JP2018047591A - インクジェットヘッドの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、高密度に設けられた圧力発生手段を格納する基板を、正確に位置合わせして積層したインクジェットヘッドの製造方法を提供することである。【解決手段】本発明のインクジェットヘッド1の製造方法は、複数の圧力室21と、振動板30と、当該振動板30上に設けられた、複数の圧力室21のインクに当該振動板30を介して圧力を発生させる複数の圧電素子60とを有する第1の基板Aと、複数の圧電素子60を格納するスペーサー基板40と、を備えるインクジェットヘッド1の製造方法であって、スペーサー基板40に粘着剤200を介して接着用保持部材201を仮固定する第1工程と、スペーサー基板40に接着剤210を介して第1の基板Aの振動板30を接着して加圧する第2工程と、スペーサー基板40から接着用保持部材201を剥離する第3工程と、を順に有することを特徴とする。【選択図】図9

Description

本発明は、インクジェットヘッドの製造方法に関する。
従来、インクジェットヘッドに備えられた複数のノズルからインクの液滴を射出して記録媒体に画像を形成するインクジェット記録装置が知られている。また、近年では、インクジェット記録装置により形成される画像の高精度化が求められており、例えば、ノズルを二次元に高密度に配置したインクジェットヘッドが知られている(特許文献1)。
特許文献1に示すような従来のインクジェットヘッドでは、例えば、各ノズルから射出するためのインクを貯留する複数の圧力室が形成された圧力室基板と、インクを射出するための圧力変化を圧力室に伝える振動板と、振動板上に設けられ当該圧力変化を付与する圧電素子を格納する格納部を有する基板等が積層された積層基板が設けられている。
特開2012−11628号公報
ところで、多数のノズルが二次元に高密度に配置されたインクジェットヘッドでは、各ノズルに対応して設けられる多数の圧力発生手段(例えば、圧電素子)も高密度に配置されることとなる。そのため、圧力発生手段を格納する格納部を有する基板は、当該基板のうち当該格納部ためのスペースの割合が大きくなるため、強度が弱くなるという問題があった。
さらに、インクジェットヘッドの小型化の要請から、圧力発生手段を格納する基板も薄く形成することが望まれている。
しかしながら、インクジェットヘッドの製造工程において、薄くて低強度な基板を正確に位置合わせして積層することが難しいという問題があった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、高密度に設けられた圧力発生手段を格納する基板を、正確に位置合わせして積層したインクジェットヘッドの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題の解決のために、請求項1に記載の発明は、
インクが供給される複数の圧力室と、振動板と、当該振動板上に設けられ、前記複数の圧力室に供給されたインクに前記振動板を介して圧力を発生させる複数の圧力発生手段と、を有する第1の基板と、
前記複数の圧力発生手段を格納する第2の基板と、
を備えるインクジェットヘッドの製造方法であって、
前記第2の基板の一方の面に粘着剤を介して接着用保持部材を仮固定する第1工程と、
前記第1工程の後、前記第2の基板の前記一方の面とは反対側の他方の面に接着剤を介して前記第1の基板の前記振動板を接着し、前記第2の基板と前記振動板とが密着するように加圧する第2工程と、
前記第2工程の後、前記第2の基板から前記接着用保持部材を剥離する第3工程と、
を有することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のインクジェットヘッドの製造方法において、
前記第2工程において、前記第2の基板によって前記接着用保持部材を保持した状態で、前記第2の基板の前記圧力発生手段を格納する部分と前記第1の基板の前記圧力発生手段とを位置合わせした後、前記第2の基板を前記振動板に接着することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載のインクジェットヘッドの製造方法において、
前記第3工程において、前記第2の基板から前記接着用保持部材を剥離する前に、前記粘着剤の粘着力を低下させる低粘着化処理を行うことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のインクジェットヘッドの製造方法において、
前記低粘着化処理は、紫外線の照射処理、加熱処理及び冷却処理のうち少なくとも1つの処理であることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のインクジェットヘッドの製造方法において、
前記第3工程では、前記低粘着化処理として加熱処理により前記粘着剤の粘着力を低下させ、前記第2の基板から前記接着用保持部材を剥離し、
前記第1工程及び前記第2工程を行う際の温度が、前記第3工程を行う際の温度よりも低く、かつ前記第2の基板から前記接着用保持部材が剥離しない温度であることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のインクジェットヘッドの製造方法において、
前記粘着剤は、加熱発泡剤を含有することを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載のインクジェットヘッドの製造方法において、
前記第2の基板は、複数の部材により構成されており、
前記第1工程では、前記粘着剤が設けられた前記接着用保持部材に対して、当該複数の部材の各々を、それぞれの対応する位置に位置合わせして仮固定することを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載のインクジェットヘッドの製造方法において、
前記第2工程において、前記第2の基板の前記圧力発生手段を格納する部分にはみ出した前記粘着剤が、前記圧力発生手段と接触しないように加圧することを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載のインクジェットヘッドの製造方法において、
前記第2の基板のヤング率は、前記第2工程の前記加圧時における前記粘着剤及び前記接着剤のいずれのヤング率よりも大きいことを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項1から請求項9までのいずれか一項に記載のインクジェットヘッドの製造方法において、
前記接着剤が熱硬化性を有し、
前記第2工程における前記加圧時において、前記第2の基板から前記接着用保持部材が剥離しない温度で加熱して前記接着剤を硬化させることを特徴とする。
請求項11に記載の発明は、請求項1から請求項10までのいずれか一項に記載のインクジェットヘッドの製造方法において、
前記圧力発生手段は、圧電素子であり、
前記第2工程及び前記第3工程を行う際の温度は、前記圧電素子のキュリー温度未満であることを特徴とする。
請求項12に記載の発明は、請求項1から請求項11までのいずれか一項に記載のインクジェットヘッドの製造方法において、
前記第2の基板がガラス製であることを特徴とする。
請求項13に記載の発明は、請求項1から請求項12までのいずれか一項に記載のインクジェットヘッドの製造方法において、
前記振動板がシリコン製であることを特徴とする。
請求項14に記載の発明は、請求項1から請求項13までのいずれか一項に記載のインクジェットヘッドの製造方法において、
前記第1工程と前記第2工程の間に、前記第2の基板にサンドブラスト加工によって前記圧力発生手段を格納する部分を形成することを特徴とする。
請求項15に記載の発明は、請求項1から請求項14までのいずれか一項に記載のインクジェットヘッドの製造方法において、
前記接着用保持部材のうち少なくとも前記第2の基板が仮固定される側には、弾性層を有することを特徴とする。
請求項16に記載の発明は、請求項1から請求項15までのいずれか一項に記載のインクジェットヘッドの製造方法において、
前記接着用保持部材の前記第2の基板が仮固定される側の面の端部には、前記粘着剤が付着されていない部分を有することを特徴とする。
本発明によれば、高密度に設けられた圧力発生手段を格納する基板を、正確に位置合わせして積層したインクジェットヘッドの製造方法を提供することができる。
インクジェット記録装置の概略構成を示す斜視図 インクジェットヘッドの上側からの斜視図 インクジェットヘッドの下側からの斜視図 インクジェットヘッドの要部を示す図2AのIII-III部分で切断した断面図 図3のヘッドチップの一部を拡大した断面図 ヘッドチップのスペーサー基板から下側を示す平面図 第1工程において、接着用保持部材にスペーサー基板を仮固定した後を示す斜視図 第1工程において、接着用保持部材に複数の部材から構成された変形例に係るスペーサー基板を仮固定した後を示す斜視図 第1工程において、接着用保持部材にスペーサー基板を仮固定した後を示す断面図 第2工程において、スペーサー基板に接着剤を塗布した後、スペーサー基板に振動板を接着する直前を示す断面図 第2工程において、スペーサー基板に振動板を接着した後、両面から加圧した状態を示す断面図 第3工程において、スペーサー基板から接着用保持部材を剥離した後を示す断面図 第3工程の後、スペーサー基板に接着剤を塗布し、配線基板を接着する直前を示す断面図 弾性層を有する接着用保持部材の一例を示す断面図
以下、図面を参照して本発明に係る実施の形態を詳細に説明する。なお、本発明は、図示例に限定されるものではない。
[インクジェット記録装置の概略]
インクジェット記録装置100は、プラテン101、搬送ローラー102、ラインヘッド103,104,105,106等を備える(図1)。
プラテン101は、上面に記録媒体Kを支持しており、搬送ローラー102が駆動されると、記録媒体Kを搬送方向に搬送する。
ラインヘッド103,104,105,106は、記録媒体Kの搬送方向の上流側から下流側にかけて、搬送方向に直交する幅方向に並列して設けられている。そして、ラインヘッド103,104,105,106の内部には、後述するインクジェットヘッド1が少なくとも一つ設けられており、例えば、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、又は黒(K)のインクを記録媒体Kに向けて吐出する。
なお、ラインヘッドを用いた記録媒体の搬送のみで描画を行う1パス描画方式での実施形態を例にして説明したが、適宜の描画方式に適用可能であり、例えば、スキャン方式を用いた描画方式を採用しても良い。
[インクジェットヘッド]
インクジェットヘッド1は、ヘッドチップ2、共通インク室70、保持基板80、接続部材4及び駆動部5等を備えている(図2A、図2B、図3)。
以下、複数のノズルNが設けられた平面をX−Y平面とし、当該平面に沿う方向であって、互いに直交する方向をそれぞれX方向、Y方向とする。また、X−Y平面に直交する方向をZ方向とする。
ヘッドチップ2は、Z方向に複数の基板が積層されて構成されており、ヘッドチップ2の最下部に位置するノズル基板10と最上部に位置する配線基板50とは平行になるように配置されている。また、ヘッドチップ2の内部には、各ノズルNに対応して、インクが供給される圧力室21と、当該圧力室21内のインクに圧力を付与する圧力発生手段としての圧電素子60とが設けられている。圧力室21内部に貯留されたインクは、圧電素子60の変位によって加圧されると、圧力室21に連通するノズルNからインクの液滴が射出される。
共通インク室70は、ヘッドチップ2の上部に設けられたインク室形成部材70aの内部に形成され、ヘッドチップ2の内部に供給するインクを貯留している。インク室形成部材70aの上部には、共通インク室70にインクを供給するインク供給部71と、共通インク室70のインクを排出するインク排出部72とがそれぞれ設けられている(図2A)。また、共通インク室70は、下面においてヘッドチップ2の導通路51、41、31(図4参照)と連通している。
保持基板80は、ヘッドチップ2の上面に接合されており、共通インク室70を形成するインク室形成部材70aを保持している。
接続部材4は、例えばFPC(Flexible Printed Circuits)等からなる配線部材であり、ヘッドチップ2のX方向の両端部で、それぞれ配線基板50の上面の配線57(図4参照)に接続されている。また、配線57と接続された接続部材4は、保持基板80のX方向両端部付近に設けられた貫通孔から保持基板80の上面に引き出されている。
駆動部5は、IC(Integrated Circuit)等で構成されており、圧電素子60に供給する駆動電流を出力する給電側の端子と、電流が流れ込む接地された接地側の端子と、を有している。駆動部5は、接続部材4に接続しており、接続部材4と配線57とを通じて、圧電素子60に電気(駆動電位)を供給し、圧電素子60を変位させる。
[ヘッドチップ]
次に、ヘッドチップ2について詳細に説明する。
ヘッドチップ2は、複数の基板が積層されて形成されており、例えば、ノズル基板10、圧力室基板20、振動板30、スペーサー基板40、及び配線基板50がZ方向に沿って下側から順に積層されている(図4)。
なお、Z方向に沿う方向のうち、ノズル基板10を基準として、インクが吐出される所定の方向を下方と記載し、その反対方向を上方と記載する。
ノズル基板10は、例えば、シリコン製の基板であり、複数のノズルNが形成されている。ノズルNは、例えば、ノズル基板10に対するドライエッチングにより形成することで、ノズルNが形成される位置や径の精度をより高精度に形成できる。
圧力室基板20は、例えば、シリコン製の基板であり、ノズル基板10の上面に積層されている。圧力室基板20には、ノズルNに連通してインクが供給される圧力室21が形成されている。
振動板30は、例えば、シリコン製の基板であり、圧力室21の上面に設けられ、圧力室21の一面(上面)を構成する。即ち、振動板30は、圧力室21に対して、インクが吐出される所定の方向(下方)の反対側(上方)に設けられている。また、振動板30の上面には、圧力発生手段としての圧電素子60が設けられている。
スペーサー基板40は、振動板30と配線基板50との間で、圧電素子60を格納する部分としての格納部42を有している。格納部42は、スペーサー基板40をZ方向に貫通している。
格納部42は圧電素子60を格納できれば形状は特に限られないが、例えば、図5及び図6に示すように、Y方向に沿って並べられた複数の圧電素子60が全て格納できるような略直方体形状で、圧電素子60の位置に対応してX方向に複数形成されている。
なお、図5は、スペーサー基板40から下側を示す平面図であり、説明の便宜上、圧力室基板20に形成された圧力室21の位置を破線で示している。また、図6は、スペーサー基板40が粘着剤200を介して接着用保持部材201に仮固定された状態を示す。
また、図5及び図6に示した例に限られず、例えば、圧電素子60ごとに格納部42が形成されていてもよい。また、スペーサー基板40は、必ずしも一つの部材によって形成されたものを用いる必要はなく、複数の部材によって構成されていてもよい(図7)。図7は、複数の部材からなるスペーサー基板40が粘着剤200を介して接着用保持部材201に仮固定された状態を示している。ここで、複数の部材からなるスペーサー基板40としては、ヘッドチップ2の側面部に近い部分に設けられた複数の第1スペーサー部材40aと、導通路41の外周壁を形成する複数の第2スペーサー部材40bとから構成された例を示している。
スペーサー基板40は、振動板30及び配線基板50と熱膨張係数の近い材料によって形成されていることが好ましく、例えば、振動板30及び配線基板50がシリコン製である場合には、シリコン、42アロイ、又はガラス等によって形成することが好ましい。
また、スペーサー基板40の格納部42は、例えば、サンドブラスト加工によって形成することができる。サンドブラスト加工に適するという観点からは、スペーサー基板40がガラス製であることが好ましい。また、ガラス製の透明基板は、部材の位置合わせのしやすさの観点からも好ましい。
また、スペーサー基板40には、表面処理が施されていることが好ましい。表面処理としては、例えば、ニッケル(Ni)によるメッキ処理が施されている好ましい。表面処理は、スペーサー基板40に、導通路41や、格納部42等の形状加工が行われた後に施される。
スペーサー基板40は、表面処理により、防錆性や溶剤に対する耐性を得ることができることから、スペーサー基板40の耐久性をより向上させることができる。特に、スペーサー基板40には導通路41が設けられているので、インクに含まれている溶剤等に対する耐性を確保するため、表面処理は有効に機能する。
なお、表面処理は、ニッケル(Ni)によるメッキ処理に限らず、防錆性や溶剤に対する耐性を得られる表面処理であればよい。表面処理の他の具体例として、例えば、TEOS(Tetraethyl orthosilicate)のような珪酸エチルによる膜や、パリレン(登録商標)等のパラキシリレン系ポリマーによる膜をスペーサー基板40の表面に形成するための処理が挙げられる。当該膜を形成するための具体的な処理としては、例えば、スパッタリング等の蒸着処理を用いることができる。表面処理に係るこれらの例示はあくまで一例であり、これに限られるものでない。
圧電素子60は、振動板30を変形させるためのPZT(lead zirconium titanate)からなるアクチュエーターであり、圧力室21に供給されたインクに振動板30を介して圧力を発生させる。また、圧電素子60は、上面に第1電極61及び下面に第2電極62が設けられている。
第1電極61は、図4に示すように、接続部90を介して、配線基板50の下面側に設けられた配線52と電気的に接続されている。接続部90は、第1電極61と配線52とをZ方向に沿って接続するよう設けられている。
接続部90は、配線基板50に形成されたバンプ91を有する。具体的には、バンプ91は、例えば、金を材料としたワイヤーボンディングにより形成される。また、バンプ91は、例えば、配線52の下面に形成される。配線52は、例えば、少なくとも下面が平坦な面となるよう設けられた導電性を有する金属(例えば、アルミニウム)製の板により構成されている。
また、バンプ91の下端側には導電性材料92が塗布されている。具体的には、導電性材料92は、例えば、導電性接着材である。導電性接着剤とは、導電性を有する金属粉末(例えば、銀粉等)が混入された接着剤であり、導電性を有する。
このように、接続部90は、配線基板50に形成されたバンプ91とバンプ91に塗布された導電性材料92を介して配線基板50と圧電素子60とを電気的に接続する。
ここで、スペーサー基板40の厚さは、 圧電素子60及び接続部90のZ方向の厚さの和に対応する。より具体的には、スペーサー基板40の厚さは、例えば、50μm以上200μm以下のように薄く形成することが好ましい。このように、スペーサー基板40をより薄く設けることで、スペーサー基板40の熱膨張の度合いを最低限に抑えることができることから、基板どうしの熱膨張係数の差による基板の反りや基板間の剥離による問題の発生をより確実に防止することができる。
配線基板50は、例えば、シリコン製の基板である板状のインターポーザー53を備えている。インターポーザー53の上面及び下面には、それぞれ絶縁層54及び絶縁層55が被覆されている。また、配線基板50は、Z方向に貫通する貫通孔に設けられた貫通電極56と、絶縁層54の上面に設けられて貫通電極56の上側の端部と電気的に接続された配線57と、配線57の上面及び配線57が設けられていない絶縁層54の上面を被覆する絶縁層58と、絶縁層55の下面に設けられて貫通電極56の下側の端部と電気的に接続された配線52と、配線52のうちバンプ91が形成されない部分の下面及び絶縁層55のうち配線52が設けられていない下面を被覆する絶縁層59と、を有する。
配線52は、貫通電極56、配線57を介して、圧電素子60への電圧の印加に係る図示しない制御部に接続されている。
また、第2電極62は、振動板30に当接している。振動板30は、導電体であり、第2電極62と制御部とを電気的に接続する電極として機能している。具体的には、第2電極62は、例えば、振動板30及び振動板30に接続された図示しない配線を介して制御部に接続されている。
圧電素子60は、第1電極61が、接続部90、配線52、貫通電極56、配線57を介して制御部に接続されるとともに、第2電極62が、振動板30及び図示しない配線を介して制御部に接続されることで、制御部の制御下で動作する。
また、振動板30、スペーサー基板40及び配線基板50には、それぞれ圧力室21に連通する導通路31、41、51が設けられている。導通路31、41、51により形成されるインク流路は、圧力室21と、配線基板50の上方に設けられた共通インク室70とを接続する。
共通インク室70は、例えば、配線基板50の上方に立設するインク室形成部材70a内に設けられており、共通インク室70は図示しないインクの供給機構に接続されている。そして、当該インクの供給機構から共通インク室70に供給されたインクは、共通インク室70、導通路51、41、31を通って圧力室21に供給される。そして、圧力室21に供給されたインクは、圧電素子60の動作に応じて振動板30が振動することで圧力室21内のインクに圧力が付与され、ノズルNから射出される。
次に、上述したインクジェットヘッド1を構成するヘッドチップ2の製造方法について説明する。
また、本明細書において、上述した複数の圧力室21と、振動板30と、複数の圧力発生手段(圧電素子60)とを有する基板を第1の基板Aという。また、スペーサー基板40を第2の基板という。
また、以下の説明では、ノズル基板10、圧力室基板20、振動板30及び圧電素子60が積層された基板を第1の基板Aとして説明する(図9参照)。
本実施形態のインクジェットヘッド1を構成するヘッドチップ2の製造方法は、スペーサー基板40の一方の面に粘着剤200を介して接着用保持部材201を仮固定する第1工程と、第1工程の後、スペーサー基板40の当該一方の面とは反対側の他方の面に接着剤210を介して第1の基板Aの振動板30を接着し、スペーサー基板40と振動板30とが密着するように加圧する第2工程と、第2工程の後、スペーサー基板40から接着用保持部材201を剥離する第3工程と、を有する。
以下、第1工程〜第3工程について図面を参照して説明する。
第1工程では、粘着剤200が表面に設けられた接着用保持部材201に、スペーサー基板40の一方の面を位置合わせして仮固定する(図6及び図8)。
なお、スペーサー基板40は、必ずしも一つの部材によって形成されたもの用いる必要はなく、複数の部材により構成されていてもよい(図7参照)。図7には、その一例として、スペーサー基板40が、ヘッドチップ2の側面部に近い部分に設けられた複数の第1スペーサー部材40aと、導通路41の外周壁を形成する複数の第2スペーサー部材40bとから構成された例を示している。複数の部材の各々は、それぞれの対応する位置に位置合わせして仮固定している。
また、図6及び図7では、既に格納部42が設けられたスペーサー基板40を接着用保持部材201に仮固定した例を示しているが、例えば、格納部42が設けられていないスペーサー基板40を接着用保持部材201に仮固定した後に、格納部42を形成してもよい。この場合、具体的には、格納部42が設けられていないスペーサー基板40を接着用保持部材201に仮固定した状態で、サンドブラスト加工によって格納部42を形成することが好ましい。サンドブラスト加工では、レジストのパターニング通りに高精度に加工できるため、格納部42を高精度に形成することができる。また、サンドブラスト加工以外の方法も使用することができ、例えば、ダイシングブレードやワイヤーバーを使用した加工方法等によっても格納部42を形成することができる。
次に、第2工程では、まず、スペーサー基板40に接着剤210を塗布した後、スペーサー基板40によって接着用保持部材201を保持した状態で、格納部42と圧電素子60との位置合わせを行う(図9)。なお、図9では、スペーサー基板40の表面に有する接着剤210のうち、スペーサー基板40の切断面の下面に有する接着剤210aと、導通路41及び格納部42の奥のスペーサー基板40の下面に有する接着剤210bとをそれぞれ別の符号を付して示している。
次に、スペーサー基板40を第1の基板Aの振動板30に接着し、スペーサー基板40と振動板30とが密着するように加圧(例えば、両面から加圧)する(図10)。
ここで、第2工程では、圧電素子60の破損や機能低下等を防止するため、スペーサー基板40の格納部42にはみ出す粘着剤200が、圧電素子60と接触しないように加圧する。圧電素子60と接触しないようにする方法としては、例えば、粘着剤200の厚さを薄くしてはみ出す量を少なくすることや、スペーサー基板40を厚くすることや、加圧時の温度を高くしすぎないこと等が挙げられる。
次に、第3工程では、スペーサー基板40から接着用保持部材201を剥離する(図11)。
ここで、第2工程及び第3工程を行う際の温度を、圧電素子60のキュリー温度未満とすることで、圧電素子60の圧電特性を維持できる。
さらに、第3工程の後に、スペーサー基板40の上面に接着剤220を塗布し(図12)、スペーサー基板40の上面に配線基板50を接着固定し、導電性材料92によって配線基板50と圧電素子60を接続することで、本実施形態のヘッドチップ2を製造することができる(図4)。なお、図12では、スペーサー基板40の表面に有する接着剤220のうち、スペーサー基板40の切断面の上面に有する接着剤220aと、導通路41及び格納部42の奥のスペーサー基板40の上面に有する接着剤220bとをそれぞれ別の符号を付して示している。
上述したヘッドチップ2の製造で用いられる粘着剤200としては、第1工程でスペーサー基板40と接着用保持部材201とを仮固定でき、かつ、第3工程でスペーサー基板40から接着用保持部材201を剥離できるものであればよい。具体的には、例えば、第2工程で、必要に応じて加熱しながら加圧して接着剤210の硬化温度で粘着剤200の粘着力を低下させ、第3工程でスペーサー基板40から接着用保持部材201を剥離することができる粘着剤200を使用できる。
また、第3工程において、スペーサー基板40から接着用保持部材201を剥離する前に、スペーサー基板40と接着用保持部材201との間の粘着剤200の粘着力を低下させる低粘着化処理を行うことが好ましい。
粘着剤200としては、例えば、紫外線の照射処理、加熱処理及び冷却処理のうち少なくとも1つの処理によって粘着力が低下する粘着剤200を用いることが好ましい。
紫外線の照射処理によって粘着力が低下する粘着剤200としては、例えば、粘着性成分と、紫外線照射によりガス化して粘着剤200中に気泡を発生させる紫外線発泡成分とを含有する粘着剤200を用いることで、発泡により接触面積を減少させて粘着力を低下させることができる。
粘着性成分としては、例えば、ゴム系、アクリル系、シリコーン系等の公知の粘着剤を用いることができ、使用するスペーサー基板40や接着用保持部材201の材料に応じて適切に選択することが好ましい。
紫外線発泡成分としては、例えば、公知の発泡剤と、公知の発泡開始剤とを含むものを用いることができる。発泡剤としては、例えば、酸により分解して低沸点化合物(例えば、イソブテン)や二酸化炭素等のガスを発生するものが用いられ、一例としては、分子内にt−ブチルオキシカルボニル構造を複数有する化合物を用いることができる。この場合、発泡開始剤としては、例えば、スルホニウム塩を含む化合物を用いることができる(例えば、特開2007−186607号公報参照)。
加熱処理又は冷却処理によって粘着力が低下する粘着剤200としては、例えば、加熱又は冷却による温度変化によって粘着力が変化する公知の感温性の粘着剤を用いることができる。また、感温性の粘着剤としては、例えば、特許3485412号公報、特許3565411号公報、特許4391623号公報、特許4869468号公報等に記載された感温性粘着テープを用いることができる。
加熱処理によって粘着力が低下する粘着剤200としては、他にも、例えば、加熱発泡剤を含有するアクリル系粘着剤を用いることができる。加熱発泡剤としては、特に制限されず、例えば公知の加熱発泡剤を適宜選択して用いることができるが、特にマイクロカプセル化されている発泡剤を用いることが好ましい。マイクロカプセル化されている発泡剤としては、例えば、イソブタン、プロパン、ペンタンなどの加熱により容易にガス化して膨脹する物質を、弾性を有する殻内に内包させた微小球が挙げられる。また、加熱発泡剤を含有する粘着剤200としては、例えば、特開2009−120808号公報等に記載された加熱発泡型再剥離性アクリル系粘着テープ又はシート等を用いることができる。
また、本実施形態で用いられる粘着剤200としては、第3工程で加熱により容易に剥離できる加熱発泡剤を含有する粘着剤200を用いることが好ましい。また、加熱処理であれば、紫外線照射が難しい形状の基板を用いる場合でも使用することができるため好ましい。
また、加熱処理によって粘着力が低下する粘着剤200を用いる場合には、第1工程及び第2工程を行う際の温度を、第3工程を行う際の温度よりも低くし、かつスペーサー基板40から接着用保持部材201が剥離しない温度とする。これにより、第2工程において、スペーサー基板40と接着用保持部材201とが仮固定化した状態を維持しつつ、第1の基板Aとスペーサー基板40とを安定的に固定化させることができる。
また、粘着剤200を接着用保持部材201に付与する際に、剥離基材と粘着剤200とによって構成された転写型粘着剤を用いてもよい。例えば、転写型粘着剤を接着用保持部材201につけた後、剥離基材を剥離することで、粘着剤200を接着用保持部材201表面に付与された状態とすることができ、その後、スペーサー基板40に接着用保持部材201を仮固定することができる。
接着剤210としては、スペーサー基板40を接着固定することができるものであれば特に限られないが、例えば、熱硬化性接着剤であるエポキシ系接着剤等を用いることができる。
また、熱硬化性を有する接着剤210を用いる場合、第2工程における加圧時において、スペーサー基板40から接着用保持部材201が剥離しない温度で加熱して接着剤210を硬化させる。これにより、スペーサー基板40と接着用保持部材201とが仮固定化した状態を維持しつつ、第1の基板Aとスペーサー基板40とを安定的に固定化させることができる。
また、スペーサー基板40のヤング率は、第2工程の加圧時における粘着剤200及び接着剤210のいずれのヤング率よりも大きいことが好ましい。これにより、第2工程において圧力を加える際に、粘着剤200及び接着剤210がスペーサー基板40の両面で弾性体として作用するので、圧着時に反りにくくなる。
また、接着用保持部材201は、第1工程で粘着剤200を介してスペーサー基板40に仮固定することができ、かつ、第3工程でスペーサー基板40から剥離することができれば、形状は特に限られないが、第1〜3工程を効率的に行えるように取扱いしやすくする観点からは、スペーサー基板40よりも少し大きい形状とすることが好ましい(図6)。
また、接着用保持部材201の材料としては、特に限られないが、例えば、厚さ1〜2mm程度のガラス基板を用いることが好ましい。ガラス基板を用いることで、例えば、紫外線の照射処理によって粘着力が低下する粘着剤200を用いる場合には、ガラス基板に紫外線を透過させて粘着剤200に到達させることができる。また、例えば、加熱又は冷却処理によって粘着力が低下する粘着剤200を用いる場合には、ガラス基板は熱伝導性が良いので、粘着剤200を短時間で加熱又は冷却することができる。また、加熱又は冷却処理によって粘着力が低下する粘着剤200を用いる場合には、接着用保持部材201として熱伝導性の良い金属板(例えば、アルミニウム板等)を用いても良い。
また、接着用保持部材201のスペーサー基板40が仮固定される側の面の端部には、粘着剤200が付着されていない部分を有することが好ましい(図6及び図7)。これにより、粘着剤200が付着されていない部分を手等で持つことができるので、製造時に取扱いやすくなる。ここで、接着用保持部材201の粘着剤200が付与されていない部分は、手等でつまむことができるように適宜の形状で設ければよい。また、図6及び図7に示したような4辺すべての端部に粘着剤200を付与しない部分を設ける場合限られず、例えば、X方向に平行な2辺の端部に粘着剤200が付与されていない部分を有するように設けてもよい。
また、接着用保持部材201のうち少なくともスペーサー基板40が仮固定される側には、弾性層201aを有することが好ましい(図13)。具体的には、例えば、図13に示したように、基材201b(例えば、ガラス基板)と弾性層201aとが積層された接着用保持部材201を用いることができる。弾性層201aとしては、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム等の透明樹脂基材を用いることができる。これにより、第2工程で振動板30上にスペーサー基板40を加圧固定する際に、スペーサー基板40に均一に圧力を付与しやすくなるので、スペーサー基板40が反りにくくなる。なお、図13では、接着用保持部材201として、基材201bと弾性層201aとが積層された例を示したが、接着用保持部材201のすべてを弾性層201aとすることもできる。
[本発明の技術的効果]
以上、説明した通り、本発明のインクジェットヘッド1の製造方法は、圧力発生手段としての圧電素子60を格納するスペーサー基板40の一方の面に粘着剤200を介して接着用保持部材201を仮固定する第1工程と、第1工程の後、スペーサー基板40の当該一方の面とは反対側の他方の面に接着剤210を介して第1の基板Aの振動板30を接着し、スペーサー基板40と振動板30とが密着するように加圧する第2工程と、第2工程の後、スペーサー基板40から接着用保持部材201を剥離する第3工程と、を有する。これにより、薄く低強度なスペーサー基板40であっても、接着用保持部材201に一旦仮固定をした後に、振動板30上に正確に位置合わせして積層できる。したがって、高密度に設けられた圧力発生手段(圧電素子60)を格納するスペーサー基板40を、正確に位置合わせして積層したインクジェットヘッド1を製造方法することができる。
また、本発明の実施態様としては、本発明の効果発現の観点から、スペーサー基板40によって接着用保持部材201を保持した状態で、スペーサー基板40の圧電素子60を格納する部分(格納部42)と第1の基板Aの圧電素子60とを位置合わせした後、スペーサー基板40を振動板30に接着することが好ましい。
また、本発明の効果発現の観点から、第3工程において、スペーサー基板40から接着用保持部材201を剥離する前に、粘着剤200の粘着力を低下させる低粘着化処理を行うことが好ましい。
また、本発明の効果発現の観点から、粘着剤200の低粘着化処理が、紫外線の照射処理、加熱処理及び冷却処理のうち少なくとも1つの処理であることが好ましい。すなわち、粘着剤200が、紫外線の照射処理、加熱処理及び冷却処理により粘着性が低下する性質を有することが好ましい。
また、粘着剤200として、加熱処理によって粘着力が低下する粘着剤200を用いる場合には、第1工程及び第2工程を行う際の温度が、第3工程を行う際の温度よりも低く、かつスペーサー基板40から接着用保持部材201が剥離しない温度で行う。これにより、第2工程において、スペーサー基板40と接着用保持部材201とが仮固定化した状態を維持しつつ、第1の基板Aとスペーサー基板40とを安定的に固定化させることができる。
ここで、本発明で用いる加熱処理によって粘着力が低下する粘着剤200としては、加熱発泡剤を含有するものであることが好ましい。これにより、第3工程において、容易に剥離することができる。
また、スペーサー基板40が、複数の部材により構成されており、第1工程は、粘着剤200が設けられた接着用保持部材201に対して、複数の部材の各々を、それぞれの対応する位置に位置合わせして仮固定することが好ましい。これにより、圧電素子60が外気と通じた状態となるので、インク射出時に発熱した圧電素子60からの熱を効率的に放熱させやすくすることができる。
また、第2工程において、圧電素子60の破損や機能低下等を防止するために、スペーサー基板40の格納部42にはみ出す粘着剤200が、圧電素子60と接触しないように加圧することが好ましい。
また、スペーサー基板40のヤング率は、第2工程の加圧時における粘着剤200及び接着剤210のいずれのヤング率よりも大きくすることが好ましい。これにより、第2工程において圧力を加える際に、粘着剤200及び接着剤210がスペーサー基板40の両面で弾性体として作用するので、圧着時に反りにくくなる。
また、熱硬化性を有する接着剤210を用いる場合、第2工程における加圧時において、スペーサー基板40から接着用保持部材201が剥離しない温度で加熱して接着剤210を硬化する。これにより、スペーサー基板40と接着用保持部材201とが仮固定化した状態を維持しつつ、第1の基板Aとスペーサー基板40とを安定的に固定化させることができる。
また、圧力発生手段として圧電素子60を用いる場合、第2工程及び前記第3工程を行う際の温度を、圧電素子60のキュリー温度以下にすることによって、圧電素子60の圧電特性を維持できる。
また、本発明の効果発現の観点から、スペーサー基板40がガラス製であることが好ましく、振動板30がシリコン製であることが好ましい。
また、第1工程と第2工程の間に、スペーサー基板40にサンドブラスト加工によって格納部42を形成することもできる。サンドブラスト加工を用いれば、高精度に格納部42を形成することができる。
また、接着用保持部材201のうち少なくともスペーサー基板40が仮固定される側には、弾性層201aを有することが好ましい。これにより、第2工程で振動板30上にスペーサー基板40を加圧固定する際に、スペーサー基板40に均一に圧力を付与しやすくなるので、スペーサー基板40が反りにくくなる。
また、接着用保持部材201のスペーサー基板40が仮固定される側の面の端部には、粘着剤200が付着されていない部分を有することが好ましい。これにより、粘着剤200が付着されていない部分を手等で持つことができるので、製造時に取扱いやすくなる。
[その他]
なお、本発明の実施の形態は、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
例えば、ヘッドチップ2の層構成としては、ノズル基板10と圧力室基板20との間に、さらに、別の基板(以下、中間基板という。)が設けられていてもよい。中間基板には、例えば、ノズルNと圧力室21とを連通する導通路を形成し、その導通路をインクが通過する経路の径を絞る形状とする等によって、インクの吐出に係りインクに加えられる運動エネルギーを調整してもよい。
また、ノズル基板10、圧力室基板20、振動板30及び圧電素子60が積層された基板を第1の基板Aの一例として説明したが、複数の圧力室21と、振動板30と、複数の圧力発生手段(例えば、圧電素子60)とを有する基板であれば適宜変更可能である。例えば、ノズル基板10、中間基板、圧力室基板20、振動板30及び圧電素子60が積層された基板を第1の基板Aとしてもよく、圧力室基板20、振動板30及び圧電素子60が積層された基板を第1の基板Aとしてもよい。
また、本実施形態のヘッドチップ2では、圧力室基板20と振動板30とが個別に設けられて積層された例を示したが、これに限られず、圧力室基板20と振動板30とが一体形成されていてもよい。
また、圧力発生手段として圧電素子60を使用することとしたが、インクを射出できる機構を備えていれば特に限られることはなく、例えば、サーマル(電気熱変換素子)を使用することとしても良い。
1 インクジェットヘッド
2 ヘッドチップ
10 ノズル基板
20 圧力室基板
21 圧力室
30 振動板
40 スペーサー基板(第2の基板)
42 格納部(圧力発生手段を格納する部分)
50 配線基板
60 圧電素子(圧力発生手段)
70 共通インク室
100 インクジェット記録装置
200 粘着剤
201 接着用保持部材
201a 弾性層
210 接着剤
A 第1の基板
N ノズル

Claims (16)

  1. インクが供給される複数の圧力室と、振動板と、当該振動板上に設けられ、前記複数の圧力室に供給されたインクに前記振動板を介して圧力を発生させる複数の圧力発生手段と、を有する第1の基板と、
    前記複数の圧力発生手段を格納する第2の基板と、
    を備えるインクジェットヘッドの製造方法であって、
    前記第2の基板の一方の面に粘着剤を介して接着用保持部材を仮固定する第1工程と、
    前記第1工程の後、前記第2の基板の前記一方の面とは反対側の他方の面に接着剤を介して前記第1の基板の前記振動板を接着し、前記第2の基板と前記振動板とが密着するように加圧する第2工程と、
    前記第2工程の後、前記第2の基板から前記接着用保持部材を剥離する第3工程と、
    を有することを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
  2. 前記第2工程において、前記第2の基板によって前記接着用保持部材を保持した状態で、前記第2の基板の前記圧力発生手段を格納する部分と前記第1の基板の前記圧力発生手段とを位置合わせした後、前記第2の基板を前記振動板に接着することを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  3. 前記第3工程において、前記第2の基板から前記接着用保持部材を剥離する前に、前記粘着剤の粘着力を低下させる低粘着化処理を行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  4. 前記低粘着化処理は、紫外線の照射処理、加熱処理及び冷却処理のうち少なくとも1つの処理であることを特徴とする請求項3に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  5. 前記第3工程では、前記低粘着化処理として加熱処理により前記粘着剤の粘着力を低下させ、前記第2の基板から前記接着用保持部材を剥離し、
    前記第1工程及び前記第2工程を行う際の温度が、前記第3工程を行う際の温度よりも低く、かつ前記第2の基板から前記接着用保持部材が剥離しない温度であることを特徴とする請求項4に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  6. 前記粘着剤は、加熱発泡剤を含有することを特徴とする請求項5に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  7. 前記第2の基板は、複数の部材により構成されており、
    前記第1工程では、前記粘着剤が設けられた前記接着用保持部材に対して、当該複数の部材の各々を、それぞれの対応する位置に位置合わせして仮固定することを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  8. 前記第2工程において、前記第2の基板の前記圧力発生手段を格納する部分にはみ出した前記粘着剤が、前記圧力発生手段と接触しないように加圧することを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  9. 前記第2の基板のヤング率は、前記第2工程の前記加圧時における前記粘着剤及び前記接着剤のいずれのヤング率よりも大きいことを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  10. 前記接着剤が熱硬化性を有し、
    前記第2工程における前記加圧時において、前記第2の基板から前記接着用保持部材が剥離しない温度で加熱して前記接着剤を硬化させることを特徴とする請求項1から請求項9までのいずれか一項に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  11. 前記圧力発生手段は、圧電素子であり、
    前記第2工程及び前記第3工程を行う際の温度は、前記圧電素子のキュリー温度未満であることを特徴とする請求項1から請求項10までのいずれか一項に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  12. 前記第2の基板がガラス製であることを特徴とする請求項1から請求項11までのいずれか一項に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  13. 前記振動板がシリコン製であることを特徴とする請求項1から請求項12までのいずれか一項に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  14. 前記第1工程と前記第2工程の間に、前記第2の基板にサンドブラスト加工によって前記圧力発生手段を格納する部分を形成することを特徴とする請求項1から請求項13までのいずれか一項に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  15. 前記接着用保持部材のうち少なくとも前記第2の基板が仮固定される側には、弾性層を有することを特徴とする請求項1から請求項14までのいずれか一項に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  16. 前記接着用保持部材の前記第2の基板が仮固定される側の面の端部には、前記粘着剤が付着されていない部分を有することを特徴とする請求項1から請求項15までのいずれか一項に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
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