻フック18の近傍に設けられており、補巻フック18の昇降に応じてブーム8の先端のブームヘッド11に対する位置関係が変化する。
これに伴い、吊下部分15aは、張力検出器21Aの近傍にフック側無線ユニット32が設けられている。フック側無線ユニット32は、図5に示すように、制御部25に接続された制御側無線ユニット33との間で無線通信を行うことが可能とされている。フック側無線ユニット32は、接続線32aにより張力検出器21Aに接続されており、張力検出器21Aからの検出信号S1を、無線通信により制御側無線ユニット33を介して制御部25に送信する。
その制御部25では、上述した制御側無線ユニット33が設けられている。制御側無線ユニット33は、フック側無線ユニット32から取得した張力検出器21Aからの検出信号S1を制御部25(その張力演算部27)に出力する。この制御部25では、フック判定部29Aにおける判定処理が、実施例1のフック判定部29とは異なるものとされている。
フック判定部29Aは、実荷重Wがゼロではなく(実荷重Wが存在し)かつ張力Tがゼロではない(張力Tが発生している)場合には、一方としての補巻フック18に吊荷16が吊り下げられていると判定する。また、フック判定部29Aは、実荷重Wがゼロではなく(実荷重Wが存在し)かつ張力Tがゼロ(張力Tが発生していない)の場合には、他方としての主巻フック17に吊荷16が吊り下げられていると判定する。フック判定部29Aは、実荷重Wがゼロの場合には、実施例1のフック判定部29と同様に、これよりも前に判定した内容を採用する。また、フック判定部29Aは、初期設定の際に実荷重Wがゼロの場合には、実施例1のフック判定部29と同様に、過負荷防止装置31に設定された状態に基づいて、主巻フック17および補巻フック18のうちのいずれが使用されているのかを判定する。
使用フック判定装置20Aでは、制御部25に警報部34が接続されている。この警報部34は、制御部25の制御下で警報を発するものである。その警報は、例えば、音声や警報音を発生することや、キャビン5に設けられたモニタに表示することや、キャビン5の周辺等に設けた警告灯を点灯させることや、振動等を発生させることのように、キャビン5内の作業者や周辺の作業者等に知らせるものであればよい。警報部34は、制御部25の制御下で、フック判定部29Aで使用していると判定したフックと、過負荷防止装置31で使用するものと設定されたフックと、が異なる場合に警報を発する。
次に、使用フック判定装置20Aにおいて、制御部25の制御下で、主巻フック17および補巻フック18のうちのいずれが使用されているのかを判定する使用フック判定処理の一例について、図6(図6A、図6B)を用いて説明する。その図6は、実施例2における制御部25にて実行される使用フック判定処理(使用フック判定処理方法)を示すフローチャートである。この使用フック判定処理は、制御部25の内蔵メモリ26もしくは記憶部に記憶されたプログラムに基づいて、制御部25が実行する。以下では、この図6のフローチャートの各ステップ(各工程)について説明する。この図6のフローチャートは、実施例1の使用フック判定装置20と同様に、使用フック判定装置20Aが使用フック判定処理を実行する状態とされることにより開始される。
ステップS21は、判定処理に用いる各種の検出値を取得し、ステップS22へ進む。
ステップS22は、張力Tおよび実荷重Wを演算し、ステップS23へ進む。
ステップS23は、実荷重Wがゼロではないか否かを判断し、YESの場合はステップS24へ進み、NOの場合はステップS27へ進む。
ステップS24は、張力Tがゼロではないか否かを判断し、YESの場合はステップS25へ進み、NOの場合はステップS26へ進む。このステップS21からステップS24は、図3のフローチャートのステップS1からステップS4と同様である。
ステップS25は、補巻フック18を使用していると判定し、ステップS30へ進む。このステップS25は、実荷重Wおよび張力Tがゼロではないので、フック判定部29が、補巻フック18に吊荷16等が吊り下げられていると判定する。
ステップS26は、主巻フック17を使用していると判定し、ステップS30へ進む。このステップS26は、実荷重Wがゼロではなく張力Tがゼロであるので、フック判定部29が、主巻フック17に吊荷16等が吊り下げられていると判定する。
ステップS27は、過負荷防止装置31での設定がブームであるか否かを判断し、YESの場合はステップS28へ進み、NOの場合はステップS29へ進む。
ステップS28は、主巻フック17を使用していると判定し、ステップS30へ進む。
ステップS29は、補巻フック18を使用していると判定し、ステップS30へ進む。このステップS27からステップS29は、図3のフローチャートのステップS7からステップS9と同様である。
このステップS29までの工程は、クレーン車1が起動されてから実際に動作を開始するまでに行われる所謂初期設定の際に行われる。そのステップS25、S26、S28、S29での判定結果は、適宜内蔵メモリ26や記憶部等に記憶され、適宜読み出すことが可能とされている。そして、ステップS30以降は、クレーン車1が実際に動作している状況では後述するステップS39→ステップS30へと進むことで繰り返し行われることとなる。
ステップS30は、判定処理に用いる各種の検出値を取得し、ステップS31へ進む。
ステップS31は、張力Tおよび実荷重Wを演算し、ステップS32へ進む。
ステップS32は、実荷重Wがゼロではないか否かを判断し、YESの場合はステップS33へ進み、NOの場合はステップS38へ進む。
ステップS33は、張力Tがゼロではないか否かを判断し、YESの場合はステップS34へ進み、NOの場合はステップS35へ進む。このステップS30からステップS33は、図3のフローチャートのステップS10からステップS13と同様である。
ステップS34は、補巻フック18を使用していると判定し、ステップS36へ進む。このステップS34は、ステップS25と同様に、補巻フック18に吊荷16等が吊り下げられていると判定する。
ステップS35は、主巻フック17を使用していると判定し、ステップS36へ進む。このステップS35は、ステップS26と同様に、主巻フック17に吊荷16等が吊り下げられていると判定する。
ステップS36は、使用しているフックの判定結果と過負荷防止装置31での設定とが異なるか否かを判断し、YESの場合はステップS37へ進み、NOの場合はステップS39へ進む。このステップS36は、ステップS34またはステップS35での判定結果と、過負荷防止装置31で使用するものと設定されたフックと、が等しいか否かを判断する。
ステップS37は、警報部34から警報を発生させて、ステップS39へ進む。このステップS37は、ステップS34またはステップS35での判定結果と、過負荷防止装置31で使用するものと設定されたフックと、が異なるので、過負荷防止装置31での設定が誤っている旨を報知するために、警報部34から警報を発生させる。
ステップS38は、前に判定した内容(前回の判定結果)を採用して、ステップS39へ進む。
ステップS39は、判定処理を終了するか否かを判断し、YESの場合は判定処理を終了し、NOの場合はステップS30へ戻る。このステップS38、S39は、図3のフローチャートのステップS16、S17と同様である。
この使用フック判定装置20Aは、両フックのうちの一方に相当するものが補巻フック18となり、他方に相当するものが主巻フック17となることを除くと、基本的に実施例1の使用フック判定装置20と同様の構成であるので、基本的に実施例1と同様の効果を得られる。
それに加えて、実施例2の使用フック判定装置20Aは、補巻フック18の近傍に設けた張力検出器21Aが、補巻ワイヤロープ15に設けたフック側無線ユニット32および制御部25に接続した制御側無線ユニット33を介して、制御部25(その張力演算部27)に検出信号S1を送信する。このため、使用フック判定装置20Aは、構成の複雑化を招くことなく補巻ワイヤロープ15に設けた張力検出器21Aからの検出信号S1を制御部25に送信することができる。
また、使用フック判定装置20Aは、過負荷防止装置31での設定が、実際に使用しているフックとは異なる場合には警報部34から警報を発生させる。このため、過負荷防止装置31が作動する前に、過負荷防止装置31での設定が誤っている旨を報知することができ、より適切に主巻フック17または補巻フック18を使用させることができる。
したがって、本開示に係る使用フック判定装置の実施例2の使用フック判定装置20Aでは、構成の複雑化を招くことなく、主巻フック17と補巻フック18とのいずれを使用しているのかを判定することができる。
以上、本開示の使用フック判定装置を各実施例に基づき説明してきたが、具体的な構成については各実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
例えば、各実施例では、荷重検出器を起伏圧力検出器22と起伏角度検出器23とブーム長検出器24とで構成しているが、起伏シリンダ9における圧力に基づいて実荷重Wを検出するものであればよく、各実施例の構成に限定されない。
また、各実施例では、張力検出器21、21Aを対応するワイヤロープにおける吊下部分(13a、15a)に設けていたが、対応するワイヤロープの張力Tを検出するものであればよく、各実施例の構成に限定されない。
さらに、各実施例では、制御部25が過負荷防止装置31とは別体で構成されていたが、制御部25が過負荷防止装置31のコントローラで形成(そのコントローラが制御部25としても機能する)されていてもよく、各実施例の構成に限定されない。
実施例2の使用フック判定装置20Aでは、警報部34を設けるとともに、過負荷防止装置31での設定が実際に使用しているフックとは異なる場合には警報部34から警報を発生させる構成としていたが、実施例1の使用フック判定装置20のように警報部34を設けなくてもよい。また、実施例1の使用フック判定装置20に、警報部34を設けるとともに、過負荷防止装置31での設定が実際に使用しているフックとは異なる場合には警報部34から警報を発生させる構成を加えてもよい。
各実施例では、使用フック判定装置20、20Aを用いる作業車両としてクレーン車1を示していたが、定格荷重の異なる2つのフックがブームから吊り下げられている作業車両であれば、他の構成の作業車両でもよく、上記した各実施例に限定されない。
1 (作業車両の一例としての)クレーン車
8 ブーム
9 起伏シリンダ
13 主巻ワイヤロープ
15 補巻ワイヤロープ
16 吊荷
17 主巻フック
18 補巻フック
20、20A 使用フック判定装置
21、21A 張力検出器
22 (荷重検出器の一例としての)起伏圧力検出器
23 (荷重検出器の一例としての)起伏角度検出器
24 (荷重検出器の一例としての)ブーム長検出器
25 制御部
8 ブーム
9 起伏シリンダ
13 主巻ワイヤロープ
15 補巻ワイヤロープ
16 吊荷
17 主巻フック
18 補巻フック
20、20A 使用フック判定装置
21、21A 張力検出器
22 (荷重検出器の一例としての)起伏圧力検出器
23 (荷重検出器の一例としての)起伏角度検出器
24 (荷重検出器の一例としての)ブーム長検出器
25 制御部
Claims (5)
- 作業車両のブームを起伏させる起伏シリンダに掛かる圧力に基づいて吊荷による実荷重を検出する荷重検出器と、
主巻フックおよび補巻フックのいずれか一方に取り付けられたワイヤロープの張力を検出する張力検出器と、
前記荷重検出器により前記実荷重がゼロではないことが検出されかつ前記張力検出器により前記張力がゼロではないことが検出されると、前記主巻フックおよび前記補巻フックの一方に前記吊荷が吊り下げられていると判定し、前記荷重検出器により前記実荷重がゼロではないことが検出されかつ前記張力検出器により前記張力がゼロであることが検出されると、前記主巻フックおよび前記補巻フックの他方に前記吊荷が吊り下げられていると判定する制御部と、を備えることを特徴とする使用フック判定装置。 - 前記張力検出器は、前記ワイヤロープにおいて前記ブームから吊り下げられる吊下部分に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の使用フック判定装置。
- 前記張力検出器は、前記主巻フックに取り付けられた主巻ワイヤロープの終端に設けられ、接続線を介して前記制御部に検出した張力を送信することを特徴とする請求項2に記載の使用フック判定装置。
- 前記張力検出器は、前記補巻フックに取り付けられた補巻ワイヤロープにおける前記補巻フックの近傍に設けられ、無線通信を介して前記制御部に検出した張力を送信することを特徴とする請求項2に記載の使用フック判定装置。
- 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の使用フック判定装置であって、
さらに、前記制御部の制御下で警報を発する警報部と、
前記主巻フックまたは前記補巻フックに前記吊荷が吊り下げられることで前記ブームに作用する反力が許容荷重を超えると、前記ブームの作動を規制するまたは警報を発する過負荷防止装置と、を備え、
前記制御部は、使用していると判定したフックと、前記過負荷防止装置で使用するものと設定されたフックと、が異なる場合には、前記警報部から警報を発生させることを特徴とする使用フック判定装置。
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