JP2018048675A - 電磁弁 - Google Patents

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Abstract

【課題】スリーブに対してスプールを移動させるソレノイド部のシャフト及びプランジャの軸方向移動に伴う摩擦を抑制することが可能な電磁弁を提供する。【解決手段】電磁弁1は、弁孔20を有するスリーブ2と、弁孔20に軸方向移動可能に収容されたスプール3と、スプール3を押圧するソレノイド部5と、スプール3をソレノイド部5側に付勢するコイルばね42とを備える。ソレノイド部5は、電磁コイル50と、スリーブ2に対して固定され、電磁コイル50の磁束の磁路となるハウジング61と、ハウジング61に対して軸方向に移動する円筒状のプランジャ7と、プランジャ7と一体に移動してスプール3に先端部81が当接するシャフト8と、シャフト8の後端部82に形成された凹部820の内面820aに当接し、ハウジング61のガイド穴610に軸方向移動可能に収容された球体91と、球体91をシャフト8の後端部82に付勢するコイルばね92とを有する。【選択図】図1

Description

本発明は、複数のポートを有する筒状のスリーブに対してスプールを軸方向移動させるソレノイド部を備えた電磁弁に関する。
従来、電磁力を発生するソレノイド部と、弁孔を有する筒状のスリーブと、弁孔内で軸方向移動する軸状のスプールとを備え、ソレノイド部の電磁力によるスプールの軸方向移動によってスリーブの出力ポートから対象装置に供給される作動油の圧力を調節する電磁弁が知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
ソレノイド部は、励磁電流によって磁束を発生させる電磁コイルと、電磁コイルを保持する筒状の磁性体からなるハウジングと、電磁コイルの磁束を受けてハウジングに対して軸方向に移動する円筒状のプランジャと、プランジャと一体に軸方向移動してスプールに端部が当接するシャフトとを有している。電磁コイルに励磁電流が供給されると、プランジャがスリーブ側に移動してシャフトがスプールを押圧する。また、励磁電流の供給が遮断されると、スリーブの端部に配置されたばねの付勢力により、スプールがソレノイド部側に押し戻される。このスプールの進退移動によってスリーブの弁孔内における作動油の流路面積が増減し、制御対象装置への作動油の供給圧力が変化する。
特許文献1に記載された電磁弁では、シャフト及びプランジャがハウジング(ソレノイドケース)の内面に固定された円筒状の第1の軸受ブッシュ、及びハウジングに収容されたソレノイドコアの内面に固定された第2の軸受ブッシュによって軸方向移動可能に支持されている。また、特許文献2に記載された電磁弁では、ハウジング(カバー部材)にコア部材が収容され、コア部材の一部が内方に突出して形成された第1軸受部によってシャフトが軸方向移動可能に支持されると共に、カバー部材の一部が内方に突出して形成された第2軸受部によってプランジャが軸方向移動可能に支持されている。
特開2014−105726号公報 特開2016−105012号公報
特許文献1に記載された電磁弁では、シャフト及びプランジャが第1の軸受ブッシュ及び第2の軸受ブッシュを摺動し、特許文献2に記載された電磁弁では、シャフト及びプランジャが第1軸受部及び第2軸受部を摺動する。ここで、第1の軸受ブッシュ及び第2の軸受ブッシュならびに第1軸受部及び第2軸受部を「軸受部」と総称すると、シャフト及びプランジャが軸方向に進退移動することにより、シャフト及びプランジャの外周面と軸受部の内周面との間に摩擦が発生する。この摩擦によって、シャフト及びプランジャの軸方向移動時にスティックスリップが発生したり、シャフト及びプランジャの外周面や軸受部の内周面が摩耗してシャフト及びプランジャの径方向のガタが大きくなってしまうおそれがある。
そこで、本発明は、スリーブに対してスプールを移動させるソレノイド部のシャフト及びプランジャの軸方向移動に伴う摩擦を抑制することが可能な電磁弁を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、作動油が流通する複数のポートが形成された筒状のスリーブと、前記スリーブに形成された弁孔に軸方向移動可能に収容され、その軸方向移動によって前記ポート間の流路面積を変化させるスプールと、励磁電流の供給を受けて作動し、前記励磁電流の大きさに応じた押圧力で前記スプールを軸方向の一側に押圧するソレノイド部と、前記スプールを前記ソレノイド部側に付勢する第1の付勢部材と、を備え、前記ソレノイド部は、前記励磁電流によって磁束を発生させる電磁コイルと、前記スリーブに対して固定され、前記磁束の磁路となるハウジングと、前記ハウジングに収容されたコア部材と、前記磁束を受けた前記コア部材に吸引され、前記ハウジングに対して軸方向に移動する円筒状のプランジャと、前記スプールに先端部が当接すると共に前記プランジャと一体に軸方向移動するシャフトと、前記ハウジングに対して前記プランジャの軸方向に沿って移動自在である球体と、前記球体を前記シャフトの後端部に付勢する第2の付勢部材と、を有し、前記球体は、前記ハウジングに対して前記プランジャの軸方向に直交する方向への移動が規制され、前記シャフトは、その後端部に形成された凹部に前記球体の一部が収容されることで、前記球体に対して前記プランジャの軸方向に直交する方向への移動が規制されている、電磁弁を提供する。
本発明に係る電磁弁によれば、スリーブに対してスプールを移動させるソレノイド部のシャフト及びプランジャの軸方向移動に伴う摩擦を抑制することが可能となる。
本発明の実施の形態に係る電磁弁の構成例を示す断面図であり、(a)は非通電状態を示し、(b)は通電状態を示している。 図1(a)における一部を拡大して示す拡大図である。 図1(a)における他の一部を拡大して示す拡大図である。 実施の形態の変形例1に係る電磁弁の一部を拡大して示す断面図である。 実施の形態の変形例2に係る電磁弁の一部を拡大して示す断面図である。
[実施の形態]
本発明の実施の形態について、図1乃至図3を参照して説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明を実施する上での好適な具体例として示すものであり、技術的に好ましい種々の技術的事項を具体的に例示している部分もあるが、本発明の技術的範囲は、この具体的態様に限定されるものではない。
図1は、本実施の形態に係る電磁弁の構成例を示す断面図であり、図1(a)は非通電状態を示し、図1(b)は通電状態を示している。
電磁弁1は、弁孔20が形成された筒状のスリーブ2と、スリーブ2の弁孔20に軸方向移動可能に収容されたスプール3と、スリーブ2の一端部に設けられた第1の付勢機構4と、スプール3を第1の付勢機構4側に押圧するソレノイド部5とを備えている。
スリーブ2は、図略のオイルポンプから供給される作動油が流通する複数のポートが形成された円筒状の部材である。より具体的には、スリーブ2は、作動油が供給される供給ポート21と、ソレノイド部5の非通電状態において供給ポート21と連通し、作動油を制御対象(例えば車両に搭載された電子制御式自動変速装置のアクチュエータ)に出力する出力ポート22と、ソレノイド部5の通電状態において出力ポート22と連通し、作動油を排出する排出ポート23と、出力ポート22から流出した作動油の一部がフィードバックポート孔240を介して流入するフィードバックポート24と、第1の付勢機構4を収容する収容部25と、ソレノイド部5との結合のためのフランジ部26とを有している。供給ポート21、出力ポート22、排出ポート23、及びフィードバックポート24は、それぞれ弁孔20の軸方向の異なる位置に形成され、スリーブ2の周方向の一部において内外周面を貫通している。
スプール3は、スリーブ2の内部における軸方向移動により、供給ポート21、出力ポート22、排出ポート23、及びフィードバックポート24を開放及び閉塞する軸状の部材であり、ソレノイド部5側から順に、第1ランド部31と、第1ランド部31よりも大径の第2ランド部32と、第1ランド部31と第2ランド部32との間の小径部33と、第3ランド部34とを有している。本実施の形態では、電磁弁1の非通電状態において供給ポート21と出力ポート22とが連通し、排出ポート23は第3ランド部34によって閉塞される。また、電磁弁1に定格電流値の電流が供給された状態では、出力ポート22と排出ポート23とが連通し、供給ポート21は第2ランド部32によって閉塞される。
小径部33には、フィードバックポート24からフィードバック圧が供給される。小径部33を挟んで対向する第1ランド部31及び第2ランド部32の端面(受圧面)には、第1ランド部31と第2ランド部32との外径差に基づく面積差(受圧面積差)がある。このため、フィードバック圧によってスプール3を栓体41側へ押圧する力が発生しており、スプール3が動作する際の振動を減衰する効果がある。供給ポート21と出力ポート22との間の流路面積、及び出力ポート22と排出ポート23との流路面積は、スプール3の軸方向移動によって変化する。
第1の付勢機構4は、スリーブ2における収容部25の内面に螺合して弁孔20の一端部を閉塞する栓体41と、栓体41とスプール3との間に配置された第1の付勢部材としてのコイルばね42とを有している。コイルばね42は、軸方向に圧縮されており、その復元力によってスプール3をソレノイド部5側に付勢している。ソレノイド部5は、励磁電流の供給を受けて作動し、励磁電流の大きさに応じた押圧力でスプール3を軸方向の一側(第1の付勢機構4側)に押圧する。
ソレノイド部5は、励磁電流によって磁束を発生させる電磁コイル50と、スリーブ2に対して固定され、電磁コイル50への通電により発生する磁束の磁路となるハウジング61と、ハウジング61に収容されたコア部材62と、磁束を受けたコア部材62に吸引され、ハウジング61に対して軸方向に移動する円筒状のプランジャ7と、スプール3に先端部が当接すると共にプランジャ7と一体に軸方向移動する円柱状のシャフト8と、シャフト8を介してスプール3を第1の付勢機構4とは反対側に付勢する第2の付勢機構9とを有している。
電磁コイル50は、エナメル線等の導線を巻き回して形成され、例えばモールド成形された樹脂からなる保持部材51に保持されている。保持部材51には、ハウジング61から突出して配置されるコネクタ部511が設けられ、このコネクタ部511に図略の端子が収容されている。電磁コイル50には、この端子から励磁電流が供給される。
ハウジング61は、電磁コイル50の外周側を包囲する有底筒状であり、電磁コイル50と共にコア部材62を収容している。コア部材62は、電磁コイル50の磁力によってプランジャ7をスプール3側に吸引する。ハウジング61及びコア部材62は、共に鉄等の軟磁性体からなる。ハウジング61は、スリーブ2側の端部とは反対側の端部に位置する底部611と、底部611から軸方向に延在する外側筒部612及び内側筒部613と、外側筒部612の先端部に設けられ、スリーブ2のフランジ部26に加締められた加締め部614とを一体に有している。外側筒部612は、電磁コイル50の外周側を軸方向の全体にわたって覆い、内側筒部613は、電磁コイル50の底部611側の一部の内周側に配置されている。
コア部材62は、円筒状の本体部621と、本体部621におけるハウジング61の底部611側の一端部から内側筒部613に向かって突出する環状突部622と、本体部621の他端部に設けられて本体部621の外方に突出する鍔部623とを一体に有している。コア部材62における鍔部623側の端部にはスリーブ2が当接している。鍔部623は、ハウジング61の底部611との間に電磁コイル50を軸方向に挟み、かつハウジング61の外側筒部612の端部に当接している。環状突部622の外周面はテーパ状であり、ハウジング61の内側筒部613側の端部ほど径方向の厚みが薄くなっている。
プランジャ7には、その中心部にシャフト8が挿通される挿通孔70が形成されている。シャフト8は、挿通孔70への圧入によりプランジャ7に固定され、プランジャ7と共に軸方向に移動する。シャフト8は、コア部材62の本体部621に形成された挿通孔620に挿通され、その先端部81がスプール3におけるソレノイド部5側の端部に当接し、後端部82はハウジング61の内側筒部613の内側に配置されている。プランジャ7は、シャフト8の軸方向において、後端部82寄りに配置されている。プランジャ7の外周面は、ハウジング61の内側筒部613の内周面、及びコア部材62の環状突部622の内周面に向かい合う。
プランジャ7とコア部材62の本体部621との間には、シャフト8に外嵌されたリング状のストッパ71が配置されている。電磁弁1に定格電流値の電流が供給されたとき、ストッパ71はプランジャ7とコア部材62の本体部621との間に挟まれる。プランジャ7は鉄等の軟磁性体からなり、シャフト8及びストッパ71は、オーステナイト系ステンレスやアルミニウム等の非磁性体からなる。
第2の付勢機構9は、ハウジング61の底部611に形成されたガイド穴610に収容された球体91と、球体91をシャフト8の後端部82に付勢する第2の付勢部材としてのコイルばね92とを有している。球体91は、略真球であると共に、オーステナイト系ステンレスやアルミニウム等の非磁性体からなり、シャフト8の直径よりも大きい直径を有する球状の部材である。ガイド穴610の深さ(軸方向長さ)は、シャフト8がスプール3側に移動した場合の移動端(後述する第2位置)にあるときにも、球体91が抜け出ない大きさに設定されている。
図2は、図1(a)における第2の付勢機構9及びシャフト8の後端部82の周辺部を拡大して示す拡大図である。ガイド穴610は、シャフト8の移動方向に沿った軸方向に直交する断面が円形状であり、ハウジング61の底部611の中心部に形成されている。球体91は、ガイド穴610内でハウジング61に対してシャフト8の軸方向に沿って移動自在であり、かつハウジング61に対してシャフト8の軸方向に直交する方向への移動がガイド穴610の内周面610aによって規制されている。
なお、球体91がガイド穴610内を移動する際、球体91がガイド穴610の内周面610aを摺動しても、球体91は非磁性体であるので、磁力によってガイド穴610の内周面610aに引き付けられることがなく、また球体91が略真球であることにより、内周面610aとの摺動により発生する摩擦力が球体91の摺動性に与える影響は限定的である。また、コイルばね92とシャフト8との間に介在する部材が球体91であるため、例えばこの部材が円柱状である場合に比較して内周面610aとの接触面積が小さくなり、摺動抵抗が抑制される。
ガイド穴610の底面610bには、円柱状のボス部615が立設されている。コイルばね92は、ボス部615に嵌着されてガイド穴610に収容されている。コイルばね92の軸方向の一端部はガイド穴610の底面610bに当接し、他端部は球体91に当接している。
コイルばね92のばね定数は、第1の付勢機構4のコイルばね42のばね定数よりも小さい。これにより、電磁コイル50に励磁電流が供給されていないとき、球体91は、スプール3及びシャフト8を介して受ける第1の付勢機構4のコイルばね42の付勢力により、ボス部615の頂面615aに当接する。すなわち、球体91、シャフト8、及びスプール3は、球体91がボス部615の頂面615aに当接した第1位置(図1(a)参照)と、ストッパ71がプランジャ7とコア部材62の本体部621との間に挟まれた第2位置(図1(b)参照)との間を軸方向に移動する。
図2に示すように、ハウジング61の内側筒部613の内径をd1、コア部材62の環状突部622の内径をd2、プランジャ7の外径をd3とすると、d1とd2は同じ寸法であり、d3はd1,d2よりも僅かに小さく形成されている。また、ガイド穴610の内径をd4とし、球体91の直径をd5とすると、d5はd4よりも僅かに小さく形成されている。またさらに、d3とd1,d2との径差をΔda(Δda=d1−d3=d2−d3)とし、d4とd5との径差をΔdb(Δdb=d4−d5)とすると、ΔdbはΔdaよりも小さい。換言すれば、シャフト8の軸方向に直交する方向における球体91のハウジング61に対する径方向隙間は、プランジャ7の同方向におけるハウジング61に対する径方向隙間よりも小さい。なお、図2では、説明の明確化のため、d3とd1,d2との差を誇張して示している。
球体91は、その一部がシャフト8の後端部82に形成された凹部820に収容されている。本実施の形態では、凹部820がすり鉢状であり、その内面820aは、中心部ほど軸方向深さが深くなるテーパ状(円錐面)である。球体91は、シャフト8の軸方向に沿った断面において、凹部820の内面820aにシャフト8の中心軸線Cを挟む二点(接触点91a,91b)で接触している。これにより、シャフト8の後端部82側は、球体91に対してシャフト8の軸方向に直交する方向へ移動することが規制されている。つまり、シャフト8は、凹部820に球体91の一部が収容されることで、球体91に対してプランジャ7の軸方向に直交する方向への移動が規制されている。
以上の構成により、シャフト8のハウジング61に対する同心性が高められ、プランジャ7とハウジング61との非接触状態を維持しながら、シャフト8及びプランジャ7を軸方向移動させることも可能となる。また、プランジャ7がハウジング61に接触する場合でも、その接触荷重が小さくなり、プランジャ7が軸方向に移動する際のハウジング61との間の摩擦抵抗が抑制される。
図3は、図1(a)におけるシャフト8の先端部81の周辺部を拡大して示す拡大図である。シャフト8の先端部81は、スプール3の端部30に係合することで、スプール3の軸方向に直交する方向への移動が規制されている。
本実施の形態では、スプール3の端部30に凹部300が形成され、シャフト8の先端部81が半球状に形成されている。凹部300はすり鉢状であり、その内面300aは、中心部ほど軸方向深さが深くなるテーパ状である。シャフト8の先端部81は、図3に示す断面において、凹部300の内面300aにシャフト8の中心軸線Cを挟む二点(接触点81a,81b)で接触している。
なお、これに限らず、シャフト8の先端部81に凹部が形成され、スプール3の端部30に形成された突起がシャフト8の先端部81の凹部に係合することにより、シャフト8の先端部81のスプール3の軸方向に直交する方向(径方向)への移動が規制されていてもよい。
スプール3の第1ランド部31、第2ランド部32、及び第3ランド部34の外周面と、スリーブ2の弁孔20の内周面との間の隙間は、スリーブ2の各ポート(供給ポート21、出力ポート22、排出ポート23、及びフィードバックポート24)間の作動油の漏れを抑止できる程度の極めて小さい寸法に設定されている。すなわち、スリーブ2とスプール3とは、高い同心性を有しており、スプール3の径方向へのシャフト8の先端部81の相対移動を規制することで、コア部材62の挿通孔620内におけるシャフト8の傾斜が抑制され、シャフト8のハウジング61に対する同心性が高められている。これにより、シャフト8とコア部材62との非接触状態を維持しながら、シャフト8及びプランジャ7を軸方向移動させることも可能となる。また、シャフト8がコア部材62に接触する場合でも、その接触荷重が小さくなり、シャフト8が軸方向に移動する際のコア部材62との間の摩擦抵抗が抑制される。
次に、電磁弁1の動作について説明する。電磁コイル50に励磁電流が供給されると、図1(b)に示すように、ハウジング61、コア部材62、及びプランジャ7を磁束が通過する磁路Mが形成される。このように形成された磁路Mを通過する磁束に応じて電磁力が発生し、この電磁力によってプランジャ7がコア部材62の本体部621側に吸引され、シャフト8がスプール3を押圧する。そして、スプール3が第1の付勢機構4のコイルばね42の付勢力に抗して栓体41側に軸方向移動するため、供給ポート21と出力ポート22との連通がスプール3の第2ランド部32によって遮断される一方、出力ポート22と排出ポート23とが連通する。
一方、電磁コイル50へ励磁電流の供給を停止すると、図1(a)に示すようにコイルばね42の付勢力によってスプール3がソレノイド部5側へ移動し、供給ポート21と出力ポート22とが連通する一方、出力ポート22と排出ポート23との連通がスプール3の第3ランド部34によって遮断される。すなわち、電磁弁1は、スプール3の軸方向移動によって、供給ポート21、出力ポート22、及び排出ポート23の間の連通状態が切り替わる。
また、スプール3は、第1の付勢機構4のコイルばね42の付勢力と、第2の付勢機構9のコイルばね92の付勢力及び電磁コイル50の電磁力とが釣り合う位置に位置決めされる。このため、電磁コイル50に供給する励磁電流を増減することで、弁孔20内における軸方向位置を任意に設定することができる。このように、電磁弁1は、供給ポート21と出力ポート22との間の作動油の流路面積、及び出力ポート22と排出ポート23との間の流路面積を変化させることにより、電磁弁1を通過する作動油の圧力を調節することが可能である。
[実施の形態の作用及び効果]
以上説明した実施の形態によれば、次に述べる(1)〜(6)の作用及び効果が得られる。
(1)スティックスリップ現象及び摩耗の抑制効果
シャフト8の後端部82に形成された凹部820に球体91の一部が収容され、この球体91がコイルばね92によってシャフト8の後端部82に押し付けられているので、シャフト8及びプランジャ7をハウジング61に対して軸方向移動可能としながら、シャフト8及びプランジャ7のハウジング61に対する同心性を高めることができる。これにより、スリーブ2に対してスプール3を移動させる際のシャフト8及びプランジャ7の軸方向移動に伴う摩擦を抑制することができ、スティックスリップ現象の発生や摩耗を抑制することが可能となる。
(2)ヒステリシスの抑制効果
シャフト8及びプランジャ7が軸方向移動する際の摩擦抵抗が小さくなることにより、シャフト8及びプランジャ7が図1(a)に示す第1位置から図1(b)に示す第2位置に向かって移動するときの励磁電流に対するスプール3のスリーブ2との相対的な軸方向の位置と、第2位置から第1位置に向かって移動するときの励磁電流に対するスプール3のスリーブ2に対する相対的な軸方向の位置との差であるヒステリシスを抑制することも可能となる。つまり、シャフト8及びプランジャ7とハウジング61及びコア部材62との間に発生する摩擦力は、第1位置から第2位置に向かって移動する場合と、第2位置から第1位置に移動する場合とで互いに逆向きに作用するため、この摩擦力がヒステリシスの要因となるが、本実施の形態によれば、この摩擦力が低減されるので、ヒステリシスを抑制することができ、励磁電流の調節によってスリーブ2の出力ポート22から対象装置に供給される作動油の圧力を精度よく制御することが可能となる。
(3)シャフト8のハウジング61に対する傾斜の抑制効果
シャフト8の先端部81がスプール3の端部30に係合することで、スプール3の径方向へのシャフト8の先端部81の相対移動が規制されるので、シャフト8のハウジング61に対する傾斜を抑制し、より確実にシャフト8及びプランジャ7のハウジング61に対する同心性を高めることができる。
(4)シャフト8のスプール3及び球体91に対する径方向移動の抑制効果
シャフト8は、軸方向に沿った断面において、先端部81が凹部300の内面300aに二点で接触し、かつ後端部82に形成された凹部820の内面820aに球体91が二点で接触するので、スプール3及び球体91に対する径方向移動が確実に規制される。
(5)球体91の偏摩耗抑制効果
球体91は、例えばスプール3の凹部300の内面300aとの摩擦によって回転し得るので、その表面における特定の部位のみが内面300aと摺動することがなく、球体91が偏摩耗してしまうことが抑制される。
(6)スプール3の振動抑制効果
供給ポート21にギヤポンプやベーンポンプからなるオイルポンプから吐出された作動油が供給される場合、その供給圧は僅かに脈動する。そして、この供給圧の脈動によりスプール3がスリーブ2に対して軸方向に微振動すると、弁孔20の内周面等に摩耗が発生するおそれがある。しかし、本実施の形態では、第2の付勢機構9のコイルばね92によりスプール3及びシャフト8の微振動が抑制されるので、スプール3の微振動による悪影響を抑制することができる。また、電磁コイル50に例えばPWM制御により電流量が調節された励磁電流を供給すると、励磁電流の高調波成分によってスプール3に軸方向の微振動が発生する場合があるが、このスプール3の微振動についても、コイルばね92による抑制効果が発揮される。
[実施の形態の変形例1]
次に、本発明の実施の形態の変形例1について、図4を参照して説明する。
図4は、実施の形態の変形例1に係るシャフト8の一部を拡大して示す断面図である。図4では、シャフト8の後端部82を中心軸線Cを含む軸方向に沿った断面で示し、後端部82に当接する球体91を仮想線(二点鎖線)で示している。
本変形例は、上記実施の形態におけるシャフト8の凹部820の形状を変形したものである。すなわち、上記実施の形態では、凹部820がすり鉢状であり、その内面820aが円錐面からなるテーパ状である場合について説明したが、変形例1では、凹部820が上記と同様にすり鉢状であるものの、シャフト8の軸方向に沿った断面における凹部820の内面が、一対の円弧の組み合わせによって形成されている。
より具体的には、シャフト8の軸方向に沿った断面において、凹部820の内面は、球体91の半径よりも曲率半径が大きい凹円弧状の第1及び第2の曲線820b,820cからなり、これら第1及び第2の曲線820b,820cがシャフト8の中心軸線Cで交わっている。この断面において、球体91は、接触点91aにおいて第1の曲線820bに接触し、接触点91bにおいて第2の曲線820cに接触している。
本変形例によれば、上記実施の形態と同様の作用及び効果が得られる。また、凹部820の内面が凹円弧状であるので、例えば電磁弁1が強い振動を受けた場合でも、球体91がシャフト8に対して芯ずれしてしまうことをより確実に抑制することができる。
[実施の形態の変形例2]
次に、本発明の実施の形態の変形例2について、図5を参照して説明する。
図5は、実施の形態の変形例2に係る電磁弁の一部を拡大して示す断面図である。図5では、図4と同様に、シャフト8の後端部82を中心軸線Cを含む軸方向に沿った断面で示し、後端部82に当接する球体91を仮想線(二点鎖線)で示している。
本変形例は、上記実施の形態におけるシャフト8の凹部820の形状を変形したものであり、凹部820の内面が球体91の半径よりも大きな曲率半径を有する凹球面状に形成されている。球体91は、凹部820の中心部にあたる最奥部820dに接触する。
本変形例によっても、上記実施の形態と同様の作用及び効果が得られる。また、凹部820の加工が容易となる。
(付記)
以上、本発明を実施の形態及びその変形例1,2に基づいて説明したが、上記に記載した実施の形態及び変形例1,2は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。また、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変形して実施することが可能である。
1…電磁弁 2…スリーブ
20…弁孔 21…供給ポート
22…出力ポート 3…スプール
42…コイルばね(第1の付勢部材) 5…ソレノイド部
50…電磁コイル 51…保持部材
61…ハウジング 62…コア部材
7…プランジャ 8…シャフト
81…先端部 82…後端部
91…球体 92…コイルばね(第2の付勢部材)

Claims (4)

  1. 作動油が流通する複数のポートが形成された筒状のスリーブと、
    前記スリーブに形成された弁孔に軸方向移動可能に収容され、その軸方向移動によって前記ポート間の流路面積を変化させるスプールと、
    励磁電流の供給を受けて作動し、前記励磁電流の大きさに応じた押圧力で前記スプールを軸方向の一側に押圧するソレノイド部と、
    前記スプールを前記ソレノイド部側に付勢する第1の付勢部材と、を備え、
    前記ソレノイド部は、
    前記励磁電流によって磁束を発生させる電磁コイルと、
    前記スリーブに対して固定され、前記磁束の磁路となるハウジングと、
    前記ハウジングに収容されたコア部材と、
    前記磁束を受けた前記コア部材に吸引され、前記ハウジングに対して軸方向に移動する円筒状のプランジャと、
    前記スプールに先端部が当接すると共に前記プランジャと一体に軸方向移動するシャフトと、
    前記ハウジングに対して前記プランジャの軸方向に沿って移動自在である球体と、
    前記球体を前記シャフトの後端部に付勢する第2の付勢部材と、を有し、
    前記球体は、前記ハウジングに対して前記プランジャの軸方向に直交する方向への移動が規制され、
    前記シャフトは、その後端部に形成された凹部に前記球体の一部が収容されることで、前記球体に対して前記プランジャの軸方向に直交する方向への移動が規制されている、
    電磁弁。
  2. 前記シャフトの前記凹部は、その内面がすり鉢状であり、
    前記球体は、前記シャフトの軸方向に沿った断面において、前記凹部の内面に前記シャフトの中心軸線を挟む二点で接触している、
    請求項1に記載の電磁弁。
  3. 前記シャフトの前記凹部は、その内面が前記球体の半径よりも大きな曲率半径を有する凹球面状である、
    請求項1に記載の電磁弁。
  4. 前記シャフトの前記先端部は、前記スプールの端部に係合することで、前記スプールの軸方向に直交する方向への移動が規制されている、
    請求項1乃至3の何れか1項に記載の電磁弁。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020180696A (ja) * 2019-04-25 2020-11-05 株式会社日立ニコトランスミッション 比例電磁弁および油圧回路システム

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