JP2018065963A - パーム空果房由来脱カリウム燃料ペレットの製造システム及び該ペレットの製造方法 - Google Patents

パーム空果房由来脱カリウム燃料ペレットの製造システム及び該ペレットの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】パーム油を搾油する際の残り滓であるパーム空果房からカリウム成分を除去したパーム空果房由来脱カリウム燃料ペレットの製造システム及び該ペレットの製造方法を提供する。
【解決手段】パーム空果房を減容するための減容器、前記減容された前記パーム空果房を加水分解するための加水分解装置、前記加水分解された前記パーム空果房を洗浄するための洗浄・脱水装置、前記洗浄された前記パーム空果房を乾燥するための乾燥装置、並びに前記乾燥された前記パーム空果房をペレット化するペレタイザを具備する。
【選択図】図1

Description

本発明は、アブラヤシ(パーム)からパーム油を搾油する際の残り滓である空果房(EFB;Empty Fruit Bunches)からカリウム成分を除去した燃料ペレット(以下、本願明細書では「パーム空果房由来脱カリウム燃料ペレット」という。)の製造システム及び該ペレットの製造方法に関する。
近年、セラミックス等の化石燃料ペレットに代わり、バイオマス燃料ペレットの研究が盛んにおこなわれている。バイオマス燃料用ペレットは、別名木質ペレットと称されるように、松、ヒノキ、杉などの針葉樹及び/又はヤシ、ケヤキ、ブナなど広葉樹から出るおがくずやかんな屑といった副産物や、これら針葉樹及び/又は広葉樹そのものの樹皮などをペレットにしたものである。
パーム(アブラヤシ)は、東南アジア、中東、アフリカ、中南米に大量に自生することが知られている。最近、パームを用いた油脂類(主にパーム油)の生産量が急速に増加したことにより、その栽培範囲が東南アジアを中心に急速に広がっている。
通常、パームから搾油過程を経てパーム油が得られるが、この過程で多量のパーム副産物が生じることになる。このようなパーム副産物としては、パーム油の採油過程の中で最終的に排出される排出水、パーム加工中の工程水の脱水ケーキ、パームヤシ殻(PKS;Palm Kernel Shell)、パーム核粕(PKE;Palm Kernel Expeller)、オイルパーム幹(OPT;Oil palm trunk)、オイルパーム茎葉(OPF;Oil palm frond)、及び先述のパーム空果房(EFB)などが知られている。EFBとは、パームツリーから採取されたパーム果房(パームの実と称される部分)から実を採取した際に生じる残渣物を言う。
上記のパーム副産物のうち、パーム核粕は主に家畜飼料として、パームヤシ殻はヤシ殻炭としての用途がある一方で、パーム空果房、オイルパーム幹及びオイルパーム茎葉については、パーム核粕やパームヤシ殻よりも大量に産出されるのにかかわらず、用途が定まらないといった問題があった。そして、近年ではオイルパーム幹又はオイルパーム茎葉については、ようやく家畜飼料や肥料の用途が研究され始めてきた。
一方、パーム空果房については、その中に含まれる含有量約2%のカリウム(主に水酸化カリウム)のために、ボイラ等での燃焼処理が難しく、パーム油搾油工場の付近に廃棄されて腐朽するのを待つのみであり、そのため悪臭などの環境問題になり解決が待たれている。言い換えると、パームヤシ殻のように燃料材料に容易に成り得るわけではなく、また家畜飼料や肥料にするにも、成り得るか否かがわからないというのが、実際のところであった。
ここで、カリウムの除去に依らず、アブラヤシの副産物の混合物から燃料ペレットを得るという発明が、例えば特許第5909299号公報(特許文献1)に開示されている。一方で、カリウム除去を考慮したパーム空果房由来のバイオマス炭が、例えば国際公開第2010/123141号(特許文献2)に開示されている。
特許第5909299号公報 国際公開第2010/123141号
しかしながら、特許文献1記載の燃料ペレットは、「パーム加工中の工程水の脱水ケーキ、パームヤシ殻(PKS;Palm Kernel Shell)、パーム空果房(EFB:Empty Fruit Bunch)、OPT(Oil palm trunk)及びOPF(Oil palm frond)からなる群より選択される少なくとも一つの第2のパーム副産物95重量%乃至99重量%との混合物を含有し、水分含量が10重量%以下で、灰融点温度(IDT)が1150℃以上であることを特徴とする、パーム副産物を用いた新再生エネルギー燃料用ペレット」との記載(特許文献1の特許請求の範囲請求項1等参照)はあるが、特許文献1の実施例を参照した場合、パーム核粕と、パームヤシ殻が主成分であり、パーム空果房はあくまで例示に過ぎない。言うなれば、パーム空果房を含んだ燃料ペレットについては記載や示唆が無い。
また、特許文献2におけるバイオマス炭については、カリウム除去について言及は成されているものの、2×10N/m〜1×10N/mという物理的な圧力の条件で加圧処理を行うことにより、それによりカリウム除去を行うという物理的な除去であり、完全にカリウム除去が成されたとは言い難く、また作業スケールもせいぜい数十トンレベルである。そして、場合によっては、材料のパーム副産物の細胞膜はおろか、炭を作る前段階で、パーム副産物が全体的に破壊されてしまう可能性がある。
上記の事情を鑑み、本発明は、パーム油を搾油する際の残り滓であるパーム空果房からカリウム成分を除去したパーム空果房由来脱カリウム燃料ペレットの製造システム及び該ペレットの製造方法を提供する。
上記課題を解決することを目的とした本発明に係るパーム空果房由来脱カリウム燃料ペレットの製造システムは、パーム空果房を減容するための減容器、前記減容された前記パーム空果房を加水分解するための加水分解装置、前記加水分解された前記パーム空果房を洗浄するための洗浄・脱水装置、前記洗浄された前記パーム空果房を乾燥するための乾燥装置、並びに前記乾燥された前記パーム空果房をペレット化するペレタイザを具備することにより、効果的に達成される。
また、本発明に係るパーム空果房由来脱カリウム燃料ペレットの製造システムは、前記減容器は、圧縮減容型であることにより、或いは前記加水分解装置は、廃棄物の投入口、排出口を備えた耐圧容器、前記耐圧容器内で廃棄物を攪拌及び粉砕する攪拌手段、前記耐圧容器内に飽和水蒸気を供給する水蒸気供給手段、前記耐圧容器内の圧力を開閉弁により調節する圧力調節手段、並びに前記各手段を制御する制御手段を具備することにより、或いは前記パーム空果房の加水分解処理は、前記耐圧容器内の温度を180〜230℃、圧力を10〜25気圧に制御して行うことにより、或いは更に前記パーム空果房を洗浄したときに排出される洗浄廃水を貯留するための貯留容器が、前記洗浄・脱水装置に設置されることにより、より効果的に達成される。
また、上記課題を解決することを目的とした本発明に係るパーム空果房由来脱カリウム燃料ペレットの製造方法は、パーム空果房を圧縮減容する圧縮減容工程、前記圧縮減容工程で圧縮減容された前記パーム空果房を加水分解する加水分解工程、前記加水分解工程で加水分解された前記パーム空果房を洗浄・脱水する洗浄・脱水工程、前記洗浄・脱水工程にて排出された洗浄廃水と、前記パーム空果房を含むスラッジとに分離する分離工程、前記分離工程後、前記パーム空果房を含むスラッジを乾燥する乾燥工程、及び前記各工程を経た前記パーム空果房をペレット化するペレット化工程を備え、前記加水分解工程は、飽和水蒸気を用いることにより、効果的に達成される。
また、本発明に係るパーム空果房由来脱カリウム燃料ペレットの製造方法は、前記加水分解工程で使用する前記飽和水蒸気は、温度が180〜230℃であり、圧力が10〜25気圧であることにより、或いは前記洗浄廃水が、肥料として使用されることにより、より効果的に達成される。
本発明のパーム空果房由来脱カリウム燃料ペレットの製造システムにおいては、パーム空果房(EFB)に対して高温・高圧の水蒸気を用いることにより、パーム空果房の細胞膜や維管束が破壊及び軟化され、水酸化カリウムが暴露(曝露)するため、カリウム分をほぼ100%近く除去することができるようになった。
また、本発明に係る製造システム及び製造方法においては、単にパーム空果房由来脱カリウム燃料ペレットの製造のみならず、パーム空果房洗浄の工程において得られた分離水(洗浄廃液)をカリウム含有液体肥料として使用できるようになった。
本発明のパーム空果房由来脱カリウム燃料ペレットの製造システムの概略図である。 本発明のパーム空果房由来脱カリウム燃料ペレットの製造システムにおける加水分解装置の概略図である。 本発明のパーム空果房由来脱カリウム燃料ペレットの製造方法を示すフローチャートである。
本発明に係るパーム空果房由来脱カリウム燃料ペレットの製造システム及び該ペレットの製造方法について、図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明に係るパーム空果房由来脱カリウム燃料ペレットの製造システムの概略図である。図1に示すように、本発明に係るパーム空果房由来脱カリウム燃料ペレット製造システム1は、減容器2、加水分解装置3、洗浄装置4、分離器5、乾燥装置6、ペレタイザ7を具備して成る。次に、各構成要素について説明する。
減容器2は、パーム搾油工場から廃棄されたパーム空果房(EPB)を圧縮減容するための機器である。パーム空果房を減容器2で減容しない場合、減容器2の回転率が上がらず、経済性が悪いためである。なお、減容器2については、圧縮減容式のものであれば市販品を適宜使用すれば良い。また、減容器2から加水分解装置3への配管の有無は、特に限定はない、ちなみに該配管を有する場合は、ベルトコンベア、パイプなど任意の手段を用いればよく、それらと合わせてモーノポンプなどの移送手段を用いてもよい。
加水分解装置3については、図2を参照しながら説明する。図2は、本発明のパーム空果房由来脱カリウム燃料ペレットの製造システムにおける加水分解装置3の概略図である。
11は、パーム空果房を収容し処理するための耐圧容器を示し、11aはパーム空果房の投入口を示し、11bは加水分解処理済パーム空果房の排出口を示している。なお耐圧容器11は密閉構造となっており、投入口11a、排出口11bは弁により開閉可能な構造(図示せず)になっている。更に、耐圧容器11は、密閉構造であるということを順守すれば三重構造、ひいては多重構造といった構造を採ることも可能である。また、耐圧容器11の大きさ、材質、形状等は、特に限定はなく、設置場所や周囲の環境に応じて適宜選択若しくは設計可能である。また、投入口11a、排出口11bの設置場所については、パーム空果房の移送を考慮さえすれば、図2に示すような場所にこだわる必要は無い。
また、耐圧容器11で主に加水分解処理を行うが、180〜230℃、圧力10〜25気圧(atm)の飽和水蒸気を使用するのが望ましい。ちなみに、その構成を採る理由付けや効果については後述する。また、当該加水分解処理については、加水分解処理時間は5〜10分が望ましい。その理由付け等についても後述する。ちなみに、ここで言う、加水分解処理時間とは、耐圧容器11を密閉させて、該容器内部を高温・高圧の飽和水蒸気で昇温・昇圧させたときに、所定の温度及び圧力の状態を維持する時間のことを指す。また、パーム空果房の貯留時間は、この加水分解処理時間に加えて、昇温・加圧時間、常圧に戻す時間を考慮して、大体1時間くらいである。
12は、投入口11aから投入されたパーム空果房を攪拌しながら排出口11bへ移送するための攪拌翼を示す。12aは攪拌翼12の撹拌軸を示し、撹拌軸12aは耐圧容器11内に貫通して設けられている。なお、撹拌翼12の形状は、特に問わないが、パーム空果房の撹拌並びに投入口11aから排出口11bへのパーム空果房の移送を考慮した場合、旋回スクリュー羽根でも良い。更にパーム空果房の粉砕を考慮して、撹拌翼12の端部に刃(図示せず)を設けても良い。なお、この刃については、既知の技術で設けることが可能であり、場合によっては最初から刃が設けられているスクリュー羽根を用いても良い。
13は、撹拌軸12aを回転させるためのモータである。モータ13は正逆回転制御され、投入口11aから投入されたパーム空果房が、耐圧容器11内を前後に排出口11bへと移送されるようになっている。モータ13については正逆回転可能であれば、性能等に関して、特に限定はない。
ここで、パーム空果房は排出口11bへ移送されたのち、洗浄装置4へと更に移送されるが、排出口11b及び洗浄装置4の間の接合手段については、任意のパイプ配管でよく、更に好ましくは該配管にモーノポンプやスネークポンプといった配送手段(図示せず)が設置されているのが望ましい。
14は、耐圧容器11内に、パーム空果房を加水分解するための高温・高圧の水蒸気を供給するボイラを示し、14aは、パーム空果房の加水分解時にボイラ14から耐圧容器11内へ高温・高圧の(飽和)水蒸気を供給するための水蒸気供給管である。
なお、耐圧容器11内に供給する水蒸気の温度、圧力及び/又は供給時間は、処理するパーム空果房の状態(例えば、物体(パーム空果房)表面の付着水と物体内部保有水の含有率の大小等)により調節される。
また、任意でかまわないが、パーム空果房を乾燥させるための高圧の乾燥空気発生装置(図示せず)を設置して、加水分解装置3の構成を成してもよい。
18は耐圧容器11内の温度、圧力、時間を制御する制御装置を示す。該制御装置18は、投入口11a、排出口11b、モータ13、ボイラ14、温度測定ライン15、圧力測定ライン16、及び蒸気排出口17に連結(接続)されている。なおその詳細は図示しないが、この制御装置18については、連結されている投入口11a等の各構成部のコントローラが集約されているようなものであり、制御装置18の製造については任意の手段若しくは方式を取り得る。また、投入口11a等の各構成部と、制御装置9との接続手段については、図2においては有線(ライン)で接続された形態を記しているが、投入口11a等の各構成部並びに制御装置19にセンサ等をそれぞれ設けて、無線の信号接続手段を採用しても良い。また、該制御装置19の役割としては、温度測定ライン15、圧力測定ライン16により測定した耐圧容器11内の温度、圧力に基づいて、加水分解時のボイラ14の水蒸気蒸気の供給量の制御、及び/又は蒸気自動排出開閉弁17の開閉をする。更にまた、制御装置18では耐圧容器11の投入口11a及び/又は排出口11bの開閉の制御、攪拌翼12(モータ13)の正逆回転及び/又は回転速度の制御などを行う。
また、制御装置18や、当該装置に接続されている各構成部については、シーケンサやタイマーなどを設置しても良い。
また、任意に蒸気排出口17には蒸気を濃縮するためのコンデンサ(図示せず)を接続してもよい。
なお、加水分解装置3の態様は、図2に示すものに限らず適宜変更が可能である。
次に、洗浄装置4について説明する。洗浄装置4は、加水分解装置3で細胞膜が破壊され、且つ軟化されたヘドロ状のパーム空果房(含水率70〜80%)を、攪拌水洗及び脱水するための装置である。該パーム空果房は、洗浄装置4にて攪拌水洗することにより、該パーム空果房の中に含まれるカリウム(水酸化カリウム等)が除去される。また、ここでは図示しないが、超音波発生装置を洗浄装置4に併設して、超音波振動を利用して洗浄することも可能である。なお、洗浄装置4については、攪拌水洗可能な構成ならば公知の市販品でかまわない。
次に、分離器5について説明する。分離器5は、カリウム分を含む洗浄廃水と、パーム空果房を含むスラッジとを分離するための装置である。分離器5については、フィルタプレス型の加圧ろ過機であれば市販品でかまわず、またフィルタの形状については任意の形状を採り得る。また、分離器5の加圧圧力等については、その装置で使用できる圧力範囲でかまわない。ちなみに、前記スラッジの含水率は80%以下、望ましくは75%以下にする。なお、その理由については後述する。また、洗浄廃水を貯留しておく貯留容器(図示せず)を分離器5に併設しても構わない。洗浄廃水が、カリウム含有液体肥料に成り得るからである。
次に、乾燥装置6について説明する。乾燥装置6は、洗浄装置4で水洗されてカリウムが除去されたパーム空果房を文字通り乾燥するためである。この装置でパーム空果房の含水率を10%以下にする。ちなみに、乾燥装置5でパーム空果房の含水率を10%以下とする理由付けは、含水率が10%よりも多いとペレット化に時間がかかってしまい、ペレットに成らなかったりする。なお、乾燥装置6については、市販品を適宜使用すれば良い。また、乾燥装置6については、図1に示すようにパーム搾油工場等から出る排熱を利用できるように配管を介して使用できるようにしても良い。
次に、ペレタイザ7は、加水分解処理、洗浄、乾燥を経たパーム空果房をペレット化するものである。基本的には回転ドラム型の市販品で構わない。
なお、ペレタイザ7でペレット化された本発明に係るパーム空果房由来脱カリウム燃料ペレットについては、最終的に含水率が5%未満になる。また、該ペレットは、先述の加水分解装置3のボイラの燃料剤として使用することが可能である。
次に、本発明に係るパーム空果房由来脱カリウム燃料ペレットの製造方法について図3に示すフローチャートを使用して説明する。なお、当該製造方法は、基本的に先述の製造システムを使用する。それに従い、図1若しくは図2を用いて必要に応じて説明する。
先ず、パーム搾油工場等で廃棄されたパーム空果房を、圧縮減容する(ステップS1)。この工程においては、パーム空果房を柔らかくするという理由もあるが、パーム油の搾油後や他のパーム副産物の採取後のパーム空果房は、かさ増しの状態、所謂先に述べたような次の加水分解を行う工程にて、その装置に収まるようにするというのが目的である。なお、圧縮減容に係る圧力については、パーム空果房が次の加水分解工程に用いる加水分解装置(図2の加水分解装置3を参照のこと)に収容できれば良いので、特に限定はない。
次に、ステップS1にて圧縮減容されたパーム空果房を、高温・高圧の(飽和)水蒸気を用いて加水分解を行う(ステップS2)。ここで、ステップS2にて、用いる飽和水蒸気については、温度は、180〜230℃が望ましく、圧力は10〜25気圧(atm)が望ましい。用いる水蒸気の温度が180℃未満であると、細胞膜が十分に破壊されず、またパーム空果房の軟化も十分になされない。また、用いる水蒸気の温度が230℃以上の場合、パーム空果房の細胞膜の破壊や軟化自体は十分になされるものの、効率はさほど上がらない。なお、用いる水蒸気の圧力については、大体温度と比例しており、この圧力範囲を採る理由も温度範囲のものと同じである。なお、ステップS2の加水分解工程における処理時間は、5〜10分くらいが望ましい。ちなみに、この場合における処理時間もまた、上述したように、加水分解をする容器(本発明に係る製造システムにおける加水分解装置3の耐圧容器11に相当)を密閉させて、該容器内部を高温・高圧の飽和水蒸気で昇温・昇圧させたときに、所定の温度及び圧力の状態を維持する時間のことを指す。また、パーム空果房の当該容器内での貯留時間は、この加水分解処理時間に加えて、昇温・加圧時間、常圧に戻す時間を考慮して、大体1時間くらいである。
そしてステップS2の加水分解工程にて、細胞膜が破壊され、且つ軟化されたヘドロ状のパーム空果房(含水率70〜80%)は、図2に示す排出口11bから洗浄装置4へとヘドロ状のまま次の工程に移す。
次に、ステップS2にて加水分解されたパーム空果房を、洗浄する(ステップS3)。この洗浄工程においては主に水で洗浄するが、この時の洗浄回数は、2〜3回である。2回未満であると、パーム空果房内のカリウム分は、十分除去されない。また4回以上であると、カリウム分は十分除去されるが、水の使用が大量になったり、効率がさらに上がるわけではない。また、超音波振動を合わせて用いてもよい。なお、この場合の超音波の発信周波数は30〜200kHzくらいが望ましい。
次に、ステップS3にて洗浄したパーム空果房を、カリウム分を含む洗浄廃水と、パーーム空果房を含むスラッジとに分離する(ステップS4)。この際、該スラッジは、含水率が80%以下、望ましくは75%以下になっていることが好ましい。即ち、ステップS3の前のヘドロ状のパーム空果房と同じくらいの含水率であることが望ましい。なお、ステップS4における分離方法は、任意の公知技術でかまわない。ちなみに、洗浄廃水は、肥料として用いてもよい。
次に、ステップS4にて分離されたスラッジ状のパーム空果房を乾燥する(ステップS5)。なお、ステップS5の工程が終わった時点で、パーム空果房の含水率が、10%以下が望ましい。この含水率に保つ理由は、後述のペレット化をスムーズにするためと、図1に示すペレタイザ6の回転による遠心力で5%程度脱水されるからである。なお、当該含水率が10%よりも多いと、ペレット化がうまくいかない。
次に、ステップS5にて乾燥されたパーム空果房をペレット化する(ステップS6)。このペレット化工程は、図1に示すような円筒状(回転ドラム式)のペレタイザ6を用いて行う。
以上、本発明に係るパーム空果房由来脱カリウム燃料ペレットの製造システム及び該ペレットの製造方法の実施形態を述べたが、本発明は、上記の実施形態にとらわれず、本明細書、図面、及び/又は特許請求の範囲に記載の事項を逸脱しなければ、種々の実施形態を採ることが可能であることは言うまでもない。
上記実施形態に係るパーム空果房由来脱カリウム燃料ペレットの製造方法について、実施例を挙げて更に説明する。なお、本実施例で使用するパーム空果房由来脱カリウム燃料ペレット製造システムについては、図1に記載の製造システム及び図2に記載の加水分解装置3を使用するものとする。
先ず、パーム工場から発生したパーム空果房(EFB)1000L(重量にして500kg)を、減容器2にて500Lにまで減容した。ちなみに、該パーム空果房中のカリウム分の含有量は、2重量%であった。
次に、減容したパーム空果房を、耐圧容器11に投入し、該容器を密閉した。密閉後、ボイラ14から飽和水蒸気を供給することにより、耐圧容器11内部を昇温及び昇圧をして、内部圧力を2MPa(約20気圧)とし、加水分解処理を行った。ちなみに、内部温度は212℃であった。そして、内部圧力を2MPaにして、圧力を20分間維持したのち、耐圧容器11の圧力を常圧にまで下げた。
次に、前記加水分解処理にて加水分解処理されたパーム空果房(処理された該空果房は、飽和水蒸気を含むため、約600kgとなる。)を、耐圧容器11から洗浄装置4へとモーノポンプを介して移送した。そして、洗浄装置4の中に、20トンの水道水を加え、パーム空果房と一緒に10分間攪拌した後、5分間静置して、上澄みの水(洗浄廃水)を除去した。洗浄廃水を除去後、再度洗浄装置4の中に、20トンの水道水を加え、パーム空果房と一緒に10分間攪拌した後、5分間静置して、上澄みの水(洗浄廃水)を除去するという作業を3回繰り返した。
次に、洗浄が終わったスラッジ状のパーム空果房は、モーノポンプを介し、分離器5(バグフィルタ)によりさらに脱水を行った。この脱水分離の時点で、スラッジ状のパーム空果房は、含水率が80%であった。
次に、スラッジ状のパーム空果房を、熱風利用の乾燥装置6で乾燥し、含水率を5%にまで乾燥させた。なお、この工程における乾燥後のパーム空果房のカリウム濃度は、0.04%となり、全体的なカリウム分の除去率は98%程度となった。また、この工程において、乾燥後のスラッジ状のパーム空果房の重量は160kgとなった。
次に、乾燥後のスラッジ状のパーム空果房は、連続式のペレタイザ7にて、本発明に係るパーム空果房由来脱カリウム燃料ペレットとして成形された。
以上、実施例を述べたが、本発明に係る製造システムに係る各構成の大きさや容量などについては、任意に設定可能である。
本発明に係るパーム空果房由来脱カリウム燃料ペレットの製造システム及び該ペレットの製造方法で製造したパーム空果房由来脱カリウム燃料ペレットは、ボイラなどに使用する燃料材としての使用が可能である。
また、該パーム空果房由来脱カリウム燃料ペレットの製造過程で産出された、パーム空果房の洗浄廃液については、カリウム含有液体肥料に使用することが可能である。
1 パーム空果房由来脱カリウム燃料ペレット製造システム
2 減容器
3 加水分解装置
4 洗浄・脱水装置
5 分離器
6 乾燥装置
7 ペレタイザ
11 耐圧容器
12 攪拌翼
13 モータ
14 ボイラ
15 温度検出ライン
16 圧力検出ライン
17 蒸気排出口
18 制御装置

Claims (8)

  1. パーム空果房を減容するための減容器、前記減容された前記パーム空果房を加水分解するための加水分解装置、前記加水分解された前記パーム空果房を洗浄するための洗浄・脱水装置、前記洗浄された前記パーム空果房を乾燥するための乾燥装置、並びに前記乾燥された前記パーム空果房をペレット化するペレタイザを具備するパーム空果房由来脱カリウム燃料ペレットの製造システム。
  2. 前記減容器は、圧縮減容型である請求項1に記載のパーム空果房由来脱カリウム燃料ペレットの製造システム。
  3. 前記加水分解装置は、廃棄物の投入口、排出口を備えた耐圧容器、前記耐圧容器内で廃棄物を攪拌及び粉砕する攪拌手段、前記耐圧容器内に飽和水蒸気を供給する水蒸気供給手段、前記耐圧容器内の圧力を開閉弁により調節する圧力調節手段、並びに前記各手段を制御する制御手段を具備する請求項1又は2に記載のパーム空果房由来脱カリウム燃料ペレットの製造システム。
  4. 前記パーム空果房の加水分解処理は、前記耐圧容器内の温度を180〜230℃、圧力を10〜25気圧に制御して行う請求項1乃至3のいずれか1項に記載のパーム空果房由来脱カリウム燃料ペレットの製造システム。
  5. 更に前記パーム空果房を洗浄したときに排出される洗浄廃水を貯留するための貯留容器が、前記洗浄・脱水装置に設置される請求項1乃至4のいずれか1項に記載のパーム空果房由来脱カリウム燃料ペレットの製造システム。
  6. パーム空果房を圧縮減容する圧縮減容工程、前記圧縮減容工程で圧縮減容された前記パーム空果房を加水分解する加水分解工程、前記加水分解工程で加水分解された前記パーム空果房を洗浄・脱水する洗浄・脱水工程、前記洗浄・脱水工程にて排出された洗浄廃水と、前記パーム空果房を含むスラッジとに分離する分離工程、前記分離工程後、前記パーム空果房を含むスラッジを乾燥する乾燥工程、及び前記各工程を経た前記パーム空果房をペレット化するペレット化工程を備え、
    前記加水分解工程は、飽和水蒸気を用いるパーム空果房由来脱カリウム燃料ペレットの製造方法。
  7. 前記加水分解工程で使用する前記飽和水蒸気は、温度が180〜230℃であり、圧力が10〜25気圧である請求項6に記載のパーム空果房由来脱カリウム燃料ペレットの製造方法。
  8. 前記洗浄廃水が、肥料として使用される請求項6又は7に記載のパーム空果房由来脱カリウム燃料ペレットの製造方法。
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