JP2018048390A - 高炉用含炭非焼成塊成鉱の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】山積みした塊成物を一次養生したときの山の上層部と下層部とにおける塊成物の強度のばらつきを低減して、安定した品質の含炭非焼成塊成鉱を簡便に、かつ低コストで得ることができる高炉用含炭非焼成塊成鉱の製造方法を提供する。【解決手段】微粉状鉄含有原料、微粉状炭材、及び水硬性バインダーを含んだ配合原料を水分調整した後に成形した塊成物を、側壁で囲まれた処理ピット内に山積みし、保温シートで覆うと共に、処理ピットの床面から所定量の蒸気を噴射して加温しながら塊成物を一次養生する工程を含んだ高炉用含炭非焼成塊成鉱の製造方法であって、処理ピットの上方から生ペレットを投入して積み付けながら山積みする途中で、処理ピットの床面から蒸気を噴射して塊成物の加温を開始することを特徴とする高炉用含炭非焼成塊成鉱の製造方法である。【選択図】図3

Description

この発明は、高炉用含炭非焼成塊成鉱の製造方法に係るものであり、配合原料を水分調整して成形した塊成物を処理ピット内に山積みし、処理ピットの床面から蒸気を噴射して加温しながら塊成物を一次養生して、高炉用の含炭非焼成塊成鉱を製造する方法に関する。
現在の製鉄プロセスにおける高炉用鉄原料は、平均粒度が約2〜3mmの粉状鉄鉱石を主要な鉄含有原料とし、これに石灰石や珪石等の副原料と、粉コークスや無煙炭等の炭材とを配合して、水分を調整しながら混合、造粒して擬似造粒子(1mm以上の核粒子の表面に0.5mm以下の微粉粒子が付着した造粒物)とし、その後、焼結機で焼結した焼結鉱が主流を占めている。
一方、製鉄プロセスにおいて多量に発生する焼結ダストや高炉ダスト等を集塵機で回収した含鉄集塵ダストをはじめ、スラッジ、スケール粉等の微粉のダスト(これらは一般に製鉄ダストと称する)や、ペレットフィード(ペレット用原料)等の微粉状鉄鉱石も塊成化することにより高炉用鉄原料として用いられる。これらは、粒径0.25mm以下の微粉粒子が全体の80%以上を占める微粉状鉄含有原料であるため、上記のような焼結鉱プロセスで造粒し、焼結する際に、造粒物が崩壊して原料充填層の通気性が悪化し、生産性が低下してしまう。
そのため、このような微粉状原料を主要な鉄含有原料として焼成により塊成化する場合には、上記焼結鉱プロセスよりも高い混合・造粒機能が求められ、例えば、混合機を用いて鉄含有原料と副原料に水分を添加し混合した後、さらに、ドラムミキサーに比べて高い造粒能力を有するディスクペレタイザーなどの造粒機を用いて、粒径0.25mm以下の微粉粒子を主体とする球状のペレットを製造することが行なわれている。また、このようなペレットは、焼結プロセスにおける擬似造粒子に比べて密度が高い造粒物であるため、ペレットを焼成する場合には、燃焼ガスなどを熱源とする外部加熱型の焼成機が用いられることから、莫大な製造エネルギーや製造コストが掛かってしまう。
一方、粒径0.25mm以下の微粉粒子が全体の80%以上を占める微粉状鉄含有原料は、セメント等の結合材(バインダー)と共に水を添加し、造粒してペレット等の塊成物に成形した後、養生して強度を高めて塊成鉱を得る非焼成型の塊成化プロセスを用いて、そのまま高炉用鉄原料として使用することが古くから行われている。
このような非焼成型塊成化プロセスによれば、焼結鉱や焼成ペレットを得るような焼成型塊成化プロセスでは不可能である炭材の塊成鉱内への多量添加が可能となるため、近年、高炉操業時の還元材比の低減を目的とし、このプロセスを利用したカーボン内装非焼成塊成鉱の製造方法が検討されている。
例えば、鉄鉱石、又は、製鉄所で発生した多種の含鉄、含炭系集塵ダストからなる含酸化鉄原料に、鉄鉱石類の被還元酸素を還元して金属鉄とするために必要な理論炭素量の80〜120%のカーボン量(全原料中のC含有量:10〜15質量%程度)に相当するカーボン系炭材を配合し、早強ポルトランドセメントを加えて混錬、成型した後、7日間の養生により、常温での圧潰強度が7850kN/m(80kg/cm2に相当)以上のカーボン内装非焼成塊成鉱を製造する方法が提案されている(特許文献1参照)。
しかしながら、上記特許文献1のような含炭非焼成塊成鉱では、高炉用原料として要求される冷間圧潰強度85kg/cm以上を維持するために、全原料中の炭素含有割合(T.C)を15質量%(炭素当量で1.2に相当)未満に制限せざるを得なかった。そのため、含炭非焼成塊成鉱中の酸化鉄の直接還元は進んでも、含炭非焼成塊成鉱以外に高炉に装入される焼結鉱等の主要な高炉用鉄含有原料の還元を十分に促進することができない。
そこで、含炭非焼成塊成鉱を得るにあたり、全原料の粒度を2mm以下として、全原料中の炭素含有割合(T.C)が15〜25質量%となるように微粉状炭材の配合割合を調整し、かつ、微粉状炭材のメジアン径を100〜150μmとする高炉用含炭非焼成塊成鉱の製造方法が提案されている(特許文献2参照)。この方法によって得られた含炭非焼成塊成鉱によれば、高炉で使用する際に、含炭非焼成塊成鉱だけではなく、焼結鉱等の他の鉄含有原料の被還元率を向上させることができ、高炉操業時の還元材比の低減が図られる。
ところが、含炭非焼成塊成鉱は、カーボンを含有しない非焼成塊成鉱に比べて成形直後の塊成物強度が低下し、また、カーボンは疎水性を有して、かつ多孔質であるため、塊成物の強度維持に必要となる添加水分量もカーボンを含有しない場合に比べて多くなってしまう。そのため、カーボン含有量の増加とともに、冷間圧潰強度を維持するための含炭非焼成塊成鉱中の水分含有量が高くなり、ペレット等に成形した後の養生(セメントの水和反応の促進及び乾燥)における強度発現までの時間が長くなってしまうという問題がある。
このように、含炭非焼成塊成鉱は、冷間圧潰強度が比較的低く、また、必要な強度を発現するために比較的長い養生時間を要してしまう。これらの傾向は、特に、上記特許文献2のように炭素含有割合を高くするとより顕著になる。そこで、配合原料を成形した塊成物を養生する際に、蒸気を流して養生処理を促進させる方法が知られている(例えば特許文献3、4参照)。
ところで、上記のような非焼成型塊成化プロセスでは、一般に、微粉状鉄含有原料、微粉状炭材、水硬性バインダー等の配合原料がそれぞれ所定の配合量となるようにホッパー等から切り出して、配合原料を粉砕し(或いは各原料を事前に粉砕して配合し)、混錬機を用いて水分量を調整しながら混錬し、例えば、造粒機で造粒して篩い分けを行い、ペレット(塊成物)を得る。
そして、造粒して得られたペレットは、高炉用鉄原料としての強度となるように養生するが、その際、側壁で囲まれた処理ピットに山積みして一次養生する場合、処理ピットの上部を跨るように設置された架台の上を走行する給鉱台車にベルトコンベア等を接続させてペレットを供給し、給鉱台車から処理ピット内にペレットを落下させて投入しながら積み付けていく。例えば、26m×13m程度の面積を有する処理ピットに3〜5mほどの高さでペレットを山積みし、ブルーシート等のような保温シートで覆い、2日ほどの一次養生を行う。このとき、蒸気を流して養生する場合には、処理ピットの床面に蒸気噴出管を設けておき、ペレットを山積みして保温シートを掛けてから、処理ピットの下方から上方に向けて蒸気を吹き出し、山積みされたペレットの下層から上層にかけて(山の下層部から上層部にかけて)水と熱を付与していく。一次養生後は、処理済みのペレットを処理ピットから払い出し、原料ヤード(二次養生ヤード)に搬出して8〜12日程度大気中で放置して二次養生を行い、強度の発現した含炭非焼成塊成鉱が得られる。
ところが、ペレットのような塊成物を山積みして一次養生する場合、山の下層部と上層部とでは強度(冷間強度)にばらつきが生じてしまう。一次養生後の塊成物に強度のばらつきが存在すると、養生が不十分な塊成物は二次養生のための積み替え作業中に粉化してしまったり、二次養生後の含炭非焼成塊成鉱の歩留まりが低下してしまう。
強度の低い塊成物が混在することについて、セメント等の水硬性バインダーの配合量を増やすと、得られた含炭非焼成塊成鉱を高炉で使用した場合にスラグの発生量が増大したり、高炉内での水硬性バインダーの脱水吸熱が顕在化し、還元材比の低減効果が損なわれるなどの悪影響が引き起こされる。また、ばらつきを抑えるために塊成物の山積み高さを低くすると、その分だけ広大な処理ピット面積が必要となる上に、作業効率の悪化を招いてしまう。
そこで、このようなばらつきの問題に対して、例えば、塊成物を山積みした山の下層部ではバインダーの添加量を多くし、山の上層部では水硬性バインダーの添加量を少なくして、強度のばらつきを低減させる方法が提案されている(特許文献5参照)。また、山形の傾斜面に生ペレットを載置して養生することで、ばらつきを抑える方法も知られている(特許文献6参照)。しかしながら、前者の方法では、積み付けのタイミングに応じて塊成物の配合を調整しなければならず、また、後者の方法では、特殊な装置を構成する必要があると共に、塊成物の堆積層の厚さが山積みの場合に比べて小さくなるため生産性が低下してしまい、いずれの方法においても作業性やコストの面で検討の余地がある。
特開2003−342646号公報 特開2008−95177号公報 特開2001−348624号公報 特開2009−161791号公報 特開平6−145824号公報 特開2013−79433号公報
そこで、本発明者らは、上記のような非焼成型塊成化プロセスにおいて、山積みした塊成物を一次養生した場合の強度のばらつきに関して鋭意検討した結果、処理ピットの上方から塊成物を落下投入して積み付けながら山積みする途中で、蒸気噴出管から蒸気を噴射して塊成物の加温を開始することで、山の上層部と下層部とにおける塊成物の強度のばらつきを低減できるようになることを見出し、本発明を完成した。
したがって、本発明の目的は、山積みした塊成物を一次養生したときの山の上層部と下層部とにおける塊成物の強度のばらつきを低減して、安定した品質の含炭非焼成塊成鉱を簡便に、かつ低コストで得ることができる高炉用含炭非焼成塊成鉱の製造方法を提供することにある。
すなわち、本発明の要旨は次のとおりである。
(1)微粉状鉄含有原料、微粉状炭材、及び水硬性バインダーを含んだ配合原料を水分調整した後に成形した塊成物を、側壁で囲まれた処理ピット内に山積みし、保温シートで覆うと共に、処理ピットの床面から所定量の蒸気を噴射して加温しながら塊成物を一次養生する工程を含んだ高炉用含炭非焼成塊成鉱の製造方法であって、処理ピットの上方から塊成物を投入して積み付けながら山積みする途中で、処理ピットの床面から蒸気を噴射して塊成物の加温を開始することを特徴とする高炉用含炭非焼成塊成鉱の製造方法。
(2)処理ピット内に山積みする塊成物の山積み高さHに対して、塊成物の積み付け高さhが50〜70%(0.5H≦h≦0.7H)のタイミングで処理ピットの床面から蒸気を噴射して塊成物の加温を開始する(1)に記載の高炉用含炭非焼成塊成鉱の製造方法。
(3)処理ピット内に山積みする塊成物の山積み高さHが3〜5mである(1)又は(2)に記載の高炉用含炭非焼成塊成鉱の製造方法。
(4)前記配合原料中の炭素含有割合(T.C)が15〜25質量%である(1)〜(3)のいずれかに記載の高炉用含炭非焼成塊成鉱の製造方法。
(5)前記一次養生において蒸気を噴射して養生する時間が15〜30時間である(1)〜(4)のいずれかに記載の高炉用含炭非焼成塊成鉱の製造方法。
(6)前記一次養生における蒸気使用量が、塊成物1トンあたり13〜17トンである(1)〜(5)のいずれかに記載の高炉用含炭非焼成塊成鉱の製造方法。
本発明によれば、非焼成型塊成化プロセスにおいて山積みした塊成物を一次養生したときに、山の上層部と下層部とにおける塊成物の強度のばらつきを低減することができる。そのため、安定した品質の含炭非焼成塊成鉱を簡便に、かつ低コストで得ることができるようになる。
図1は、塊成物を一次養生する養生処理装置の一例を示す模式説明図である。 図2(a)は、含炭非焼成塊成鉱のカーボン(炭素)含有量と圧潰強度との関係を示すグラフであり、図2(b)は、養生前のペレット(塊成物)の強度維持に必要となる添加水分量とカーボン含有量との関係を示すグラフである。 図3は、下記製造実験Iの一次養生において、温度履歴及びペレットの強度を測定した山の個所を示す模式図である。 図4は、下記製造実験Iの一次養生における温度履歴を示すグラフであり、(a)は養生条件1、(b)は養生条件2、(c)は養生条件3の場合を示す。 図5は、下記製造実験Iの一次養生の違いによる山の高さとペレット強度との関係を示すグラフであり、(a)は山の高さの各層におけるペレットの平均強度を示し、(b)は山の高さの各層におけるペレット中の低強度品の割合を示す。
以下、本発明について詳しく説明する。
本発明における高炉用の含炭非焼成塊成鉱の製造方法では、微粉状鉄含有原料、微粉状炭材、及び水硬性バインダーを含んだ配合原料を水分調整した後に塊成物に成形した上で、側壁で囲まれた処理ピット内に山積みし、保温シートで覆うと共に、処理ピットの床面から所定量の蒸気を噴射して加温しながら塊成物を一次養生する際に、処理ピットの上方から塊成物を投入して積み付けながら山積みする途中で、処理ピットの床面から蒸気を噴射して塊成物の加温を開始するようにする。
一般に、非焼成型塊成化プロセスにおいて山積みした塊成物を一次養生する場合、水硬性バインダーの水和反応(発熱反応)により塊成物の温度は40〜60℃程度になる。このとき、山の下層部にあたる位置の塊成物は処理ピットの床面に熱が奪われるのに対し、山の上層部にあたる位置の塊成物はそれ自身の発熱と共に、下層部側からの伝熱により予熱されるため、下層部と上層部とでは塊成物に温度差が生じてしまう。これは、処理ピットの床面から蒸気を噴射して加温する場合でも同様であり、下層部側からの伝熱により上層部側は下層部に比べてより高温になることから、山の上層部と下層部とにおける塊成物の強度にばらつきが生じてしまうと考えられる。
加えて、実際の製造では、処理ピット内への塊成物の積み付け開始から山積みが完了するまでに24時間程度の時間を要してしまう。これは、ヤードで保管されたスラグを重機でまとめて処理ピットに投入するスラグの蒸気エージングのような場合と異なり、高炉用の含炭非焼成塊成鉱の製造では、原料配合と成形により得られた塊成物を順次、処理ピットの上方から投入して積み付けを行うためである。そのため、山の下層部に位置する塊成物と上層部に位置する塊成物とでは必然的に養生時間に差が生じ、塊成物の強度にばらつきを生む原因になるとも考えられる。
一般に、含炭非焼成塊成鉱を得るにあたり、塊成物を処理ピットに山積みして一次養生する際には、微粉状鉄含有原料、微粉状炭材、水硬性バインダー等の配合原料を所定の配合量となるようにホッパーから切り出し、ボールミル等の粉砕機で粉砕して、レディゲミキサーやアイリッヒミキサー等の混錬機を用いて、水分量を調整しながら混錬する(水分含有量は9〜14質量%程度)。その後、例えば、パンペレタイザー等の造粒機で造粒し、更に、振動篩等で篩い分けして、造粒したペレット(塊成物として)を得る。このとき、配合原料を構成する各原料を粉砕した後、配合して配合原料としてもよい。また、水分調整して混錬した配合原料を造粒機による造粒して塊成物にするかわりに、例えば、圧縮成型機を用いてブリケットにしたり、押出し成型機により押出し成型するなどして塊成物を得るようにしてもよい。
そして、例えば、図1に示したようにして、側壁で囲まれた処理ピット1に得られた塊成物を山積みする。すなわち、この例では屋根のある建屋10内にコンクリート擁壁等からなる側壁2で三方が囲まれた処理ピット1が形成されており、この処理ピット1の上方を跨るように架台3が設置されている。また、架台3は側壁2の上端面に設けられたレールに沿って処理ピット1を横幅方向(x方向)に移動可能であると共に(この図1の例では架台3の一端が建屋10の壁に設けられたレール上を移動する)、架台3の上には給鉱台車(積付機)4が積載されて、この給鉱台車4が処理ピット1の奥行き方向(y方向)に移動することができる。また、給鉱台車4には、ベルトコンベア5が接続されて製造した塊成物が供給されるようになっており、架台3と給鉱台車4の移動により処理ピット1の上方から塊成物を投入して、処理ピット内に塊成物を積み付けて、山積みされた塊成物の山6が形成される。
ここで、従来の方法では、図1に示したような養生処理装置の処理ピット1内に塊成物を山積みした後には、建屋10の天井に設置されたホイスト式クレーン7を使って塊成物の山6をブルーシート等のような保温シート8で覆い、処理ピット1の床面に備え付けられた蒸気噴出管9から蒸気を噴射して、山積みされた塊成物の山6の下層部から上層部にかけて水と熱を付与し、水硬性バインダーの水和反応を促進させて塊成物の強度を発現させる(以下、「従来法」と言う)。これは、蒸気噴出管9から噴射される蒸気の無駄を無くすためであり、塊成物の山6を保温シート8で覆った上で、処理ピット1の床面の蒸気噴出管9から蒸気を噴射することで、蒸気からの熱と水分を極力逃がさずに、より効率的に塊成物の養生を進めるためと考えられてきた。
ところが、本発明者らが試行錯誤を重ねた結果、塊成物を山積みする途中で蒸気噴出管から蒸気の噴射を開始し、蒸気を噴射させながら残りの塊成物の積み付けを行い、山積みが完了して保温シートで覆うようにしたところ、驚くべきことには、従来法に比べて山の上層部と下層部とにおける塊成物の強度のばらつきが抑えられ、しかも、蒸気の使用量を従来法の場合と同じにしても(つまり、本発明の場合には、蒸気の噴射を開始してから残りの塊成物の積み付けを行っている間は保温シートで覆わずに、蒸気は積み付けた塊成物の間から放出される)、一次養生後に得られる塊成物の平均強度(一次養生した山の平均)が従来法の場合よりも高くなることが分かった。このような理由のひとつとして、山の下層部に位置する塊成物の強度が向上して、上層部との強度差が解消するためと考えられる。
好ましくは、処理ピット内に山積みする塊成物の山の山積み高さHに対して、塊成物の積み付け高さhが50〜70%(0.5H≦h≦0.7H)のタイミングで処理ピットの床面に設置された蒸気噴出管等から蒸気を噴射して塊成物の加温を開始するのがよい。蒸気を噴射するタイミングがこの範囲外であると、一次養生後に得られる塊成物の平均強度(一次養生した山の平均)が従来法と同じか、それよりも下がってしまう場合があり、また、山の上層部と下層部とにおける塊成物の強度のばらつきを十分に抑えることができないこともある。
勿論、塊成物の積み付けと同時にするなど、より早いタイミングで処理ピットの床面からの蒸気の噴射を開始することで山の下層部に位置する塊成物の強度の向上を図ることもできるが、比較的に製造コストが掛かる蒸気を限りなく使用することは現実的ではなく、また、蒸気量が増え過ぎてしまうと凝集水分の影響で塊成物が膨潤して、むしろ塊成物の強度が低下してばらつきが大きくなってしまうおそれがある。そのため、本発明においては、従来法と同程度に所定量の蒸気を使用することを考慮して、上記のようなタイミングにすることがコストバランスの点で有利である。
ここで、図2(a)には、含炭非焼成塊成鉱を得るにあたっての蒸気養生の有効性が示されている。一般に、蒸気がないとカーボン(炭素)含有量の増加に伴い直線的に含炭非焼成塊成鉱の強度(圧潰強度)が低下する。これには2つの原因が考えられ、ひとつは、炭材が多孔質であるため、気孔内にセメント等の水硬性バインダーがトラップされて、結合に有効に働かなくなるためである。もうひとつは、炭材は疎水性を有し、かつ多孔質であるため、ペレットのような塊成物の強度維持に必要となる添加水分量が、炭材を含有しない場合に比べて多くなり、塊成物間の水分ばらつきに起因して成品(含炭非焼成塊成鉱)でのばらつきが助長されるためである。そこで、蒸気養生を実施すると、セメント水和反応が促進されるだけではなく、水分のばらつきが解消されて平均の成品強度が向上する。その効果はカーボン含有量の高い塊成物ほど顕著である。ただし、蒸気養生を行っても、炭材が多孔質なため、気孔内に水硬性バインダーがトラップされて、結合に有効に働かなく悪影響は解消されず、カーボン含有量には上限が存在する。カーボン含有量15〜25%であれば、蒸気養生の効果を最大限発揮して、高炉使用に耐えうる所定の強度を具備した塊成物の製造が可能である。なお、図2(b)は、ペレット(塊成物)の強度維持に必要となる添加水分量とカーボン含有量との関係を示すものである。
なお、高炉用含炭非焼成塊成鉱に要求される強度としては、高炉までの搬送や装入時に崩壊しないことが求められ、その搬送や装入の方法によっても異なるが、概ね85kg/cm程度以上の強度が必要である。一般に、含炭非焼成塊成鉱の圧潰強度は、JIS M8718「鉄鉱石ペレット圧潰強度試験方法」に準じて、被測定試料1個に対して規定の加圧速度で圧縮荷重を掛けることにより、破壊させた時の荷重値を測定し、強度指数として、通常、単位断面積当たりの荷重値(kg/cm2)が用いられる。また、この強度指数に代えて、便宜的に被測定試料1個に対する荷重値そのもの(kg/Piece)を強度指数として表すこともある。ちなみに、焼成により製造されたペレットの冷間圧潰強度は一般に150kg/cm程度である。
本発明においては、蒸気を噴出するタイミングの他は特に制限されず、含炭非焼成塊成鉱を得るための公知の方法と同様にすることができる。
例えば、含炭非焼成塊成鉱の配合原料については、微粉状鉄含有原料、微粉状炭材、及び水硬性バインダーを含むものであれば特に制限はなく、公知のものを用いることができる。なかでも、特許文献2に記載されるように、全原料中の炭素含有割合(T.C)を15〜25質量%にした配合原料を用いれば、高炉操業時の還元材比の低減を図ることができる。このように炭素含有割合が高い配合原料の場合には、一般に強度が発現しにくいが、本発明の方法を用いることで、還元材比の低減を図ることができる含炭非焼成塊成鉱を品質のばらつきを抑えて安定的に供給することが可能になる。なお、配合原料から塊成物を得るための手段やその手順についても特に制限はなく、上述したような公知の方法を用いることができる。
ここで、微粉状鉄含有原料とは、粒径0.25mm以下の微粉粒子が全体の80%以上を占めるものであり、例えば、製鉄プロセスにおいて発生する焼結ダストや高炉ダスト等の含鉄ダストをはじめ、ペレットフィード(ペレット用原料)として用いられる微粉状鉄鉱石や、粉状鉄鉱石を破砕機で予め粉砕したものなどを挙げることができる。また、微粉状炭材としては、例えば、高炉一次灰、コークスダスト、粉コークス、石炭等を挙げることができ、なかでも質量基準のメジアン径(d50)が100〜150μmの微粉状炭材であるのがよい。更に、水硬性バインダーとしては、一般的に用いられる高炉水砕スラグを主成分とする微粉末とアルカリ刺激剤からなる時効性バインダーや、ポルトランドセメント、ベントナイト、生石灰等が挙げられる。
また、一次養生に用いる処理ピットについては、製鋼スラグの蒸気養生に使用されているような従来のものをそのまま使用することができ、塊成物の積み付けについても従来法と同様にして行うことができる。このとき、処理ピット内に山積みする塊成物の山積み高さHは一般的に3〜5mであり、本発明においても同様である。これより高くなり過ぎると塊成物が荷重により崩壊してしまう場合があり、低くなり過ぎると作業効率を低下させてしまうおそれがある。
本発明においては、処理ピット内に塊成物を積み付けてから山積みが完了するまでに処理ピットの床面からの蒸気の噴射を開始して、一定の時間で蒸気を噴射し、山積みが完了したところで保温シートを被せるようにする。ここで、蒸気を噴射する時間としては従来法と同様にすることができ、なかでも、全原料中の炭素含有割合(T.C)を15〜25質量%にした配合原料を用いる場合には、一般には15〜30時間であり、また、そのときの蒸気使用量は塊成物1トンあたり13〜17トンである。
また、本発明においては、従来法と同様に、所定量の蒸気の噴射を終了した後にも保温シートを被せたまま一次養生を続けるようにする。詳しくは、山積みされた塊成物に保温シートを被せてから42〜50時間程度養生を続けるようにするのがよい。すなわち、塊成物の積み付けを開始してからの一次養生の時間は64〜74時間程度になる。そして、一次養生が終了した後は、塊成物を処理ピットから搬出し、必要に応じて振動篩等を用いて篩い分けした上で、原料ヤード(二次養生ヤード)に積み直して大気中で5〜8日程度の二次養生を行い、高炉用鉄原料として強度の発現した含炭非焼成塊成鉱を得ることができる。
本発明について、実施例に基づいて具体的に説明する。なお、本発明はこれらの内容に制限されるものではない。
(製造実験I)
焼結ダスト及び微粉状鉄鉱石からなる微粉状鉄含有原料に、全原料中の炭素含有量(T.C)が20質量%となるように配合割合を調整しながら、高炉1次バイ及びコークスダストからなる微粉状炭材を配合し、更に、水硬性バインダーとしてポルトランドセメントを添加して、これら配合原料の最大粒度が2mm以下になるようにボールミルで粉砕して、その後、水分量が12質量%となるように調整しながらパンペレタイザーを用いて造粒して、平均粒径14mmのペレットの製造を行った。なお、このときのペレットの製造能力はおよそ60t/時間である。
上記のようにしてペレットを製造しながら、図1に示した養生処理装置を用いて処理ピット1内にペレットの積み付けをして、以下のような養生条件1〜3により一次養生を行い、その後、二次養生する製造実験(比較例1〜2、本発明1)を行った。ここで、処理ピット1は、高さ4mのコンクリート擁壁からなる側壁2で三方を囲まれており、幅26m×奥行13mの面積を有している。そして、処理ピット1の上方に設置された架台3と給鉱台車(積付機)4を駆動させてペレットを投入して積み付けを行い、幅方向に26m、奥行き方向に13m、高さ(H)4mのペレットの山6を山積みした。このとき、山積みが完了するまでに24時間(積み付け開始から終了まで)を要した。
先ず、比較例1に係る養生条件1として、ペレットの山積みが完了したところで、このペレットの山6を全て覆うようにして樹脂製のブルーシート(保温シート)8を被せ、水蒸気の噴射は一切行わずに、ブルーシートのシート掛けから48時間経過するまで養生した。
また、比較例2に係る養生条件2としては、養生条件1と同様にペレットの山積み完了後に樹脂製のブルーシート8を被せて、処理ピット1の床面に設置された蒸気噴出管9から水蒸気の噴射を開始し、水蒸気は噴射から24時間経過したところで止めて、ブルーシートのシート掛けから48時間経過するまで養生した。
一方、本発明1に係る養生条件3としては、山積みの途中でペレットの積み付け高さ(h)が2mになったところで(積み付け開始から12時間)、蒸気噴出管9から水蒸気の噴射を開始し、そのまま水蒸気を流し続けながら、ペレットの山積みが完了したところで(山の高さ4m)ブルーシート8を被せて、水蒸気は噴射から24時間経過したところで止めて、ブルーシートのシート掛けから48時間経過するまで養生した。
そして、これらの条件で一次養生を終えた各ペレットについて、それぞれショベルローダーで払い出し、ダンプにてヤードに運搬して、積み付け機を介して再度ヤードに積み付けて8日間の二次養生を行い、比較例1(養生条件1(一次養生)、二次養生)、比較例2(養生条件2(同)、二次養生)、本発明1(養生条件3(同)、二次養生)の各製造実験に係る含炭非焼成塊成鉱を得た。なお、養生条件2及び3で使用した水蒸気の量は、いずれもペレット1トンあたり15トン(水蒸気使用量15トン/トン成品)である。
これら各製造実験における一次養生の際には、図3に示したように、山積みしたペレットの山の異なる高さの位置で温度測定を行った。測定では、ペレットの山6の幅方向、奥行き方向ともにほぼ中央の位置において、高さh=80cm(層高比h/H=0.2)、h=200cm(層高比h/H=0.5)、h=320cm(層高比h/H=0.8)の3箇所の温度履歴を計測した。結果を図4に示す。
図4(a)に示した“水蒸気を使用しない養生条件1”については、層高比0.8の山の上層部では、積み付け開始(養生開始)から50時間ごろに温度が65℃を超え、その後はわずかに下降して、最終的には60℃程度になった。また、層高比0.5の山の中層部では、養生開始から36時間ごろに温度が60℃まで上昇し、その後は下降して、最終的には52℃程度となった。また、層高比0.2の山の下層部では、養生開始から24時間経過後頃に温度が55℃まで上昇したが、シート掛け後は下降しつづけ、最終的には45℃となった。
また、図4(b)に示した“山積み後に水蒸気を噴射する養生条件2”では、層高比0.8の山の上層部、層高比0.5の山の中層部ともに、水蒸気の噴射中に温度が上がり、山の上層部では最大85℃(養生開始42時間後)、山の中層部では最大72℃(同48時間後)に達した。一方、層高比0.2の山の下層部では、水蒸気の噴射中に温度は55℃ほどで維持されたが、その後は下降して最終的に50℃となり、養生終了時には、山の下層部と上層部との間に50〜75℃の大きな温度差が形成され、水蒸気を使用しない養生条件1の場合(45〜60℃)と比べて温度差が拡がった。
それに対して、図4(c)に示した“山積み途中で水蒸気を噴射する養生条件3”では、山の中層部(最大72℃)と上層部(最大80℃)の温度上昇は先の“養生条件2”の場合に比べて低位であるものの、山の下層部の温度が55℃で維持される時間が延長されて、養生終了時には、山の下層部と上層部との間の温度差(50〜70℃)が“養生条件2”に比べて縮小された。
なお、これらいずれの養生条件においても外気温は20℃であった。また、ペレットの積み付け直後から温度が上昇するのは、セメントの水和反応(発熱反応)によるものである。
そこで、上記のような養生条件1〜3後に二次養生して得られた各製造実験のペレット(含炭非焼成塊成鉱)について、一次養生での山の高さの位置ごとに圧潰強度を測定した。ここで、一次養生の際に下層部(層高比h/H=0.2)、中層部(層高比h/H=0.5)、上層部(層高比h/H=0.8)に位置したペレットをそれぞれ無作為に100個選び出し、これら100個のサンプル(ペレット)について圧潰強度を測定して、養生条件ごとに平均値を求めた。その結果は図5(a)に示したとおりである。また、上記で山の高さの位置ごとに選び出したサンプル100個のうち、圧潰強度が50kg/cm以下となるサンプルの割合を求めた。その結果は図5(b)に示したとおりである。なお、圧潰強度の測定方法は、JIS M8718「鉄鉱石ペレット圧潰強度試験方法」に準じて、被測定サンプル1個に対して、規定の加圧速度で圧縮荷重を掛けることにより、破壊させたときの荷重値を測定し、単位断面積当たりの荷重値(kg/cm2)を圧潰強度とした。
図5(a)に示されるように、水蒸気を使用しない養生条件1により一次養生した比較例1の場合に比べて、水蒸気を使用する養生条件2及び養生条件3で一次養生した比較例2及び本発明1の場合には、山の下層部、中層部、上層部にかけて、いずれもペレットの圧潰強度は高くなっていた。その際、養生条件1で一次養生した比較例1では、山の上層部に位置したペレットと下層部に位置したペレットとの強度差がおよそ75kg/cm(150-75=75kg/cm2)であり、同じく、養生条件2で一次養生した比較例2では100kg/cm(180-80=100kg/cm2)であるのに対して、養生条件3で一次養生した本発明1では、山の上層部に位置したペレットと下層部に位置したペレットとの強度差がおよそ60kg/cm(170-110=60kg/cm2)であり、比較例1及び2に比べて一次養生における山の品質差が緩和されていた。また、図5(b)によれば、特に山の下層部に位置したペレットが強度不足となる割合が著しく低減されており(比較例1では30%、比較例2では25%であるのに対して、本発明1では15%)、山全体として含炭非焼成塊成鉱としたときの均質化が図られることが分かった。なお、本発明1で最終的に得られたペレット(含炭非焼成塊成鉱)は、一次養生の際の山の下層部、中層部、及び上層部の各100個のサンプルを合計した全体で平均圧潰強度は130kg/cmであり、また、これら合計サンプルのうち圧潰強度が50kg/cm以下となるサンプルの割合は7.8%であった。
(製造実験II)
水蒸気の噴出を開始するタイミング(蒸気開始時積み付け層高比)、ペレット1トンあたりの水蒸気使用量(蒸気原単位)、水蒸気を噴出する時間(蒸気養生時間)、及びペレットの積み付け高さを表1に示したように変更して一次養生を行った以外は製造実験Iと同様にして、本発明2〜16に係る含炭非焼成塊成鉱を得た。そして、得られた各含炭非焼成塊成鉱について、全体での平均圧潰強度(平均成品圧潰強度)と、圧潰強度50g/cm以下の割合を製造実験Iと同様にして求めた。結果は表1に示したとおりであり、本発明1〜16は、いずれも比較例1や比較例2に比べて山全体での圧潰強度の均質化が図られていたが、一次養生の条件の最適化を図る意味から、以下のような考察ができる。
先ず、蒸気を噴射するタイミングについては、本発明1〜5で比較検討することができ、ペレットの積み付け高さhがペレットの山積み高さHに対して0.6のタイミング(層高比0.6)で蒸気を噴射した場合(本発明3)、得られた含炭非焼成塊成鉱の平均圧潰強度が最も高く、圧潰強度50g/cm以下が占める割合が一番少なかった。すなわち、蒸気の噴出タイミングが早くなると山の中層部、上層部の強度発現が不足する可能性があり、また、蒸気の噴出タイミングが遅くなると山の下層部の強度発現が不足する可能性が考えられる。
また、水蒸気使用量については、本発明1、6〜9で比較検討することができ、本発明1の場合が最も効果的であり、蒸気の量が少ないと全体的に強度発現が不足する可能性があり、反対に蒸気の量が多くなり過ぎるとペレットの膨潤を招いてかえって強度が低下することが考えられる。
更に、蒸気養生時間については、本発明1、10〜13で比較検討することができ、本発明1の場合が最も効果的である。ここで、水蒸気の使用量自体はどれも同じであることから(15t/t成品)、蒸気養生時間が短くなると単位時間当たりの蒸気量が過剰となり、水分過多によりペレットの膨潤を招くことが考えられる。一方で、蒸気養生時間が長くなり過ぎると、単位時間当たりの蒸気量が少なくなり、本発明による効果の発現が限定的になってしまうことが考えられる。
更にまた、ペレットを山積みする際の積み付け高さについては、本発明1、14〜16で比較検討することができ、本発明1の場合が最も効果的である。積み付け高さが低くなり過ぎると、本発明の効果が限られてしまうこともある。なお、積み付け高さが高くなり過ぎる場合には、前述したように積み付け荷重によりペレットが崩壊してしまうことも考えられる。
Figure 2018048390
以上のように、本発明によれば、非焼成型塊成化プロセスにおいて山積みしたペレット等の塊成物を一次養生したときに、積み付け高さ方向における強度のばらつきが縮小され、平均強度が向上する。そのため、含炭非焼成塊成鉱を安定した品質で得ることができるようになる。また、本発明によれば、炭素含有割合の高い含炭非焼成塊成鉱を品質のばらつきを抑えて安定的に供給することも可能になることから、高炉使用時の還元材比の低減を図る上で有利である。更には、一次養生における塊成物の強度指標の管理が緩和されたり、セメント等の水硬性バインダーの使用量を削減することも可能になり、含炭非焼成塊成鉱を簡便に、かつ低コストで得ることができるようになる。
1:処理ピット、2:側壁、3:架台、4:給鉱台車(積付機)、5:ベルトコンベア、6:塊成物の山、7:ホイスト式クレーン、8:保温シート、9:蒸気噴出管、10:建屋。

Claims (6)

  1. 微粉状鉄含有原料、微粉状炭材、及び水硬性バインダーを含んだ配合原料を水分調整した後に成形した塊成物を、側壁で囲まれた処理ピット内に山積みし、保温シートで覆うと共に、処理ピットの床面から所定量の蒸気を噴射して加温しながら塊成物を一次養生する工程を含んだ高炉用含炭非焼成塊成鉱の製造方法であって、処理ピットの上方から塊成物を投入して積み付けながら山積みする途中で、処理ピットの床面から蒸気を噴射して塊成物の加温を開始することを特徴とする高炉用含炭非焼成塊成鉱の製造方法。
  2. 処理ピット内に山積みする塊成物の山積み高さHに対して、塊成物の積み付け高さhが50〜70%(0.5H≦h≦0.7H)のタイミングで処理ピットの床面から蒸気を噴射して塊成物の加温を開始する請求項1に記載の高炉用含炭非焼成塊成鉱の製造方法。
  3. 処理ピット内に山積みする塊成物の山積み高さHが3〜5mである請求項1又は2に記載の高炉用含炭非焼成塊成鉱の製造方法。
  4. 前記配合原料中の炭素含有割合(T.C)が15〜25質量%である請求項1〜3のいずれかに記載の高炉用含炭非焼成塊成鉱の製造方法。
  5. 前記一次養生において蒸気を噴射して養生する時間が15〜30時間である請求項1〜4のいずれかに記載の高炉用含炭非焼成塊成鉱の製造方法。
  6. 前記一次養生における蒸気使用量が、塊成物1トンあたり13〜17トンである請求項1〜5のいずれかに記載の高炉用含炭非焼成塊成鉱の製造方法。
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