JP2018044229A - 電解セルおよびそれを用いた電解水生成装置および電解セルの製造方法 - Google Patents

電解セルおよびそれを用いた電解水生成装置および電解セルの製造方法 Download PDF

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勝之 内藤
直美 信田
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直美 信田
英男 太田
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英男 太田
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Abstract

【課題】長寿命の電解セルを提供する。【解決手段】実施形態にかかる電解セルは第1隔膜を有する。第1隔膜は、フッ素原子を含有するポリマーをすくなくとも構成材料とする多孔質基材と、その表面の少なくとも一部に設けられるアルミニウム酸化物を含む被覆層を有する。アルミニウム酸化物のXPSスペクトルのO1sのピーク位置が531.8eV以下もしくはAl2pのピーク位置が74.5eV以下である。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、電解セルおよび電解水生成装置および電解セルの製造方法に関する。
アルカリイオン水、オゾン水または次亜塩素酸水などを生成する電解水生成装置として、3室型の電解セルを有する電解水生成装置が用いられている。3室型の電解セルは、ナフィオン等の陽イオン交換膜および四級アンモニウム塩や四級ホスホニウム塩等を有する陰イオン交換膜によって、電解セルが陽極室、中間室および陰極室と3室に区切られる。陽極室および陰極室には、貫通した多孔構造を有する陽極および陰極がそれぞれ配置されている。
このような電解水生成装置では、例えば、中間室に食塩水を流し、左右の陰極室および陽極室に水を流して、中間室の食塩水を陰極および陽極で電解することにより、陽極室で発生した塩素ガスから次亜塩素酸水を生成するとともに、陰極室で水酸化ナトリウム水を生成する。生成した次亜塩素酸水は殺菌消毒水として、水酸化ナトリウム水は洗浄水として活用される。
このような3室型電解セルでは陰イオン交換膜は塩素や次亜塩素酸により劣化しやすいために、パンチング等で作製した多孔陽極と陰イオン交換膜の間に、オーバーラップや切り込みを入れた不織布を挿入して塩素による劣化を低減させる技術があった。また、多数の穴の開いた電極に穴をふさがないように多孔膜を配置することは知られている。
特開2012−172199号公報 特開2006−322053号公報 特開平11−100688号公報
しかしながら、上記の構造では非常に長期間の運転によって電解セルの劣化は避けられなかった。
本発明が解決しようとする課題は、高効率で長寿命の電解セルおよび電解水生成装置および電解ニットの製造方法を提供することである。
実施形態にかかる電解セルは、複数の貫通孔を有する第1電極と、前記第1電極に対向して配置された第2電極と、前記第1電極及び前記第2電極の間に配置された第1隔膜を含む電解セルであって、
前記第1隔膜は、フッ素原子を含有するポリマーを少なくとも構成材料とする多孔質基材、及び前記多孔質基材表面の少なくとも一部に設けられたアルミニウム酸化物を含有する被覆層を含み、
前記アルミニウム酸化物は、X線光電子分光法により測定されたスペクトルのO1sのピーク位置が531.8eV以下もしくはAl2pのピーク位置が74.5eV以下であることを特徴とする。
第1の実施形態に係る電解セルの構成の一例を模式的に表す断面図である。 第1隔膜の構成の一例を模式的に表す断面図である。 電解中の第1隔膜における塩化物イオンの移動を表す模式図ある。 実施形態にかかる電解セルの変形例を表す模式図である。 実施形態にかかる電解水生成装置の構成の一例を模式的に表す断面図である。 第5の実施形態に係る電解セルの作製工程を表す模式図である。 第5の実施形態に係る電解セルの作製工程を表す模式図である。 第5の実施形態に係る電解セルの作製工程を表す模式図である。 第5の実施形態に係る電解セルの作製工程を表す模式図である。 実施例1の第1隔膜のXPSスペクトルのAl2のピークの一例である。 実施例1の第1隔膜のXPSスペクトルのO1sのピークの一例である。 比較例2の第1隔膜のXPSスペクトルのAl2のピークの一例である。 比較例2の第1隔膜のXPSスペクトルのO1sのピークの一例である。 実施形態に用いられる第1電極の一例の作成工程を表す図である。 実施形態に用いられる第1電極の一例の斜視図である。 実施形態に用いられる第1電極の一例の斜視図である。
第1及び第2の実施形態にかかる電解セルは、複数の貫通孔を有する第1電極と、第1の極に対向して配置される第2電極と、第1電極及び前記第2電極の間に配置された第1の隔膜を含む。
第1隔膜は、フッ素原子を含有するポリマーを含有する多孔質基材、及び多孔質基材表面の少なくとも一部に設けられるアルミニウム酸化物を含有する被覆層を含む。
第1の実施形態に用いられるアルミニウム酸化物は、X線光電子分光法(XPS:X−ray Photoelectron Spectroscopy)により測定されたスペクトルのO1sのピーク位置が531.8eV以下もしくはAl2pのピーク位置が74.5eV以下である。
また、第2の実施形態に用いられるアルミニウム酸化物は、組成式Al・(HO)(xは1〜2である)で表される。
第3の実施形態にかかる電解水生成装置は、第1の実施形態にかかる電解セルを備える。
第4の実施形態にかかる電解水生成装置は、第2の実施形態にかかる電解セルを備える。
第3及び第4の実施形態にかかる電解水生成装置は、第1隔膜と第2電極との間に、電解液を保持する構造に接続された塩素イオンを含む電解質を供給する電解質供給ラインをさらに含むことができる。
第5の実施形態にかかる電解セルの製造方法は、第1隔膜を形成する工程を含む。
第1隔膜を形成する工程は、フッ素原子を含有するポリマーを少なくとも構成元素とする多孔質基材を、アルミニウムのアルコキシド溶液、水酸化アルミニウムの微粒子粒子分散溶液、及びベーマイト微粒子分散溶液の中から選択される少なくとも1種の溶液に接触させ、70℃以上の熱水中で加熱することで多孔質基材表面の少なくとも一部にアルミニウム酸化物を含有する被覆層を設けることを含む。
複数の貫通孔を有する第1電極に対向して第2電極を配置し、第1電極及び第2電極の間に上記第1隔膜を配置し、電解セルを組み立てることができる。
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
なお、実施形態を通して共通の構成には同一の符号を付すものとし、重複する説明は省略する。また、各図は実施形態とその理解を促すための模式図であり、その形状や寸法、比などは実際の装置と異なる個所があるが、これらは以下の説明と公知の技術を参酌して適宜、設計変更することができる。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る電解セルの構成の一例を模式的に表す断面図である。
図1に示すように、電解セル10は、貫通した複数の貫通孔を有する第1電極11と、第1電極11に対向して配置された第2電極12と、第1電極11と第2電極の間に、第1電極11の第2電極側表面に近接して設けられた第1多孔質隔膜(第1隔膜)13とを含む。
第2電極12は、図1のように貫通した複数の貫通孔を有することができる。あるいは、貫通孔がなくてもよい。また、第1多孔質隔膜13と第1電極11は、図1で示すように接触していてもよいし、第1多孔質隔膜13と第1電極11の間に他の構造体を挿入することもできる。また、図1に示すように、第2電極12の第1電極側表面に近接して第2多孔質隔膜(第2隔膜)14を設置し、第1多孔質隔膜13及び第2多孔質隔膜14間に電解液を保持する構造15
を有することができる。この電解液を保持する構造とは、具体的には、発砲ポリスチレンのような多孔質膜に電解液を浸みこませたもの、などを採用することができる。第2多孔質隔膜14は、第1多孔質隔膜13と同様の構成を有することができる。あるいは、第2多孔質隔膜14として、他の多孔質体、例えばナフィオン117(登録商標、デュポン社製)、 ポリエチレン多孔質膜、ポリフッ化ビニリデン多孔質膜等を使用することもできる。
図2は、第1多孔質隔膜の構成の一例を模式的に表す断面図である。
図2に示すように、第1多孔質隔膜13は化学的に安定なフッ素原子を含有するポリマーを少なくとも構成材料とする多孔質基材21と、多孔質基材21表面の少なくとも一部に設けられるアルミニウム酸化物を含有する被覆層22とを含む。被覆層22は多孔質基材21全面に設けられていても、一部であってもよい。また、膜厚は均一であってもよいし、膜厚にむらがあってもよい。被覆層は、多孔質基材全面に形成され、膜厚が均一であり、平均膜厚に対してむらが標準偏差で30%以内であることが好ましい。
実施形態に使用されるアルミニウム酸化物は、X線光電子分光法(XPS)により測定されたスペクトルのO1sのピーク位置が531.8eV以下、もしくはAl2pのピーク位置が74.5eV以下である。図示しないが、第1多孔質隔膜13の細孔の表面にもアルミニウム酸化物を含む物質がある方が好ましい。
測定されたスペクトルのピークに、種々のアルミナ酸化物のXPSを調べた論文(例えば土田猛 著 北海道大学工学部研究報告 第160号 平成4年)などに記載されるように、C−CHのC1sピークを285.0eVに合わせた帯電補正(横軸エネルギー補正)を行う。これによるとAl(OH)に比べてAlOOHではO1sおよびAl2pのピーク位置はいずれも低エネルギ側にシフトしている。
XPSにより測定されたスペクトルのO1sのピーク位置が531.8eVより大きいとAl(OH)の含有量が増え、化学的な安定性が低下する。531.8eV以下では組成式Al・(HO)x(xは1〜2である)中のベーマイト(AlOOHと表記される)の含有量が増大し、化学的に安定となる。好ましくは531.7eV以下であり、さらに好ましくは531.6eV以下である。さらには、O1sのピーク位置は、531.3〜531.8eVであることが好ましい。
アルミニウム酸化物のXPSにより測定されたスペクトルのAl2pのピーク位置は、74.5eVより大きいとAl(OH)の含有量が増え、化学的な安定性が低下する。74.5eV以下では組成式Al・(HO)x(xは1〜2である)中のベーマイト(AlOOHで表わされる)の含有量が増大し、化学的に安定となる。好ましくは74.3eV以下であり、さらに好ましくは74.2eV以下である。さらには、Al2pのピーク位置は、74.0〜74.5eVであることが好ましい。
XPSでは他の元素の存在や他の物質の存在によりAlやOのピークが妨害されることがあるが、どちらかの指標でベーマイトの存在を調べることができる。
XPSの測定においては、例えばXPS装置として、PHI社製 Quantum−2000を使用し、X線源/X線出力/分析領域として、単結晶分光AlKα線/40W/φ200μmを用い、Pass Energyとして、Wide Scan−187.85eV(1.60eV/Step)、Narrow Scan−58.70eV(0.125eV/Step)を使用し、帯電中和銃は、Ar,e 共に使用し、ジオメトリは、θ=45°(θ:試料表面と検出器との角度)を用いる。
Al・(HO)x(xは1〜2である)はアルミナ水和物であり、x=1における組成式を有する化合物として、例えば、ベーマイト(α−Al・HO)やダイアスポア(β−Al・HO)があげられるが、実施形態では、ベーマイトが主に存在することが好ましい。
図3に、電解中の第1多孔質隔膜における塩化物イオンの移動を表す模式図を示す。
ベーマイトは−(Al−O)−のポリマー構造を持ち、酸やアルカリに強くpH6におけるゼータ電位も正である。図3に模式的に示すように、ベーマイト31は塩化物イオンを引きつけて第1多孔質隔膜13の細孔32を通りやすく、ナトリウムイオンを反発させて通過しにくくする。このため、食塩を電解して次亜塩素酸を作製する3室型の電解セルの陽極側に設置すると、次亜塩素酸の生成効率を高くすると共にナトリウムイオンの混入を少なくすることができる。また、フッ素原子を有するポリマーはpH6でゼータ電位は負であることからベーマイトは基材ポリマーに強く吸着され脱離等が起こりにくい。同じ酸化物でも水酸化アルミニウム(Al(OH))は酸やアルカリに溶解しやすい。しかし、ベーマイトの含有量が増加すると水素結合により水酸化アルミニウムも安定化する。なお、アルマイト(Al)は作製に高温が必要である。
多孔質基材に用いられるフッ素原子を含有するポリマーとして、ポリテトラフルオロエチレンもしくはポリフッ化ビニリデンから選ばれる少なくとも1種を用いることができる。これらは化学的にも安定であり、また多孔質膜を形成しやすい。
アルミニウム酸化物を含有する被覆層の厚さは、0.5〜10μmであることが好ましい。
被覆層の厚さが0.5μmより小さいとイオン透過性に対する効果が低下する傾向があり、10μmより大きいと被覆層が剥がれやすくなる傾向がある。被覆層の厚さは好ましくは1〜8μmであり、さらに好ましくは2〜6μmである。
多孔質基材の厚さは、10〜200μmであることが好ましい。
多孔質基材の厚さが10μmより小さいと膜の機械的強度が弱くなり破膜しやすくなる傾向があり、200μmより大きいとイオン透過性が小さくなりやすく電解効率が低下する傾向がある。より好ましくは20〜100μmであり、さらに好ましくは30〜80μmである。
電極基材としては、チタン(Ti)、クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、ステンレス(SUS)やその合金等から選ばれる少なくとも1種以上、具体的には1種または2種以上を用いることができる。この中で、チタン及びステンレスが酸化に強いため好ましい。
第1電極及び第2電極の表面には触媒層を形成することができる。これら電極を陽極に用いる場合には白金(Pt)等の貴金属触媒や酸化イリジウム(IrO
等の酸化物触媒を使用することができる。電解触媒の単位面積当たりの量が電極の両面で異なることができる。これにより副反応等を抑制することができる。
電極基材の表面粗さとしては0.01μm〜3μmが好ましい。0.01μmより小さいと電極の実質の表面積が減少する傾向があり、3μmより大きいと電極の凸部に多孔質隔膜に対する応力が集中しやすくなる傾向がある。
第1電極及び第2電極の貫通孔は、種々の形状を取り得る。
貫通孔の形状として、貫通孔を隔膜側から確認した場合に、例えば、角部が丸い四角形(正方形、長方形)、円、楕円、及び角が丸いひし形等から選ばれる少なくとも1種、具体的には1種または2種以上があげられる。
角部とは、貫通孔を隔膜側から確認した場合の形状における鋭角部であり、四角形の場合には4箇所存在する。角部が丸い、すなわち円弧状であると多孔質隔膜との接触において荷重の不均一性が低減される。この中では角部が丸い長方形が開口面積を大きくする場合には好ましく、円が開口面積を小さくする場合に好ましい。
第1電極の貫通孔の断面形状は、多孔質隔壁に向かって広くなるテーパー状や曲面状を有することができる。貫通孔の断面形状が多孔質隔壁に向かって広くなるテーパー状や曲面状とすることにより多孔質隔膜と穴部との接触角が鈍角になり、多孔質隔膜への応力集中を低減できる。このように、貫通孔の断面形状は、多孔質隔壁に向かって広くなることにより、第1電極の表面における開口数密度は多孔質隔膜側が大きくなり、物質が拡散しやすい。
多孔質隔膜を構成する材料は電極の多孔質隔膜と接する面以外の面、具体的には電極の側壁部にも存在してよい。これにより電極と多孔質隔膜の接合が強化され、熱サイクル等により負荷が加わってもはがれにくくなる。
図4に、図1の電解セルの変形例を表す模式図を示す。
図4に示すように、電解セル40は、複数の貫通孔を有する第1電極41が、第1多孔質隔膜(第1隔膜)13側の第1表面42、第1表面に対向する第2表面43、及び第1表面から第2表面に貫通する複数の貫通孔44を有し、第1表面に開口する複数の第1凹部45と、第2表面に開口しているとともに第1凹部よりも開口面積が広い複数の第2凹部46とを含み、貫通孔44の少なくとも一部は第1凹部45と第2凹部46を連通し、第1凹部45は第2凹部46より数が多いこと以外は図1と同様の構成を有する。なお、図4では第1凹部45は貫通しているが貫通していないものがあっても良い。小さく数の多い凹部45が第1多孔質隔膜13と接することにより荷重の不均一性がさらに低減され、電解セルの寿命が長くなる。これにより、ベーマイトは化学的には安定であるがセラミックスの一種であるため機械的に脆いという欠点を補うことができる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態に係る電解セルは、第1多孔質隔膜13とは異なる第1多孔質隔膜を使用すること以外は、図1と同様の構成を有する。また、第1多孔質隔膜13の代わりに、第1多孔質隔膜13とは異なる第1多孔質隔膜を用いること以外は図4と同様の構成を有する電解セルを形成することも可能である。
第2の実施形態に使用される第1多孔質隔膜は、化学的に安定なフッ素原子を含有する多孔質ポリマー21と、アルミニウム酸化物を含む物質からなる被覆層22とは異なるアルミニウム酸化物を含む被覆層で被覆されていること以外は、図2と同様の構成を有する。
上記アルミニウム酸化物は組成式Al・(HO)x (x=1〜2)である。
好ましくはx=1〜1.5であり、さらに好ましくはx=1〜1.3である。xが1に近いほどベーマイトの比率は大きくなる。
このアルミニウム酸化物の組成はアルミニウムの含有量を元素分析で測定してAlとしての量を決めることができる。具体的には、第1多孔質隔膜の一部を塩酸と硝酸の混合溶液中で煮沸してアルミニウムを完全に溶解させる。ICP−AES(高周波誘導結合プラズマ発光分光分析:Inductively Coupled Plasma Atomic Emission Spectroscopy)でアルミニウム含有量を定量する。次に、前記アルミニウム含有量を定量したものと同じ第1多孔質膜の一部を室温真空下で維持することで弱く吸着している水分を除く。続いて、熱分析装置で130〜1000℃で脱離する水の量を低温で集めてガスクロマト装置で測定することによりxの値を決定することができる。
(第3及び第4の実施形態)
図5は、第3実施形態及び第4の実施形態にかかる電解水生成装置の構成の一例を模式的に表す断面図である。
第3の実施形態の電解水生成装置は、上記第1の実施形態にかかる第1多孔質隔膜を用いた電解セルを搭載する。第4の実施形態の電解水生成装置は、第1の実施形態にかかる第1多孔質隔膜の代わりに、上記第2の実施形態にかかる第1多孔質隔膜を用いること以外は第3の電解水生成装置と同様の構成を有する。簡略のため、図5では、第1の実施形態にかかる第1多孔質隔膜と、第2の実施形態にかかる第1多孔質隔膜は、同じ符号で表している。
第3実施形態及び第4の実施形態によれば、第1または第2の実施形態にかかる電解セルを搭載することにより、長寿命の電解水生成装置を得ることができる。
電解水生成装置50は、3室型の電解セル508および電極ユニット507を備えている。電解セル508は、偏平な矩形箱状に形成され、その内部は、隔壁509および電極ユニット507により、陽極室510と陰極室511と、電極間に形成された中間室506との3室に仕切られている。
電極ユニット507は、陽極室510内に位置する第1電極503と、陰極室511内に位置し、所定の複数の貫通孔を有する第2電極(対向電極)504と、第1電極503の第2電極側の表面上に第1多孔質隔膜(電解質膜)501を有する。第2電極504の第1電極側表面に第2多孔質隔膜502を設けることができる。第1電極503および第2電極504は、隙間をおいて互いに平行に対向し、これらの多孔質隔膜501、502間に、電解液を保持する中間室(電解液室)506を形成している。中間室506内に、電解液を保持する図示しない保持体を設けても良い。第1電極503および第2電極504は、絶縁性を有する複数の図示しないブリッジにより、互いに連結してもよい。
電解水生成装置50は、電極ユニット507の第1および第2電極503、504に電圧を印加するための電源514、およびこれを制御する制御装置513を備えている。電源514と第1および第2電極503、504との間に電流計516、電圧計515を備えることができる。電流計516、電圧計515を制御装置513と接続することができる。
陽極室510、陰極室511には液体の流路を設けることができる。中間室506に塩化物イオンを含む電解質溶液を導入するラインL1、ラインL1に接続された電解質溶液タンク517、給水源から陽極室510および陰極室511に水を供給するラインL3、陽極室510から酸性電解水を取り出すラインL4、及び陰極室511からアルカリ性電解水を取り出すラインL5をさらに設けることができる。また、中間室506から塩化物イオンを含む余剰の電解質溶液を回収して電解質溶液タンク517に循環するためのラインL2を設けてもよいし、ラインL2の代わりに、塩化物イオンを含む電解質溶液を排出するためのラインを設けることができる。水質センサーとして酸性電解水を取り出すラインL4には導電率センサー518を、アルカリ性電解水を取り出すラインL5にはpHセンサー519を各々取り付けることができる。
(第5の実施形態)
図6から図9に、第5の実施形態に係る電解セルの作製工程を表す模式図を示す。
この電解セルの製造方法は、第1多孔質隔膜を形成する工程を含む。
第1多孔質隔膜を形成する工程では、まず、図6に示すように、フッ素原子を含有するポリマーを少なくとも構成元素とする多孔質基材61を、アルミニウムのアルコキシド溶液、水酸化アルミニウムの微粒子粒子分散液、及びベーマイト微粒子分散溶液から選択される少なくとも1種、具体的には1種または2種以上の溶液62に浸漬して接触させる。
その後、図7に示すように、溶液62に浸漬後の多孔質基材61を70℃以上の加熱装置63に導入し、70℃以上の熱水雰囲気64中で加熱処理して、図示しないアルミニウム酸化物を含有する被覆層を有する第1多孔質隔膜61を形成する。
続いて、図8に示すように、複数の貫通孔を有する第1電極11に対向して第2電極12を配置し、第1電極11及び第2電極12の間に上記第1隔膜を配置し、図9に示すように、電解セル66を組み立てることができる。
アルミニウムのアルコキシド溶液もしくは水酸化アルミニウムの微粒子粒子分散液と接触した多孔質基材を70℃以上の熱水で処理すると、得られるアルミニウム酸化物を含有する被覆層の組成はベーマイトが主となりやすい。より好ましくは80℃以上であり、さらに好ましくは100℃以上である。100℃を超える場合は加圧して行う。
また、ベーマイト微粒子分散液と接触した多孔質基材の加熱温度は80℃以上が好ましく、より好ましくは120℃以上、さらに好ましくは150℃以上である。ベーマイト微粒子分散液に使用されるベーマイト微粒子には擬ベーマイト微粒子も含まれる。擬ベーマイトはベーマイトより水和量が多く、加熱により容易にベーマイトとなる。
この電解セルの製造方法において、多孔質基材を溶液に浸漬する前に、前処理として、多孔質基材を前記溶液に接触させる前に、プラズマ処理、電子線処理もしくはUVオゾン処理の少なくとも1種の処理を行う工程をさらに設けることができる。この前処理を適用することにより多孔質基材の表面には水酸基やカルボキシル基などの親水性基が導入されアルミニウム酸化物を有する被覆層との結合が強くなり、よりはがれにくくなる。
また、この電解セルの製造方法において、得られた第1隔膜を、表面張力が35dyn/cm以下の水と混和する液体に浸漬する工程をさらに設けることができる。通常、水の表面張力は70mN/m以上であるので親水性が大きくない多孔質基材の細孔には水は浸み込みにくい。しかし、第1隔膜を、表面張力が35mN/m以下の水と混和する液体もしくは水溶液に浸漬させると、第1隔膜の細孔に35mN/m以下の水と混和する液体もしくは水溶液が浸みこむ。
表面張力が35dyn/cm以下の水と混和する液体として、エタノール、メタノール等があげられる。
続いて、第1隔膜を水洗する工程に供することにより、細孔中の35mN/m以下の水と混和する液体もしくは水溶液と洗浄水が少なくとも一部は交換する。このように処理した第1隔膜を電解セルに設置すると、電解が速やかに起こる電極水生成装置を製造することができる。
さらにまた、この電解セルの製造方法において、得られた第1隔膜を電解セルに組み込み、得られた電解セルを電解水生成装置に搭載後、水、及び塩化物イオンを含む電解質溶液を供給して電解処理を行うことにより電解セルを予備運転した後、乾燥する工程を設けることができる。これにより、多孔質基材中に塩化物イオンを含む電解質を存在させることができ、次回からの運転開始を速くすることができる。
第1多孔質基材と同様にして、第2多孔質薄基材形成し、第2電極の第1電極側表面に近接して設置することができる。
(実施例1)
図1と同様の構成を有する電解セル10を作製する。
電極基材は、0.5mmの平坦なチタン製であり、2mm径の孔を3.5mmピッチで千鳥にパンチングして作製する。この電極を10wt%シュウ酸水溶液中1時間80℃で処理する。塩化イリジウム(IrCl・nHO)に1−ブタノールを0.25M(Ir)になるように加えて調整した溶液を、電極基材の小さい開口の面に塗布した後、乾燥と焼成をする。この場合、乾燥は80℃で10分間行ない、焼成は450℃で10分間行なう。こうした塗布と乾燥と焼成を5回繰り返して酸化イリジウム触媒を作製した電極基材を、反応電極面積が3cm×4cmに切り出して、それを複数の貫通孔を有する第1電極(陽極)とする。
図6ないし図9に示す工程と同様にして、多孔質基材をアルミニウムのアルコキシド溶液で下記のように熱水処理し、第1多孔質隔膜を形成する。
まず、厚さ60μmで平均孔径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン多孔質膜を、アルミニウムトリイソプロポキシドの2−プロパノール溶液に浸漬し、その後、取り出して空気中で200℃で加熱する。この操作を2回繰り返す。次に、この多孔質膜を大気中で沸騰した水中に5分浸漬した後、取り出して、空気中で100℃で乾燥し、表面にベーマイト層が形成された第1多孔質隔膜を作製する。
図10に、この第1多孔質隔膜のXPSスペクトルのAl2のピークを示す。
図11に、この第1多孔質隔膜のXPSスペクトルのO1sのピークを示す。
Alpのピーク位置は74.2eV、O1sは531.6eVである。組成式Al・(HO)xでのxの値は1.4である。
本実施例および以下の実施例や比較例においては、XPS装置として、PHI社製 Quantum−2000を使用し、X線源/X線出力/分析領域として、単結晶分光AlKα線/40W/φ200μmを用い、Pass Energyとして、Wide Scan−187.85eV(1.60eV/Step)、Narrow Scan−58.70eV(0.125eV/Step)を使用し、帯電中和銃は、Ar,e 共に使用し、ジオメトリは、θ=45°(θ:試料表面と検出器との角度)を用いる。
上記電極作製において酸化イリジウムを作製する代わりに白金をスパッタして対向電極(陰極)とする。対向電極側の多孔質膜としてナフィオン117(登録商標、デュポン社製)を用いる。
第1多孔質隔膜をエタノールに浸漬した後、水洗し、それが乾かないうちに、両電極と電解液を保持する構造として、厚み5mmの多孔質ポリスチレンを用い、二つの多孔質膜とこれらをシリコーンシール剤およびネジを用いて重ねて電解セルとする。
この電解セルを用いて図7と同様の構成を有する電解水生成装置を作製する。
ストレート流路が形成された塩ビ製の陽極室と陰極室、上記多孔質ポリスチレンに飽和食塩水を供給するための容器を電解セルに接続する。制御装置、電源、電圧計、電流計を設置し、陽極室および陰極室に水道水を給するための配管とポンプ、多孔質ポリスチレンに飽和食塩水を循環供給するための飽和食塩水タンクと配管、ポンプを設置する。
この電解水生成装置を用いて、電解セルが乾かないうちに電圧8Vで電解を行い、陽極側では次亜塩素酸水を陰極側では水酸化ナトリウム水を製造する。電解の初期効率は85%である。次亜塩素酸水へのナトリウムイオンの混入は約80ppmである。運転を止めて液を抜いて1週間乾燥させた。その後、再び運転すると10分以内に効率(初期電解効率)は85%になり、1000時間の連続運転後でも電解効率は84%と安定である。なお、電解効率とは、投入電荷量に対する次亜塩素酸の生成効率を示すものである(副反応としては酸素生成反応である)。
(比較例1)
厚さ60μmで平均孔径0.1μmのポリテトラフルオロエチレン多孔質膜に、アルミニウムイソプロポキシドによる処理を行わずに第1多孔質隔膜として使用することを除いては実施例1と同様にして、第1多孔質隔膜、電解セル、および電解水生成装置を作製する。
初期電解効率は25%であり効率が低く、また次亜塩素酸水にナトリウムイオンが400ppm以上と高濃度に混入する。なお、初期電解効率が低すぎるため、実施例1で行った1000時間の連続運転後の電解効率の測定は行わなかった。
(比較例2)
大気中で沸騰した水中に5分浸漬しないことを除いては実施例1と同様にして第1多孔質隔膜、電解セル、および電解水生成装置を作製する。
図12に、この第1多孔質隔膜のXPSスペクトルのAl2のピークを示す。
図13に、この第1多孔質隔膜のXPSスペクトルのO1sのピークを示す。
Al2pのピーク位置は74.7eV、O1sは532.0eVである。xの値は2.5である。
初期電解効率は85%であるがアルミ酸化物粒子が脱離しやすく、1000時間の連続運転後の電解効率は40%に低下する。
(比較例3)
大気中で沸騰した水中に浸漬する代わりに60℃の水に浸漬することを除いては実施例1と同様にして第1多孔質隔膜、電解セル、および電解水生成装置を作製する。
Al2pのピーク位置は74.6eV、O1sは531.9eVである。xの値は2.2である。
初期電解効率は75%であるが、1000時間の連続運転後の電解効率は60%に低下する。
(実施例2〜8)
アルミニウムイソプロポキシドの濃度、アルミニウムイソプロポキシドへの浸漬回数、浸漬する熱水の温度を種々変更すること以外は実施例1と同様にして、第1多孔質隔膜、電解セル、および電解水生成装置を作製する。
下記表1にXPSスペクトルのAl2のピーク位置、XPSスペクトルのO1sのピーク位置、xの値、初期電解効率(%)および1000時間運転後の電解効率(%)を示す。
Figure 2018044229
表1で示すように1000時間の連続運転後の電解効率が70%以上であり高効率で長時間の安定な運転が可能である。
(実施例9)
ポリテトラフルオロエチレン多孔質膜の代わりにポリビニリデンフルオライド多孔質膜を用い、アルミニウムトリイソプロポキシドの2−プロパノール溶液に浸漬し、その後、取り出して空気中で130℃で加熱する。この操作を2回繰り返す。次に、この多孔質膜を大気中で沸騰した水中に5分浸漬し、取り出して、空気中で100℃で乾燥し、表面にベーマイト層が形成された第1多孔質隔膜を作製する。
この多孔質膜のXPSのAl2pのピーク位置は74.2eV、O1sは531.6eVである。xの値は1.4である。
得られた第1多孔質隔膜を用いて実施例1同様にして、電解セルおよび電解水生成装置を作製する。初期電解効率は90%であり、1000時間の連続運転後の電解効率は88%である。
(実施例10)
ポリテトラフルオロエチレン多孔質膜の代わりに、実施例9と同様のポリビニリデンフルオライド多孔質膜を用い、アルミニウムトリイソプロポキシドの2−プロパノール溶液に浸漬する代わりに、アルミナゾル(擬ベーマイト)の水分散液に浸漬し、取り出し空気中で130℃で5分加熱する。この操作を2回繰り返す。次に、この多孔質膜を大気中で沸騰した水中に5分浸漬し、取り出して、空気中で100℃で乾燥し、表面にベーマイト層が形成された第1多孔質隔膜を作製する。
この多孔質膜のXPSのAlpのピーク位置は74.2eV、O1sは531.5eVである。xの値は1.2である。
得られた第1多孔質隔膜を用いて実施例1同様にして、電解セルおよび電解水生成装置を作製する。初期電解効率は91%であり、1000時間の連続運転後の電解効率は84%である
(実施例11)
ポリテトラフルオロエチレン多孔質膜を用い、前処理として、窒素ガス中でのRFプラズマ装置をを用いて、 多孔質膜をプラズマにさらすことにより大気圧のプラズマ処理を施し、多孔質膜表面を親水化する。
親水化された多孔質膜をアルミナゾル(擬ベーマイト)の水分散液に浸漬し、取り出し空気中で140℃で5分加熱する。この操作を2回繰り返し、表面にベーマイト層が形成された多孔質膜を作製する。加圧容器中で130℃で水中に10分浸漬した後、取り出して、空気中で100℃で乾燥し、表面にベーマイト層が形成された第1多孔質隔膜を作製する。
この多孔質膜のXPSのAl2pのピーク位置は74.0eV、O1sは531.5eVである。xは1.0である。
上記以外は実施例1同様にして電解セルおよび電解水生成装置を作製する。初期電解効率は90%であり、1000時間の連続運転後の効率もほとんど変化しない
(実施例12)
前処理として、ポリテトラフルオロエチレン多孔質膜に親水性のナフィオン水溶液を含浸させた後、乾燥して一部をコートする。
アルミニウムトリイソプロポキシドの2−プロパノール溶液に浸漬し、取り出し空気中で120℃で加熱する。この操作を2回繰り返した後、大気中で沸騰した水中に5分浸漬した後取り出し、空気中で100℃で乾燥し、表面にベーマイト層が形成された第1多孔質隔膜を作製する。
この第1多孔質隔膜のXPSのAl2pのピーク位置は74.1eV、O1sは532.3eVである。xの値は1.2である。
アルミニウムイソプロポキシドで処理した第1多孔質隔膜と、実施例1と同様の両電極と、実施例1と同様の対向電極側の多孔質膜とを用いて、電解液を保持する構造として、厚み5mmの多孔質ポリスチレンを用い、二つの多孔質膜とこれらをシリコーンシール剤およびネジを用いて重ねて電解セルとする。
この電解セルを用い、実施例1と同様にして、図7と同様の構成を有する電解水生成装置を作製する。
この電解水生成装置を用いて、電圧8Vで電解を行い、陽極側では次亜塩素酸水を陰極側では水酸化ナトリウム水を製造する。初期電解効率は83%である。次亜塩素酸水へのナトリウムイオンの混入は約80ppmである。運転を止めて液を抜いて1週間乾燥させた。その後再び運転すると3分以内に電解効率は83%であり、1000時間の連続運転後の電解効率は82%と安定である。
(実施例13)
図4と同様の構成を有する電極セルを作成する。
まず、この電解セルに用いられる第1電極を作成する。
図14(a)から図14(d)に、第1電極の作成工程を表す図を示す。
図14(a)に示すように、厚さ0,5mmの1枚の平坦なTi基材90を用意する。
次に、及び図14(b)基材90の第1表面90aおよび第2表面90bにレジスト膜91a、91bを塗布する。
図14(c)に示すように、図示しない光学マスクを用いてレジスト膜91a、91bを露光し、それぞれエッチング用のマスク92a、92bを作製する。光学マスクによって開口面積や開口率は規定される。
図14(d)に示すように、これらマスク92a、92bを介して、基材90の第1表面90aおよび第2表面90bを溶液によりウェットエッチングすることにより、複数の第1凹部45および複数の第2凹部46を形成する。その後、マスク92a、92bを除去することにより、多孔電極41が得られる。
図15と図16に、得られる多孔電極の斜視図を示す。
図15は第1凹部側、図16は第2凹部から見た図である。
電極は長さが15cmで幅が10cmである。面積の小さい第1凹部45を含んだ領域の厚み(第1凹部の深さ)は0.1mm、面積の大きい第2凹部46を含んだ領域の厚み(第2凹部の深さ)は0.4mmである。第1凹孔部45は電極のシール部を除いた端から端へ繋がる長方形であり、第2凹部46も電極のシール部を除いた端から端へ繋がる長方形であり、第1凹部とは直交している。貫通孔44は端が丸い長方形である。第1凹部は幅0、25mm、ピッチ0、5mmであり第2凹部は幅2.5mmでピッチが5mmである。
この電極を陽極に用いることを除いては実施例1と同様にして電解セルおよび電解水生成装置を作製する。初期効率は90%であり1000時間運転後の効率は88%である。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10…電解セル、11…多孔電極、12…対向電極、13…多孔質膜、14…第2の多孔質膜、21…多孔質ポリマー、22…アルミニウム酸化物を含む物質、31…ベーマイト、32…細孔、40…電解セル、41…多孔電極、42…第1表面、43…第2表面、44…貫通孔、45…第1凹部、46…第2凹部、50…電解水生成装置、501…ベーマイトを含む多孔質膜、502…第2の多孔質、503…第1電極、504…第2電極、507…電極ユニット、508…電解セル、509…隔壁、510…陽極室、511…陰極室、513…制御装置、514…電源、515…電圧計、516…電流計、517…塩水槽、518…導電率センサー、516…pHセンサー、 90…基材、90a…第1表面、90b…第2表面、91a,91b…レジスト膜、92a,92b…マスク

Claims (16)

  1. 複数の貫通孔を有する第1電極と、前記第1電極に対向して配置される第2電極と、前記第1電極及び前記第2電極の間に配置される第1隔膜を含む電解セルであって、
    前記第1隔膜は、フッ素原子を含有するポリマーを少なくとも構成材料とする多孔質基材、及び前記多孔質基材表面の少なくとも一部に設けられるアルミニウム酸化物を含有する被覆層を含み、
    前記アルミニウム酸化物は、X線光電子分光法により測定されたスペクトルのO1sのピーク位置が531.8eV以下もしくはAl2pのピーク位置が74.5eV以下である電解セル。
  2. 複数の貫通孔を有する第1電極と、前記第1電極に対向して配置された第2電極と、前記第1電極及び前記第2電極の間に配置された第1隔膜を含む電解セルであって、
    前記第1隔膜は、フッ素原子を含有するポリマーを少なくとも構成材料とする多孔質基材、及び前記多孔質基材表面の少なくとも一部に設けられたアルミニウム酸化物を含有する被覆層を含み、
    前記アルミニウム酸化物は、組成式Al・(HO)x(xは1〜2である)で表される電解セル。
  3. 前記フッ素原子を含有するポリマーは、ポリテトラフルオロエチレンもしくはポリフッ化ビニリデンから選ばれる少なくとも1種である請求項1または2に記載の電解セル。
  4. 前記第1隔膜は、pH6におけるゼータ電位が正である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電解セル。
  5. 前記アルミニウム酸化物を含有する被覆層の厚さが0.5〜10μmである請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電解セル。
  6. 前記多孔質基材の厚さが10〜200μmである請求項1乃至5のいずれか1項に記載の電解セル。
  7. 前記第1電極の基材はチタン、クロム、アルミニウム、ステンレス、およびそれらの合金から選ばれる少なくとも1種である請求項1乃至6のいずれか1項に記載の電解セル。
  8. 前記貫通孔は、角部が丸い四角形、円、楕円もしくは角が丸いひし形から選ばれる少なくとも1種である請求項1乃至7のいずれか1項に記載の電解セル。
  9. 前記多孔質基材は、前記第1隔膜側に設けられる第1表面、前記第1表面に対向する第2表面、及び前記第1表面から前記第2表面に貫通する複数の貫通孔を有し、前記第1表面に開口する複数の第1凹部と、前記第2表面に開口しているとともに前記第1凹部よりも開口面積が広い複数の第2凹部とを含み、前記貫通孔の少なくとも一部は前記第1凹部と前記第2凹部を連通し、前記第1凹部は前記第2凹部より数が多い請求項1乃至8のいずれか1項に記載の電解セル。
  10. 前記第1隔膜と前記第2電極との間に設けられる第2隔膜と、前記第1の隔膜及び前記第2隔膜間に電解液を保持する構造とをさらに含む請求項1乃至9のいずれか1項に記載の電解セル。
  11. 請求項1乃至10のいずれか1項に記載の電解セルを搭載する電解水生成装置。
  12. 前記第1隔膜と前記第2電極との間に、前記電解液を保持する構造に接続された塩素イオンを含む電解質を供給する電解質供給ラインをさらに含む請求項11に記載の電解水生成装置。
  13. 複数の貫通孔を有する第1電極と、前記第1電極に対向して配置される第2電極と、前記第1電極及び前記第2電極の間に配置される第1隔膜を含む電解セルの製造方法であって、
    フッ素原子を含有するポリマーを少なくとも構成元素とする多孔質基材を、アルミニウムのアルコキシド溶液、水酸化アルミニウムの微粒子粒子分散溶液、及びベーマイト微粒子分散溶液から選択される少なくとも1種の溶液に接触させ、70℃以上の熱水中で加熱することで前記多孔質基材表面の少なくとも一部にアルミニウム酸化物を含有する被覆層を被覆することで第1の隔膜を形成する工程を含む電解セルの製造方法。
  14. 前記多孔質基材を前記溶液に接触させる前に、プラズマ処理、電子線処理もしくはUVオゾン処理の少なくとも1種の処理を行う工程をさらに含む請求項13に記載の電解セルの製造方法。
  15. 前記第1隔膜を形成する工程の後に、表面張力が35dyn/cm以下の水と混和する液体に浸漬する工程をさらに含む請求項13または14に記載の電解セルの製造方法。
  16. 前記電解セルを電解水生成装置に搭載後、前記電解水生成層を予備運転した後、乾燥する工程をさらに含む請求項13乃至15のいずれか1項に記載の電解セルの製造方法。
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