JP2018064553A - 粉末油脂の製造方法、油脂含有食品の製造方法、及び、粉末油脂 - Google Patents

粉末油脂の製造方法、油脂含有食品の製造方法、及び、粉末油脂 Download PDF

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尚彦 羽田
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明恵 小河原
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崇幸 村上
明音 藤田
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明音 藤田
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Abstract

【課題】酸化安定性や分散性、流動性が十分に優れ、油脂の酸化臭を抑制し、しかも、ポリフェノール等を多く含んだ高機能な粉末油脂の製造方法、油脂含有食品の製造方法、及び、粉末油脂を提供する。
【解決手段】乾燥させたごぼうを粉末状にしたごぼう粉末と、油脂と、を混合することで、前記ごぼう粉末を担体として前記油脂が粉末化した粉末油脂を製造する粉末油脂の製造方法であり、前記ごぼう粉末と、前記油脂とを、分散媒に混合することで乳化液を得る攪拌混合工程S4と、当該乳化液中の分散媒を除去することで、前記粉末油脂を得る乾燥工程S5とを含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、粉末油脂の製造方法、油脂含有食品の製造方法、及び、粉末油脂に関する。
ごぼうの根部は、食物繊維が豊富であり、カフェ酸やクロロゲン酸等のポリフェノールを多く含有している。ポリフェノールは抗酸化作用を有するため、肌の老化を抑制したり、疲労やストレスの蓄積を抑制したりできる等、ポリフェノールの有益性が着目されている。そのため、ポリフェノールを多く含むごぼうは、健康志向の高まりと相俟って、栄養的にも好ましく、古くから多く親しまれている高機能食材である。ただ、ごぼうは、灰汁が強く、また、土臭い。そこで、飲食用食品として加工する際には、例えば灰汁抜き等の処理が行われることも多い。このような処理方法として、例えば特許文献1に記載の技術が知られている。
一方で、食品やサプリメント等の用途として幅広く利用されている成分として、油脂が知られている。油脂はトリアシルグリセロールとも呼ばれ、三つの脂肪酸と、グリセリンとのエステルである。油脂は中性脂肪の一つである。この油脂は、動・植物界に広く分布し、食糧としての用途以外に、工業原料、医薬品としても広い用途がある。最近では、特に油脂は、栄養素として重要な機能を有することが認知されるようになってきた。例えば、ココナッツオイルを代表とする中鎖脂肪酸(MCT;Medium Chain Triglyceride)には脳機能改善効果、特に軽度の認知症予防効果がヒト臨床試験において証明されている。なお、本明細書において、中鎖脂肪酸とは、炭素数が8〜10の脂肪酸のことをいう。
近年、高度不飽和脂肪酸(二つ以上の不飽和結合を有する脂肪酸)を含有する油脂の機能性が注目されている。特に、ω−3系高度不飽和脂肪酸である、α−リノレン酸やエイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)を豊富に含む魚油、えごま油、亜麻仁油等の油脂は、心血管系疾患の予防効果、脳の発達促進作用、記憶学習の維持向上作用、痴呆症の改善、視覚機能の維持向上作用、精神安定化作用、抗腫瘍効果、抗炎症効果等の様々な生理作用を示すことが報告されている。
また、アラキドン酸やγ−リノレン酸等のω−6系高度不飽和脂肪酸を含む油脂についても、肝細胞の保護作用、胃潰瘍予防効果、月経困難症改善効果、血中コレステロール低下作用、アトピー性皮膚炎改善作用等の生理作用が報告されている。最近では、不飽和脂肪酸であるオレイン酸を多く含むオリーブ油やγ−オリザノールを含む米油についても、循環器系の疾患等の予防改善効果が報告されている。
しかしながら、これらの高度不飽和脂肪酸を含有する油脂(高度不飽和脂肪酸含有油脂)は、含まれる二重結合の部分で酸化され易く、通常は安定性が悪い。そして、この酸化により、劣化臭(酸化臭)を発することが知られている。さらには、高度不飽和脂肪酸油脂を水中に良好に分散させておくことが難しいことから、一般加工食品としての用途に限界がある。そのため、特に高度不飽和脂肪酸含有油脂については、高い酸化安定性や流動性が求められている。
一方、他の食品中への油脂の添加を容易にするためには、油脂を粉末状にすることが好ましい。粉末状の油脂、即ち粉末油脂の好ましい性質としては、粉末の流動性が良好であることと、水や水を主成分とする溶液への分散性が良好で、かつ、油脂分の分離が起こらないことである。また、食品用途であることから、粉末の酸化安定性が良好であり、長期間に亘って粉末の風味劣化が起こり難いことも挙げられる。
これについて、粉末油脂の流動性を良好にする方法としては、油脂を被覆するタンパク質からなる被膜を強固にして油脂の浸み出しを防止するという方法がある。この場合、被膜を強固にすることで粉末の流動性を良好にできるというメリットがある。しかし、その反面、油脂を被覆するタンパク質の親水性が損なわれ、水中での粉末油脂の分散性が低下してしまう。
そこで、粉末油脂の水への分散性を高める方法として、油滴の表面を被覆するタンパク質の量を減らすという方法がある。ただ、この場合には、水中での分散性が良好になる反面、被膜からの油脂の浸み出しが起こり易くなり、粉末状の粉末油脂の流動性を高めることが困難になる。
また、粉末油脂の酸化安定性を高める方法として、賦形剤や抗酸化剤、乳化剤等を使用する方法がある。使用される抗酸化剤としては、アスコルビン酸、脂溶性ビタミン、還元型補酵素Q10等、乳化剤としては澱粉加水分解物、有機酸モノグリセリド等が挙げられる。風味劣化を起こさない粉末油脂を製造する場合も、酸化安定性を高める方法と同様に乳化安定性を高める方法としてタンパク質由来の製剤を使う場合が多い。
これらの点を踏まえ、酸化安定性や分散性、流動性を高めることができる粉末油脂を製造する方法として、以下の特許文献2に記載の技術が知られている。
特許文献2には、高度不飽和脂肪酸含有油脂と乾燥原料とを混合することによって得られる粉末油脂であって、該粉末油脂の総量を100質量部とするとき、少なくとも次の成分(A)、(B)及び(C):
(A)1〜70質量部の高度不飽和脂肪酸含有油脂
(B)1〜70質量部のタンパク質含有乾燥物
(C)20〜89質量部の賦形剤
を含有し、さらに、前記タンパク質含有乾燥物のアミノ態窒素濃度と全窒素濃度との比(アミノ態窒素濃度/全窒素濃度)が0.06〜0.8である、粉末油脂が記載されている。
特許第5661263号公報 特開2015−209519号公報
特許文献2に記載された発明では、高度不飽和脂肪酸含有油脂のほか、タンパク質含有乾燥物が含まれており、粉末油脂を構成する成分が多くなる。これにより、水等への分散性が低くなり易い。さらには、特許文献2に記載の技術では、前記のようなごぼうの有する各種機能成分(例えばポリフェノール等)を利用することができない。また、前記したように、高度不飽和脂肪酸含有油脂は酸化され易く、酸化臭が発生し易い。従って、酸化安定性や分散性、流動性に優れつつ、しかも高機能成分を有する粉末油脂が望まれている。
本発明はこのような課題に鑑みて為されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、酸化安定性や分散性、流動性が十分に優れ、油脂の酸化臭を抑制し、しかも、ポリフェノール等を多く含んだ高機能な粉末油脂の製造方法、油脂含有食品の製造方法、及び、粉末油脂を提供することである。
本発明者らは前記課題を解決するために鋭意検討を行った。その結果、以下の知見を見出して本発明を完成させた。即ち、本発明の要旨は、乾燥させたごぼうを粉末状にしたごぼう粉末と、油脂と、を混合することで、前記ごぼう粉末を担体として前記油脂が粉末化した粉末油脂を製造することを特徴とする、粉末油脂の製造方法に関する。その他の解決手段は、発明を実施するための形態において後記する。
本発明によれば、酸化安定性や分散性、流動性が十分に優れ、油脂の酸化臭を抑制し、しかも、ポリフェノール等を多く含んだ高機能な粉末油脂の製造方法、油脂含有食品の製造方法、及び、粉末油脂を提供することができる。
本実施形態の粉末油脂の製造方法を示すフローチャートである。 実施例2で作製した各種粉末油脂についての過酸化物価(POV)の経時変化を示すグラフである。 実施例7で作製した二種の粉末油脂についてのPOVの経時変化を示すグラフである。 実施例8で作製した二種の粉末油脂についてのPOVの経時変化を示すグラフである。 実施例9で作製した二種の粉末油脂についてのPOVの経時変化を示すグラフである。 実施例10で作製した二種の粉末油脂についてのPOVの経時変化を示すグラフである。 実施例11で作製した三種の粉末油脂についてのPOVの経時変化を示すグラフである。 実施例12で作製した二種の粉末油脂についてのPOVの経時変化を示すグラフである。
以下、本発明を実施するための形態(本実施形態)について、図面を適宜参照しながら説明する。なお、以下で説明する内容は、本発明を実施する形態のうちの好ましいものの一例であり、本発明は以下の例に何ら限定されるものではない。
図1は、本実施形態の粉末油脂の製造方法(以下、単に「本実施形態の製造方法」ということがある)を示すフローチャートである。図1に示すように、本実施形態の粉末油脂は、準備工程S1と、ごぼう粉末分散液作製工程S2と、油脂添加工程S3と、攪拌混合工程S4と、乾燥工程S5とを経て製造することができる。以下、各工程について説明する。
準備工程S1は、本実施形態の製造方法において使用される各種原料を準備し、計量する工程である。なお、粉末油脂の製造に使用される各原料が自動で計量されて添加されるような設備が使用される場合には、この準備工程S1は行われなくてもよい。本実施形態の製造方法で使用される原料としては、主として、粉末化される対象となる油脂と、当該油脂を粉末にするための賦形材として機能するごぼう粉末と、の二種である。
油脂としては、食用油脂が使用される。具体的には例えば、魚油、えごま油、亜麻仁油、オリーブ油、米油、ゴマ油、ココナッツ油等が挙げられる。これらのうち、不飽和脂肪酸を含む油脂(不飽和脂肪酸含有油脂)が好ましく、中でも高度不飽和脂肪酸含有油脂がより好ましく、具体的には例えば、α−リノレン酸やエイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)を豊富に含む魚油が好ましい。また、魚油以外にも、魚油以外の油脂として、炭素数が好ましくは8以上、より好ましくは12以上の脂肪酸のトリグリセリドを含む油脂も好ましい。また、脂肪酸の中でも、不飽和脂肪酸が好ましい。例えば、「炭素数が12以上の不飽和脂肪酸」としては、オレイン酸、リノール酸、α−リノレン酸、γ−リノレン酸、アラキドン酸、EPA、DHAが好ましい。なお、油脂は一種が単独で使用されてもよく、二種以上が任意の比率及び組合せで使用されてもよい。
本実施形態では、特に、例えば、α−リノレン酸、EPA、DHA、ドコサペンタエン酸(DPA)、エイコサテトラエン酸(ETA)、ステアリドン酸(STD)などのω−3系高度不飽和脂肪酸を好適に用いることができる。本実施形態においては、ω−3系高度不飽和脂肪酸の中でも、α−リノレン酸、EPA、DHAを特に好適に用いることができる。なお、ω−3系高度不飽和脂肪酸はヒトが合成できない脂肪酸であり、必須脂肪酸とされている。しかし、ω−3系高度不飽和脂肪酸は不飽和結合を2つ以上有しているので酸化安定性が低く、酸化し易いという特性を持っており、抗酸化剤などを用いないと日持ちしないという問題がある。本実施形態では、焙煎ごぼう粉末を用いているので、ω−3系高度不飽和脂肪酸の酸化を防止し、日持ちを良くすることができる。
また、ここで準備される油脂には、粉末油脂に様々な機能成分を付与する観点から、前記油脂に含まれる成分(当該油脂を構成する脂肪酸を含む)とは異なる機能成分、具体的には例えばオレイン酸やリノール酸、α−リノレン酸、γ−リノレン酸、アラキドン酸、EPA、ドコサペンタエン酸、DHA、中鎖脂肪酸、ゴマリグナン、γ−オリザノール、トコトリエノール、トコフェロール、アスタキサンチン、フコキサンチン、クルクミン、レスベラトロール、ビタミンD、ビタミンP、リコピン、カロテン、βクリプトキサンチン等のキサンチン類、ステロール類、糖脂質、リン脂質、スフィンゴ脂質等の油脂又は脂溶性成分のうちの任意の一種以上が含有されてもよい。
特に、前記のような機能成分を含有する油脂又は脂溶性成分を用いると、当該油脂又は脂溶性成分を含んで構成される粉末油脂を摂取した際に、前記機能成分を効率よく摂取することができる。これにより、機能成分による生体の機能向上や機能改善効果を期待することができる。
本実施形態の製造方法において使用されるごぼう粉末としては、乾燥したごぼうを粉砕及び微粉化し、粉末状にしたものである。このごぼう粉末は、ごぼう粒子(粒)が多数集合して構成されるものである。ここで使用可能なごぼう粉末としては、例えば42メッシュ(目開き355μm)の篩にかけて通過したものを使用することができる。即ち、ごぼう粒子は、42メッシュ(目開き355μm)の篩を通過したものである。ただし、一般的に「粉末」といわれる状態になっている「ごぼうの粉末」であれば、それを構成するごぼう粒子の大きさは任意である。なお、ごぼう粉末の平均粒径は、例えば、100μm程度であるのが好ましく、5μm程度であるのがより好ましい。ごぼう粉末の平均粒径を小さくするほど単位質量あたりの表面積が増え、ごぼう粉末と油脂の接触割合が増える。そのため、抗酸化作用が得易く、酸化安定性が高まる。また、ごぼう粉末の平均粒径を小さくすると酸化安定性が高まるので、油脂の酸化臭を抑制する効果を高めることができる。
また、ここで準備するごぼう粉末としては、以下のようにして作製することができる。例えば、まずごぼう(産地や品種は問わない)をささがきにした後、例えば70℃程度で1時間程度放置することで、十分な乾燥が行われる。次いで、必要に応じて、例えば130℃〜180℃程度で5分〜15分程度の焙煎が行われる(焙煎工程)。そして、最後に、例えば、ピンミル粉砕機やジェットミル粉砕機などを使用して粉砕後、上記の篩を使用して分級することで、ごぼう粉末が得られる(なお、焙煎前に予め粉砕しておいてもよい)。焙煎が行われることで、粉末油脂の酸化安定性をさらに高めることができる。また、焙煎が行われることで、ごぼう中のポリフェノール量を増加させて、粉末油脂を摂取した際の抗酸化作用をさらに高めることができる。
また、焙煎温度に関して、臭いが強い油脂を用いる場合には、より高温で焙煎(焙煎強度を強める)したごぼう粉末を使用することで、油脂の臭いや酸化臭をごぼう粉末の焙煎香により抑制(マスキング)することができる。これにより、油脂の不快な臭いを抑え、摂取し易い粉末油脂が得られる。一方で、焙煎温度を低くする(焙煎強度を弱める)と、ごぼう粉末に含まれているポリフェノールの分解を抑制することができる。そのため、粉末油脂中のポリフェノールの含有量をできるだけ多くすることができる。
なお、ここで作製するごぼう粉末については、焙煎は行われなくてもよい。即ち、例えば前記の乾燥が行われた後、焙煎を行わず、そのまま上記の大きさとなるように分級が行われるようにしてもよい。このようにして製造された、乾燥させただけのごぼう粉末は焙煎香を有していないが、乾燥させたごぼう粉末特有の香りを有しているので、当該香りによって油脂の酸化臭を抑制(マスキング)することができる。
また、ここで準備するごぼう粉末は、予め造粒処理を施したものであることが好ましい。即ち、乾燥したごぼうを粉砕して造粒することで得られたごぼう粉末であることが好ましい(造粒工程)。造粒したごぼう粉末を使用することで、吸湿性を抑制することができ、ごぼう粉末が意図せず固化してしまうことを抑制することができる(即ち、ダマになり難い)。また、水溶性を向上させることもできる。
造粒工程は、任意の方法で行うことができる。このとき、造粒工程は、前記の準備工程S1〜乾燥工程S5とは独立して行われてもよく、また、これらの工程と並行して行われてもよい。造粒工程が、前記の準備工程S1〜乾燥工程S5とは独立して行われる場合、各工程(前記の「焙煎工程」を含む)と造粒工程との順番は任意である。また、焙煎工程が、前記の準備工程S1〜乾燥工程S5と並行して行われる場合、どの工程とともに行われるかは任意である。
例えば、市販のハイスピードミキサを使用する場合、前記のごぼう粉末分散液作製工程S2〜乾燥工程S5と造粒工程とを一つの装置で行うことができる。具体的には、造粒可能なハイスピードミキサにごぼう粉末及び水を入れた後に運転を開始し、その後、運転中に油脂を装置内部に滴下しつつ攪拌することで、所望の大きさに造粒された粉末油脂を得ることができる。このようなハイスピードミキサを使用することで、吸湿性が十分に抑制された粉末油脂を得ることができる。
また、前記の例では、分散媒を使用し、粉末油脂が製造されている。分散媒を使用した前記の方法により、性状や物性を制御し易い粉末油脂を製造することができる。一方で、分散媒を使用しないで、粉末油脂を製造することもできる。具体的には、分散媒を使用せず、例えばハイスピードミキサを使用してごぼう粉末を攪拌しつつ、液体の油脂を滴下することで、ごぼう粉末及び油脂を混合し、ごぼう粉末を構成するごぼう粒子を担体とする粉末油脂を得ることができる。ここで使用されるごぼう粉末及び油脂については、前記の例と同じものを使用することができる。分散媒を使用せず、このようなハイスピードミキサを使用することで、粉末油脂の製造コストを削減することができる。
以上のようなごぼう粉末を使用することで、詳細は後記する分散媒(例えば水(湯であってもよい))にごぼう粉末を分散させ易くすることができる。特に、ごぼうには、水溶性と水不溶性(難溶性の概念を含む)との双方の食物繊維が含まれるが、粉末状のごぼう(ごぼう粉末)を使用することで水溶性食物繊維と水との親和性を利用して、水に分散させ易くすることができる。
ごぼう粉末分散液作製工程S2は、分散媒である水に対して、前記のごぼう粉末を添加及び攪拌し、ごぼう粉末が水に分散した分散液(以下、単に「分散液」という)を作製するものである。ここで水に分散されるごぼう粉末は、後記する乾燥工程S5で油脂を粉末化する際の賦形材(「成形材」や「補形材」ともいわれる)として機能する。賦形材とは、取扱い性やその形態を良好に使用するためのものである。本実施形態では、賦形材としてのごぼう粉末が使用されることで、粉末油脂の流動性や分散性の向上が図られている。
水に対するごぼう粉末の添加量としては、特に制限されないが、ごぼう粉末の質量と同じ質量以上の水を使用することが好ましい。具体的には、ごぼう粉末100質量部に対して、例えば100質量部以上の水を添加することが好ましい。このようにすることで、水に対してごぼう粉末が一様に分散した分散液を容易に作製することができる。一方で、使用する水の上限としては、ごぼう粉末100質量部に対して、例えば500質量部以下とすることができる。ただし、後記する乾燥工程S5において水を蒸発させる点を考慮し、多すぎないことが好ましい。
ごぼう粉末が分散される分散媒としては、前記のように水(湯であってもよい)のほか、水を含む任意の水溶液や、例えばアルコールのような水を含まない有機溶媒であってもよい。ただし、有機溶媒は、最終的には完全に除去されることが好ましいことから、分散媒としては、水や、水を含む任意の水溶液であることが好ましい。
また、ごぼう粉末分散液作製工程S2において作製される分散液には、任意の添加剤が含まれていてもよい。添加剤を使用することで、例えば粉末油脂を加工食品等に添加して使用する場合には、その加工性の向上を図ることができる。
添加剤の種類としては、食品用途に通常使用されるものが使用可能であるが、例えば、乳化剤や増粘剤、前記のごぼう粉末以外の賦形材等が挙げられる。ここでいう乳化剤とは、分散液中の油脂を乳化させる機能を有するものである。また、増粘剤とは、分散液中の油脂の粘度を増大させる機能を有するものである。これらのうち、特に、乳化剤及び増粘剤のうちの少なくとも一方を使用することで、粉末油脂の粉末状態での流動性をいっそう良好なものにすることができる。また、食品に粉末油脂を添加した際の油脂の分散性をより向上させることもできる。なお、使用する添加剤は、一種が単独で含まれていてもよく、二種以上が任意の比率及び組合せで含まれていてもよい。
分散液に添加可能な乳化剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、レシチン等が挙げられる。また、分散液に添加可能な増粘剤としては、例えば、キサンタンガム、アラビアガム、カラギナン、ペクチン、グァーガム等が挙げられる。
分散液に添加剤が含まれる場合の添加剤の使用量は、使用するごぼう粉末100質量部に対して例えば0.1質量部以上、また、例えば30質量部以下、好ましくは10質量部以下とすることが望ましい。これにより、後記する乾燥工程S5を経て得られた粉末油脂中に残存する添加剤の量を少量に抑制することができる。そのため、最終的に得られる粉末油脂の構成成分のほとんどを生体に有用な栄養分によって構成することができ、粉末油脂の生体への機能性を高めることができる。なお、揮発が容易な添加剤を使用した場合には、後記する乾燥工程S5において添加剤を揮発させて除去することができる。従って、ごぼう粉末及び油脂以外の成分をできるだけ含まないようにする観点からは、揮発性の高い添加剤を使用することが好ましい。
ごぼう粉末及び水、並びに必要に応じて使用される添加剤を含む分散液を作製する際、ごぼう粉末及び適宜添加剤を分散媒に添加した後、任意の攪拌装置を使用して、十分に攪拌混合することが好ましい。これにより、分散媒中でごぼう粉末がダマになってしまうことを防止することができ、ごぼう粉末を分散媒中で一様に分散させることができる。ただし、例えば乳化剤や増粘剤を使用しない場合、分散媒中のごぼう粉末は、その自重により、沈降する。ただし、この場合でも、以下の油脂添加工程S3において油脂を添加した後に十分に攪拌混合すれば、本発明の効果が十分に奏される。
油脂添加工程S3は、前記のごぼう粉末分散液作製工程S2で作製した分散液に対して油脂を添加する工程である。ここで分散液に添加される油脂は、前記の準備工程S1において準備された油脂である。油脂の添加量は、分散液に含まれるごぼう粉末100質量部(即ち、前記のごぼう粉末分散液作製工程S2において添加されたごぼう粉末100質量部)に対して、1質量部以上500質量部以下であることが好ましい。油脂の使用量をこの範囲にすることで、分散液に添加した油脂を粉末化し易くなる。また、粉末油脂の流動性をより良好にし、さらには、水等における粉末油脂の分散性をさらに高めることができる。なお、油脂の添加量は、前記と同様の観点から、分散液に含まれるごぼう粉末100質量部に対して、1質量部以上250質量部以下であることがより好ましく、10質量部以上200質量部以下であることがさらに好ましい。また、油脂の添加量は、分散液に含まれるごぼう粉末100質量部に対して100質量部などとすることができる。
なお、前記のように、ごぼう粉末分散液作製工程S2と、油脂添加工程S3とは別の工程として記載したが、ごぼう粉末及び油脂を同時添加する等して、これらの工程が同時に行われるようにしてもよい。
攪拌混合工程S4(乳化液作製工程)は、ごぼう粉末及び油脂(前記の機能成分を含んでいてもよい)を含む分散液を攪拌混合することで、乳化液を得る工程である。この攪拌混合工程S4で得られる乳化液では、ごぼう粉末を構成するごぼう粒子(即ち、ごぼう粒子の集合物がごぼう粉末)を担体として、油脂の粒子がごぼう粒子の表面に結合する。より具体的には、ごぼう粉末を構成するごぼう粒子が油脂で覆われる(詳細は後記するが、ごぼう粒子表面の食物繊維の束に油脂が浸透する)ことで、「ミセル」のような物が生成する。そして、このような作用により、ごぼう粉末によって油脂が乳化して、乳化液が得られる。なお、分散液に添加剤としての乳化剤や増粘剤が含まれている場合には、この乳化がより進行して、さらに均一に乳化した乳化液が得られる。
攪拌混合工程S4において行われる攪拌混合は、十分に行われることが好ましい。具体的には、例えば、ホモジナイザを用いた方法や、加圧しながら攪拌して乳化する加圧乳化処理、高圧乳化処理、又は、その他の物理的手段により油脂を攪拌混合することができる。
乾燥工程S5(分散媒除去工程)は、乳化液に含まれる分散媒(例えば水)を除去し、乾燥させる工程である。この乾燥により、乳化液中の分散媒が除去され、ごぼう粉末を構成するごぼう粒子の表面が油脂で覆われたもの、即ち、粉末油脂が得られる。この工程では、前記のように、揮発性の高い添加剤も併せて除去される。乾燥工程S5により、油脂で覆われたごぼう粉末により構成される粉末油脂が得られる。この粉末油脂を構成するごぼう粉末は、粉末油脂を水等に添加した際に、水中で粉末油脂から油脂を分離させることなく(油脂が水面に浮かび上がることなく)、粉末油脂を水中で一様に分散させることができる。即ち、粉末油脂において、ごぼう粉末は、分散剤として機能することになる。
乾燥の具体的方法は特に制限されないが、例えばスプレードライ法、フリーズドライ法(凍結乾燥法)、真空加熱乾燥法、Vコーン型の真空乾燥装置を用いた乾燥方法等が挙げられる。これらのうち、例えばスプレードライ法を採用した場合には、粉末油脂の製造に係るコストを安価にすることができる。また、例えばフリーズドライ法を採用した場合には、乳化液中に含まれる油脂が高温に晒されないので、油脂の酸化を特に十分に防止することができ、この結果、特に高品質な粉末油脂を製造することができる。なお、乾燥は、一種の方法のみで行ってもよく、二種以上の方法を任意に組み合わせて行ってもよい。
以上の製造方法により、本実施形態の粉末油脂を製造することができる。具体的には、ごぼう粉末を構成するごぼう粒子を担体として、当該ごぼう粒子の表面が油脂で覆われることで油脂が粉末化(粉体化)した粉末油脂が得られる。なお、前記の分散液等の作製時に添加材を使用した場合には、添加剤は、油脂に溶け込んでいたり、油脂の外表面に露出していたり、ごぼう粒子と油脂との界面の部分に存在していると考えられる。
そして、このようにして製造された粉末油脂は、油脂の有する機能成分(油脂本来の機能成分のほか、前記のように任意に追加された機能成分も含む)のほか、ごぼうの有する機能成分(例えばポリフェノール等)を含んでいる。そのため、例えばポリフェノール等の様々な機能成分を豊富に含む粉末油脂を得ることができる。例えば、魚に多く含まれる高度不飽和脂肪酸を含む粉末油脂を、魚肉を一切使用していない加工食品に添加し、当該加工食品を摂取することによって、高度不飽和脂肪酸及びポリフェノールの双方を容易に摂取することができる。
さらに、本実施形態の粉末油脂は、酸化安定性に優れる。これは、本発明者らが検討したところによれば、主に、ごぼう粉末に含まれている成分(例えばポリフェノール)、及び、ごぼう粉末と油脂との結合状態の二点が関与すると考えられる。即ち、ごぼう粉末には、前記のように、抗酸化作用を示すポリフェノールが多く含まれている。そのため、ごぼう粉末を構成するごぼう粒子を覆っている油脂についても、ごぼうの抗酸化作用により、酸化安定性が高められると考えられる。また、本実施形態の粉末油脂は、酸化安定性に優れるため、油脂の酸化臭が発生し難い。これに加え、ごぼう粉末の有するごぼう粉末特有の香りや焙煎香によって油脂の酸化臭を抑制(マスキング)することができる。
また、ごぼう粉末を構成するごぼう粒子の表面には、食物繊維が多数露出しており、これにより、油脂と食物繊維とが絡まり易くなっている。また、油脂の大部分は、食物繊維の束の内部に染み込み易くなっている。これにより、食物繊維の束に染み込んだ油脂の酸化が生じ難くなり、前記のポリフェノールによる抗酸化作用と相俟って、粉末油脂の酸化安定性をさらに高めることができると考えられる。そのため、長時間経過後であっても、油脂の劣化に伴う風味の劣化を抑制することができる。
また、本実施形態の粉末油脂は、流動性に優れるため、ダマにならず、さらさらの状態になっている。これは、前記の酸化安定性の高さに起因するものと考えられる。即ち、酸化安定性が高いため、長時間集合体となったときでも他の粒子とくっつき難く、粒子同士が独立した形態をとり易いからである。そのため、本実施形態の粉末油脂は、そのままの形態でも摂取し易い。これにより、従来の食生活を大幅に変更することなく、生体に有用な油脂を効率よく摂取することができる。しかも、本実施形態の粉末油脂は、流動性に優れるため、他の食品に添加する際、添加し易いという利点がある。
さらには、本実施形態の粉末油脂は、水(湯であってもよい)に対する分散性も良好である。これは、前記の「良好な酸化安定性」において説明した事項と同様、ごぼう粒子表面に露出した食物繊維に起因するものと考えられる。即ち、油脂がごぼう粒子の表面に露出した食物繊維の束に浸透することで、水等に粉末油脂を分散させたときに油脂がごぼう粒子から脱離し難くなる。これにより、油脂が脱離して水等の液面に浮かんでしまうことが防止され、粉末油脂が水等の全体に分散し易くなる。そして、本実施形態の粉末油脂は、分散性に優れることから、添加される食品本来の風味や性状等が損なわれることがない。例えばスープ等の油脂含有食品に添加する際にも、添加後速やかにスープ中で分散して、均一にまろやかなスープの味を楽しむことができる。
そして、本実施形態の粉末油脂は、分散性に優れるため、水に添加して分散させた直後にも、前記のように油脂が分離して液面に浮上させない性質を有している。そのため、この粉末油脂をそのまま健康食品等として直接経口摂取することができる。このとき、必要に応じてデキストリンや乳糖、澱粉等の賦形剤や香料、色素等を使用して、ペレットや錠剤、顆粒等に加工して健康食品(粉末油脂含有健康食品)や栄養補助食品(粉末油脂含有栄養補助食品)等として摂取することができる。
また、本実施形態の粉末油脂は、前記のようなスープ等のほか、その他の飲食物に添加して(使用して)、当該粉末油脂に含まれる油脂を含有する油脂含有食品を製造することができる。このような油脂含有食品を経口摂取することで、粉末油脂に含まれていた油脂を含む食品を手軽に摂取することができる。添加可能な飲食物として、具体的には例えば、ジュース、清涼飲料、コーヒー、紅茶、日本茶、ウーロン茶、野菜ジュース、天然果汁、乳飲料、牛乳、豆乳、スポーツ飲料、ニアウォータ系飲料、栄養補給飲料、コーヒー飲料、アルコール飲料、ココア、スープ、ドレッシング、ムース、ゼリー、ヨーグルト、プリン、ふりかけ、育児用粉乳、加工乳、スポーツドリンク、栄養ドリンク、ケーキミックス、パン、ピザ、パイ、クラッカー、ビスケット、ケーキ、クッキー、スパゲッティー、マカロニ、パスタ、うどん、そば、ラーメン、キャンディー、ソフトキャンディー、ガム、チョコレート、おかき、ポテトチップス、スナック、アイスクリーム、シャーベット、クリーム、チーズ、粉乳、練乳、乳飲料等の粉末状、又は、液状の乳製品、饅頭、ういろう、もち、おはぎ、醤油、たれ、麺つゆ、ソース、だしの素、シチューの素、スープの素、複合調味料、カレーの素、マヨネーズ、ケチャップ、レトルトカレー、レトルトシチュー、レトルトスープ、レトルトどんぶり、レトルトおでん、缶詰、ハム、ハンバーグ、ミートボール、コロッケ、餃子、ピラフ、おにぎり、冷凍食品及び冷蔵食品、ちくわ、蒲鉾、弁当のご飯、寿司、乳児用ミルク、離乳食、ベビーフード、スポーツ食品、栄養補助食品、サプリメント、健康食品等が挙げられる。
さらに、本実施形態の粉末油脂には、必要に応じて、前記のように各種機能成分を含ませることができる。そのため、例えば、魚や魚肉を含んだ食品を毎日摂取しなくとも、本実施形態の粉末油脂を含んだ他の食品(例えば食パン等)を食するだけで、例えば魚や魚肉に含まれる生体に有益な不飽和脂肪酸等の機能成分を十分な量摂取することができる。
即ち、従来、これらの機能成分は、単体では化学的安定性(例えば、酸化安定性)に乏しいため、それぞれの機能成分を含有する食材そのものを直接又は加工して摂取されていた。あるいは、これらの機能成分のそれぞれが、元となる食品等から抽出されて濃縮され、例えば、サプリメントとして摂取する等の方法が採られていた。具体的には、油脂やごぼう等の各種食材の有する成分は、生体機能の改善や向上に必要な量を過不足なく摂取するためには、例えば、特定の魚やごぼうを毎日多量に摂取したり、特定の油脂類やごぼうを毎日一定量摂取しなければならず、結果として、非現実的な食生活を強いられるものであった。
しかし、本実施形態の粉末油脂には、前記のように各種機能成分を含ませることができるので、高付加価値な食品を提供でき、生体に有用な機能成分を気軽に摂取することができる。これにより、生体の機能向上効果や機能回復効果等が期待できる。
また、本実施形態の粉末油脂を他の食品に添加した場合、前記のように油脂の分離が生じ難い。そのため、被添加対象である食品の食味や外観、その食品特有の質感等に大きな変化をきたし難い。このため、違和感を覚えることなく必要量の機能成分を摂取することができる。また、この場合、摂取する側は、通常通り、好きな食品を食することができるので、十分な量の機能成分を、精神的負担を感じることなく摂取することができる。
以下、実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。
<実施例1>
実施例に係る「粉末油脂」と、比較例に係る「粉末油脂」とを作製し、それぞれの粉末油脂の流動性及び水への分散性を評価した。それぞれの粉末油脂の作製に際して使用した油脂はMCT(炭素数8の中鎖飽和脂肪酸のトリグリセリド)である。また、賦形材としては、実施例として「焙煎ごぼう粉末」のほか、比較例として「デキストリン」、「結晶セルロース」及び「γサイクロデキストリン」を使用した。これらにより、合計で四種の粉末油脂を作製した。
まず、賦形材として、焙煎ごぼう粉末(特開2012−39980号公報の段落0049に記載の方法により作製したごぼう茶葉を粉砕し、当該粉砕物のうちの42メッシュ(目開き355μm)の篩を通過したもの;焙煎工程を経たごぼう粉末)、デキストリン(松谷化学工業社製 TK−16、粉末状)、結晶セルロース(旭化成ケミカルズ社製 セオラスUF−F702、粉末状)及びγサイクロデキストリン(塩水港精糖社製 デキシーパール γ−100、粉末状)の四種を準備した。
次に、これら四種の賦形材を、それぞれ、分散媒としての水に添加した。水の使用量は、各賦形材100質量部に対して、500質量部とした。そして、各賦形材を水に添加後、ホモジナイザ(ポリトロン社製 System PT 2100)を使用し、室温(25℃)で5分間、5000rpmで攪拌を行い、四種の分散液を得た。
攪拌終了後、四種の分散液のそれぞれについて、油脂としてMCT(日油社製、パナセート810(トリカプリル酸グリセリル;炭素数8の飽和脂肪酸のトリグリセリド)を添加した。添加量は、賦形材と等量とした。即ち、油脂を添加した後の分散液には、賦形材100質量部、水500質量部及び油脂100質量部が含まれていることになる。
そして、油脂を添加した分散液のそれぞれについて、前記のホモジナイザと同じホモジナイザを使用し、室温(25℃)で10分間、5000rpmで攪拌を行い、四種の乳化液を得た。
得られた四種の乳化液のそれぞれについて、冷凍装置(EYELA社製 PFR−1000)を使用して急速冷凍を行った。次いで、フリーズドライ装置(アズワン社製 FDU−12AS)により、凍結乾燥を行った。そして、得られた乾燥物をコーヒーミル(GD商事社製)により粉砕して粉末状にすることで、前記の四種の賦形材を担体とする四種の粉末油脂が得られた。得られた粉末の形態はいずれも粉状であり、四種の粉末油脂のいずれも、使用した賦形材と同じような大きさの粒を多数含んで構成されていることが目視で確認された。
得られた四種の粉末油脂のそれぞれについて、流動性、及び、水への分散性について、評価を行った。
流動性については、得られた四種の粉末油脂を容器に入れ、傾けたときの粉末の様子を観察することで評価した。評価基準は、以下の5段階である。
5:極めてさらさらしており、少し傾けただけで粉末油脂も自然な様子で傾けた方に流れるため、流動性が極めて良い
4:さらさらしており、評価5ほどではないが少し傾けると粉末油脂も傾けた方に流れるため、流動性が良い
3:概ねさらさらしており、ある程度傾斜をつけて傾けると粉末油脂は傾けた方に流れるため、流動性はある程度良い
2:概ねさらさらしているが、評価3以上に傾斜をつけて傾けないと粉末油脂は傾けた方に流れないため、流動性があまり良くない
1:さらさらしておらず、固形物が生じており容器を傾けると当該固形物が傾けた方に転がるため、流動性が良くない
また、水への分散性については、以下の評価方法に沿って評価した。まず、得られた四種類の粉末油脂のそれぞれが30質量部と、水70質量部とをそれぞれ混合し、四種類の混合液を得た。そして、四種の混合液のそれぞれを、密封可能な容器内に収容して、軽く上下に振って拡散させた後、水中での油滴の量を目視で確認した。油滴の量が少ないほど、粉末油脂からの油脂の脱離が防止され、水溶液全体への粉末油脂の分散性に優れることを表す。評価基準は、以下の5段階である。
5:水中に存在する油滴の量が極めて少なく、脱離した油量が極めて少ないため、分散性が極めて良い
4:水中に存在する油滴の量が少なく、脱離した油量が少ないため、分散性が良い
3:水中に存在する油滴の量がある程度多く、脱離した油量もある程度あるため、分散性は普通である
2:水中に存在する油滴の量が多く、脱離した油量が多いため、分散性があまり良くない
1:水中に存在する油滴の量が極めて多く、脱離した油量が極めて多いため、分散性が良くない
以上の結果を以下の表1に示す。
Figure 2018064553
このような評価の相違が生じた理由は以下のように考えられる。即ち、ごぼう中の成分である食物繊維が、他のデキストリン等の表面とは異なる構造をしており、油脂の分子が
その特殊な構造上に吸着されたり分子内に取り込まれたりすることで、流動性や分散性に違いが生じたものと考えられる。
なお、実施例1において作製した四種の粉末油脂について、過酸化物価(POV)の経時変化を評価した。POVの測定は、POV試験紙(柴田科学社製)を用いて行った。なお、本明細書におけるPOVとは、試料油脂にヨウ化カリウムを加えた場合に遊離されるヨウ素を試料1kgに対するミリ当量数(meq/kg)で表した数値をいう。
測定の結果、POVは、評価試験開始初日(0日目)から21日目の全期間において、いずれの粉末油脂でもほぼ0であった。これは、実施例1で使用した油脂を構成する脂肪酸は飽和脂肪酸であり、酸化され難いためであると考えられる。従って、本実施形態の粉末油脂によれば、酸化安定性の高い飽和脂肪酸を含む油脂を使用した場合では、高い酸化安定性が維持されつつ、流動性や分散性を高めることができるといえる。なお、焙煎ごぼう粉末を用いた粉末油脂には焙煎香があり、当該焙煎香によって油脂の臭いがマスキングされていた。
また、実施例1において作製した四種の粉末油脂の中でも、本実施形態の粉末油脂は焙煎ごぼう粉末を用いていたので、ポリフェノールを例えば3〜4g/100g(3〜4%)含有していたことから、他の賦形材を用いた粉末油脂よりも高機能であるといえる。この点は、以下に説明する焙煎ごぼう粉末を用いた各実施例について同様である。
<実施例2>
前記の実施例1におけるMCTに代えて魚油(日油社製 サンオメガDHA27)を使用したこと以外は実施例1と同様にして、四種の粉末油脂を作製した。なお、サンオメガDHA27は、ω−3系高度不飽和脂肪酸であるDHAを27%含有する精製魚油である。そして、前記の実施例1と同様にして、流動性、及び、水への分散性について、評価を行った。その評価結果を表2に示す。
Figure 2018064553
表2に示すように、実施例2においても、実施例1と同様の結果が示された。よって、実施例1で使用した油脂とは異なる油脂である魚油を使用した場合であっても、本実施形態の粉末油脂では、その流動性及び分散性に優れていた。
さらに、作製した四種の粉末油脂について、経時変化に伴う、粉末油脂の性状、酸化安定性、及び風味劣化の程度を評価した。
作製した四種の粉末油脂のそれぞれをシャーレに入れ、40℃にて採光下、評価試験を開始した。そして、評価試験開始後、数日おきに粉末油脂の性状(見た目及び臭い)を観察した。この結果を表3に示す。
Figure 2018064553
この表3に示すように、焙煎ごぼう粉末を使用した粉末油脂では、長期に亘って異臭(魚臭)がせず、高い保存性を示すことがわかった。なお、魚臭は、焙煎ごぼう粉末を使用した粉末油脂の有する焙煎香によってマスキングされていた。焙煎ごぼう粉末を使用した粉末油脂においても、13日目以降は、魚油に由来すると考えられる塩辛のような臭いがし始めたが、塩辛は馴染みのある食べ物であり比較的受け入れ易く、長期間に亘って悪臭や異臭、魚臭、酸化臭の発生が防止された。一方で、その他の賦形剤では、特に21日目以降では、全ての粉末で酸化臭のような悪臭がし始めており、食品として適さないものであった。また、流動性についても、臭いと同様の傾向がみられた。これらの結果、本実施形態の粉末油脂は高い酸化安定性を示すといえる。また、本実施形態の粉末油脂は高い酸化安定性を有していたので、これによって油脂の酸化臭が抑制されていたと考えられる。
また、前記の表3の試験を行いつつ、POVの経時変化を評価した。具体的には、数日おきに四種の粉末油脂をそれぞれ採取し、粉末油脂1gあたり20mLのn−ヘキサンを使用して、採取された粉末油脂から油脂成分(魚油に由来する油脂)を抽出した。そして、抽出された油脂を濃縮乾固し、濃縮乾固された油脂についてPOVを測定した。POVの測定は、前記した実施例1の方法と同様にして行った。この結果を図2に示す。
図2は、実施例2で作製した各種粉末油脂についてのPOVの経時変化を示すグラフである。POVが大きいほど、酸化が進行していることを示している。図2のグラフにおいて、太実線で示すように、本実施形態の粉末油脂は、長期間に亘って低いPOVであった。従って、本実施形態の粉末油脂は、デキストリンや結晶セルロース、γサイクロデキストリンと比較して、高い酸化安定性を示すことがわかった。
<実施例3>
実施例3では、本実施形態の粉末油脂を含有した食品(コーンスープ)を製造し、コーンスープ中における粉末油脂の状態(分散性等)を確認した。
スイートコーンパウダー、砂糖、乳糖、本実施形態の粉末油脂(前記の実施例2において製造した、焙煎ごぼう粉末を含むもの)、脱脂粉乳、食塩、及び、調味料のそれぞれを、以下の表4に示す質量割合でそれぞれ計量し、十分に混合して粉末状のコーンスープパウダーを調製した。得られたコーンスープパウダーは流動性が良好な粉末体であった。
Figure 2018064553
次に、得られたコーンスープパウダーのうちの20gを120mLの湯(白湯)でといて希釈した。その結果、コーンスープパウダーは容易に湯に分散した。これにより、本実施形態の粉末油脂が、湯の中でも高い分散性を有することが確認された。また、このコーンスープの液面には、本実施形態の粉末油脂から分離したと考えられる油脂の浮遊は確認されなかった。
<実施例4>
実施例4では、本実施形態の粉末油脂を含有した食品(食パン)を製造し、パン生地中における粉末油脂の状態(分散性等)を確認した。
無塩バターを予め溶かしておき、牛乳、無塩バター、強力粉、砂糖、食塩、本実施形態の粉末油脂(前記の実施例2において製造した、焙煎ごぼう粉末を含むもの)、焙煎ごぼう茶葉、ドライイーストの順でホームベーカリ釜に入れた。各材料の使用量は以下の表5に示す通りである。なお、ここで使用した「焙煎ごぼう茶葉」は、特開2012−39980号公報の段落0049に記載の方法により作製したものである。そして、釜内で捏ね、発酵、丸め工程を経たのち、焼きあげることで、食パンを得た。
Figure 2018064553
得られた食パンにおいて、特に生地中に色むらがないこと、及び油分が分離していないこと、さらには魚臭がしないことが確認された。
<実施例5>
実施例5では、本実施形態の粉末油脂を含有した食品(アイスクリーム)を製造し、アイスクリーム中における粉末油脂の状態(分散性等)を確認した。
まず、材料として、生クリーム、グラニュー糖、卵黄、本実施形態の粉末油脂(前記の実施例2において製造した、焙煎ごぼう粉末を含むもの)、バニラエッセンスを用意した。一方で、アイスクリームメーカの保冷ポットを予め18時間以上冷凍庫で冷やしておき、試作直前に本体にセットした。そして、以下の表6に示す量で各材料をボウルに入れ、混ぜ合わせた後、保冷ポットに全て入れた。次いで、アイスクリームメーカのスイッチを入れて攪拌羽を回転させ、粘度が高くなり回転が止まったら完成と考えて、アイスクリームを得た。得られたアイスクリームは、紙カップ等の容器に取り分けた。
Figure 2018064553
得られたアイスクリームでは、特に色むらがないこと、及び油分が分離していないこと、さらには魚臭がしないことが確認された。
<実施例6>
実施例6では、本実施形態の粉末油脂を含有した食品(うどん)を製造し、うどん中における粉末油脂の状態(分散性等)を確認した。
まず、材料として、強力粉、薄力粉、塩、本実施形態の粉末油脂(前記の実施例2において製造した、焙煎ごぼう粉末を含むもの)、水を用意した。各材料の使用量は、以下の表7に示す通りである。そして、大きめのボウルに強力粉及び薄力粉を入れた。一方で、水に塩を溶かして食塩水を作製し、ボウルに入れ、混ぜ始めた。十分に混ざってきたら
生地をまとめるように捏ね、生地がまとまったら打ち粉をして、めん棒で伸ばした。厚さ2mm〜3mmまで伸ばしたら生地を折りたたみ、幅5mm程度に切った。試食する際には多量の湯で13分〜15分程茹でた。
Figure 2018064553
得られたうどんでは、特に色むらがないこと、及び油分が分離していないこと、さらには魚臭がしないことが確認された。
<実施例7>
前記の実施例1におけるMCTに代えてえごま油(朝日社製 食用えごま油)を使用し、賦形材として、実施例に係る「焙煎ごぼう粉末」と、比較例に係る「γサイクロデキストリン」を使用した以外は実施例1と同様にして、二種の粉末油脂を作製した。なお、当該えごま油は、ω−3系高度不飽和脂肪酸であるα−リノレン酸を60g/100g含有している。
このようにして作製した二種の粉末油脂について、実施例2の方法と同様にしてPOVの経時変化を評価した。その結果を図3に示す。
図3は、実施例7で作製した二種の粉末油脂についてのPOVの経時変化を示すグラフである。図3のグラフにおいて、太実線で示すように、実施例7における実施例に係る粉末油脂は、長期間に亘って低いPOVであった。これに対し、破線で示すように、γサイクロデキストリンを使用した比較例に係る粉末油脂は、僅か2日目でPOVが高い値を示した。従って、本実施形態の粉末油脂は、γサイクロデキストリンを使用した粉末油脂と比較して、高い酸化安定性を示すことがわかった。
また、実施例7で作製した二種の粉末油脂について、実施例1と同様にして、流動性、及び、水への分散性に関する評価を行った。その結果、表1の「焙煎ごぼう粉末」及び「γサイクロデキストリン」に示すのと同様の評価となった。よって、実施例1で使用した油脂とは異なる油脂であるえごま油(ω−3系高度不飽和脂肪酸であるα−リノレン酸)を使用した場合であっても、本実施形態の粉末油脂では、流動性及び分散性が優れていた。
これらに加えて、実施例2と同様にして、作製した二種の粉末油脂について、経時変化に伴う、粉末油脂の性状、及び風味劣化の程度を評価(表8において「経時変化に伴う評価」と表記する)した。その結果を表8に示す。
Figure 2018064553
表8に示すように、焙煎ごぼう粉末を用いた粉末油脂では、長期に亘って異臭(酸化臭)がせず、高い保存性を示すことがわかった。なお、魚臭は、焙煎ごぼう粉末を使用した粉末油脂の有する焙煎香によってマスキングされていた。焙煎ごぼう粉末を使用した粉末油脂は、9日目以降は、焙煎香に混じって酸化臭も確認されたが、当該焙煎香にマスキングされ、あまり気にならなかった。本実施形態の粉末油脂は高い酸化安定性を有していたので、これによって油脂の酸化臭が抑制されていたと考えられる。一方で、γサイクロデキストリンを用いた粉末油脂は2日目から油の酸化臭がしており、食品として適さないものであった。図3及び表8の結果から、γサイクロデキストリンよりも焙煎ごぼう粉末の方が、酸化安定性及びマスキング効果が高いことが確認された。
<実施例8>
実施例8では、焙煎ごぼう粉末の平均粒径を変更して検討した。一方は、実施例1と同様にして作製した焙煎ごぼう粉末であり、平均粒径は約100μmである。もう一方は、実施例1と同様にして作製した後、さらにジェットミル粉砕装置(日本ニューマチック工業社製 SP−200)を用いて微粉化したものである(「焙煎ごぼう粉末(微粉)」と表記する)。焙煎ごぼう粉末(微粉)の平均粒径は約5μmである。つまり、実施例8で用いた焙煎ごぼう粉末はいずれも実施例である。
そして、このようにして作製した二種の粉末油脂について、実施例2の方法と同様にしてPOVの経時変化を評価した。その結果を図4に示す。
図4は、実施例8で作製した二種の粉末油脂についてのPOVの経時変化を示すグラフである。図4のグラフにおいて、太実線で示すように、焙煎ごぼう粉末(微粉)(平均粒径約5μm)を用いた粉末油脂は、細実線で示す焙煎ごぼう粉末(平均粒径約100μm)を用いた粉末油脂よりも長期間に亘って低いPOVであった。即ち、より平均粒径の小さい焙煎ごぼう粉末(微粉)の方が、酸化安定性が高いことが確認された。
なお、焙煎ごぼう粉末(微粉)を用いた粉末油脂の流動性、及び、水への分散性は、表1の「焙煎ごぼう粉末」に示すのと同様の評価であった。
また、実施例2と同様にして、作製した二種の粉末油脂について、経時変化に伴う、粉末油脂の性状、及び風味劣化の程度を評価(表9において「経時変化に伴う評価」と表記する)した。その結果を表9に示す。
Figure 2018064553
表9に示すように、粒径が約100μmである焙煎ごぼう粉末を用いた粉末油脂は焙煎香を有しており、これによって3日目まで異臭(酸化臭)がマスキングされていた。当該焙煎ごぼう粉末を用いた粉末油脂は、5日目で酸化臭が確認された。これに対し、焙煎ごぼう粉末(微粉)を用いた粉末油脂も同様に香りを有しており、これによって5日目まで異臭(酸化臭)がマスキングされていた。当該焙煎ごぼう粉末を用いた粉末油脂は、7日目で酸化臭が確認された。図4及び表9の結果から、平均粒径が約100μmである焙煎ごぼう粉末を用いた粉末油脂よりも焙煎ごぼう粉末(微粉)を用いた粉末油脂の方が、酸化安定性及びマスキング効果が高いことが確認された。本実施形態の粉末油脂は高い酸化安定性を有していたので、これによって油脂の酸化臭が抑制されていたと考えられる。
<実施例9>
実施例9では、焙煎の有無について検討した。一方は、実施例1と同様にして作製した焙煎ごぼう粉末を用いて粉末油脂を作製した。もう一方は、焙煎を行わない以外は実施例1と同様にして作製したごぼう粉末(即ち、特開2012−39980号公報の段落0049に記載の方法において、乾燥までを行って作製したごぼう茶葉を粉砕し、当該粉砕物のうちの42メッシュ(目開き355μm)の篩を通過したもの)を用いて粉末油脂を作製した。なお、実施例9における焙煎ごぼう粉末を用いた粉末油脂、及び、乾燥までを行って作製したごぼう粉末(「乾燥ごぼう粉末」)を用いた粉末油脂はいずれも実施例である。
そして、このようにして作製した二種の粉末油脂について、実施例2の方法と同様にしてPOVの経時変化を評価した。その結果を図5に示す。
図5は、実施例9で作製した二種の粉末油脂についてのPOVの経時変化を示すグラフである。図5のグラフにおいて、太実線で示す焙煎ごぼう粉末を用いた粉末油脂と細実線で示す乾燥ごぼう粉末を用いた粉末油脂は、いずれも長期間に亘って低いPOVであった。特に、太実線で示す焙煎ごぼう粉末を用いた粉末油脂の方がよりPOVが低く、酸化安定性がより高いことが確認された。
なお、乾燥ごぼう粉末を用いた粉末油脂の流動性、及び、水への分散性は、表1の「焙煎ごぼう粉末」に示すのと同様の評価であった。
また、実施例2と同様にして、作製した二種の粉末油脂について、経時変化に伴う、粉末油脂の性状、及び風味劣化の程度を評価(表10において「経時変化に伴う評価」と表記する)した。その結果を表10に示す。
Figure 2018064553
表10に示すように、乾燥ごぼう粉末を用いた粉末油脂は、2日目まで酸化臭がなく、5日目に強い酸化臭が確認された。乾燥ごぼう粉末を用いた粉末油脂は、乾燥させたごぼう粉末特有の香り(特有のごぼう香)を有しており、当該特有のごぼう香によって油脂の酸化臭が抑制(マスキング)されていた。また、焙煎ごぼう粉末を用いた粉末油脂も2日目まで酸化臭がなく、5日目に酸化臭が確認された。焙煎ごぼう粉末を用いた粉末油脂は高い酸化安定性を有していたので、これによって油脂の酸化臭が抑制されていたと考えられる。また、焙煎ごぼう粉末を用いた粉末油脂は焙煎香を有しており、当該焙煎香によって5日目以降の酸化臭が抑制(マスキング)されていた。図5及び表10の結果から、乾燥ごぼう粉末を用いた粉末油脂よりも焙煎ごぼう粉末を用いた粉末油脂の方が、酸化安定性及びマスキング効果が高いことが確認された。
<実施例10>
実施例10では、焙煎の度合いについて検討した。一方は、実施例1と同様にして作製した焙煎ごぼう粉末を用いて粉末油脂を作製した。もう一方は、設定温度225〜280℃で8〜10分間焙煎した以外は実施例1と同様にして作製した焙煎ごぼう粉末を用いて粉末油脂を作製した。後者の焙煎ごぼう粉末は、前者の焙煎ごぼう粉末よりも焙煎度合いが強く、苦かった(ビターであった)ため、「焙煎ごぼう粉末(ビター)」と表記する。なお、実施例10における焙煎ごぼう粉末を用いた粉末油脂、及び、焙煎ごぼう粉末(ビター)を用いた粉末油脂はいずれも実施例である。
そして、このようにして作製した二種の粉末油脂について、実施例2の方法と同様にしてPOVの経時変化を評価した。その結果を図6に示す。
図6は、実施例10で作製した二種の粉末油脂についてのPOVの経時変化を示すグラフである。図6のグラフにおいて、細実線で示す焙煎ごぼう粉末を用いた粉末油脂、及び、太実線で示す焙煎ごぼう粉末(ビター)を用いた粉末油脂は、いずれも10日目までPOVが10以下と低い値となり、酸化安定性が高いことが確認された。特に、太実線で示す焙煎ごぼう粉末(ビター)を用いた粉末油脂は、24日目までPOVが10以下と低い値となり、酸化安定性がより高いことが確認された。
なお、焙煎ごぼう粉末(ビター)を用いた粉末油脂の流動性、及び、水への分散性は、表1の「焙煎ごぼう粉末」に示すのと同様の評価であった。
また、実施例2と同様にして、作製した二種の粉末油脂について、経時変化に伴う、粉末油脂の性状、及び風味劣化の程度を評価(表11において「経時変化に伴う評価」と表記する)した。その結果を表11に示す。
Figure 2018064553
表11に示すように、焙煎ごぼう粉末を用いた粉末油脂は焙煎香を有しており、これによって2日目まで異臭(酸化臭)がマスキングされていた。当該焙煎ごぼう粉末を用いた粉末油脂は、3日目で酸化臭が感じられ、10日目に酸化臭を強く感じるようになった。これに対し、焙煎ごぼう粉末(ビター)を用いた粉末油脂は焙煎香を強くしたコーヒーのような香り(コーヒー香)を有しており、これによって5日目まで異臭(酸化臭)がマスキングされていた。当該焙煎ごぼう粉末(ビター)を用いた粉末油脂は、10日目にコーヒー香とともに酸化臭が感じられるようになり、24日目に酸化臭を強く感じるようになった。図6及び表11の結果から、焙煎ごぼう粉末を用いた粉末油脂よりも焙煎ごぼう粉末(ビター)を用いた粉末油脂の方が、酸化安定性及びマスキング効果が高いことが確認された。焙煎ごぼう粉末(ビター)を用いた粉末油脂は、焙煎ごぼう粉末を用いた粉末油脂よりも高い酸化安定性を有していたので、これによって油脂の酸化臭がより抑制されていたと考えられる。
<実施例11>
実施例11では、実施例である焙煎ごぼう粉末を用いた粉末油脂、焙煎ごぼう粉末(微粉)を用いた粉末油脂、及び、焙煎ごぼう粉末(ビター)を用いた粉末油脂を対比して検討した。焙煎ごぼう粉末を用いた粉末油脂は実施例1と同様にして作製し、焙煎ごぼう粉末(微粉)を用いた粉末油脂は実施例8と同様にして作製し、焙煎ごぼう粉末(ビター)を用いた粉末油脂は実施例10と同様にして作製した。
そして、このようにして作製した三種の粉末油脂について、実施例2の方法と同様にしてPOVの経時変化を評価した。その結果を図7に示す。
図7は、実施例11で作製した三種の粉末油脂についてのPOVの経時変化を示すグラフである。図7のグラフにおいて、いずれの粉末油脂も長期間に亘って低いPOVであった。図7に示すように、酸化安定性は、高い順に、太実線で示す焙煎ごぼう粉末(ビター)を用いた粉末油脂、細実線で示す焙煎ごぼう粉末(微粉)を用いた粉末油脂、破線で示す焙煎ごぼう粉末を用いた粉末油脂であることが確認された。この結果から、焙煎ごぼう粉末は、微粉とし、かつ、焙煎を強く行うことで、酸化安定性がさらに高まると考えられる。
なお、これらの粉末油脂の流動性、及び、水への分散性は、表1の「焙煎ごぼう粉末」に示すのと同様の評価であった。
また、実施例2と同様にして、作製した三種の粉末油脂について、経時変化に伴う、粉末油脂の性状、及び風味劣化の程度を評価(表12において「経時変化に伴う評価」と表記する)した。その結果を表12に示す。
Figure 2018064553
表12に示すように、焙煎ごぼう粉末を用いた粉末油脂は、評価試験開始直後は焙煎香を有していたが、5日目に酸化臭が感じられ、11日目に酸化臭が強く感じられるようになった。また、焙煎ごぼう粉末(微粉)を用いた粉末油脂は焙煎香を有しており、当該焙煎香によって7日目まで酸化臭が抑制(マスキング)されていたが、9日目に少し酸化臭が感じられ、11日目に酸化臭が感じられ、19日目に酸化臭が強く感じられるようになった。そして、焙煎ごぼう粉末(ビター)を用いた粉末油脂は評価試験中、終始コーヒー香を有しており、当該コーヒー香によって7日目まで酸化臭が抑制(マスキング)されていたが、9日目に少し酸化臭が感じられるようになった。なお、焙煎ごぼう粉末(ビター)を用いた粉末油脂は、19日目になっても酸化臭が強くならず、酸化臭は少ししか感じられなかった。焙煎ごぼう粉末(ビター)を用いた粉末油脂、焙煎ごぼう粉末(微粉)を用いた粉末油脂、焙煎ごぼう粉末を用いた粉末油脂の順に酸化安定性が高かったので、この順に油脂の酸化臭が抑制されていたと考えられる。
図7及び表12の結果から、前記と同様、酸化安定性及びマスキング効果は、高い順に、焙煎ごぼう粉末(ビター)を用いた粉末油脂、焙煎ごぼう粉末(微粉)を用いた粉末油脂、焙煎ごぼう粉末を用いた粉末油脂であることが確認された。
なお、実施例9での検討結果をあわせて考慮すると、酸化安定性は、高い順に、焙煎ごぼう粉末(ビター)を用いた粉末油脂、焙煎ごぼう粉末(微粉)を用いた粉末油脂、焙煎ごぼう粉末を用いた粉末油脂、乾燥ごぼう粉末を用いた粉末油脂となると考えられる。
このようになる理由は定かではないが、乾燥後に行う焙煎によってポリフェノールの量が増え、その抗酸化作用によって酸化安定性が高くなったと考えられる。また、焙煎ごぼう粉末の平均粒径を小さくするほど単位質量あたりの表面積が増え、焙煎ごぼう粉末と油脂の接触割合が増える。そのため、抗酸化作用が得易く、酸化安定性が高くなったと考えられる。
<実施例12>
実施例12では、粉末油脂の作製方法について検討した。実施例12では、実施例1におけるMCTに代えて魚油(日油社製 サンオメガDHA27)を使用した。また、賦形材として、実施例1と同様にして作製した焙煎ごぼう粉末、及び、γサイクロデキストリン(塩水港精糖社製 デキシーパール γ−100、粉末状)を使用した。そして、粉末油脂の作製にあたって、ハイスピードミキサ(アーステクニカ社製 FS10)を使用し、次のようにして実施例に係る焙煎ごぼう粉末を用いた粉末油脂、及び、比較例に係るγサイクロデキストリンを用いた粉末油脂を作製した。
ハイスピードミキサの攪拌部に賦形材となる焙煎ごぼう粉末及びγサイクロデキストリンをそれぞれ投入し、これらを攪拌しつつ、液体の油脂を滴下することで賦形材と油脂を混合して実施例及び比較例に係る粉末油脂をそれぞれ作製した。なお、ハイスピードミキサによる攪拌は、攪拌翼の回転速度:1000〜5000rpm、攪拌部内の設定温度:常温(15〜25℃)、攪拌時間:10〜30分という条件で行った。
このようにして作製した二種の粉末油脂について、実施例2の方法と同様にしてPOVの経時変化を評価した。その結果を図8に示す。
図8は、実施例12で作製した二種の粉末油脂についてのPOVの経時変化を示すグラフである。図8のグラフにおいて、太実線で示すように、実施例に係る焙煎ごぼう粉末を用いた粉末油脂は、27日目になってもPOVが10であり、長期間に亘って低いPOVとなった。これに対し、破線で示すように、比較例に係るγサイクロデキストリンは17日目でPOVが高い値を示した。従って、分散媒を使用しないで作製した場合においても、本実施形態の粉末油脂は、γサイクロデキストリンを使用した粉末油脂と比較して、高い酸化安定性を示すことがわかった。なお、焙煎ごぼう粉末を用いた粉末油脂は、焙煎香を有しており、当該焙煎香によって油脂の臭いや酸化臭が抑制(マスキング)されていた。
本発明は、例えば食品や特定保健用食品、機能性表示食品、健康補助食品、特別用途食品等に関する分野において好適に利用可能である。また、ヒトの食品以外にも、動物への飼料としても有用である。

Claims (10)

  1. 乾燥させたごぼうを粉末状にしたごぼう粉末と、油脂と、を混合することで、前記ごぼう粉末を担体として前記油脂が粉末化した粉末油脂を製造することを特徴とする、粉末油脂の製造方法。
  2. 前記ごぼう粉末と、前記油脂とを、分散媒に混合することで乳化液を得る乳化液作製工程と、
    当該乳化液中の分散媒を除去することで、前記粉末油脂を得る分散媒除去工程と、
    を含むことを特徴とする、請求項1に記載の粉末油脂の製造方法。
  3. 前記乳化液作製工程において使用される油脂の量は、前記乳化液作製工程において使用されるごぼう粉末の100質量部に対して1質量部以上500質量部以下であることを特徴とする、請求項2に記載の粉末油脂の製造方法。
  4. 前記油脂には、オレイン酸、リノール酸、α−リノレン酸、γ−リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、中鎖脂肪酸、ゴマリグナン、γ−オリザノール、トコトリエノール、トコフェロール、アスタキサンチン、フコキサンチン、クルクミン、レスベラトロール、ビタミンD、ビタミンP、リコピン、カロテン、キサンチン類、ステロール類、糖脂質、リン脂質、スフィンゴ脂質からなる群より選ばれる少なくとも一種が含まれていることを特徴とする、請求項2又は3に記載の粉末油脂の製造方法。
  5. 乾燥したごぼうを造粒する造粒工程を含み、
    当該造粒工程を経て造粒されたごぼう粉末が前記乳化液作製工程において使用されることを特徴とする、請求項2〜4の何れか1項に記載の粉末油脂の製造方法。
  6. 乾燥したごぼうを焙煎する焙煎工程を含み、
    当該焙煎工程を経て焙煎されたごぼう粉末が前記乳化液作製工程において使用されることを特徴とする、請求項2〜5の何れか1項に記載の粉末油脂の製造方法。
  7. 前記油脂が、ω−3系高度不飽和脂肪酸であることを特徴とする、請求項1〜6の何れか1項に記載の粉末油脂の製造方法。
  8. 請求項1〜7の何れか1項に記載の粉末油脂の製造方法を経て製造された粉末油脂を使用して、当該粉末油脂に含まれる油脂を含有する油脂含有食品を製造することを特徴とする、油脂含有食品の製造方法。
  9. ごぼう粒子が複数集合してなるごぼう粉末と、油脂とを含んで構成され、
    前記ごぼう粒子を担体として、前記ごぼう粒子の表面が前記油脂で覆われていること、及び前記ごぼう粒子の食物繊維の束に油脂が浸透することのうちの少なくとも一方で、前記油脂が粉末化していることを特徴とする、粉末油脂。
  10. 前記油脂が、ω−3系高度不飽和脂肪酸であることを特徴とする、請求項9に記載の粉末油脂。
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