JP2018084059A - 防護層を有する鋼製部材、基礎構造物、防護層を有する鋼製部材の製造方法及び基礎構造物の施工方法 - Google Patents

防護層を有する鋼製部材、基礎構造物、防護層を有する鋼製部材の製造方法及び基礎構造物の施工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】現場での固定作業を必要とせず、鋼製部材の防護層の剥離を効果的に防止できる防護層を有する鋼製部材、基礎構造物、防護層を有する鋼製部材の製造方法及び基礎構造物の施工方法を提供すること。【解決手段】防護層を有する鋼製部材1であって、前面側Aと背面側Bとの境界に設けられる鋼製部材2と、鋼製部材2の軸芯方向Yで所定の範囲に設けられる防護層3とを備え、鋼製部材2は、防護層3の端縁部を保護する端面保護部材4が固定されることを特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は、港湾鋼構造物等の水域構造物、擁壁、土留壁等の陸域構造物で、前面側と背面側との境界に設けられる防護層を有する鋼製部材、基礎構造物、防護層を有する鋼製部材の製造方法及び基礎構造物の施工方法に関する。
従来から、海洋構造物を構成する鋼矢板の表面に防護層を有する重防食鋼矢板や、この重防食鋼矢板が用いられた海洋構造物が提案されており、例えば、特許文献1に開示されるような重防食鋼矢板が提案されている。
特許文献1に開示された重防食鋼矢板は、潮の飛翔、干満に晒された重防食鋼矢板の相互の継手部を重防食被覆膜(防護層)が施されていない部分を含め、強固に且つ簡便に防食するとともに防食被覆膜の剥離を防止する重防食鋼矢板継手の防食構造を提供するものである。
具体的には、特許文献1に開示された重防食鋼矢板は、第1、第2の重防食鋼矢板の継手に対し、保護カバーにより、継手領域を遮蔽して固定する構造である。ここで、保護カバーは、差込板部と、遮蔽板部とから断面略L字状に一体的且つ弾性的に構成されており、保護カバーの遮蔽板部には、押圧調整部材が設けられ、この押圧調整部材は、第1の重防食鋼矢板を押圧した状態でその第1の重防食鋼矢板と遮蔽板部の間隔を調整するように構成されている。
特開2004−137801号公報
特許文献1に開示された重防食鋼矢板は、差込板部と、遮蔽板部とから断面略L字状に一体的且つ弾性的に構成される保護カバーを鋼矢板の継手に固定している。そして、この保護カバーが防食被覆膜(防護層)の端縁部を押圧することで防食被覆膜の剥離を防止している。
特許文献1に開示された重防食鋼矢板は、複数の重防食鋼矢板を壁幅方向に連結して地盤に立設した後、重防食鋼矢板の継手部に保護カバーを固定する必要がある。このため、重防食鋼矢板を用いた基礎構造物を施工する工程数が増加する。結果、施工期間及び施工費用が増加する。
また、特許文献1に開示された重防食鋼矢板は、保護カバーをボルト及びナット、もしくは水中硬化性防食材で重防食鋼矢板の継手に固定している。しかし、ボルト及びナットで保護カバーを固定している場合、揺れや振動により、ナットが緩んで保護カバーが外れる虞がある。特に、港湾鋼構造物等の水域構造物に用いる場合、波や漂流物がぶつかる衝撃によりナットが緩む可能性が高く、保護カバーが外れる虞が高くなる。また、水中硬化性防食材は、経時劣化等による接着力劣化のため、保護カバーが外れる虞がある。
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであって、その目的とするところは、現場での固定作業を必要とせず、鋼製部材の防護層の剥離を効果的に防止できる防護層を有する鋼製部材、基礎構造物、防護層を有する鋼製部材の製造方法及び基礎構造物の施工方法を提供することにある。
第1発明の防護層を有する鋼製部材は、前面側と背面側との境界に設けられる鋼製部材と、前記鋼製部材の軸芯方向で所定の範囲に設けられる防護層とを備え、前記鋼製部材は、前記防護層の端縁部を保護する端面保護部材が固定されることを特徴とする。
第2発明の防護層を有する鋼製部材は、第1発明において、前記端面保護部材は、前記軸芯方向に略平行な前記防護層の両側端縁部に沿って配置されることを特徴とする。
第3発明の防護層を有する鋼製部材は、第1発明又は第2発明において、前記端面保護部材は、前記防護層の下辺である下側端縁部に沿って配置されることを特徴とする。
第4発明の防護層を有する鋼製部材は、第1発明〜第3発明の何れかにおいて、前記端面保護部材は、前記防護層の上辺である上側端縁部に沿って配置されることを特徴とする。
第5発明の防護層を有する鋼製部材は、第1発明〜第4発明の何れかにおいて、前記端面保護部材は、溶接により前記鋼製部材に固定されることを特徴とする。
第6発明の防護層を有する鋼製部材は、第1発明〜第5発明の何れかにおいて、前記端面保護部材は、前記鋼製部材の表面との隙間が楔状空間となるように固定され、前記防護層は、端縁部が前記楔状空間の内に充填されるように設けられることを特徴とする。
第7発明の防護層を有する鋼製部材は、第1発明〜第6発明の何れかにおいて、前記鋼製部材、及び、前記端面保護部材の少なくとも一方は、前記防護層が接触する領域の全部又は一部に粗化面、及び、凹凸面の少なくとも一方を有することを特徴とする。
第8発明の防護層を有する鋼製部材は、第5発明において、前記端面保護部材を前記鋼製部材に固定する溶接部は、前記防護層が接触する領域の全部又は一部に粗化面、及び、凹凸面の少なくとも一方を有することを特徴とする。
第9発明の防護層を有する鋼製部材は、第1発明〜第8発明の何れかにおいて、前記防護層は、端縁部の厚みの大きさが、前記鋼製部材の表面からの前記端面保護部材の高さと略同一の大きさ以下であることを特徴とする。
第10発明の防護層を有する鋼製部材は、第1発明〜第9発明の何れかにおいて、前記端面保護部材は、断面略円形状の丸鋼、断面略矩形状の角鋼、断面略三角形状の三角鋼、及び、断面略台形状の台形鋼の何れか又は何れか2つ以上の組み合わせで構成されることを特徴とする。
第11発明の防護層を有する鋼製部材は、第1発明〜第10発明の何れかにおいて、前記端面保護部材は、前記防護層が設けられる側に傾斜面を有して固定され、前記鋼製部材と前記傾斜面との間に前記防護層の端縁部が充填されることを特徴とする。
第12発明の防護層を有する鋼製部材は、第11発明において、前記端面保護部材は、前記防護層が設けられる側に傾斜面を有するように、前記防護層が設けられる側と反対側が溶接により前記鋼製部材に固定されることを特徴とする。
第13発明の防護層を有する鋼製部材は、第1発明〜第12発明の何れかにおいて、前記端面保護部材は、前記鋼製部材の表面に対して離間して配置されることを特徴とする。
第14発明の防護層を有する鋼製部材は、第1発明〜第13発明の何れかにおいて、前記鋼製部材は、鋼矢板、鋼管杭、及び、鋼管矢板の何れかで構成されることを特徴とする。
第15発明の防護層を有する鋼製部材は、第1発明〜第14発明の何れかにおいて、前記防護層は、有機系材料を主成分とすることを特徴とする。
第16発明の基礎構造物は、前面側と背面側との境界に設けられる鋼製部材と、前記鋼製部材の軸芯方向で所定の範囲に取り付けられる防護層とを備え、前記鋼製部材は、前記防護層の端縁部を保護する端面保護部材が固定され、軸芯方向の下部が地盤に立設されるとともに、軸芯方向の上部が上部コンクリートに埋設されることを特徴とする。
第17発明の基礎構造物は、第16発明において、前記防護層は、下辺となる下側端縁部の位置が、干潮面下1m以深であることを特徴とする。
第18発明の基礎構造物は、第16発明において、前記防護層は、下辺となる下側端縁部の位置が、平均干潮面以深であることを特徴とする。
第19発明の防護層を有する鋼製部材の製造方法は、前記鋼製部材に前記防護層の端縁部を保護する端面保護部材を固定する固定工程と、前記鋼製部材、及び、前記端面保護部材の少なくとも一方の全部又は一部に粗化面、及び、凹凸面の少なくとも一方を形成する素地調整工程と、前記粗化面、及び、凹凸面の少なくとも一方を含む領域にプライマ層を形成するプライマ塗装工程と、前記プライマ層の上に前記防護層となる有機系材料を塗布する塗布工程とを備えることを特徴とする。
第20発明の基礎構造物の施工方法は、前面側と背面側との境界に設けられる鋼製部材と、前記鋼製部材の軸芯方向で所定の範囲に設けられる防護層とを有し、前記鋼製部材に前記防護層の端縁部を保護する端面保護部材が固定された鋼製部材を、前記防護層の下側端縁部の位置が、干潮面下1m以深、又は、平均干潮面以深となるように地盤に立設する工程を備えることを特徴とする。
第1発明〜第20発明によれば、現場での固定作業、具体的には、鋼製部材を地盤等に立設した後の固定作業を必要としない。これにより、鋼製部材を用いた基礎構造物を施工する工程数が増加せず、施工期間及び施工費用を抑制することができる。
特に、第5発明によれば、端面保護部材は、溶接により固定される。これにより、ボルト及びナット、もしくは水中硬化性防食材で固定した場合に比して、端面保護部材が鋼製部材から外れる虞が低く、確実に防護層の剥離を防止することができる。
特に、第6発明によれば、端面保護部材は、鋼製部材の表面との隙間が楔状空間となるように固定され、防護層は、端縁部が楔状空間の内に充填されるように設けられる。これにより、防護層の端縁部が楔状空間内に食い込むように設けられるため、防護層の端縁部の浮きを機械的に抑制することができるとともに、防護層の端縁部の接触面積が増加するため、防護層の端縁部からのまくれや剥がれを効果的に防止することができ、防食性能の低下を効果的に抑制できる。
本発明を適用した基礎構造物を示す斜視図である。 本発明を適用した防護層を有する鋼製部材を示す斜視図である。 (a)は、本発明を適用した防護層を有する鋼製部材の第1実施形態の鋼製部材(ハット形鋼矢板)を示す平面図であり、(b)は、その正面図である。 (a)は、本発明を適用した防護層を有する鋼製部材の第1実施形態の防護層の両側端縁部に固定した端面保護部材を示す平面図であり、(b)は、その正面図である。 (a)は、本発明を適用した防護層を有する鋼製部材の第1実施形態の防護層の両側端縁部及び下側端縁部に固定した端面保護部材を示す平面図であり、(b)は、その正面図である。 (a)は、本発明を適用した防護層を有する鋼製部材の第1実施形態の防護層の両側端縁部、下側端縁部及び上側端縁部に固定した端面保護部材を示す平面図であり、(b)は、その正面図である (a)は、本発明を適用した防護層を有する鋼製部材の端面保護部材を断面略円形状の丸鋼とし、鋼製部材の表面との隙間が楔状空間となるように固定した断面図、(b)は、その楔状空間に防護層の端縁部が充填された断面図である。 (a)は、本発明を適用した防護層を有する鋼製部材の端面保護部材を断面略矩形状の角鋼とした断面図、(b)は、その端面保護部材を断面略三角形状の三角鋼とした断面図、(c)は、端面保護部材を断面略台形状の台形鋼とした断面図である。 (a)は、本発明を適用した防護層を有する鋼製部材の端面保護部材を断面略円形状の丸鋼とし、防護層の端縁部の厚みの大きさが、鋼製部材の表面からの端面保護部材の高さと略同一とした場合の断面図、(b)は、その端面保護部材を断面略矩形状の角鋼とした断面図、(c)は、その端面保護部材を断面略三角形状の三角鋼とした断面図、(d)は、その端面保護部材を断面略台形状の台形鋼とした断面図である。 (a)は、本発明を適用した防護層を有する鋼製部材の端面保護部材を断面略矩形状の角鋼とし、防護層が設けられる側に傾斜面を有して固定した断面図、(b)は、その端面保護部材を断面略三角形状の三角鋼とした断面図、(c)は、その端面保護部材を断面略形状の台形鋼とした断面図である。 (a)は、本発明を適用した防護層を有する鋼製部材の端面保護部材を断面略矩形状の角鋼とし、防護層が設けられる側に傾斜面を有して固定し、かつ、防護層の端縁部の厚みの大きさが、鋼製部材の表面からの端面保護部材の高さと略同一とした場合の断面図、(b)は、その端面保護部材を断面略三角形状の三角鋼とした断面図、(c)は、その端面保護部材を断面略形状の台形鋼とした断面図である。 (a)は、本発明を適用した防護層を有する鋼製部材の端面保護部材を、防護層が設けられる側に傾斜面を有して固定する方法の載置工程図、(b)は、その溶接工程図である。 (a)は、本発明を適用した防護層を有する鋼製部材の端面保護部材を鋼製部材の表面に対して離間して配置した断面図、(b)は、その側面図である。 (a)は、本発明を適用した防護層を有する鋼製部材の防護層が接触する領域に形成された粗化面を示す拡大断面図、(b)は、その領域に凹凸面を示す拡大断面図である。 本発明を適用した防護層を有する鋼製部材の第1実施形態の防護層を有する鋼製部材の製造方法であり、(a)は、端面保護部材を固定する固定工程、(b)は、プライマ層を形成するプライマ塗装工程、(c)は、有機材材料を塗布する塗布工程である。 (a)は、本発明を適用した防護層を有する鋼製部材の第2実施形態の鋼製部材(U形鋼矢板)の溝外側に防護層を有する場合を示す平面図であり、(b)は、溝内側に防護層を有する場合を示す平面図である。 (a)は、本発明を適用した防護層を有する鋼製部材の第3実施形態の鋼製部材(鋼管杭)を示す平面図であり、(b)は、その正面図である。 (a)は、本発明を適用した防護層を有する鋼製部材の第3実施形態の鋼製部材(鋼管杭)の全周に防護層が設けられている場合を示す平面図であり、(b)は、その正面図である。 (a)は、本発明を適用した防護層を有する鋼製部材の第4実施形態の鋼製部材(鋼管矢板)を示す平面図であり、(b)は、その正面図である。 (a)は、本発明を適用した第1実施形態の鋼製部材(ハット形鋼矢板)を用いた基礎構造物を示す側面図、(b)は、第2実施形態の鋼製部材(U形鋼矢板)を用いた基礎構造物を示す側面図である。 (a)は、本発明を適用した基礎構造物で防護層の下辺である下側端縁部の位置が干潮面下1m以深であることを示す側面図であり、(b)は、その下側端縁部の位置が平均干潮面以深であることを示す側面図である。 (a)は、本発明を適用した基礎構造物で防護層が上部コンクリートに延びたものを示す側面図であり、(b)は、タイロッド式の鋼矢板壁を示す側面図である。
以下、本発明を適用した防護層を有する鋼製部材1及び基礎構造物8を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明を適用した基礎構造物8は、図1に示すように、主に、港湾鋼構造物等の水域構造物、擁壁、土留壁等の陸域構造物で、前面側Aと背面側Bとの境界に設けられる。本発明を適用した基礎構造物8は、ハット形鋼矢板6、U形鋼矢板、鋼管杭又は鋼管矢板等が地盤80に打設されて立設されるものであり、複数のハット形鋼矢板6、U形鋼矢板、鋼管杭又は鋼管矢板が並べられることで、壁体構造が構築される。複数のハット形鋼矢板6、U形鋼矢板、鋼管杭又は鋼管矢板は、これに限らず、地盤80に埋め込まれるもの、又は、フーチングコンクリートに立設されるものとすることもできる。また、地盤80には、水底地盤、海底地盤等が含まれるものとする。
最初に、本発明を適用した防護層を有する鋼製部材1の第1実施形態について説明する。本発明を適用した防護層を有する鋼製部材1は、前面側Aと背面側Bとの境界に設けられるものであって、図2に示すように、第1実施形態において、断面略ハット形状の鋼矢板が用いられた鋼製部材2と、鋼製部材2の鉛直方向(以下、軸芯方向Yという)で所定の範囲に設けられる防護層3とを備える。
鋼製部材2は、図3に示すように、断面略ハット形状のハット形鋼矢板6が用いられるものである。ハット形鋼矢板6の鋼製部材2は、フランジ部61と、一対のウェブ部62と、一対のアーム部63と、一対の継手部64とを備える。一対のウェブ部62は、ハット形鋼矢板6の延長(法線)方向(以下、壁幅方向Xという)でフランジ部61の両端から傾斜させて連続して設けられる。一対のアーム部63は、フランジ部61と略平行になるように一対のウェブ部62の各々から連続して設けられる。一対の継手部64は、一対のアーム部63の各々の片端から連続して設けられる。ハット形鋼矢板6は、複数の鋼製部材2を壁幅方向Xに連結させて壁体構造を構築する場合に、隣り合うハット形鋼矢板6の一方の継手部64に、他方の継手部64を嵌合させるものとなる。
防護層3は、図4に示すように、鋼製部材2の腐食、摩耗又は衝突力に抵抗するための前面側Aで鋼製部材2に設けられる。防護層3は、ウレタン樹脂やエポキシ等の有機系材料を主成分とする材料をハット形鋼矢板6の鋼製部材2の前面側Aの所定の範囲に吹き付けて、刷毛塗り、ローラ塗り等の手段で形成される。
端面保護部材4は、防護層3の端縁部のまくれや剥がれを防止する保護部材である。端面保護部材4は、軸芯方向Yに略平行な防護層3の両側端縁部の一方である左側端縁部31に沿って端面保護部材4である左側端面保護部材41が固定され、防護層3の両側端縁部の他方である右側端縁部32に沿って端面保護部材4である右側端面保護部材42が固定される。
端面保護部材4は、図5に示すように、防護層3の下辺である下側端縁部33に沿って下側端面保護部材43が固定されてもよい。また、端面保護部材4は、図6に示すように、防護層3の上辺である上側端縁部34に沿って上側端面保護部材44が固定されてもよい。なお、端面保護部材4は、防護層3の左側端縁部31、右側端縁部32、下側端縁部33及び上側端縁部34の少なくとも一つに沿って固定されてもよい。
端面保護部材4は、図7に示すように、断面円形状又は楕円の断面略円形状の丸鋼を溶接部11によりハット形鋼矢板6の鋼製部材2に固定してもよい。丸鋼の端面保護部材4を使用する場合、図7(a)に示すように、丸鋼の端面保護部材4と、ハット形鋼矢板6の鋼製部材2の表面と間に、丸鋼の端面保護部材4とハット形鋼矢板6の鋼製部材2との当接箇所に向かうに従い先細りとなる楔状空間45が形成される。防護層3は、図7(b)に示すように、端縁部が楔状空間45の内に充填されるように設けられる。防護層3は、端縁部の厚みの大きさが、ハット形鋼矢板6の鋼製部材2の表面からの丸鋼の端面保護部材4の高さT1と略同一の大きさ以下であるのが好ましい。
端面保護部材4は、図8(a)に示すように、断面矩形状又は角部が丸みを帯びた断面略矩形状の角鋼を溶接部11によりハット形鋼矢板6の鋼製部材2に固定してもよい。また、端面保護部材4は、図8(b)に示すように、断面三角形状又は角部が丸みを帯びた断面略三角形状の三角鋼を溶接部11によりハット形鋼矢板6の鋼製部材2に固定してもよい。さらに、端面保護部材4は、図8(c)に示すように、断面台形状又は角部が丸みを帯びた断面略台形状の角鋼を溶接部11によりハット形鋼矢板6の鋼製部材2に固定してもよい。防護層3は、図8(a)〜(c)に示すように、端縁部の厚みの大きさが、ハット形鋼矢板6の鋼製部材2の表面からの角鋼、三角鋼又は台形鋼の端面保護部材4の各々の高さT2〜T4と略同一の大きさ以下であるのが好ましい。
防護層3は、図9(a)に示すように、端縁部の厚みの大きさが、ハット形鋼矢板6の鋼製部材2の表面からの丸鋼の端面保護部材4の高さT1と略同一の大きさとしてもよい。また、防護層3は、図9(b)に示すように、端縁部の厚みの大きさが、ハット形鋼矢板6の鋼製部材2の表面からの角鋼の端面保護部材4の高さT2と略同一の大きさとしてもよい。また、防護層3は、図9(c)に示すように、端縁部の厚みの大きさが、ハット形鋼矢板6の鋼製部材2の表面からの三角鋼の端面保護部材4の高さT3と略同一の大きさとしてもよい。さらに、防護層3は、図9(d)に示すように、端縁部の厚みの大きさが、ハット形鋼矢板6の鋼製部材2の表面からの台形鋼の端面保護部材4の高さT4と略同一の大きさとしてもよい。
角鋼の端面保護部材4は、図10(a)に示すように、防護層3が設けられる側に傾斜面46を有するように、防護層3が設けられる側と反対側が溶接部11によりハット形鋼矢板6の鋼製部材2に固定されてもよい。ハット形鋼矢板6の鋼製部材2と角鋼の端面保護部材4の傾斜面46との間には、防護層3の端縁部が充填される。なお、防護層3は、図11(a)に示すように、端縁部の厚みの大きさが、ハット形鋼矢板6の鋼製部材2の表面からの角鋼の端面保護部材4の高さと略同一の大きさとしてもよい。
三角鋼の端面保護部材4は、図10(b)に示すように、防護層3が設けられる側に傾斜面46を有するように、防護層3が設けられる側と反対側が溶接部11によりハット形鋼矢板6の鋼製部材2に固定されてもよい。ハット形鋼矢板6の鋼製部材2と三角鋼の端面保護部材4の傾斜面46との間には、防護層3の端縁部が充填される。なお、防護層3は、図11(b)に示すように、端縁部の厚みの大きさが、ハット形鋼矢板6の鋼製部材2の表面からの三角鋼の端面保護部材4の高さと略同一の大きさとしてもよい。
台形鋼の端面保護部材4は、図10(c)に示すように、防護層3が設けられる側に傾斜面46を有するように、防護層3が設けられる側と反対側が溶接部11によりハット形鋼矢板6の鋼製部材2に固定されてもよい。ハット形鋼矢板6の鋼製部材2と台形鋼の端面保護部材4の傾斜面46との間には、防護層3の端縁部が充填される。なお、防護層3は、図11(c)に示すように、端縁部の厚みの大きさが、ハット形鋼矢板6の鋼製部材2の表面からの台形鋼の端面保護部材4の高さと略同一の大きさとしてもよい。
端面保護部材4は、図7〜11に示すように、防護層3が設けられる側とは反対側が溶接部11によりハット形鋼矢板6の鋼製部材2に固定されているが、一層目(一回目)の溶接不良部位は、防護層3が設けられる側である内側からガウジングしないのが好ましい。また、端面保護部材4は、防護層3が設けられる側とは反対側が溶接部11によりハット形鋼矢板6の鋼製部材2に固定されているが、防護層3が設けられる側が溶接部11によりハット形鋼矢板6の鋼製部材2に固定されてもよい。防護層3が設けられる側が溶接部11によりハット形鋼矢板6の鋼製部材2に固定される場合、溶接部11の表面粗度は、防護層3が設けられるハット形鋼矢板6の鋼製部材2の表面粗度と同程度であることが好ましい。また、溶接部11ののど厚(肉盛り量)は、変化してもよい。さらに、防護層3は、端縁部である端面保護部材4に向かって滑らかに厚みが増すように設けることが好ましい。つまり、防護層3の厚みは、図9、10、11に示すように、防護層3の端縁部である端面保護部材4に向かって滑らかに漸増することが好ましい。
次に、防護層3が設けられる側に傾斜面46を有するように、端面保護部材4をハット形鋼矢板6の構成部材2に溶接により固定する方法について説明する。初めに、角鋼の端面保護部材4を、図12(a)に示すように、ハット形鋼矢板6の鋼製部材2の上に載置する。次に、図12(b)に示すように、角鋼の端面保護部材4の防護層3が設けられる側と反対側を溶接する。この溶接により角鋼の端面保護部材4の防護層3が設けられる側と反対側に溶接部11が形成されるが、この溶接部11が冷えるに従い収縮するため、角鋼の端面保護部材4が溶接部11を略中心として矢印の向きに回転し、角鋼の端面保護部材4は、防護層3が設けられる側に傾斜面46を有してハット形鋼矢板6の鋼製部材2に固定される。上記説明では、角鋼の端面保護部材4を防護層3が設けられる側に傾斜面46を有するように固定する方法について説明したが、同様の方法により、三角鋼又は台形鋼の端面保護部材4を防護層3が設けられる側に傾斜面46を有するように固定することができ、端面保護部材4の傾斜面46と、ハット形鋼矢板6の鋼製部材2の表面と間に、先細りとなる楔状空間が形成される。
丸鋼の端面保護部材4は、図13(a)に示すように、溶接部11によりハット形鋼矢板6の鋼製部材2の表面に対して離間して固定されてもよい。また、溶接部11は、防護材3の端縁部に沿って連続的に設けるだけでなく、図13(b)に示すように所定の間隔で断続的に設けられてもよい。端面保護部材4を、図13(a)に示すように、ハット形鋼矢板6の鋼製部材2の表面に対して離間して固定するには、例えば、置きビード(ルート間隔保持ビード)により端面保護部材4をハット形鋼矢板6の鋼製部材2の表面に対して浮き上がらせることができるが、他の方法により、端面保護部材4をハット形鋼矢板6の鋼製部材2の表面に対して離間して固定してもよい。なお、丸鋼以外の角鋼、三角鋼及び台形鋼の端面保護部材4についても、同様に、溶接部11によりハット形鋼矢板6の鋼製部材2の表面に対して離間して固定されてもよい。
ハット形鋼矢板6の鋼製部材2は、図14(a)に示すように、防護層3が接触する領域の全部又は一部に粗化面65を有してもよい。また、角鋼の端面保護部材4は、防護層3が接触する領域の全部又は一部に粗化面47を有してもよい。さらに、角鋼の端面保護部材4をハット形鋼矢板6の鋼製部材2に固定する溶接部11は、防護層3が接触する領域の全部又は一部に粗化面11aを有してもよい。粗化面65、47、11aは、例えば、サンドブラストやショットブラスト加工等により形成することができる。
また、ハット形鋼矢板6の鋼製部材2は、図14(b)に示すように、防護層3が接触する領域の全部又は一部に凹凸面66を有してもよい。また、角鋼の端面保護部材4は、防護層3が接触する領域の全部又は一部に凹凸面48を有してもよい。さらに、角鋼の端面保護部材4をハット形鋼矢板6の鋼製部材2固定する溶接部11は、防護層3が接触する領域の全部又は一部に凹凸面11bを有してもよい。凹凸面66、48、11bは、例えば、ローレット加工等により形成することができる。
なお、端面保護部材4、ハット形鋼矢板6の鋼製部材2、及び溶接部11に形成される粗化面又は凹凸面の粗度は同程度であることが好ましい。また、端面保護部材4、ハット形鋼矢板6の鋼製部材2、及び溶接部11の全てに粗化面又凹凸面を形成しているが、端面保護部材4、ハット形鋼矢板6の鋼製部材2、及び溶接部11の何れか又は何れか2つ以上の組み合わせで粗化面又凹凸面を形成するようにしてもよい。また、端面保護部材4は、防護層3が設けられる側とは反対側が溶接部11によりハット形鋼矢板6の鋼製部材2に固定されている場合、溶接部11には防護層が接触する領域がないため、溶接部11に粗化面11a又は凹凸面11bを必ずしも形成する必要はない。
次に、図15を参照して、本発明の防護層を有する鋼製部材の製造方法を説明する。図15(a)に示すように、固定工程として、ハット形鋼矢板6の構成部材2の前面側Aに丸鋼の端面保護部材4を溶接部11により固定する。次に、素地調整工程として、ハット形鋼矢板6の鋼製部材2、及び、丸鋼の端面保護部材4の少なくとも一方の全部又は一部に粗化面、及び、凹凸面の少なくとも一方を形成する。次に、プライマ塗装工程として、図15(b)に示すように、形成された粗化面、及び、凹凸面の少なくとも一方を含む領域に、防錆性、密着性を高めるために有機ジンクリッチペイント等の下塗塗料を塗布してプライマ層35を形成する。次に、塗布工程として、図15(c)に示すように、形成したプライマ層35の上に、防護層3となるウレタン樹脂やエポキシ等の有機系材料を主成分とする塗料36を吹き付け塗装等により塗布する。なお、端面保護部材4の傾斜面46と、ハット形鋼矢板6の鋼製部材2の表面と間の楔状空間内は、刷毛等により防護層3となるウレタン樹脂やエポキシ等の有機系材料を先行して塗布してもよい。これにより、塗り残し無く、防護層3となる有機系材料を主成分とする塗料36を楔状空間内に塗装することができる。
なお、防護層3となる塗料36は、防護層3の端縁部の向き、すなわち端面保護部材4に向かって滑らかに厚くなるように塗装するのが好ましい。また、プライマ層35となる下塗塗料及び有機系材料を主成分とする塗料36を各々複数回塗布してもよい。また、上記図15(b)及び(c)では、粗化面、及び、凹凸面の記載を省略している。なお、素地調整工程及びプライマ塗装工程は、必ずしも必要ではない。
次に、本発明を適用した防護層を有する鋼製部材1の第2実施形態について説明する。なお、上述した構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付すことにより以下での説明を省略する。本発明を適用した防護層を有する鋼製部材1は、図16に示すように、第2実施形態において、断面略U形状の鋼矢板が用いられた鋼製部材2と、鋼製部材2の表面側Aに設けられる防護層3とを備える。なお、図16(a)は、U形鋼矢板7の鋼製部材2の溝外側に防護層3を有する場合を示す平面図であり、図16(b)は、U形鋼矢板7の鋼製部材2の溝内側に防護層3を有する場合を示す平面図である。
鋼製部材2は、断面略U形状のU形鋼矢板7が用いられるものである。U形鋼矢板7の鋼製部材2は、フランジ部71と、一対のウェブ部72と、一対の継手部74とを備える。一対のウェブ部72は、U形鋼矢板7の壁幅方向Xでフランジ部71の両端から傾斜させて連続して、また、一対の継手部74は、一対のウェブ部72の各々の片端から連続して設けられる。U形鋼矢板7は、複数の鋼製部材2を壁幅方向Xに連結させて壁体構造を構築する場合に、隣り合うU形鋼矢板7の一方の継手部74に、他方の継手部74を嵌合させるものとなる。
本発明を適用した防護層を有する鋼製部材1は、鋼製部材2の腐食、摩耗又は衝突力に抵抗するための前面側Aで、防護層3が鋼製部材2に設けられる。本発明を適用した防護層を有する鋼製部材1は、第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、軸芯方向Yに略平行な防護層3の両側端縁部31,32に端面保護部材4が固定される。
また、本発明を適用した防護層を有する鋼製部材1は、第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、防護層3の下辺である下側端縁部及び上辺である上側端縁部に沿って下側端面保護部材及び上側端面保護部材が各々固定されてもよい。また、端面保護部材4を、断面略円形状の丸鋼、断面略矩形状の角鋼、断面略三角形状の三角鋼、及び、断面略台形状の台形鋼の何れか又は何れか2つ以上の組み合わせで構成できる。
また、本発明を適用した防護層を有する鋼製部材1は、第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、防護層3は、端縁部の厚みの大きさが、U形鋼矢板7の鋼製部材2の表面からの端面保護部材4の高さと略同一の大きさとしてもよい。また、端面保護部材4は、防護層3が設けられる側に傾斜面を有するように、防護層3が設けられる側と反対側が溶接部11によりU形鋼矢板7の鋼製部材2に固定されてもよい。また、端面保護部材4は、溶接部11によりU形鋼矢板7の鋼製部材2の表面に対して離間して固定されてもよい。さらに、U形鋼矢板7の鋼製部材2、端面保護部材4、及び、溶接部11の少なくともいずれか1つは、防護層3が接触する領域の全部又は一部に粗化面又は凹凸面を有してもよい。
次に、本発明を適用した防護層を有する鋼製部材1の第3実施形態について説明する。なお、上述した構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付すことにより以下での説明を省略する。本発明を適用した防護層を有する鋼製部材1は、図17に示すように、第3実施形態において、鋼管杭5が用いられた鋼製部材2と、鋼製部材2の表面側Aに設けられる防護層3とを備える。
本発明を適用した防護層を有する鋼製部材1は、鋼製部材2の腐食、摩耗又は衝突力に抵抗するための前面側Aで、防護層3が鋼製部材2に設けられる。本発明を適用した防護層を有する鋼製部材1は、第3実施形態においても、第1実施形態と同様に、軸芯方向Yに略平行な防護層3の両側端縁部31,32に端面保護部材4が固定される。
また、本発明を適用した防護層を有する鋼製部材1は、第3実施形態においても、第1実施形態と同様に、防護層3の下辺である下側端縁部33及び上辺である上側端縁部34に沿って下側端面保護部材及び上側端面保護部材が各々固定されてもよい。また、本発明を適用した防護層を有する鋼製部材1は、図18に示すように、鋼管杭5が用いられた鋼製部材2の全周に防護層3を設けるようにしてもよい。この場合、防護層3には、防護層3の下辺である下側端縁部33に沿って下側端面保護部材43が固定される。
なお、端面保護部材4は、断面略円形状の丸鋼、断面略矩形状の角鋼、断面略三角形状の三角鋼、及び、断面略台形状の台形鋼の何れか又は何れか2つ以上の組み合わせで構成できる。
また、本発明を適用した防護層を有する鋼製部材1は、第3実施形態においても、第1実施形態と同様に、防護層3は、端縁部の厚みの大きさが、鋼管杭5の鋼製部材2の表面からの端面保護部材4の高さと略同一の大きさとしてもよい。また、端面保護部材4は、防護層3が設けられる側に傾斜面を有するように、防護層3が設けられる側と反対側が溶接部11により鋼管杭5の鋼製部材2に固定されてもよい。また、端面保護部材4は、溶接部11により鋼管杭5の鋼製部材2の表面に対して離間して固定されてもよい。さらに、鋼管杭5の鋼製部材2、端面保護部材4、及び、溶接部11の少なくともいずれか1つは、防護層3が接触する領域の全部又は一部に粗化面又は凹凸面を有してもよい。
次に、本発明を適用した防護層を有する鋼製部材1の第4実施形態について説明する。なお、上述した構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付すことにより以下での説明を省略する。本発明を適用した防護層を有する鋼製部材1は、図19に示すように、第4実施形態において、鋼管矢板9が用いられた鋼製部材2と、鋼製部材2の表面側Aに設けられる防護層3とを備える。
本発明を適用した防護層を有する鋼製部材1は、鋼製部材2の腐食、摩耗又は衝突力に抵抗するための前面側Aで、防護層3が鋼製部材2に設けられる。本発明を適用した防護層を有する鋼製部材1は、第4実施形態においても、第1実施形態と同様に、軸芯方向Yに略平行な防護層3の両側端縁部31,32に端面保護部材4が固定される。
また、本発明を適用した防護層を有する鋼製部材1は、第4実施形態においても、第1実施形態と同様に、防護層3の下辺である下側端縁部33及び上辺である上側端縁部34に沿って下側端面保護部材及び上側端面保護部材が各々固定されてもよい。また、端面保護部材4を、断面略円形状の丸鋼、断面略矩形状の角鋼、断面略三角形状の三角鋼、及び、断面略台形状の台形鋼の何れか又は何れか2つ以上の組み合わせで構成できる。
また、本発明を適用した防護層を有する鋼製部材1は、第4実施形態においても、第1実施形態と同様に、防護層3は、端縁部の厚みの大きさが、鋼管矢板9の鋼製部材2の表面からの端面保護部材4の高さと略同一の大きさとしてもよい。また、端面保護部材4は、防護層3が設けられる側に傾斜面を有するように、防護層3が設けられる側と反対側が溶接部11により鋼管矢板9の鋼製部材2に固定されてもよい。また、端面保護部材4は、溶接部11により鋼管矢板9の鋼製部材2の表面に対して離間して固定されてもよい。さらに、鋼管矢板9の鋼製部材2、端面保護部材4、及び、溶接部11の少なくともいずれか1つは、防護層3が接触する領域の全部又は一部に粗化面又は凹凸面を有してもよい。
本発明を適用した基礎構造物8は、第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態、第4実施形態の少なくとも一つの本発明を適用した防護層を有する鋼製部材1が用いられるものである。
本発明を適用した基礎構造物8は、前面側Aと背面側Bとの境界に設けられるものであって、図20に示すように、ハット形鋼矢板6又はU形鋼矢板7等が用いられた鋼製部材2と、鋼製部材2の軸芯方向Yで所定の範囲に設けられる防護層3とを備え、鋼製部材2には、防護層3の端縁部を保護する端面保護部材4が固定される。鋼製部材2は、軸芯方向Yの下部2aが地盤80に打設されて、又は埋め込まれて地盤に立設されるとともに、軸芯方向Yの上部2bが前面側Aと背面側Bとの境界に設けられる。
本発明を適用した基礎構造物8は、複数の鋼製部材2の少なくとも一部に、防護層3及び防護層3を保護する端面保護部材4が固定された状態で、鋼製部材2が前面側Aと背面側Bとの境界に設けられる。本発明を適用した基礎構造物8は、鋼製部材2の軸芯方向Yの所定範囲L1に防護層3が設けられる。この所定範囲L1は、構造設計(計算)や、設置環境(劣化環境、腐食環境、漂砂・流砂環境、漂流物環境等)によって決定されるものであり、例えば、大きな曲げモーメントが作用する部位をカバーする範囲や、鋼製部材2の変位を抑制するのに効果的な範囲に決定される。また、この所定範囲L1は、標準的な海洋環境において集中腐食が生じるおそれのある干満帯付近をカバーする範囲に決定されてもよい。
本発明を適用した基礎構造物8は、図21(a)に示すように、防護層3の下側端縁部33の位置が干潮面S1からの距離L2が1m以深となるように、本発明を適用した防護層3を有する鋼製部材1を地盤80に立設してもよい。また、本発明を適用した基礎構造物8は、図21(b)に示すように、防護層3の下側端縁部33の位置が平均干潮面S2以深となるように、本発明を適用した防護層3を有する鋼製部材1を地盤80に立設してもよい。
本発明を適用した基礎構造物8は、海水面81において鋼製部材2の前面側Aに防護層3が設けられる。本発明を適用した基礎構造物8は、図22(a)に示すように、自立式鋼矢板壁において、防護層3の軸芯方向Yの上端34が上部コンクリート82に埋め込まれるようにしてもよい。このとき、防護層3の端部のうち上部コンクリート82に埋め込まれる部分である上部端縁部34を保護する上部端面保護部材は、省略してもよい。また、本発明を適用した基礎構造物8は、図22(b)に示すように、控え工83と鋼製部材2の上部2bとがタイロッド84で連結されて、タイロッド式の鋼矢板壁が構築されてもよい。なお、図20〜図22に示した本発明を適用した基礎構造物8は、電気防食を併用しても良い。
本発明を適用した防護層を有する鋼製部材1は、図2、16〜19に示すように、前面側Aと背面側Bとの境界に設けられるハット形鋼矢板6、U形鋼矢板7、鋼管杭5又は鋼管矢板9の鋼製部材2と、鋼製部材2の軸芯方向Yで所定の範囲に設けられる防護層3とを備え、鋼製部材2は、防護層3の端縁部を保護する端面保護部材4が固定される。これにより、水流、波、紫外線、漂流物(特に、氷盤)の衝突や摺動による防護層3の端縁部からのまくれや剥がれを防止することができ、防食性能の低下を抑制できる。
本発明を適用した防護層を有する鋼製部材1は、図4に示すように、端面保護部材4は、軸芯方向Yに略平行な防護層3の両側端縁部である左側端縁部31及び右側端縁部32に沿って各々左側端面保護部材41及び左側端面保護部材42が配置される。これにより、水流、波、紫外線、漂流物の衝突や摺動による影響を受けやすい防護層3の両側端縁部31,32からのまくれや剥がれを防止することができ、防食性能の低下を抑制できる。
本発明を適用した防護層を有する鋼製部材1は、図5に示すように、端面保護部材4は、防護層3の下辺である下側端縁部33に沿って下側端面保護部材43が配置される。これにより、防護層3の下側端縁部33からのまくれや剥がれを防止することができ、防食性能の低下を抑制できる。
本発明を適用した防護層を有する鋼製部材1は、図6に示すように、端面保護部材4は、防護層3の上辺である上側端縁部34に沿って上側端面保護部材44が配置される。これにより、防護層3の上側端縁部34からのまくれや剥がれを防止することができ、防食性能の低下を抑制できる。
本発明を適用した防護層を有する鋼製部材1は、図7〜図14に示すように、端面保護部材4は、溶接により鋼製部材2に固定される。これにより、端面保護部材4は、簡単な溶接加工等をするのみで、容易かつ低コストに端面保護部材4を鋼製部材2に確実に固定できる。
本発明を適用した防護層を有する鋼製部材1は、図7、図12に示すように、端面保護部材4は、鋼製部材2の表面との隙間が楔状空間45となるように固定され、防護層3は、端縁部が楔状空間45の内に充填されるように設けられる。これにより、楔状空間45内に食い込むように設けられるため防護層3の端縁部の浮きを機械的に抑制することができるとともに、防護層3の端縁部の接触面積が増加するため、防護層3の端縁部からのまくれや剥がれを効果的に防止することができ、防食性能の低下を効果的に抑制できる。
本発明を適用した防護層を有する鋼製部材1は、ハット形鋼矢板6の鋼製部材2は、防護層3が接触する領域の全部又は一部に粗化面65、及び、凹凸面66の少なくとも一方を有する。これにより、防護層3の端縁部のハット形鋼矢板6の鋼製部材2への密着性が向上し、防護層3の端縁部からのまくれや剥がれをより効果的に防止することができる。
本発明を適用した防護層を有する鋼製部材1は、端面保護部材4は、防護層3が接触する領域の全部又は一部に粗化面47、及び、凹凸面47の少なくとも一方を有する。これにより、防護層3の端縁部の端面保護部材4への密着性が向上し、防護層3の端縁部からのまくれや剥がれをより効果的に防止することができる。
本発明を適用した防護層を有する鋼製部材1は、図14に示すように、溶接部11は、防護層3が接触する領域の全部又は一部に粗化面11a、及び、凹凸面11bの少なくとも一方を有する。これにより、防護層3の端縁部の溶接部11への密着性が向上し、防護層3の端縁部からのまくれや剥がれをより効果的に防止することができる。
本発明を適用した防護層を有する鋼製部材1は、図7〜10に示すように、防護層3は、端縁部の厚みの大きさが、ハット形鋼矢板6の鋼製部材2の表面からの端面保護部材4の高さと略同一の大きさ以下である。これにより、防護層3の端縁部が突出しないため、防護層3の端縁部を水流、波、氷盤等の漂流物の衝突や摺動から防護することができ、防護層3の端縁部からのまくれや剥がれを効果的に防止することができる。
本発明を適用した防護層を有する鋼製部材1は、図7〜10に示すように、端面保護部材4は、断面略円形状の丸鋼、断面略矩形状の角鋼、断面略三角形状の三角鋼、及び、断面略台形状の台形鋼の何れか又は何れか2つ以上の組み合わせで構成される。これにより、端面保護部材4は、丸鋼、角鋼、三角鋼、台形鋼など既存の鋼材を切断加工等するのみで、容易かつ低コストに作成できる。
本発明を適用した防護層を有する鋼製部材1は、図11に示すように、端面保護部材4は、防護層3が設けられる側に傾斜面46を有して固定され、ハット形鋼矢板6の鋼製部材2と傾斜面46との間に防護層3の端縁部が充填される。防護層3が設けられる側に傾斜面46を有して端面保護部材4が固定されることで、ハット形鋼矢板6の鋼製部材2の表面との隙間が楔状空間となるように固定され、防護層3は、端縁部がこの楔状空間の内に充填されるように設けられる。これにより、防護層3の端縁部が楔状空間内に食い込むように設けられるため、防護層3の端縁部の浮きを機械的に抑制することができるとともに、防護層3の端縁部の接触面積が増加するため、防護層3の端縁部からのまくれや剥がれを効果的に防止することができ、防食性能の低下を効果的に抑制できる。
本発明を適用した防護層を有する鋼製部材1は、図12に示すように、端面保護部材4は、防護層3が設けられる側に傾斜面46を有するように、防護層3が設けられる側と反対側が溶接により鋼製部材2に固定される。これにより、簡単な施工で、角鋼の端面保護部材4は、防護層3が設けられる側に傾斜面46を有してハット形鋼矢板6の鋼製部材2に固定される。これにより、防護層3の端縁部が楔状空間内に食い込むように設けられるため防護層3の端縁部の浮きを機械的に抑制することができるとともに、防護層3の端縁部の接触面積が増加するため、防護層3の端縁部からのまくれや剥がれを効果的に防止することができ、防食性能の低下を効果的に抑制できる。
本発明を適用した防護層を有する鋼製部材1は、図13に示すように、端面保護部材4は、鋼製部材2の表面に対して離間して配置される。これにより、防護層3の端縁部が浮いている分だけ余計に楔状空間内へ食い込むように設けられるため、防護層3の端縁部の浮きをより効果的に抑制することができる。
本発明を適用した防護層を有する鋼製部材1は、図3、15〜17に示すように、鋼製部材2は、鋼矢板、鋼管杭、及び、鋼管矢板の何れかで構成される。これにより、鋼製部材2は、鋼矢板、鋼管杭、鋼管矢板など既存の鋼製部材に端面保護部材4を溶接加工等するのみで、容易かつ低コストに作成できる。
本発明を適用した防護層を有する鋼製部材1の防護層3は、有機系材料を主成分とする。これにより、図15に示すように、防護層3となるウレタン樹脂やエポキシ等の有機系材料を主成分とする材料36を吹き付け塗装等するのみで、容易かつ低コストに防護層3の端縁部を端面保護部材4に食い込んだ状態とすることができる。
本発明を適用した防護層を有する鋼製部材1の基礎構造物8は、図22に示すように、前面側Aと背面側Bとの境界に設けられる鋼製部材2と、鋼製部材2の軸芯方向Yで所定の範囲に取り付けられる防護層3とを備え、鋼製部材2は、防護層3の端縁部を保護する端面保護部材4が固定され、軸芯方向Yの下部2aが地盤80に立設されるとともに、軸芯方向Yの上部2bが上部コンクリート82に埋設される。これにより、防護層3の端部のうち上部コンクリート82に埋め込まれる部分である上部端縁部34を保護する上部端面保護部材は、省略できる。
本発明を適用した防護層を有する鋼製部材1の基礎構造物8は、図21(a)に示すように、防護層3は、下辺となる下側端縁部33の位置が、干潮面(S1)下1m(L)以深である。これにより、地盤80に、本発明を適用した防護層を有する鋼製部材1の基礎構造物8を施工した場合に、干潮により海面が下がった場合でも、本発明を適用した防護層を有する鋼製部材1の鋼製部材2を波、紫外線、漂流物の衝突や摺動による影響から確実に防護することができる。
本発明を適用した防護層を有する鋼製部材1の基礎構造物8は、図21(b)に示すように、防護層3は、下辺となる下側端縁部33の位置が、平均干潮面(S2)以深である。これにより、地盤80に、本発明を適用した防護層を有する鋼製部材1の基礎構造物8を施工した場合に、干潮により海面が下がった場合でも、本発明を適用した防護層を有する鋼製部材1の鋼製部材2を波、紫外線、漂流物の衝突や摺動による影響から確実に防護することができる。
本発明を適用した防護層を有する鋼製部材1の製造方法は、図15に示すように、鋼製部材2に防護層3の端縁部を保護する端面保護部材4を固定する固定工程と、鋼製部材2、及び、端面保護部材4の少なくとも一方の全部又は一部に粗化面、及び、凹凸面の少なくとも一方を形成する素地調整工程と、粗化面、及び、凹凸面の少なくとも一方を含む領域にプライマ層35を形成するプライマ塗装工程と、プライマ層35の上に防護層3となる有機系材料36を塗布する塗布工程とを備える。これにより、防護層3を有する鋼製部材1は、防護層3の端縁部を保護する端面保護部材4を現場で固定する溶接加工等を必要とせず、工場で製作できるため、容易かつ低コストに防護層1を有する鋼製部材1を用いた基礎構造物8を施工することができる。また、防護層を有する鋼製部材1の運搬時や立設時等のハンドリングにおいて、防護層3の端縁部が衝突や摺動により剥がれることを防止できる。
また、塗布工程において有機系材料36を厚塗りする場合、端面保護部材4が防護層3の端部養生壁を兼ねるので、鋼製部材2に別途の端部養生壁を設置及び除去する必要がなく、工程を省略することができる。さらに、防護層3は、図9、10に示すように、端縁部である端面保護部材4に向かって滑らかに厚みが増すように塗布することにより、防護層3の端縁部の付着面積及び浸透長が増加するため防護層3の端縁部のまくれや剥がれをより効果的に防止することができる。
本発明を適用した防護層を有する鋼製部材1を用いた基礎構造物の施工方法は、前面側Aと背面側Bとの境界に設けられる鋼製部材2と、鋼製部材2の軸芯方向Yで所定の範囲に設けられる防護層3とを有し、防護層3の端縁部を保護する端面保護部材4が固定された鋼製部材2を、防護層3の下側端縁部33の位置が、干潮面下1m以深、又は、平均干潮面以深となるように地盤80に立設する工程を備える。
これにより、防護層を有する鋼製部材1の立設時等のハンドリングにおいて、防護層3の端縁部が衝突や摺動により剥がれることを防止できる。また、干潮により海面が下がった場合でも、本発明を適用した防護層を有する鋼製部材1の鋼製部材2を波、紫外線、漂流物の衝突や摺動による影響から確実に防護することができる。また、本発明を適用した基礎構造物8は、電気防食を併用しても良く、防護層3の下辺である下側端縁部33が電気防食される場合には、防護層3の下側端縁部33は、電気防食により保護されるので、端面保護部材4を防護層3の下側端縁部33に沿って溶接により固定する必要がなく、端面保護部材4の溶接量が少なくて済み、加工コストを低減することができる。
以上、本発明の実施形態の例について詳細に説明したが、上述した実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならない。
1 :防護層を有する鋼製部材
10 :取付面
11 :溶接部
11a :粗化面
11b :凹凸面
2 :鋼製部材
2a :下部
2b :上部
3 :防護層
31 :左側端縁部
32 :右側端縁部
33 :下側端縁部
34 :上側端縁部
35 :プライマ層
36 :樹脂層
4 :端面保護部材
41 :左側端面保護部材
42 :右側端面保護部材
43 :下側端面保護部材
44 :上側端面保護部材
45 :楔状空間
46 :傾斜面
47 :粗化面
48 :凹凸面
5 :鋼管杭(鋼製部材)
6 :ハット形鋼矢板(鋼製部材)
61 :フランジ部
62 :ウェブ部
63 :アーム部
64 :継手部
65 :粗化面
66 :凹凸面
7 :U形鋼矢板(鋼製部材)
71 :フランジ部
72 :ウェブ部
74 :継手部
8 :基礎構造物
80 :地盤
81 :海水面
82 :上部コンクリート
83 :控え工
84 :タイロッド
9 :鋼管矢板(鋼製部材)
94 :継手部
A :前面側
B :背面側
S1 :干潮面
S2 :平均干潮面
X :延長(法線)方向(壁幅方向)
Y :鉛直方向(軸芯方向)
Z :延長直角(法線直角)方向(奥行方向)


Claims (20)

  1. 防護層を有する鋼製部材であって、
    前面側と背面側との境界に設けられる鋼製部材と、前記鋼製部材の軸芯方向で所定の範囲に設けられる防護層とを備え、
    前記鋼製部材は、前記防護層の端縁部を保護する端面保護部材が固定されること
    を特徴とする防護層を有する鋼製部材。
  2. 前記端面保護部材は、前記軸芯方向に略平行な前記防護層の両側端縁部に沿って配置されること
    を特徴とする請求項1に記載の防護層を有する鋼製部材。
  3. 前記端面保護部材は、前記防護層の下辺である下側端縁部に沿って配置されること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の防護層を有する鋼製部材。
  4. 前記端面保護部材は、前記防護層の上辺である上側端縁部に沿って配置されること
    を特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の防護層を有する鋼製部材。
  5. 前記端面保護部材は、溶接により前記鋼製部材に固定されること
    を特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の防護層を有する鋼製部材。
  6. 前記端面保護部材は、前記鋼製部材の表面との隙間が楔状空間となるように固定され、
    前記防護層は、端縁部が前記楔状空間の内に充填されるように設けられること
    を特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の防護層を有する鋼製部材。
  7. 前記鋼製部材、及び、前記端面保護部材の少なくとも一方は、前記防護層が接触する領域の全部又は一部に粗化面、及び、凹凸面の少なくとも一方を有すること
    を特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の防護層を有する鋼製部材。
  8. 前記端面保護部材を前記鋼製部材に固定する溶接部は、前記防護層が接触する領域の全部又は一部に粗化面、及び、凹凸面の少なくとも一方を有すること
    を特徴とする請求項5に記載の防護層を有する鋼製部材。
  9. 前記防護層は、端縁部の厚みの大きさが、前記鋼製部材の表面からの前記端面保護部材の高さと略同一の大きさ以下であること
    を特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の防護層を有する鋼製部材。
  10. 前記端面保護部材は、断面略円形状の丸鋼、断面略矩形状の角鋼、断面略三角形状の三角鋼、及び、断面略台形状の台形鋼の何れか又は何れか2つ以上の組み合わせで構成されること
    を特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載の防護層を有する鋼製部材。
  11. 前記端面保護部材は、前記防護層が設けられる側に傾斜面を有して固定され、前記鋼製部材と前記傾斜面との間に前記防護層の端縁部が充填されること
    を特徴とする請求項1〜10の何れか1項に記載の防護層を有する鋼製部材。
  12. 前記端面保護部材は、前記防護層が設けられる側に傾斜面を有するように、前記防護層が設けられる側と反対側が溶接により前記鋼製部材に固定されること
    を特徴とする請求項11に記載の防護層を有する鋼製部材。
  13. 前記端面保護部材は、前記鋼製部材の表面に対して離間して配置されること
    を特徴とする請求項1〜12の何れか1項に記載の防護層を有する鋼製部材。
  14. 前記鋼製部材は、鋼矢板、鋼管杭、及び、鋼管矢板の何れかで構成されること
    を特徴とする請求項1〜13の何れか1項に記載の防護層を有する鋼製部材。
  15. 前記防護層は、有機系材料を主成分とすること
    を特徴とする請求項1〜14の何れか1項に記載の防護層を有する鋼製部材。
  16. 防護層を有する鋼製部材を用いた基礎構造物であって、
    前面側と背面側との境界に設けられる鋼製部材と、前記鋼製部材の軸芯方向で所定の範囲に取り付けられる防護層とを備え、
    前記鋼製部材は、前記防護層の端縁部を保護する端面保護部材が固定され、軸芯方向の下部が地盤に立設されるとともに、軸芯方向の上部が上部コンクリートに埋設されること
    を特徴とする基礎構造物。
  17. 前記防護層は、下辺となる下側端縁部の位置が、干潮面下1m以深であること
    を特徴とする請求項16に記載の基礎構造物。
  18. 前記防護層は、下辺となる下側端縁部の位置が、平均干潮面以深であること
    を特徴とする請求項16に記載の基礎構造物。
  19. 防護層を有する鋼製部材の製造方法であって、
    前記鋼製部材に前記防護層の端縁部を保護する端面保護部材を固定する固定工程と、
    前記鋼製部材、及び、前記端面保護部材の少なくとも一方の全部又は一部に粗化面、及び、凹凸面の少なくとも一方を形成する素地調整工程と、
    前記粗化面、及び、凹凸面の少なくとも一方を含む領域にプライマ層を形成するプライマ塗装工程と、
    前記プライマ層の上に前記防護層となる有機系材料を塗布する塗布工程とを備えること
    を特徴とする防護層を有する鋼製部材の製造方法。
  20. 防護層を有する鋼製部材を用いた基礎構造物の施工方法であって、
    前面側と背面側との境界に設けられる鋼製部材と、前記鋼製部材の軸芯方向で所定の範囲に設けられる防護層とを有し、前記鋼製部材に前記防護層の端縁部を保護する端面保護部材が固定された鋼製部材を、前記防護層の下側端縁部の位置が、干潮面下1m以深、又は、平均干潮面以深となるように地盤に立設する工程を備えること
    を特徴とする基礎構造物の施工方法。
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