JP2018072759A - 中空構造体形成材用の感光性樹脂組成物およびこれを含むフィルム、ならびに中空構造体の製造方法 - Google Patents

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Akihiko Otoguro
昭彦 乙黒
桂山 悟
Satoru Katsurayama
悟 桂山
賢 溝畑
Ken Mizohata
賢 溝畑
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Abstract

【課題】角部を有さないラウンド形状の犠牲層を形成でき、当該犠牲層の上に成膜されるキャップ層のクラックの発生を防止できる、中空構造体形成材用の感光性樹脂組成物を提供すること。【解決手段】中空構造体形成材用の感光性樹脂組成物であって、以下の工程1〜3で硬化膜を作製したとき、当該硬化膜が、角部を有さないラウンド形状であり、前記基板に接した場所の幅が19μm以上25μm以下であり、前記硬化膜の高さが10μm以上13μm以下である、感光性樹脂組成物:工程1:シリコン基板上に、当該感光性樹脂組成物を、厚さ16.5μmで塗布した後、乾燥させる;工程2:前記乾燥後の感光性樹脂組成物を、露光および現像し、前記基板に対して垂直な面の断面形状が四角形であり、前記基板に接した場所の幅が20μmであり、高さが14μmである、塗布膜を得る;工程3:前記工程2で得られた塗布膜を、280℃で2時間熱処理することにより、硬化膜を得る。【選択図】図1

Description

本発明は、中空構造体形成材用の感光性樹脂組成物および中空構造体の製造方法に関する。
近年、多くの分野において種々のマイクロマシンが用いられている。これに伴って、いわゆるMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術と言われる微細加工技術が進展している。MEMSの特徴は、通常の半導体デバイスと異なり機械的可動部分を有するデバイスであるという点である。つまり、MEMSデバイスを実装する際には、MEMS可動部分を保護し、活かすための中空構造体を作製する実装技術・パッケージが必要不可欠である。
加えて、微細化およびコスト削減のため、個別実装ではなく、ウェハ状態で中空構造体を形成できる実装技術が必要である。このような中空構造体は、ウェハレベルパッケージ(Wafer Level Package(WLP))、あるいは薄膜キャップ構造と呼ばれている。
中空構造体は、可動部分を覆う犠牲層と呼ばれるポリマー層を、二酸化ケイ素膜で覆った後、膜上に複数の開口部を設け、この開口部から犠牲層をエッチングして除去し、さらに化学的気相成長(CVD)法などによりこの開口部を封止してキャップ膜を得ることにより作製される。そのため、キャップ膜により規定される中空構造体の形状は、犠牲層の形状が転写されたものとなる。
特許文献1では、ウェハレベルパッケージ技術を用いてMEMS素子を作製する技術を開示している。特許文献1では、基板上に犠牲層となる塗布膜を形成した後、露光および現像により上記塗布膜をパターニングして、所望の形状を有する犠牲層を形成し、上記犠牲層上にキャップ膜を成膜している。同文献では、キャップ膜と基板との格子定数および熱膨張係数の差により生じる応力と、それによる基板の反りを制御するために、キャップ膜である無機物薄膜の組成、強度または厚さを調節している。同文献には、犠牲層の角部を丸く変形させてもよいことが記載されているが、その犠牲層の寸法および形状の双方を制御することについては記載されていない。
特許第5944489号
従来の感光性樹脂組成物から形成される犠牲層は、その表面に、角部(突出部、凸部)を有しているものが殆どである。これは、感光性樹脂組成物を基材に塗布し、パターニングした後硬化して犠牲層を得るプロセスにおいて、パターニングされた塗布膜が有する角部が、硬化後においても残留することに起因する。発明者らは、中空構造体が角部を有する場合、角部に応力が集中することにより、クラックが生じる場合があることを見出した。本発明者らがさらに検討したところ、犠牲層の形状を角部がないラウンド形状とすることにより、この上に形成されるキャップ層により規定される中空構造体を角部のない形状とすることができ、これにより中空構造体のクラックの発生を防止できることを見出した。
本発明は、角部を有さないラウンド形状の犠牲層を形成するための中空構造体形成材用の感光性樹脂組成物、およびこれを用いる中空構造体の製造方法を提供する。
本発明によれば、中空構造体形成材用の感光性樹脂組成物であって、以下の工程1〜3で硬化膜を作製したとき、当該硬化膜が、角部を有さないラウンド形状であり、前記基板に接した場所の幅が19μm以上25μm以下であり、前記硬化膜の高さが10μm以上13μm以下である、感光性樹脂組成物が提供される。
工程1:シリコン基板上に、当該感光性樹脂組成物を、厚さ16.5μmで塗布した後、乾燥する;
工程2:前記乾燥後の感光性樹脂組成物を、露光および現像し、前記基板に対して垂直な面の断面形状が四角形であり、前記基板に接した場所の幅が20μmであり、高さが14μmである、塗布膜を得る;
工程3:前記工程2で得られた塗布膜を、280℃で2時間熱処理することにより、硬化膜を得る。
また、本発明によれば、上記感光性樹脂組成物を含むフィルムが提供される。
さらに、本発明によれば、
基板上に、請求項1記載の感光性樹脂組成物からなる層を成膜する工程と、
前記層に放射線を照射して、露光し、現像することにより、前記基板に対して垂直な面の断面形状が四角形の層を得る工程と、
前記層を硬化して、前記基板対して垂直な面の断面形状が角部を有さないラウンド形状の硬化膜を得る工程と、
前記硬化膜を覆うように第1キャップ層を形成する工程と、
前記第1キャップ層に少なくとも1つの貫通孔を形成する工程と、
前記貫通孔を介して前記硬化膜をエッチングすることにより、前記硬化膜を除去して、前記基板と前記第1キャップ層とにより規定される中空構造体を形成する工程と、を含む中空構造体の製造方法が提供される。
本発明によれば、角部を有さないラウンド形状の犠牲層を形成でき、当該犠牲層の上に成膜されるキャップ層のクラックの発生を防止できる、中空構造体形成材用の感光性樹脂組成物が提供される。
本実施形態に係る犠牲層の作製方法を示す断面模式図である。 本実施形態に係る塗布膜の断面形状を示す模式図である。 本実施形態に係る硬化膜の断面形状を示す模式図である。 実施例で作製した硬化膜の断面のSEM画像である。 実施例で作製した硬化膜の断面のSEM画像である。 実施例で作製した硬化膜の断面のSEM画像である。 実施例で作製した硬化膜の断面のSEM画像である。 実施例で作製した硬化膜の断面のSEM画像である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
(樹脂組成物)
本実施形態に係る中空構造体形成材用の感光性樹脂組成物について以下に説明する。
本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、以下の工程1〜3で硬化膜を作製したとき、当該硬化膜が、角部を有さないラウンド形状であり、前記基板に接した場所の幅が19μm以上25μm以下であり、前記硬化膜の高さが10μm以上13μm以下である。
工程1:シリコン基板上に、当該感光性樹脂組成物を、厚さ16.5μmで塗布した後、乾燥する;
工程2:前記乾燥後の感光性樹脂組成物を、露光および現像し、前記基板に対して垂直な面の断面形状が四角形であり、前記基板に接した場所の幅が20μmであり、高さが14μmである、塗布膜を得る;
工程3:前記工程2で得られた塗布膜を、280℃で2時間熱処理することにより、硬化膜を得る。
硬化膜を得る工程における成膜条件の例について、図1を参照して以下に説明する。本実施形態において、硬化膜は、以下の方法で形成される。まず、感光性樹脂組成物を、基材としてのシリコン基板1上に均一に塗布して、例えば、16.5μmの厚さで塗布して塗布膜2を得る(図1(a))。ここで、シリコン基板1は、例えば、8インチシリコンウエハであり得、当該シリコンウエハは、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)液により表面処理されていることが好ましい。この表面処理は、例えば、HMDS液をシリコンウエハ上に滴下し、90秒間静置した後、1500rpmで20秒間のスピンコート法を実施することにより行われる。このように処理したシリコンウエハに、感光性樹脂組成物をスピンコート法により塗布して、膜厚16.5μmの塗布膜2を得る。塗布膜2の厚みは、用いる感光性樹脂組成物の粘度、スピンコート法に用いる回転数を調整することにより所望の値に制御することができる。
次いで、得られた塗布膜2を、たとえば、115℃、大気雰囲気下、3分間の条件で乾燥させる。乾燥後の塗布膜2を、23℃まで冷却した後、所定の遮光パターン4を有するフォトマスク3を用いて塗布膜2を露光する(図1(b))。遮光パターン4以外の領域を透過した光により塗布膜2の一部が露光されて、この塗布膜2の露光部分を現像して除去することにより、パターニングされた塗布膜2が得られる(図1(c))。ここで露光工程は、用いる感光性樹脂組成物の組成や目的の膜厚に応じて任意の露光量で実施される。現像工程は、例えば、2.38%水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)現像液を、図1(b)の塗布膜2上に供給し、180秒間静置した後、純水でリンスし、シリコンウエハを回転させて、シリコンウエハ上の純水を乾燥させて除去することにより実施される。ここで、図1(c)に示すパターニングされた塗布膜2は、基板に対して垂直な面の断面形状が四角形であり、基板に接した場所の幅が20μmであり、高さが14μmである。当該四角形の断面形状は、好ましくは、それぞれ図3(a)〜(c)に示すように、正方形(a)、台形(b)または長方形(c)である。
次いで、このパターニングされた塗布膜を、10℃/分の昇温速度で加熱し、280℃で2時間熱処理して、硬化膜を得る(図1(d))。硬化工程は、280℃のオーブンを用い、窒素雰囲気下で2時間加熱し、次いで、室温まで冷却して完了する。硬化工程は、酸素濃度100ppm以下の窒素雰囲気下で行うことが好ましい。得られた硬化膜の形状は、角部を有さないランド形状を有する。言い換えると、凸部や凹部等を有さない滑らかな曲面を有する。
ここで、硬化膜の形状を図2に示す。硬化膜の形状は、くびれや広がり部があってもよいが、MEMS構造体のパッケージングに用いられる中空構造体を作製する際の犠牲層として使用される場合は、それぞれ図2(a)〜(c)で示されるような、半円形(a)、半楕円形(b)、または半長円形(c)の形状が好ましい。
上述のとおり、MEMS構造体のパッケージングには、中空構造体を有するキャップ層が設けられる。このキャップ膜は、犠牲層上に堆積させることにより成膜される。そのため、このキャップ膜の形状は犠牲層の形状に追従する。犠牲層として使用される感光性樹脂組成物の硬化物が角部を有さないラウンド形状であれば、この上に成膜されるキャップ層は角部を有さず、したがってキャップ層におけるクラックの発生が防止される。本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、硬化して得られる硬化膜の基板に対して垂直な面の断面形状が角部を有さないラウンド形状である。したがって、例えば、MEMS構造体のパッケージングに用いられる中空構造体を備えるキャップ層を作製する際の犠牲層として使用した場合、クラックの発生が防止されたキャップ層を得ることができる。
本実施形態において、上記条件で得られた硬化膜の寸法は、基板に接した場所の幅が19μm以上25μm以下であり、高さが10μm以上13μm以下である。好ましくは、基板に接した場所の幅は、20μm以上25μm以下であり、より好ましくは20μm以上24μm以下である。この硬化膜の高さは、好ましくは、11μm以上13μm以下であり、より好ましくは、12μm以上13μm以下である。
本実施形態における感光性樹脂硬化物から上記条件により硬化膜を得た場合、この硬化膜は、硬化前に比べ、基板に接した場所における幅の増加、およびその高さの変動がほとんどないかまたは小さい。より詳細には、硬化膜の基板に接した場所における幅の広がりが低減されているとともに、その高さの減少が低減されている。そのため、パターニングされた塗布膜と、これを硬化して得られる硬化膜との間の寸法変化が小さい。したがってこの硬化膜を犠牲層としてMEMS構造体を作製する場合、犠牲層として使用する硬化膜のパターン形状の制御性を向上でき、MEMS可動部を活かすのに十分な中空構造体を得ることができる。
上述した所望の形状の硬化膜は、本実施形態の感光性樹脂組成物を用いて、(1)当該組成物に用いる成分の種類、(2)当該成分の組成、(3)基板への塗布条件、(4)基板の種類およびその表面処理条件、(5)塗布膜のパターン形成条件、(6)塗布膜の硬化条件、等の種々の条件を適切に調整することにより作製することができる。
上記構成を有する感光性樹脂組成物は、MEMS構造作製のための犠牲材として通常用いられる寸法である、幅2μm〜3mm、高さ2μm〜100μmの範囲において、角部のないラウンド形状の硬化膜を形成し得る。
以下、本発明に係る感光性樹脂組成物の各成分について説明する。
本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、上記の条件で硬化させて得られる硬化膜が上述の形状を有するものであれば特に限定されない。以下に記載する成分は、このような感光性樹脂組成物に用いられる成分の一例である。
一実施形態において、感光性樹脂組成物は、アルカリ可溶性樹脂と、架橋剤と、感光材と、界面活性剤とを含む。
本実施形態の感光性樹脂組成物に用いられるアルカリ可溶性樹脂としては、例えば、クレゾール型、フェノール型、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、カテコール型、レゾルシノール型、ピロガロール型等のノボラック樹脂;フェノールアラルキル樹脂、ヒドロキシスチレン樹脂、メタクリル酸樹脂、メタクリル酸エステル樹脂等のアクリル樹脂;水酸基およびカルボキシル基等を含む環状オレフィン樹脂;ポリアミド樹脂(具体的には、ポリベンゾオキサゾール構造およびポリイミド構造の少なくとも一方を有し、かつ主鎖または側鎖に水酸基、カルボキシル基、エーテル基またはエステル基を有する樹脂、ポリベンゾオキサゾール前駆体構造を有する樹脂、ポリイミド前駆体構造を有する樹脂、ポリアミド酸エステル構造を有する樹脂等)等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、感光性樹脂組成物の現像性や硬化性、経時安定性、硬化膜の機械特性を向上させる観点からは、環状オレフィン樹脂を含むことがより好ましい。
環状オレフィン樹脂としては、例えば、下記式(Ia)で表される構造単位と式(Ib)で表されるで表される構造単位とを有する共重合体を用いることができる。アルカリ可溶性樹脂としてこのような共重合体を用いることにより、高いエッチングレートを有する塗布膜を得ることができる。
(式(Ia)中、nは、0、1または2であり、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して水素または炭素数1〜30の有機基であり、Aは、以下の式(II)、式(III)、式(IV)、式(V)、および式(VI)からなる群から選択される少なくとも1つの」構造単位である。式(Ia)により示される構造単位のモル比は、共重合体全体を100として10以上90以下である。式(Ib)により示される構造単位のモル比は、共重合体全体を100として10以上90以下である。)
(式(II)中、RおよびRは、それぞれ独立して水素、または炭素数1〜18の有機基である。)
(式(III)中、Rは、水素、炭素数1〜12のアルキル基、または炭素数3〜8のシクロアルキル基である。)
(式(IV)中、R、RおよびRは、それぞれ独立して水素、炭素数1〜12のアルキル基、または炭素数3〜8のシクロアルキル基である。)
(式(V)中、Rは炭素数1〜10の有機基である。)
上記共重合体は、上記式(Ib)により示される構造単位として、たとえば上記式(II)、式(III)、式(IV)、式(V)および式(VI)により示される各構造単位のうちの一種または二種以上を含むことができる。これにより、得られる感光性樹脂組成物のリソグラフィ性能、耐溶剤性、硬化性、および経時安定性、ならびに当該感光性樹脂組成物を用いて形成される硬化膜の機械特性および透過率等の種々の性能を調整することが容易となる。本実施形態においては、上記共重合体中に含まれる上記式(Ib)により示される構造単位を適切に選択することにより、これらの性能を調整することが可能である。
上記共重合体中に、上記式(II)により示される構造単位が複数存在する場合、上記式(II)により示される各構造単位の構造はそれぞれ独立して決定し得る。これは、上記式(Ia)により示される構造単位、上記式(III)により示される構造単位、式(IV)により示される構造単位、および式(V)により示される構造単位のそれぞれについて同様である。
、R、RおよびRを構成する炭素数1〜30の有機基は、その構造中にO,N,S,P,Siのいずれか1以上を含んでいてもよい。本実施形態において、R、R、RおよびRを構成する炭素数1〜30の有機基としては、たとえばアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキリデン基、アリール基、アラルキル基、アルカリル基、およびシクロアルキル基が挙げられる。また、当該有機基は、カルボキシル基、またはエポキシ環もしくはオキセタン環等のヘテロ環を有する有機基であってもよい。
アルキル基としては、たとえばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、およびデシル基が挙げられる。アルケニル基としては、たとえばアリル基、ペンテニル基、およびビニル基が挙げられる。アルキニル基としては、エチニル基が挙げられる。アルキリデン基としては、たとえばメチリデン基、およびエチリデン基が挙げられる。アリール基としては、たとえばフェニル基、ナフチル基、およびアントラセニル基が挙げられる。アラルキル基としては、たとえばベンジル基、およびフェネチル基が挙げられる。アルカリル基としては、たとえばトリル基、キシリル基が挙げられる。シクロアルキル基としては、たとえばアダマンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、およびシクロオクチル基が挙げられる。なお、R、R、RおよびRを構成する有機基は、一以上の水素原子が、フッ素、塩素、臭素もしくはヨウ素等のハロゲン原子によって置換されていてもよい。
感光性樹脂組成物の経時安定性を向上させる観点からは、たとえばR、R、RおよびRのうちの少なくとも一つがオキセタン環を有する有機基であることが好ましい。この場合、アルカリ可溶性樹脂は、オキセタニル基を含有するポリマーを含むこととなる。また、経時安定性や耐溶剤性をさらに向上させる観点からは、R、R、RおよびRのうちのいずれか一つがオキセタン環を有する有機基であり、他が水素であることが好ましい態様の一つとして例示され得る。オキセタン環を有する当該有機基としては、たとえば下記式(VII)により示されるものが挙げられる。
式(VII)中、Xは単結合または炭素数1〜6の二価の有機基であり、Xは水素または炭素数1〜7のアルキル基である。Xを構成する二価の有機基は、酸素、窒素およびケイ素のいずれか一種または二種以上を有していてもよい、直鎖状または分岐鎖状の二価の炭化水素基である。この中でも、アミノ基(−NR−)、アミド結合(−NHC(=O)−)、エステル結合(−C(=O)−O−)、カルボニル基(−C(=O)−)またはエーテル結合(−O−)等の連結基を主鎖中に一以上有するものがより好ましく、カルボニル基またはエーテル結合の少なくとも一方を連結基として主鎖中に一以上有するものがとくに好ましい。なお、Xを構成する有機基のうちの一以上の水素原子が、フッ素、塩素、臭素もしくはヨウ素等のハロゲン原子によって置換されていてもよい。また、Xを構成するアルキル基は、たとえばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、およびヘプチル基が挙げられる。なお、Xを構成するアルキル基に含まれる一以上の水素原子が、フッ素、塩素、臭素もしくはヨウ素等のハロゲン原子によって置換されていてもよい。
およびRを構成する炭素数1〜18の有機基は、その構造中にO,N,S,P,Siのいずれか1以上を含んでいてもよい。RおよびRを構成する炭素数1〜18の有機基としては、たとえばアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキリデン基、アリール基、アラルキル基、アルカリル基、シクロアルキル基が挙げられる。また、当該有機基は、カルボキシル基、またはエポキシ環もしくはオキセタン環等のヘテロ環を有する有機基であってもよい。
アルキル基としては、たとえばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、およびデシル基が挙げられる。アルケニル基としては、たとえばアリル基、ペンテニル基、およびビニル基が挙げられる。アルキニル基としては、エチニル基が挙げられる。アルキリデン基としては、たとえばメチリデン基、およびエチリデン基が挙げられる。アリール基としては、たとえばフェニル基、ナフチル基、およびアントラセニル基が挙げられる。アラルキル基としては、たとえばベンジル基、およびフェネチル基が挙げられる。アルカリル基としては、たとえばトリル基、キシリル基が挙げられる。シクロアルキル基としては、たとえばアダマンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、およびシクロオクチル基が挙げられる。なお、RおよびRに含まれる一以上の水素原子が、フッ素、塩素、臭素もしくはヨウ素等のハロゲン原子によって置換されていてもよい。
を構成する炭素数1〜12のアルキル基としては、たとえばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、およびドデシル基が挙げられる。また、Rを構成する炭素数3〜8のシクロアルキル基としては、たとえばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、およびシクロオクチル基が挙げられる。なお、Rに含まれる一以上の水素原子が、フッ素、塩素、臭素もしくはヨウ素等のハロゲン原子によって置換されていてもよい。
、RおよびRを構成する炭素数1〜12のアルキル基としては、たとえばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、およびドデシル基が挙げられる。また、R、RおよびRを構成する炭素数3〜8のシクロアルキル基としては、たとえばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、およびシクロオクチル基が挙げられる。なお、R、RおよびRに含まれる一以上の水素原子が、フッ素、塩素、臭素もしくはヨウ素等のハロゲン原子によって置換されていてもよい。
を構成する炭素数1〜10の有機基としては、エポキシ環もしくはオキセタン環を含有する有機基、またはアルキル基が挙げられる。アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基およびデシル基が挙げられる。なお、Rに含まれる一以上の水素原子が、フッ素、塩素、臭素もしくはヨウ素等のハロゲン原子によって置換されていてもよい。
なお、上記式(Ia)により表される構造単位および上記式(Ib)にて表される構造単位を有する上記共重合体は、本発明の効果を損なわない範囲において、上記式(Ia)に示される構造単位および上記式(Ib)にて示される構造単位以外の他の構造単位を含んでいてもよい。また、アルカリ可溶性樹脂は、低分子量成分として、下記式(VIII)に示すモノマー、下記式(IX)に示すモノマー、下記式(X)に示すモノマー、および無水マレイン酸のうちの一種または二種以上を含んでいてもよい。
(式(VIII)中、n、R、R、RおよびRは、上記式(Ia)において例示したものと同義である。)
(式(IX)中、Rは、上記式(III)において例示したものと同義である。)
(式(X)中、Rは、上記式(V)において例示したものと同義である。)
本実施形態の感光性樹脂組成物に用いられる架橋剤は、当該感光性樹脂組成物を塗布して得られる塗布膜にアルカリ現像性および耐薬品性を付与し、さらにその硬化物の形状を制御する機能を有し、またその硬化物の耐熱性を向上させる機能を有する。このような架橋剤としては、グリシジル基またはオキセタニル基を有する化合物を用いることができる。中でも、カルボキシル基や水酸基等の活性水素を持つ官能基との反応性の観点からは、グリシジル基を有するエポキシ樹脂がより好ましい。
エポキシ樹脂としては、公知のものを使用でき、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、環状脂肪族エポキシ樹脂、多官能脂環式エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂等を挙げることができる。尚、本発明のエポキシ樹脂組成物を電子部品の封止材料等として用いる場合には、これらのエポキシ樹脂の中でも、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等を好ましく使用できる。中でも、感光性樹脂組成物の塗布膜のパターン形状の制御性と、硬化物の耐熱性とのバランスを向上させる観点から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、多官能脂肪族エポキシ樹脂、多官能脂環式エポキシ樹脂およびトリスフェノールメタン型エポキシ樹脂を併用することが好ましい。これらの中でも特に、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、多官能脂肪族エポキシ樹脂、および多官能脂環式エポキシ樹脂は、角部を有さないラウンド形状の犠牲膜を形成し得るため好ましい。上記において例示したエポキシ樹脂は、一種または二種以上組み合わせて用いることができる。
オキセタニル基を有する化合物としては、たとえば1,4−ビス{[(3−エチルー3−オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンゼン、ビス[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル、4,4'−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ビフェニル、4,4'−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ビフェニル、エチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)ジフェノエート、トリメチロールプロパントリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ポリ[[3−[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]プロピル]シラセスキオキサン]誘導体、オキセタニルシリケート、フェノールノボラック型オキセタン、1,3−ビス[(3−エチルオキセタンー3−イル)メトキシ]ベンゼン等が挙げられるが、これらに限定されない。これらは単独でも複数組み合わせて用いてもよい。
本実施形態において、架橋剤は、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂である式(2)で例示されるグリシジル基を3つ有する第1エポキシ樹脂と、ビスフェノールA型エポキシ樹脂である式(3)で例示されるグリシジル基を2つ有する第2エポキシ樹脂とを含むことが好ましい。このように、第1エポキシ樹脂と第2エポキシ樹脂を組み合わせて含むことにより、得られる硬化膜のパターン形状の制御性と、硬化膜の耐熱性とのバランスをより効果的に向上させることができる。
感光性樹脂組成物に用いられるアルカリ可溶性樹脂が上記の環状オレフィン樹脂であり、架橋剤が上記の第1エポキシ樹脂と第2エポキシ樹脂を含む場合において、エポキシ樹脂の合計量は、環状オレフィン樹脂100重量部に対して、1重量部以上90重量部以下、好ましくは、2重量部以上80重量部以下、より好ましくは、5重量部以上70重量部以下である。また、第1のエポキシ樹脂の量は、環状オレフィン樹脂100重量部に対して、0.1重量部以上80重量部以下、好ましくは、0.5重量部以上70重量部以下、より好ましくは、1重量部以上60重量部以下である。第2のエポキシ樹脂の量は、環状オレフィン樹脂100重量部に対して、0.1重量部以上30重量部以下、好ましくは、0.3重量部以上25重量部以下、より好ましくは、0.5重量部以上20重量部以下である。上記範囲内でエポキシ樹脂を用いることにより、感光性樹脂組成物の塗布膜を硬化した際、所望の形状を有する硬化膜を得ることができる。
本実施形態の感光性樹脂組成物に用いられ感光剤は、感光性を付与するために用いられる。このような感光剤としては、以下に例示する化合物が挙げられる。
(n2は、1以上4以下の整数である。)
感光剤を用いる場合、その含有量は、上記のアルカリ可溶性樹脂100重量部に対して、5〜40重量部、好ましくは、10〜30重量部である。
以上の各化合物において、Qは、以下に示す構造(a)、構造(b)および構造(c)のうちのいずれか、または水素原子である。ただし、各化合物に含まれるQのうちの少なくとも一つは、構造(a)、構造(b)および構造(c)うちのいずれかである。感光性樹脂組成物の透明性および誘電率の観点からは、Qが構造(a)あるいは構造(b)であるo−ナフトキノンジアジドスルホン酸誘導体がより好ましい。
本実施形態の感光性樹脂組成物に用いられる界面活性剤は、基板上に塗布した際の濡れ性を制御するために用いられる。このような界面活性剤としては、本技術分野において用いられる公知の界面活性剤を用いることができる。
より具体的には、フッ素系界面活性剤、シロキサン系界面活性剤、非フッ素系界面活性剤を挙げることができる。フッ素系界面活性剤としては、パーフルオロアルキル基を有する構造のものが挙げられ、具体的には株式会社DIC製のメガファックF−470、F−471、F−472SF、F−474、F−475、R−30、F−477、F−478、F−479、BL−20、R−61、R−90、住友スリーエム株式会社製のFC−170C、FC−4430、FC−4432などがあるがこれらに限定されない。シロキサン系界面活性剤としてはポリアルキル変性シロキサン系、ポリエステル変性シロキサン系、アラルキル変性シロキサン系、アルキルアラルキル変性シロキサン系などであるがこれらに限定されない。非フッ素系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウリレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のノニオン系界面活性剤、またアクリル系またはメタクリル系の重合物からなる界面活性剤が挙げられるが、これらに限定されない。
界面活性剤を含ませる場合の含有量としては、上記のアルカリ可溶性樹脂全体に対して1200ppm以上であることが好ましく、1400ppm以上であることがより好ましく、1800ppm以上であることが特に好ましい。これにより、硬化膜の表面の平滑性を効果的に向上させることができる。また、界面活性剤を含ませる場合の含有量は、上記のアルカリ可溶性樹脂全体に対して12000ppm以下であることが好ましく、11000ppm以下であることがより好ましく、10000ppm以下であることが特に好ましい。
なお、このような界面活性剤を含ませない場合であっても、たとえばアルカリ可溶性樹脂として、フッ素原子等を含むものを用いることにより、感光性組成物を基板上に塗布した際の濡れ性を制御することができる。
本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、溶剤に溶解されてワニスの形態で提供され得る。本実施形態において、溶剤とは、組成物中に含まれる成分と反応せず、乾燥後に揮発して残存しないものを意味する(ただし、不可避に残存する微量は許容する)。これにより、感光性樹脂組成物の流動性を向上し、塗布工程の際の作業性を向上させることができる。
用いられ得る溶剤としては、メタノール、エタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、ベンゼン、トルエン等の芳香族化合物;ギ酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、1,3−ブチレングリコール−3−モノメチルエーテル等のエーテル類、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、プロピレングリコールジアセテート、ジプロピレングリコールメチル−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、メチル−1,3−ブチレングリコールアセテート、ピルビン酸メチル、およびピルビン酸エチル及びメチル−3−メトキシプロピオネート等が挙げられる。
(感光性樹脂組成物の用途)
本実施形態の感光性樹脂組成物は、例えば、MEMS構造体のパッケージングに用いられる中空構造体を作製するためのる犠牲層として使用できる。感光性樹脂組成物は、溶剤に溶解された液体の形態で提供されてもよいし、フィルムの形態で提供されてもよい。
フィルムの形態である場合、シート状の基材に、本実施形態の感光性樹脂組成物が塗布された、積層フィルムの形態であることが好ましい。
(中空構造体の作製)
本実施形態の感光性樹脂組成物を用いて、中空構造体を作製する方法について以下に説明する。
本実施形態において、中空構造体の作製方法は、基板上に、感光性樹脂組成物からなる層を成膜する工程と、上記層に放射線を照射して、露光し、現像することにより、上記基板に対して垂直な面の断面形状が矩形の層を得る工程と、上記層を硬化して、上記基板対して垂直な面の断面形状が半円形、半楕円形、または半長円形である硬化膜を得る工程と、上記硬化膜を覆うように第1キャップ層を形成する工程と、上記第1キャップ層に複数の貫通孔を形成する工程と、上記複数の貫通孔を介して上記硬化膜をエッチングすることにより、上記硬化膜を除去する工程と、上記第1キャップ層の上記貫通孔を覆う第2キャップ層を形成し、上記基板と上記第2キャップ層とからなる中空構造体を形成する工程と、を含む。
本実施形態の製造方法において、中空構造体は、以下の方法で作製される。まず、シリコン基板1上に感光性樹脂組成物を数百nm〜数十μmの厚さで均一に塗布して、所定の厚みの塗布膜2を形成する(図1(a))。次いで、得られた塗布膜2を、100℃〜120℃、大気雰囲気下、1分〜10分間乾燥させる。乾燥後の塗布膜2を、上述のようにして露光および現像し(図1(b))、塗布膜2の不要な部分を除去することにより、パターニングされた塗布膜を得る(図1(c))。ここで、パターニングされた塗布膜2は、基板1に対して垂直な面の断面形状が四角形である。次いで、このパターニングされた塗布膜を、酸素濃度100ppm以下の窒素雰囲気下、昇温速度10℃/分、200℃〜320℃で0.5時間〜3時間の硬化条件で熱処理して、硬化膜2を得る。得られた硬化膜2は、基板に対して垂直な面の断面形状が、角部を有さないラウンド形状である。その後、この硬化膜2上に、第一のキャップ層を成膜する(図示せず)。第一のキャップ層は、例えば、SiO2、SiNである。また、第一のキャップ層の成膜は、例えば、化学的気相成長(CVD)法、スパッタリング法を用いて行われる。次いで、この第一のキャップ層に、開口部(貫通孔)が設けられる。開口部の形成には、例えば、フォトリソグラフィ、RIE法のような当該分野で公知の方法が用いられ得る。次いで、第一のキャップ膜の開口部を通じて、硬化膜を除去する。硬化膜の除去は、例えば、Oガスを用いたドライエッチング法を用いる。または、薬液を用いたウエットエッチング法を用いてもよい。必要に応じて、第一のキャップ膜上に、第二のキャップ膜を数μm〜数十μm厚で成膜して、第一のキャップ層の開口部を封止してもよい。
本実施形態において、得られる硬化膜の形状は、用いる感光性樹脂組成物の組成の調整に加え、硬化条件の調整により制御できる。例えば、塗布膜のパターニングおよび硬化の際の露光工程において、フォーカス値を変更することにより、得られる硬化膜の形状を制御することができる。基板に接した場所の幅が20μmであり、厚みが13μmである塗布膜を形成する場合、露光時のフォーカス値は、好ましくは、+10μm〜+24μmであり、より好ましくは、+12μm〜+20μmである。上記範囲で露光することにより、上記の所望の形状の硬化膜を得ることができる。ここで、フォーカス値とは、被露光面である硬化膜に対してピントが合った露光レンズの距離を基準点として、当該基準点からの露光レンズの変位距離を表す。+(プラス)のフォーカス値は、露光レンズを、当該基準点から、被露光面側に移動させたことを意味する。
以上、本発明を実施形態に基づいて説明したが、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
以下、本実施形態を、実施例を参照して詳細に説明する。なお、本実施形態は、これらの実施例の記載に限定されるものではない。
(アルカリ可溶性樹脂の合成)
(合成例1)
撹拌機、冷却管を備えた適切なサイズの反応容器に、無水マレイン酸(735g、7.5mol)、2−ノルボルネン(706g、7.5mol)およびジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(69g、0.3mol)を計量し、メチルエチルケトンおよびトルエンに溶解させた。この溶解液に対して、窒素バブリングにより系内の溶存酸素を除去した後、撹拌しつつ60℃、15時間の条件で熱処理を施した。これにより、2−ノルボルネンと無水マレイン酸の共重合体を得た。次いで、室温まで冷却した上記溶解液を大量のメタノールを用いて再沈させた後、析出物をろ取し、真空乾燥機にて乾燥させ、400gの白色固体を得た。これをブタノール(1600g)と混合して懸濁液とし、酸性触媒および塩基性触媒は添加せずに、110℃、4時間の条件で撹拌した。これにより、上記共重合体中に存在する無水マレイン酸由来の無水環を開環させた。その後、PGMEAを添加し、系内のブタノールを残留量1%未満となるまで減圧留去した。これにより、20質量%のポリマー溶液1100gを得た(GPC Mw=13100、Mn=6860)。アルカリ溶解速度は2,000A/secであった。
(合成例2)
撹拌機、冷却管を備えた適切なサイズの反応容器に、無水マレイン酸(735g、7.5mol)、2−ノルボルネン(706g、7.5mol)およびジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(69g、0.3mol)を計量し、メチルエチルケトンおよびトルエンに溶解させた。この溶解液に対して、窒素バブリングにより系内の溶存酸素を除去した後、撹拌しつつ60℃、15時間の条件で熱処理を施した。これにより、2−ノルボルネンと無水マレイン酸の共重合体を得た。次いで、室温まで冷却した上記溶解液を大量のメタノールを用いて再沈させた後、析出物をろ取し、真空乾燥機にて乾燥させ、400gの白色固体を得た。これをブタノール(1600g)と混合して懸濁液とし、酸性触媒および塩基性触媒は添加せずに、110℃、24時間の条件で撹拌した。これにより、上記共重合体中に存在する無水マレイン酸由来の無水環を開環させた。その後、PGMEAを添加し、系内のブタノールを残留量1%未満となるまで減圧留去した。これにより、20質量%のポリマー溶液1100gを得た(GPC Mw=13100、Mn=6860)。アルカリ溶解速度は12,000A/secであった。
(合成例3)
撹拌機、冷却管を備えた適切なサイズの反応容器に、無水マレイン酸(735g、7.5mol)、2−ノルボルネン(706g、7.5mol)およびジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(69g、0.3mol)を計量し、メチルエチルケトンおよびトルエンに溶解させた。この溶解液に対して、窒素バブリングにより系内の溶存酸素を除去した後、撹拌しつつ60℃、15時間の条件で熱処理を施した。これにより、2−ノルボルネンと無水マレイン酸の共重合体を得た。次いで、室温まで冷却した上記溶解液を大量のメタノールを用いて再沈させた後、析出物をろ取し、真空乾燥機にて乾燥させ、400gの白色固体を得た。これをブタノール(1600g)と混合して懸濁液とし、酸性触媒および塩基性触媒は添加せずに、110℃、12時間の条件で撹拌した。これにより、上記共重合体中に存在する無水マレイン酸由来の無水環を開環させた。その後、PGMEAを添加し、系内のブタノールを残留量1%未満となるまで減圧留去した。これにより、20質量%のポリマー溶液1100gを得た(GPC Mw=13100、Mn=6860)。アルカリ溶解速度は8,400A/secであった。
(感光性樹脂組成物の調製)
各実施例および各比較例について、表1に示す配合に従って各成分をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)に溶解させて撹拌した後、0.2μmのフィルターでろ過することにより、感光性樹脂組成物を調製した。
表1に示す配合割合は、感光性樹脂組成物における各成分の配合割合を重量部で示す。なお、表1に示す各成分の詳細は以下のとおりである。
(アルカリ可溶性樹脂)
アルカリ可溶性樹脂1:合成例1で合成したアルカリ可溶性樹脂
アルカリ可溶性樹脂2:合成例2で合成したアルカリ可溶性樹脂
アルカリ可溶性樹脂3:合成例3で合成したアルカリ可溶性樹脂
(架橋剤)
エポキシ樹脂1:以下の式(4)で表される化合物(VG3101L、プリンテック(株)製)
エポキシ樹脂2:トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂(三菱化学(株)製)
エポキシ樹脂3:以下の式(3)で表される化合物(LX−01、(株)大阪ソーダ社製)
エポキシ樹脂4:以下の式(6)で表される化合物(ZX−1542、新日鉄住金化学(株)製)
エポキシ樹脂5:以下の式(5)で表される化合物(EP4088L、(株)ADEKA社製)
(感光剤)
感光剤1:以下の化学式で表される感光剤(GPA200、ダイトーケミックス(株)社製)
(界面活性剤)
界面活性剤1:フッ素系界面活性剤FC4432(住友スリーエム株式会社製)
(溶剤)
溶剤:PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)
(硬化膜の作製)
図1を参照して上述した方法で、上記の感光性樹脂組成物を用いて硬化膜を作製した。
具体的には、HMDSで表面処理したシリコン基板に、感光性樹脂組成物をスピンコート法により塗布して、膜厚16.5μmの塗布膜を得た。この塗布膜を、115℃で3分間、大気雰囲気下で乾燥させた。23℃まで冷却した後、露光/現像により、シリコン基板に対して垂直な面の断面形状が台形であり、シリコン基板に接した場所の幅が20μmであり、高さが14μmの塗布膜を得た。この塗布膜を、表1に記載の条件で加熱硬化して、硬化膜を得た。
(硬化膜の形状評価)
得られた硬化膜の断面をSEM画像により評価した。SEM画像を図4に示す。SEM画像から角部の有無を評価した。また硬化膜のD南面の硬化前の寸法と硬化後の寸法を測定した。結果を表1に示す。
(無機膜の形成および評価)
上述の硬化膜上に、無機膜を形成した。無機膜の形成は、サムコ製の装置を用い、プロセスガスとしてテトラエトシキシラン(TEOS)ガスを用い、成膜温度250℃の条件で、硬化膜上に2μmの酸化膜を成膜することにより行った。
さらに、得られた無機膜のクラックの有無を評価した。クラックの評価は、硬化膜上に形成された2μmの酸化膜を割断し、SEMの断面形状を観察することで評価を行った。倍率は5000倍でクラックおよびえぐれの有無を確認した。結果を表1にあわせて示す。
表1および図4〜図8に示されるように、各実施例における感光性樹脂組成物から得られる硬化膜は、角部を有さず、所望の寸法を有していた。この結果から、本発明の感光性樹脂組成物は、中空構造体を形成するための犠牲膜として有用であることが期待される。
1 シリコン基板
2 塗布膜
3 フォトマスク
4 遮光パターン

Claims (7)

  1. 中空構造体形成材用の感光性樹脂組成物であって、以下の工程1〜3で硬化膜を作製したとき、当該硬化膜が、角部を有さないラウンド形状であり、前記基板に接した場所の幅が19μm以上25μm以下であり、前記硬化膜の高さが10μm以上13μm以下である、感光性樹脂組成物:
    工程1:シリコン基板上に、当該感光性樹脂組成物を、厚さ16.5μmで塗布した後、乾燥させる;
    工程2:前記乾燥後の感光性樹脂組成物を、露光および現像し、前記基板に対して垂直な面の断面形状が四角形であり、前記基板に接した場所の幅が20μmであり、高さが14μmである、塗布膜を得る;
    工程3:前記工程2で得られた塗布膜を、280℃で2時間熱処理することにより、硬化膜を得る。
  2. 前記硬化膜の前記基板対して垂直な面の断面形状が半円形、半楕円形、または半長円形である、感光性樹脂組成物。
  3. MEMS構造を有する電子デバイスを形成するための中空構造体形成材料として用いられる、請求項1の感光性樹脂組成物。
  4. 請求項1に記載の感光性樹脂組成物を含むフィルム。
  5. 基板上に、請求項1記載の感光性樹脂組成物からなる層を成膜する工程と、
    前記層に放射線を照射して、露光し、現像することにより、前記基板に対して垂直な面の断面形状が四角形の層を得る工程と、
    前記層を硬化して、前記基板に対して垂直な面の断面形状が角部を有さないラウンド形状の硬化膜を得る工程と、
    前記硬化膜を覆うように第1キャップ層を形成する工程と、
    前記第1キャップ層に少なくとも1つの貫通孔を形成する工程と、
    前記貫通孔を介して前記硬化膜をエッチングすることにより、前記硬化膜を除去して、前記基板と前記第1キャップ層とにより規定される中空構造体を形成する工程と、を含む中空構造体の製造方法。
  6. 基板に対して垂直な面の断面形状が四角形の層を得る前記工程が、前記基板に対して垂直な面の断面形状が台形、正方形、または長方形の層を得る工程を含む、請求項5に記載の中空構造体の製造方法。
  7. 前記貫通孔を介して前記硬化膜をエッチングすることにより、前記硬化膜を除去する前記工程の後、
    前記第1キャップ層の前記貫通孔を覆う第2キャップ層を形成し、前記基板と前記第2キャップ層とにより規定される中空構造体を形成する工程をさらに含む、請求項5または6に記載の中空構造体の製造方法。
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