まず、電子装置の製造プロセスの一例について説明する。ここでは電子装置として半導体装置を例に、フォトマスク及びフォトレジストを利用したフォト工程を含むその製造プロセスについて、図1〜図8を参照して説明する。
図1は半導体装置の製造プロセスの説明図である。
半導体装置の製造では、例えば図1に示すように、基板上への絶縁膜や導体膜の成膜工程10a、若しくは基板内への不純物注入工程10b、又は基板に対するエッチング工程10cの後、フォト工程20が行われる。このフォト工程20の後、例えば図1に示すように、不純物注入工程30b、又はエッチング工程30cが行われる。尚、図1では図示を省略するが、半導体装置の製造プロセスにおける各工程後には適宜洗浄工程が行われ得る。
フォト工程20では、成膜工程10aで所定の膜が形成された基板、若しくは不純物注入工程10bで所定の不純物がイオン注入された基板、又はエッチング工程10cで所定の部位がエッチングされた基板の上に、フォトレジストが形成される。フォトレジストには、感光性の有機材料が用いられる。基板上に形成されたフォトレジストは、各種パターンが設けられたフォトマスク(レチクル)を用いて露光され、その後現像されることで、パターニングされる。
フォト工程20には、図1に示すように、前処理21、フォトレジスト塗布処理22、露光処理23、及び現像処理24が含まれる。
前処理21では、基板とフォトレジストとの密着性向上を目的とするヘキサメチルジシラザン(HMDS)を用いた疎水化表面処理(HMDS処理)、基板上の有機物の除去を目的とするベーク処理等が行われる。
フォトレジスト塗布処理22では、前処理21後の基板上に、スピンコート法やスプレーコート法等により、フォトレジストが塗布される。フォトレジスト塗布処理22では、フォトレジストの塗布前に反射防止膜(Bottom Anti-Reflective Coating;BARC)の形成が行われてもよく、フォトレジストの塗布後に干渉防止膜(Top Anti-Reflective Coating;TARC)の形成が行われてもよい。また、フォトレジスト塗布処理22では、必要に応じてベーク処理が行われる。
露光処理23では、フォトマスクに設けられた各種パターンが、例えば縮小投影型の露光装置を用いてフォトレジストに転写される。露光装置には、ステップアンドリピート方式の露光装置(ステッパー)、又はステップアンドスキャン方式の露光装置(スキャナー)が用いられる。このような露光装置により、フォトマスクの各種パターンが、フォトレジスト上に、縮小されて繰り返し転写される。
現像処理24では、フォトレジストの、感光した箇所、又は感光しなかった箇所が除去される。ポジ型のフォトレジストでは感光した箇所が除去され、ネガ型のフォトレジストでは感光しなかった箇所が除去される。現像処理24では、必要に応じ、フォトレジストの所定の箇所が除去された後、ベーク処理が行われる。現像処理24により、基板上に、フォトマスクのパターンに対応するフォトレジストパターンが形成される。
現像処理24後には、基板上に形成されたフォトレジストパターンについて、外観検査、位置ずれ検査、サイズ(幅や長さ)検査等、各種検査が行われる。検査で合格となった場合には、次の工程の処理が行われる。検査で不合格となった場合には、フォトレジストを剥離して再度フォトレジストパターンを形成する再生処理が行われる。
基板上のフォトレジストパターンが検査で合格となった場合には、そのフォトレジストパターンをマスクにして、例えば図1に示すように、基板内への不純物注入工程30b、又は基板に対するエッチング工程30cが行われる。
上記より、転写とは、フォトマスクから透過した光によって、フォトレジストが感光し、現像によって略相似の形状が残される状態にすること、と言い換えることもできる。また、露光とは、フォトマスクから透過した光によってフォトレジストの少なくとも一部を感光させること、と言い換えることもできる。フォトレジストは十分な感光量の有無によって、現像時に溶解するかしないかが決定する。従って、既定の感光量とならない場合には、フォトマスクのパターンは転写されない。尚、転写とは、解像と同義であると言うこともできる。故に、既定の感光量とは、転写可能か転写可能でないか、又は、解像可能か解像可能でないかを決める閾値、と言い換えることもできる。
上記フォト工程20について更に説明する。
まず、フォト工程20の露光処理23に用いられる露光装置について説明する。
図2は露光装置の説明図である。
例えば図2に示すように、露光装置40には、光源41、フライアイレンズ42(蝿の目レンズ)、コンデンサレンズ43、ブラインド44(マスキングブレード、レチクルブラインド)、ミラー45、縮小投影レンズ46、及びステージ47が含まれる。
ブラインド44と縮小投影レンズ46との間に、基板300上のフォトレジスト200に転写する各種パターンが設けられたフォトマスク100が配置される。フォトマスク100には、そのパターンに対応して、光が透過する透光部、及び光を遮光する遮光部が設けられる。尚、フォトマスク100の詳細については後述する。
ステージ47上には、フォトレジスト200が設けられた半導体基板(ウェーハ)等の基板300が配置される。
光源41は、基板300上のフォトレジスト200が感光する波長の光を照射する。光源41には、高圧水銀ランプのi線(波長365nm)、フッ化クリプトン(KrF)エキシマレーザー(波長248nm)、フッ化アルゴン(ArF)エキシマレーザー(波長193nm)等が用いられる。
フライアイレンズ42は、光源41から照射されてこれに入射する光の照度分布を均一化する。
コンデンサレンズ43は、入射する光を平面波に変換して位相を合わせる。
ブラインド44は、これに入射する光の一部を遮光し、フォトマスク100に照射される光の照射領域を規定する。
ミラー45は、ブラインド44を通過した光を光路変換し、フォトマスク100に照射する。
縮小投影レンズ46は、フォトマスク100の透光部を通過した光を、1/4や1/5といった所定の倍率に縮小する。
ステージ47は、フォトレジスト200が設けられた基板300を保持し、保持した基板300を移動させて、フォトレジスト200に照射される光の位置(露光領域)を変化させる。
ブラインド44、フォトマスク100及びフォトレジスト200は、光学的に共役の位置関係にある。
尚、露光装置40には、この図2に示したような光学素子に限らず、その他の各種光学素子が含まれ得る。
上記のような露光装置40において、光源41から照射される光は、フライアイレンズ42及びコンデンサレンズ43等によって露光光として整形される。整形された光のうち、ブラインド44を通過した光が、フォトマスク100の、ブラインド44で規定された照射領域に、照射される。フォトマスク100に照射され、そのパターンに対応して設けられた透光部を通過した光は、縮小投影レンズ46で縮小され、ステージ47上の基板300に設けられたフォトレジスト200の、所定の露光領域に照射される。このようにしてフォトレジスト200が露光され、フォトマスク100のパターンが、縮小されてフォトレジスト200の所定の露光領域に転写される。
このようなフォトマスク100のパターンのフォトレジスト200への転写が、ステージ47によってその露光領域が変えられ、繰り返し行われる。
続いて、フォトマスク100について説明する。
図3はフォトマスクの説明図である。図3(A)はネガ型フォトマスクの一例の平面模式図、図3(B)はポジ型フォトマスクの一例の平面模式図である。
図3(A)及び図3(B)に示すように、フォトマスク100には、デバイス領域110、スクライブ領域120、及び外側領域130(外観領域)が設けられる。
デバイス領域110には、基板300に形成される電子装置、この例では半導体装置の回路を形成するためのパターン(回路パターン)が設けられる。ここでは一例として、6つのデバイス領域110を図示している。各デバイス領域110に、個々の半導体装置の、配線やビア等を形成する領域、不純物をイオン注入する領域、エッチングする領域等、各種回路パターンが設けられる。
スクライブ領域120は、各デバイス領域110を囲むように設けられる。スクライブ領域120は、基板300に形成された半導体装置群を個片化する際の切断位置となるダイシング領域に相当する。スクライブ領域120には、フォト工程20でフォトレジスト200に転写されるパターンの位置ずれやサイズ等の各種検査用のマークを形成するためのパターン(検査パターン)が設けられ得る。
露光時には、デバイス領域110及びスクライブ領域120に光が照射され、デバイス領域110の回路パターンがフォトレジスト200に転写される。スクライブ領域120に検査パターンが設けられる場合には、デバイス領域110の回路パターンと共に、スクライブ領域120の検査パターンがフォトレジスト200に転写される。フォトマスク100のデバイス領域110及びスクライブ領域120が、フォトレジスト200に転写されるパターン(回路パターン、又は回路パターンと検査パターン)を含む転写領域140になる。
外側領域130は、転写領域140の外側、即ちデバイス領域110及びスクライブ領域120の外側に設けられる。外側領域130には、転写領域140を囲む遮光領域150が含まれる。遮光領域150は、例えば転写領域140内の最外周に位置するスクライブ領域120の縁から一定の幅で設けられる。
遮光領域150の外側は、図3(A)に示すようなネガ型のフォトマスク100の場合は透光領域160aとされ、図3(B)に示すようなポジ型のフォトマスク100の場合は遮光領域160bとされる。透光領域160a及び遮光領域160bには、フォトマスク100の作製時に用いられるマーク170が設けられる。マーク170には、フォトマスク100に形成されるパターンの配置検査用のマーク、フォトマスク100をハーフトーン位相シフトマスクとする場合の位相差又は透過率検査用のマーク、フォトマスク100を露光装置40にセットする際のアライメントマーク等が含まれる。
続いて、上記のような露光装置40及びフォトマスク100を用いた露光について説明する。
図4は露光装置のブラインドとフォトマスクとの位置関係の説明図である。図5及び図6は露光領域の説明図である。
上記図2に示した露光装置40において、光源41から照射された光は、フライアイレンズ42及びコンデンサレンズ43等で整形され、更にブラインド44を通過し、フォトマスク100に照射される。ここで、露光装置40のブラインド44は、上記図3に示したフォトマスク100の転写領域140のサイズ等に基づき、光が通過する開口のサイズが設定される。
図4には、フォトマスク100の一部(1箇所のコーナー部)とブラインド44の位置関係を模式的に図示している。
露光装置40のブラインド44は、例えば、Xa方向に対向するプレート44a群と、Ya方向に対向するプレート44b群とを含む(図4には各1枚のプレート44a,44bを図示)。対向するプレート44a間及びプレート44b間の距離がそれぞれ設定されることで、ブラインド44の開口サイズが設定される。
ブラインド44は、例えば図4に示すように、フォトマスク100の転写領域140(デバイス領域110及びスクライブ領域120)、及び遮光領域150の一部に光が照射されるように、プレート44a及びプレート44bによって開口サイズが設定される。露光装置40にセットされたフォトマスク100には、このようなブラインド44で規定された照射領域に、光源41からの光が照射される。
フォトマスク100に照射され、その転写領域140のパターン(回路パターン、又は回路パターンと検査パターン)に対応して設けられた透光部を通過した光は、露光装置40の縮小投影レンズ46で縮小され、基板300上のフォトレジスト200に照射される。このようなフォトレジスト200の露光が、図5に示すように、ステージ47でフォトレジスト200上の露光領域201が変えられて繰り返し行われ、フォトマスク100のパターンが縮小されてフォトレジスト200に転写される。
図6(A)には、1つの露光領域201を模式的に図示し、図6(B)には、フォトレジスト200上における3×2の計6つの露光領域201を模式的に図示している。
フォトレジスト200上の各露光領域201に、フォトマスク100のデバイス領域110に対応するデバイス領域210、及びフォトマスク100のスクライブ領域120に対応するスクライブ領域220が転写される。
露光領域201を変えて繰り返し露光する際の、ステージ47のXb,Yb方向の移動ピッチは、各露光領域201の、最外周の対向するスクライブ領域220の中心(図6(A)に点線で図示)間の距離D1,D2に相当するピッチとなる。そのため、Xb方向に隣接する露光領域201のスクライブ領域220は2重露光となり、Yb方向に隣接する露光領域201のスクライブ領域220も2重露光となる。隣接する露光領域201のコーナー部201aのスクライブ領域220は、4重露光となる。
前述のようにフォトマスク100には、デバイス領域110に回路パターンが設けられると共に、スクライブ領域120に検査パターンが設けられ得る。
図7及び図8は検査パターンの説明図である。
図7には、フォトマスク100の要部(平面視で左上部及び右上部)を模式的に図示している。例えば図7に示すように、フォトマスク100の、Xc方向に対向するスクライブ領域120に、検査パターン121a,121b,121cが設けられる。
ここで、スクライブ領域120に設けられる検査パターン121a,121b,121cとしては、例えば図8(A)〜図8(D)に示すようなものが挙げられる。
図8(A)及び図8(B)は、位置ずれ検査マークの例である。半導体装置は回路パターンを積層して形成されるため、先に基板300上に形成されている親マーク123に対し、後にフォトレジスト200上に形成された子マーク124が位置ずれしていないかが検査される。図8(A)は、いわゆるバーインバー(Bar in Bar)型の位置ずれ検査マークであり、図8(B)は、いわゆるボックスインボックス(Box in Box)型の位置ずれ検査マークである。図8(A)及び図8(B)に示すような位置ずれ検査マークでは、親マーク123内に子マーク124が収まっているか、親マーク123内における子マーク124の位置が適正であるかが検査される。例えば、このような親マーク123を形成するためのパターンや、子マーク124のパターンが、フォトマスク100のスクライブ領域120に設けられる。
また、図8(C)及び図8(D)は、測長検査マークの例である。フォトレジスト200上に形成されたフォトレジストパターンが所定のサイズで形成されているかがSEM(Scanning Electron Microscope)等の電子顕微鏡を用いて検査される。図8(C)は、密線(Dense)型の測長検査マークであり、密集配置されたラインパターン125群内に測長ラインパターン126が設けられる。図8(D)は、孤立(Sparse)型の測長検査マークであり、孤立したラインパターンが測長ラインパターン126として設けられる。図8(C)及び図8(D)に示すような測長検査マークでは、測長ラインパターン126の長さや幅が適正であるかが検査される。例えば、このようなラインパターン125群及び/又は測長ラインパターン126が、フォトマスク100のスクライブ領域120に設けられる。
フォトマスク100に所定の検査パターン121a,121b,121cが設けられる場合、図7に示すように、そのスクライブ領域120には、検査パターン121a,121b,121cと共に、それらに対応する遮光部122a,122b,122cが設けられる。
上記図6で述べたように、隣接する露光領域201のスクライブ領域220は2重露光(コーナー部201aは4重露光)される。そのため、図7に示すように、最外周のスクライブ領域120における、Xc方向の一端側、例えば左側のスクライブ領域120に設けられる検査パターン121aに対応して、Xc方向の他端側、即ち右側のスクライブ領域120に、遮光部122aが設けられる。同様に、最外周のスクライブ領域120における、Xc方向の他端側のスクライブ領域120に設けられる検査パターン121b,121cにそれぞれ対応して、Xc方向の一端側のスクライブ領域120に、遮光部122b,122cが設けられる。このように遮光部122a,122b,122cが設けられることで、フォトレジスト200上の隣接位置が露光される際、2重露光されるスクライブ領域220に、フォトマスク100の検査パターン121a,121b,121cが消去されずに転写される。
尚、図7では、最外周のスクライブ領域120における、Xc方向の両端、即ち左右のスクライブ領域120を例にしたが、Yc方向の両端、即ち上下のスクライブ領域120についても同様に、検査パターン及びそれに対応する遮光部が設けられ得る。
以上、フォト工程20(図1)では、フォトマスク100を用いた露光装置40による露光(図2〜図8)により、フォトマスク100のデバイス領域110に設けられた回路パターンが、フォトレジスト200(そのデバイス領域210)に転写される。フォトマスク100のスクライブ領域120に検査パターンが設けられている場合には、その検査パターンが、フォトレジスト200(そのスクライブ領域220)に転写される。
ところで、露光装置40を用いた露光では、フォトマスク100の照射領域を規定するブラインド44が異常な開口サイズ(異常位置)に設定されていると、転写領域140のパターンをフォトレジスト200に精度良く転写することができなくなることがある。この点について、図9及び図10を参照して説明する。
図9及び図10は露光装置のブラインドが異常位置にある場合の説明図である。
まず、ブラインド44が正常な開口サイズ(正常位置)よりも小さく設定された場合について、図9(A)〜図9(C)を参照して説明する。
図9(A)〜図9(C)には、上記のような位置ずれや測長のための検査パターン127がスクライブ領域120に設けられたフォトマスク100の、その転写領域140を模式的に図示している。図9(A)には、最外周のスクライブ領域120におけるXc方向の両端、即ち左右のスクライブ領域120に、検査パターン127が設けられた例を示している。図9(B)には、最外周のスクライブ領域120におけるYc方向の両端、即ち上下のスクライブ領域120に、検査パターン127が設けられた例を示している。図9(C)には、最外周のスクライブ領域120におけるXc方向の両端及びYc方向の両端、即ち左右上下のスクライブ領域120に、検査パターン127が設けられた例を示している。
例えば、露光装置40のブラインド44が、フォトマスク100の転写領域140のうち、Xc方向の両端(左右)のスクライブ領域120に照射される光を遮るような開口サイズ(異常位置)に設定されている場合を想定する。上記図4の例で言えば、ブラインド44の一対のプレート44aが、転写領域140のうち、Xa方向の両端のスクライブ領域120に照射される光を遮るような位置に設定されている場合になる。図9(A)〜図9(C)には便宜上、このような場合のブラインド44の開口に相当する領域を鎖線Pで図示している。
この場合、図9(A)又は図9(C)のような位置に検査パターン127が設けられるフォトマスク100では、ブラインド44が上記のような異常位置に設定されていることで、形成されるべき検査パターン127の全部又は一部がフォトレジスト200に転写されない。そのため、このフォトレジスト200は、検査パターン127を用いた検査が不能となり、次工程に進められることがない。一方、図9(B)のような位置に検査パターン127が設けられるフォトマスク100では、ブラインド44が上記のような異常位置に設定されていても、形成されるべき検査パターン127の全部がフォトレジスト200に転写される。そのため、このフォトレジスト200は、検査パターン127を用いた検査が可能となり、検査で合格となれば、次工程に進められる。
また、露光装置40のブラインド44が、フォトマスク100の転写領域140のうち、Yc方向の両端(上下)のスクライブ領域120に照射される光を遮るような開口サイズ(異常位置)に設定されている場合を想定する。上記図4の例で言えば、ブラインド44の一対のプレート44bが、転写領域140のうち、Ya方向の両端のスクライブ領域120に照射される光を遮るような位置に設定されている場合になる。図9(A)〜図9(C)には便宜上、このような場合のブラインド44の開口に相当する領域を点線Qで図示している。
この場合、図9(B)又は図9(C)のような位置に検査パターン127が設けられるフォトマスク100では、ブラインド44が上記のような異常位置に設定されていることで、形成されるべき検査パターン127の全部又は一部がフォトレジスト200に転写されない。そのため、このフォトレジスト200は、検査パターン127を用いた検査が不能となり、次工程に進められることがない。一方、図9(A)のような位置に検査パターン127が設けられるフォトマスク100では、ブラインド44が上記のような異常位置に設定されていても、形成されるべき検査パターン127の全部がフォトレジスト200に転写される。そのため、このフォトレジスト200は、検査パターン127による検査が可能となり、検査で合格となれば、次工程に進められる。
このようにブラインド44が設定されている位置と、フォトマスク100に設けられている検査パターン127の位置によっては、たとえブラインド44の位置が異常であっても、その異常が看過されてしまう可能性がある。その結果、異常位置のブラインド44を用いて形成された基板300が次工程以降に進み、結果として半導体装置の歩留りの低下を引き起こす恐れがある。
続いて、ブラインド44が正常な開口サイズ(正常位置)よりも大きく設定された場合について、図10を参照して説明する。
図10には、フォトレジスト200上の、Xb方向に隣接する3つの露光領域201を模式的に図示している。
上記図3(A)又は図3(B)に示したように、フォトマスク100には、転写領域140を囲む遮光領域150の外側に、透光領域160a又は遮光領域160bが設けられる。この透光領域160a又は遮光領域160bには、フォトマスク100の作製時に用いられるマーク170が設けられる。例えば、このようなフォトマスク100に対し、その透光領域160a又は遮光領域160bのマーク170が含まれる領域にも光が照射されるような開口サイズ(異常位置)にブラインド44が設定されている場合を想定する。上記図4の例で言えば、ブラインド44の一対のプレート44aが、フォトマスク100の透光領域160a又は遮光領域160bのマーク170よりも外側の位置に設定されている場合になる。図10には便宜上、ブラインド44の開口及びフォトマスク100の光の照射領域に相当する領域を鎖線Rで図示している。
この場合、図10に示すように、中央の露光領域201に着目すると、その露光時にフォトマスク100のマーク170が両隣りの露光領域201内に転写される。そのため、中央の露光領域201のマーク170と、両隣りの露光領域201のデバイス領域210とが2重露光され、デバイス領域210の回路パターンに不良が発生してしまう。
ここでは、ブラインド44が上記のような異常位置に設定されて露光される中央の露光領域201に着目したが、同じくブラインド44が異常位置に設定されて露光される両隣りの露光領域201についても、それぞれの露光時に同様の不良が発生する。尚、図10では、中央の露光領域201の両隣りの露光領域201については、便宜上、転写されるマーク170の図示を省略している。また、Xb方向に隣接する露光領域201に限らず、マーク170の配置によっては、Yb方向に隣接する露光領域201でも、上記同様の不良が発生し得る。
図9及び図10に示したように、露光装置40のブラインド44が異常位置に設定されていると、フォトレジスト200に形成される回路パターンの不良や、フォトレジスト200の露光を経て形成される半導体装置の歩留りの低下を招く恐れがある。
ブラインド44が異常位置に設定される原因の1つとして、ブラインド44の動作不良が挙げられる。ブラインド44が正常位置に設定されているか否かは定期的に点検されるものの、点検から点検の間に発生するブラインド44の動作不良や、突発的に発生するブラインド44の動作不良には対応できない。
ブラインド44が異常位置に設定される別の原因としては、ブラインド44の初期設定の誤りが挙げられる。露光装置40の立ち上げ時や定期的な点検時に、あらゆる露光領域サイズについてブラインド44の設定位置を確認することは不可能である。実際的には、ブラインド44の設定位置の確認作業は、数種類の露光ショットサイズに限定される。そのため、前述のように転写領域140の周囲に遮光領域150を設け、ブラインド44の設定位置が少々ずれても転写領域140に光が照射されるように、余裕を持たせている。しかし、露光領域サイズは、品種によって異なり、ブラインド44の設定位置の種類は無限に近い。全ての露光領域サイズについてブラインド44が所定の設定位置精度を保っているか確認することは難しい。
更に、露光領域サイズやマーク座標は品種によって異なるため、露光レシピを準備することになるが、その際、ブラインド44の設定位置を誤入力してしまうような場合も、ブラインド44が異常位置に設定される原因の1つとなる。
また、フォトレジスト200に形成される回路パターンの不良や、半導体装置の歩留りの低下は、露光装置40のブラインド44が異常位置に設定されている場合のほか、露光装置40で発生するフレア(迷光)によっても生じ得る。この点について更に説明する。
露光装置40では、光源41から照射された光がフォトレジスト200に到達するまでに各種光学素子を伝達されるが、その際、光学素子で反射又は散乱された光がフレアとなり、その一部がフォトレジスト200に入射することがある。このようなフレアには主に、照明光学系フレアと投影光学系フレアがある。
照明光学系フレアは、フォトマスク100を通過する前のフライアイレンズ42やコンデンサレンズ43等の光学素子で反射又は散乱された光がフォトマスク100を通過するフレアである。この照明光学系フレアは、ブラインド44で遮光していても、フォトマスク100の透光領域160aや、遮光領域160bに設けられるマーク170の開口から、フォトレジスト200に入射する。また、投影光学系フレアは、フォトマスク100を通過して縮小投影レンズ46内の光学素子で反射又は散乱された光がフォトレジスト200に入射するフレアである。
フレアは、露光の照度に比べて十分小さい値になるように定期的に点検されるが、露光装置40が使用され続けることで、フレアは多くなっていく。これは、光学素子であるレンズの曇りが主な原因となっている。
例えば、照明光学系フレアが大きくなると、フォトレジスト200の露光領域201内に形成される回路パターンの形状の均一性が悪化する。
図11は露光装置の照明光学系フレアのフォトレジストへの影響の説明図である。図11(A)は照明光学系フレアの影響が比較的小さい場合の説明図、図11(B)は照明光学系フレアの影響が比較的大きい場合の説明図である。
フォトマスク100の転写領域140外の開口と重複する部位から比較的近い位置に形成される回路パターンに対する、当該開口からの照明光学系フレアが比較的少ない場合には、図11(A)の上図に示すように、結像に要する光強度のコントラストが確保される。一方、そのような回路パターンに対する、当該開口からの照明光学系フレアが比較的多い場合には、照明光学系フレアによる多重露光の影響が大きくなり、図11(B)の上図に示すように、結像に要する光強度のコントラストが低下する。この結果、図11(A)の下図及び図11(B)の下図に示すように、照明光学系フレアが少ない場合に比べ、多い場合の方が、基板300上のフォトレジスト200に形成される回路パターン211の幅は狭くなる。そのため、フォトレジスト200上に形成される、照明光学系フレアの影響が比較的小さい他の回路パターンとの形状の均一性が悪化する。
照明光学系フレアの量は、定期的に点検されるが、光学素子の曇りが急速に進む等、照明光学系フレアが突発的に多くなったような場合には、その影響を検出することはできない。このような場合には、フォトレジスト200のデバイス領域210に形成される回路パターンの形状の均一性が悪化する等、回路パターンの不良が発生し、半導体装置の歩留りの低下を招く恐れがある。特に、トランジスタのゲート電極パターン等、半導体装置の性能や品質への影響が大きくなり易い回路パターンの不良は、半導体装置の歩留りを大幅に低下させることに繋がる。
以上説明したように、露光装置40のブラインド44の設定異常及び照明光学系フレアの増大は、フォトレジスト200に形成される回路パターンの不良、及び半導体装置の歩留りの低下を招く恐れがある。
回路パターンの不良、及び半導体装置の歩留りの低下を抑えるため、ブラインド44の設定異常や照明光学系フレアの増大といった露光装置40の状態を、ロット毎のように比較的短い間隔で定期的に点検する方法では、半導体装置の製造効率の低下を招き得る。また、露光装置40の状態を、数ヶ月毎のように比較的長い間隔で定期的に点検する方法では、その間に発生する回路パターンの不良により、半導体装置の製造歩留りの低下を招き得る。
以上のような点に鑑み、ここでは以下に実施の形態として示すようなフォトマスク(レチクル)を用いることで、ブラインド44の設定異常や照明光学系フレアの増大といった露光装置40の状態を、フォトレジスト200の処理毎に監視することを可能にする。それにより、回路パターンの不良を抑え、高精度にパターニングされたフォトレジスト200を形成し、そのようなフォトレジスト200を用いて高品質の半導体装置を歩留り良く製造することを可能にする。
まず、第1の実施の形態について説明する。
図12は第1の実施の形態に係るフォトマスクの構成例を示す図である。図12には、フォトマスクの一例の平面模式図を示している。
図12に示すフォトマスク100Aは、露光時に光が照射されるデバイス領域110(一例として6つ)とそれを囲むスクライブ領域120とを含む転写領域140、及び転写領域140を囲む外側領域130(外観領域)を含む。
デバイス領域110には、半導体装置の回路を形成するための回路パターンが設けられる。スクライブ領域120には、フォトレジストパターンの位置ずれやサイズ等の各種検査用のマーク(図8(A)〜図8(D))を形成するための検査パターンc1,c2,c3,c4が設けられる。
外側領域130は、例えば転写領域140の最外周に位置するスクライブ領域120の縁から一定の幅で設けられる遮光領域150を含む。フォトマスク100Aがポジ型の場合は、図12に示すように、遮光領域150の外側も同様に遮光領域160bとされる。尚、ここでは図示を省略するが、フォトマスク100Aがネガ型の場合には、遮光領域150の外側が透光領域(図3(A))とされる。フォトマスク100Aの遮光領域160b(又は透光領域)には、フォトマスク100の作製時やセット時に用いられるマーク170、例えば配置検査用、位相差又は透過率検査用、アライメント用等のマーク170が設けられる。
図12に示すフォトマスク100Aでは、転写領域140の最外周に位置する4辺のスクライブ領域120にそれぞれ、光源で解像可能な検査パターンc1,c2,c3,c4が設けられる。図12には一例として、最外周の4辺のスクライブ領域120であって、4つのコーナー部に近い部位にそれぞれ、検査パターンc1,c2,c3,c4が設けられた場合を示している。フォトマスク100Aの遮光領域150には、これらの検査パターンc1,c2,c3,c4にそれぞれ対応する光源で解像可能な開口部d1,d2,d3,d4が設けられる。
開口部d1,d2,d3,d4は、フォトマスク100Aが上記のような露光装置40にセットされてフォトレジスト200が露光される際、フォトマスク100Aへの光の照射領域を規定するブラインド44が正常位置にある時にはそのブラインド44で遮光される。開口部d1,d2,d3,d4は、フォトマスク100Aの遮光領域150の、このような部位に設けられる。
開口部d1は、検査パターンc1が設けられるスクライブ領域120の延長線上に設けられる。開口部d1は、フォトマスク100Aの転写領域140がフォトレジスト200上の隣接露光領域に転写された時、具体的には転写領域140がYc方向に並ぶような配置で転写された時に、検査パターンc1と重複する部位に設けられる。
開口部d2は、検査パターンc2が設けられるスクライブ領域120の延長線上に設けられる。開口部d2は、フォトマスク100Aの転写領域140がフォトレジスト200上の隣接露光領域に転写された時、具体的には転写領域140がXc方向に並ぶような配置で転写された時に、検査パターンc2と重複する部位に設けられる。
開口部d3は、検査パターンc3が設けられるスクライブ領域120の延長線上に設けられる。開口部d3は、フォトマスク100Aの転写領域140がフォトレジスト200上の隣接露光領域に転写された時、具体的には転写領域140がYc方向に並ぶような配置で転写された時に、検査パターンc3と重複する部位に設けられる。
開口部d4は、検査パターンc4が設けられるスクライブ領域120の延長線上に設けられる。開口部d4は、フォトマスク100Aの転写領域140がフォトレジスト200上の隣接露光領域に転写された時、具体的には転写領域140がXc方向に並ぶような配置で転写された時に、検査パターンc4と重複する部位に設けられる。
フォトマスク100Aでは、露光装置40を用いてフォトレジスト200上の隣接露光領域を露光する際、ブラインド44が正常位置の時は、開口部d1,d2,d3,d4が遮光され、フォトレジスト200上に検査パターンc1,c2,c3,c4が転写される。
一方、ブラインド44が異常位置にあり、開口部d1,d2,d3,d4の少なくとも1つが遮光されない時には、通過する光による2重露光により、フォトレジスト200上に検査パターンc1,c2,c3,c4の少なくとも1つが転写されなくなる。検査パターンc1,c2,c3,c4の少なくとも1つが転写されないことで、フォトレジスト200は検査不能となり、このフォトレジスト200が設けられた基板300が次工程に進められるのを抑えることができる。
フォトマスク100Aによれば、フォトレジスト200上の検査パターンc1,c2,c3,c4の転写状況から、フォトレジスト200の処理毎に、露光装置40におけるブラインド44の設定位置の異常を監視することができる。4辺のスクライブ領域120に検査パターンc1,c2,c3,c4を設け、対応する開口部d1,d2,d3,d4を遮光領域150に設けておくことで、ブラインド44の設定位置の異常を、面内4方向のいずれについても監視することができる。
上記のようなフォトマスク100Aについて、更に詳細に説明する。
フォトマスク100Aの作製においては、まず、形成する半導体装置の仕様等に基づいて作成された設計データが取得される。取得された設計データに基づき、デバイス領域110に形成される回路パターンに対し、線幅の均一性を向上するためのOPC(Optical Proximity Correction)処理や、露光領域内でのパターン占有率差を小さく抑えるためのダミーパターン発生処理等の加工が行われてもよい。取得された、又は取得され加工された設計データに対し、予め作成されたスクライブ領域120のデータ、及び外側領域130のデータが合成されることで、フォトマスク100Aの設計データが完成する。
ここで、スクライブ領域120のデータには、検査パターンc1,c2,c3,c4の配置を示すデータが含まれる。また、外側領域130のデータには、検査パターンc1,c2,c3,c4に対応する開口部d1,d2,d3,d4の配置を示すデータ、及びフォトマスク100Aの作製時やセット時に用いられるマーク170の配置を示すデータが含まれる。尚、検査パターンc1,c2,c3,c4は、転写領域140の外縁近傍に配置されることが好ましい。また、フォトマスク100Aの作製時やセット時に用いられるマーク170は、フォトマスク100の外縁近傍に配置されることが好ましい。これは、有効露光領域サイズが制限されることになるためである。
図13は第1の実施の形態に係るフォトマスクの説明図である。図13には、フォトマスクの一例の平面模式図を示している。
フォトレジスト200上の露光領域が所定のサイズ、例えば最外周のスクライブ領域120の中心間距離D1が24000μmでD2が30000μmとなる半導体装置製造において、用いるフォトマスク100Aの各種値が設定される。
スクライブ領域120の幅Wは、例えば90μmに設定される。
露光装置40のブラインド44の正常位置BL−X2(太実線で図示。右側プレートのエッジ位置に相当)に着目すると、例えば、その正常位置BL−X2の設定尤度Lが、±100μmに設定される。ブラインド44の他の正常位置BL−X1,BL−Y1,BL−Y2(太実線で図示。それぞれ左側プレート、上側プレート、下側プレートのエッジ位置に相当)についても同様に設定される。
検査パターンc4とそれに対応する開口部d4に着目すると、例えば、検査パターンc4及び開口部d4のスクライブ領域120の中心からの距離Mが、265μmに設定される。開口部d4は、ブラインド44が正常位置BL−X2にある時にはブラインド44で遮光される位置に設定される。他の検査パターンc1,c2,c3とそれらにそれぞれ対応する開口部d1,d2,d3についても同様に設定される。
尚、ここに例示した数値はフォトレジスト200上での値であり、フォトマスク100A上での値は、フォトマスク100Aを用いる露光時の縮小倍率の逆数倍になる。
例えばこのように設定された検査パターンc1,c2,c3,c4及び開口部d1,d2,d3,d4のデータを含むフォトマスク100Aの設計データが作成され、それに基づき、フォトマスク100Aが作製される。フォトマスク100Aは、例えば、透明ガラス基板上に、作成された設計データに基づき、クロムや酸化クロム等の金属膜で遮光部を設ける(それによって透光部を設ける)ことで、作製される。
続いて、フォトマスク100Aを用いたフォト工程20の一例について述べる。ここでは、ロジックLSI(Large Scale Integration)等の半導体装置の製造における、KrFエキシマレーザー(波長248nm)を光源41とする露光装置40を用いた、不純物注入前のフォトレジストパターンの形成工程を例にする。
まず、STI(Shallow Trench Isolation)等の素子分離領域が形成された基板300上に、HMDS処理が行われ、フォトレジスト200として、KrF用のポジ型の化学増幅型フォトレジストが所定の厚さ、例えば1.18μmの厚さで塗布される。その後、ベーク処理が所定の条件、例えば100℃、60秒の条件で行われ、TARCが所定の厚さ、例えば43nmの厚さで塗布される。このようにしてフォトレジスト200等が設けられた基板300が、露光装置40のステージ47上にセットされる。また、露光装置40には、上記のようにして作製されるフォトマスク100Aがセットされる。
露光装置40の光源41から、波長248nmのKrFエキシマレーザー光が照射され、フライアイレンズ42及びコンデンサレンズ43等で整形されてブラインド44を通過した光が、フォトマスク100Aに照射される。フォトマスク100Aを通過して縮小投影レンズ46で縮小された光により、ステージ47上の基板300に設けられたフォトレジスト200が露光される。例えば、露光量が220J/m2、フォーカス値が−0.4μmの条件で、フォトレジスト200が露光される。
このようなフォトレジスト200の露光が、ステージ47によってその露光領域が変えられて、ステップアンドリピートで繰り返し行われる。
その後、ベーク処理が所定の条件、例えば110℃、60秒の条件で行われ、露光後のフォトレジスト200がテトラメチルアンモニウムヒドロキド(TMAH)により現像される。
このようなフォト工程20における露光時の、ブラインド44の設定位置の正常性又は異常性が、フォトレジスト200上の検査パターンc1,c2,c3,c4の転写状況から監視される。
図14〜図18は第1の実施の形態に係るフォトマスクを用いた露光の説明図である。図14〜図18において、(A)は露光装置のブラインドとフォトマスクとの位置関係を示す図、(B)はフォトレジスト上における2×2の計4つの露光領域を示す図である。
図14(A)に示す検査パターンc1とそれに対応する開口部d1に着目すると、ブラインド44が正常位置BL−Y2である場合には、転写領域140がYc方向に並ぶような配置で転写された時、フォトレジスト200には検査パターンc1が転写される。
図14(A)に示す検査パターンc2とそれに対応する開口部d2に着目すると、ブラインド44が正常位置BL−X1である場合には、転写領域140がXc方向に並ぶような配置で転写された時、フォトレジスト200には検査パターンc2が転写される。
図14(A)に示す検査パターンc3とそれに対応する開口部d3に着目すると、ブラインド44が正常位置BL−Y1である場合には、転写領域140がYc方向に並ぶような配置で転写された時、フォトレジスト200には検査パターンc3が転写される。
図14(A)に示す検査パターンc4とそれに対応する開口部d4に着目すると、ブラインド44が正常位置BL−X2である場合には、転写領域140がXc方向に並ぶような配置で転写された時、フォトレジスト200には検査パターンc4が転写される。
上記のようにブラインド44の開口の4辺がいずれも正常位置BL−X1,BL−X2,BL−Y1,BL−Y2である場合、フォトレジスト200上の、デバイス領域210とそれを囲むスクライブ領域220を含む露光領域201は、図14(B)に示すようになる。即ち、ブラインド44によって開口部d1,d2,d3,d4が遮光されるため、それらにそれぞれ対応するいずれの検査パターンc1,c2,c3,c4も、フォトレジスト200に転写される。従って、フォトレジスト200について、検査パターンc1,c2,c3,c4を用いた検査が可能となり、検査による合否判定が行われ、合格であれば次工程に進められ、不合格であればフォトレジスト200の再生処理が行われる。
一方、例えば図15(A)に示すように、ブラインド44の開口の4辺のうち、1辺が異常位置BL−Y2bである場合、転写領域140がYc方向に並ぶような配置で転写された時、フォトレジスト200には一部の検査パターンc1が転写されない。この場合、フォトレジスト200上の露光領域201は、図15(B)に示すようになる。図15(B)には便宜上、フォトレジスト200に転写されない一部の検査パターンc1の箇所を点線で図示している。ブラインド44で開口部d1が遮光されないため、或る露光領域201の露光時に開口部d1を通過する光により、隣接する露光領域201の検査パターンc1の箇所が2重露光される。そのため、フォトレジスト200には、検査パターンc2,c3,c4は転写されるが、一部の検査パターンc1は転写されず、検査パターンc1が欠落した箇所ができる。従って、フォトレジスト200について、検査パターンc1,c2,c3,c4を用いた検査が不能となり、例えばコンピュータ(プロセッサ)を用いて行われる検査処理時に測定エラーが発生する。このように検査が不能となることから、露光装置40においてブラインド44の設定位置が異常であることを監視することができる。
その他の検査パターンc2と開口部d2、検査パターンc3と開口部d3、及び検査パターンc4と開口部d4についても同様である。
例えば図16(A)に示すように、ブラインド44の開口の4辺のうち、1辺が異常位置BL−X1bである場合、転写領域140がXc方向に並ぶような配置で転写された時、フォトレジスト200には一部の検査パターンc2が転写されない。この場合のフォトレジスト200上の露光領域201は、図16(B)に示すようになる。図16(B)には便宜上、フォトレジスト200に転写されない一部の検査パターンc2の箇所を点線で図示している。ブラインド44で開口部d2が遮光されないため、一部の検査パターンc2が転写されずに欠落する。従って、フォトレジスト200の検査が不能となることから、露光装置40においてブラインド44の設定位置が異常であることを監視することができる。
また、図17(A)に示すように、ブラインド44の開口の4辺のうち、1辺が異常位置BL−Y1bである場合、転写領域140がYc方向に並ぶような配置で転写された時、フォトレジスト200には一部の検査パターンc3が転写されない。この場合のフォトレジスト200上の露光領域201は、図17(B)に示すようになる。図17(B)には便宜上、フォトレジスト200に転写されない一部の検査パターンc3の箇所を点線で図示している。ブラインド44で開口部d3が遮光されないため、一部の検査パターンc3が転写されずに欠落する。従って、フォトレジスト200の検査が不能となることから、露光装置40においてブラインド44の設定位置が異常であることを監視することができる。
更にまた、図18(A)に示すように、ブラインド44の開口の4辺のうち、1辺が異常位置BL−X2bである場合、転写領域140がXc方向に並ぶような配置で転写された時、フォトレジスト200には一部の検査パターンc4が転写されない。この場合のフォトレジスト200上の露光領域201は、図18(B)に示すようになる。図18(B)には便宜上、フォトレジスト200に転写されない一部の検査パターンc4の箇所を点線で図示している。ブラインド44で開口部d4が遮光されないため、一部の検査パターンc4が転写されずに欠落する。従って、フォトレジスト200の検査が不能となることから、露光装置40においてブラインド44の設定位置が異常であることを監視することができる。
ブラインド44の開口の4辺のうち、1辺に異常がある場合を例示したが、2辺以上に異常がある場合には、図15〜図18に示したような一部の検査パターンが欠落した状況が複合的に発生することになる。この場合も、フォトレジスト200の検査が不能となるため、ブラインド44の設定位置が異常であることを監視することができる。
第1の実施の形態に係るフォトマスク100Aによれば、フォト工程20で処理されるフォトレジスト200毎に、その検査パターンc1,c2,c3,c4の転写状況から、ブラインド44の設定位置について、露光装置40の状態を監視することができる。
このように露光装置40のブラインド44の設定異常を常時監視することで、それに起因したパターン不良を抑え、高精度にパターニングされたフォトレジスト200を得ることが可能になる。また、そのようなフォトレジスト200を用いることで、高品質の半導体装置を歩留り良く製造することが可能になる。
検査パターンc1,c2,c3,c4は、転写領域140の最外周に位置するスクライブ領域120のほか、最外周よりも内側に位置するスクライブ領域120に設けられてもよい。この場合、転写領域140の最外周よりも内側に位置するスクライブ領域120に設けられた検査パターンc1,c2,c3,c4のそれぞれに対応して、遮光領域150に開口部d1,d2,d3,d4が設けられる。
図19は第1の実施の形態に係るフォトマスクの別の構成例を示す図である。図19には、フォトマスクの別例の平面模式図を示している。
図19に示すフォトマスク100Bは、転写領域140の最外周よりも内側に位置するスクライブ領域120、即ち転写領域140内の隣接するデバイス領域110間に位置するスクライブ領域120に設けられた、光源で解像可能な検査パターンc1,c2,c3,c4を含む。フォトマスク100Bの遮光領域150には、これらの検査パターンc1,c2,c3,c4にそれぞれ対応する光源で解像可能な開口部d1,d2,d3,d4が設けられる。
フォトマスク100Bの開口部d1,d2,d3,d4は、フォトマスク100Bが上記のような露光装置40にセットされてフォトレジスト200が露光される際、ブラインド44が正常位置にある時にそのブラインド44で遮光される部位に設けられる。
開口部d1は、転写領域140がYc方向に並ぶような配置でフォトレジスト200上の隣接露光領域に転写された時に、検査パターンc1と重複する部位に設けられる。開口部d2は、転写領域140がXc方向に並ぶような配置でフォトレジスト200上の隣接露光領域に転写された時に、検査パターンc2と重複する部位に設けられる。開口部d3は、転写領域140がYc方向に並ぶような配置でフォトレジスト200上の隣接露光領域に転写された時に、検査パターンc3と重複する部位に設けられる。開口部d4は、転写領域140がXc方向に並ぶような配置でフォトレジスト200上の隣接露光領域に転写された時に、検査パターンc4と重複する部位に設けられる。
フォトマスク100Bでは、上記フォトマスク100Aと同様に、露光装置40を用いた露光の際、ブラインド44が正常位置の時は、開口部d1,d2,d3,d4が遮光され、フォトレジスト200上に検査パターンc1,c2,c3,c4が転写される。
一方、ブラインド44が異常位置にあり、開口部d1,d2,d3,d4の少なくとも1つが遮光されない時には、フォトレジスト200上に検査パターンc1,c2,c3,c4の少なくとも1つが転写されなくなる。その結果、フォトレジスト200は検査不能となる。
フォトマスク100Bによっても、フォト工程20で処理されるフォトレジスト200毎に、その検査パターンc1,c2,c3,c4の転写状況から、ブラインド44の設定位置について、露光装置40の状態を監視することができる。
このように露光装置40のブラインド44の設定異常を常時監視することで、それに起因したパターン不良を抑え、高精度にパターニングされたフォトレジスト200を得ることが可能になる。また、そのようなフォトレジスト200を用いることで、高品質の半導体装置を歩留り良く製造することが可能になる。
上記のフォトマスク100A,100Bにおいて、例えば、遮光領域150の開口部d1,d2,d3,d4は、転写領域140に近付けて配置する(そのような配置となるように対応する検査パターンc1,c2,c3,c4をスクライブ領域120に配置する)。開口部d1,d2,d3,d4を転写領域140に近付けると、ブラインド44の正常位置からの僅かなずれに対しても、対応する検査パターンc1,c2,c3,c4の一部がフォトレジスト200上で欠落するようになる。そのため、ブラインド44の異常を高感度で監視することが可能になる。
また、上記のフォトマスク100A,100Bにおいて、検査パターンc1,c2,c3,c4の各々は、1種の検査マーク単体を形成するためのパターンでもよいし、1種又は複数種の検査マーク群の集合を形成するためのパターンでもよい。検査パターンc1,c2,c3,c4の各々を、検査マーク群の集合を形成するためのパターンとする場合、その検査マーク群は、スクライブ領域120の幅方向と直交する方向に並設されてもよいし、スクライブ領域120の幅方向に並設されてもよい。
また、上記のフォトマスク100A,100Bのように、検査パターンc1,c2,c3,c4とそれらにそれぞれ対応する開口部d1,d2,d3,d4とを設ける手法は、ポジ型のフォトマスクとネガ型のフォトマスクのいずれにも採用することができる。
次に、第2の実施の形態について説明する。
図20は第2の実施の形態に係るフォトマスクの構成例を示す図である。図20には、フォトマスクの一例の平面模式図を示している。
図20に示すフォトマスク100Cは、隣接するデバイス領域110間に位置するスクライブ領域120に設けられた光源で解像可能な検査パターンc1,c2,c3,c4、及びそれらにそれぞれ対応するように遮光領域150に設けられた光源で解像可能な開口部d1,d2,d3,d4を含む。開口部d1,d2,d3,d4はそれぞれ、対応する検査パターンc1,c2,c3,c4が配置されるスクライブ領域120の延長線上に設けられる。
フォトマスク100Cでは、上記のような露光装置40を用いてデバイス領域110の回路パターンをフォトレジスト200に転写する際の、照明光学系フレアの影響を監視する。転写される回路パターンに照明光学系フレアが及ぼす影響と近い情報が監視されるように、隣接するデバイス領域110間のスクライブ領域120に検査パターンc1,c2,c3,c4が設けられ、その延長線上に開口部d1,d2,d3,d4が設けられる。
フォトマスク100Cの作製は、上記フォトマスク100Aについて述べたのと同様の方法で行われる。
フォトマスク100Cを用いたフォト工程20の一例と、その際の照明光学系フレアの監視について、以下に述べる。ここでは、ロジックLSI等の半導体装置の製造における、ArFエキシマレーザー(波長193nm)を光源41とする露光装置40を用いた、トランジスタゲート形成用のフォトレジストパターンの形成工程を例にする。
まず、ポリシリコン等のゲート材料が、例えば90nmの厚さで形成された基板300上に、BARCが所定の厚さ、例えば80nmの厚さで塗布され、ベーク処理が所定の条件、例えば200℃、90秒の条件で行われる。その後、フォトレジスト200として、ArF用のポジ型の化学増幅型フォトレジストが所定の厚さ、例えば0.25μmの厚さで塗布され、ベーク処理が所定の条件、例えば120℃、90秒の条件で行われる。このようにしてフォトレジスト200等が設けられた基板300が、露光装置40のステージ47上にセットされる。また、露光装置40には、上記のようにして作製されるフォトマスク100Cがセットされる。フォトマスク100Cとしては、例えば、6%透過型ハーフトーン位相シフトレチクルが使用される。
露光装置40の光源41から、波長193nmのArFエキシマレーザー光が照射され、フライアイレンズ42及びコンデンサレンズ43等で整形されてブラインド44を通過した光が、フォトマスク100Cに照射される。フォトマスク100Cを通過して縮小投影レンズ46で縮小された光により、ステージ47上の基板300に設けられたフォトレジスト200が露光される。例えば、露光量が200J/m2、フォーカス値が−0.05μmの条件で、フォトレジスト200が露光される。
このようなフォトレジスト200の露光が、ステージ47によってその露光領域が変えられて、ステップアンドリピートで繰り返し行われる。
その後、ベーク処理が所定の条件、例えば120℃、90秒の条件で行われ、露光後のフォトレジスト200がTMAHにより現像される。
このようなフォト工程20における露光時の、照明光学系フレアの影響が、フォトレジスト200上の検査パターンc1,c2,c3,c4の転写状況から監視される。
図21は第2の実施の形態に係るフォトマスクを用いた露光の説明図である。
図21には、フォトマスク100Cとして、光源で解像可能な検査パターンc1,c2,c3,c4の各々の隣接位置に、各々と同種の光源で解像可能な検査パターンe1,e2,e3,e4を並設したものを例示している。検査パターンe1,e2,e3,e4はいずれも、検査パターンc1,c2,c3,c4よりも内側に配置される。検査パターンc1,c2,c3,c4のそれぞれに対応する遮光領域150の部位は、光源で解像可能な開口部d1,d2,d3,d4とされ、検査パターンe1,e2,e3,e4のそれぞれに対応する遮光領域150の部位は、遮光部f1,f2,f3,f4とされる(遮光領域150の遮光部のままとされる)。
開口部d1は、転写領域140がYc方向に並ぶような配置でフォトレジスト200上の隣接露光領域に転写された時に、検査パターンc1と重複する部位に設けられる。開口部d2は、転写領域140がXc方向に並ぶような配置でフォトレジスト200上の隣接露光領域に転写された時に、検査パターンc2と重複する部位に設けられる。開口部d3は、転写領域140がYc方向に並ぶような配置でフォトレジスト200上の隣接露光領域に転写された時に、検査パターンc3と重複する部位に設けられる。開口部d4は、転写領域140がXc方向に並ぶような配置でフォトレジスト200上の隣接露光領域に転写された時に、検査パターンc4と重複する部位に設けられる。
このような開口部d1,d2,d3,d4の、各々の外側の隣接位置に、遮光部f1,f2,f3,f4が設けられる。
図21に示すようなフォトマスク100Cが用いられ、例えばブラインド44の開口の4辺がいずれも正常位置BL−X1,BL−X2,BL−Y1,BL−Y2に設定された露光装置40により、フォトレジスト200がステップアンドリピートで露光される。
ここで、開口部d1,d2,d3,d4は、ブラインド44で遮光はされるものの、露光装置40で発生する照明光学系フレアが通過し得る。
例えば検査パターンc1は、それに対応して開口部d1が設けられているため、転写領域140がYc方向に並ぶような配置で転写された時、開口部d1を通過する照明光学系フレアの影響を大きく受ける。一方、検査パターンe1は、それに対応する部位が遮光部f1になっているため、転写領域140がYc方向に並ぶような配置で転写された時、検査パターンc1に比べて照明光学系フレアの影響が小さくなる。
その他の検査パターンc2,c3,c4も同様に、それらに対応して開口部d2,d3,d4が設けられているため、転写領域140がそれぞれXc,Yc,Xc方向に並ぶような配置で転写された時、照明光学系フレアの影響を大きく受ける。一方、検査パターンe2,e3,e4は、それらに対応する部位が遮光部f2,f3,f4になっているため、転写領域140がそれぞれXc,Yc,Xc方向に並ぶような配置で転写された時、検査パターンc2,c3,c4に比べて照明光学系フレアの影響が小さくなる。
フォトレジスト200に転写される検査パターンc1,e1間、検査パターンc2,e2間、検査パターンc3,e3間、及び検査パターンc4,e4間にはそれぞれ、互いの照明光学系フレアの影響が異なることで、パターン差が生じる。例えば、パターン差として、その幅や長さ等のサイズに差が生じる。このようなパターン差に基づき、露光装置40の照明光学系フレアを監視することができる。
例えば、照明光学系フレアに起因して生じるパターン差について予め閾値を設定しておき、測定されたパターン差と、設定された閾値との比較により、照明光学系フレアが製造上許容される程度のものであるか否かを判定する。尚、このようなパターン差の検出、パターン差の閾値との比較、及び比較に基づく判定の処理は、コンピュータ(プロセッサ)を用いて実現することができる。
このように第2の実施の形態に係るフォトマスク100Cによれば、フォト工程20で処理されるフォトレジスト200毎に、その検査パターンc1,c2,c3,c4及び検査パターンe1,e2,e3,e4の転写状況から、照明光学系フレアについて、露光装置40の状態を監視することができる。
このように露光装置40の照明光学系フレアの増大を常時監視することで、それに起因したパターン不良を抑え、高精度にパターニングされたフォトレジスト200を得ることが可能になる。また、そのようなフォトレジスト200を用いることで、高品質の半導体装置を歩留り良く製造することが可能になる。
上記のフォトマスク100Cにおいて、検査パターンc1,c2,c3,c4及び検査パターンe1,e2,e3,e4の各々は、1種の検査マーク単体を形成するためのパターンでもよいし、1種又は複数種の検査マーク群の集合を形成するためのパターンでもよい。検査パターンc1,c2,c3,c4及び検査パターンe1,e2,e3,e4の各々を、検査マーク群の集合を形成するためのパターンとする場合、その検査マーク群は、スクライブ領域120の幅方向と直交する方向に並設されてもよいし、スクライブ領域120の幅方向に並設されてもよい。
また、上記のフォトマスク100Cのように、検査パターンc1,c2,c3,c4及び検査パターンe1,e2,e3,e4とそれらにそれぞれ対応する開口部d1,d2,d3,d4及び遮光部f1,f2,f3,f4とを設ける手法は、ポジ型のフォトマスクとネガ型のフォトマスクのいずれにも採用することができる。
また、ここでは、照明光学系フレアによって検査パターンc1,c2,c3,c4と検査パターンe1,e2,e3,e4との間に生じるパターン差を監視する例を示した。このほか、検査パターンc1,c2,c3,c4及び検査パターンe1,e2,e3,e4として、電気的検査が可能なトランジスタ等の検査モニタを形成するためのパターンを設け、形成される検査モニタ間の電気的特性差を監視するようにしてもよい。
また、照明光学系フレアの監視を目的とする場合には、必ずしも上記のような4つの検査パターンc1,c2,c3,c4とそれらに対応する4つの開口部d1,d2,d3,d4を設けることを要しない。更に、必ずしも上記のような4つの検査パターンc1,c2,c3,c4に並設される検査パターンe1,e2,e3,e4とそれらに対応する4つの遮光部f1,f2,f3,f4を設けることを要しない。例えば、1つの検査パターンc1とそれに対応する開口部d1、或いは1組の検査パターンc1,e1とそれらに対応する開口部d1及び遮光部f1のみで、照明光学系フレアを監視することもできる。
尚、第1の実施の形態で述べたフォトマスク100A,100Bで露光装置40の照明光学系フレアを監視することも可能であり、また、第2の実施の形態で述べたフォトマスク100Cで露光装置40のブラインド44の設定異常を監視することもできる。
以上述べたようなフォト工程20を含む製造プロセスを経て半導体装置群が形成された基板300は、そのダイシング領域(スクライブ領域120,220に相当する位置)で切断され、個片化される。これにより、個々の半導体装置が形成される。
以上の説明では、半導体装置の製造を例にしたが、上記第1の実施の形態及び第2の実施の形態で述べた手法は、半導体装置の製造に限らず、フォト工程を含む各種電子装置の製造に同様に採用することができる。