JP2018056179A - コイル部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】ショート不良や天板の剥離が生じにくいコイル部品を提供する。【解決手段】ドラムコア20と、ドラムコア20の巻芯部21に巻回されたワイヤWと、ドラムコア20の鍔部22,23にそれぞれ設けられ、ワイヤWの端部が継線される端子電極E1〜E4と、鍔部22,23に固定された天板30とを備える。天板30は、バインダ樹脂に磁性粉を混合してなる磁性層31と、磁性粉の含有量が磁性層31よりも少ない樹脂層32とを含み、樹脂層32は、少なくとも鍔部22,23と磁性層31との間に位置する。本発明によれば、磁性層31と端子電極E1〜E4やワイヤWとの間におけるショート不良を防止することができる。また、温度変化に起因する天板30の剥離を防止することも可能性となる。さらに、樹脂層32によって天板30の機械的強度が高めることも可能となる。【選択図】図1

Description

本発明はコイル部品に関し、特に、ドラムコアを用いたコイル部品に関する。
ドラムコアを用いたコイル部品は、トロイダルコアを用いたコイル部品とは異なり、プリント基板上に表面実装が可能であることから、スマートフォンなどの携帯型電子機器に広く使用されている。また、ドラムコアを用いたコイル部品は低背であることから、携帯型電子機器の薄型化にも寄与する。
しかしながら、近年においては、携帯型電子機器にさらなる薄型化が求められており、これを実現するためドラムコアを用いたコイル部品にもさらなる低背化が求められている。コイル部品を低背化する方法の一つとして、通常はドラムコアに接着される磁性天板を削除するという方法が考えられるが、この場合、磁束の漏れが多くなることから、アンテナなど他の回路に悪影響を与えるおそれがあった。一方、フェライトからなる磁性天板は脆いことから、その厚みを薄くすると強度が不足し、実装時や実使用時に破損するおそれがある。
このような問題を解決するためには、磁性天板の材料としてフェライトではなく可撓性を有する磁性粉含有樹脂を用いればよい。磁性粉含有樹脂は薄くしてもある程度の強度が保たれることから、磁性天板の材料として磁性粉含有樹脂を用いれば、低背化を実現しつつ、磁束の漏れを抑制することが可能となる。磁性天板の材料として磁性粉含有樹脂を用いた例としては、特許文献1及び2に記載されたコイル部品が挙げられる。
特開平9−219318号公報 特開2004−363178号公報
しかしながら、磁性粉含有樹脂に含まれる磁性粉は、多くの場合、導電性を有しているため、端子電極やワイヤとの間でショート不良が発生する可能性が考えられる。また、磁性粉含有樹脂はドラムコアに比べて熱膨張係数が大きいことから、温度変化によってドラムコアから剥離する可能性も考えられる。
したがって、本発明は、低背化を実現しつつ、磁性粉含有樹脂を含む天板を用いたコイル部品であって、ショート不良や天板の剥離が生じにくいコイル部品を提供することを目的とする。
本発明によるコイル部品は、巻芯部及び前記巻芯部の両端に設けられた第1及び第2の鍔部を有するドラムコアと、前記巻芯部に巻回されたワイヤと、前記第1及び第2の鍔部にそれぞれ設けられ、前記ワイヤの端部が継線される端子電極と、前記第1及び第2の鍔部に固定された天板と、を備え、前記天板は、バインダ樹脂に磁性粉を混合してなる磁性層と、前記磁性粉の含有量が前記磁性層よりも少ない樹脂層とを含み、前記樹脂層は、少なくとも前記第1及び第2の鍔部と前記磁性層との間に位置していることを特徴とする。
本発明によれば、第1及び第2の鍔部と磁性層との間に樹脂層が介在していることから、磁性層と端子電極やワイヤとの間におけるショート不良を防止することができる。また、樹脂層の材料として、磁性層の熱膨張係数とドラムコアの熱膨張係数の間の熱膨張係数を有する材料を用いれば、温度変化に起因する天板の剥離を防止することも可能性となる。さらに、樹脂層によって天板の機械的強度が高めることも可能となる。
本発明において、前記樹脂層は前記磁性粉を実質的に含まないことが好ましい。これによれば、ショート不良をより確実に防止することが可能となる。
本発明において、前記樹脂層は非磁性フィラーを含むことが好ましい。これによれば、熱膨張係数を所望の値に調整することが可能となる。
本発明において、前記樹脂層は、前記磁性層の全面を覆っていても構わないし、前記第1及び第2の鍔部と前記磁性層との間に選択的に設けられていても構わない。前者によれば、天板の作製コストを低減することができるとともに、ショート不良をより確実に防止することができる。一方、後者によれば、温度変化に起因する天板の剥離をより確実に防止することができる。
本発明によるコイル部品は、前記第1及び第2の鍔部と前記天板の前記樹脂層を接着する接着剤をさらに備えることが好ましい。これによれば、接着剤による絶縁効果も期待できる。
本発明において、前記天板の前記磁性層は、前記樹脂層側を向く下面と、前記下面とは反対側に位置する上面とを有し、前記下面側の表層部よりも前記上面側の表層部の方が前記バインダ樹脂の密度が高いことが好ましい。これによれば、天板の上面の絶縁性が高められる。これにより、天板の上面が他の電子部品と接触することによるショート不良が防止されることから、信頼性の高いコイル部品を得ることが可能となる。しかも、磁性層の下面側の表層部においては磁性粉の密度が高いことから、天板を経由する磁路が短くなり、より高い磁気特性を得ることも可能となる。
本発明において、前記磁性粉は金属軟磁性粉であることが好ましい。これによれば、高い磁気特性を得ることが可能となる。特に、金属軟磁性粉は扁平形状を有していることが好ましい。これによれば、より高い磁気特性を得ることが可能となる。
本発明によれば、低背化を実現しつつ、ショート不良や天板の剥離が生じにくいコイル部品を提供することが可能となる。
図1は、本発明の第1の実施形態によるコイル部品11を斜め方向から見た斜視図である。 図2は、コイル部品11を実装面から見た平面図である。 図3は、コイル部品11の断面図である。 図4は、天板30の構造を説明するための模式的な断面図である。 図5は、天板30に含まれる磁性粉35の形状を説明するための模式図である。 図6は、磁性層31の構造を説明するための模式的な断面図である。 図7は磁性層31の電子顕微鏡写真であり、(a)は表面31aを撮影した写真、(b)は表面31bを撮影した写真である。 図8は、ベースフィルムFの表面に磁性層31が塗布されたシートS1を作製する方法を説明するための模式図である。 図9は、磁性層31の表面に樹脂層32が塗布されたシートS2を作製する方法を説明するための模式図である。 図10は、コイル部品11の製造方法を説明するための工程図である。 図11は、本発明の第2の実施形態によるコイル部品12を斜め方向から見た斜視図である。 図12は、コイル部品12の断面図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明のいくつかの実施形態について詳細に説明する。
<第1の実施形態>
図1〜図3は、本発明の第1の実施形態によるコイル部品11の構成を示す図であり、図1は斜め上方から見た斜視図、図2は実装面から見た平面図、図3は断面図である。
図1〜図3に示すように、本発明の第1の実施形態によるコイル部品11は、ドラムコア20及び天板30を備えている。ドラムコア20は、x方向を軸方向とする巻芯部21と、巻芯部21のx方向における両端に設けられた第1及び第2の鍔部22,23とを有する。ドラムコア20はフェライトなど透磁率の高いセラミック材料からなり、巻芯部21と鍔部22,23が一体化された構成を有している。
巻芯部21には2本のワイヤWが巻回されており、これらワイヤWの両端は鍔部22,23に設けられた端子電極E1〜E4に継線されている。本実施形態においては、一方の鍔部22に端子電極E1,E2が形成され、他方の鍔部23に端子電極E3,E4が形成されている。端子電極E1〜E4は、実装面を構成する鍔部22,23のxy面と、実装面とは反対側に位置し上面を構成する鍔部22,23のxy面と、外側面を構成する鍔部22,23のyz面に連続的に形成されている。本実施形態においては、鍔部22,23の上面に設けられた端子電極E1〜E4にワイヤWが継線されているが、鍔部22,23の実装面に設けられた端子電極E1〜E4にワイヤWを継線しても構わない。この場合、鍔部22,23の上面に端子電極E1〜E4を設ける必要はない。
本実施形態によるコイル部品11の用途については特に限定されず、インダクタンス用の汎用コイル部品であっても構わないし、特定の用途、例えば、コモンモードフィルタ用、パルストランス用、バルントランス用などのコイル部品であっても構わない。したがって、巻芯部21に巻回されるワイヤWの本数、巻回数、巻回方向、巻回方法などについては特に限定されるものではない。コイル部品11のサイズについても特に限定されないが、x方向における長さは1.6mm程度、y方向における幅は1.0mm程度、z方向における高さは0.55mm〜0.65mm程度である。
図1及び図3に示すように、鍔部22,23の上面を構成するxy面には、接着剤40を介して天板30が固定されている。図4に示すように、天板30は、磁性層31と樹脂層32の積層構造を有しており、磁性層31が上方、樹脂層32が下方となるよう積層されている。つまり、樹脂層32は、鍔部22,23と磁性層31との間に位置している。
磁性層31は、バインダ樹脂34に磁性粉35を混合した磁性粉含有樹脂からなり、通常の樹脂よりも高い透磁率を有している。そして、磁性層31を有する天板30は、巻芯部21を跨ぐようにして鍔部22,23の上面に固定されていることから、ドラムコア20及び磁性層31によって閉磁路が構成される。このため、樹脂のみからなる天板を用いた場合と比べて磁束の漏れが少なくなり、他の回路、例えばアンテナ回路などへの磁気的な影響を低減することが可能となる。また、天板30は、プリント基板への実装時において、ハンドリング用の吸着面としても利用される。
上記の通り、磁性層31を構成する磁性粉含有樹脂は、バインダ樹脂34に磁性粉35を混合してなるものである。このうち、バインダ樹脂34は、アクリル酸エステル共重合体を主鎖とし、且つ、ウレタン結合による架橋構造を含むことが好ましい。一方、磁性粉35は、図5に示すように、xy方向に扁平した形状を有する金属軟磁性粉を用いることが好ましい。扁平形状を有する金属軟磁性粉を用いる場合、金属軟磁性粉の主平面がxy面となるようバインダ樹脂34に混合することが好ましい。これによれば、磁性層31を通る磁束の方向であるx方向における透磁率が高められるとともに、扁平形状を有する金属軟磁性粉が電磁シールドとしても機能する。
樹脂層32は、鍔部22,23と磁性層31との間に介在することによって、両者の直接的な接触を防ぐ役割を果たす。樹脂層32を介在させているのは、磁性層31に含まれる磁性粉35が導電性を有しており、これがバインダ樹脂34から露出している可能性があるためである。樹脂層32の材料としては、バインダ樹脂34と同様の絶縁性樹脂材料などを用いることができる。このような絶縁性樹脂材料からなる樹脂層32を用いることにより、磁性層31と端子電極E1〜E4やワイヤWとの間における絶縁耐圧が大幅に向上することから、両者間におけるショート不良を防止することができる。さらに、樹脂層32が緩衝材としても機能することから、耐衝撃性も向上する。
樹脂層32には、磁性または非磁性のフィラーが添加されていても構わない。但し、磁性粉の含有量が多すぎると絶縁性が低下することから、樹脂層32に磁性粉を添加する場合には、磁性粉の含有量を磁性層31よりも少なくする必要がある。一方、非磁性フィラーについては、熱膨張係数などの物理特性を調整するために添加することができる。非磁性フィラーの添加によって、樹脂層32の熱膨張係数を磁性層31の熱膨張係数とドラムコア20の熱膨張係数の間に調整すれば、温度変化に起因する天板30の剥離を防止することも可能性となる。非磁性フィラーとしては、例えばタルク、マイカ等が挙げられる。
このように、本実施形態によるコイル部品11は、ドラムコア20に固定する天板30が磁性層31と樹脂層32の積層構造を有しているとともに、樹脂層32がドラムコア20と磁性層31との間に位置していることから、低背化を実現しつつ、絶縁耐圧、耐衝撃性、剥離強度などを向上させることが可能となる。
図6は、磁性層31の構造を説明するための模式的な断面図である。
図6に示すように、磁性層31は厚み方向(z方向)におけるバインダ樹脂34及び磁性粉35の分布が完全には均一ではなく、表層部31Aと表層部31Bが異なる特性を有していることがある。
具体的には、磁性層31の内層部31Cにおいては、バインダ樹脂34内に磁性粉35がほぼ均一に分布している一方、表層部31Bにおいては磁性粉35の密度が内層部31Cよりも低く、バインダ樹脂34の密度が内層部31Cよりも高い。その結果、表面31bに露出する磁性粉35は少なくなり、典型的にはほとんど磁性粉35が露出しない。この場合、表面31bのほぼ全面がバインダ樹脂34によって覆われることになる。これに対し、表層部31Aについては内層部31Cとほぼ同様である。つまり、表層部31Aにおいてはバインダ樹脂34内における磁性粉35の密度が内層部31Cとほぼ同じである。このため、表面31aからは磁性粉35がある程度露出することがある。
図7は実際に作製した磁性層31の電子顕微鏡写真であり、(a)は表面31aを撮影した写真、(b)は表面31bを撮影した写真である。これらの写真において、黒く写っている部分はバインダ樹脂34であり、白く写っている部分は磁性粉35である。
図7(a)に示すように、表面31a側の表層部31Aは磁性粉35の密度が高く、バインダ樹脂34の密度が低いことから、電子顕微鏡で撮影すると多くの磁性粉35が白く写ることが分かる。また、表面31aには多くの磁性粉35が露出していることも分かる。これに対し、図7(b)に示すように、表面31b側の表層部31Bは磁性粉35の密度が低く、バインダ樹脂34の密度が高いことから、電子顕微鏡で撮影すると全体的に黒く写ることが分かる。特に、表面31bに露出する磁性粉35はほとんど存在しない。
このように、磁性層31は、表層部31Aよりも表層部31Bの方がバインダ樹脂34の密度が高いという特徴を有している。表層部31A,31Bにこのような差が生じるのは、後述する天板30の製造工程に起因するものである。
このような表面性の違いを利用すれば、目的に応じて、コイル部品11により好ましい特性を与えることができる。例えば、表面31aを下層側(樹脂層32側)、表面31bを上層側とすれば、天板30の上面側における絶縁性が高められることから、天板30の上面が他の電子部品と接触することによるショート不良を防止することができる。しかも、磁性層31の下面側の表層部31Aにおいてはバインダ樹脂34の密度が低く、より多くの磁性粉35が存在していることから、天板30を経由する磁路が短くなり、高い磁気特性を得ることも可能となる。
逆に、表面31bを下層側(樹脂層32側)、表面31aを上層側とすれば、磁性層31と端子電極E1〜E4やワイヤWとの間の絶縁耐圧がより高められる。また、耐衝撃性や剥離強度についてもより向上することになる。
特に限定されるものではないが、天板30のz方向における厚さは100μm以下であることが好ましく、75μm以下であることがより好ましく、60μm程度であることが特に好ましい。天板30の厚さを100μm以下とすれば、コイル部品11全体のz方向における高さを低背化することが可能となる。天板の厚みを100μm以下まで薄くした場合、フェライトを用いると強度不足によって破損が生じるおそれがあるが、バインダ樹脂34に磁性粉35を混合させた磁性層31と樹脂層32の積層体からなる天板30を用いれば、厚みを100μm以下まで薄くしても破損などが生じることがない。天板30の厚さの下限については特に限定されないが、30μm以上であることが好ましい。これは、天板30の厚みを30μm未満まで薄くすると、強度が不足するとともに、十分な磁気特性を確保することが困難となるからである。磁束の漏れを十分に抑制するためには、天板30を構成する磁性層31の透磁率は30以上であることが好ましい。
磁性層31に用いるバインダ樹脂には、所定の可撓性、耐熱性及び強度が求められる。可撓性及び強度が必要である理由は、天板30の厚さを例えば100μm以下まで薄くした場合であっても破損を生じさせないためであり、耐熱性が必要である理由は、リフロー時に変形などを生じさせないためである。したがって、強度が高くても可撓性の低い材料や、可撓性が高くても耐熱性の低い材料は適切ではない。リフロー温度は260℃程度であることから、少なくとも、当該温度において変形が生じないバインダ樹脂を用いる必要がある。
これらの点を考慮し、本実施形態においては、アクリル酸エステル共重合体を主鎖とし、且つ、ウレタン結合による架橋構造を含むバインダ樹脂を用いている。組成については特に限定されないが、アクリル酸エステル共重合体は、少なくともアクリル酸エチルの共重合構造及びアクリル酸ブチルの共重合構造を含むことが好ましい。これは、アクリル酸エチルの共重合構造によって高い強度を確保しつつ、アクリル酸ブチルの共重合構造によって可撓性を付加するためである。また、アクリル酸エステル共重合体は、アクリロニトリルの共重合構造をさらに含むことが好ましい。これは、アクリロニトリルの共重合構造を含むことによって耐熱性及び強度が高められるからである。
天板30は、次の方法によって作製することが可能である。まず、官能基として水酸基またはカルボキシル基を有するアクリル酸エチル、アクリル酸ブチル及びアクリロニトリルを主モノマーとする溶質をメチルエチルケトンなどの有機溶媒に溶かしたバインダ溶液を用意し、このバインダ溶液に磁性粉及び硬化剤を混合して混合溶液を調製する。硬化剤としては、イソシアネートを使用することが好ましい。イソシアネートとしては、例えば芳香族イソシアネートやトリアジン環を構造中に含むイソシアネート等を用いることが好ましく、1分子中に複数のイソシアネート基を有していることがより好ましい。これにより、アクリル酸エステル共重合体が官能基として有する水酸基またはカルボキシル基とイソシアネートが反応して架橋構造が形成される。また、磁性粉以外のフィラー、例えばタルク、マイカ等をさらに混合させても構わない。
次に、図8に示すように、上記の混合溶液をベースフィルムFに塗布し、加熱して混合溶液中の溶剤の乾燥及びバインダ樹脂の硬化を行いながらロールで巻き取る。混合溶液をベースフィルムFに塗布する際に磁場を印加することによって磁性粉を所定方向に配向させてもよい。これにより、ベースフィルムFの表面に磁性粉含有樹脂からなる磁性層31が塗布されたシートS1が得られる。ベースフィルムFとしては、PETフィルムを用いることができる。ここで、硬化後の磁性粉含有樹脂における磁性粉の含有比率は50〜90重量%であることが好ましい。磁性粉の含有比率が50重量%未満であると十分な透磁率が得られず、90重量%を超えると、天板30の切断面から磁性粉が脱落するおそれが高まるからである。
ベースフィルムFの表面に磁性粉含有樹脂からなる磁性層31を塗布すると、磁性粉含有樹脂はベースフィルムF側の表層部と、その反対側である露出側の表層部の特性が僅かに相違する。これは、未硬化であるバインダ樹脂の表面張力によるものであると考えられ、ベースフィルムF側の表層部31Bにおいては磁性粉35の密度が低くなる一方、露出側の表層部31Aにおいては磁性粉35の密度が高くなる。
次に、ベースフィルムFから磁性層31を剥離した後、図9に示すように、ベースフィルムFとは反対側に位置していた表面31aに樹脂層32を構成する樹脂材料を塗布し、加熱による硬化を行いながらロールで巻き取る。これにより、磁性層31の表面に樹脂層32が塗布されたシートS2が得られる。
次に、図10(a)に示すように金型によってシートS2を天板30の平面形状に型抜きする。次に、図10(b)に示すように型抜きされた部分にエポキシ系の接着剤40を塗布した後、図10(c)に示すようにワイヤWが巻回されたドラムコア20を接着する。そして、天板30が接着されたドラムコア20をシート本体から分離すれば、本実施形態によるコイル部品11が完成する。
このような方法によってコイル部品11を作製すれば、塗布時においてベースフィルムF側を向いていた磁性粉含有樹脂の表面、つまり、磁性層31のうちバインダ樹脂34の密度が高い側の表面31bを上面として、ドラムコア20に接着することができる。尚、樹脂層32の形成は、ベースフィルムFから磁性層31を剥離することなく行っても構わない。この場合は、図10(c)に示す工程を行った後、ベースフィルムFを剥離すればよい。
一方、磁性層31のうちバインダ樹脂34の密度が低い側の表面31aを上面としてドラムコア20に接着する場合には、ベースフィルムF自体を樹脂層32として用いることができる。これによれば、塗布工程が1回で済むことから、製造コストを低減することが可能となる。但し、この場合、ベースフィルムFの材料としてはPET樹脂ではなく、より耐熱性の高い樹脂材料を用いる必要がある。
<第2の実施形態>
図11及び図12は、本発明の第2の実施形態によるコイル部品12の構成を示す図であり、図11は斜め上方から見た斜視図、図12は断面図である。
図11及び図12に示すように、本発明の第2の実施形態によるコイル部品12は、樹脂層32が鍔部22,23と磁性層31との間に選択的に設けられている点において、上述した第1の実施形態によるコイル部品11と相違する。つまり、平面視で樹脂層32が2つに分割されている。その他の構成は、第1の実施形態によるコイル部品11と同一であることから、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
本実施形態によれば、樹脂層32が2つに分割されていることから、樹脂層32の熱膨張係数とドラムコア20の熱膨張係数に比較的大きな差があっても、天板30の剥離が生じにくいという利点を有する。尚、図11及び図12に示す例では、樹脂層32と鍔部22,23の平面サイズがほぼ一致しているが、少なくとも、鍔部22,23の一部と磁性層31との間に樹脂層32が介在すれば足りる。但し、絶縁耐圧や耐衝撃性をより確実にするためには、平面視で(z方向から見て)鍔部22,23の全面を樹脂層32で覆うことが好ましい。
本実施形態によるコイル部品12は、あらかじめ所定のサイズにカットした樹脂層32を鍔部22,23の上面に貼り付け、その後、磁性層31を接着することによって作製することが好ましい。この方法によれば、樹脂層32を磁性層31に貼り付ける方法と比べて、樹脂層32の位置決め作業を容易に行うことが可能となる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
11,12 コイル部品
20 ドラムコア
21 巻芯部
22,23 鍔部
30 天板
31 磁性層
31A,31B 表層部
31C 内層部
31a,31b 表面
32 樹脂層
34 バインダ樹脂
35 磁性粉
40 接着剤
E1〜E4 端子電極
F ベースフィルム
S1,S2 シート
W ワイヤ

Claims (9)

  1. 巻芯部及び前記巻芯部の両端に設けられた第1及び第2の鍔部を有するドラムコアと、
    前記巻芯部に巻回されたワイヤと、
    前記第1及び第2の鍔部にそれぞれ設けられ、前記ワイヤの端部が継線される端子電極と、
    前記第1及び第2の鍔部に固定された天板と、を備え、
    前記天板は、バインダ樹脂に磁性粉を混合してなる磁性層と、前記磁性粉の含有量が前記磁性層よりも少ない樹脂層とを含み、
    前記樹脂層は、少なくとも前記第1及び第2の鍔部と前記磁性層との間に位置していることを特徴とするコイル部品。
  2. 前記樹脂層は、前記磁性粉を実質的に含まないことを特徴とする請求項1に記載のコイル部品。
  3. 前記樹脂層は、非磁性フィラーを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のコイル部品。
  4. 前記樹脂層は、前記磁性層の全面を覆っていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のコイル部品。
  5. 前記樹脂層は、前記第1及び第2の鍔部と前記磁性層との間に選択的に設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のコイル部品。
  6. 前記第1及び第2の鍔部と前記天板の前記樹脂層を接着する接着剤をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のコイル部品。
  7. 前記天板の前記磁性層は、前記樹脂層側を向く下面と、前記下面とは反対側に位置する上面とを有し、前記下面側の表層部よりも前記上面側の表層部の方が前記バインダ樹脂の密度が高いことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のコイル部品。
  8. 前記磁性粉は、金属軟磁性粉であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のコイル部品。
  9. 前記金属軟磁性粉は、扁平形状を有していることを特徴とする請求項8に記載のコイル部品。
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