以下、開示の技術の実施形態の一例を図面を参照しつつ説明する。なお、各図面において同一または等価な構成要素及び部分には同一の参照符号を付与している。
図1は、開示の技術の実施形態に係る電力供給システム1の構成を示すブロック図である。電力供給システム1は、複数の電源ユニット101、102及び103と、制御ユニット110と、を備えている。なお、本実施形態では、電力供給システム1が3台の電源ユニット101〜103を備える構成を例示しているが、電力供給システム1に搭載される電源ユニットの数は、負荷200の消費電力等に応じて適宜増減することが可能である。電源ユニット101〜103は、それぞれ、共通の出力ラインLpに接続されている。
負荷200は、例えばサーバコンピュータであり、電力供給システム1の出力ラインLpに接続されており、出力ラインLpを介して電力供給システム1から供給される電力によって動作する。なお、負荷200は、サーバコンピュータに限らず、あらゆる電気機器を想定することができる。
制御ユニット110は、信号ラインL1を介して電源ユニット101〜103と通信可能に接続されている。制御ユニット110は、信号ラインL1に制御信号S1を出力することによって電源ユニット101〜103を制御する。
電源ユニット101〜103は、信号ラインL2及びL3を介して相互に通信可能に接続されている。電源ユニット101〜103は、信号ラインL2を介して、停止状態にある電源ユニットの電力供給状態への移行を要求する移行要求信号S2の送受信を行う。ここで、電力供給状態とは、負荷200に対する電力供給を行っている状態をいう。停止状態とは、負荷200に対する電力供給を停止している状態をいう。電源ユニット101〜103は、それぞれ、電力供給状態及び停止状態への移行を個別に行うことが可能である。また、電源ユニット101〜103は、電力供給状態にある場合、信号ラインL3を介して、他の電源ユニットとの間で出力電流の大きさを一致させるための電流バランス信号S3の送受信を行う。
図2は、電源ユニット101〜103の詳細な構成を示すブロック図である。電源ユニット101〜103は、それぞれ、AC−DCコンバータ10、DC−DCコンバータ11、MCU(Micro Controller Unit)12、電流センサ13、電圧センサ14及びスイッチ15を備えている。
AC−DCコンバータ10は、外部の交流電源300から供給される交流電力を直流電力に変換する。
DC−DCコンバータ11は、AC−DCコンバータ10から出力される直流電圧を降圧して出力ラインLpに出力する。DC−DCコンバータ11は、信号ラインL3に接続されており、信号ラインL3を介して他の電源ユニットとの間で電流バランス信号S3の送受信を行う。
電流センサ13は、DC−DCコンバータ11から出力される出力電流Ioutの大きさを示す電流検出信号IsをMCU12に供給する。電圧センサ14は、出力ラインLpに生じる出力電圧Voutの大きさを示す電圧検出信号VsをMCU12に供給する。MCU12は、電流検出信号Is及び電圧検出信号Vsに基づいてDC−DCコンバータ11の出力電力値Poを算出する。
MCU12は、信号ラインL1に接続されており、信号ラインL1を介して制御ユニット110との間で通信を行う。制御ユニット110から出力される制御信号S1は、信号ラインL1を介してMCU12に供給される。また、MCU12は、信号ラインL2に接続されており、他の電源ユニットとの間で信号ラインL2を介して移行要求信号S2の送受信を行う。また、MCU12は、出力設定信号S4をDC−DCコンバータ11に供給することによって、電源ユニットの出力の状態を電力供給状態または停止状態に設定する。また、MCU12は、スイッチ制御信号S5をスイッチ15に供給することによって信号ラインL3上に設けられたスイッチ15のオンオフを制御する。
図3A及び図3Bは、それぞれ、電力供給状態及び停止状態におけるDC−DCコンバータ11の出力電圧及び出力電流を示す図である。図3に示すように、DC−DCコンバータ11は、電力供給状態において電圧値V1の電圧を出力する。従って、電源ユニット101〜103のいずれかによって負荷200に対する電力供給が行われているとき、出力ラインLpの電圧値はV1となる。電力供給状態におけるDC−DCコンバータ11の出力電流の電流値は、負荷200の消費電力に応じて定まる。
DC−DCコンバータ11は、停止状態において、電力供給状態における電圧値V1よりも僅かに小さい電圧値V2の電圧を出力する。すなわち、DC−DCコンバータ11は、停止状態においても電圧出力を維持する。例えば、電圧値V2は、電圧値V1の80%程度であってもよい。停止状態におけるDC−DCコンバータ11の出力電圧の電圧値V2は、出力ラインLpの電圧値(=V1)よりも小さいので、停止状態におけるDC−DCコンバータ11から電流は出力されない。すなわち、停止状態におけるDC−DCコンバータ11の出力電流の電流値はゼロである。
図4は、電源ユニット101〜103における電力変換効率と負荷率との関係を示すグラフである。なお、負荷率とは、定格電力値Prに対する出力電力値Poの割合である。図4に示すように、電源ユニット101〜103の電力変換効率は、負荷率によって変化し、ある負荷率においてピークを持つ。電源ユニット101〜103において、負荷率がW1からW2までの範囲が、電力変換効率が相対的に高い高効率範囲として定められている。高効率範囲は、電源ユニット101〜103における電力変換効率が例えば90%を超える範囲であってもよい。電源ユニット101〜103は、制御ユニット110によって設定される動作モードが高効率モードである場合、電力供給状態にある電源ユニットの各々の出力電力値Poが、図4に示す高効率範囲を維持するように協調して動作する。
具体的には、電力供給状態にある電源ユニットは、自身の出力電力値Poが、高効率範囲の上限である負荷率W2を上回った場合、移行要求信号S2をローベルに遷移させ、停止状態にある他の電源ユニットの電力供給状態への移行を要求する。停止状態にある電源ユニットは、ローレベルの移行要求信号S2を受信すると、自身に設定された優先値に基づいて電力供給状態に移行する。なお、優先値は、移行要求信号S2に応じて電力供給状態に移行する電源ユニットの優先順位を示す値であり、制御ユニット110によって各電源ユニット101〜103に対して互いに異なる値の優先値が設定される。移行要求信号S2がローレベルに遷移すると、停止状態にある電源ユニットのうち、設定された優先値が最も小さいものが電力供給状態に移行し、既に電力供給状態にある電源ユニットと共に負荷200に対する電力供給を行う。これにより、電力供給状態にある電源ユニットの各々の負荷率が、高効率範囲の上限である負荷率W2を上回る状態が解消される。
一方、電力供給状態にある電源ユニットの出力電力値Poが、高効率範囲の下限である負荷率W1を下回った場合、電力供給状態にある電源ユニットのうち、設定された優先値が最も大きいものが停止状態に移行する。これにより、電力供給状態にある電源ユニットの各々の負荷率が、高効率範囲の下限である負荷率W1を下回る状態が解消される。
このように、電源ユニット101〜103がそれぞれの出力電力値Poに応じて自律的に電力供給状態または停止状態に移行することで、電力供給状態にある電源ユニットの各々の出力電力値Poは、高効率範囲に維持される。なお、本実施形態において、優先値0が設定された電源ユニットは、高効率モードにおいて電力供給状態を維持し、停止状態に移行しないものとする。
図5は、高効率モードにおいて、電源ユニット101〜103のMCU12がDC−DCコンバータの出力の状態を制御する処理の流れを示すフローチャートである。
ステップA1においてMCU12は、自身に設定された優先値が0であるか否かを判定する。MCU12は、自身に設定された優先値が0ではないと判定した場合、処理をステップA2に移行する。
ステップA2においてMCU12は、電流センサ13から出力された電流検出信号Is及び電圧センサ14から出力された電圧検出信号Vsの読み込みを行う。
ステップA3においてMCU12は、電流検出信号Is及び電圧検出信号Vsに基づいてDC−DCコンバータ11の出力電力値Poを算出する。MCU12は、電流検出信号Isによって示される出力電流値Iと、電圧検出信号Vsによって示される出力電圧値Vとの積を、DC−DCコンバータ11の出力電力値Poとして算出する(Po=I×V)。
ステップA4においてMCU12は、ステップA3において算出した出力電力値Poに基づいて負荷率Wを算出する。MCU12は、ステップA3において算出した出力電力値Poを電源ユニット101〜103の定格電力値Prで除することによって負荷率Wを算出する(W=Po/Pr)。
ステップA5においてMCU12は、DC−DCコンバータ11における出力の状態が電力供給状態であるか否かを判定する。MCU12は、出力の状態が電力供給状態であると判定した場合、処理をステップA6に移行し、出力の状態が電力供給状態ではないと判定した場合、処理をステップA15に移行する。
ステップA6においてMCU12は、ステップA4において算出した負荷率Wが高効率範囲の上限であるW2を超えているか否かを判定する。MCU12は、負荷率WがW2を超えていないと判定した場合、処理をステップA7に移行し、負荷率WがW2を超えていると判定した場合、処理をステップA14に移行する。
ステップA7においてMCU12は、移行要求信号S2をハイレベルに設定し、処理をステップA8に移行する。ハイレベルの移行要求信号S2は、停止状態にある電源ユニットの電力供給状態への移行は不要であることを示す。
ステップA14においてMCU12は、移行要求信号S2をローベルに設定し、処理をステップA1に戻す。ローレベルの移行要求信号S2は、停止状態にある電源ユニットの電力供給状態への移行が必要であることを示す。
ステップA8においてMCU12は、ステップA4において算出した負荷率Wが高効率範囲の下限であるW1を下回っているか否かを判定する。MCU12は、負荷率WがW1を下回っていると判定した場合、処理をステップA9に移行し、負荷率WがW1を下回っていないと判定した場合、処理をステップA1に戻す。
ステップA9においてMCU12は、自身に内蔵するタイマーによるカウントを開始する。
ステップA10においてMCU12は、タイマーのカウント値が、オーバーフロー値OFAを超えたか否かを判定する。MCU12は、タイマーのカウント値がオーバーフロー値OFAを超えたと判定した場合、処理をステップA11に移行し、タイマーのカウント値がオーバーフロー値OFAを超えないと判定した場合、処理をステップA1に戻す。ここで、固定値をC、電力供給システム1が備える電源ユニットの数をN、当該電源ユニットに設定された優先値をXとすると、オーバーフロー値OFAは、下記の(1)式によって表される。固定値Cは、電源ユニットの出力の状態が変化してから出力が安定化するまでの期間に相当する値である。
OFA=C×(N−X) ・・・(1)
すなわち、オーバーフロー値OFAは、制御ユニット110によって電源ユニット毎に設定された優先値Xに応じて定まり、電源ユニット毎に異なる。(1)式によれば、最も大きい優先値が設定された電源ユニットにおいてカウント値がオーバーフロー値OFAに達する。従って、最も大きい優先値が設定された電源ユニットにおいては、ステップA10の判定処理において肯定判定がなされ、それ以外の電源ユニットにおいては、ステップA10の判定処理において否定判定がなされる。
ステップA11においてMCU12は、出力設定信号S4をDC−DCコンバータ11に供給することにより、DC−DCコンバータ11の出力の状態を停止状態に移行する。これにより、DC−DCコンバータ11から出力される出力電圧の電圧値は、電力供給状態における電圧値V1よりも小さいV2となり、DC−DCコンバータ11の出力電流の電流値はゼロとなる。
ステップA12においてMCU12は、スイッチ制御信号S5をスイッチ15に供給することにより、スイッチ15をオフ状態に制御する。スイッチ15をオフ状態とすることにより、当該電源ユニットにおいて、電流バランス信号S3の送受信が不可能となり、電力供給状態にある他の電源ユニットとの間で、出力電流の大きさを一致させる電流バランス機能が無効化される。停止状態において電流バランス機能が有効化されていると、DC−DCコンバータ11の出力電圧の電圧値をV2に維持することができなくなる。MCU12は、停止状態に移行すると、スイッチ15をオフ状態として電流バランス機能を無効化することで、停止状態におけるDC−DCコンバータ11の出力電圧を安定化させる。
ステップA13においてMCU12は、タイマーのカウント値をリセットして処理をステップA1に戻す。
MCU12は、ステップA5においてDC−DCコンバータ11の出力の状態が停止状態であると判定すると、ステップA15において、移行要求信号S2がローレベルであるか否かを判定する。ローレベルの移行要求信号S2は、停止状態にある電源ユニットの電力供給状態への移行が必要であることを示す。MCU12は、移行要求信号S2がローレベルであると判定すると処理をステップA16に移行し、移行要求信号S2がローレベルではないと判定すると処理をステップA1に戻す。
ステップA16においてMCU12は、自身に内蔵するタイマーによるカウントを開始する。
ステップA17においてMCU12は、タイマーのカウント値が、オーバーフロー値OFBを超えたか否かを判定する。MCU12は、タイマーのカウント値がオーバーフロー値OFBを超えたと判定した場合、処理をステップA18に移行し、タイマーのカウント値がオーバーフロー値OFBを超えないと判定した場合、処理をステップA1に戻す。ここで、固定値をC、当該電源ユニットに設定された優先値をXとすると、オーバーフロー値OFBは、下記の(2)式によって表される。
OFB=C×X ・・・(2)
すなわち、オーバーフロー値OFBは、制御ユニット110によって電源ユニット毎に設定された優先値Xに応じて定まり、電源ユニット毎に異なる。(2)式によれば、最も小さい優先値が設定された電源ユニットにおいてカウント値がオーバーフロー値OFBに達する。従って、最も小さい優先値が設定された電源ユニットにおいては、ステップA17の判定処理において肯定判定がなされ、それ以外の電源ユニットにおいては、ステップA17の判定処理において否定判定がなされる。
ステップA18においてMCU12は、スイッチ制御信号S5をスイッチ15に供給することにより、スイッチ15をオン状態に制御する。スイッチ15をオン状態とすることにより、当該電源ユニットにおいて、電流バランス信号S3の送受信が可能となり、電力供給状態にある他の電源ユニットとの間で、出力電流の大きさを一致させる電流バランス機能が有効化される。
ステップA19においてMCU12は、出力設定信号S4をDC−DCコンバータ11に供給することにより、DC−DCコンバータ11の出力の状態を電力供給状態に移行する。これにより、DC−DCコンバータ11から出力される出力電圧の電圧値は、停止状態における電圧値V2よりも大きいV1となり、当該電源ユニットにおいて負荷200に対する電力供給が行われる。
ステップA20においてMCU12は、タイマーのカウント値をリセットして処理をステップA1に戻す。
図6は、高効率モードにおける電源ユニット[0]〜[2]による協調動作の具体例を示す図である。なお、電源ユニット[0]〜[2]は、それぞれ電源ユニット101〜103に対応する。図6の上段は、負荷200の消費電力の時間推移を示すグラフであり、図6の下段には電源ユニット[0]〜[2]の出力の状態の時間推移が、上段のグラフに対応して示されている。ここでは、電源ユニット[0]に優先値0が設定され、電源ユニット[1]に優先値1が設定され、電源ユニット[2]に優先値2が設定されているものとする。また、各電源ユニットにおける定格電力値Prは2000Wであり、高効率範囲の下限に対応する負荷率W1が40%であり、高効率範囲の上限に対応する負荷率W2が60%であるものとする。
時刻t1よりも前の期間において、優先値0が設定された電源ユニット[0]のみが電力供給状態であり、電源ユニット[1]及び電源ユニット[2]は停止状態である。時刻t1において、負荷200の消費電力が1200Wを超えると、電源ユニット[0]の負荷率が高効率範囲の上限である60%を超える。これにより、電源ユニット[0]は、移行要求信号S2をローレベルに遷移させる。これを受信した電源ユニット[1]及び電源ユニット[2]のうち、設定された優先値がより小さい電源ユニット[1]が、時刻t1において電力供給状態に移行する。これにより、電源ユニット[0]及び電源ユニット[1]の2台によって負荷200に対する電力供給がなされる。電源ユニット[0]及び電源ユニット[1]の出力電流の電流値は、電流バランス機能によって互いに同じ値になるように制御される。
負荷200の消費電力が上昇し、時刻t2において2400Wを超えると、電源ユニット[0]及び電源ユニット[1]の負荷率が高効率範囲の上限である60%を超える。これにより、電源ユニット[0]及び電源ユニット[1]は、移行要求信号S2をローレベルに遷移させる。これを受信した電源ユニット[2]は、時刻t2において電力供給状態に移行する。これにより、電源ユニット[0]〜[2]の3台によって負荷200に対する電力供給がなされる。電源ユニット[0]〜[2]の出力電流の電流値は、電流バランス機能によって互いに同じ値になるように制御される。
負荷200の消費電力が低下し、時刻t3において2400Wを下回ると、電源ユニット[0]〜[2]の負荷率が高効率範囲の下限である40%を下回る。これにより、電源ユニット[0]〜[2]のうち、設定された優先値が最も大きい電源ユニット[2]が停止状態に移行する。
その後、負荷200の消費電力が更に低下し、時刻t4において1600Wを下回ると、電源ユニット[0]及び電源ユニット[1]の負荷率が高効率範囲の下限である40%を下回る。これにより、電源ユニット[0]及び電源ユニット[1]のうち、設定された優先値がより大きい電源ユニット[1]が停止状態に移行する。
このように、電源ユニット[0]〜[2]が、負荷200の消費電力の変動に応じて自律的に電力供給状態または停止状態に移行することで、電力供給状態にある電源ユニットの出力電力(負荷率)は、高効率範囲に維持される。
上記の説明では、高効率モードにおいて、電力供給システム1が備える全ての電源ユニットが、負荷200の消費電力に応じて同時に電力供給状態となり得る場合を例示した。一方、電力供給システム1を構成するN台の電源ユニットのうち、(N−1)台の電源ユニットによって負荷200が必要とする電力を賄うように設計することで、残りの1台の電源ユニットを冗長系(予備電源)として使用することができる。この場合、優先値が最も大きい電源ユニットは、高効率モードにおいて停止状態となるので、最も大きい優先値が設定された電源ユニットを冗長系(予備電源)として使用することができる。換言すれば、冗長系(予備電源)としての役割を担う電源ユニットを、優先値の設定によって選択することが可能である。
本実施形態に係る電力供給システム1において、制御ユニット110は、一定期間毎に(例えば1日1回)、電源ユニット101〜103における優先値の設定を変更することにより、冗長系(予備電源)としての役割を担う電源ユニットを切り換える。また、制御ユニット110は、優先値の設定変更に先立って、全ての電源ユニット101〜103の動作モードを高効率モードからノーマルモードに切り替えて、電源ユニット101〜103の各々について故障の有無を判定する。電源ユニット101〜103は、動作モードがノーマルモードに設定されると、自身に設定された優先値にかかわらず電力供給状態となる。
図7は、制御ユニット110が、電源ユニット101〜103における優先値の設定を変更する際に実施する処理の流れを示すフローチャートである。
ステップA31において制御ユニット110は、信号ラインL1を介して制御信号S1を電源ユニット101〜103に供給することで、電源ユニット101〜103の動作モードをノーマルモードに設定する。ノーマルモードにおいて、電源ユニット101〜103は、自身に設定された優先値にかかわらず電力供給状態となる。電力供給状態となった電源ユニット101〜103は、それぞれ、出力電圧及び出力電流における異常の有無、過電流保護機能、過電圧保護機能及び過熱保護機能の作動状況等の自身の故障に関する情報を、信号ラインL1を介して制御ユニット110に供給する。
ステップA32において制御ユニット110は、電源ユニット101〜103から供給された情報に基づいて電源ユニット101〜103のいずれかに故障が発生しているか否かを判定する。制御ユニット110は、電源ユニット101〜103のいずれにも故障が発生していないと判定した場合には、処理をステップA33に移行し、電源ユニット101〜103のいずれかに故障が発生していると判定した場合には、ノーマルモードを継続する。これにより、故障が発生していない複数の電源ユニットによって負荷200に対する電力供給が維持される。なお、制御ユニット110は、電源ユニット101〜103のいずれかに故障が発生していると判定した場合に、その旨を報知して、故障が発生した電源ユニットの交換を促すようにしてもよい。
ステップA33において制御ユニット110は、電源ユニット101〜103における優先値の設定を変更する。制御ユニット110は、各電源ユニット101〜103に対して互いに異なる優先値を設定する。
ステップA34において、制御ユニット110は、信号ラインL1を介して制御信号S1を電源ユニット101〜103に供給することで、電源ユニット101〜103の動作モードを高効率モードに設定する。これにより、ステップA33において設定された優先値に基づいて、前回の高効率モードにおいて停止状態とされていた電源ユニットとは異なる電源ユニットは、停止状態となり、冗長系(予備電源)としての役割を担う。
図8は、電源ユニット[0]〜[2]における優先値の設定変更処理の具体例を示す図である。ここでは、優先値の設定変更処理前において、電源ユニット[0]において優先値1が設定され、電源ユニット[1]において優先値2が設定され、電源ユニット[2]において優先値3が設定されているものとする。優先値の設定変更処理前における動作モードは高効率モードとされ、優先値に基づいて電源ユニット[0]及び電源ユニット[1]が電力供給状態とされ、電源ユニット[2]が停止状態とされている。
はじめに、制御ユニット110は、電源ユニット[0]〜[2]の動作モードをノーマルモードに設定する。これにより、電源ユニット[0]〜[2]の出力の状態は、設定された優先値にかかわらず電力供給状態となる。その後、制御ユニット110は、電源ユニット[0]〜[2]について故障の有無を判定する。この判定処理において、これまで停止状態とされていた電源ユニット[2]についても故障を検出することが可能である。
制御ユニット110は、電源ユニット[0]〜[2]のいずれかに故障が発生していると判定した場合には、以降の処理を中断する。この場合、故障が発生していない複数の電源ユニットによって負荷200に対する電力供給が維持される。その後、故障が発生した電源ユニットについて修理または交換等の処置がとられると、処理が再開される。
制御ユニット110は、電源ユニット[0]〜[2]のいずれにも故障がないと判定した場合、電源ユニット[0]〜[2]について優先値の設定変更を行う。ここでは、制御ユニット110は、電源ユニット[0]の優先値を3に設定し、電源ユニット[1]の優先値を1に設定し、電源ユニット[2]の優先値を2に設定するものとする。
制御ユニット110は、優先値の設定変更が完了すると、電源ユニット[0]〜[2]の動作モードを高効率モードに設定する。これにより、新たに設定された優先値に基づいて電源ユニット[1]及び電源ユニット[2]が電力供給状態となり、電源ユニット[0]が停止状態となる。すなわち、電源ユニット[0]が冗長系(予備電源)としての役割を担う。
図9は、高効率モードにおいて、停止状態にある電源ユニットにおいて実施される処理を示すフローチャートである。
ステップA41において各電源ユニットのMCU12は、電圧センサ14から出力される電圧検出信号Vsによって示される出力ラインLpの出力電圧Voutの電圧値が、停止状態における電源ユニットの出力電圧値であるV2よりも小さいか否かを判定する。各電源ユニットのMCU12は、出力ラインLpにおける出力電圧Voutの電圧値がV2よりも小さいと判定した場合、処理をステップA42に移行する。一方、各電源ユニットのMCU12は、出力ラインLpにおける出力電圧Voutの電圧値がV2以上であると判定した場合、高効率モードでの動作を継続する。すなわち、電源ユニット101〜103は、自身に設定された優先値に基づいて電力供給状態または停止状態となる。
ステップA42において各電源ユニットのMCUは、自身の動作モードを、ノーマルモードに移行する。これにより、高効率モードにおいて停止状態にあった電源ユニットは、電力供給状態に移行する。
出力ラインLpの電圧値が、停止状態における電源ユニットの出力電圧の電圧値V2を下回る状況は、電力供給状態にあるいずれかの電源ユニットに故障が発生し、負荷200に対する電力供給が不足している状況であると考えられる。出力ラインLpの電圧値が電圧値V2を下回った場合に、各電源ユニットの動作モードをノーマルモードに設定し、停止状態にある電源ユニットを電力供給状態に移行させることで、負荷200に供給する電力供給を回復させることが可能である。
以上のように、開示の技術の実施形態に係る電力供給システム1によれば、複数の電源ユニット101〜103は、負荷200の消費電力の変動に追従して、出力電力値Poが高効率範囲を維持するように出力の状態を自律的に切り替える。これにより、電力供給システム1における損失を最小限に抑え、高効率化を図ることができる。
以下に、開示の技術の実施形態に係る電力供給システム及び比較例に係る電力供給システムのそれぞれについて、電源ユニットの搭載数を3台、4台及び5台とした場合について、システム全体の総合的な電力変換効率及び損失を試算した結果について説明する。
実施例及び比較例に係る各システムにおいて、80PLUSにおいて規定されるプラチナグレードの電源ユニットを使用する場合を想定した。比較例に係る電力供給システムでは、システムに搭載される全ての電源ユニットが同一の負荷率で稼働するものとした。実施例に係る電力供給システムでは、複数の電源ユニットのうちの1台が停止状態とされ(負荷率0%)、残りの複数の電源ユニットが、高効率範囲である負荷率50%で稼働するものとした。実施例及び比較例に係る各システムにおいて、各電源ユニットの定格出力を2000Wと想定した。実施例及び比較例に係る各システムにおいて、電源ユニットの搭載数を3台、4台及び5台とした場合の出力電力の総和を、それぞれ、2000W、3000W及び4000Wと想定した。
ここで、図10Aは、80PLUSにおいて規定されるプラチナグレードの電源ユニットにおける負荷率と電力変換効率との関係を示すグラフである。図10Bは、80PLUSにおいて規定されるプラチナグレードの電源ユニットにおける負荷率と損失との関係を示すグラフである。図10A及び図10Bに、実施例及び比較例に係る各システムにおける電源ユニットの動作点が示されている。比較例に係る電力供給システムにおいて、電源ユニットの搭載数を3台、4台及び5台とした場合、負荷率はそれぞれ33%、38%及び40%となる。実施例に係る電力供給システムにおいて、電源ユニットの搭載数を3台、4台及び5台とした場合、稼働する電源ユニットは、それぞれ、2台、3台及び4台であり、それぞれの負荷率は50%である。停止状態となる残り1台の電源ユニットの負荷率は0%である。
各電源ユニットの動作点における電力変換効率及び損失を図10A及び図10Bに示すグラフから読み取り、電力供給システム全体における総合的な電力変換効率及び損失を算出した結果を、それぞれ図11A及び図11Bに示す。電源ユニットの搭載数を3台、4台及び5台とした場合のそれぞれにおいて、実施例に係る電力供給システムの電力変換効率は、比較例に係る電力供給システムよりも高い、という結果が得られた。また、電源ユニットの搭載数を3台、4台及び5台とした場合のそれぞれにおいて、実施例に係る電力供給システムの損失は、比較例に係る電力供給システムよりも小さい、という結果が得られた。
このように、開示の技術の実施形態に係る電力供給システム1によれば、搭載される全ての電源ユニットを並列運転させる比較例に係る電力供給システムと比較して、損失を小さくし、電力変換効率を高めることができる。
また、開示の技術の実施形態に係る電力供給システム1によれば、電源ユニットが停止状態にある場合においても、DC−DCコンバータ11は、電力供給状態における電圧値V1よりも僅かに小さい電圧値V2による電圧出力を維持する。これにより、電力供給状態にある電源ユニットに故障が発生し、これに伴って冗長系(予備電源)として機能する停止状態にある電源ユニットを電力供給状態に移行した場合に、負荷への電力供給を速やかに回復させることができる。従って、電源ユニットの故障に伴う出力電圧のドロップを最小限に抑えることができる。
図12は、開示の技術の実施形態に係る電力供給システムにおける、冗長系電源ユニットによる電力回復動作の一例を示す図である。図12の上段は、出力ラインLpに生ずる出力電圧Voutの時間推移を示し、図12の下段は、電源ユニット[0]〜[2]のそれぞれの出力電流Ioutの時間推移を示す。ここでは、電源ユニット[0]に故障が発生するものとし、電源ユニット[2]は、冗長系(予備電源)として機能するものとする。
故障発生前の時刻t0において、電源ユニット[0]及び電源ユニット[1]は電力供給状態であり、電源ユニット[2]は停止状態である。時刻t1において電源ユニット[0]に故障が発生すると、電源ユニット[0]の出力電流の低下に追従して電源ユニット[1]の出力電流は増加する。しかしながら、負荷に対する電力供給が不足するため、出力電圧Voutが低下する。出力電圧Voutが、停止状態におけるDC−DCコンバータ11の出力電圧の電圧値V2を下回ると、電源ユニット[2]の動作モードが高効率モードからノーマルモードに移行する。これにより、停止状態であった電源ユニット[2]は、電力供給状態に移行する。電源ユニット[2]は、停止状態においても電圧値V2による電圧出力を維持しているため、電力供給状態への移行後、速やかに電流を出力することができ、負荷への電力供給を速やかに回復させることができる。従って、電源ユニット[0]の故障に伴う出力電圧Voutのドロップを最小限に抑えることできる。これにより、例えば、負荷がサーバコンピュータである場合に、システムダウンを回避することができる。
図13は、比較例に係る電力供給システムにおける、冗長系電源ユニットによる電力回復動作の一例を示す図である。図13の上段は、出力ラインLpに生ずる出力電圧Voutの時間推移を示し、図13の下段は、電源ユニット[0]〜[2]のそれぞれの出力電流Ioutの時間推移を示す。図12に示す例と同様、電源ユニット[0]に故障が発生するものとし、電源ユニット[2]は、冗長系(予備電源)として機能するものとする。比較例に係る電力供給システムは、停止状態にある電源ユニットの出力電圧が0Vである点において、開示の技術の実施形態に係る電力供給システム1と異なる。
故障発生前の時刻t0において、電源ユニット[0]及び電源ユニット[1]は電力供給状態であり、電源ユニット[2]は停止状態である。時刻t1において電源ユニット[0]に故障が発生すると、電源ユニット[0]の出力電流の低下に追従して電源ユニット[1]の出力電流は増加する。しかしながら、負荷に対する電力供給が不足するため、出力電圧Voutが低下する。その後、停止状態であった電源ユニット[2]は、電力供給状態に移行する。電源ユニット[2]は、出力電圧が0Vの状態から起動するため、電源ユニット[2]から電流が出力されるまでに要する時間は、図12に示す場合と比較して長くなる。電源ユニット[2]から電流が出力されるまでの間、出力電圧Voutは低下を続ける。このため、出力電圧Voutのドロップは、図12に示す場合と比較して大きくなり、例えば、負荷がサーバコンピュータである場合に、システムダウンに至るおそれがある。
一方、開示の技術の実施形態に係る電力供給システム1によれば、上記のように、電源ユニットは、停止状態においても電圧出力を維持するので、冗長系(予備電源)として機能する電源ユニットによって電力供給を速やかに回復させることができる。従って、電源ユニットの故障に伴う出力電圧のドロップを最小限に抑えることができ、システムダウンを回避することができる。
また、開示の技術の実施形態に係る電力供給システム1によれば、一定期間毎に全ての電源ユニット101〜103の動作モードがノーマルモードに設定され、全ての電源ユニット101〜103の出力の状態が電力供給状態となる。その後、電源ユニット101〜103の各々について故障の有無が判定される。これにより、冗長系(予備電源)として機能する停止状態の電源ユニットを含む全ての電源ユニットに発生した故障を早期に検出することができる。
ここで、図14は、比較例に係る電力供給システムにおける、冗長系電源ユニットによる電力回復動作の他の例を示す図である。図14の上段は、出力ラインLpに生ずる出力電圧Voutの時間推移を示し、図14の下段は、電源ユニット[0]〜[2]のそれぞれの出力電流Ioutの時間推移を示す。図12に示す例と同様、電源ユニット[0]に故障が発生するものとする。更に冗長系(予備電源)として機能する電源ユニット[2]が、故障しているものとする。
故障発生前の時刻t0において、電源ユニット[0]及び電源ユニット[1]は電力供給状態であり、電源ユニット[2]は停止状態である。時刻t1において、電源ユニット[0]に故障が発生すると、電源ユニット[0]の出力電流の低下に追従して電源ユニット[1]の出力電流は増加する。しかしながら、負荷に対する電力供給が不足するため、出力電圧Voutが低下する。電源ユニット[2]は故障しているため冗長系(予備電源)として機能せず、電源ユニット[2]からは電流が出力されないため、電源ユニット[1]の出力電流は更に増加する。時刻t2において、電源ユニット[1]において過電流保護機能が作動すると、電源ユニット[1]は停止状態となる。すなわち、電源ユニット[1]〜[3]の全てが停止状態となり、負荷に対する電力供給が完全に停止する。このように、冗長系(予備電源)として機能する電源ユニットにおいて故障が発生し、その故障が早期に検出されない場合には、更に別の電源ユニットが故障した場合に、負荷に対する電力供給が完全に停止してシステムダウンに至るおそれがある。
開示の技術の実施形態に係る電力供給システム1によれば、一定期間毎に全ての電源ユニット101〜103の出力の状態が電力供給状態とされ、各電源ユニットについて故障の有無が判定される。従って、冗長系(予備電源)として機能する電源ユニットを含む全ての電源ユニットについて早期に故障を検出することできる。従って、電力供給システム1において冗長構成が途切れるリスクを最小限に抑え、システムの信頼性を確保することができる。ここで、電源ユニット101〜103の故障率を1000FITと仮定した場合、電源ユニット101〜103が1日で故障する確率は、0.0024%である。従って、電源ユニット101〜103について故障の有無の判定を1日1回実施することで、十分な信頼性を確保することができる。
また、開示の技術の実施形態に係る電力供給システム1によれば、定期的な優先値の設定変更により、高効率モードにおいて停止状態となる電源ユニット(すなわち、冗長系として機能する電源ユニット)が定期的に入れ替わる。これにより、各電源ユニット101〜103の稼働時間が均一化され、システム全体の寿命を延ばすことができる。
また、開示の技術の実施形態に係る電力供給システム1によれば、優先値の設定変更に先立って、動作モードがノーマルモードに移行され、電源ユニット101〜103のいずれにも故障が発生していない場合に優先値の設定変更が行われる。これにより、いずれかの電源ユニットにおいて故障が発生していても、負荷に対する電力供給を維持することができ、優先値の設定変更処理を、安全に行うことができる。
以上の説明から明らかなように、開示の技術の実施形態に係る電力供給システム1によれば、複数の電源ユニットを備えた電力供給システムにおいて高効率化を図ることができる。また、いずれかの電源ユニットの故障発生時に電力供給を速やかに回復させることができる。更に、故障した電源ユニットの早期検出を可能とすることができる。
なお、電力供給システム1は、開示の技術における電力供給システムの一例である。電源ユニット101〜103は、開示の技術における電源ユニットの一例である。制御ユニット110は、開示の技術における制御ユニットの一例である。DC−DCコンバータ11は、開示の技術における出力部の一例である。MCU12は、開示の技術における制御部の一例である。ノーマルモードは、開示の技術における第1のモードの一例である。高効率モードは、開示の技術における第2のモードの一例である。
以上の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
複数の電源ユニットと、前記複数の電源ユニットを制御する制御ユニットと、を含む電力供給システムであって、
前記複数の電源ユニットの各々は、
電力を供給する電力供給状態において第1の電圧値を有する出力電圧を出力ラインに出力し、電力の供給を停止している停止状態において前記出力電圧の電圧値を前記第1の電圧値よりも小さい第2の電圧値として電圧の出力を維持する出力部と、
前記複数の電源ユニットのうち、前記電力供給状態にある電源ユニットの前記出力部における出力電力値が所定範囲を維持するように、前記出力部における出力の状態を、前記電力供給状態または前記停止状態に制御する制御部と、
を含み、
前記制御ユニットは、所定のタイミングにおいて、前記複数の電源ユニットの各々の前記出力部における出力の状態を前記電力供給状態として、前記複数の電源ユニットの各々について故障の有無を判定する判定処理を行う
電力供給システム。
(付記2)
前記制御部は、前記出力部における出力電力値が第1の電力値を超えた場合に、前記停止状態の他の電源ユニットの前記電力供給状態への移行を要求する移行要求を発し、前記出力電力値が前記第1の電力値よりも小さい第2の電力値を下回った場合に、設定された優先値に応じて前記出力部における出力の状態を前記停止状態に移行する
付記1に記載の電力供給システム。
(付記3)
前記優先値は、前記移行要求が発せられた場合に、前記出力部における出力の状態を前記電力供給状態に移行する電源ユニットの優先順位を示す値であり、
前記制御ユニットは、前記複数の電源ユニットの各々に互いに異なる優先値を設定する
付記2に記載の電力供給システム。
(付記4)
前記制御ユニットは、
前記所定のタイミングにおいて、前記複数の電源ユニットの各々の動作モードを、前記出力部における出力の状態が前記優先値にかかわらず電力供給状態となる第1のモードに設定し、
前記判定処理において、前記複数の電源ユニットのいずれにも故障が無いと判定した場合に、前記複数の電源ユニットの各々における前記優先値の設定を変更した後、前記複数の電源ユニットの各々の動作モードを、前記出力部における出力の状態が前記優先値に基づいて前記電力供給状態または前記停止状態となる第2のモードに設定する
付記3に記載電力供給システム。
(付記5)
前記制御ユニットは、前記複数の電源ユニットのいずれかについて故障が有ると判定した場合に、前記複数の電源ユニットの各々の動作モードを、前記第1のモードに維持する
付記4に記載の電力供給システム。
(付記6)
前記制御部は、前記出力部における出力の状態が前記停止状態にある場合において、前記出力ラインの電圧値が前記第2の電圧値よりも小さくなった場合に、前記出力部における出力の状態を前記電力供給状態に移行する
付記1から付記5のいずれか1つに記載の電力供給システム。
(付記7)
前記制御部は、前記出力電力値が前記第2の電力値を下回った時点から、前記優先値に応じて定まる第1の期間が経過した後に、前記出力部における出力の状態を前記停止状態に移行する
付記2に記載の電力供給システム。
(付記8)
前記制御部は、前記出力部における出力の状態が前記停止状態にある場合、前記移行要求が発せられた時点から前記優先値に応じて定まる第2の期間が経過した後に、前記出力部における出力の状態を前記電力供給状態に移行する
付記2または付記7に記載の電力供給システム。
(付記9)
前記出力部は、出力の状態が前記電力供給状態にある場合、前記出力ラインに出力する出力電流の大きさを、他の電源ユニットの出力電流の大きさと一致するように制御する電流制御を行う
付記1から付記8のいずれか1つに記載の電力供給システム。
(付記10)
前記制御部は、前記出力部における出力の状態が前記停止状態にある場合、前記出力部における前記電流制御を停止させる
付記9に記載の電力供給システム。
(付記11)
前記複数の電源ユニットの各々は、前記出力ラインの電圧を検出する電圧センサと、前記出力部から出力される出力電流を検出する電流センサと、を更に含み、
前記制御部は、前記電圧センサによって検出された電圧と前記電流センサによって検出された電流とに基づいて前記出力電力値を算出する
付記1から付記10のいずれか1つに記載の電力供給システム。
(付記12)
前記出力部はDC−DCコンバータであり、
前記制御部はマイクロコントローラユニットである
付記1から付記11のいずれか1つに記載の電力供給システム。
(付記13)
前記第1の電力値は、前記複数の電源ユニットの電力変換効率が90%を超える高効率範囲の上限値に対応し、
前記第2の電力値は、前記高効率範囲の下限値に対応する
付記1から付記12のいずれか1つに記載の電力供給システム。
(付記14)
電力を供給する電力供給状態において第1の電圧値を有する出力電圧を出力ラインに出力し、電力の供給を停止している停止状態において前記出力電圧の電圧値を前記第1の電圧値よりも小さい第2の電圧値として電圧の出力を維持する出力部と、
前記出力部における出力電力値が所定範囲を維持するように、前記出力部における出力の状態を、前記電力供給状態または前記停止状態に制御し、外部から供給される制御信号に応じて前記出力部における出力の状態を前記電力供給状態に制御する制御部と、
を含む電源ユニット。
(付記15)
前記制御部は、前記出力部における出力電力値が第1の電力値を超えた場合に、前記停止状態の他の電源ユニットの前記電力供給状態への移行を要求する移行要求を発し、前記出力電力値が前記第1の電力値よりも小さい第2の電力値を下回った場合に、設定された優先値に応じて前記出力部における出力の状態を前記停止状態に移行する
付記14に記載の電源ユニット。
(付記16)
前記制御部は、前記出力部における出力の状態が前記停止状態にある場合において、前記出力ラインの電圧値が前記第2の電圧値よりも小さくなった場合に、前記出力部における出力の状態を前記電力供給状態に移行する
付記15に記載の電源ユニット。
(付記17)
前記制御部は、前記出力電力値が前記第2の電力値を下回った時点から、前記優先値に応じて定まる第1の期間が経過した後に、前記出力部における出力の状態を前記停止状態に移行する
付記15または付記16に記載の電源ユニット。
(付記18)
前記制御部は、前記出力部における出力の状態が前記停止状態にある場合、前記移行要求が発せられた時点から前記優先値に応じて定まる第2の期間が経過した後に、前記出力部における出力の状態を前記電力供給状態に移行する
付記15から付記17のいずれか1つに記載の電源ユニット。
(付記19)
前記出力部は、出力の状態が前記電力供給状態にある場合、前記出力ラインに出力する出力電流の大きさを、外部から供給される制御信号に基づいて制御する
付記14から付記18のいずれか1つに記載の電源ユニット。
(付記20)
前記制御部は、前記出力部における出力の状態が前記停止状態にある場合、前記制御信号の前記出力部への供給を遮断する
付記19に記載の電源ユニット。