JP2018080291A - 水系塗料組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】組成物としての保存安定に優れ、作成塗膜に艶等を付与する水系塗料組成物の提供。【解決手段】式(1)で表されるアルコキシシランと、前記アルコキシシランの加水分解物であるオルガノポリシロキサンと、非イオン性界面活性剤と、水と、を含有するシリコーン乳化物(A)、及び式(2)で表されるアミノ基含有アルコキシシラン(B)並びに水を含有する水系塗料組成物。更に炭化水素系、芳香族系、エステル系、アルコール系又はケトン系から選ばれる少なくとも一つの有機溶剤を配合していない、水系塗料組成物。Xn−Si−(OY)4−n・・・・(1)、Z−Si(−R)m−(OY)3−m・・・・(2)(XはC1〜18のアルキル基;YはC1〜4のアルキル基;Zは1〜3級の選ばれたアミンを有するアルキルアミン鎖;RはC1〜4のアルキル基;mは0〜2の整数;nは1〜3の整数)【選択図】なし

Description

本発明は、車両のガラスや車体本体などの所望の物品の表面に塗布することにより、被塗布物の表面の艶を出し、溶剤として水を含有する水系塗料組成物に関するものである。
従来、自動車などの車両用の艶出し剤として、カルナバロウや石油ワックスを主体としたワックス類や、ジメチルシリコーンやアミノシリコーンなどの変性シリコーン、またはシリコーンレジンなどのシリコーン類を主成分としているが、ワックス類は効果の持続性が乏しく、シリコーン類は汚染されやすかったり反応性硬化物の製剤化が困難であったりした。
近年では、シラザン類やアルコキシシランなどを有機溶媒中に分散・溶解させたものを、スプレーや手塗り等で被塗布物に処理し、乾燥過程でガラス状の効果被膜を形成させ、撥水性、艶及び耐久性にすぐれた塗料が知られている。
例えば、特許文献1において、メチルトリメトキシシランなどのアルコキシシランを塩酸などの酸により加水分解して縮合したシリコーン樹脂、α―メチル−D−グルコシド、界面活性剤、水などを混合して乳化剤とした艶出し剤が開示されている。
特開2000−63755号公報
しかしながら、引用文献1の組成物では、塗膜作成後に塗膜の艶や撥水性等の耐久性に関して必ずしも良好とはいえず課題があった。
また、引用文献1の組成物では、有機溶媒を含有している例もあり、塗工作業を行う現場の環境改善がより求められるようになってきており、有機溶剤を含有しない塗料組成物が求められている課題もあった。
そこで、本発明において、組成物としての保存安定に優れ、作成される塗膜に艶、撥水性、防汚性を付与し、耐久性に優れる水系塗料組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、コーティング組成物について鋭意研究を重ね、シリカ粒子の比表面積及び表面処理剤の種類を特定し、アルコキシシランのうちアミノ基を有する化合物を処方することにより、組成物として保存安定性に優れ、艶、撥水性及び防汚性を付与し、耐空性にも優れる塗膜を作成することができることを見出し、これらの知見に基づいて本発明に至った。
〔1〕すなわち、本発明は、
(a−1)下記一般式(1)で表されるアルコキシシランと、
Xn−Si−(OY)4-n・・・・・・・(1)
(式中Xは炭素数1〜18のアルキル基、Yは炭素数1〜4のアルキル基、nは1〜3の整数である)
(a−2)前記アルコキシシランの加水分解縮合物であるオルガノポリシロキサンと、
(a−3)非イオン性界面活性剤と、
(a−4)水を含有する
(A)シリコーン乳化物と、
(B)下記一般式(2)で表されるアミノ基含有アルコキシシランと、
Z−Si(−X)m−(OY)3-m・・・・・・・(2)
(式中Zは1級から3級から選ばれる少なくとも1つのアミンを有するアルキルアミン鎖、Xは炭素数1〜4のアルキル基、Yは炭素数1〜4のアルキル基、mは0〜2の整数である)
(C)水
を含有することを特徴とする水系塗料組成物である。
〔2〕そして、前記アミノ基含有アルコキシシランが、3−アミノプロピルメトキシシラン、3−アミノプロピルエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする前記〔1〕に記載の撥水性コーティング組成物である。
〔3〕そして、炭化水素系、芳香族系、エステル系、アルコール系、ケトン系から選ばれる少なくとも一つの有機溶剤を配合していないことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の撥水性コーティング組成物である。
本発明によれば、組成物として保存安定性に優れ、艶、撥水性及び防汚性を付与し、耐空性にも優れる塗膜を作成することができる。
以下、本発明の水系塗料組成物に関する実施形態について詳しく説明する。なお、説明中における範囲を示す表記は、上限と下限を含有するものである。
本発明の塗膜組成物は、(A)シリコーン乳化物と、(B)特定のアミノ基含有アルコキシシランと、(C)水を含有している。少なくともこれら成分を配合した組成物により、後述するように、組成物としての保存安定性に優れ、塗膜作製後に処理表面の艶、撥水性や防汚性に優れた性能を示す塗膜を作成できる。
(A)シリコーン乳化物は、(a−1)特定のアルコキシシランと、(a−2)前記アルコキシシランの加水分解縮合物であるオルガノポリシロキサンと、(a−3)非イオン性界面活性剤と、(a−4)水を含有してなるエマルジョンである。(A)シリコーン乳化物に関して、後述する条件に合致するように、各成分を自ら調整するなどして処方することもできるし、市販品を購入することもできる。
本発明に含有される(a−1)アルコキシシランは、下記の一般式(1)で表される化合物である。
Xn−Si−(OY)4-n・・・・・・・(1)
(式中Xは炭素数1〜18のアルキル基、Yは炭素数1〜4のアルキル基、nは1〜3の整数である)
当該アルコキシシランによれば、塗布する基材と結合し、塗膜に艶、親水性、防汚性を付与することができる。なお、一般式(1)におけるX,Yは、一般式(2)におけるX,Yは独立している。
当該アルコシシランとしては、例えば、1官能のトリメチルメトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリエチルエトキシシランなどや、2官能のジメチルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、ジイソブチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジエトキシシランなどや、3官能のメチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、n−デシルトリメトキシシラン、n−ドデシルトリメトキシシラン、n−テトラデシルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、n−デシルトリエトキシシラン、n−ドデシルトリエトキシシラン、n−テトラデシルトリエトキシシラン、n−ヘキサデシルトリエトキシシラン、n−オクタデシルトリエトキシシランなどが好ましく、3官能の上記アルコシシランがさらに好ましい。このうちの1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、(A)シリコーン乳化物における(a−1)一般式(1)で表されるアルコキシシランの含有割合は、1〜30重量%であることが好ましく、2〜25重量%であることが好ましい。(a−1)一般式(1)で表されるアルコキシシランの含有割合がこの範囲であると、塗布する基材の表面に艶、撥水性、防汚性を付与し、さらに、加水分解による凝集も生じにくくなり保存安定性を向上させることができる。
本発明に含有される(a−2)前記アルコキシシランの加水分解縮合物であるオルガノポリシロキサンは、(a−1)一般式(1)で表されるアルコキシシランの加水分解物を脱水縮合により形成された重合物である。
当該オルガノポリシロキサンは、重合平均分子量として、200〜10000が好ましく、300〜6000が好ましい。当該オルガノポリシロキサンの重合平均分子量がこの範囲にあると、塗布する基材の表面に艶、撥水性、防汚性を付与し、さらに、加水分解による凝集も生じにくくなり保存安定性を向上させることができる。なお、当該オルガノポリシロキサンの重合平均分子量を測定する方法として、GPC法(ゲル浸透クロマトグラフィー)にて、展開溶媒としてトルエンなどを用いて、標準ポリスチレン換算として算出されることが好ましい。
また、(A)シリコーン乳化物における(a−2)前記アルコキシシランの加水分解縮合物であるオルガノポリシロキサンの含有割合は、1〜30重量%であることが好ましく、1〜20重量%であることが好ましい。当該オルガノポリシロキサンの含有割合がこの範囲であると、塗布する基材の表面に艶、撥水性、防汚性を付与し、さらに、加水分解による凝集も生じにくくなり保存安定性を向上させることができる。
本発明に含有される(a−3)非イオン性界面活性剤は、直鎖状又は分岐鎖を有するアルキル鎖の炭素数が12〜20と、−CH2CH2O−で表されるオキシエチレンユニットまたは−CH2CH(CH3)O−で表されるオキシプロピレンユニットの少なくとも一方から構成されてなるポリオキシエチレン(POE)アルキルエーテル、ポリオキシプロピレン(POP)アルキルエーテル、ポリオキシエチレン(POE)ポリオキシプロピレン(POP)アルキルエーテルなどの界面活性剤である。オキシエチレンユニット及びオキシプロピレンユニットとしては、1〜100、好ましくは1〜50、さらに好ましくは1〜20含むことが好ましい。非イオン性界面活性剤中に、オキシエチレンユニット及びオキシプロピレンユニットがともに存在する場合、オキシエチレンユニット及びオキシプロピレンユニットはそれぞれランダム又はブロックで結合することができる。
(a−3)非イオン性界面活性剤の具体例としては、POE(7)ラウリルエーテル、POE(9)ラウリルエーテル、POE(11)ラウリルエーテル、POE(10)セチルエーテル、POE(15)セチルエーテル、POE(20)セチルエーテル、POE(5)オレイルエーテル、POE(10)オレイルエーテル、POE(20)オレイルエーテル、POP(5)ラウリルエーテル、POP(7)セチルエーテル、POP(10)オレイルエーテル、POE(3)POP(5)ラウリルエーテルなどが挙げられる。なお、POE、POPのカッコ内の数値は、オキシエチレンユニット、オキシプロピレンユニットのユニット数を示している。
また、(A)シリコーン乳化物における(a−3)非イオン性界面活性剤の含有割合は、1〜10重量%であることが好ましく、2〜8重量%であることが好ましい。(a−3)非イオン性界面活性剤の含有割合がこの範囲であると、(A)シリコーン乳化物の乳化安定性を維持することができる。
本発明に含有される(a−4)水は、(A)シリコーン乳化物をエマルジョンとするためのものである。(a−4)水としては、精製水、イオン交換水、工業用水など任意の水を使用することができる。また、水に含有される微量成分も(A)シリコーン乳化物のエマルジョン形成や塗膜作製時の硬化性に影響を及ぼさない範囲で含有されていてもよい。
また、(A)シリコーン乳化物における(a−4)水の含有割合は、30〜70重量%であることが好ましく、40〜60重量%であることが好ましい。(a−4)水の含有割合がこの範囲であると、(A)シリコーン乳化物の乳化安定性を維持することができる。
そして、本発明の水系塗料組成物における(A)シリコーン乳化物の含有割合は、0.05〜10重量%であることが好ましく、1〜5重量%であることが好ましい。(A)シリコーン乳化物の含有割合がこの範囲であると、被塗布物の艶、撥水性、防汚性を継続的に維持することができる。
本発明に含有される(B)アミノ基含有アルコキシシランは、下記の一般式(2)で表される化合物である。
Z−Si(−X)m−(OY)3-m・・・・・・・(2)
(式中Zは1級から3級から選ばれる少なくとも1つのアミンを有するアルキルアミン鎖、Xは炭素数1〜4のアルキル基、Yは炭素数1〜4のアルキル基、mは0〜2の整数である)
当該アミノ基含有アルコキシシランによれば、本発明の水系塗料組成物を塗布することにより(A)シリコーン乳化物のエマルジョンが破壊されたときに、(a−1)一般式(1)で表されるアルコキシシラン及び(a−2)前記アルコキシシランの加水分解縮合物であるオルガノポリシロキサンにおけるアルコキシル基の加水分解をアミノ基により促進することができ、強固な塗膜を形成することができる一方で、塗膜組成物においては(A)シリコーン乳化物との反応が極めて生じにくいために保存安定性に優れるという効果を奏する。そして、(B)一般式(2)で表されるアミノ基含有アルコキシシランにより塗膜作成中に加水分解縮合反応が進行するので、(A)シリコーン乳化物における(a−2)オルガノポリシロキサンの縮合度がそれほど高くないものでも使用することができるので粘度が低く取り扱い易く、(A)シリコーン乳化物の作製、本発明の水系塗料組成物を作製するときにも混合しやすく、塗膜作成時にも均一な塗膜を作製することができるという効果も奏する。なお、一般式(2)におけるX,Yは、一般式(1)におけるX,Yは独立している。
当該アミノ基含有アルコシシランとしては、例えば、3−アミノプロピルメトキシシラン、3−アミノプロピルエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランが好ましい。このうちの1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、本発明の水系塗料組成物における(B)当該アミノ基含有アルコキシシランの含有割合は、0.05〜0.1重量%であることが好ましい。当該アルコキシシランの含有割合がこの範囲であると、被塗布物の艶、撥水性、防汚性を継続的に維持することができる。
(A)シリコーン乳化物と(B)一般式(2)で表されるアミノ基含有アルコキシシランとの配合比は、(B)一般式(2)で表されるアミノ基含有アルコキシシランが、(A)シリコーン乳化物に対して、0.5〜20重量%で配合されることが好ましく、さらに1〜10重量%で配合されることが好ましい。(A)シリコーン乳化物と(B)一般式(2)で表されるアミノ基含有アルコキシシランとの配合割合がこの範囲であると、加水分解による凝集も生じにくくなり保存安定性を向上させることができるとともに、被塗布物の艶、撥水性、防汚性を継続的に維持することができる。
本発明に含有される(C)水は、(a−4)水とは別途配合されるものであり、(A)シリコーン乳化物、(B)一般式(2)で表されるアミノ基含有アルコキシシランを均一分散させるための溶剤である。(C)水としては、(a−4)水と同様に、精製水、イオン交換水、工業用水など任意の水を使用することができる。また、水に含有される微量成分も塗膜作製時の硬化性に影響を及ぼさない範囲で含有されていてもよい。
また、本発明の水系塗料組成物における(C)水の含有割合は、89.9〜99.45重量%であることが好ましく、94.9〜98.95重量%であることが好ましい。当該水の含有割合がこの範囲であると、加水分解による凝集も生じにくくなり保存安定性を向上させることができるとともに、後述する有機溶剤を含有しないので塗工作業を行う作業者が有機溶剤による急性又は慢性の中毒に侵されることを防ぐことができる。
本発明における水系塗料組成物は、n−ヘキサン、シクロヘキサン、シクロヘキセンなどの炭化水素系溶剤、トルエン、ベンゼン、キシレンなどの芳香族系溶剤、酢酸エチルなどのエステル系溶剤、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤などの有機溶剤を配合していない。これらの有機溶剤を配合していないことにより、ディーラーなどの施工工場において、塗工作業を行う作業者が有機溶剤による急性又は慢性の中毒に侵されることを防ぐことができる。なお、アルコキシシラン等のアルコキシル基の加水分解により生じるメタノールやエタノールなどのアルコール系溶剤は反応により生じたものであるので、配合したものではない。
本発明の水系塗料組成物は、各成分を配合後、室温で撹拌して調製される。アルコキシシラン、アミノ基含有アルコキシシラン、シリカ粒子と、アルコールの配合に際し、任意の順番で配合することもできるし、同時に配合することもできる。
そして、本発明の水系塗料組成物は、必要に応じて、紫外線吸収剤、粘度調整剤、着色剤、防腐剤、pH調整剤などを添加することができる。
本発明の水系塗料組成物は、ガラスや樹脂、金属やセラミックスなどを対象基材にすることが好ましい。
本発明の水系塗料組成物を各基材に処理する方法は、特に限定されず、スピンコート、ディップコート、ロールコート、フローコート、スプレーコートなどで処理してもよいし、スポンジや布などの治具を用いた手塗などで処理してもよい。その後、溶剤として使用される当該アルコールを自然乾燥させることで塗膜を作成することができ、加熱乾燥による後処理は必要でない。
以下、本発明の実施例について具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(調整例1)
攪拌気、加熱装置、還流冷却装置及び滴下漏斗を備えたフラスコにメチルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、商品名:KBM13)136g、メタノール20gおよびメチルトリクロロシランを塩酸濃度が20ppmとなるように仕込み、攪拌しながら水10gを滴下漏斗により徐々に滴下した。そして、約70度の還流温度で2時間反応を継続して加水分解縮合反応を行った。反応後、未反応の水分等を分液して減圧下でメタノール等の揮発溶剤を留去して、未反応のトリメトキシシランも含有するオルガノポリシロキサン94gを得た。得られたオルガノポリシロキサンの重合平均分子量3000であった。そして、この未反応のトリメトキシシランも含有するオルガノポリシロキサン90gに、非イオン系界面活性剤であるPOE(15)セチルエーテル3gを加えて40℃程度に加温し、その後、ホモミキサーを用いて5000rpmにて攪拌を行い、そこへ加温した水93gを徐々に添加し、40〜45℃で30分攪拌を行い、50%水溶液のシリコーン乳化物(A−1)を得た。
(実施例1)
シリコーン乳化物(A−1)0.5重量%、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、商品名:KBM603)0.1重量%、水99.4重量%からなる水系塗料組成物を得た。
(実施例2)
シリコーン乳化物(A−1)1重量%、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、商品名:KBM603)0.1重量%、水98.9重量%からなる水系塗料組成物を得た。
(実施例3)
シリコーン乳化物(A−1)5重量%、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、商品名:KBM903)0.05重量%、水94.95重量%からなる水系塗料組成物を得た。
(実施例4)
シリコーン乳化物(A−1)10重量%、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、商品名:KBM903)0.05重量%、水89.95重量%からなる水系塗料組成物を得た。
(比較例1)
シリコーン乳化物(A−1)2重量%、水98重量%からなる水系塗料組成物を得た。
(比較例2)
ジメチルシリコーン(東レダウコーニング社製、商品名:SM7036EX)4重量%、水96重量%からなる水系塗料組成物を得た。
(比較例3)
アミノ変性シリコーン(旭化成ワッカー社製、商品名:NP2611)4重量%、水96重量%からなる水系塗料組成物を得た。
(比較例4)
シリコーンレジン(信越化学工業社製、商品名:X−52−8005)2重量%、水98重量%からなる水系塗料組成物を得た。
(比較例5)
シランオリゴマー(信越化学工業社製、商品名:KR500)1重量%、チタン系触媒(信越化学工業社製、商品名:D25)0.03重量%、イソパラフィン(エクソンモービル社製、商品名:アイソバーG)98.97重量%からなる塗料組成物を得た。
(組成物の保存安定性)
実施例1〜4に記載の水系塗料組成物及び比較例1〜5に記載の水系塗料組成物等を、50℃環境下で2週間静置した後の状態を目視にて確認した。析出物の発生、ゲル化が見られないものを○と評価し、析出物の発生、ゲル化が見られるものを×と評価し、○である組成物を良好と判断した。
(試験片の作成)
自動車の車体用めっき鋼板材片に、アクリル−メラミン系樹脂からなる自動車用塗料をベースコートとトップコートの積層形態で焼付けとそうして塗装板を作成した後、これをけいそう土で研磨し、水洗風乾して基材を作製した。実施例1〜4に記載の水系塗料組成物及び比較例1〜5に記載の水系塗料組成物等を、ネル布を用いて、基材に処理して、別の新しいクロスにてムラが残らないように拭き上げた。それを室温にて1日間室温にて自然乾燥及び養生して塗膜を付した試験片を作製した。
これらの塗膜を付した試験片を用いて、艶、撥水性及び防汚性の評価を行い、また、基材に塗料組成物を拭き上げたときの仕上げも目視にて評価を行った。拭き仕上げについて、基材に塗布後に目視にてムラが生じなかったものを○と評価し、目視にてムラが残るものを×と評価し、○である組成物を良好と判断した。
艶については、試験片の作製直後である初期時と屋外曝露にて3ヶ月経過した時に、日本電色社製のGLOSS METERを用いて60°光沢を測定して評価した。
具体的には、初期時において、試験片表面を60°での光沢を測定し、塗布する前の基材の光沢の値を用いて下記一般式(3)に基づき光沢の増加割合を算出した。
光沢増加率(%)=(処理後の光沢値−処理前の光沢値)/処理前の光沢値×100・・・・(3)
こうして得られた光沢増加率が、15%以上のものを○、10%以上15%未満のものを△、10%未満のものを×と評価し、○である塗膜を良好と判断した。
また、3ヶ月経過した時において、試験片表面を60°での光沢を測定し、初期時の光沢値を用いて下記一般式(4)に基づき光沢の維持割合を算出した。
光沢維持率(%)=(初期時の光沢値−3ヶ月経過時の光沢値)/初期時の光沢値×100・・・・(4)
こうして得られた光沢維持率が、95%以上100%以下のものを○、90%以上95%未満のものを△、90%未満のものを×と評価し、○である塗膜を良好と判断した。
撥水性については、試験片の作製直後である初期時と屋外曝露にて3ヶ月経過した時に、協和界面科学社製のDropMasterを用いて、当該塗膜表面における水に対する接触角をθ/2法により5点測定しその平均値を求めた。こうして得られた接触角が、105°以上のものを◎、100%以上105%未満のものを○、95%以上100%未満のものを△、95%未満のものを×と評価し、◎及び○である塗膜を良好と判断した。
防汚性については、試験片の作製直後である初期時と屋外曝露にて3ヶ月経過した時に、コニカミノルタ社製の色差計(CR−410)を用いて測定し、L,a,bより△E(色差)を算出し、初期時から3ヶ月経過時までの間にどの程度色味が変化したかと
いう色差をもって、3ヶ月間の汚れ具合として評価した。△E(色差)が3未満のものを
○、△E(色差)が3以上4未満のものを△、4以上のものを×と評価し、○である塗膜
を良好と判断した。
得られた水系塗料組成物及び塗料組成物、及びそれらの組成物により作成された塗膜の物性評価の結果を、一覧にして表1に示す。
表1に示すように、実施例1〜4の水系塗料組成物は、析出物の発生もゲル化も起こらず保存安定性に優れており、基材へ塗布したときの拭き仕上げもムラなく均一に塗布することできた。また、その組成物により作成された塗膜において、塗膜形成後には目視で明らかな艶を発現し、3ヶ月屋外にて曝露した後でもその光沢を維持することができた。そして、撥水性において、初期撥水性が105°を超える接触角となり撥水性を示し、3ヶ月屋外にて曝露した後でも撥水性に関してもほとんど劣化することなく105°を超える接触角となり撥水性を維持した。そして防汚性についても、3ヶ月屋外にて曝露した後の試験片は初期時の試験片から大きく色差が増加しておらず汚れにくいことが明らかとなった。一方、(A)シリコーン乳化物と、(B)一般式(2)で表されるアミノ基含有アルコキシシランを共に配合されていない比較例に関して、3ヶ月屋外にて曝露した後では艶、撥水性、防汚性の少なくとも一つの項目において、実施例に比べて劣る項目があり、総合的に市販可能な水準に届かず良好とは言なかった。
このように、(A)シリコーン乳化物と、(B)一般式(2)で表されるアミノ基含有アルコキシシランを共に配合された水系の処方において、(B)一般式(2)で表されるアミノ基含有アルコキシシランのアミノ基が、(A)シリコーン乳化物に含まれるアルコキシシリル基及び自身のアルコキシシリル基と加水分解を行い、また、塗膜中の組み込まれるために強固な塗膜を形成することができるために、艶、撥水性、防汚性に優れた塗膜を作製することができることが分かった。

Claims (3)

  1. (a−1)下記一般式(1)で表されるアルコキシシランと、
    Xn−Si−(OY)4-n・・・・・・・(1)
    (式中Xは炭素数1〜18のアルキル基、Yは炭素数1〜4のアルキル基、nは1〜3の整数である)
    (a−2)前記アルコキシシランの加水分解縮合物であるオルガノポリシロキサンと、
    (a−3)非イオン性界面活性剤と、
    (a−4)水を含有する
    (A)シリコーン乳化物と、
    (B)下記一般式(2)で表されるアミノ基含有アルコキシシランと、
    Z−Si(−X)m−(OY)3-m・・・・・・・(2)
    (式中Zは1級から3級から選ばれる少なくとも1つのアミンを有するアルキルアミン鎖、Xは炭素数1〜4のアルキル基、Yは炭素数1〜4のアルキル基、mは0〜2の整数である)
    (C)水
    を含有することを特徴とする水系塗料組成物。
  2. 前記アミノ基含有アルコキシシランが、3−アミノプロピルメトキシシラン、3−アミノプロピルエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の水系塗料組成物。
  3. 炭化水素系、芳香族系、エステル系、アルコール系、ケトン系から選ばれる少なくとも一つの有機溶剤を配合していないことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の水系塗料組成物。
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