JP2018069842A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】ウェット性能を維持しつつ低騒音化を図ることのできる空気入りタイヤを提供すること。【解決手段】タイヤ周方向に延びる複数の周方向主溝10と、タイヤ幅方向に延びる複数のラグ溝20と、ラグ溝20と周方向主溝10とにより区画される複数のブロック30と、を備え、周方向主溝10は、タイヤ周方向に延びつつタイヤ幅方向に繰り返し屈曲しており、複数のラグ溝20は、周方向主溝10に対してタイヤ幅方向における両側から接続されるラグ溝20同士でタイヤ周方向における位置が異なっており、ブロック30は、タイヤ幅方向において最も内側に位置する部分である最内部32が、当該ブロック30に向かってタイヤ幅方向における内側から開口するラグ溝20のタイヤ回転方向後ろ側の溝壁22の当該ブロック30の方向への延長線25上またはタイヤ回転方向における延長線25の後ろ側に位置する。【選択図】図2

Description

本発明は、空気入りタイヤに関する。
空気入りタイヤでは、濡れた路面の走行時におけるトレッド面と路面との間の水の排水等を目的としてトレッド面に溝が複数形成されているが、一方で、トレッド面の溝は、偏摩耗や乗り心地の低下の原因にもなる。このため、従来の空気入りタイヤの中には、溝の形状や配置を工夫することにより、偏摩耗の低減や乗り心地を確保しているものがある。
例えば、特許文献1に記載された空気入りタイヤは、いわゆるブロックパターンにおける溝幅や、所定の領域同士の間でのランド比、溝の角度を規定することにより、排水性能と耐摩耗性能とをバランス良く向上させている。また、特許文献2に記載された空気入りタイヤは、ブロックパターンにおける所定の領域のランド比や溝幅、溝同士の溝幅の比率を規定することにより、乗り心地性や排水性能を維持しつつランフラット性能を向上させている。また、特許文献3に記載された空気入りタイヤは、ブロックパターンにおける所定の領域同士の間での溝幅の比率を規定することにより、ウェット性能と耐摩耗性能とをバランス良く向上させている。また、特許文献4に記載された空気入りタイヤは、回転方向が指定されたブロックパターンの主溝の形状や横溝の傾斜方向、横溝の形態を規定することにより、ウェット性能と耐偏摩耗性能とをバランス良く向上させている。また、特許文献5に記載された空気入りタイヤは、ブロックパターンにおける周方向溝と横溝の形態を規定することにより、騒音の低減と偏摩耗の抑制を図っている。
特開2014−125109号公報 特開2014−94683号公報 特開2015−74247号公報 特開2015−116845号公報 特開2010−116096号公報
ここで、近年は、車両の走行時に空気入りタイヤの接地領域から発せられる通過音の低減の要求がある。通過音は、トレッド面が接地した際における打音が、タイヤ幅方向に延びるラグ溝を通ってタイヤ幅方向外側に抜けることにより大きくなり易くなるので、ラグ溝の溝幅や溝深さを制限してラグ溝の容積を小さくすることにより、ある程度は抑えることができる。しかし、ラグ溝は排水性に寄与するため、ラグ溝の容積を小さくすることは、排水性の低下につながり、濡れた路面でのトラクション性能等の走行性能であるウェット性能の低下につながる。このため、ウェット性能の低下を抑えつつ低騒音化を図るのは、大変困難なものとなっていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ウェット性能を維持しつつ低騒音化を図ることのできる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る空気入りタイヤは、回転方向が指定された空気入りタイヤであって、トレッド面に形成され、タイヤ周方向に延びる複数の周方向主溝と、前記トレッド面に形成され、タイヤ幅方向に延びる複数のラグ溝と、タイヤ周方向における両側が前記ラグ溝により区画され、タイヤ幅方向における少なくとも一方の端部が前記周方向主溝により区画される複数のブロックと、を備え、前記周方向主溝は、タイヤ周方向に延びつつタイヤ幅方向に繰り返し屈曲しており、複数の前記ラグ溝は、前記周方向主溝に対してタイヤ幅方向における両側から接続される前記ラグ溝同士でタイヤ周方向における位置が異なっており、前記ブロックは、タイヤ幅方向において最も内側に位置する部分である最内部が、当該ブロックに向かってタイヤ幅方向における内側から開口する前記ラグ溝のタイヤ回転方向後ろ側の溝壁の当該ブロックの方向への延長線上またはタイヤ回転方向における前記延長線の後ろ側に位置することを特徴とする。
また、上記空気入りタイヤにおいて、前記延長線から前記最内部までのタイヤ周方向における距離Sは、前記ブロックに向かって開口する前記ラグ溝の溝幅WLとの関係が0≦S≦(WL/2)の範囲内であることが好ましい。
また、上記空気入りタイヤにおいて、前記ブロックに向かって開口する前記ラグ溝の溝幅WLは、4mm≦WL≦10mmの範囲内であることが好ましい。
また、上記空気入りタイヤにおいて、前記周方向主溝は、タイヤ回転方向において前記最内部よりも前側の溝幅Wfと後ろ側の溝幅Wbとの関係が0.8≦(Wb/Wf)≦1.0の範囲内であることが好ましい。
また、上記空気入りタイヤにおいて、前記周方向主溝は、タイヤ回転方向において前記最内部よりも前側の溝深さDfと後ろ側の溝深さDbとの関係が0.8≦(Db/Df)≦1.0の範囲内であることが好ましい。
本発明に係る空気入りタイヤは、ウェット性能を維持しつつ低騒音化を図ることができる、という効果を奏する。
図1は、実施形態に係る空気入りタイヤのトレッド面を示す平面図である。 図2は、図1のA部詳細図である。 図3は、図2のB部詳細図である。 図4は、図2のC部詳細図である。 図5は、図3のD部詳細図である。 図6は、図4のE部詳細図である。 図7は、図3のF−F断面図である。 図8Aは、空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図表である。 図8Bは、空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図表である。
以下に、本発明に係る空気入りタイヤの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能、且つ、容易に想到できるもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
以下の説明において、タイヤ幅方向とは、空気入りタイヤの回転軸と平行な方向をいい、タイヤ幅方向内側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道線に向かう方向、タイヤ幅方向外側とは、タイヤ幅方向においてタイヤ赤道線に向かう方向の反対方向をいう。また、タイヤ径方向とは、タイヤ回転軸と直交する方向をいい、タイヤ周方向とは、タイヤ回転軸を中心として回転する方向をいう。
図1は、実施形態に係る空気入りタイヤのトレッド面を示す平面図である。図1に示す空気入りタイヤ1は、タイヤ径方向の最も外側となる部分にトレッド部2が配設されており、トレッド部2の表面、即ち、当該空気入りタイヤ1を装着する車両(図示省略)の走行時に路面と接触する部分は、トレッド面3として形成されている。トレッド面3には、タイヤ周方向に延びる周方向主溝10と、タイヤ幅方向に延びるラグ溝20とが、それぞれ複数形成されており、この周方向主溝10とラグ溝20とにより、陸部であるブロック30が複数形成されている。つまり、ブロック30は、タイヤ周方向における両側がラグ溝20により区画され、タイヤ幅方向における少なくとも一方の端部が周方向主溝10により区画されており、これにより各ブロック30は、略四角形の形状になっている。
詳しくは、周方向主溝10は、5本がタイヤ幅方向に並んで形成されており、5本の周方向主溝10は、それぞれタイヤ周方向に延びつつ、タイヤ幅方向に繰り返し屈曲して形成されている。即ち、タイヤ周方向に延在する周方向主溝10は、タイヤ周方向に延びつつタイヤ幅方向に振幅するジグザグ状に形成されている。5本の周方向主溝10のうち、タイヤ幅方向における中央に位置する周方向主溝10はセンター周方向主溝10aになっており、センター周方向主溝10aに隣り合ってタイヤ幅方向におけるセンター周方向主溝10aの両側に位置する2本の周方向主溝10は、ミドル周方向主溝10bになっており、タイヤ幅方向における最外側に位置する2本の周方向主溝10は、ショルダー周方向主溝10cになっている。
また、ラグ溝20は、周方向主溝10を貫通しておらず、周方向主溝10を介して隣り合うラグ溝20同士は、タイヤ周方向における位置が異なる位置に形成されている。つまり、複数のラグ溝20は、周方向主溝10に対してタイヤ幅方向における両側から接続されるラグ溝20同士でタイヤ周方向における位置が異なっている。また、周方向主溝10同士の間に位置するラグ溝20のうち、センター周方向主溝10aとミドル周方向主溝10bとの間に位置するラグ溝20はセンターラグ溝20aになっており、隣り合うミドル周方向主溝10bとショルダー周方向主溝10cとの間に位置するラグ溝20はミドルラグ溝20bになっており、タイヤ幅方向におけるショルダー周方向主溝10cの外側に位置するラグ溝20はショルダーラグ溝20cになっている。
ここでいう周方向主溝10は、溝幅が5mm以上20mm以下の範囲内になっており、溝深さが10mm以上30mm以下の範囲内になっている。また、ラグ溝20は、溝幅が4mm以上20mm以下の範囲内になっており、溝深さが5mm以上30mm以下の範囲内になっている。また、ラグ溝20は、タイヤ幅方向に延びつつタイヤ周方向に傾斜していてもよく、本実施形態は、ラグ溝20は、タイヤ周方向に対するタイヤ幅方向への傾斜角度が、45°以上になっている。
周方向主溝10とラグ溝20とにより区画されるブロック30は、隣り合う周方向主溝10同士の間と、タイヤ幅方向における最外側に位置する2本の周方向主溝10のそれぞれのタイヤ幅方向における外側に配設されている。また、ブロック30は、タイヤ幅方向における位置がほぼ同じ位置となる複数のブロック30が、ラグ溝20を介してタイヤ周方向に連なって並ぶことにより、列状に形成されるブロック列35を構成している。ブロック列35は、5本の周方向主溝10同士の間の4箇所と、タイヤ幅方向における最外側に位置する2本の周方向主溝10の、タイヤ幅方向外側の2箇所に形成されることにより、合計で6列が形成されている。6列のブロック列35のうち、センター周方向主溝10aとミドル周方向主溝10bとの間に位置するブロック列35はセンターブロック列35aになっており、隣り合うミドル周方向主溝10bとショルダー周方向主溝10cとの間に位置するブロック列35はミドルブロック列35bになっており、タイヤ幅方向におけるショルダー周方向主溝10cの外側に位置するブロック列35はショルダーブロック列35cになっている。トレッド面3には、この6列のブロック列35がタイヤ幅方向に並んでいる。本実施形態に係る空気入りタイヤ1のトレッド面3のトレッドパターンは、このように陸部が複数のブロック30より構成される、いわゆるブロックパターンになっている。
また、本実施形態に係る空気入りタイヤ1は、車両装着時での回転方向が指定された空気入りタイヤ1になっている。以下の説明では、タイヤ回転方向における前側とは、空気入りタイヤ1を指定方向に回転させた際における回転方向側であり、空気入りタイヤ1を車両に装着して指定方向に回転させて走行する場合において、先に路面に接地したり先に路面から離れたりする側である。また、タイヤ回転方向における後ろ側とは、空気入りタイヤ1を指定方向に回転させた際における回転方向の反対側であり、空気入りタイヤ1を車両に装着して指定方向に回転させて走行する場合において、後から路面に接地したり後から路面から離れたりする側である。各ラグ溝20は、タイヤ赤道線CL側からタイヤ幅方向における外側に向かうに従って、タイヤ回転方向における後ろ側に向かう方向に傾斜している。即ち、ラグ溝20は、タイヤ周方向に延びつつ、タイヤ幅方向における内側から外側に向かうに従って、タイヤ回転方向における後ろ側に向かう方向に傾斜している。なお、ラグ溝20は、ブロック30のタイヤ周方向を区画する全ての位置でタイヤ幅方向に延びつつタイヤ周方向に傾斜していなくてもよい。ラグ溝20は、ブロック30のタイヤ回転方向における前側を区画する部分の少なくとも一部が、タイヤ赤道線CL側からタイヤ幅方向における外側に向かうに従ってタイヤ回転方向における後ろ側に向かう方向に傾斜していればよい。
また、6列が設けられるブロック列35のうち、2列のセンターブロック列35aと2列のミドルブロック列35bとの4列のブロック列35が有する各ブロック30には、それぞれサイプ40が形成されている。各ブロック30に形成されるサイプ40は、タイヤ周方向に屈曲しながらタイヤ幅方向に延びて形成されており、詳しくは、タイヤ周方向に屈曲しながら、ラグ溝20と平行な方向に延びている。このように各ブロック30において振幅しながらタイヤ幅方向に延びるサイプ40は、各ブロック30のタイヤ周方向における中央付近に形成されており、タイヤ幅方向における両端が、各ブロック30のタイヤ幅方向における両側を区画する周方向主溝10にそれぞれ開口している。
ここでいうサイプ40は、トレッド面3に細溝状に形成されるものであり、空気入りタイヤ1を正規リムにリム組みし、正規内圧の内圧条件で、無負荷時にはサイプ40を構成する壁面同士が接触しないが、平板上で垂直方向に負荷させたときの平板上に形成される接地領域の部分にサイプ40が位置する際、またはサイプ40が形成されるブロック30の倒れ込み時には、当該サイプ40を構成する壁面同士、或いは壁面に設けられる部位の少なくとも一部が、ブロック30の変形によって互いに接触するものをいう。正規リムとは、JATMAで規定する「標準リム」、TRAで規定する「Design Rim」、或いは、ETRTOで規定する「Measuring Rim」である。また、正規内圧とは、JATMAで規定する「最高空気圧」、TRAで規定する「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に記載の最大値、或いはETRTOで規定する「INFLATION PRESSURES」である。本実施形態では、サイプ40は、溝幅が0.5mm以上2.0mm以下の範囲内になっており、溝深さが5mm以上25mm以下の範囲内になっている。
図2は、図1のA部詳細図である。各ブロック列35におけるブロック30は、周方向主溝10がジグザグ状に形成されることにより、ブロック30におけるタイヤ幅方向内側の側面31も、タイヤ周方向に延びつつタイヤ幅方向に振幅している。このようにタイヤ幅方向に振幅するブロック30のタイヤ幅方向内側の側面31は、タイヤ幅方向における内側に凸となって突出する突出部を1箇所有しており、この突出部は、ブロック30における、タイヤ幅方向において最も内側に位置する部分である最内部32となって形成されている。つまり、周方向主溝10のジグザグの振幅のタイヤ周方向のピッチは、タイヤ周方向におけるブロック30同士のピッチと同じ長さになっており、周方向主溝10は、1つのブロック30が位置する範囲では、タイヤ周方向におけるブロック30の中央付近の1箇所の位置で、タイヤ幅方向内側に突出している。このように、周方向主溝10における、ブロック30のタイヤ周方向中央付近の1箇所の位置でタイヤ幅方向内側に突出している部分に位置して、ブロック30の側面31がタイヤ幅方向内側に突出している部分が、ブロック30の最内部32になっている。
各周方向主溝10同士の間に配設されるラグ溝20は、ジグザグ状に形成される周方向主溝10の屈曲部付近にそれぞれ接続される。詳しくは、各ラグ溝20は、周方向主溝10の屈曲部における、凸となっている側にそれぞれ接続されている。つまり、周方向主溝10の屈曲部が、タイヤ幅方向内側に凸となっている部分では、ラグ溝20は周方向主溝10に対してタイヤ幅方向内側から接続され、周方向主溝10の屈曲部が、タイヤ幅方向外側に凸となっている部分では、ラグ溝20は周方向主溝10に対してタイヤ幅方向外側から接続される。
また、周方向主溝10の屈曲部がタイヤ幅方向内側に凸となっている部分に接続されるラグ溝20は、タイヤ幅方向における外側の端部が、周方向主溝10に対して、ブロック30の最内部32の近傍で最内部32よりもタイヤ回転方向における前側の位置に接続されている。換言すると、周方向主溝10に接続されるラグ溝20のタイヤ幅方向外側の端部は、周方向主溝10を挟んでブロック30に向かって最内部32の近傍で、タイヤ幅方向における内側から開口している。即ち、ラグ溝20は、周方向主溝10に開口する開口部21が、周方向主溝10を挟んでブロック30のタイヤ幅方向内側の側面31に対向している。
例えば、センターラグ溝20aのタイヤ幅方向外側の端部側の開口部21は、ミドルブロック列35bが有するブロック30のタイヤ幅方向内側の側面31に対して、ミドル周方向主溝10bを挟んで対向している。また、ミドルラグ溝20bのタイヤ幅方向外側の端部側の開口部21は、ショルダーブロック列35cが有するブロック30のタイヤ幅方向内側の側面31に対して、ショルダー周方向主溝10cを挟んで対向している。
図3は、図2のB部詳細図である。図4は、図2のC部詳細図である。ブロック30は、最内部32が、当該ブロック30に向かってタイヤ幅方向における内側から開口するラグ溝20の、タイヤ回転方向後ろ側の溝壁22の当該ブロック30の方向への延長線25上、またはタイヤ回転方向における、延長線25の後ろ側に位置している。例えば、ミドルブロック列35bが有するブロック30は、最内部32が、センターラグ溝20aの、タイヤ回転方向後ろ側の溝壁22の延長線25上、またはタイヤ回転方向における、延長線25の後ろ側に位置している。また、ショルダーブロック列35cが有するブロック30は、最内部32が、ミドルラグ溝20bの、タイヤ回転方向後ろ側の溝壁22の延長線25上、またはタイヤ回転方向における、延長線25の後ろ側に位置している。
この場合における延長線25は、ブロック30のタイヤ幅方向内側の側面31に対して周方向主溝10を挟んで開口部21が対向するラグ溝20の、溝幅方向における両側の溝壁22のうち、タイヤ回転方向における後ろ側の溝壁22を、ブロック30が位置する方向、即ち、タイヤ幅方向外側に延ばした延長線25になっている。各ブロック30の最内部32は、タイヤ回転方向における位置が、この延長線25上に位置しているか、延長線25よりもタイヤ回転方向における後ろ側に位置している。
周方向主溝10の屈曲部がタイヤ幅方向内側に凸となっている部分では、ラグ溝20は、これらのようにタイヤ回転方向における後ろ側の溝壁22の延長線25が、ブロック30の最内部32のタイヤ回転方向における前側に位置する位置に接続される。このため、周方向主溝10におけるブロック30のタイヤ幅方向内側の側面31を区画する部分のうち、タイヤ回転方向においてブロック30の最内部32よりも前側の部分を前方部11とし、最内部32よりも後ろ側の部分を後方部12とした場合に、ラグ溝20は、周方向主溝10の前方部11に接続される。この場合における前方部11は、ジグザグ状に形成される周方向主溝10において、タイヤ幅方向内側からタイヤ幅方向外側に向かうに従ってタイヤ回転方向前側に向かう方向に傾斜する部分になっており、後方部12は、タイヤ幅方向内側からタイヤ幅方向外側に向かうに従ってタイヤ回転方向後ろ側に向かう方向に傾斜する部分になっている。
図5は、図3のD部詳細図である。図6は、図4のE部詳細図である。ラグ溝20の溝壁22の延長線25に対するブロック30の最内部32の位置は、詳しくは、延長線25から最内部32までのタイヤ周方向における距離Sと、ブロック30に向かって開口するラグ溝20の開口幅WAとの関係が、0≦S≦(WA/2)の範囲内となる位置になっている。例えば、ミドルブロック列35bが有するブロック30の最内部32は、センターラグ溝20aのタイヤ回転方向後ろ側の溝壁22の延長線25から最内部32までのタイヤ周方向における距離Sと、センターラグ溝20aの開口幅WAとの関係が、0≦S≦(WA/2)の範囲内となる位置になっている。また、ショルダーブロック列35cが有するブロック30の最内部32は、ミドルラグ溝20bのタイヤ回転方向後ろ側の溝壁22の延長線25から最内部32までのタイヤ周方向における距離Sと、ミドルラグ溝20bの開口幅WAとの関係が、0≦S≦(WA/2)の範囲内となる位置になっている。
なお、この場合におけるラグ溝20の開口幅WAは、ラグ溝20が有する、対向するそれぞれの溝壁22の、タイヤ幅方向における外側の端部同士の距離になっている。また、開口部21に面取り23が形成される場合は、面取り23も溝壁22とし、ラグ溝20の開口幅WAは、面取り23も含めた溝壁22の端部同士の距離になっている。このため、ラグ溝20の開口部21に面取り23が形成される場合は、ラグ溝20の開口幅WAは、面取り23における周方向主溝10側の位置を溝壁22の端部とする、溝壁22の端部同士の距離になっている。
また、ブロック30のタイヤ幅方向内側の側面31に向かって開口するラグ溝20の溝幅WLは、4mm≦WL≦10mmの範囲内になっている(図3、図4)。つまり、ミドルブロック列35bが有するブロック30の側面31に向かって開口するセンターラグ溝20aの溝幅WLや、ショルダーブロック列35cが有するブロック30の側面31に向かって開口するミドルラグ溝20bの溝幅WLは、それぞれ4mm≦WL≦10mmの範囲内になっている。
また、周方向主溝10は、前方部11の溝幅Wfと、後方部12の溝幅Wbとの関係が、0.8≦(Wb/Wf)≦1.0の範囲内になっている。例えば、ミドル周方向主溝10bは、ミドルブロック列35bが有するブロック30の最内部32よりもタイヤ回転方向における前側の部分である前方部11の溝幅Wfと、最内部32よりもタイヤ回転方向における後ろ側の部分である後方部12の溝幅Wbとの関係が、0.8≦(Wb/Wf)≦1.0の範囲内になっている。また、ショルダー周方向主溝10cは、ショルダーブロック列35cが有するブロック30の最内部32よりもタイヤ回転方向における前側の部分である前方部11の溝幅Wfと、最内部32よりもタイヤ回転方向における後ろ側の部分である後方部12の溝幅Wbとの関係が、0.8≦(Wb/Wf)≦1.0の範囲内になっている。
なお、周方向主溝10の前方部11内で溝幅Wfが変化したり、後方部12内で溝幅Wbが変化したりする場合には、それぞれ幅が最も狭い部分同士の溝幅Wf、Wbが、0.8≦(Wb/Wf)≦1.0の範囲内になっている。
図7は、図3のF−F断面図である。また、周方向主溝10は、周方向主溝10におけるブロック30のタイヤ幅方向内側の側面31を区画する部分のうち、前方部11の溝深さDfと後方部12の溝深さDbとの関係が、0.8≦(Db/Df)≦1.0の範囲内になっている。この場合のおける溝深さDf、Dbは、前方部11と後方部12とで、それぞれ最も浅い部分同士の溝深さDf、Dbになっている。例えば、周方向主溝10は、後方部12に底上げ部13が形成されることにより、後方部12における底上げ部13が形成されている部分の溝深さDbが、前方部11の溝深さDfよりも浅くなっている。
なお、底上げ部13は、後方部12の一部に形成されていてもよく、後方部12の全体に形成されていてもよい。また、底上げ部13は前方部11に形成されていてもよく、この場合、前方部11の底上げ部13の位置での溝深さDfが、後方部12の底上げ部13の位置での溝深さDb以上の深さであればよい。周方向主溝10の前方部11と後方部12の溝深さDf、Dbは、前方部11と後方部12との形態に関わらず、前方部11において最も浅い部分の溝深さDfと後方部12において最も浅い部分の溝深さDbとが、0.8≦(Db/Df)≦1.0の範囲内になっていればよい。
これらのように構成される本実施形態に係る空気入りタイヤ1は、用途が重荷重用空気入りタイヤになっている。この空気入りタイヤ1を車両に装着する際には、リムホイールにリム組みしてインフレートした状態で車両に装着する。リムホイールにリム組みした状態の空気入りタイヤ1は、例えばトラックやバス等の大型の車両に装着して使用される。
空気入りタイヤ1を装着した車両が走行すると、トレッド面3のうち下方に位置するトレッド面3が路面に接触しながら当該空気入りタイヤ1は回転する。空気入りタイヤ1を装着した車両で乾燥した路面を走行する場合には、主にトレッド面3と路面との間の摩擦力により、駆動力や制動力を路面に伝達したり、旋回力を発生させたりすることにより走行する。また、濡れた路面を走行する際には、トレッド面3と路面との間の水が周方向主溝10やラグ溝20等に入り込み、これらの溝でトレッド面3と路面との間の水を排水しながら走行する。これにより、トレッド面3は路面に接地し易くなり、トレッド面3と路面との間の摩擦力により、車両は走行することが可能になる。
また、本実施形態に係る空気入りタイヤ1は、回転方向が指定されていると共に周方向主溝10がジグザグ状に形成されており、ブロック30の最内部32が、当該ブロック30に向かってタイヤ幅方向における内側から開口するラグ溝20のタイヤ回転方向後ろ側の溝壁22の延長線25上またはタイヤ回転方向における延長線25の後ろ側に位置している。これにより、空気入りタイヤ1のトレッド面3が路面に接地する際に発生する音が周囲に広がることを抑制でき、トレッド面3が路面に接地しながら空気入りタイヤ1が回転する際に発生する騒音を低減することができる。
つまり、ブロック30が路面に接地した際には打音が発生し、この音が圧縮された周方向主溝10やラグ溝20を通って、路面に対するトレッド面3の接地領域の外に音が出ることにより、この音が騒音になる。また、接地圧は、タイヤ幅方向における接地領域の両端側よりも中央付近の方が高いため、打音はトレッド面3のタイヤ幅方向における中央付近、即ち、タイヤ赤道線CL付近で大きな音が発生し易くなる。タイヤ赤道線CL付近で発生した音は、周方向主溝10やラグ溝20に分散して流れ、ラグ溝20に流れた音は、タイヤ幅方向外側に向けてラグ溝20内を流れる。ラグ溝20内を流れる音は、ラグ溝20のタイヤ幅方向における外側の端部が接続されている周方向主溝10の位置まで流れたら、この周方向主溝10内に流れる。
その際に、本実施形態に係る空気入りタイヤ1は、周方向主溝10がジグザグ状に形成され、ブロック30の最内部32が、ラグ溝20のタイヤ回転方向後ろ側の溝壁22の延長線25上か延長線25の後ろ側に位置しているため、ラグ溝20から周方向主溝10に流れた音は周方向主溝10における最内部32よりもタイヤ回転方向前側に流れる。即ち、ジグザグ状に形成される周方向主溝10は、タイヤ周方向における最内部32の両側のいずれの部分においても、最内部32からタイヤ周方向に離れるに従って、タイヤ幅方向内側からタイヤ周方向外側に向かう方向に傾斜している。
換言すると、周方向主溝10は、最内部32よりもタイヤ回転方向前側に位置する部分である前方部11は、タイヤ幅方向内側からタイヤ周方向外側に向かうに従ってタイヤ回転方向における前側に向かう方向に傾斜している。反対に、周方向主溝10における、最内部32よりもタイヤ回転方向後ろ側に位置する部分である後方部12は、タイヤ幅方向内側からタイヤ周方向外側に向かうに従ってタイヤ回転方向における後ろ側に向かう方向に傾斜している。
この周方向主溝10に接続されるラグ溝20は、タイヤ回転方向における後ろ側の溝壁22が、最内部32よりもタイヤ回転方向前側に位置する位置に接続されるため、ラグ溝20は、周方向主溝10における前方部11の位置に接続されている。ラグ溝20内を流れる音は、タイヤ幅方向における内側から外側に向かって流れるため、ラグ溝20内から周方向主溝10内に流れた音は、前方部11における、タイヤ幅方向内側から外側に向かう際の傾斜方向である、タイヤ回転方向前側に流れる。このように、ラグ溝20内から周方向主溝10内に流れた音は、前方部11を通って大部分がタイヤ回転方向における前側に流れる。
周方向主溝10内を流れる音は、タイヤ回転方向前側に流れつつ、タイヤ幅方向内側からタイヤ幅方向外側に流れるため、周方向主溝10内を流れる音は、周方向主溝10に対してタイヤ幅方向外側からラグ溝20が接続されている部分で、当該ラグ溝20内に流れる。ラグ溝20内に流れた音は、ラグ溝20内をタイヤ幅方向内側からタイヤ幅方向外側に流れ、ラグ溝20のタイヤ幅方向外側の端部が接続される周方向主溝10内を流れ、周方向主溝10の前方部11に沿って、タイヤ回転方向前側に流れる。
例えば、センターブロック列35aが有するブロック30の接地時に発生した打音がセンターラグ溝20a内に流れた場合には、センターラグ溝20a内を流れる音は、タイヤ幅方向における外側に流れてミドル周方向主溝10b内に流れる。その際に、センターラグ溝20a内からミドル周方向主溝10b内に流れる音は、ミドル周方向主溝10bの後方部12にはあまり流れずに、多くが前方部11に流れる。即ち、センターラグ溝20aからミドル周方向主溝10bに流れる音は、ミドル周方向主溝10b内でタイヤ回転方向における前側に向かって流れる。
このようにミドル周方向主溝10b内を流れる音は、ミドル周方向主溝10bにおけるミドルラグ溝20bが接続されている部分で、ミドル周方向主溝10b内をタイヤ回転方向前側に向かってさらに流れる音と、ミドルラグ溝20b内に流れる音に分散される。このうち、ミドルラグ溝20b内に流れた音は、ミドルラグ溝20b内をタイヤ幅方向外側に向かって流れ、ショルダー周方向主溝10c内に流れる。
ミドルラグ溝20b内からショルダー周方向主溝10c内に音が流れる場合も、センターラグ溝20a内からミドル周方向主溝10b内に流れる場合と同様に、多くがショルダー周方向主溝10cにおける前方部11に流れ、タイヤ回転方向における前側に向かって流れる。ショルダー周方向主溝10c内をタイヤ回転方向における前側に流れる音は、ショルダー周方向主溝10cにおけるショルダーラグ溝20cが接続されている部分で、ショルダー周方向主溝10c内をタイヤ回転方向前側に向かってさらに流れる音と、ショルダーラグ溝20c内に流れる音に分散される。このうち、ショルダーラグ溝20c内に流れた音は、ショルダーラグ溝20c内をタイヤ幅方向外側に向かって流れ、ショルダーラグ溝20cにおけるタイヤ幅方向外側の端部付近から接地領域の外側に放出される。
周方向主溝10内やラグ溝20内を流れる音は、このようにタイヤ幅方向内側からタイヤ幅方向外側に向かいつつ、タイヤ回転方向における前側に流れるため、接地領域内のみを流れ易くなり、空気入りタイヤ1の回転に伴ってタイヤ回転方向における後ろ側には流れ難くなる。これにより、周方向主溝10内やラグ溝20内を流れる音が、一気に解放されることによって大きな音となって放出されることを抑制できる。つまり、内部に音が流れている周方向主溝10やラグ溝20が、空気入りタイヤ1の回転によって、接地領域のタイヤ回転方向後ろ側まで移動した場合、これらの溝内を流れる音は、接地領域の外に一気に解放されることになる。この場合、溝内で圧縮されていた空気が短時間で解放されることになり、大きな音となって放出されて騒音の原因になる。
これに対し、本実施形態に係る空気入りタイヤ1では、周方向主溝10内やラグ溝20内を流れる音は、タイヤ幅方向内側からタイヤ幅方向外側に向かうに従って、タイヤ回転方向における前側に流れるため、接地領域のタイヤ幅方向における両側から徐々に放出される。これにより、小さな音の状態で接地領域の外に放出することができるため、ブロック30が路面に接地した際の打音が接地領域の外に放出される際の音を、小さな音で放出することができ、騒音を低減することができる。
なお、濡れた路面を走行する際に、周方向主溝10内やラグ溝20内を流れる水は、音がこれらの溝内を流れる場合と同様に、タイヤ幅方向内側からタイヤ幅方向外側に向かうに従ってタイヤ回転方向における前側に流れるため、トレッド面3と路面との間の水は、これらの間から排出され難くなる。しかし、本実施形態に係る空気入りタイヤ1は、重荷重用空気入りタイヤになっており、トレッド面3の単位面積あたりの荷重が大きくなっている。このため、濡れた路面を走行する場合でも、この荷重によってトレッド面3は路面との間で摩擦力を確保することができ、トラクション性能を確保することができる。これにより、濡れた路面を走行する際の性能であるウェット性能を確保することができる。これらの結果、ウェット性能を維持しつつ低騒音化を図ることができる。
また、ラグ溝20の、タイヤ回転方向における後ろ側の溝壁22の延長線25から、ブロック30の最内部32までのタイヤ周方向における距離Sと、ラグ溝20の開口幅WAとの関係が0≦S≦(WA/2)の範囲内であるため、排水性の低下を抑えつつ、ラグ溝20内から周方向主溝10内に流れた音をタイヤ回転方向における前側に流すことができる。つまり、延長線25と最内部32と距離Sとラグ溝20の開口幅WAとの関係が、S<0である場合は、ラグ溝20から周方向主溝10に流れる音を、周方向主溝10の前方部11に流し難くなるため、音をタイヤ回転方向における前側に流し難くなる。また、延長線25と最内部32と距離Sとラグ溝20の開口幅WAとの関係が、S>(WA/2)である場合は、ラグ溝20の開口部21に対して最内部32がタイヤ回転方向における後ろ側に離れ過ぎるため、音はタイヤ回転方向における前側により流れ易くなるが、これと共に水もタイヤ回転方向における前側により流れ易くなる。この場合、トレッド面3と路面との間の水が、接地領域のタイヤ回転方向における後ろ側から接地領域の外に排出され難くなり、排水性が低くなり過ぎる可能性がある。
これに対し、延長線25と最内部32と距離Sとラグ溝20の開口幅WAとの関係が0≦S≦(WA/2)の範囲内である場合は、排水性の低下を抑えつつ、ラグ溝20内から周方向主溝10内に流れた音を、より確実にタイヤ回転方向における前側に流すことができる。これらの結果、より確実にウェット性能を維持しつつ低騒音化を図ることができる。
また、ブロック30に向かって開口するラグ溝20の溝幅WLは、4mm≦WL≦10mmの範囲内であるため、接地領域の外に放出される音の量を低減しつつ、ラグ溝20での排水性を確保することができる。つまり、ブロック30に向かって開口するラグ溝20の溝幅WLが4mm未満である場合は、ラグ溝20の溝幅WLが狭すぎるため、ラグ溝20に流れ込む水の量やラグ溝20内での水の流れ易さが低下し、排水性が低くなり過ぎる可能性がある。また、ブロック30に向かって開口するラグ溝20の溝幅WLが10mmを超える場合は、ラグ溝20内を音が流れ易くなるため、接地領域から外に放出される音の量が多くなり、騒音を低減し難くなる可能性がある。これに対し、ブロック30に向かって開口するラグ溝20の溝幅WLが、4mm≦WL≦10mmの範囲内である場合は、ブロック30の接地時に発生する音がラグ溝20内を流れることによって接地領域の外に放出される量を低減しつつ、ラグ溝20での排水性を確保することができる。これらの結果、より確実にウェット性能を維持しつつ低騒音化を図ることができる。
また、周方向主溝10は、前方部11の溝幅Wfと後方部12の溝幅Wbとの関係が、0.8≦(Wb/Wf)≦1.0の範囲内であるため、より確実に排水性を確保しつつ、騒音を低減することができる。つまり、周方向主溝10の前方部11の溝幅Wfと後方部12の溝幅Wbとの関係が(Wb/Wf)<0.8である場合は、後方部12の溝幅Wbが狭すぎるため、周方向主溝10をタイヤ回転方向における後ろ側に流れる水の量が少なくなり過ぎる可能性がある。この場合、トレッド面3と路面との間の水が、接地領域のタイヤ回転方向における後ろ側から接地領域の外に排出され難くなり、排水性が低くなり過ぎる可能性がある。また、周方向主溝10の前方部11の溝幅Wfと後方部12の溝幅Wbとの関係が(Wb/Wf)>1.0である場合は、後方部12の溝幅Wbが広すぎるため、ラグ溝20内から周方向主溝10内に流れた音が、後方部12側に流れ易くなり、タイヤ回転方向における後ろ側に流れ易くなる可能性がある。この場合、ブロック30の接地時に発生した音が、接地領域のタイヤ回転方向における後ろ側から接地領域の外に放出され易くなるため、騒音を低減し難くなる可能性がある。これに対し、周方向主溝10の前方部11の溝幅Wfと後方部12の溝幅Wbとの関係が、0.8≦(Wb/Wf)≦1.0の範囲内である場合は、後方部12の溝幅Wbを適切な大きさにすることによって排水性を確保しつつ、周方向主溝10内でタイヤ回転方向における後ろ側に流れる音を適切に抑えることにより、騒音を低減することができる。この結果、より確実にウェット性能を維持しつつ低騒音化を図ることができる。
また、周方向主溝10は、前方部11の溝深さDfと後方部12の溝深さDbとの関係が、0.8≦(Db/Df)≦1.0の範囲内であるため、より確実に排水性を確保しつつ、騒音を低減することができる。つまり、周方向主溝10の前方部11の溝深さDfと後方部12の溝深さDbとの関係が(Db/Df)<0.8である場合は、後方部12の溝深さDbが浅すぎるため、周方向主溝10をタイヤ回転方向における後ろ側に流れる水の量が少なくなり過ぎる可能性がある。この場合、トレッド面3と路面との間の水が、接地領域のタイヤ回転方向における後ろ側から接地領域の外に排出され難くなり、排水性が低くなり過ぎる可能性がある。また、周方向主溝10の前方部11の溝深さDfと後方部12の溝深さDbとの関係が(Db/Df)>1.0である場合は、後方部12の溝深さDbが深すぎるため、ラグ溝20内から周方向主溝10内に流れた音が、後方部12側に流れ易くなり、タイヤ回転方向における後ろ側に流れ易くなる可能性がある。この場合、ブロック30の接地時に発生した音が、接地領域のタイヤ回転方向における後ろ側から接地領域の外に放出され易くなるため、騒音を低減し難くなる可能性がある。これに対し、周方向主溝10の前方部11の溝深さDfと後方部12の溝深さDbとの関係が、0.8≦(Db/Df)≦1.0の範囲内である場合は、後方部12の溝深さDbを適切な深さにすることによって排水性を確保しつつ、周方向主溝10内でタイヤ回転方向における後ろ側に流れる音を適切に抑えることにより、騒音を低減することができる。この結果、より確実にウェット性能を維持しつつ低騒音化を図ることができる。
なお、上述した実施形態に係る空気入りタイヤ1では、周方向主溝10は5本が形成され、ブロック列35は6列が形成されているが、周方向主溝10やブロック列35は、これ以外の数で形成されていてもよい。周方向主溝10やブロック列35の数に関わらず、周方向主溝10がタイヤ周方向に延びつつタイヤ幅方向に繰り返し屈曲し、ブロック30の最内部32が、ラグ溝20の延長線25上または延長線25のタイヤ回転方向における後ろ側に位置していればよい。
また、上述した実施形態に係る空気入りタイヤ1では、ラグ溝20のタイヤ幅方向外側の端部と周方向主溝10との接続部分では、いずれの接続部分においてもブロック30の最内部32が、ラグ溝20の延長線25上または延長線25のタイヤ回転方向における後ろ側に位置しているが、全ての接続部分でこのように構成されていなくてもよい。ブロック30の最内部32が、ラグ溝20の延長線25上または延長線25のタイヤ回転方向における後ろ側に位置するのは、一部のラグ溝20と周方向主溝10との接続部分であってもよい。この場合、複数の周方向主溝10のうち、少なくともタイヤ幅方向において最も外側に位置する周方向主溝10に対してタイヤ幅方向外側の端部が接続されるラグ溝20と、当該周方向主溝10との接続部分では、前記の構成であるのが好ましい。
〔実施例〕
図8A、図8Bは、空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図表である。以下、上記の空気入りタイヤ1について、従来例の空気入りタイヤと、本発明に係る空気入りタイヤ1とについて行なった性能の評価試験について説明する。性能評価試験は、空気入りタイヤ1の転動に伴って発生する音である通過騒音と、濡れた路面を走行する際における走行性能であるウェット性能とについての試験を行った。
性能評価試験は、ETRTOで規定されるタイヤの呼びが315/70R22.5サイズの空気入りタイヤ1を正規リムにリム組みして、空気圧を900kPaに調整し、トラクターヘッド(2−D)の試験車両に装着してテスト走行をすることにより行った。各試験項目の評価方法は、通過騒音については、ECE R117−02(ECE Regulation No.117Revision 2)に定めるタイヤ騒音試験法に従って測定した車外通過音の大きさによって評価した。この試験では、試験車両を騒音測定区間の十分前から走行させ、当該区間の手前でエンジンを停止し、惰行走行させた時の騒音測定区間における最大騒音値dB(周波数800Hz〜1200Hzの範囲の騒音値)を、基準速度に対し±10km/hの速度範囲をほぼ等間隔に8以上に区切った複数の速度で測定し、平均を車外通過騒音とした。最大騒音値dBは、騒音測定区間内の中間点において走行中心線から側方に7.5m、且つ路面から1.2mの高さに設置した定置マイクロフォンを用いてA特性周波数補正回路を通して測定した音圧dB(A)である。通過騒音は、この測定結果を、後述する従来例を100とする指数で表し、数値が大きいほど音圧dBが小さく、通過騒音に対する性能が優れていることを示している。
また、ウェット性能については、トレーラーにタイヤを装着し、水深0.5〜2.0mmの路面において速度50km/hでタイヤがロックする前に生じる最大制動力を測定した。ウェット性能は、この測定結果を、後述する従来例を100とする指数で表し、数値が大きいほど濡れた路面での制動距離が短く、ウェット性能が優れていることを示している。なお、ウェット性能は、従来例と比較して性能が低い場合でも、指数が95以上である場合は、許容範囲内の性能を有しているものとする。
評価試験は、従来の空気入りタイヤの一例である従来例の空気入りタイヤと、本発明に係る空気入りタイヤ1である実施例1〜11との12種類の空気入りタイヤについて行った。これらの空気入りタイヤ1のうち、従来例の空気入りタイヤは、ラグ溝20に対するブロック30の最内部32の位置が、タイヤ回転方向における前側に位置している。
これに対し、本発明に係る空気入りタイヤ1の一例である実施例1〜11は、ラグ溝20に対するブロック30の最内部32の位置が、全てタイヤ回転方向における後ろ側に位置している。また、実施例1〜11に係る空気入りタイヤ1は、ラグ溝20の開口幅WAの1/2の幅に対する、ラグ溝20の溝壁22の延長線25とブロック30の最内部32とのタイヤ周方向における距離Sや、ラグ溝20の溝幅WL、周方向主溝10の前方部11の溝幅Wfや溝深さDfに対する後方部12の溝幅Wbや溝深さDbがそれぞれ異なっている。
これらの空気入りタイヤ1を用いて評価試験を行った結果、図8A、図8Bに示すように、実施例1〜11の空気入りタイヤ1は、従来例に対して、ウェット性能を許容範囲内に維持しつつ、通過騒音についての性能を向上させることができることが分かった。つまり、実施例1〜11に係る空気入りタイヤ1は、ウェット性能を維持しつつ低騒音化を図ることができる、という効果を奏する。
1 空気入りタイヤ
2 トレッド部
3 トレッド面
10 周方向主溝
10a センター周方向主溝
10b ミドル周方向主溝
10c ショルダー周方向主溝
11 前方部
12 後方部
13 底上げ部
20 ラグ溝
20a センターラグ溝
20b ミドルラグ溝
20c ショルダーラグ溝
21 開口部
22 溝壁
23 面取り
25 延長線
30 ブロック
31 側面
32 最内部
35 ブロック列
35a センターブロック列
35b ミドルブロック列
35c ショルダーブロック列
40 サイプ

Claims (5)

  1. 回転方向が指定された空気入りタイヤであって、
    トレッド面に形成され、タイヤ周方向に延びる複数の周方向主溝と、
    前記トレッド面に形成され、タイヤ幅方向に延びる複数のラグ溝と、
    タイヤ周方向における両側が前記ラグ溝により区画され、タイヤ幅方向における少なくとも一方の端部が前記周方向主溝により区画される複数のブロックと、
    を備え、
    前記周方向主溝は、タイヤ周方向に延びつつタイヤ幅方向に繰り返し屈曲しており、
    複数の前記ラグ溝は、前記周方向主溝に対してタイヤ幅方向における両側から接続される前記ラグ溝同士でタイヤ周方向における位置が異なっており、
    前記ブロックは、タイヤ幅方向において最も内側に位置する部分である最内部が、当該ブロックに向かってタイヤ幅方向における内側から開口する前記ラグ溝のタイヤ回転方向後ろ側の溝壁の当該ブロックの方向への延長線上またはタイヤ回転方向における前記延長線の後ろ側に位置することを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記延長線から前記最内部までのタイヤ周方向における距離Sは、前記ブロックに向かって開口する前記ラグ溝の開口幅WAとの関係が0≦S≦(WA/2)の範囲内である請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記ブロックに向かって開口する前記ラグ溝の溝幅WLは、4mm≦WL≦10mmの範囲内である請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記周方向主溝は、タイヤ回転方向において前記最内部よりも前側の溝幅Wfと後ろ側の溝幅Wbとの関係が0.8≦(Wb/Wf)≦1.0の範囲内である請求項1〜3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記周方向主溝は、タイヤ回転方向において前記最内部よりも前側の溝深さDfと後ろ側の溝深さDbとの関係が0.8≦(Db/Df)≦1.0の範囲内である請求項1〜4のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
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