JP2018084815A - 中間転写ベルトおよび画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】静電容量のムラに起因する画像欠陥の発生を抑制しうる中間転写ベルトを提供する。【解決手段】中間転写ベルト10は、無端状のベルトで、基材層12と、基材層12上に配置されている弾性層14と、弾性層14上に配置されている表面層16と、を有する。厚さが200〜300μmである弾性層14と、表面層16とを有し、単位面積あたりの静電容量は、13.5〜14.5pF/cm2である。静電容量の標準偏差は、200pF以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、中間転写ベルト、および当該中間転写ベルトを有する画像形成装置に関する。
画像形成装置において、感光体上に形成されたトナー画像は、中間転写体に転写された後、普通紙などの記録媒体に転写される。当該中間転写体として、無端状の中間転写ベルトが知られている。これまでに、電子写真方式の画像形成装置において使用される中間転写ベルトであって、電気特性に着目してベルト設計が行われている中間転写ベルトが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、記録媒体に対するトナー画像の転写性の観点から、中間転写ベルトは、弾性を有することが好ましい。特に、表面に凹凸形状を有する凹凸紙(例えば、エンボス紙)にトナー画像を転写する場合、中間転写ベルトは、十分な弾性を有することが好ましい。そこで、電気特性に着目してベルト設計が行われ、さらに弾性層を有する中間転写ベルトが知られている(例えば、特許文献2参照)。
特許文献1には、単位面積あたりの静電容量が13pF/cm以上である中間転写ベルトが開示されている。特許文献2には、感光体の単位面積あたりの静電容量に対する、単位面積あたりの静電容量が1/5以上である中間転写ベルトが開示されている。
特開平10−048966号公報 特開2009−036927号公報
しかしながら、単位面積当たりの静電容量を調整した場合でも、中間転写ベルトにおける静電容量のムラが大きすぎると、当該静電容量のムラに起因する画像欠陥が発生することがある。
本発明の第1の課題は、静電容量のムラに起因する画像欠陥の発生を抑制しうる中間転写ベルトを提供することである。本発明の第2の課題は、中間転写ベルトの静電容量のムラに起因する画像欠陥の発生を抑制して、高画質の画像を形成しうる画像形成装置を提供することである。
本発明に係る上記第1の課題を解決するための中間転写ベルトは、厚さが200〜300μmである弾性層と、前記弾性層上に配置されている表面層と、を有し、単位面積あたりの静電容量は、13.5〜14.5pF/cmであり、静電容量の標準偏差は、200pF以下である。
本発明に係る上記第2の課題を解決するための画像形成装置は、感光体に形成されたトナー画像を記録媒体に転写するための上記中間転写ベルトを有する電子写真方式の画像形成装置である。
本発明によれば静電容量のムラに起因する画像欠陥の発生を抑制しうる中間転写ベルトを提供することができる。この中間転写ベルトを搭載することにより、中間転写ベルトの静電容量のムラに起因する画像欠陥の発生を抑制して、高画質の画像を形成しうる画像形成装置を提供することができる。
図1Aは、本発明の一実施の形態に係る中間転写ベルトを概略的に示す図であり、図1Bは、図1Aに示す中間転写ベルトの層構造を模式的に示す図である。 図2は、本発明の一実施の形態に係る画像形成装置の構成の一例を概略的に示す図である。
本発明に係る中間転写ベルトについて図面を参照して詳細に説明する。図1Aは、本実施の形態に係る中間転写ベルト10を概略的に示す図である。図1Bは、図1Aにおいて一点鎖線で示される領域の部分拡大断面図であり、中間転写ベルト10の層構造を模式的に示す図である。
[中間転写ベルトの構成]
中間転写ベルト10は、図1Aに示されるように、無端状のベルトである。また、中間転写ベルト10は、図1Bに示されるように、基材層12と、基材層12上に配置されている弾性層14と、弾性層14上に配置されている表面層16と、を有する。
(基材層)
基材層12は、所期の導電性と可撓性を有する無端状のベルトであり、弾性層14および表面層16を支持している。基材層12は、例えば、可撓性を有する樹脂によって構成されている。機械的強度および耐久性の観点から、中間転写ベルト10は、基材層12を有することが好ましい。上記の観点から、基材層12の厚さは、30〜140μmであることが好ましく、50〜130μmであることがより好ましい。基材層12の厚さは、例えば、中間転写ベルト10を積層方向に切断したときの断面から得られる測定値またはその平均値として決定されうる。
基材層12を構成する樹脂の例には、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフッ化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル−スチレン共重合体、ポリ塩化ビニル、アセテート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンおよびポリエステルが含まれる。機械的強度および耐久性の観点からは、基材層12を構成する樹脂は、ポリイミドやポリアミドイミドなどの熱硬化性樹脂であることが好ましい。低コスト化の観点からは、基材層12を構成する樹脂は、ポリフェニレンサルファイドやポリエーテルエーテルケトンなどの熱可塑性樹脂であることが好ましい。中でも、耐久性、寸法安定性および成形性の観点から、基材層12を構成する樹脂は、ポリフェニレンサルファイドであることが好ましい。
基材層12は、本実施の形態の効果が得られる範囲内において、上記樹脂以外の他の成分を含有していてもよい。当該他の成分の例には、導電性フィラー、分散剤および滑材が含まれる。
導電性フィラーは、基材層12に導電性を付与する成分である。導電性フィラーの例には、カーボンブラックやグラファイト、カーボンナノチューブなどの炭素系フィラー;アルミニウムや銅、これらの合金などの金属系フィラー;および酸化スズや酸化亜鉛、酸化アンチモン、酸化インジウム、チタン酸カリウム、酸化アンチモン−酸化スズ複合酸化物、酸化インジウム−酸化スズ複合酸化物などの金属酸化物系フィラーが含まれる。導電性フィラーは、炭素系フィラーであることが好ましい。中でも導電性フィラーは、カーボンブラックであることが好ましい。当該カーボンブラックは、表面を酸化処理されていてもよい。導電性フィラーは、一種であってもよいし、それ以上であってもよい。
上記導電性フィラーの含有量は、例えば、基材層12を構成する樹脂100質量部に対して、4〜40質量部であり、10〜30質量部であることが好ましい。上記導電性フィラーの含有量は、上記導電性フィラーの種類および所期の基材層12の抵抗に応じて適宜調整されうる。
上記分散剤は、上記導電性フィラーの分散性を向上させる。上記分散剤の種類は、樹脂との相溶性および上記導電性フィラーの分散性の観点から、基材層12を構成する樹脂に応じて、適宜選択されうる。たとえば、当該樹脂がポリフェニレンサルファイドまたはポリエーテルエーテルケトンである場合、上記分散剤は、エチレングリシジルメタクリレート−アクリロニトリルスチレン共重合体であることが好ましい。
上記分散剤の含有量は、基材層12を構成する樹脂100質量部に対して、0.1〜10質量部であり、0.5〜5質量部であることが好ましい。上記分散剤の含有量は、所期の導電性フィラーの分散性に応じて適宜調整されうる。
上記滑材は、基材層12の成形時の離型性を向上させる。上記滑材の例には、パラフィンワックス、などの脂肪族炭化水素;ラウリン酸やミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、モンタン酸などの高級脂肪酸;および当該高級脂肪酸の金属塩;が含まれる。滑材は、基材層12を構成する樹脂に応じて適宜選択されうる。たとえば、基材層12を構成する樹脂がポリフェニレンサルファイドである場合、上記滑材は、モンタン酸カルシウムであることが好ましい。上記滑材は、一種であってもよいし、それ以上であってもよい。
上記滑材の含有量は、例えば、基材層12を構成する樹脂100質量部に対して、0.1〜0.5質量部であり、0.1〜0.3質量部であることが好ましい。
基材層12の厚さは、機械的強度、画質および製造コストの観点から50〜250μmであることが好ましい。
(弾性層)
弾性層14は、基材層12の外周面上に配置されており、電気特性および弾性を有する層である。弾性層14は、例えば、弾性を有するゴム組成物で構成されている。成形性の観点からは、ゴム組成物は、例えば、ジエン系架橋ゴムを含有することが好ましい。
上記ジエン系架橋ゴムは、主鎖に二重結合を有するジエン系ゴムの架橋成形体である。上記ジエン系ゴムの例には、天然ゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴムおよびアクリロニトリルブタジエンゴムが含まれる。弾性層14の硬度および耐久性の観点からは、上記ジエン系ゴムは、クロロプレンゴムまたはアクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)であることが好ましい。
上記NBRにおけるアクリロニトリル量は、所期の弾性および耐久性に応じて適宜調整されうる。上記NBRは、例えば、アクリロニトリル量が36以上43%未満の高ニトリルNBR、アクリロニトリル量が31以上36%未満の中高ニトリルNBR、アクリロニトリル量が25以上31%未満の中ニトリルNBR、またはアクリロニトリル量が25%未満の低ニトリルNBRである。
上記ジエン系架橋ゴムは、一種であってもよいし、それ以上であってもよい。中間転写ベルト10における静電容量のムラを抑制する観点からは、弾性層14を構成する上記ジエン系架橋ゴムは、一種であることが好ましい。上記観点から、弾性層14を構成する上記ジエン系架橋ゴムが二種以上である場合には、二種以上の上記ジエン系架橋ゴムの相溶性が高いことが好ましい。弾性層14が二種以上の上記ジエン系架橋ゴムを含有するゴム組成物で構成されている場合、上記ジエン系架橋ゴムは、例えば、アクリロニトリルブタジエンゴムおよびクロロプレンゴムであることが好ましい。
弾性層14は、必要に応じて、ジエン系架橋ゴム以外の他の成分をさらに含有していてもよい。たとえば、弾性層14は、機械的強度および耐久性の観点から、非ジエン系ポリマーをさらに含有していることが好ましい。また、弾性層14は、弾性層14の難燃性の観点から、ポリクロロプレンおよびポリフォスファゼンの一方または両方をさらに含有していることが好ましい。さらに、弾性層14は、弾性層14の電気抵抗を調整する観点から、導電剤および金属酸化物粒子の一方または両方をさらに含有していることが好ましい。
上記非ジエン系ポリマーは、主鎖に二重結合を有さないポリマーである。上記非ジエン系ポリマーの例には、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、ポリウレタン、ポリカーボネート、シリコーンゴム、クロロスルフォン化ゴム、塩素化ポリエチレン、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴムおよびフッ素ゴムが含まれる。上記非ジエン系ポリマーは、弾性層14の耐久性の観点から、ポリウレタンまたはポリカーボネートが好ましい。
上記導電剤は、弾性層14に導電性を付与する。上記導電剤には、中間転写ベルト10の弾性層14に含有されうる公知の導電剤から選択されうる。導電剤は、一種であってもよいし、それ以上であってもよい。導電剤の種類の例には、イオン導電剤および電子導電剤が含まれる。
イオン導電剤の例には、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラメチレンスルホン酸リチウム、ヨウ化銀、ヨウ化銅、過塩素酸リチウム、トリフロオロメタンスルホン酸リチウム、有機ホウ素錯体のリチウム塩、リチウムビスイミド((CFSONLi)およびリチウムトリスメチド((CFSOCLi)が含まれる。
イオン導電剤は、弾性層14を構成する樹脂に応じて適宜選択されうる。より具体的には、イオン導電剤は、弾性層14中のゴムに対する高い分散性を有することが好ましい。これにより、弾性層14を形成する際に、イオン導電剤が弾性層14を構成するゴム組成物において均一に分散し易くなり、結果として、中間転写ベルト10における静電容量のムラの増大を抑制しうる。
このような観点から、例えば、弾性層14が上記ジエン系架橋ゴムおよび上記イオン導電剤を含むゴム組成物で構成されている場合、上記ジエン系架橋ゴムの溶解パラメータ(SP値)と上記イオン導電剤の溶解パラメータとの差(ΔSP)は6.15(J/cm1/2未満であることが好ましい。
たとえば、ゴム組成物に含まれるゴムが、高ニトリルNBR(SP値:10.3(J/cm1/2)である場合、イオン導電剤は、テトラブチルアンモニウムブロミド(SP値:7.3(J/cm1/2)であることが好ましい。また、ゴム組成物に含まれるゴムが、低ニトリルNBR(SP値:8.7(J/cm1/2)である場合、イオン導電剤はテトラメチレンスルホン酸リチウム(SP値:13.5(J/cm1/2)であることが好ましい。さらに、ゴム組成物に含まれるゴムが、クロロプレンゴム(SP値:8.1(J/cm1/2)である場合、イオン導電剤はテトラブチルアンモニウムブロミド(SP値:7.3(J/cm1/2)であることが好ましい。
上記SP値は、例えば、ポリマー・ハンドブック(Wiley−Interscience社発行)に記載されているカタログ値であってもよいし、ハンセンのSP値の推定方法に基づいて算出されうる推定値であってもよい。
イオン導電剤の含有量は、所期の導電性を得る観点から、弾性層14を構成するゴム成分100質量部に対して、5質量部以上であることが好ましく、20質量部以上であることがより好ましい。また、イオン導電剤の含有量は、イオン導電剤が弾性層14に含有されることによる中間転写ベルト10の静電容量のムラの増大を抑制する観点から、弾性層14を構成するゴム成分100質量部に対して、40質量部以下であることが好ましく、30質量部以下であることがより好ましい。
電子導電剤の例には、銀や銅、アルミニウム、マグネシウム、ニッケル、ステンレス鋼などの金属;およびグラファイトや、カーボンブラック、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブなどの炭素化合物;が含まれる。
電子導電剤の含有量は、所期の導電性を得る観点から、弾性層14を構成するゴム成分100質量部に対して、10質量部以上であることが好ましく、30質量部以上であることがより好ましい。また、電子導電剤の含有量は、電子導電剤が弾性層14に含有されることによる中間転写ベルト10の静電容量のムラの増大を抑制する観点から、弾性層14を構成するゴム成分100質量部に対して、70質量部以下であることが好ましく、50質量部以下であることがより好ましい。
上記金属酸化物粒子は、導電性金属酸化物で構成されていてもよいし、絶縁性金属酸化物で構成されていてもよい。上記金属酸化物粒子を構成する金属酸化物の例には、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化チタン、二酸化ケイ素、チタン酸カリウム、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、酸化鉄、酸化ベリリウム、酸化アンチモンおよび酸化カルシウムが含まれる。弾性層14における金属酸化物粒子は、一種であってもよいし、それ以上であってもよい。
上記金属酸化物粒子を構成する金属酸化物は、中間転写ベルト10に所期の機能をさらに付与する観点から、適宜選択されうる。たとえば、上記金属酸化物は、難燃性の観点から、水酸化アルミニウムや酸化アンチモン、または水酸化マグネシウムであることが好ましい。上記金属酸化物は、弾性層14の硬度を調整する観点から、二酸化ケイ素、酸化チタン、またはチタン酸カリウムであることが好ましい。上記金属酸化物は、酸捕捉剤としても使用する観点から、酸化マグネシウムであることが好ましい。また、上記金属酸化物は、弾性層14形成時における架橋促進剤としても使用する観点から、酸化亜鉛または酸化スズであることが好ましい。上記金属酸化物は、上記金属酸化物粒子を吸水剤としても使用する観点から、酸化カルシウムまたは酸化マグネシウムであることが好ましい。
上記金属酸化物粒子の大きさは、本実施形態の効果が得られる範囲内において、適宜変更されうる。上記金属酸化物粒子の粒径が小さすぎると、分散性が低下し、取扱いが困難となることがある。また、上記金属酸化物粒子の粒径が大きすぎると、弾性層14の表面粗さが増えすぎることがあり、中間転写ベルト10の静電容量のムラが大きくなりすぎることがある。上記の観点から、上記金属酸化物粒子の粒径は、10nm〜100μmであることが好ましく、100nm〜10μmであることがさらに好ましい。この粒径は、上記金属酸化物粒子の大きさを規定する代表値であればよく、例えば、体積平均粒径または数平均粒子径である。
上記金属酸化物粒子の粒径は、例えば、例えば、以下のようにして決定されうる。走査型電子顕微鏡(日本電子株式会社製)により撮影された10000倍の拡大写真をスキャナーに取り込み、得られた写真画像から、凝集粒子を除く300個の粒子像を、ランダムに自動画像処理解析システム「ルーゼックス AP」(株式会社ニレコ製、「LUZEX」は同社の登録商標、ソフトウエアVer.1.32)を使用して2値化処理して当該粒子像のそれぞれの水平方向フェレ径を算出し、その平均値を算出して数平均一次粒径とする。ここで、水平方向フェレ径とは、上記粒子像を2値化処理したときの外接長方形の、x軸に平行な辺の長さをいう。
弾性層14における上記金属酸化物粒子の分散性の観点から、上記金属酸化物粒子は、表面処理剤により表面処理されていることが好ましい。当該表面処理剤は、例えば、シランカップリング剤である。上記金属酸化物粒子の表面がシランカップリング剤により表面処理されている場合には、弾性層14中の上記金属酸化物粒子の表面には、シランカップリング剤の反応後の成分が、担持されている。
シランカップリング剤の例には、ビニルトリメトキシシランやビニルトリエトキシシランなどのビニルトリアルコキシシラン;p−スチリルトリメトキシシランなどのp−スチリルトリアルコキシシラン;3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシランや3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランなどの3−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシラン;および3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランなどの3−アクリロキシトリアルコキシシランが含まれる。
弾性層14における上記金属酸化物粒子の含有量は、所期の機能を得る観点から、弾性層14を構成するゴム成分100質量部に対して、10質量部以上であることが好ましく、30質量部以上であることがより好ましい。また、弾性層14における上記金属酸化物粒子の含有量は、上記金属酸化物粒子が弾性層14に含有されることによる中間転写ベルト10の静電容量のムラの増大を抑制する観点から、弾性層14を構成するゴム成分100質量部に対して、70質量部以下であることが好ましく、50質量部以下であることがより好ましい。弾性層14における上記金属酸化物粒子の含有量は、上記金属酸化物粒子の種類または大きさに応じて適宜調整されうる。
弾性層14の厚さは、200〜300μmである。弾性層14の厚さが小さすぎると、所期の弾性が得られなくなることがある。弾性層14の厚さが大きすぎると、弾性層14の厚さのムラおよび静電容量のムラが大きくなりすぎることがあり、かつ中間転写ベルトの生産性が低下することもある。弾性層14の厚さは、例えば、中間転写ベルト10を積層方向に切断したときの断面から得られる測定値またはその平均値として決定されうる。弾性層14の厚さは、所期の弾性および静電容量のムラに応じて適宜調整されうる。
表面層16は、弾性層14の外周面上に配置されている層である。表面層16は、弾性層14を保護し、弾性層14の変形に合わせて変形する適度な柔軟性と、感光体および記録媒体への接触に対する十分な耐久性(機械的強度や離型性など)とを有する。表面層16は、例えば、ラジカル重合性化合物を含むラジカル重合性組成物のラジカル重合による硬化物によって構成されている。
上記ラジカル重合性化合物は、例えば、ラジカル重合性官能基を複数有する多官能ラジカル重合性化合物である。多官能ラジカル重合性化合物は、4つ以上のラジカル重合性官能基を有することが好ましい。当該多官能ラジカル重合性化合物の例には、多官能(メタ)アクリレートおよび多官能ウレタンアクリレートが含まれる。なお、本明細書中、「(メタ)アクリロイル基」は、アクリロイル基およびメタクリロイル基の一方または両方を意味する。上記ラジカル重合性化合物は、一種であってもよいし、それ以上であってもよい。表面層16を構成するラジカル重合性化合物は、例えば、表面層16を熱分解GC−MSで分析した結果から推定されうる。
多官能(メタ)アクリレートの例には、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、エトキシ化(12)DPHA、およびカプロラクトン変性(6)DPHAが含まれる。
多官能(メタ)アクリレートは、市販品であってもよい。多官能(メタ)アクリレートの市販品の例には、日本化薬株式会社製のKAYARAD DPHA(「KAYARAD」は同社の登録商標、以下省略する)、DPEA−12、DPCA−30、DPCA−60、およびDPCA−120が含まれる。
多官能ウレタンアクリレートは、市販品であってもよい。多官能ウレタンアクリレートの市販品の例には、新中村化学工業株式会社製のU−6LPA、U−10HA、UA−1100H、U−15HA、およびUA−33Hが含まれる。
表面層16は、本実施形態の効果が得られる範囲において、他の成分をさらに含有していてもよい。当該他の成分の例には、金属酸化物粒子およびビニル共重合体が含まれる。表面層16に金属酸化物粒子が含有されることは、表面層16機械的強度および耐久性の観点から好ましい。表面層16における金属酸化物粒子の含有量は、表面層16の金属酸化物粒子以外の部分100体積部に対して10〜60体積部であり、20〜50体積部であることが好ましい。
表面層16における上記金属酸化物粒子を構成する金属酸化物の例は、弾性層14における金属酸化物と同じである。表面層16における上記金属酸化物粒子は、一種であってもよいし、それ以上であってもよい。
金属酸化物粒子の大きさは、本実施形態の効果が得られる範囲内において、適宜変更されうる。表面層16における金属酸化物粒子の粒径は、1〜100nmであることが好ましい。この粒径は、金属酸化物粒子の大きさを規定する代表値であればよく、例えば、体積平均粒径または数平均粒子径である。表面層16における金属酸化物粒子の粒径も、例えば、弾性層14における金属酸化物粒子の粒径と同様の方法によって測定されうる。上記金属酸化物粒子の大きさは、表面層16の所期の硬度、耐摩耗性、耐久性および静電容量のムラに応じて、適宜調整されうる。
また、上記ビニル共重合体の例には、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリルおよびシロキサン系ビニル共重合体が含まれる。特に、当該シロキサン系ビニル共重合体は、一つ以上のポリオルガノシロキサン鎖Aおよび三つ以上のラジカル重合性二重結合を含むことが、中間転写ベルト10におけるフィルミングを防止する観点、および、表面層16の低い表面自由エネルギーを維持する観点、から好ましい。また、シロキサン系ビニル共重合体の重量平均分子量は、5000〜100000であることが、後述する表面層形成用の塗布液におけるシロキサン系ビニル共重合体の相溶性を高める観点から好ましい。
さらに、上記シロキサン系ビニル共重合体と、表面層16における金属酸化物粒子とを併用する場合には、表面層16における金属酸化物粒子は、シリコーン系表面処理剤によって表面処理されていることが、金属酸化物粒子および上記シロキサン系ビニル共重合体由来のシロキサン構造および金属酸化物粒子の両方を表面層16中に分散させる観点から好ましい。当該シロキサン構造が表面層16中に分散していると、当該シロキサン構造による離型性を長期にわたって安定して発現させることができるからである。
上記シリコーン系表面処理剤の例には、メチルハイドロジェンポリシロキサンおよび変性シリコーンオイルが含まれる。変性シリコーンオイルの例には、アミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、メルカプト変性シリコーンおよびカルボキシル変性シリコーンが含まれる。所期の機能の発現および表面処理時の取り扱いの容易さの観点から、上記シリコーン系表面処理剤の重量平均分子量は、例えば300〜20000である。
弾性層14および表面層16における上記金属酸化物粒子は、公知の製造方法によって製造されうる。当該製造方法の例には、気相法、塩素法、硫酸法、プラズマ法および電解法が含まれる。
表面層16は、所期の特性(例えば、クリーニング性、柔軟性、耐久性および接着性)が得られる範囲において、他の成分をさらに含有していてもよい。当該他の成分の例には、光安定剤、帯電防止剤、滑材、レベリング剤、消泡剤、酸化防止剤、難燃剤および界面活性剤が含まれる。
表面層16における所期の柔軟性および耐久性の観点から、表面層16の厚さは、2〜10μmであることが好ましい。表面層16の厚さは、例えば、中間転写ベルト10を積層方向に切断したときの断面から得られる測定値またはその平均値として決定されうる。
[中間転写ベルトの電気特性]
本実施の形態に係る中間転写ベルト10の単位面積当たりの静電容量は、13.5〜14.5pF/cmである。当該単位面積当たりの静電容量が13.5pF/cm未満の場合、中間転写ベルト10上のトナーが記録媒体に移動し難くなり、転写不良が発生することがある。上記単位面積当たりの静電容量が14.5pF/cm超の場合、中間転写ベルト10が帯電し難くなり、転写不良が発生することがある。このような観点から、上記単位面積当たりの静電容量は、13.6〜14.3pF/cmであることが好ましい。上記単位面積当たりの静電容量は、例えば、弾性層14を構成するゴム組成物の含有成分およびその含有量と、弾性層14の厚さとによって調整されうる。
中間転写ベルト10の静電容量の標準偏差は、200pF以下である。当該静電容量の標準偏差は、中間転写ベルト10における静電容量のムラの程度を表す。詳細については後述するが、静電容量の標準偏差が200pF超の場合、中間転写ベルト10における静電容量のムラが大きすぎ、所期の電気特性が得られなくなることがある。このような観点から、上記静電容量の標準偏差は、150pF以下であることが好ましい。上記静電容量の標準偏差は、例えば、100pF以上である。上記静電容量の標準偏差は、例えば、弾性層14の厚さが均一であるほど小さくなり、弾性層14中の上記含有成分の分散状態が均一であるほど小さくなる。
中間転写ベルト10の静電容量は、例えば、塗工ムラスキャニングシステム(TSS20、レーザーテック株式会社製)を用いて測定される発振周波数およびインダクタンスと、下記式とに基づいて決定されうる。上記静電容量の標準偏差は、例えば、60mm×60mmの測定面積において、1mm間隔の合計3600か所で上記静電容量を測定したときの、3600点分の測定値に基づいて決定されうる。また、当該単位面積当たりの静電容量は、例えば、3600点分の上記測定値の平均値を単位面積当たりの値に換算することで決定されうる。たとえば、上記塗工ムラスキャニングシステムを用いて測定された発振周波数が7MHzの場合、単位面積当たりの静電容量は、50pF/cmと決定されうる。
Figure 2018084815
上記式(1)において、Cは静電容量[F]を表し、Lは、インダクタンス[H]を表し、fは、発振周波数[Hz]を表す。
本実施の形態に係る中間転写ベルト10を有する画像形成装置において、転写不良の発生を抑制し、高画質の画像を形成する観点から、中間転写ベルト10の体積抵抗率は、10〜1012Ω・cmであることが好ましく、10〜1011Ω・cmであることがより好ましく、1010〜1011Ω・cmであることがさらに好ましい。
中間転写ベルト10の体積抵抗率は、例えば、高抵抗抵抗率計(株式会社三菱化学アナリテック製)を用いて、中間転写ベルト10の積層方向において、500Vの電圧を印加したときの電流値に基づいて決定されうる。
中間転写ベルト10の体積抵抗率は、例えば、弾性層14に含有される金属酸化物粒子の種類および含有量と、弾性層14に含有される導電剤(イオン導電剤および電子導電剤)の種類および含有量と、によって調整されうる。
本実施の形態に係る中間転写ベルト10を有する画像形成装置において、転写不良の発生を抑制し、高画質の画像を形成する観点から、中間転写ベルト10の表面抵抗率は、1011〜1013Ω/□であることが好ましく、1012〜1013Ω/□であることがより好ましい。
中間転写ベルト10の表面抵抗率は、例えば、デジタル超絶縁/微小電流計(日置電機株式会社製)を用いて、中間転写ベルト10の外表面において、100Vの電圧を印加したときの電流値に基づいて決定されうる。
中間転写ベルト10の表面抵抗率は、例えば、表面層16に含有される金属酸化物粒子の種類および含有量によって調整されうる。
[中間転写ベルトの製造方法]
次いで、本実施の形態に係る中間転写ベルト10の製造方法について説明する。本実施の形態に係る中間転写ベルト10の製造方法は、1)基材層12上に弾性層14を形成する第1工程と、2)弾性層14上に表面層16を形成する第2工程と、を含む。
なお、基材層12は、公知の方法によって形成されうる。たとえば、基材層12を形成する工程の例には、特開昭61−95361号公報、特開昭64−22514号公報および特開平3−180309号公報に記載されているような、円筒状基体の表面に塗布されたポリアミド酸の塗膜を加熱してポリアミド酸をイミド化し、得られた無端ベルト状の膜を基材層として回収する工程、が含まれる。
1)第1工程
第1工程は、例えば、弾性層形成用の材料を含む弾性層形成用の塗布液Aを基材層12上に塗布して、基材層12上に塗布液Aの塗膜を形成する工程と、塗布液Aの塗膜を乾燥させ、硬化させることで弾性層14を形成する工程と、を含む。
具体的には、まず、弾性層形成用の材料を含有する弾性層形成用の塗布液Aを調製する。たとえば、塗布液Aは、上記ジエン系ゴムを公知の溶剤に分散させることで調製されうる。塗布液Aに使用される公知の溶剤の例には、トルエンが含まれる。また、塗布液Aには、上記ジエン系ゴムを架橋させるための架橋剤や、上記非ジエン系ポリマー、上記導電剤、上記金属酸化物粒子などの他の成分が含有されてもよい。塗布液Aの含有成分およびその含有量は、所期の上記単位面積あたりの静電容量と、上記静電容量の標準偏差とに応じて、適宜選択されうる。
上記静電容量の標準偏差を低減する観点から、塗布液Aは分散性の高い成分を含有していることが好ましい。たとえば、ジエン系ゴムおよびイオン導電剤を含有する塗布液Aを調製する場合、ジエン系ゴムの溶解パラメータ(SP値)と、イオン導電剤の溶解パラメータとの差(ΔSP)が、6.15(J/cm1/2未満となるような、ジエン系ゴムおよびイオン導電剤を溶剤に分散させて、塗布液Aを調製することが好ましい。これにより、塗布液Aの硬化後の塗膜(弾性層14)において、簡単に、イオン導電剤を均一に分散させることができ、上記静電容量のムラの増大を抑制することができる。
また、塗布液Aの硬化後の塗膜(弾性層14)における含有成分を均一に分散させて、上記静電容量のムラの増大を抑制する観点から、弾性層形成用の材料を溶剤中に分散させるときに、超音波分散を行ったり、弾性層形成用の材料に対する相溶性の高い溶媒を用いたり、高粘度溶媒を用いたりすることが好ましい。
上記架橋剤は、ジエン系ゴムの架橋剤として用いられる公知の架橋剤から適宜選択されうる。架橋剤の例には、過酸化物、硫黄および硫黄含有化合物が含まれる。
次いで、塗布液Aを基材層12上に塗布して、基材層12上に塗布液Aの塗膜を形成する。塗布液Aの塗布方法は、塗布液Aの組成に応じて公知の塗布方法から適宜選択されうる。塗布液Aの塗布方法の例には、浸漬塗布法およびスパイラル塗布法が含まれる。塗布液Aの塗膜の厚さを均一にする観点から、塗布液Aの塗布方法は、スパイラル塗布法であることが好ましい。
弾性層14の厚さを均一にする観点から、塗布液Aの粘度は、10000〜20000mPa・秒であることが好ましい。スパイラル塗布法において、基材層12の移動速度(周速度)は、100〜200mm/秒であることが好ましい。また、浸漬塗布法において、基材層12を塗布液Aから引き上げる速度は、1〜5mm/秒であることが好ましい。当該引き上げる速度は、塗布液Aの粘度に応じて適宜調整されうる。
次いで、塗布液Aの塗膜を乾燥させ、硬化させることで弾性層14を形成することができる。本実施の形態に係る中間転写ベルト10の製造方法では、塗布液Aの塗膜を加熱して、当該塗膜を乾燥させるとともに、ジエン系ゴムを架橋させる。これにより、上記塗膜を硬化させて弾性層14を形成することができる。
塗布液Aの塗膜の加熱方法は、ジエン系ゴムの種類や、架橋剤の種類、溶剤の種類、塗布液Aの乾燥膜厚などに応じて適宜選択されうる。塗布液Aの塗膜の加熱方法の例には、ハロゲンヒーターや赤外線ヒーター、温風加熱器などの公知の加熱装置による熱乾燥が含まれる。
塗布液Aの塗膜の加熱温度は、170〜180℃であることが好ましい。塗布液Aの塗膜の加熱時間は、6〜10分であることが好ましい。
2)第2工程
第2工程は、例えば、表面層形成用の材料を含む表面層形成用の塗布液Bを弾性層14上に塗布して、弾性層14上に塗布液Bの塗膜を形成する工程と、塗布液Bに含まれるラジカル重合性化合物をラジカル重合させて表面層16を形成する工程と、を含む。
具体的には、まず、ラジカル重合性化合物を含む表面層形成用の塗布液Bを調製する。塗布液Bは、ラジカル重合性化合物を公知の溶剤に溶解させることで調製されうる。塗布液Bに使用される公知の溶剤の例には、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートが含まれる。また、塗布液Bには、重合開始剤や表面張力調整剤、上記金属酸化物粒子などの他の成分が含有されてもよい。
上記光重合開始剤の例には、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエール、アセトイン、ブチロイン、トルオイン、ベンジル、ベンゾフェノン、p−メトキシベンゾフェノン、ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、メチルフェニルグリオキシレート、エチルフェニルグリオキシレート、4,4−ビス(ジメチルアミノベンゾフェノン)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オンなどのカルボニル化合物;テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィドなどの硫黄化合物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリルなどのアゾ化合物;ベンゾイルパーオキシド、ジターシャリーブチルパーオキシドなどのパーオキシド化合物;および、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドなどのホスフィンオキサイド化合物;が含まれる。上記重合開始剤は、一種であってもよいし、それ以上であってもよい。
塗布液Bにおける光重合開始剤の含有量は、例えば、ラジカル重合性化合物100質量部に対して0.1〜20質量部であることが好ましく、1〜10質量部であることがより好ましい。
次いで、塗布液Bを弾性層14上に塗布して、弾性層14上に塗布液Bの塗膜を形成する。塗布液Bの塗布方法は、塗布液Bの組成に応じて公知の塗布方法から適宜選択されうる。塗布液Bの塗布方法の例には、浸漬塗布法、スパイラル塗布法およびスプレー塗布法が含まれる。塗布液Bの塗膜の厚さを均一にする観点から、塗布液Bの塗布方法は、スプレー塗布法であることが好ましい。
表面層16の厚さを均一にする観点から、塗布液Bの粘度は、1〜5mPa・秒であることが好ましい。スパイラル塗布法において、基材層12の移動速度(周速度)は、1000〜1500mm/秒であることが好ましい。また、浸漬塗布法において、基材層12を塗布液Bから引き上げる速度は、10〜15mm/秒であることが好ましい。当該引き上げる速度は、塗布液Bの粘度に応じて適宜調整されうる。
次いで、塗布液Bの塗膜中のラジカル重合性化合物をラジカル重合させることで表面層16を形成することができる。ラジカル重合反応は、塗布液Bの塗膜への活性エネルギー線の照射によって行われてもよいし、塗布液Bの塗膜の加熱によって行われてもよい。本実施の形態に係る中間転写ベルト10の製造方法では、ラジカル重合反応は、活性エネルギー線の照射によって行われる。
塗布液Bの塗膜に活性エネルギー線を照射することで、上記塗膜中の上記ラジカル重合性化合物が有するラジカル重合性官能基をラジカル重合させて、表面層16を形成することができる。このとき、表面層16の厚さを均一にする観点から、無端ベルト状の基材層12を無端軌道に沿って移動させつつ、塗布液Bの塗膜に活性エネルギー線を照射することが好ましい。塗膜における硬化ムラの防止、硬化後の硬度や硬化時間、硬化速度などの適正化の観点から、基材層12の移動速度(周速度)は、10〜300mm/秒であることが好ましい。
活性エネルギー線の照射線量は、塗布液Bの塗膜における硬化ムラの防止、硬化後の硬度や硬化時間、硬化速度などの適正化の観点から、100mJ/cm以上であることが好ましく、120〜200mJ/cmであることがより好ましく、150〜180mJ/cmであることがさらに好ましい。上記照射線量は、例えば、UIT250(ウシオ電機株式会社製)で測定することが可能である。塗布液Bの塗膜への活性エネルギー線の照射は、活性エネルギーの照射源を有する照射装置によって行うことが可能である。
活性エネルギー線の例には、紫外線、電子線およびγ線が含まれる。活性エネルギー線は、紫外線または電子線であることが好ましく、例えば取り扱いの簡便さの観点から、紫外線であることが好ましい。紫外線の照射源の例には、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ArFエキシマレーザ、KrFエキシマレーザ、エキシマランプおよびシンクロトロン放射光の発生装置が含まれる。紫外線は、例えば、波長が400nm以下の紫外線である。
電子線の照射源の例には、コックロフトワルトン型、バンデグラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型などの各種電子線加速器が含まれる。電子線の例には、50〜1000keV、好ましくは100〜300keV、のエネルギーを有する電子線が含まれる。
活性エネルギー線の照射時間は、塗布液Bの塗膜の硬化効率や作業効率などの観点から適宜に決められる。上記照射時間は、0.5秒から5分であることが好ましく、3秒から2分であることがより好ましい。
上記活性エネルギー線の照射における雰囲気中の酸素の濃度は、形成された表面層16の酸化を防止する観点から、5体積%以下であることが好ましく、1体積%以下であることがより好ましい。上記酸素濃度は、当該雰囲気中へ窒素ガスなどの他のガスを供給することによって調整される。酸素濃度は、雰囲気ガス管理用酸素濃度計OX100(横河電機株式会社製)で測定することが可能である。
なお、中間転写ベルト10の製造方法は、必要に応じて他の工程を含んでいてもよい。当該他の工程の例には、弾性層14のハロゲン化処理工程が含まれる。当該ハロゲン化処理により、弾性層14の表面にハロゲン化処理部を配置することができる。ハロゲン化処理部を含む弾性層14上に、上記ラジカル重合性組成物の硬化膜で構成されている表面層16を形成することで、ハロゲン化処理部を有さない弾性層14上に表面層16を形成した場合と比較して、表面層16をより厚くすることができ、表面層16の表面硬さをより高めることができ、かつ弾性層14に対する表面層16の接着強度を高めることができる。
上記ハロゲン化処理工程は、弾性層14の表面にハロゲン化剤を接触させることによって行うことができる。ハロゲン化剤が弾性層14の表面に接触することにより、弾性層14の表面における炭素原子にハロゲン原子が結合する。当該炭素原子へのハロゲン原子の結合は、付加反応および置換反応のいずれによって行われてもよく、また両方の反応によって行われてもよい。
上記ハロゲン化剤は、例えばガスまたは液体である。ハロゲン化剤の例には、ハロゲンガス、次亜ハロゲン酸およびそれらの塩、および、モノ、ジ、またはトリハロゲンイソシアヌル酸、が含まれ、より具体的には、塩素ガス、次亜塩素酸ナトリウムおよびトリクロロイソシアヌル酸が含まれる。ハロゲン化剤は、ハロゲン化処理において、そのまま、あるいは不活性ガスや溶剤で希釈して用いられる。
また、上記他の工程の例には、ラジカル重合の前に塗布液Bの塗膜を乾燥させる乾燥工程が含まれる。塗布液Bの塗膜をあらかじめ乾燥させておくことは、ラジカル反応を効率的に進行させる観点から好ましい。塗布液Bの塗膜の乾燥方法は、溶剤の種類や塗布液Bの乾燥膜厚などに応じて適宜選択されうる。塗布液Bの塗膜の乾燥方法の例には、ハロゲンヒーターや赤外線ヒーター、温風加熱器などの公知の加熱装置による熱乾燥が含まれる。
以上の製造方法により、本実施の形態に係る中間転写ベルト10は製造されうる。中間転写ベルト10は、厚さが200〜300μmである弾性層14と、上記弾性層上に配置されている表面層16と、を有し、単位面積あたりの静電容量が、13.5〜14.5pF/cmであり、かつ静電容量の標準偏差が、200pF以下である。このように、静電容量の標準偏差が200pF以下であり、中間転写ベルト10における静電容量のムラが小さい。このため、中間転写ベルト10は、200〜300μmの厚い弾性層14を有するものの、電荷が中間転写ベルト10の厚さ方向に沿って移動するときに、中間転写ベルト10の面方向における電荷の移動が抑制されうる。結果として、中間転写ベルト10の表面における電荷の分布が均一となる。
中間転写ベルト10において、体積抵抗率が10〜1012Ω・cmであり、表面抵抗率が、1011〜1013Ω/□であることによって、中間転写ベルト10の面方向における電荷の移動がより抑制されうる。
また、弾性層14に含有されうる導電剤には、弾性層14を構成するゴム組成物において高い分散性を有する導電剤が用いられる。これにより、弾性層14に導電剤を含有させることによる、中間転写ベルト10の静電容量のムラの増大が抑制されうる。たとえば、弾性層14が、ジエン系架橋ゴムおよびイオン導電剤を含むゴム組成物で構成されている場合、当該ジエン系架橋ゴムの溶解パラメータSPと、当該イオン導電剤の溶解パラメータSPとの差ΔSPは、6.15(J/cm1/2未満となる、ジエン系架橋ゴムおよびイオン導電剤を弾性層14に含有させる。このように、分散性が高い導電剤が弾性層14に含有されることで、導電剤が弾性層14中で均一に分散して、弾性層14中における導電パスが均一に形成されうる。結果として、中間転写ベルト10における静電容量のムラの増大を抑制しつつ、所期の電気特性を実現しうる。
また、中間転写ベルト10の弾性層14は、ジエン系架橋ゴムおよび非ジエン系ポリマーを含有するゴム組成物で構成される。中間転写ベルト10が画像形成装置に搭載された場合、一般に、ジエン系架橋ゴムは、画像形成装置内で発生するオゾン、または引っ張りによるストレスによって劣化することがある。しかしながら、弾性層14が、非ジエン系ポリマーとともにジエン系架橋ゴムを含有するゴム組成物で構成されていることによって、弾性層14の機械的強度および耐久性が高められる。
以上のとおり、本実施の形態に係る中間転写ベルト10では、静電容量のムラが小さいため、優れた電気特性(電荷輸送能)が実現されうる。このため、中間転写ベルト10は、複写機やプリンター、ファクシミリなどの電子写真方式の画像形成装置における中間転写ベルトとして好適に用いられる。
[画像形成装置]
本実施の形態に係る画像形成装置は、感光体に形成されたトナー画像を記録媒体に転写するための中間転写ベルトを有する。ここで、記録媒体の例には、薄紙および厚紙を含む普通紙と、アート紙およびコート紙を含む印刷用紙と、和紙と、はがき用紙と、OHP用のプラスチックフィルムと、布と、エンボス紙を含む凹凸紙と、を含む。
本実施の形態に係る画像形成装置は、本実施の形態に係る中間転写ベルト10を有する以外は、中間転写ベルトを有する公知の画像形成装置と同様に構成されうる。本実施の形態に係る画像形成装置は、例えば、感光体と、感光体を帯電させる帯電装置と、帯電した感光体に光を照射して静電潜像を形成する露光装置と、静電潜像が形成された感光体にトナーを供給して静電潜像に応じたトナー画像を形成する現像装置と、静電潜像に形成されたトナー画像を記録媒体に転写するための中間転写ベルトを含む転写装置と、トナー画像を記録媒体に定着させる定着装置と、中間転写ベルト上の付着物を除去するためのクリーニング装置と、を有する。「トナー画像」とは、トナーが画像状に集合した状態をいう。
図2は、本発明の一実施の形態に係る画像形成装置の構成の一例を概略的に示す図である。図2に示されるように、画像形成装置1は、画像読取部110、画像処理部30、画像形成部40、用紙搬送部50および定着装置60を有する。
画像形成部40は、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色トナーによる画像を形成する画像形成ユニット41Y、41M、41Cおよび41Kを有する。これらは、収容されるトナー以外はいずれも同じ構成を有するので、以後、色を表す記号を省略することがある。画像形成部40は、さらに、中間転写ユニット42および二次転写ユニット43を有する。これらは、転写装置に相当する。
画像形成ユニット41は、露光装置411、現像装置412、感光体ドラム413、帯電装置414、およびドラムクリーニング装置415を有する。感光体ドラム413は、例えば負帯電型の有機感光体である。感光体ドラム413の表面は、光導電性を有する。感光体ドラム413は、感光体に相当する。帯電装置414は、例えばコロナ帯電器である。帯電装置414は、帯電ローラーや帯電ブラシ、帯電ブレードなどの接触帯電部材を感光体ドラム413に接触させて帯電させる接触帯電装置であってもよい。露光装置411は、例えば半導体レーザーで構成される。現像装置412は、例えば二成分現像方式の現像装置である。
中間転写ユニット42は、前述の中間転写ベルト10、中間転写ベルト10を感光体ドラム413に圧接させる一次転写ローラー422、バックアップローラー423Aを含む複数の支持ローラー423、およびクリーニング部材426Aを含むベルトクリーニング装置426を有する。中間転写ベルト10は、複数の支持ローラー423にループ状に張架される。複数の支持ローラー423のうちの少なくとも一つの駆動ローラーが回転することにより、中間転写ベルト10は矢印A方向に一定速度で走行する。
二次転写ユニット43は、無端状の二次転写ベルト432、および二次転写ローラー431Aを含む複数の支持ローラー431を有する。二次転写ベルト432は、二次転写ローラー431Aおよび支持ローラー431によってループ状に張架される。
定着装置60は、定着ローラー62と、定着ローラー62の外周面を覆い、用紙S上のトナー画像を構成するトナーを加熱、融解するための無端状の発熱ベルト63と、用紙Sを定着ローラー62および発熱ベルト63に向けて押圧する加圧ローラー64と、を有する。用紙Sは、記録媒体に相当する。
画像読取部110は、給紙装置111およびスキャナー112を有する。用紙搬送部50は、給紙部51、排紙部52、および搬送経路部53を有する。給紙部51を構成する三つの給紙トレイユニット51a〜51cには、坪量やサイズなどに基づいて識別された用紙S(規格用紙、特殊用紙)が予め設定された種類ごとに収容される。搬送経路部53は、レジストローラー対53aなどの複数の搬送ローラー対を有する。
以下、画像形成装置1による画像の形成を説明する。
スキャナー112は、コンタクトガラス上の原稿Dを光学的に走査して読み取る。原稿Dからの反射光がCCDセンサー112aにより読み取られ、入力画像データとなる。入力画像データは、画像処理部30において所定の画像処理が施され、露光装置411に送られる。
感光体ドラム413は一定の周速度で回転する。帯電装置414は、感光体ドラム413の表面を一様に負極性に帯電させる。露光装置411は、各色成分の入力画像データに対応するレーザー光を感光体ドラム413に照射する。こうして感光体ドラム413の表面には、静電潜像が形成される。現像装置412は、感光体ドラム413の表面にトナーを付着させることにより静電潜像が可視化される。こうして感光体ドラム413の表面に、静電潜像に応じたトナー画像が形成される。
感光体ドラム413の表面のトナー画像は、中間転写ユニット42によって中間転写ベルト10に転写される。転写後に感光体ドラム413の表面に残存する転写残トナーは、感光体ドラム413の表面に摺接されるドラムクリーニングブレードを有するドラムクリーニング装置415によって除去される。
一次転写ローラー422によって中間転写ベルト10が感光体ドラム413に圧接することにより、感光体ドラム413と中間転写ベルト10とによって、一次転写ニップが感光体ドラムごとに形成される。当該一次転写ニップにおいて、各色のトナー画像が中間転写ベルト10に順次重なって転写される。
一方、二次転写ローラー431Aは、中間転写ベルト10および二次転写ベルト432を介して、バックアップローラー423Aに圧接される。それにより、中間転写ベルト10と二次転写ベルト432とによって、二次転写ニップが形成される。当該二次転写ニップを用紙Sが通過する。用紙Sは、用紙搬送部50によって二次転写ニップへ搬送される。用紙Sの傾きの補正および搬送のタイミングの調整は、レジストローラー対53aが配設されたレジストローラー部により行われる。
上記二次転写ニップに用紙Sが搬送されると、二次転写ローラー431Aへ転写バイアスが印加される。この転写バイアスの印加によって、中間転写ベルト10に担持されているトナー画像が用紙Sに転写される。トナー画像が転写された用紙Sは、二次転写ベルト432によって、定着装置60に向けて搬送される。
定着装置60は、発熱ベルト63と加圧ローラー64とによって、定着ニップを形成し、搬送されてきた用紙Sを当該定着ニップ部で加熱、加圧する。こうしてトナー画像が用紙Sに定着する。トナー像が定着された用紙Sは、排紙ローラー52aを備えた排紙部52により機外に排紙される。
ベルトクリーニング装置426は、弾性を有するクリーニング部材426Aを含む。クリーニング部材426Aは、中間転写ベルト10の表面に当接して中間転写ベルト10上の付着物を除去する。本実施の形態では、クリーニング部材426Aは、クリーニングブレードである。クリーニング部材426Aは、中間転写ベルト10の表面に摺接して、二次転写後に中間転写ベルト10の表面に残存する転写残トナーを除去する。
中間転写ベルト10が感光体ドラム413に圧接すると、中間転写ベルト10の表面層16は、感光体ドラム413の表面に密着する。こうして、中間転写ベルト10は、感光体ドラム413に密着する。中間転写ベルト10がバックアップローラー423Aに押圧されている用紙Sに圧接したときも、中間転写ベルト10の表面は、同様に用紙Sに密着する。このように、中間転写ベルト10は、感光体ドラム413および用紙Sへの接触性に優れる。
前述のとおり、本実施の形態に係る中間転写ベルト10は、厚さが200〜300μmである弾性層14と、前記弾性層上に配置されている表面層16と、を有し、単位面積あたりの静電容量が、13.5〜14.5pF/cmであり、かつ静電容量の標準偏差が、200pF以下である。中間転写ベルト10の単位面積あたりの静電容量が、13.5〜14.5pF/cmであることによって、画像形成装置1において、トナー画像の転写不良が抑制され、高画質の画像が形成されうる。また、前述のとおり、中間転写ベルト10では、静電容量のムラが小さいため、電荷が中間転写ベルト10の厚さ方向に沿って移動するときに、中間転写ベルト10の面方向における電荷の移動が抑制される。このため、中間転写ベルト10の表面において、電荷が均一に分布しうる。
中間転写ベルト10の面方向において電荷が移動しやすいと、例えば、記録媒体が、その表面に凹凸が形成されている凹凸紙の場合、電荷が中間転写ベルト10内を移動するときに、電荷が記録媒体の凸部に集中しやすくなる。このため、中間転写ベルト10と、記録媒体の凸部との間で放電が生じることがある。結果として、形成された画像において、当該放電に由来するトナーの濃度ムラ(以下、「凸部がさつき」ともいう)が発生しやすくなる。さらに、高温高湿(例えば、40℃、80RH%)環境下においては、黒色トナーおよび記録媒体の抵抗が小さくなるため、上記放電がより生じやすくなる。しかしながら、本実施の形態に係る中間転写ベルト10では、静電容量のムラが小さく、中間転写ベルト10の面方向における電荷の移動が抑制されるため、記録媒体の凸部への電荷の集中が抑制される。このため、本実施の形態に係る画像形成装置1では、上記凸部がさつきの発生が抑制されうる。
中間転写ベルト10を有する画像形成装置1は、中間転写ベルト10における静電容量のムラによって発生しうる凸部がさつき(放電ノイズ)に起因する画像欠陥の発生が抑制され、高画質の画像が形成されうる。
以上の説明から明らかなように、本実施の形態に係る中間転写ベルトは、厚さが200〜300μmである弾性層と、上記弾性層上に配置されている表面層と、を有する無端状の中間転写ベルトであって、単位面積あたりの静電容量は、13.5〜14.5pF/cmであり、静電容量の標準偏差は、200pF以下である。したがって、本実施の形態に係る中間転写ベルトにおける静電容量のムラが小さい。
本実施の形態に係る画像形成装置は、本実施の形態に係る中間転写ベルトを有する。したがって、画像形成装置では、トナー画像の転写不良が抑制され、かつ中間転写ベルトにおける静電容量のムラに起因する画像欠陥の発生が抑制される。
上記中間転写ベルトについて、体積抵抗率が、1×10〜1×1012Ω・cmであり、表面抵抗率が、1×1011〜1×1013Ω/□であることは、中間転写ベルトにおける静電容量のムラを低減し、高画質の画像を形成する観点から、より一層効果的である。
上記弾性層は、ジエン系架橋ゴムおよび非ジエン系ポリマーを含むゴム組成物で構成されていることは、弾性層の機械的強度および耐久性を得る観点から、より一層効果的である。
上記弾性層が、ジエン系架橋ゴムおよびイオン導電剤を含むゴム組成物で構成されている場合において、上記ジエン系架橋ゴムの溶解パラメータと、上記イオン導電剤の溶解パラメータとの差が、6.15(J/cm1/2未満であることは、中間転写ベルトにおける静電容量のムラを抑制しつつ、所期の電気特性を実現する観点から、より一層効果的である。
上記表面層の厚さが、10μm以下であることは、柔軟性および耐久性の観点から、より一層効果的である。
以下、本発明について、実施例を参照してさらに具体的に説明する。なお、本発明は、
以下の実施例に限定されない。
[中間転写ベルト1の作製]
(基材層の形成)
ポリアミドイミドワニス(HR−16NN;東洋紡株式会社製)の樹脂成分100質量部に対して、カーボンブラック(導電剤、SPECIAL BLACK4;Degussa社製)19質量部となるように、これらの材料を、ミキサーを用いて混合することにより基材層形成用の塗布液を調製した。
次いで、外径300mm、長さ550mmである円筒形状のステンレス鋼板製の金型を、周方向に50rpmで回転させた状態で、ディスペンスノズルを上記金型の軸方向に沿って移動させながら、基材層形成用塗布液を上記金型の外周面上に塗布した。これにより、上記金型の外周面上に基材層形成用塗布液の塗膜を形成した。
次いで、上記金型を周方向に50rpmで回転させながら、遠赤外線乾燥装置を用いて100℃で1時間加熱することにより、大部分の溶剤を揮発させた。最後に、上記塗膜を、加熱炉にて250℃で1時間加熱することにより、厚さ65μmの無端ベルト状の基材層を形成した。以下、この無端ベルト状の基材層を中間転写ベルトの「基材」ともいう。
(弾性層の形成)
下記成分を下記量で固形分濃度が20質量%となるようにトルエンに溶解、分散させる
ことにより弾性層形成用塗布液を調製した。
アクリロニトリルブタジエンゴム1 100質量部
クロロプレンゴム 10質量部
サーマルカーボン 30質量部
イオン導電剤1(テトラブチルアンモニウムブロミド) 20質量部
水酸化アルミニウム粒子 30質量部
酸化マグネシウム粒子 5質量部
酸化亜鉛粒子 10質量部
酸化チタン粒子 10質量部
シリカ粒子 15質量部
アクリロニトリルブタジエンゴム1としては、Nipol1041(アクリロニトリル量40.5%、日本ゼオン株式会社製、「Nipol」は同社の登録商標)を使用し、クロロプレンゴムとしては、DCR−66(デンカ株式会社製)を使用し、サーマルカーボン(導電剤)としては、旭#60(旭カーボン株式会社製)を使用し、イオン導電剤1としては、テトラブチルアンモニウムブロミド(東京化成工業株式会社製)を使用した。アクリロニトリルブタジエンゴム1のSP値(推定値)は10.3であり、イオン導電剤1(テトラブチルアンモニウムブロミド)のSP値(推定値)は7.3である。
また、水酸化アルミニウム(AlOH)粒子としては、B−316(巴工業株式会社製)を使用し、酸化マグネシウム(MgO)粒子としては、キョウワマグ30(共和化学工業株式会社製、「キョウワマグ」は同社の登録商標)を使用し、酸化亜鉛(ZnO)粒子としては、活性亜鉛華(ハクスイテック株式会社製)を使用し、酸化チタン(TiO)粒子としては、SA−1(堺化学工業株式会社製)を使用し、シリカ(SiO)粒子としては、レオロシール(株式会社トクヤマ製、「レオロシール」は同社の登録商標)を使用した。
次いで、基材層形成用塗布液を上記金型の外周面に塗布したのと同様の方法により、上記基材層上に弾性層形成用塗布液を塗布し、上記基材層上に弾性層形成用塗布液の塗膜を形成した。次いで、上記基材を周方向に50rpmで回転させた状態で、遠赤外線乾燥装置を用いて50℃で1時間加熱することにより、大部分の溶剤を揮発させた。最後に、上記基材を、熱風乾燥炉にて170℃で20分加熱することにより、アクリロニトリルブタジエンゴムおよびクロロプレンゴムを架橋させ、厚さ300μmの弾性層を形成した。
(表面層の形成)
下記成分を下記量で固形分濃度が10質量%となるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート中に溶解、分散させて分散液を調製した後、さらに表面張力調整剤(シルフェイスSAG008;日信化学工業株式会社製、「シルフェイス」は同社の登録商標)を、上記分散液の総量に対して1質量%となるように上記分散液に添加して、表面層形成用塗布液を調製した。
多官能アクリレート 50質量部
多官能ウレタンアクリレート 50質量部
重合開始剤 5質量部
多官能アクリレートとしては、KAYARAD DPCA120(日本化薬株式会社製;「KAYARAD」は同社の登録商標)を使用し、多官能ウレタンアクリレートとしては、UA−1100H(新中村化学工業株式会社製)を使用し、重合開始剤としては、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(IRGACURE184;BAFSジャパン社製、「IRGACURE」は同社の登録商標)を使用した。
次いで、外周面上に上記表面層形成用塗布液の塗膜が形成された上記基材を周方向に20rpmで回転させた状態で、スプレー装置(ワイディー・メカトロソリューションズ社製)を用いて、乾燥膜厚が2μmとなるように、下記スプレー塗布条件により弾性層の外周面上に表面層形成用塗布液を塗布して、上記弾性層上に表面層形成用塗布液の塗膜を形成した。
(スプレー塗布条件)
ノズルスキャン速度:1〜10mm/秒
ノズル口から塗膜の表面までの距離:100〜150mm
ノズル数:1
塗布液の供給量:1〜5mL/分
酸素流量:2〜6L/分
次いで、上記表面層形成用塗布液の塗膜に活性光線として紫外線を、下記の照射条件で照射することにより、上記塗膜を硬化させて表面層を形成して、中間転写ベルト1を作製した。なお、上記塗膜への紫外線の照射は、光源を固定し、外周面上に表面層形成用塗布液の塗膜が形成された上記基材を周速度60mm/秒で回転させながら行った。
(照射条件)
光源の種類:高圧水銀ランプ(H04−L41;アイグラフィックス社製)
照射口から塗膜の表面までの距離:100mm
照射光量:1J/cm
照射時間(基材を回転させている時間):240秒
[中間転写ベルト2〜11およびC1〜C5の作製]
表1に示されるように、弾性層におけるアクリロニトリルブタジエンゴムの種類と、イオン導電剤の種類および含有量と、弾性層の厚さと、を変更した以外は、中間転写ベルト1と同様にして、中間転写ベルト2〜11およびC1〜C5を作製した。
中間転写ベルト2〜11およびC1〜C5は、弾性層の厚さが中間転写ベルト1と同じ300μmのものの他、200μmのもの、150μmのもの、400μmのものがある。200μmの弾性層は弾性層形成用塗布液の量を300μmの弾性層作製時の3分の2にして、また、150μmの弾性層は弾性層形成用塗布液の量を300μmの弾性層作製時の2分の1に、400μmの弾性層は弾性層形成用塗布液の量を300μmの弾性層作製時の3分の4にした以外は、中間転写ベルト1の弾性層作製と同じ手順で作製した。
また、中間転写ベルト2〜11およびC1〜C5は、単位面積あたりの静電容量が13.0、13.5、14.0、14.5、15.5pF/cmのいずれかの値を有するが、後述する表1に示すように、弾性層形成用塗布液へのイオン導電剤添加量を変えたり、弾性層の厚さを変えることで単位面積あたりの静電容量を制御した。
さらに、中間転写ベルト2〜11およびC1〜C5は、静電容量の標準偏差が中間転写ベルト1と同じ200pFの他、150pFや220pF、250pFになっているものがある。ここでは、弾性層形成用塗布液を調製する際に行う撹拌時間を変えて弾性層含有成分の分散状態の均一性に変化をもたせることにより、上記偏差にしている。具体的には弾性層形成用塗布液を調製する際、2時間の撹拌処理を行った塗布液より作製した弾性層を有する中間転写ベルトは静電容量の標準偏差が200pF、3時間の撹拌処理を行った塗布液より作製した弾性層を有する中間転写ベルトは静電容量の標準偏差は150pF、1時間の撹拌処理を行った塗布液より作製した弾性層を有する中間転写ベルトの標準偏差は250pF、撹拌処理を1時間30分行った塗布液で作製した弾性層を有する中間転写ベルトの標準偏差は220pFになった。
アクリロニトリルブタジエンゴム2としては、Nipol 1043(アクリロニトリル量29%、日本ゼオン株式会社製、「Nipol」は、同社の登録商標)、およびアクリロニトリルブタジエンゴム3としては、Nipol DN401(アクリロニトリル量18%、日本ゼオン株式会社製)をさらに使用した。また、イオン導電剤2としては、トリフルオロメタンスルホン酸カリウム(カリウムトリフレート、三菱マテリアル電子化成株式会社製)をさらに使用した。
[中間転写ベルト12、13の作製]
前記中間転写ベルト11を作製する際に使用した弾性層形成用塗布液に対し、アクリロニトリルブタジエンゴム1の添加量を90質量部、クロロプレンゴムの添加量を9質量部に変更し、さらに市販の溶媒溶解性改良ポリカーボネート(ユピゼータ(登録商標);三菱ガス化学社製)を10質量部添加した他は変更のない弾性層形成用塗布液を用意し、中間転写ベルト11と同じ手順で基材層上に弾性層を形成、さらに同じ条件の表面層を形成して、中間転写ベルト12を作製した。
また、前記中間転写ベルト12を作製する際に使用した弾性層形成用塗布液に対し、溶媒溶解性改良ポリカーボネートに代えて、市販の湿気硬化型のウレタン樹脂(バーノック(登録商標);DIC社製)10質量部を用いた他は変更のない弾性層形成用塗布液を用いて、中間転写ベルト12と同じ手順で基材層上に弾性層を形成、さらに同じ条件で表面層を形成することにより中間転写ベルト13を作製した。
[中間転写ベルト14、15の作製]
前記中間転写ベルト1の作製で表面層を形成する際、表面層の乾燥膜厚が10μmになる様に表面層を形成することで中間転写ベルト14を、また、表面層の乾燥膜厚が12μmになる様に表面層を形成することで中間転写ベルト15を作製した。具体的には、スプレー塗布条件のノズル数、塗布液の供給量、酸素流量を変更して、上記乾燥膜厚が得られる塗膜を形成し、さらに前述の高圧水銀ランプの照射時間を変更することにより作製した。
各中間転写ベルトについて、塗工ムラスキャニングシステムTSS20(レーザーテック株式会社製)を用いて、単位面積あたりの静電容量と、静電容量の標準偏差とを測定した。また、高抵抗抵抗率計(株式会社三菱化学アナリテック製)を用いて、各中間転写ベルトの体積抵抗率を測定した。さらに、デジタル超絶縁/微小電流計(日置電機株式会社
製)を用いて、各中間転写ベルトの表面抵抗率を測定した。
各中間転写ベルトについて、区分と、中間転写ベルトNo.と、アクリロニトリルブタジエンゴムの種類およびSP値と、ブレンドポリマーの種類と、イオン導電剤の種類、SP値および含有量と、アクリロニトリルブタジエンゴムのSP値およびブレンドポリマーのSP値の差(ΔSP)と、弾性層の厚さと、静電容量の標準偏差(σ)と、単位面積当たりの静電容量(c)と、表面抵抗率(R)と、体積抵抗率(ρ)と、をそれぞれ表1に示す。表1において、「ベルトNo.」は中間転写ベルトNo.を表し、「ゴム」は、アクリロニトリルブタジエンゴムを表し、「ポリマー」は、ブレンドポリマーを表し、「CR」はクロロピレンゴムを表す。
Figure 2018084815
[評価]
(1)凹凸紙に対する転写性
作製した中間転写ベルトを、フルカラー複写機(bizhub PRESS C1100:コニカミノルタ株式会社製、「bizhub」は同社の登録商標)にそれぞれ搭載した。そして、20℃、50%RHの環境下において、エンボス紙(レザック66、秤量302g、特殊東海製紙製、「レザック」は同社の登録商標)に、YMCKの各色で形成されるRGBの255階調を10段階に区切ったグラデーションパターンを印刷した。次いで、上記エンボス紙の凹部において、トナーの転写状態を観察した。そして、下記評価基準に基づいて、各中間転写ベルトの凹凸紙に対する転写性を評価した。このとき、階調0〜124の部分をハーフトーン部ともいい、階調125〜255の部分をベタ部ともいう。評価結果がランク3以上の場合を合格と判定した。
(評価基準)
ランク5:トナー積層部およびトナー単層部において、転写不良は観察されなかった。
ランク4:トナー積層部において転写不良が観察されたが、トナー単層部において転写不良は観察されなかった。
ランク3:トナー積層部と、トナー単層部(ハーフトーン部)とにおいて転写不良が観察されたが、トナー単層部(ベタ部)において、転写不良は観察されなかった。
ランク2:トナー積層部およびトナー単層部において、転写不良が観察された。
ランク1:エンボス紙の凹部において、トナーが全く転写されておらず、紙面が表面に露出していた。
(2)凹凸紙に対する凸部がさつき
作製した中間転写ベルトを、上記フルカラー複写機にそれぞれ搭載した。そして、40℃、80%RHの環境下において、エンボス紙(レザック66、秤量151g、特殊東海製紙製、「レザック」は同社の登録商標)に、YMCKの各色で形成されるRGBの255階調を10段階に区切ったグラデーションパターンを印刷した。次いで、上記エンボス紙の凸部において、トナーの濃度ムラを観察した。そして、下記評価基準に基づいて、各中間転写ベルトの凹凸紙に対する凸部がさつきを評価した。このとき、階調0〜59の部分を低濃度部ともいい、階調60〜124の部分をハーフトーン部ともいい、階調125〜255の部分をベタ部ともいう。評価結果がランク3以上の場合を合格と判定した。
(評価基準)
ランク5:YMCK各色について、濃度ムラは観察されなかった。
ランク4:黒色(K)の低濃度部において、濃度ムラが観察された。
ランク3:黒色(K)のハーフトーン部において、濃度ムラが観察された。
ランク2:黒色(K)のベタ部において、濃度ムラが観察された。
ランク1:YMCのいずれかの色について、濃度ムラが観察された。
(3)耐久性
密閉空間において、常時100μAの電流を流し、かつ10Nのテンションを加えた状態で、作製した各中間転写ベルトを300時間、それぞれ回転駆動させた。次いで、中間転写ベルトの表面の状態を目視で観察した。そして、下記評価基準に基づいて、各中間転写ベルトの耐久性を評価した。評価結果が「○」および「△」の場合を合格と判定した。
(評価基準)
○:長さ3μm未満の割れが、観察された。
△:長さ3μm以上の割れが、5個未満観察された。
×:長さ3μm以上の割れが、5個以上観察された。
各中間転写ベルトについて、区分、中間転写ベルトNo.、凹凸紙に対する転写性、凹
凸紙に対する凸部がさつき、および耐久性の評価結果を表2に示す。表2において、「ベ
ルトNo.」は中間転写ベルトNo.を表す。
Figure 2018084815
表2から明らかなように、中間転写ベルト1〜11については、いずれも、耐久性および転写性に優れ、凸部がさつきの発生が抑制されていた。これは、中間転写ベルト1〜11については、弾性層の厚さが200〜300μmであり、単位面積あたりの静電容量が、13.5〜14.5pF/cmであり、かつ静電容量の標準偏差が、200pF以下であるためと考えられる。
一方、表2から明らかなように、中間転写ベルトC1およびC4については、凸部がさつきが発生していた。これは、中間転写ベルトC1については、静電容量の標準偏差が、200pF超であるためと考えられる。中間転写ベルトC4については、弾性層の厚さが300μm超であり、静電容量の標準偏差が、200pF超であり、かつ単位面積あたりの静電容量が、13.5pF/cm未満であるためと考えられる。
また、中間転写ベルトC2およびC3については、転写性が不十分であった。これは、中間転写ベルトC2については、弾性層の厚さが200μm未満であるためと考えられる。中間転写ベルトC3については、単位面積あたりの静電容量が、14.5pF/cm超であるためと考えられる。
また、中間転写ベルトC5については、耐久性が不十分であり、かつ放電ノイズが発生していた。これは、中間転写ベルトC5については、弾性層の厚さが300μm超であり、静電容量の標準偏差が、200pF超であり、かつ単位面積あたりの静電容量が、13.5pF/cm未満であるためと考えられる。
さらに、中間転写ベルト12と13は、中間転写ベルト11に比べて耐久性が向上している。これは、中間転写ベルト12と13がポリカーボネート樹脂やポリウレタン樹脂を添加してアクリロニトリルブタジエンゴムやクロロプレンゴムの含有量を低減させることにより、ジエン系架橋ゴム中の不飽和二重結合の密度が低減してオゾン分解に強い樹脂になったことによるものと考えられる。
本発明によれば、耐久性および凹凸紙への転写性に優れ、凸部がさつき(放電ノイズ)の発生が抑制されうる中間転写ベルトを提供することができ、長期にわたり転写不良が生じない画像形成装置を提供することができる。
1 画像形成装置
10 中間転写ベルト
12 基材層
14 弾性層
16 表面層
30 画像処理部
40 画像形成部
41Y、41M、41C、41K 画像形成ユニット
42 中間転写ユニット
43 二次転写ユニット
50 用紙搬送部
51 給紙部
51a、51b、51c 給紙トレイユニット
52 排紙部
52a 排紙ローラー
53 搬送経路部
53a レジストローラー対
60 定着装置
62 定着ローラー
63 発熱ベルト
64 加圧ローラー
110 画像読取部
111 給紙装置
112 スキャナー
112a CCDセンサー
411 露光装置
412 現像装置
413 感光体ドラム
414 帯電装置
415 ドラムクリーニング装置
422 一次転写ローラー
423、431 支持ローラー
423A バックアップローラー
426 ベルトクリーニング装置
426A クリーニング部材
431A 二次転写ローラー
432 二次転写ベルト
D 原稿
S 用紙

Claims (6)

  1. 厚さが200〜300μmである弾性層と、前記弾性層上に配置されている表面層と、
    を有する無端状の中間転写ベルトであって、
    単位面積あたりの静電容量は、13.5〜14.5pF/cmであり、
    静電容量の標準偏差は、200pF以下である、
    中間転写ベルト。
  2. 体積抵抗率は、10〜1012Ω・cmであり、
    表面抵抗率は、1011〜1013Ω/□である、
    請求項1に記載の中間転写ベルト。
  3. 前記弾性層は、ジエン系架橋ゴムおよび非ジエン系ポリマーを含むゴム組成物で構成されている、請求項1または2に記載の中間転写ベルト。
  4. 前記弾性層は、ジエン系架橋ゴムおよびイオン導電剤を含むゴム組成物で構成されており、
    前記ジエン系架橋ゴムの溶解パラメータと、前記イオン導電剤の溶解パラメータとの差は、6.15(J/cm1/2未満である、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の中間転写ベルト。
  5. 前記表面層の厚さは、10μm以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の中間転写ベルト。
  6. 感光体に形成されたトナー画像を記録媒体に転写するための中間転写ベルトを有する電子写真方式の画像形成装置であって、
    前記中間転写ベルトは、請求項1〜5のいずれか一項に記載の中間転写ベルトである、
    画像形成装置。
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