[実施形態の概要]
実施形態に係るユーザ端末は、直接的な端末間通信であるD2D通信をサポートする移動通信システムにおけるユーザ端末である。当該ユーザ端末は、前記D2D通信によって送信されるD2Dデータの属性を特徴付けるパラメータに応じて、前記ユーザ端末と前記D2D通信の相手端末である他のユーザ端末との間の直接的な前記D2D通信に用いられるD2D通信ベアラを設定する制御部と、前記パラメータに応じて割り当てられた無線リソースを用いて、前記パラメータに対応する前記D2Dデータを、前記パラメータに応じた前記D2D通信ベアラを介して送信する送信部を備える。
なお、上記「D2D通信ベアラ」は、実施形態に記載の「D2Dデータ用ベアラ」に相当する。
実施形態において、前記制御部は、前記D2D通信によって送信される複数のD2Dデータのそれぞれの前記パラメータが互いに異なる場合、前記複数のD2Dデータのそれぞれに対応するパラメータに応じて、前記D2D通信ベアラを複数設定する。
実施形態において、前記制御部は、前記D2D通信を制御するために用いられるD2D制御ベアラをさらに設定し、前記制御部は、前記D2D制御ベアラを介して、前記ユーザ端末と前記他のユーザ端末との間の接続が有効であることを確認するためのキープアライブ情報の送信及び/又は受信を行う制御を行う。
実施形態において、前記制御部は、前記キープアライブ情報を所定期間受信しない場合、前記ユーザ端末のユーザインターフェイスの表示を変更する。
実施形態において、前記パラメータは、QoSクラスの識別子、優先度、遅延許容時間、許容パケットロス率の少なくとも1つである。
実施形態において、前記制御部は、前記ユーザ端末が接続可能な基地局と前記ユーザ端末との間に、前記基地局を介した通信であるセルラ通信に用いられる無線ベアラを前記D2D通信ベアラと並存して設定し、前記基地局が前記パラメータに応じて割り当てた前記無線リソースを示す情報を、前記無線ベアラを介して受信する受信部をさらに備える。
その他実施形態において、前記制御部は、前記ユーザ端末が基地局と接続していない場合に、前記D2Dデータに関連する過去の情報及び前記D2D通信に使用されるアプリケーションの少なくとも一方に基づいて、前記パラメータを決定する。
実施形態に係るプロセッサは、直接的な端末間通信であるD2D通信をサポートする移動通信システムにおけるユーザ端末に備えられるプロセッサである。当該プロセッサは、前記D2D通信によって送信されるD2Dデータの属性を特徴付けるパラメータに応じて、前記ユーザ端末と前記D2D通信の相手端末である他のユーザ端末との間の直接的な前記D2D通信に用いられるD2D通信ベアラを設定する処理を実行し、前記パラメータに応じて割り当てられた無線リソースを用いて、前記パラメータに対応する前記D2Dデータを、前記パラメータに応じた前記D2D通信ベアラを介して送信する処理を実行する。
実施形態に係る基地局は、直接的な端末間通信であるD2D通信をサポートする移動通信システムにおける基地局である。当該基地局は、前記基地局と前記D2D通信を行うユーザ端末との間に前記基地局を介した通信であるセルラ通信に用いられる無線ベアラを設定する制御部と、前記D2D通信に用いられる無線リソースを、前記無線ベアラを介して前記ユーザ端末に送信する送信部と、を備える。前記制御部は、前記D2D通信によって送信されるD2Dデータの属性を特徴付けるパラメータに応じて前記ユーザ端末に前記無線リソースを割り当てる。
以下、図面を参照して、3GPP規格に準拠して構成されるセルラ移動通信システム(以下、「LTEシステム」)にD2D通信を導入する場合の各実施形態を説明する。
(LTEシステム)
図1は、本実施形態に係るLTEシステムの構成図である。
図1に示すように、LTEシステムは、複数のUE(User Equipment)100と、E−UTRAN(Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network)10と、EPC(Evolved Packet Core)20と、を含む。E−UTRAN10及びEPC20は、ネットワークを構成する。
UE100は、移動型の無線通信装置であり、接続を確立したセル(サービングセル)との無線通信を行う。UE100はユーザ端末に相当する。
E−UTRAN10は、複数のeNB200(evolved Node−B)を含む。eNB200は基地局に相当する。eNB200は、セルを管理しており、セルとの接続を確立したUE100との無線通信を行う。
なお、「セル」は、無線通信エリアの最小単位を示す用語として使用される他に、UE100との無線通信を行う機能を示す用語としても使用される。
eNB200は、例えば、無線リソース管理(RRM)機能と、ユーザデータのルーティング機能と、モビリティ制御及びスケジューリングのための測定制御機能と、を有する。
EPC20は、MME(Mobility Management Entity)/S−GW(Serving−Gateway)300と、OAM400(Operation and Maintenance)と)を含む。また、EPC20は、コアネットワークに相当する。
MMEは、UE100に対する各種モビリティ制御等を行うネットワークノードであり、制御局に相当する。S−GWは、ユーザデータの転送制御を行うネットワークノードであり、交換局に相当する。
eNB200は、X2インターフェイスを介して相互に接続される。また、eNB200は、S1インターフェイスを介してMME/S−GW300と接続される。
OAM400は、オペレータによって管理されるサーバ装置であり、E−UTRAN10の保守及び監視を行う。
次に、UE100及びeNB200の構成を説明する。
図2は、UE100のブロック図である。図2に示すように、UE100は、アンテナ101と、無線送受信機110と、ユーザインターフェイス120と、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機130と、バッテリ140と、メモリ150と、プロセッサ160と、を有する。メモリ150及びプロセッサ160は、制御部を構成する。
UE100は、GNSS受信機130を有していなくてもよい。また、メモリ150をプロセッサ160と一体化し、このセット(すなわち、チップセット)をプロセッサ160’としてもよい。
アンテナ101及び無線送受信機110は、無線信号の送受信に用いられる。アンテナ101は、複数のアンテナ素子を含む。無線送受信機110は、プロセッサ160が出力するベースバンド信号を無線信号に変換してアンテナ101から送信する。また、無線送受信機110は、アンテナ101が受信する無線信号をベースバンド信号に変換してプロセッサ160に出力する。
ユーザインターフェイス120は、UE100を所持するユーザとのインターフェイスであり、例えば、ディスプレイ、マイク、スピーカ、及び各種ボタンなどを含む。ユーザインターフェイス120は、ユーザからの操作を受け付けて、該操作の内容を示す信号をプロセッサ160に出力する。
GNSS受信機130は、UE100の地理的な位置を示す位置情報を得るために、GNSS信号を受信して、受信した信号をプロセッサ160に出力する。
バッテリ140は、UE100の各ブロックに供給すべき電力を蓄える。
メモリ150は、プロセッサ160によって実行されるプログラムと、プロセッサ160による処理に使用される情報と、を記憶する。
プロセッサ160は、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号などを行うベースバンドプロセッサと、メモリ150に記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行うCPU(Central Processing Unit)と、を含む。プロセッサ160は、さらに、音声・映像信号の符号化・復号を行うコーデックを含んでもよい。プロセッサ160は、後述する各種の処理及び各種の通信プロトコルを実行する。
本実施形態において、UE100の制御部は、無線送受信機110を制御する無線制御部と、ユーザインターフェイス120を制御するユーザインターフェイス制御部とを含む。無線制御部及びユーザインターフェイス制御部の詳細は、後述する。
図3は、eNB200のブロック図である。図3に示すように、eNB200は、アンテナ201と、無線送受信機210と、ネットワークインターフェイス220と、メモリ230と、プロセッサ240と、を有する。メモリ230及びプロセッサ240は、制御部を構成する。なお、メモリ230をプロセッサ240と一体化し、このセット(すなわち、チップセット)をプロセッサ240’としてもよい。
アンテナ201及び無線送受信機210は、無線信号の送受信に用いられる。アンテナ201は、複数のアンテナ素子を含む。無線送受信機210は、プロセッサ240が出力するベースバンド信号を無線信号に変換してアンテナ201から送信する。また、無線送受信機210は、アンテナ201が受信する無線信号をベースバンド信号に変換してプロセッサ240に出力する。
ネットワークインターフェイス220は、X2インターフェイスを介して隣接eNB200と接続され、S1インターフェイスを介してMME/S−GW300と接続される。ネットワークインターフェイス220は、X2インターフェイス上で行う通信及びS1インターフェイス上で行う通信に用いられる。
メモリ230は、プロセッサ240によって実行されるプログラムと、プロセッサ240による処理に使用される情報と、を記憶する。
プロセッサ240は、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号などを行うベースバンドプロセッサと、メモリ230に記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行うCPUと、を含む。プロセッサ240は、後述する各種の処理及び各種の通信プロトコルを実行する。
図4は、LTEシステムにおける無線インターフェイスのプロトコルスタック図である。
図4に示すように、無線インターフェイスプロトコルは、OSI参照モデルのレイヤ1乃至レイヤ3に区分されており、レイヤ1は物理(PHY)レイヤである。レイヤ2は、MAC(Media Access Control)レイヤと、RLC(Radio Link Control)レイヤと、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)レイヤと、を含む。レイヤ3は、RRC(Radio Resource Control)レイヤを含む。
物理レイヤは、符号化・復号、変調・復調、アンテナマッピング・デマッピング、及びリソースマッピング・デマッピングを行う。物理レイヤは、物理チャネルを用いて上位レイヤに伝送サービスを提供する。UE100の物理レイヤとeNB200の物理レイヤとの間では、物理チャネルを介してデータが伝送される。
MACレイヤは、データの優先制御、及びハイブリッドARQ(HARQ)による再送処理などを行う。UE100のMACレイヤとeNB200のMACレイヤとの間では、トランスポートチャネルを介してデータが伝送される。eNB200のMACレイヤは、上下リンクのトランスポートフォーマット(トランスポートブロックサイズ、変調・符号化方式など)、及び割り当てリソースブロックを決定するMACスケジューラを含む。
RLCレイヤは、MACレイヤ及び物理レイヤの機能を利用してデータを受信側のRLCレイヤに伝送する。UE100のRLCレイヤとeNB200のRLCレイヤとの間では、論理チャネルを介してデータが伝送される。
PDCPレイヤは、ヘッダ圧縮・伸張、及び暗号化・復号化を行う。
RRCレイヤは、制御プレーンでのみ定義される。UE100のRRCレイヤとeNB200のRRCレイヤとの間では、各種設定のための制御信号(RRCメッセージ)が伝送される。RRCレイヤは、無線ベアラの確立、再確立及び解放に応じて、論理チャネル、トランスポートチャネル、及び物理チャネルを制御する。UE100のRRCとeNB200のRRCとの間にRRC接続がある場合、UE100は接続状態であり、そうでない場合、UE100はアイドル状態である。
RRCレイヤの上位に位置するNAS(Non−Access Stratum)レイヤは、セッション管理及びモビリティ管理などを行う。
図5は、LTEシステムで使用される無線フレームの構成図である。LTEシステムは、下りリンクにはOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiplexing Access)、上りリンクにはSC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)がそれぞれ使用される。
図5に示すように、無線フレームは、時間方向に並ぶ10個のサブフレームで構成され、各サブフレームは、時間方向に並ぶ2個のスロットで構成される。各サブフレームの長さは1msであり、各スロットの長さは0.5msである。各サブフレームは、周波数方向に複数個のリソースブロック(RB)を含み、時間方向に複数個のシンボルを含む。各シンボルの先頭には、サイクリックプレフィックス(CP)と呼ばれるガード区間が設けられる。リソースブロックは、周波数方向に複数個のサブキャリアを含む。1つのサブキャリア及び1つのシンボルにより構成される無線リソース単位はリソースエレメント(RE)と称される。
UE100に割り当てられる無線リソースのうち、周波数リソースはリソースブロックにより特定でき、時間リソースはサブフレーム(又はスロット)により特定できる。
下りリンクにおいて、各サブフレームの先頭数シンボルの区間は、主に物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)として使用される制御領域である。また、各サブフレームの残りの区間は、主に物理下りリンク共有チャネル(PDSCH)として使用できる領域である。さらに、各サブフレームには、セル固有参照信号(CRS)が分散して配置される。
上りリンクにおいて、各サブフレームにおける周波数方向の両端部は、主に物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)として使用される制御領域である。また、各サブフレームにおける周波数方向の中央部は、主に物理上りリンク共有チャネル(PUSCH)として使用できる領域である。さらに、各サブフレームには、復調参照信号(DMRS)及びサウンディング参照信号(SRS)が配置される。
(D2D通信)
次に、LTEシステムの通常の通信(セルラ通信)とD2D通信とを比較して説明する。
図6は、セルラ通信におけるデータパスを示す図である。ここでは、eNB200−1との接続を確立したUE100−1と、eNB200−2との接続を確立したUE100−2と、の間でセルラ通信を行う場合を例示している。なお、データパスとは、ユーザデータ(ユーザプレーン)の転送経路を意味する。
図6に示すように、セルラ通信のデータパスはコアネットワークを経由する。詳細には、eNB200−1、S−GW300、及びeNB200−2を経由するデータパスが設定される。
図7は、D2D通信におけるデータパスを示す図である。ここでは、eNB200−1との接続を確立したUE100−1と、eNB200−2との接続を確立したUE100−2と、の間でD2D通信を行う場合を例示している。
例えば、UE100−1及びUE100−2のうち一方のUE100が、近傍に存在する他方のUE100を発見することで、D2D通信が開始される。なお、D2D通信を開始するために、UE100は、自身の近傍に存在する他のUE100を発見する(Discover)機能を有する。また、UE100は、他のUE100から発見される(Discoverable)機能を有する。
図7に示すように、D2D通信のデータパスはコアネットワークを経由しない。すなわち、UE間で直接的な無線通信を行う。このように、UE100−1の近傍にUE100−2が存在するのであれば、UE100−1とUE100−2との間でD2D通信を行うことによって、コアネットワークのトラフィック負荷及びUE100のバッテリ消費量を削減するなどの効果が得られる。
(D2Dデータの属性を特徴付けるパラメータ)
次に、D2D通信において送信されるデータであるD2Dデータの属性を特徴付けるパラメータについて、図8を用いて説明する。図8は、D2Dデータの属性を特徴付けるパラメータの一例を説明するための図である。
本実施形態において、D2Dデータは、D2Dデータの属性を特徴付けるパラメータに応じて分類される。
例えば、図8に示すように、セルラ通信で規定されているQCI(QoS Class Identifier)を用いて、D2Dデータが分類されてもよい。
具体的には、D2Dデータの属性を特徴付けるパラメータとして、QoSクラスの識別子(QCI:QoS Class Identifier)、リソースタイプ(Resource Type)、優先度(Priority)、遅延許容時間(Packet Delay Budget)、許容パケットロス率(Packet Error Loss Rate)がある。
また、QCIのパラメータは、D2D通信に使用されるアプリケーション(サービス内容)に関連付けられてもよい。例えば、会話型音声(Conversational Voice)におけるD2Dデータを送信するために使用されるアプリケーションは、QCIのパラメータが「1」と関連付けられてもよい。
また、セルラ通信で規定されている一部のQCIを用いて、D2Dデータが分類されてもよいし、D2Dデータを分類するために新たにD2D通信専用のQCIが規定されてもよい。
(D2D用ベアラ)
次に、図9を用いて、D2D通信に用いられる無線ベアラを説明する。図9は、D2D通信に用いられる無線ベアラを説明するための説明図である。
図9に示すように、UE100−1は、D2D通信の相手端末であるUE100−2との間に、D2D通信に用いられる無線ベアラ(以下、D2D用ベアラ)が設定される。ここで、D2D用ベアラは、UE100−1とUE100−2との間に直接的に設定されるものであり、例えば、eNB200を介してUE100−1とUE100−2との間に間接的に設定された無線ベアラではない。すなわち、D2D用ベアラは、eNB200を介した無線ベアラではない。
D2D用ベアラは、D2D通信におけるデータであるD2Dデータの送信に用いられるD2Dデータ用ベアラと、D2D通信を制御するために用いられるD2D制御用ベアラとを含む。
D2D用ベアラは、eNB200を介した通信であるセルラ通信に用いられる無線ベアラと並存して設定することができる。従って、UE100は、D2Dデータの属性を特徴付けるパラメータに応じてUE100に割り当てられた無線リソースを示す情報を、無線ベアラを介して受信することができる。
D2Dデータ用ベアラは、D2Dデータの属性を特徴付けるパラメータに応じて、設定される。
複数のD2DデータのそれぞれのD2Dベアラの属性を特徴付けるパラメータが互いに異なる場合、複数のD2Dデータのそれぞれに対応するパラメータに応じて、D2Dデータ用ベアラが複数設定されてもよい。例えば、QCIのパラメータが「1」である第1のD2Dデータと、QCIのパラメータが「3」である第2のD2Dデータと、を送信するために、第1のD2Dデータを送信するための第1のD2Dデータ用ベアラと、第2のD2Dデータを送信するための第2のD2Dデータ用ベアラとが設定されてもよい。
D2D制御用ベアラは、D2D通信を開始する際に設定される。本実施形態において、D2D制御用ベアラは、UE100−1とUE100−2との間のD2D通信の接続が有効であることを確認するためのキープアライブ情報の送信及び/受信のために用いられる。例えば、UE100は、D2Dデータ用ベアラを介して、D2Dデータを送信した場合、D2D制御用ベアラを介して、キープアライブ情報も送信する。
(UE100の制御部の概略動作)
次に、実施形態に係るUE100の制御部の概略動作について、図10を用いて説明する。図10は、実施形態に係るUE100の制御部の動作例を示すシーケンス図である。
UE100の制御部は、無線送受信機110を制御する無線制御部と、ユーザインターフェイス120を制御するユーザインターフェイス制御部とを含む。
図10に示すように、ステップ101において、無線制御部は、ユーザインターフェイス制御部に、D2D通信の接続が有効である場合に表示する画面を表示するように指示する。例えば、文字の大きさ及び/又は濃さに制約が追加されている場合には、無線制御部は、デフォルトへ戻すように指示する。数値Cが大きくなるにつれ、文字の大きさが及び/又は濃さが変化するような制約が課されていた場合には、無線制御部は、C=0とするように指示する。
無線制御部は、上記指示の代わりに、ユーザインターフェイス制御部に、キープアライブ情報を受信した旨を通知してもよい。
ユーザインターフェイス制御部は、上記指示又は通知に基づいて、D2D通信の接続が有効である場合に表示する画面を表示する制御を行う。
ステップ102において、ステップ101から所定時間経過した後、無線制御部は、D2D通信の接続が有効であることを確認するための情報であるキープアライブ情報を受信したか否かを判定する。無線制御部は、キープアライブ情報を受信していた場合、ステップ101の処理を実行する。一方、無線制御部は、キープアライブ情報を受信していない場合、ステップ103の処理を実行する。
ステップ103において、無線制御部は、D2D通信の接続が有効でない場合に表示する画面を表示するように指示する。例えば、無線制御部は、文字の大きさ及び/又は濃さに制約を追加するように指示する。数値Cが大きくなるにつれ、文字の大きさが及び/又は濃さが変化するような制約が課されていた場合には、無線制御部は、Cに所定値を追加するように指示する。例えば、数値Cの大きさに応じて文字が小さくなるような制約が課されていてもよい。
無線制御部は、ステップ103の指示の代わりに、ユーザインターフェイス制御部に、キープアライブ情報を受信していない旨を通知してもよい。
無線制御部は、ステップ103の指示又は通知に基づいて、D2D通信の接続が有効でない場合に表示する画面を表示する制御を行う。従って、制御部(無線制御部及びユーザインターフェイス制御部)は、キープアライブ情報を所定期間受信しない場合、UE100のユーザインターフェイスの表示を変更する。
ステップ104において、無線制御部は、数値Cが所定値よりも小さい場合は、所定期間が経過した後、再びステップ102の処理を実行する。一方、無線制御部は、数値Cが所定値よりも大きい場合、D2D通信を終了する制御を実行する。
数値Cの大きさの代わりに、キープアライブ情報を受信しなくなってから経過した時間が所定値を超えた場合に、無線制御部は、同様の制御を実行してもよい。
無線制御部は、ユーザインターフェイス制御部に、D2D通信の終了を示す表示をするように指示する。ユーザインターフェイス制御部は、D2D通信の終了を示す画面を表示する制御を行う。
(実施形態に係る移動通信システムの概略動作)
次に、実施形態に係る移動通信システムの概略動作について、図11を用いて説明する。図11は、実施形態に係る移動通信システムの動作例を示すシーケンス図である。
図11に示すように、ステップ201において、eNB200は、報知情報を報知する。UE100−1及びUE100−2のそれぞれは、eNB200から報知情報を受信する。
報知情報は、D2Dデータの属性を特徴付けるパラメータに関する情報である。UE100−1及びUE100−2のそれぞれは、D2Dデータの属性を特徴付けるパラメータに関する情報に基づいて、UE100−1及びUE100−2のそれぞれが送信するD2Dデータの属性を特徴付けるパラメータを決定する。
ステップ202において、UE100−1及びUE100−2のそれぞれは、D2D通信を要求するための指示(Indication)をeNB200に送信する。eNB200は、UE100−1及びUE100−2のそれぞれからD2D通信を要求するための指示を受信する。
UE100−1及びUE100−2のそれぞれは、当該要求と共に、決定したパラメータを示す情報を送信する。複数のD2Dデータがある場合は、それぞれのD2Dデータの属性を特徴付けるそれぞれのパラメータを示す情報を送信する。
さらに、UE100−1及びUE100−2のそれぞれは、当該要求と共に、D2Dデータのデータ量を示す情報(データ量通知)を送信してもよい。
eNB200は、当該要求と共に送信された情報を記憶する。なお、当該要求には、当該要求を送信したUE100の識別子も一緒に記憶する。当該要求を送信したUE100のD2D通信の相手端末も送信されていた場合には、相手端末の識別子も記憶する。
ステップ203において、UE100−1及びUE100−2のそれぞれは、メジャメントレポート(Measurement report)をeNB200に送信する。eNB200は、UE100−1及びUE100−2のそれぞれからメジャメントレポートを受信する。
ステップ204において、eNB200は、UE100−1及びUE100−2のそれぞれにD2D通信を行わせるか否かを判断する。
具体的には、eNB200は、メジャメントレポートに含まれるeNB200からの受信信号の強度、D2Dデータの属性を特徴付けるパラメータ及びD2Dデータのデータ量の少なくともいずれかに基づいて、D2D通信を行わせるか否かを判断する。eNB200は、UE100−1及びUE100−2にD2D通信を行わせると判断した場合、ステップ205の処理を実行する。一方、eNB200は、UE100−1及びUE100−2にD2D通信を行わせないと判断した場合には、D2D通信を許可しない旨を示す情報をUE100−1及びUE100−2のそれぞれに送信する。
ステップ205において、eNB200は、D2D通信を許可する旨を示す情報をUE100−1及びUE100−2のそれぞれに送信する。D2D通信を許可する旨を示す情報には、UE100−1とUE100−2との間でD2D通信用ベアラを設定するために必要な無線リソースを示す情報が含まれている。
また、eNB200は、D2D通信を許可する旨を示す情報と共に、D2D通信用の無線リソースの割り当てを示す情報(帯域割当)を送信する。
eNB200は、ステップ202において受信したD2Dデータの属性を特徴付けるそれぞれのパラメータに基づいて、UE100−1及びUE100−2のそれぞれに無線リソースを割り当てている。具体的には、パラメータが、優先度が高いD2Dデータを示す場合には、eNB200は、当該パラメータのD2Dデータを有するUE100に無線リソースを多く割り当てる。一方、パラメータが、優先度が低いD2Dデータを示す場合には、eNB200は、当該パラメータのD2Dデータを有するUE100に無線リソースを少なく割り当てる。
なお、eNB200は、パラメータだけでなく、ステップ202において受信したデータ量通知に基づいて、UE100−1及びUE100−2のそれぞれに無線リソースを割り当ててもよい。
ステップ206において、UE100−1及びUE100−2は、UE100−1とUE100−2との間でD2D用ベアラを設定する。具体的には、UE100−1及びUE100−2のそれぞれは、送信されるD2Dデータの属性を特徴付けるパラメータに応じて、D2Dデータ用ベアラを設定する。UE100−1及びUE100−2のそれぞれは、D2D制御用ベアラを設定してもよい。
UE100−1及びUE100−2のそれぞれは、D2Dデータ用ベアラに応じて割り当てられた無線リソースを用いて、D2Dデータ用ベアラを介してD2Dデータを送信する。
なお、eNB200がD2D通信を制御する場合には、eNB200とUE100−1の間及びeNB200とUE100−2の間に無線ベアラが設定され、eNB200は、UE100−1及びUE100−2のそれぞれから送信されたパラメータに応じて、UE100−1及びUE100−2のそれぞれに無線リソースを割り当て、割り当てた無線リソースを示す情報を、無線ベアラを介して、UE100−1及びUE100−2のそれぞれに送信する。UE100−1及びUE100−2のそれぞれは、eNB200から受信した無線リソースを用いて、D2D通信を行う。
(実施形態の変形例1に係る移動通信システムの概略動作)
次に、実施形態の変形例1に係る移動通信システムの概略動作について、図12を用いて説明する。図12は、実施形態の変形例1に係る移動通信システムの動作例を示すシーケンス図である。なお、上述した実施形態と異なる部分を中心に説明し、同様の部分は、説明を適宜省略する。
上述した実施形態では、UE100は、D2D通信を要求するための指示(Indication)と共に、D2Dデータのデータ量を示す情報も送信していたが、本変形例において、D2Dデータ量を示す情報は、D2D通信が許可された後に送信する。
図12におけるステップ301は、第1実施形態のステップ201に対応する。
ステップ302において、UE100−1及びUE100−2のそれぞれは、D2D通信を要求するための指示(Indication)をeNB200に送信する。eNB200は、UE100−1及びUE100−2のそれぞれからD2D通信を要求するための指示を受信する。ここで、UE100−1及びUE100−2のそれぞれは、D2Dデータ量を示す情報を送信しない。
ステップ303及び304は、第1実施形態のステップ203及び204に対応する。
ステップ305において、eNB200は、D2D通信を許可する旨を示す情報をUE100−1及びUE100−2のそれぞれに送信する。D2D通信を許可する旨を示す情報には、UE100−1とUE100−2との間でD2D通信用ベアラを設定するために必要な無線リソースを示す情報が含まれている。ここで、eNB200は、D2D通信用の無線リソースの割り当て(帯域割当)を示す情報を送信しない。
ステップ306において、UE100−1及びUE100−2のそれぞれは、D2Dデータのデータ量を示す情報(データ量通知)をeNB200に送信する。eNB200は、データ量通知を受信する。
ステップ307において、eNB200は、D2D通信用の無線リソースの割り当てを示す情報(帯域割当)をUE100−1及びUE100−2のそれぞれに送信する。UE100−1及びUE100−2のそれぞれは、帯域割当を受信する。
なお、eNB200は、第1実施形態と同様に、D2Dデータの属性を特徴付けるそれぞれのパラメータ及びデータ量通知に基づいて、UE100−1及びUE100−2のそれぞれに無線リソースを割り当てる。
ステップ308は、第1実施形態のステップ206に対応する。
(実施形態の変形例2に係る移動通信システムの概略動作)
次に、実施形態の変形例2に係る移動通信システムの概略動作について、図13を用いて説明する。図13は、実施形態の変形例2に係る移動通信システムの動作例を示すシーケンス図である。なお、上述した実施形態と異なる部分を中心に説明し、同様の部分は、説明を適宜省略する。
本変形例では、D2D通信を行うUE100によって構成されるD2Dグループを代表するアンカーUE100−1が存在する。アンカーUE100−1は、D2Dグループを代表して、eNB200と通信を行うUEである。
ステップ401は、第1実施形態のステップ201に対応する。
ステップ402は、第1実施形態のステップ202に対応する。ただし、アンカーUE100−1のみが、eNB200にD2D通信を要求するための指示を送信する。
UE100−2は、UE100−2が送信するD2Dデータの属性を特徴付けるパラメータを示す情報及びD2Dデータのデータ量を示す情報をアンカーUE100−1に予め送信している。
アンカーUE100−1は、D2D通信を要求するための指示と共に、アンカーUE100−1及びUE100−2のそれぞれが送信するD2Dデータの属性を特徴付けるパラメータを示す情報及びアンカーUE100−1及びUE100−2のD2Dデータのデータ量を示す情報をeNB200に送信する。
ステップ403及び404は、第1実施形態のステップ203及び204に対応する。
ステップ405は、第1実施形態のステップ205に対応する。ただし、アンカーUE100−1のみが、eNB200から、D2D通信を許可する旨を示す情報を受信する。
ステップ406は、第1実施形態のステップ206に対応する。
(実施形態の変形例3に係る移動通信システムの概略動作)
次に、実施形態の変形例3に係る移動通信システムの概略動作について、図14を用いて説明する。図14は、実施形態の変形例3に係る移動通信システムの動作例を示すシーケンス図である。なお、上述した実施形態及び各変形例と異なる部分を中心に説明し、同様の部分は、説明を適宜省略する。
本変形例は、アンカーUE100が存在する点で上述した変形例1と異なる。
ステップ501は、変形例1のステップ301に対応する。
ステップ502は、変形例1のステップ302に対応する。ただし、アンカーUE100−1のみが、eNB200にD2D通信を要求するための指示を送信する。
UE100−2は、UE100−2が送信するD2Dデータの属性を特徴付けるパラメータを示す情報をアンカーUE100−1に予め送信している。
アンカーUE100−1は、D2D通信を要求するための指示と共に、アンカーUE100−1及びUE100−2のそれぞれが送信するD2Dデータの属性を特徴付けるパラメータを示す情報をeNB200に送信する。
ステップ503及び504は、変形例1のステップ303及び304に対応する。
ステップ505は、変形例1のステップ305に対応する。ただし、アンカーUE100−1のみが、eNB200から、D2D通信を許可する旨を示す情報を受信する。
ステップ506は、変形例1のステップ306に対応する。ただし、アンカーUE100−1のみがアンカーUE100−1及びUE100−2のD2Dデータのデータ量を示す情報をeNB200に送信する。
なお、UE100−2は、D2Dデータのデータ量を示す情報をアンカーUE100−1に予め送信している。
ステップ507は、変形例1のステップ307に対応する。ただし、アンカーUE100−1のみが、eNB200から、D2D通信用の無線リソースの割り当てを示す情報(帯域割当)を受信する。
ステップ508は、第1実施形態のステップ308に対応する。
(実施形態のまとめ)
本実施形態において、UE100(制御部)は、D2Dデータの属性を特徴付けるパラメータに応じて、D2Dデータ用ベアラを設定する。パラメータに応じて割り当てられた無線リソースを用いて、パラメータに対応するD2Dデータを、パラメータに応じたD2Dデータ用ベアラを介して送信する。これにより、D2D通信用の無線リソースは、パラメータに応じて割り当てられるため、優先度の高いパラメータのD2Dデータを有するUE100に無線リソースを多く割り当てることによって、優先的に送信すべきD2Dデータを有するUE100は、優先的に送信すべきD2Dデータを優先的に送信することができる。
また、本実施形態において、UE100は、D2D通信によって送信される複数のD2Dデータのそれぞれのパラメータが互いに異なる場合、UE100は、複数のD2Dデータのパラメータに応じてD2Dデータ用ベアラを複数設定される。これにより、UE100は、D2D通信において送信すべきD2Dデータを複数有する場合であっても、それぞれのパラメータに応じたD2D送信用ベアラが設定されるため、それぞれのパラメータに応じて割り当てられた無線リソースを用いることにより、優先的に送信すべきD2Dデータを優先的に送信することができる。
また、本実施形態において、UE100(制御部)は、D2D通信を制御するために用いられるD2D制御ベアラをさらに設定する。UE100は、D2D制御ベアラを介してUE100間のD2D通信の接続が有効であることを確認するためのキープアライブ情報の送信及び/又は受信を行う制御を行う。これにより、UE100は、D2D通信の接続が有効であるかを判断することができる。
また、本実施形態において、UE100(制御部)は、キープアライブ情報を所定期間受信しない場合、UE100のユーザインターフェイス120の表示を変更する。これにより、UE100のユーザは、ユーザインターフェイス120の表示を視認することによって、D2D通信の接続が有効であることを確認するためのキープアライブ情報を受信していないことを容易に認識することができる。
また、本実施形態において、パラメータは、QoSクラスの識別子、優先度、遅延許容時間、許容パケットロス率の少なくとも1つである。これにより、優先的に送信すべき高いD2Dデータを決定することができる。
また、本実施形態において、UE100(制御部)は、無線ベアラをD2D送信用ベアラと並存して設定する。UE100(無線送受信機110)は、eNB200がパラメータに応じて割り当てた無線リソースを示す情報を、無線ベアラを介して受信する。
[その他実施形態]
上記のように、本発明は実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。
例えば、上述した実施形態では、eNB200がD2D通信を制御していたが、eNB200がD2D通信を制御しなくてもよい。この場合、UE100−1及びUE100−2がeNB200に接続されてない場合には、UE100−1及びUE100−2のいずれか一方が、D2D通信のための無線リソースを割り当てるスケジューリングを行う。ここでは、UE100−1が、スケジューリングを行うと仮定して説明する。
UE100−1は、UE100−2が送信するD2Dデータの属性を特徴付けるパラメータをUE100−2から受信する。UE100−1は、UE100−1及びUE100−2のそれぞれが送信するD2Dデータの属性を特徴付けるパラメータに応じて、UE100−1及びUE100−2が、D2Dデータを送信するための無線リソースを割り当てる。
なお、UE100−1及びUE100−2は、D2Dデータの属性を特徴付けるパラメータが分からない場合は、ネットワークに問い合わせてもよい。UE100−1及びUE100−2のそれぞれが、eNB200と接続していない場合(すなわち、アイドル状態である場合)、D2Dデータに関連する過去の情報及びD2D通信に使用されるアプリケーションの少なくとも一方に基づいてパラメータを決定してもよい。具体的には、新たにD2D通信を用いて送信されるD2Dデータが、過去に送信したD2Dデータと同じ又は同類である場合には、UE100は、過去に送信したD2Dデータの属性を特徴付けるパラメータを、新たにD2D通信を用いて送信されるD2Dデータの属性を特徴付けるパラメータに決定する。
また、例えば、D2D通信に使用されるアプリケーションが、リアルタイム性を求めるものである場合には、UE100は、当該アプリケーションによって送信されるD2Dデータの属性を特徴付けるパラメータを優先度が高いパラメータに決定し、D2D通信に使用されるアプリケーションが、通常のデータ転送である場合には、UE100は、当該アプリケーションによって送信されるD2Dデータの属性を特徴付けるパラメータを優先度が低いパラメータに決定する。このように、UE100は、D2D通信に使用されるアプリケーションの種類に応じて、D2D通信を用いて送信されるD2Dデータの属性を特徴付けるパラメータを決定してもよい。これにより、UE100が、eNB200に接続していない場合であっても、D2Dデータの属性を特徴付けるパラメータを決定でき、UE100が、パラメータに応じて、無線リソースの割り当てを行うことができる。
また、上述した実施形態において、報知情報は、AS(Access Stratum)メッセージによって、UE100に通知されてもよいし、NASメッセージ(Non−Access Stratum)によって、UE100に通知されてもよい。
また、上述した実施形態では、UE100は、UE100間のD2D通信の接続の有効性について確認するために、D2D制御ベアラを介してキープアライブ情報の送信及び/又は受信を行ったが、これに限られない。例えば、UE100は、D2D制御用ベアラを設定せずに、D2D通信用の参照信号を送信及び/又は受信を行ってもよい。UE100は、D2D通信の相手端末から参照信号を受信することにより、D2D通信の接続が有効であると判断する。なお、UE100は、D2D制御用ベアラを設定した上で、D2D通信用の参照信号の送受信により、D2D通信の接続が有効か否かを判断し、D2D通信に関するその他の制御をD2D制御用ベアラを介して行ってもよい。
また、上述した実施形態において、UE100−eNB200間に設定される無線ベアラと、UE100間に設定されるD2D用ベアラとは、同じ物理チャネルにマッピングされてもよいし、異なる物理チャネルにマッピングされてもよい。
なお、日本国特許出願第2013−135607(2013年6月27日出願)の全内容が、参照により、本願明細書に組み込まれている。