JP2018095146A - 鉄道車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】地点情報の取得の有無に拘わらず車体の傾斜制御を実行できる鉄道車両を提供すること。【解決手段】鉄道車両1によれば、地点取得装置7により地点情報Pが取得できる場合は、路線情報データ13bから地点情報Pにマージンαを加えた地点を検索し、軌道Rの曲率およびカントを先読みして傾斜指令値Fを算出し、補正する。一方、地点情報Pが取得できない場合は、予め、走行速度Vyと、ヨー角速度メモリ14bと、左右加速度メモリ14aの値とから算出した傾斜指令値Fを取得し、補正する。そして、補正された傾斜指令値Fを傾斜装置6,28へ出力する。よって、地点情報Pが取得できない場合でも、車体3の傾斜制御を実行して、乗り心地を向上させることができる。また、軌道Rの曲線区間では車体3の傾斜制御を実行することで、通常の走行速度Vyで走行できるので、ダイヤの遅れを招くこともない。【選択図】図3

Description

本発明は、鉄道車両に関し、特に、地点情報の取得の有無に拘わらず車体の傾斜制御を実行できる鉄道車両に関するものである。
特許文献1の鉄道車両は、良好な乗り心地を実現するために、車両に各種センサを搭載して、路線の曲線や走行速度を検出し、これらに基づいて適切な車体の傾斜角度を算出して車体の傾斜制御を行っている。しかし、かかるセンサ方式では、曲線の検出は曲線区間の進入後に行われるので、どうしても車体の傾斜に遅れが生じ、乗り心地が悪化する。同様に曲線区間から出て直線区間へ進入するときも、曲線区間の終了の検出が遅れるので、車体を非傾斜状態へ戻すのに遅れが生じ、乗り心地が悪化する。
これに対し、走行する路線の地点情報を検知するATS(Automatic Train Stop)装置等や、路線の各地点における路線情報を記憶した路線情報メモリを、鉄道車両に搭載したものがある。かかる鉄道車両では、走行中に路線の地点情報を検知すると、その地点情報に基づいて路線情報を先読みし、これから進入する路線に合わせて車体の傾斜制御を行う。例えば、曲線区間へ進入する場合には、その曲線区間の曲線を先読みして、該曲線と自車両の走行速度とから適切な傾斜角度を算出し、その曲線区間の直前から車体傾斜を始めることで、乗り心地を向上させている。
特開2000−006805号公報
しかしながら、上記ATS装置を搭載する鉄道車両では、何らかの理由でATS装置が地点情報を検知できない場合には、車体の傾斜制御を実行できず、乗り心地の悪化を防止できないという問題点がある。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、地点情報の取得の有無に拘わらず車体の傾斜制御を実行できる鉄道車両を提供することを目的としている。
この目的を達成するために本発明の鉄道車両は、車体を有する車両と、その車両の走行速度を検出する速度検出手段と、前記車両が走行する路線の地点情報を取得する地点情報取得手段と、路線の地点情報に対応づけて路線の曲線に関する路線情報を記憶する路線情報記憶手段と、前記地点情報取得手段により取得された地点情報に基づいて前記路線情報記憶手段から路線情報を読み出す読出手段と、その読出手段により読み出された路線情報と前記速度検出手段により検出された前記車両の走行速度とに基づいて前記車体の傾斜指令値を算出する第1算出手段と、その第1算出手段により算出された傾斜指令値に基づいて前記車体を車幅方向に傾斜させる傾斜手段とを備えており、更に、前記車両に搭載され、路線の曲線を検出する曲線検出手段と、その曲線検出手段による検出結果と、前記速度検出手段により検出された前記車両の走行速度とに基づいて、前記車体の傾斜指令値を算出する第2算出手段とを備え、前記傾斜手段は、前記地点情報取得手段により前記車両が走行する地点情報を取得できない場合に、前記第2算出手段により算出された傾斜指令値に基づいて前記車体を傾斜させるものである。
請求項1記載の鉄道車両によれば、地点情報取得手段により車両が走行する路線の地点情報が取得され、その地点情報に基づいて、読出手段により路線情報記憶手段から路線情報が読み出される。読み出された路線情報と車両の走行速度とに基づいて、第1算出手段により車体の傾斜指令値が算出される。傾斜手段は、この傾斜指令値に基づいて車体を車幅方向に傾斜させる。よって、車両が走行する路線の地点情報に基づいて路線情報を先読みし、車両が曲線区間へ進入する場合には、その曲線区間の直前から車体を傾斜させることで、車両の乗り心地を向上させることができる。
ここで、路線の曲線を検出する曲線検出手段を車両に搭載し、その曲線検出手段による検出結果と車両の走行速度とに基づいて、第2算出手段により車体の傾斜指令値を算出可能に構成している。そして、地点情報取得手段により車両が走行する地点情報を取得できない場合には、傾斜手段は、かかる第2算出手段により算出された傾斜指令値に基づいて車体を傾斜させる。よって、地点情報を取得できない場合にも、車体の傾斜制御を実行して乗り心地を向上させることができる。また、曲線区間では車体の傾斜制御を実行することで通常の走行速度で走行できるので、ダイヤの遅れを招くこともない。
請求項2記載の鉄道車両によれば、請求項1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、地点情報に基づいて第1算出手段により算出された傾斜指令値での車体の傾斜制御の実行中に、何らかの原因で地点情報が取得できなくなると、車体の傾斜制御は、路線の曲線の検出結果に基づいて第2算出手段により算出された傾斜指令値によって実行される。ここで、請求項2の鉄道車両によれば、傾斜手段は、前回の傾斜制御に使用した前回傾斜指令値を指令値記憶手段に記憶し、その前回傾斜指令値と、第1又は第2算出手段により算出された傾斜指令値であって今回の傾斜制御に使用される傾斜指令値との値に基づいて、指令値補正手段により、今回の傾斜制御に使用される傾斜指令値を補正する。そして、その補正された傾斜指令値に基づいて、車体の傾斜制御を実行する。よって、車体の傾斜制御に使用する傾斜指令値が、第1算出手段により算出されたものから、第2算出手段により算出されたものに切り替えられた場合にも、その切り替えをスムーズなものとして快適な乗り心地を維持できる。同様に、車体の傾斜制御に使用する傾斜指令値が、第2算出手段により算出されたものから、第1算出手段により算出されたものに切り替えられた場合にも、その切り替えをスムーズなものとして快適な乗り心地を維持できる。
請求項3記載の鉄道車両によれば、請求項1又は2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2算出手段は、曲線検出手段による曲線の検出結果に基づいて傾斜指令値を算出するが、その算出には若干の所要時間を要する。よって、地点情報が取得できない場合に第2算出手段の作動を開始させる構成であると、その分、傾斜指令値の算出が更に遅れ、その結果、傾斜制御の実行が遅れて、乗り心地が悪化する。これに対して、請求項3の鉄道車両によれば、第2算出手段は、少なくとも車両の走行中において、第1算出手段による傾斜指令値の算出状況に関わらず傾斜指令値の算出を行うので、かかる遅れ分を解消して、その分、乗り心地を向上させることができる。
請求項4記載の鉄道車両によれば、請求項1から3のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、地点情報取得手段により車両が走行する地点情報を取得できない場合であって且つ曲線検出手段による検出結果が異常値である場合には、報知手段がその旨を報知する。かかる場合には傾斜制御を実行できないが、その場合には、その旨が報知されるので、例えば運転士に傾斜制御を実行できない旨を報せて走行速度を減速させるなど、安全運転を促すことができる。
請求項5記載の鉄道車両によれば、請求項2から4のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、本車両は、車両編成の先頭車両として構成されており、第1若しくは第2算出手段により算出された傾斜指令値または指令値補正手段により補正された傾斜指令値を、指令値送信手段により車両編成の後続車両へ送信する。よって、かかる車両編成の後続車両に、自車両の車両編成における位置と走行速度とに基づいて傾斜制御の実行タイミングを調整させることにより、送信した傾斜指令値に基づいて適切な車体の傾斜制御を実行させることができる。
請求項6記載の鉄道車両は、請求項5記載の鉄道車両を先頭車両とする車両編成の後続車両(以下、本段落において「自車両」という)として構成される。そして、後続地点情報取得手段により自車両が走行する路線の地点情報が取得され、その地点情報に基づいて、後続読出手段により後続路線情報記憶手段から路線情報が読み出される。読み出された路線情報と、後続速度検出手段により検出された自車両の走行速度とに基づいて、自車両の車体の傾斜指令値が後続指令値算出手段により算出され、この傾斜指令値に基づいて、後続傾斜手段は自車両の車体を車幅方向に傾斜させる。ここで、かかる後続傾斜手段は、後続地点情報取得手段により自車両が走行する地点情報を取得できない場合には、指令値送信手段により送信された傾斜指令値に基づいて自車両の車体を傾斜させる。よって、本後続車両は、地点情報を取得できない場合にも、車体の傾斜制御を実行して乗り心地を向上させることができる。
鉄道車両を模式的に示した図である。 鉄道車両の電気的構成を示すブロック図である。 (a)は先頭車両におけるバックグラウンド処理のフローチャートであり、(b)は先頭車両における車体傾斜処理のフローチャートである。 第2実施形態の鉄道車両の電気的構成を示すブロック図である。 (a)は第2実施形態の先頭車両におけるバックグラウンド処理のフローチャートであり、(b)は第2実施形態の先頭車両における車体傾斜処理のフローチャートである。 (a)は第2実施形態の後続車両におけるバックグラウンド処理のフローチャートであり、(b)は第2実施形態の後続車両における車体傾斜処理のフローチャートである。
以下、本発明の好ましい実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1を参照して、鉄道車両(車両編成)1の構成について説明する。
図1は、鉄道車両1を模式的に示した図である。鉄道車両1は、先頭車両2と、複数の後続車両20(図2参照)とが連結されて構成される。鉄道車両1における進行方向をY軸方向、左右方向をX軸方向、上下方向をZ軸方向とする。先頭車両2には、車輪5を有する台車4に傾斜装置6を介して車体3が搭載されている。傾斜装置6は車体3を傾斜させるための装置であり、空気バネを備える。傾斜装置6は、制御装置11から入力された傾斜指令値Fに基づいて空気バネに送り込む空気を制御することで、車体3の傾斜角度や傾斜方向を変化させ、車体3をX軸方向に傾斜させる。なお、図示はしないが、後続車両20も先頭車両2と同様に、車体3と台車4と傾斜装置28とを備える。なお、先頭車両2で算出された傾斜指令値Fは、後続車両20にも送信され、後続車両20の傾斜装置28に入力されることで後続車両20の傾斜制御が行われる。
先頭車両2は、地点取得装置7と、先頭車両2の走行速度(単位はkm/h)を検知する速度センサ8と、先頭車両2の加速度(単位はm/s)を検知する加速度センサ9と、先頭車両2の角速度(単位はrad/s)を検知するジャイロセンサ10とを備える。地点取得装置7は、軌道R付近に設置された地点情報送信装置30から発信される、軌道Rの始発点との距離である地点情報P(単位はkm)を取得する装置である。なお、地点情報送信装置30は、走行中の先頭車両2の地点取得装置7によって100ms毎に地点情報Pが取得される間隔で軌道R付近に設置される。
本実施形態において、傾斜装置6,28へ出力される傾斜指令値Fは、地点取得装置7から地点情報が正常に取得できた場合は、その地点情報Pと速度センサ8によって検知された先頭車両2の走行速度Vyとから算出される。一方、地点情報Pが何らかの原因により正常に受信できなかった場合は、加速度センサ9により検知されたX軸方向(即ち、左右方向)の加速度Ax(以下「左右加速度Ax」と称す)と、ジャイロセンサ10によって検知されたZ軸まわりの角速度ωz(以下「ヨー角速度ωz」と称す)と、走行速度Vyとから傾斜指令値Fを算出する。
次に、図2を参照して鉄道車両1の電気的構成について説明する。図2は鉄道車両1の電気的構成を示すブロック図である。先頭車両2は、先頭車両2の車体3における傾斜制御を実行するための制御装置11を備える。制御装置11は、CPU12と、ハードディスクドライブ(HDD)13と、RAM14とを備え、これらはバスライン15を介して入出力ポート16にそれぞれ接続されている。入出力ポート16には、通信装置17と、傾斜装置6と、地点取得装置7と、速度センサ8と、加速度センサ9と、ジャイロセンサ10とがそれぞれ接続されている。
CPU12は、バスライン15により接続された各部を制御する演算装置である。HDD13は、CPU12により実行されるプログラムや固定値データ等を格納した書き換え可能な不揮発性のメモリであり、制御プログラム13aと、路線情報データ13bとが記憶される。CPU12によって制御プログラム13aが実行されると、図3のバックグラウンド処理および車体傾斜処理が実行される。路線情報データ13bは、地点情報Pに応じた軌道Rの曲率およびカント(軌道Rの傾き)が記憶されるデータである。路線情報データ13bの地点情報Pを検索することで、該当する地点における軌道Rの曲率およびカントが取得される。この曲率およびカントと、走行速度Vyとにより、傾斜指令値Fが算出される。
RAM14はCPU12が制御プログラム13a等のプログラム実行時に各種のワークデータやフラグ等を書き換え可能に記憶するメモリであり、左右加速度Axが記憶される左右加速度メモリ14aと、ヨー角速度ωzが記憶されるヨー角速度メモリ14bと、前回(直前)の傾斜制御において傾斜装置6,28へ出力された傾斜指令値Fを記憶する傾斜指令値メモリ14cと、センサ傾斜指令値メモリ14dとがそれぞれ設けられる。センサ傾斜指令値メモリ14dは、走行速度Vyと、左右加速度Axと、ヨー角速度ωzとにより算出された傾斜指令値Fが記憶されるメモリである。
通信装置17は、鉄道車両1に設けられた有線の通信回路Lに接続され、後続車両20とデータ通信するための装置である。通信回路Lは、後述する後続車両20の通信装置27とも接続される。先頭車両2は通信装置17により通信回路Lを介して、傾斜指令値Fを後続車両20へ送信する。なお、通信装置17,27を、無線の通信回路を介して接続するように構成しても良い。
後続車両20は、後続車両20の車体3の傾斜制御を実行するための制御装置21を備え、制御装置21は、CPU22と、HDD23と、RAM24とを備え、これらはバスライン25を介して入出力ポート26にそれぞれ接続されている。入出力ポート26には、通信装置27と、傾斜装置28とがそれぞれ接続されている。
通信装置27は、先頭車両2又は他の後続車両20と通信回路Lを介してデータ通信を行うための装置である。制御装置21が通信装置27により先頭車両2から傾斜指令値Fを受信した場合は、その傾斜指令値Fが傾斜装置28に入力され、後続車両20における車体3の傾斜制御が行われる。
次に、図3(a)を参照して、先頭車両2のCPU12で実行されるバックグラウンド処理を説明する。図3(a)は先頭車両2のバックグラウンド処理のフローチャートである。バックグラウンド処理は、1ms毎のインターバル割り込み処理により繰り返し実行され、また、後述の車体傾斜処理と同時に(並列に)処理される。
バックグラウンド処理はまず、加速度センサ9から左右加速度Axを、ジャイロセンサ10からヨー角速度ωzをそれぞれ取得する(S1)。具体的には、取得された左右加速度Ax,ヨー角速度ωzはそれぞれ過去1秒間分、一時的なメモリ領域に記憶される。即ち、左右加速度Ax及びヨー角速度ωzについて、過去1秒間分のデータが1ms毎に更新されつつ、一時的なメモリ領域に記憶される。
S1の処理の後、取得した過去1秒間分の左右加速度Ax,ヨー角速度ωzからローパスフィルタによってノイズを除去し、それぞれ左右加速度メモリ14aとヨー角速度メモリ14bとに記憶する(S2)。加速度センサ9及びジャイロセンサ10から取得された左右加速度Ax及びヨー角速度ωzには、振動などにより、先頭車両2の走行に起因する周波数成分よりも高い、高周波数成分のノイズが混入されている。よって、ローパスフィルタによって、かかる高周波数成分のノイズ成分を除去している。なお、ローパスフィルタの遮断周波数は1Hz程度が例示される。
S2の処理の後、速度センサ8から取得した走行速度Vyと、ヨー角速度メモリ14bとから軌道Rの曲線半径を算出し、その軌道Rの曲線半径と、走行速度Vyと、左右加速度メモリ14aの値とから傾斜指令値Fを算出して、センサ傾斜指令値メモリ14dに記憶する(S3)。なお、傾斜指令値Fは公知の方法により算出されるので、その説明は省略する。
このように、センサ傾斜指令値メモリ14dの値には、速度センサ8から取得した走行速度Vyと、左右加速度メモリ14aの値と、ヨー角速度メモリ14bの値とから算出された傾斜指令値Fが記憶される。即ち、軌道Rの曲線や左右加速度Axに応じて算出された傾斜指令値Fがセンサ傾斜指令値メモリ14dに記憶される。従って、軌道Rが曲線でない場合や、左右加速度Axが小さい場合は、先頭車両2,後続車両20を傾斜させない傾斜指令値Fが算出され、センサ傾斜指令値メモリ14dに記憶される。
次に、図3(b)を参照して、先頭車両2のCPU12で実行される車体傾斜処理を説明する。図3(b)は先頭車両2の車体傾斜処理のフローチャートである。車体傾斜処理では、地点取得装置7から地点情報Pが正常に取得された場合は、取得した地点情報Pと走行速度Vyとから傾斜指令値Fを算出し、算出された傾斜指令値Fを補正する。一方、地点取得装置7から地点情報が正常に取得できない場合は、バックグラウンド処理にて算出された傾斜指令値Fを取得し、この傾斜指令値Fを補正する。そして、補正された傾斜指令値Fを傾斜装置6,28へ出力して、車体3の傾斜制御を実行する。
車体傾斜処理はまず、地点取得装置7から地点情報Pが正常に取得されたかを確認する(S10)。具体的には、前回、地点取得装置7からチェックサムが正常な地点情報Pを取得してから1秒以内に、新たにチェックサムが正常な地点情報Pを取得した場合、地点取得装置7から地点情報Pが正常に取得されたと判断される。なお、地点情報Pが正常かどうかは、チェックサムのみならず、BCC(Block Check Character)によるものや、CRC(Cyclic Redundancy Check)によるもの等、種々の誤り検出手法が採用される。
S10の処理において、地点取得装置7から地点情報Pが正常に取得されたかを確認するのは、後述のS11の処理で地点情報Pから傾斜指令値Fを算出するからである。即ち、正常な地点情報Pが取得されないと、その地点に応じた傾斜指令値Fが算出できず、不要な車体3の傾斜制御や、誤った向きや角度への傾斜制御が行われてしまう可能性がある。この場合は、後述のS12,S13の処理によって、バックグラウンド処理のS3の処理で算出された傾斜指令値F(即ち、センサ傾斜指令値メモリ14dの値)が取得され、この傾斜指令値Fを補正し、補正された傾斜指令値Fが傾斜装置6,28へ出力される。これにより、軌道Rの曲線と、走行速度Vyと、左右加速度Axと、ヨー角速度ωzとに応じた、車体3の傾斜制御が実行される。
S10の処理において、地点取得装置7から地点情報Pが正常に取得された場合は(S10:Yes)、路線情報データ13bから地点情報Pにマージンαを加えた地点を検索することで、その地点に応じた軌道Rの曲率およびカントを取得し、その軌道Rの曲率及びカントと、走行速度Vyとから、傾斜指令値Fを算出する(S11)。マージンαは、傾斜装置6に傾斜指令値Fが入力されてから、空気バネの制御が完了するまでの時間とその時点での走行速度Vyとを考慮して設定される変動値である。なお、前述した通り、傾斜指令値Fは公知の方法により算出されるので、その説明は省略する。
一方、S10の処理において、地点取得装置7から地点情報Pが正常に取得されない場合は(S10:No)、各センサ値が正常かを確認する(S12)。具体的には、左右加速度メモリ14aの値とヨー角速度メモリ14bの値と走行速度Vyとのいずれかが、加速度センサ9とジャイロセンサ10と速度センサ8とにおける無効値(オーバーレンジ等)である場合は、センサ値が異常であると判断する。S12の処理において各センサ値が正常かを判断するのは、センサ傾斜指令値メモリ14dの値が正常かどうかを判断するためである。即ち、センサ傾斜指令値メモリ14dの値は、左右加速度メモリ14aの値とヨー角速度メモリ14bの値と、走行速度Vyとに基づいて算出されるが、これらが異常である場合は、センサ傾斜指令値メモリ14dの値も異常な値となるからである。
S12の処理において、各センサ値が正常である場合は(S12:Yes)、バックグラウンド処理のS3の処理で算出された傾斜指令値F(即ち、センサ傾斜指令値メモリ14dの値)を取得する(S13)。一方、S12の処理において、いずれかのセンサ値が異常である場合は(S12:No)、運転士に対してエラー出力を行った上で(S14)、S10の処理以下を繰り返し行う。即ち、左右加速度メモリ14aの値と、ヨー角速度メモリ14bの値と、走行速度Vyとのいずれかが、無効値である場合は、図3(a)で算出されたセンサ傾斜指令値メモリ14dの値も無効値であるので、エラー出力を行い、運転士に減速指示を行う。なお、エラー出力がされた場合は、運転士による減速指示の有無にかかわらず、鉄道車両1を自動的に減速するようにしてもよい。これにより、各センサ値が異常な場合においても、鉄道車両1の安全運転を促すことができる。
S11,S13の処理の後、S11の処理で算出された傾斜指令値F又はS13の処理で取得された傾斜指令値Fと、前回(直前)の傾斜制御において傾斜装置6,28へ出力された傾斜指令値F(即ち、傾斜指令値メモリ14cの値)とを比較して、その差が大きい場合(例えば、その差が2倍以上)は、S11の処理で算出された傾斜指令値F又はS13の処理で取得された傾斜指令値Fを補正する(S15)。具体的には、傾斜指令値メモリ14cの値から、S11の処理で算出された傾斜指令値F又はS13の処理で取得された傾斜指令値F(即ち、補正前の傾斜指令値F)へ3秒間かけて変化するように、直線近似を行い、その近似値に基づいて、補正前の傾斜指令値Fを補正する。
このような傾斜指令値Fの補正を行う理由は、S10の判断処理により、S11の処理で算出された傾斜指令値Fから、S13の処理で取得された傾斜指令値Fへと切り替わったタイミングや、逆に、S13の処理で取得された傾斜指令値Fから、S11の処理で算出された傾斜指令値Fへ切り替わったタイミング等で、傾斜指令値メモリ14cの値と、算出された補正前の傾斜指令値Fとの差が大きくなる場合があるからである。傾斜装置6,28へ出力される前後の傾斜指令値Fに大きな差があると、傾斜装置6,28の傾斜角度や傾斜方向が不自然に変化してしまい、乗り心地の悪化や乗客に対して違和感や不快感を抱かせてしまうことがある。この場合、傾斜指令値Fの値を補正することで、両者の差が大きくても、その切り替えをスムーズに行うことができるので、車体3の傾斜制御による乗り心地の悪化や乗客への違和感や不快感を抑え、快適な乗り心地を維持できる。
なお、傾斜指令値メモリ14cの値から補正前の傾斜指令値Fへの切り替え時間は、3秒間に限られるものではなく、3秒以上でもよいし、3秒以下でもよい。また、傾斜指令値メモリ14cの値から補正前の傾斜指令値Fへ切り替える方法としては、直線近似に限られるものではなく、曲線で近似するようにしてもよいし、傾斜指令値メモリ14cの値から補正前の傾斜指令値Fへステップ状(階段状)に変化するようにしてもよい。
S15の処理の後、補正された傾斜指令値Fを先頭車両2の傾斜装置6へ出力し(S16)、先頭車両2における車体3の傾斜制御を実行する。S16の処理の後、この補正された傾斜指令値Fを後続車両20へタイミングを調節して送信し(S17)、この傾斜指令値Fを、傾斜指令値メモリ14cへ記憶する(S18)。具体的に、先頭車両2は、各後続車両20との距離差を考慮し、先頭車両2にて補正された傾斜指令値Fが算出または設定された地点と同一の地点にて、各後続車両20における車体3の傾斜制御が実行されるように、通信回路Lを介して補正された傾斜指令値Fを、各後続車両20へ送信する。後続車両20は、傾斜指令値Fを受信すると、その受信した傾斜指令値Fを傾斜装置28へ出力し、後続車両20における車体3の傾斜制御を実行する。これにより、後続車両20においても、先頭車両2にて補正された傾斜指令値Fが算出または設定された地点と同一の地点で、適切な車体3の傾斜制御を実行することができる。なお、傾斜指令値Fを各後続車両20へ同時に出力し、各後続車両20において、それぞれ、先頭車両2との距離差を考慮して、受信した傾斜指令値Fを傾斜装置28へ出力し、車体3の傾斜制御を実行するように構成してもよい。S18の処理の後、S10の処理以下を繰り返し行う。
以上説明した通り、本実施形態の鉄道車両1によれば、先頭車両2に設置された地点取得装置7により、地点情報Pが正常に取得できた場合は、路線情報データ13bから地点情報Pにマージンαを加えた地点を検索することで軌道Rの曲率およびカントを先読みして傾斜指令値Fを算出し、この傾斜指令値Fを補正する。一方、地点情報Pが正常に取得できなかった場合には、予め、走行速度Vyと、ヨー角速度メモリ14bとから算出した軌道Rの曲線半径と、走行速度Vyと、左右加速度メモリ14aの値とから算出した傾斜指令値Fを取得して、この傾斜指令値Fを補正する。そして、補正した傾斜指令値Fを傾斜装置6,28へ出力することで、先頭車両2及び後続車両20における車体3の傾斜制御を実行する。これにより、地点情報Pが取得できた場合は、鉄道車両1が軌道Rの曲線区間へ進入する場合には、その軌道Rの曲線区間の直前から車体3の傾斜制御を実行することで、鉄道車両1の乗り心地を向上させることができる。また、地点情報Pが取得できない場合にも、車体3の傾斜制御を実行でき、乗り心地を向上させることができる。加えて、地点情報Pが取得できない場合にも、軌道Rの曲線区間では車体3の傾斜制御を実行できるので、通常の走行速度Vyで鉄道車両1を走行でき、ダイヤの遅れを招くこともない。
また、地点情報Pが正常に取得できなかった場合に使用される傾斜指令値Fは、左右加速度Axとヨー角速度ωzとに対してローパスフィルタによるノイズ除去を行う必要があるので、その算出には時間がかかる。そこで、この傾斜指令値Fを、車体傾斜処理と同時に処理されるバックグラウンド処理によって常時算出し、センサ傾斜指令値メモリ14dに記憶する。これにより車体傾斜処理において、地点情報Pが正常に取得できなかった場合でも、センサ傾斜指令値メモリ14dを参照するだけで、傾斜指令値Fが取得できる。よって、傾斜指令値Fの算出による遅れのないレスポンス性の良い車体3の傾斜制御が可能となり、乗客への乗り心地を向上させることができる。
次に、図4〜図6を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。上述した第1実施形態では、先頭車両2の地点取得装置7によって取得された地点情報Pに基づいて算出された傾斜指令値F又は、先頭車両2の各種センサ8〜10の検出値に基づいて算出された傾斜指令値Fを補正し、その補正された傾斜指令値Fを後続車両20へ送信して、後続車両20の傾斜制御を実行していた。これに対し、第2実施形態では、後続車両300にも地点取得装置310を搭載し、地点取得装置310から地点情報Pが正常に取得できた場合は、その地点情報Pに基づいて算出された傾斜指令値Fを、一方、地点情報Pが正常に取得できない場合は、先頭車両200から受信した傾斜指令値Fを、それぞれ用いて後続車両300の傾斜制御を実行するものである。第2実施形態において、上述した第1実施形態と同一の部分については、同一の符号を付し、その説明は省略する。
図4は、第2実施形態の鉄道車両100の電気的構成を示すブロック図である。なお、先頭車両200の電気的構成は、第1実施形態における先頭車両2と同一なので、その説明は省略する。第2実施形態の後続車両300は、地点情報送信装置30から地点情報Pを取得する地点取得装置310と、走行速度を検知する速度センサ311とを新たに備える。HDD23には、図6の後続車両300のバックグラウンド処理および車体傾斜処理が実行される制御プログラム23aと、地点情報Pに応じた軌道Rの曲率およびカントが記憶される路線情報データ23bとが記憶される。
RAM24には、先頭車両200から受信した左右加速度Axを記憶する左右加速度メモリ24aと、先頭車両200から受信したヨー角速度ωzを記憶するヨー角速度メモリ24bと、前回(直前)の傾斜制御において傾斜装置28へ出力された傾斜指令値Fを記憶する傾斜指令値メモリ24cと、先頭車両200から受信した傾斜指令値Fを記憶するセンサ傾斜指令値メモリ24dとが新たに設けられる。センサ傾斜指令値メモリ24dに記憶される傾斜指令値Fは、先頭車両200において走行速度Vyと、左右加速度Axと、ヨー角速度ωzとにより算出されたものである。なお、後続車両300の他の電気的構成は、第1実施形態における後続車両20と同一なので、その説明は省略する。
次に、図5(a)を参照して、先頭車両200のCPU12で実行される、バックグラウンド処理を説明する。図5(a)は先頭車両2のバックグラウンド処理のフローチャートである。
先頭車両200のバックグラウンド処理のS1〜S3の処理は、図3(a)の第1実施形態におけるバックグラウンド処理のS1〜S3と同一なので、その説明は省略する。S3の処理の後、センサ傾斜指令値メモリ14dの値と、左右加速度メモリ14aの値と、ヨー角速度メモリ14bの値と、走行速度Vyとを通信回路Lを介して各後続車両300へ送信する(S50)。これらの各値を後続車両300へ送信するのは、後続車両300において、受信したセンサ傾斜指令値メモリ14dの値が正常な値かどうかを検証するためである。
次に、図5(b)を参照して、先頭車両200のCPU12で実行される車体傾斜処理を説明する。図5(b)は先頭車両2の車体傾斜処理のフローチャートである。このうちS10〜S15の処理は、図3(b)の第1実施形態におけるS10〜S15と同一なので、その説明は省略する。S15の処理の後、補正された傾斜指令値Fを、先頭車両200の傾斜装置6へ出力し(S16)、この傾斜指令値Fを、傾斜指令値メモリ14cへ記憶する(S18)。S18の処理の後、S10の処理以下を繰り返し行う。
第1実施形態の先頭車両2では、先頭車両2の傾斜装置6へ出力される傾斜指令値Fを、タイミングを調節して後続車両20へ送信し、後続車両20は受信した傾斜指令値Fを傾斜装置28へ出力していた。これに対し、第2実施形態の先頭車両200では、傾斜装置6へ出力される傾斜指令値Fは、後続車両300へは送信しない。後述するが、後続車両300では、地点取得装置310によって地点情報Pが正常に取得された場合は、それに基づいて傾斜指令値Fが算出され、後続車両300における車体3の傾斜制御が実行され、一方、地点取得装置310によって地点情報Pが正常に取得できない場合は、S50の処理で送信された傾斜指令値Fにより、後続車両300における車体3の傾斜制御が実行されるからである。
次に、図6(a)を参照して、後続車両300のCPU22で実行される、バックグラウンド処理を説明する。図6(a)は後続車両300のバックグラウンド処理のフローチャートである。後続車両300のバックグラウンド処理は、1ms毎のインターバル割り込み処理により繰り返し実行され、また、後述の後続車両300における車体傾斜処理と同時に(並列に)処理される。
後続車両300のバックグラウンド処理はまず、先頭車両200から左右加速度Ax,ヨー角速度ωz及び傾斜指令値Fが受信したかを確認する(S70)。S70の処理において、先頭車両200から左右加速度Ax,ヨー角速度ωz及び傾斜指令値Fが受信された場合(S70:Yes)、それぞれを、左右加速度メモリ24a,ヨー角速度メモリ24b及びセンサ傾斜指令値メモリ24dに記憶する(S71)。一方、先頭車両200から左右加速度Ax,ヨー角速度ωz及び傾斜指令値Fが受信されない場合は(S70:No)、S71の処理をスキップする。S70,S71の処理の後、バックグラウンド処理を終了する。
次に、図6(b)を参照して、後続車両300のCPU22で実行される車体傾斜処理を説明する。図6(b)は後続車両300の車体傾斜処理のフローチャートである。
後続車両300の車体傾斜処理ではまず、地点取得装置310から地点情報Pが正常に取得されたかを確認する(S80)。なお、地点取得装置310から地点情報Pが正常に取得されたかどうかは、前記S10の処理(図3(b))における方法と同一なので、その説明は省略する。S80の処理において、地点取得装置310から地点情報Pが正常に取得された場合は(S80:Yes)、地点情報Pと、後続車両300の走行速度Vyと、路線情報データ23bとから傾斜指令値Fを算出する(S81)。S81の処理の後、算出された傾斜指令値Fを補正する(S82)。なお、S82の処理における傾斜指令値Fの補正方法は、前記S15の処理(図3(b))と同一なので、その説明は省略する。
S82の処理の後、補正された傾斜指令値Fを傾斜装置28へ出力し(S83)、後続車両300における車体3の傾斜制御を実行する。S81及びS82の処理において算出された傾斜指令値Fは、後続車両300の走行速度Vy等に基づいて算出されたので、先頭車両200とのタイミングを調節する必要がない。そのため算出された傾斜指令値Fを、補正した上で傾斜装置28へ出力し、後続車両300における車体3の傾斜制御を実行する。
一方、S80の処理において、地点取得装置7から地点情報Pが正常に取得できない場合は(S80:No)、先頭車両200から受信した各センサ値が正常かどうかを確認する(S84)。なお、各センサ値が正常かどうかは、前記S12の処理(図3(b))における方法と同一なので、その説明は省略する。
S84の処理において、各センサ値が正常である場合は(S84:Yes)、先頭車両200から受信した傾斜指令値F(即ち、センサ傾斜指令値メモリ24dの値)を取得する(S85)。S85の処理の後、取得した傾斜指令値Fを補正する(S86)。なお、S86の処理における傾斜指令値Fを補正する方法も、前記S15の処理(図3(b))と同一なので、その説明は省略する。
S86の処理の後、先頭車両200とのタイミングを調節して、補正された傾斜指令値Fを傾斜装置28へ出力し(S87)、後続車両300における車体3の傾斜制御を実行する。先頭車両200とのタイミングを調節する理由は、補正された傾斜指令値Fは先頭車両200から通信回路Lを介して各後続車両300に送信されるので、S87が処理された時点では、必ずしもその後続車両300が走行している地点に応じた傾斜指令値Fではないからである。そこで、先頭車両200と後続車両300との距離差に応じて、補正された傾斜指令値Fを傾斜装置28へ出力するタイミングを調節することで、後続車両300における車体3の傾斜制御を適切なタイミングで実行することができる。
S83,S87の処理の後、傾斜指令値Fを傾斜指令値メモリ24cへ記憶して(S88)、S80の処理以下を繰り返し行う。また、S84の処理において、各センサ値が異常である場合は(S84:No)、エラー出力を行う(S89)。なお、このエラー処理は、前記S14の処理(図3(b))と同一なので、その説明は省略する。S88の処理の後、S80の処理以下を繰り返し行う。
以上説明した通り、第2実施形態の鉄道車両100によれば、後続車両300においては、地点取得装置310により、地点情報Pが正常に取得できた場合は、路線情報データ23bから地点情報Pにマージンαを加えた地点を検索することで、軌道Rの曲率およびカントを先読みして傾斜指令値Fを算出する。そして、この傾斜指令値Fを補正して傾斜装置28へ出力し、後続車両300における傾斜制御を実行する。一方、地点取得装置310から地点情報Pが正常に取得できなかった場合は、予め先頭車両200から受信した傾斜指令値Fを読み出す。そして、この傾斜指令値Fを補正し、先頭車両200とのタイミングを調節して傾斜装置28へ出力し、後続車両300における車体3の傾斜制御を実行する。これにより、地点情報Pを正常に取得できた場合にも、或いは正常に取得できなかった場合にも、後続車両300における車体3の傾斜制御を適切に実行して、乗り心地を向上させることができる。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能であることは容易に推察できるものである。
上記第2実施形態では、先頭車両200から傾斜指令値Fと共に左右加速度Axとヨー角速度ωzとが後続車両300に送信され、S84の処理(図6(b)参照)によって後続車両300において左右加速度Axとヨー角速度ωzとの値に応じて、傾斜指令値Fが正常かどうかを判断するものとした。しかし、必ずしもこれに限られるものではなく、左右加速度Axとヨー角速度ωzとの代わりに、左右加速度Axとヨー角速度ωzとが共に正常かどうかの情報(例えば、OK又はNG)を後続車両300へ送信し、後続車両300では、その情報に基づいて傾斜指令値Fが正常かどうかを判断するようにしてもよい。左右加速度Axとヨー角速度ωzとがともに正常かどうかの情報は、最低1ビットで表現できるので、通信回路Lにおける通信容量を削減できる。
上記第2実施形態では、図5(a)の先頭車両200のバックグラウンド処理において、センサ傾斜指令値メモリ14dの値と、各センサ値とを後続車両300へ送信するものとした。しかし、必ずしもこれに限られるものではなく、地点取得装置7から地点情報Pが取得できた場合は、各センサ値に代えて、地点情報Pと、地点情報Pに基づいて算出された傾斜指令値Fとを送信するようにしてもよい。その場合、図6(a)の後続車両300のバックグラウンド処理においては、先頭車両200から地点情報Pを取得可能とし、図6(b)の後続車両300の車体傾斜処理においては、先頭車両200から地点情報Pを受信した場合は、S80の処理において、地点情報Pが正常に取得されたものとし、受信した傾斜指令値Fを、傾斜装置28へ出力される傾斜指令値Fとすればよい。
1 鉄道車両
2,200 先頭車両
3 車体
6,28 傾斜装置(傾斜手段の一部)
7 地点取得装置(地点情報取得手段)
8 速度センサ(速度検出手段)
9 加速度センサ(曲線検出手段の一部)
10 ジャイロセンサ(曲線検出手段の一部)
13b 路線情報データ(路線情報記憶手段)
14c 傾斜指令値メモリ(指令値記憶手段)
20,300 後続車両
23b 路線情報データ(後続路線情報記憶手段)
28 傾斜装置(後続傾斜手段の一部)
310 地点取得装置(後続地点情報取得手段)
311 速度センサ(後続速度検出手段)
F 傾斜指令値
P 地点情報
S3 第2算出手段
S10〜S16 傾斜手段の一部
S11 読出手段、第1算出手段
S14 報知手段
S15 指令値補正手段
S17 指令値送信手段
S80〜S87 後続傾斜手段の一部
S81 後続読出手段、後続指令値算出手段

Claims (6)

  1. 車体を有する車両と、その車両の走行速度を検出する速度検出手段と、前記車両が走行する路線の地点情報を取得する地点情報取得手段と、路線の地点情報に対応づけて路線の曲線に関する路線情報を記憶する路線情報記憶手段と、前記地点情報取得手段により取得された地点情報に基づいて前記路線情報記憶手段から路線情報を読み出す読出手段と、その読出手段により読み出された路線情報と前記速度検出手段により検出された前記車両の走行速度とに基づいて前記車体の傾斜指令値を算出する第1算出手段と、その第1算出手段により算出された傾斜指令値に基づいて前記車体を車幅方向に傾斜させる傾斜手段とを備えた鉄道車両において、
    前記車両に搭載され、路線の曲線を検出する曲線検出手段と、
    その曲線検出手段による検出結果と、前記速度検出手段により検出された前記車両の走行速度とに基づいて、前記車体の傾斜指令値を算出する第2算出手段とを備え、
    前記傾斜手段は、前記地点情報取得手段により前記車両が走行する地点情報を取得できない場合に、前記第2算出手段により算出された傾斜指令値に基づいて前記車体を傾斜させるものであることを特徴とする鉄道車両。
  2. 前記傾斜手段は、
    前回の傾斜制御に使用した前回傾斜指令値を記憶する指令値記憶手段と、
    その指令値記憶手段に記憶される前回傾斜指令値と、前記第1又は第2算出手段により算出された傾斜指令値であって今回の傾斜制御に使用される傾斜指令値との値に基づいて、今回の傾斜制御に使用される傾斜指令値を補正する指令値補正手段とを備え、
    その指令値補正手段により補正された傾斜指令値に基づいて前記車体を傾斜させるものであることを特徴とする請求項1記載の鉄道車両。
  3. 前記第2算出手段は、少なくとも前記車両の走行中において、前記第1算出手段による傾斜指令値の算出状況に関わらず、前記傾斜指令値の算出を行うものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の鉄道車両。
  4. 前記地点情報取得手段により前記車両が走行する地点情報を取得できない場合であって且つ前記曲線検出手段による検出結果が異常値である場合に、その旨を報知する報知手段を備えていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の鉄道車両。
  5. 前記車両は、車両編成の先頭車両として構成され、
    前記第1若しくは第2算出手段により算出された傾斜指令値または前記指令値補正手段により補正された傾斜指令値を、前記車両編成の後続車両へ送信する指令値送信手段を備えていることを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の鉄道車両。
  6. 請求項5記載の鉄道車両を先頭車両とする車両編成の後続車両として構成される鉄道車両において、
    前記後続車両の走行速度を検出する後続速度検出手段と、前記後続車両が走行する路線の地点情報を取得する後続地点情報取得手段と、路線の地点情報に対応づけて路線の曲線に関する路線情報を記憶する後続路線情報記憶手段と、前記後続地点情報取得手段により取得された地点情報に基づいて前記後続路線情報記憶手段から路線情報を読み出す後続読出手段と、その後続読出手段により読み出された路線情報と前記後続速度検出手段により検出された前記後続車両の走行速度とに基づいて前記後続車両の車体の傾斜指令値を算出する後続指令値算出手段と、その後続指令値算出手段により算出された傾斜指令値に基づいて前記後続車両の車体を車幅方向に傾斜させる後続傾斜手段とを備え、
    その後続傾斜手段は、前記後続地点情報取得手段により前記後続車両が走行する地点情報を取得できない場合に、前記指令値送信手段により送信された傾斜指令値に基づいて前記後続車両の車体を傾斜させるものであることを特徴とする鉄道車両。
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