JP2018057161A - 誘導電動機の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】回転速度が低い領域から極めて高い領域にわたり、ベクトル制御方式に比べて簡易な制御で、誘導電動機の応答性や電力効率を向上させることが可能な誘導電動機の制御装置を提供する。【解決手段】誘導電動機10の制御装置50であって、電源装置20a,20bは、バッテリ30から供給される電力を変換し、所定の出力電流を出力するDCDCコンバータ回路21と、直流電力を交流電力に変換するインバータ回路22と、を有しており、DCDCコンバータ回路21の出力電流の検出値に基づいて、磁化電流を取得し、その磁化電流、及び、磁化電流とすべり周波数の目標値である目標すべり周波数とを対応付けるマップを用いて、目標すべり周波数を設定し、誘導電動機10の回転速度と、前記設定部により設定される前記目標すべり周波数と、に基づいて、インバータ回路22の駆動周波数を設定し、設定された駆動周波数でインバータ回路22を駆動する。【選択図】 図1

Description

本発明は、誘導電動機の制御装置に関する。
電動機に過電流が流れることを抑制するために、電動機に対し電力を供給する電源装置について、定電流制御を実施する降圧チョッパ回路(DCDCコンバータ回路)と、電圧形インバータ回路とを組み合わせる構成が知られている(例えば、特許文献1)。
特許3278188号公報
電圧形インバータ回路を誘導電動機に適用する構成において、誘導電動機の応答性や電力効率を向上させる制御方式としてベクトル制御方式が知られている。ここで、ベクトル制御方式は、座標変換を要する。このため、制御が複雑であり、また、回転子の回転角度を検出する必要がある。特に、回転速度が極めて高い領域では、制御装置(マイクロコンピュータ)は、その回転速度に応じた速度で演算を実施することが必要とされる。このため、高性能な制御装置が必要となり、コストが増加する。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、回転速度が低い領域から極めて高い領域にわたり、ベクトル制御方式に比べて簡易な制御で、誘導電動機の応答性や電力効率を向上させることが可能な誘導電動機の制御装置を提供することを主たる目的とする。
本構成は、誘導電動機(10)の制御装置(50)であって、前記誘導電動機に電力を供給する電源装置(100)は、直流電源(30)から供給される電力を変換し、所定の出力電流を出力するDCDCコンバータ回路(21)と、前記DCDCコンバータ回路から出力される直流電力を交流電力に変換する電圧形インバータ回路(22)と、を有しており、前記DCDCコンバータ回路の出力電流の検出値に基づいて、前記誘導電動機に流れる磁化電流を取得し、その磁化電流、及び、前記磁化電流と前記誘導電動機のすべり周波数の目標値である目標すべり周波数とを対応付けるマップを用いて、前記目標すべり周波数を設定する設定部(59)を備え、前記誘導電動機の回転子(12)の回転速度と、前記設定部により設定される前記目標すべり周波数と、に基づいて、前記電圧形インバータ回路の転流周波数を設定し、その設定された前記転流周波数で前記電圧形インバータ回路を駆動する。
本構成によれば、ベクトル制御を行うことなく、最大トルク制御や最大効率制御を行うことが可能となる。本構成では、及びDCDCコンバータ回路の出力電流の検出値に基づいて、誘導電動機に流れる磁化電流を取得し、その磁化電流、及び、回転子の回転速度に基づいて、誘導電動機のすべり周波数を目標すべり周波数とすることができる。ここで、目標すべり周波数を好適に設定すれば、誘導電動機の応答性や電力効率を向上させることができる。即ち、回転速度が低い領域から極めて高い領域にわたり、ベクトル制御方式に比べて簡易な制御で、誘導電動機の応答性や電力効率を向上させることができる。
第1実施形態の誘導電動機を含む電気的構成図。 第1実施形態の制御装置を表す機能ブロック図。 磁化電流と、すべり周波数と、最大出力トルクとの関係を表す図。 最大トルク出力時における磁化電流と、すべり周波数とを対応付けるマップの一例を表す図。 第1実施形態の誘導電動機の応答特性を表す図。 第1実施形態の誘導電動機の相電流の時間変化を表す図。 磁化電流と、すべり周波数と、誘導電動機における電力効率との関係を表す図。 第4実施形態の制御装置を表す機能ブロック図。
(第1実施形態)
図1に本実施形態の誘導電動機10の電気的構成図を示す。本実施形態の誘導電動機10は、多相誘導電動機であり、より具体的には、6相の電機子巻線を有する6相誘導電動機である。誘導電動機10は、固定子11と回転子12とから構成されている。誘導電動機10は、例えば、車両に搭載される車載誘導電動機である。
固定子11は、電機子巻線群13a,13bを備えている。電機子巻線群13aには、電源回路20aから電力が供給され、電機子巻線群13bには、電源回路20bから電力が供給される。電機子巻線群13aは、U,V,W相の電機子巻線から構成されており、電機子巻線群13bは、X,Y,Z相の電機子巻線から構成されている。U,V,W相の電機子巻線は、互いに120度をなし、X,Y,Z相の電機子巻線は、互いに120度をなしている。また、U相の電気巻線とX相の電機子巻線とは30度をなしている。
回転子12は、電気伝導体を備えて構成されている。回転子12は、巻線型回転子であってもよく、かご形回転子であってもよい。
電源回路20a,20bは、DCDCコンバータ回路21と、インバータ回路22とを備えている。電源回路20a,20bは、それぞれバッテリ30から供給される直流電力を交流電力に変換して電機子巻線群13a,13bに供給する。バッテリ30と電源回路20a,20bとの間には平滑コンデンサC1が設けられている。「直流電源」としてのバッテリ30は、DCDCコンバータ回路などであってもよい。
制御装置50は、電源回路20a,20bの出力を調整することで、誘導電動機10の制御を実施する。電源回路20a,20bと制御装置50とで1つの電源装置100を構成する。
DCDCコンバータ回路21は、同期整流方式の降圧チョッパ回路である。DCDCコンバータ回路21は、スイッチSW1,SW2と、リアクトルLと、平滑コンデンサC2と、回生ダイオードDFとを備えている。スイッチSW1,SW2は、それぞれ半導体スイッチング素子であり、具体的には、NチャネルMOS−FETである。スイッチSW1,SW2は、それぞれボディダイオードを備えている。なお、スイッチSW1,SW2は、それぞれIGBTであってもよい。
スイッチSW1のドレインは、バッテリ30の正極(平滑コンデンサC1の高電圧側端子)に接続されており、スイッチSW1のソースは、リアクトルLの第1端子に接続されている。リアクトルLの第2端子は、平滑コンデンサC2の高電圧側端子(DCDCコンバータ回路21の出力端子のうち高電圧側のもの)、及びインバータ回路22の入力端子のうち高電圧側のものに接続されている。スイッチSW2のドレインは、スイッチSW1のソース、及びリアクトルLの第1端子に接続されており、スイッチSW2のソースは、バッテリ30の負極(平滑コンデンサC1の低電圧側端子)に接続されている。
平滑コンデンサC2の低電圧側端子(DCDCコンバータ回路21の出力端子のうち低電圧側のもの)は、バッテリ30の負極(平滑コンデンサC1の低電圧側端子)、及びインバータ回路22の入力端子のうち低電圧側のものに接続されている。スイッチSW1,SW2が交互にオンオフされることで、バッテリ30の出力電圧が降圧されてインバータ回路22に出力される。
回生ダイオードDFは、リアクトルL2の第2端子(DCDCコンバータ回路21の出力端子のうち高電圧側のもの)にアノードが接続されており、スイッチSW1のドレイン(DCDCコンバータ回路21の入力端子のうち高電圧側のもの)にカソードが接続されている。回生ダイオードDFは、インバータ回路22側(電機子巻線群13a,13b側)からDCDCコンバータ回路21に流れる電流をバッテリ30に回生させる。
インバータ回路22は、入力電圧をそのまま交流に変換して出力する電圧形インバータ回路である。インバータ回路22は、上アームスイッチSWp1〜SWp3と、下アームスイッチSWn1〜SWn3とを備えている。スイッチSWp1〜SWp3,SWn1〜SWn3は、それぞれ半導体スイッチング素子であり、具体的には、NチャネルMOS−FETである。スイッチSWp1〜SWp3,SWn1〜SWn3は、それぞれボディダイオードDp1〜Dp3,Dn1〜Dn3を備えている。なお、スイッチSWp1〜SWp3,SWn1〜SWn3は、それぞれIGBTであってもよい。
上アームスイッチSWp1と下アームスイッチSWn1と、上アームスイッチSWp2と下アームスイッチSWn2と、及び、上アームスイッチSWp3と下アームスイッチSWn3とは、それぞれ直列接続されている。より具体的には、上アームスイッチSWp1〜SWp3のドレインは、DCDCコンバータ回路21の出力端子のうち高電圧側のものにそれぞれ接続されている。上アームスイッチSWp1〜SWp3のソースは、それぞれ下アームスイッチSWn1〜SWn3のドレインに接続されている。下アームスイッチSWn1〜SWn3のソースは、DCDCコンバータ回路21の出力端子のうち低電圧側のものにそれぞれ接続されている。
電源回路20aの上アームスイッチSWp1と下アームスイッチSWn1との接続点は、U相の電機子巻線に接続されており、電源回路20aの上アームスイッチSWp2と下アームスイッチSWn2との接続点は、V相の電機子巻線に接続されており、電源回路20aの上アームスイッチSWp3と下アームスイッチSWn3との接続点は、W相の電機子巻線に接続されている。
電源回路20bの上アームスイッチSWp1と下アームスイッチSWn1との接続点は、X相の電機子巻線に接続されており、電源回路20bの上アームスイッチSWp2と下アームスイッチSWn2との接続点は、Y相の電機子巻線に接続されており、電源回路20bの上アームスイッチSWp3と下アームスイッチSWn3との接続点は、Z相の電機子巻線に接続されている。
電源回路20aのインバータ回路22によって、電機子巻線群13aに三相交流が供給され、電源回路20bのインバータ回路22によって、電機子巻線群13bに三相交流が供給される。
制御装置50は、電源回路20a,20bのDCDCコンバータ回路21の出力電流Ioutの検出値を電源回路20a,20bの電流センサ51からそれぞれ取得する。また、制御装置50は、回転子12の回転角の検出値を回転角センサ52から取得する。また、制御装置50は、誘導電動機10の温度の検出値を温度センサ53から取得する。また、制御装置50は、上位の制御装置40(ECU: Electronic Control Unit)から、誘導電動機10の目標回転速度を取得する。
制御装置50は、取得した検出値及び目標回転速度に基づいて、ゲート駆動回路23,24に指令を行い、電源回路20a,20bのDCDCコンバータ回路21及びインバータ回路22を構成するスイッチSWを駆動し、誘導電動機10の制御を実施する。制御装置50は、CPU,ROM及びRAMなどから構成される周知のマイクロコンピュータである。
図2に示す制御装置50の機能ブロック図を用いて、制御装置50による誘導電動機10の制御を説明する。なお、電源回路20aの制御に関する機能ブロックと、電源回路20aの制御に関する機能ブロックとは同等であるため、図2では、電源回路20aの制御に関する機能ブロックのみを示しており、電源回路20bの制御に関する機能ブロックを省略している。
速度演算部62は、回転角センサ52から取得した回転子12の回転角の検出値に基づいて、回転子12の回転速度(実際値)を演算する。偏差算出部54は、上位の制御装置40から取得した目標回転速度と回転速度の実際値との偏差を算出する。PI演算部55は、偏差算出部54が算出した偏差に対して、比例・積分演算(PI演算)を実施することで、DCDCコンバータ回路21の出力電流Ioutの目標値である目標電流Irefを算出する。電流制限部56は、PI演算部55の演算結果である目標電流Irefが、所定範囲となるように制限を行う。これにより、DCDCコンバータ回路21から過大な電流が出力されることを抑制する。
偏差算出部57は、目標電流Irefと、電流センサ51によるDCDCコンバータ回路21の出力電流Ioutの検出値との偏差を算出する。PI演算部58は、偏差算出部57が算出した偏差に対して、比例・積分演算(PI演算)を実施することで、DCDCコンバータ回路21のデューティを設定する。そして、ゲート駆動回路23は、設定されたデューティに応じて、DCDCコンバータ回路21のスイッチSWを駆動する。つまり、制御装置50は、DCDCコンバータ回路21の出力電流Ioutが目標電流Irefとなるように定電流制御を実施する。
ここで、本実施形態の制御装置50は、誘導電動機10(電機子巻線群13a)に流れる磁化電流Iと、誘導電動機10のすべり周波数の目標値である目標すべり周波数と、を対応付けるマップに基づいて、目標すべり周波数を設定するすべり周波数設定部59を有する。
図3に、すべり周波数と、誘導電動機10の出力トルクTと、誘導電動機10に流れる磁化電流I(電機子巻線群13aが形成する磁束に寄与する電流であり、電機子巻線群13aに流れる励磁電流から鉄損電流を分離した電流)との関係を表す図を示す。電機子巻線群13aに流れる励磁電流の大きさは、DCDCコンバータ回路21の出力電流Ioutの大きさと等しい。誘導電動機10の磁化電流Iを固定した場合、所定のすべり周波数において、誘導電動機10の出力トルクTが最大となる。
そこで、図4に示す誘導電動機10に流れる磁化電流Iと、誘導電動機10の出力トルクTが最大となるすべり周波数と、を対応付けるマップを予め作成する。そして、当該マップを制御装置50(すべり周波数設定部59)のROMに記憶させておく。当該マップは、シミュレーションや実験などに基づいて作成することが可能である。
すべり周波数設定部59(図2)は当該マップと、誘導電動機10に流れる磁化電流Iとに基づいて、目標すべり周波数を設定する。これにより、誘導電動機10の出力トルクTを磁化電流I(DCDCコンバータ回路21の出力電流Iout)に対して最大化させることができる。
また、すべり周波数と、誘導電動機10の出力トルクTと、磁化電流Iとの関係は、誘導電動機10の温度に応じて変化する。そこで、すべり周波数設定部59は、温度センサ53から誘導電動機10の温度の検出値を取得し、その検出値に基づいて、マップを切り替える。
また、本実施形態の制御装置50は、DCDCコンバータ回路21の出力電流Ioutから誘導電動機10における鉄損電流を分離した電流を磁化電流Iとして取得する電流分離部63を備えている。電流分離部63は、DCDCコンバータ回路21の出力電流Ioutと誘導電動機10の回転速度とに基づいて、誘導電動機10における鉄損電流を算出する。そして、電流分離部63は、DCDCコンバータ回路21の出力電流Iout(励磁電流)から鉄損電流を減算することで、磁化電流Iを算出する。すべり周波数設定部59は、電流分離部63から磁化電流Iの算出値を取得して、その磁化電流Iの算出値に基づいて、目標すべり周波数を設定する。
ここで、誘導電動機10の回転速度が低い領域では、誘導電動機10における鉄損電流が相対的に小さいため、電機子巻線群13aに流れる励磁電流を誘導電動機10の磁化電流Iとみなすことができる。つまり、誘導電動機10の回転速度が低い場合は、電流分離部63を省略し、DCDCコンバータ回路21の出力電流Ioutを誘導電動機10に流れる磁化電流Iとみなして取得する構成としてもよい。
図2の説明に戻り、加算部60は、速度演算部62から取得した回転子12の回転速度に対し、目標すべり周波数の回転速度換算値を加算することで、電機子巻線群13aによって生じる磁界の回転速度(誘導電動機10の同期速度)を設定する。
転流周波数演算部61は、誘導電動機10の同期速度を転流周波数(誘導電動機10の同期速度×誘導電動機10の極数)に変換する。ゲート駆動回路24は、転流周波数に応じて、インバータ回路22のスイッチSWp1〜SWp3,SWn1〜SWn3を駆動する。つまり、制御装置50は、インバータ回路22が出力する三相交流電流の周波数(回転速度)が、現在の誘導電動機10の回転速度と、目標すべり周波数の回転速度換算値との和となるようにインバータ回路22を制御する。
以下、本実施形態の効果を述べる。
すべり周波数を調整する本実施形態の構成によれば、ベクトル制御を行うことなく、最大トルク制御や最大効率制御を行うことが可能となる。本実施形態の構成では、回転子12の回転速度、電機子巻線群13aに流れる磁化電流Iに基づいて、誘導電動機10のすべり周波数を目標すべり周波数とすることができる。ここで、目標すべり周波数を好適に設定すれば、誘導電動機10の応答性や電力効率を向上させることができる。即ち、ベクトル制御方式に比べて、簡易な制御で誘導電動機10の応答性や電力効率を向上させることができる。
電流分離部63は、DCDCコンバータ回路21の出力電流Iout(電機子巻線13a,13bに流れる励磁電流)の検出値から誘導電動機10における鉄損電流を分離した電流を磁化電流Iとして算出する。特に回転速度が高い領域では、誘導電動機10における損失である鉄損が増加し、励磁電流において鉄損電流の占める割合が増加する。そこで、電流分離部63が、DCDCコンバータ回路21の出力電流Iout及び誘導電動機10の回転速度に基づいて、鉄損電流を算出し、DCDCコンバータ回路21の出力電流Ioutから鉄損電流を分離することで、磁化電流Iを算出する構成とした。当該構成により、誘導電動機10の回転速度が高い領域において、すべり周波数設定部59による目標すべり周波数の設定精度を向上させることができ、誘導電動機10の応答性や電力効率をより向上させることができる。
回転速度の検出値と、回転速度の目標値である目標回転速度との差に基づいて、DCDCコンバータ回路21の出力電流Ioutを調整する本実施形態の構成によれば、誘導電動機10の回転速度を目標回転速度に近づけることができる。また、出力電流Ioutを調整する制御を行うことで、DCDCコンバータ回路21に対して電力を供給する電源であるバッテリ30の電圧が変動した場合であってもDCDCコンバータ回路21の出力電流Iout、即ち、誘導電動機10に対して供給される電流が略一定となる。このため、誘導電動機10に過電流が流れることを抑制できる。また、バッテリ30の電圧が変動した場合であっても、誘導電動機10の回転速度が変動することを抑制することができる。
図6に本実施形態の制御を実施した場合の各電機子巻線に流れる電流の波形と、インバータ回路においてPWM制御(従来制御)を実施した場合の各電機子巻線に流れる電流の波形とを示す。低インピーダンスの誘導電動機10において、PWM制御を実施すると、電機子巻線に流れる電流のオーバーシュートが顕著に発生する。本実施形態の制御を実施することで、電機子巻線に流れる電流のオーバーシュートを抑制し、電機子巻線に過電流が流れることを抑制することができる。
特に、本実施形態のDCDCコンバータ回路21のリアクトルLは、電機子巻線に対して直列接続されている。このため、電機子巻線のインダクタンス成分が小さい場合であっても、DCDCコンバータ回路21のリアクトルLのインダクタンス成分によって、DCDCコンバータ回路21から電機子巻線に対して出力される出力電流Ioutにおけるオーバーシュートを抑制することができる。
磁化電流Iと目標すべり周波数とを、誘導電動機10の出力トルクTが最大となるように対応付けるマップを用いて、目標すべり周波数を設定する本実施形態の構成によれば、磁化電流I(出力電流Iout)に対し、誘導電動機10の出力トルクTが最大となるように制御することができる。図5に本実施形態の制御を実施した場合の誘導電動機10の回転速度の時間変化と、インバータ回路においてPWM制御を実施した場合の誘導電動機10の回転速度の時間変化とを示す。本実施形態の制御によって出力トルクTを最大化させることで、回転速度の応答性を向上させることができる。
本実施形態のすべり周波数設定部59は、誘導電動機10の温度に基づいて、マップを切り替える。誘導電動機10の励磁電流(電源装置100の出力電流)に対する出力トルク特性や、電力効率特性は、誘導電動機10の温度(誘導電動機10の電機子巻線の温度や伝導体の温度)によって変化する。そこで、誘導電動機10の温度に基づいて、DCDCコンバータ回路21(電源装置100)の磁化電流Iとすべり周波数とを対応付けるマップを切り替える構成とする。これにより、誘導電動機10の回転速度を目標回転速度により応答性良く近づけることができる。
本実施形態の誘導電動機10は、電機子巻線として3n相(nは2以上の自然数)の電機子巻線を有する。誘導電動機10が多相電機子巻線を有する構成とすることで、電機子巻線が形成する磁束を正弦波に近づけることができ、これにより、誘導電動機10の電力効率及び出力応答性を向上させることができる。
(第2実施形態)
第1実施形態におけるすべり周波数設定部59(図2)は、磁化電流Iと、誘導電動機10の出力トルクTが最大となるすべり周波数と、を対応付けるマップを用いて、誘導電動機10の目標すべり周波数を設定する構成とした。これを変更し、第2実施形態におけるすべり周波数設定部59は、磁化電流Iと、誘導電動機10の電力効率が最高となるすべり周波数とを対応付けるマップを用いて、目標すべり周波数を設定する構成とする。本構成によれば、DCDCコンバータ回路21の出力電流Ioutに対し、誘導電動機10の電力効率が向上するように制御することができる。
図7に、すべり周波数と、誘導電動機10の出力トルクTと、磁化電流I(電機子巻線群13aに流れる電流)との関係を表す図を示す。磁化電流Iを所定値とした場合、所定のすべり周波数において、誘導電動機10の電力効率が最高となる。ここで、磁化電流Iを所定値とした場合に誘導電動機10の電力効率が最高となるすべり周波数は、一般的には、誘導電動機10の同期周波数の5%程度の値となる。また、磁化電流Iを所定値とした場合に誘導電動機10の電力効率が最高となるすべり周波数は、シミュレーションや実験によって得ることができる。
(第3実施形態)
第3実施形態におけるすべり周波数設定部59は、回転子12の回転速度に基づいて、異なるマップを用いて目標すべり周波数を設定する。具体的には、すべり周波数設定部59は、目標回転速度が増加方向に変化した場合、回転子12の回転速度が目標回転速度に達するまでの間、磁化電流Iと目標すべり周波数とを、誘導電動機10の出力トルクTが最大となるように対応付けるマップを用いて、目標すべり周波数を設定する。ここで、目標回転速度が増加方向に変化した場合とは、例えば、誘導電動機10の駆動開始時のことである。
さらに、すべり周波数設定部59は、回転子12の回転速度が目標回転速度に達した後、磁化電流Iと目標すべり周波数とを、誘導電動機10の電力効率が最高となるように対応けるマップを用いて、目標すべり周波数を設定する。
本実施形態の構成によれば、誘導電動機10の回転速度が目標回転速度に達するまでは、誘導電動機10の出力トルクTが最大となるように制御することで、誘導電動機10の回転速度を目標回転速度に応答性良く近づけることできる。さらに、誘導電動機10の回転速度が目標回転速度に達した後は、誘導電動機10の電力効率が最高となるように制御することで、電力効率を向上させることができる。即ち、誘導電動機10の応答性を向上させつつ、電力効率を向上させることができる。
(第4実施形態)
第1実施形態の制御装置50は、誘導電動機10の回転速度の検出値と、誘導電動機10の回転速度の目標値である目標回転速度との差に基づいて、DCDCコンバータ回路21の出力電流Ioutを調整する。これを変更し、本実施形態では、誘導電動機10の出力トルクTを検出するトルクセンサ64を設ける構成とする。さらに、本実施形態の制御装置50は、上位の制御装置40から入力される誘導電動機10の出力トルクTの目標値である目標トルクと、トルクセンサ64による誘導電動機10の出力トルクTの検出値とに基づいて、DCDCコンバータ回路21の出力電流Ioutを調整する。なお、上位の制御装置40は、トルクセンサ64による誘導電動機10の出力トルクTの検出値を取得する。
より具体的には、図8に示すように、偏差算出部65が、トルクセンサ64による誘導電動機10の出力トルクTの検出値と、目標トルクとの偏差を算出する。そして、偏差算出部65が算出した出力トルクTの目標値と検出値との偏差に基づいて、PI制御を実施する。なお、目標トルクに基づいて、目標電流Irefを算出し、その目標電流Irefと出力電流Ioutとの偏差に基づくPI制御を実施する構成としてもよい。なお、図8に示す構成では、図2に示す構成と比較して、電流分離部63を省略している。これを変更し、電流分離部63を備える構成としてもよい。
本実施形態の構成によれば、誘導電動機10の出力トルクTを任意の目標値に近づけることができる。つまり、定トルク制御を実施することが可能になる。
(他の実施形態)
・第1実施形態における回転速度に対するPI制御、及び、出力電流Ioutに対するPI制御に代えて、P制御(比例制御)又はPID制御(比例・積分・微分制御)を実施してもよい。
・DCDCコンバータ回路21について、上記実施形態では、降圧チョッパ回路としたが、これを変更してもよい。例えば、昇圧回路でもあってもよいし、昇降圧回路でもあってもよい。また、絶縁型DCDCコンバータ回路であってもよい。
・第1実施形態では、電機子巻線として2組×3相の電機子巻線を有する構成としたが、これを変更し、3相の電機子巻線を有する構成としてもよい。また、単相誘導電動機であってもよい。
・第1実施形態の制御装置50(電流分離部63)は、電源回路20a,20bのそれぞれに設けられた電流センサ51の検出値の平均値に基づいて、磁化電流Iを取得する構成としてもよい。また、電源回路20a,20bの一方にのみ電流センサ51を設ける構成とし、その電流センサ51の検出値に基づいて、電源回路20a,20bの両方の制御を実施する構成としてもよい。
10…誘導電動機、固定子…12、21…DCDCコンバータ回路、22…インバータ回路、30…バッテリ、50…制御装置、59…すべり周波数設定部、100…電源装置。

Claims (9)

  1. 誘導電動機(10)の制御装置(50)であって、
    前記誘導電動機に電力を供給する電源装置(100)は、直流電源(30)から供給される電力を変換し、所定の出力電流を出力するDCDCコンバータ回路(21)と、前記DCDCコンバータ回路から出力される直流電力を交流電力に変換する電圧形インバータ回路(22)と、を有しており、
    前記DCDCコンバータ回路の出力電流の検出値に基づいて、前記誘導電動機に流れる磁化電流を取得し、その磁化電流、及び、前記磁化電流と前記誘導電動機のすべり周波数の目標値である目標すべり周波数とを対応付けるマップを用いて、前記目標すべり周波数を設定する設定部(59)を備え、
    前記誘導電動機の回転子(12)の回転速度と、前記設定部により設定される前記目標すべり周波数と、に基づいて、前記電圧形インバータ回路の転流周波数を設定し、その設定された前記転流周波数で前記電圧形インバータ回路を駆動する制御装置。
  2. 前記DCDCコンバータ回路の出力電流の検出値から前記誘導電動機における鉄損電流を分離した電流を前記磁化電流として算出する電流分離部(63)を備え、
    前記設定部は、前記電流分離部による前記磁化電流の算出値を用いて、前記目標すべり周波数を設定する請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記誘導電動機の回転速度の検出値と、前記誘導電動機の回転速度の目標値である目標回転速度との差に基づいて、前記DCDCコンバータ回路の前記出力電流を調整する請求項1又は2に記載の制御装置。
  4. 前記誘導電動機の出力トルクの検出値と、前記誘導電動機の出力トルクの目標値である目標トルクとの差に基づいて、前記DCDCコンバータ回路の前記出力電流を調整する請求項1又は2に記載の制御装置。
  5. 前記設定部は、前記磁化電流と前記目標すべり周波数とを、前記誘導電動機の出力トルクが最大となるように対応付けるマップを用いて、前記目標すべり周波数を設定する請求項1乃至4のいずれか1項に記載の制御装置。
  6. 前記設定部は、前記磁化電流と前記目標すべり周波数とを、前記誘導電動機の電力効率が最高となるように対応付けるマップを用いて、前記目標すべり周波数を設定する請求項1乃至5のいずれか1項に記載の制御装置。
  7. 前記設定部は、
    前記目標回転速度が増加方向に変化した場合に、前記回転子の回転速度が前記目標回転速度に達するまでの間、前記磁化電流と前記目標すべり周波数とを、前記誘導電動機の出力トルクが最大となるように対応付けるマップを用いて、前記目標すべり周波数を設定し、
    前記回転子の回転速度が前記目標回転速度に達した後、前記磁化電流と前記目標すべり周波数とを、前記誘導電動機の電力効率が最高となるように対応付けるマップを用いて、前記目標すべり周波数を設定する請求項3に記載の制御装置。
  8. 前記設定部は、前記誘導電動機の温度に基づいて、前記マップを切り替える請求項5乃至7のいずれか1項に記載の制御装置。
  9. 前記誘導電動機は、電機子巻線(13a,13b)として3相以上の電機子巻線を有する請求項1乃至8のいずれか1項に記載の制御装置。
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