JP2018043570A - 内燃機関自動車用エアコンシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】内燃機関エンジンを駆動させずに使用できるアイドリング・ストップ対応のエアコンシステムを、省スペース且つ低コストで内燃機関自動車に装備できるようにした内燃機関自動車用エアコンシステムを提供する。【解決手段】内燃機関エンジン100によって動作するエンジンコンプレッサ111に代えて電動コンプレッサ60を用い、既存のコンデンサ113やエバポレータ117等をそのまま使うことでヒートポンプ式熱交換機能部110′を構成し、大容量バッテリ30からの直流24Vを第1DC/DCコンバータ41にて直流360Vに変換して電動コンプレッサ60へ電源供給すると共に、エアコン制御手段50の動作制御部51からコンプレッサ動作制御信号を電動コンプレッサ60へ出力することで、内燃機関エンジン100の停止中でも、ヒートポンプ式熱交換機能部110′を作動させて車内冷房を可能にする。【選択図】図1

Description

本発明は、燃料を内部で燃焼させる内燃機関エンジンにより走行用の駆動力を得る内燃機関自動車に装備され、ヒートポンプ式熱交換のために冷媒を断熱圧縮するコンプレッサを含む内燃機関自動車用エアコンシステムに関し、特に、救急車や消防車といった特装車(装備された業務用機材へ供給する電源を生成可能な発電機構が設けられた内燃機関自動車)に好適なエアコンシステムである。
昨今の自動車には、走行中の車内を適温に保てるよう、エアコンシステムが標準的に装備されている。EV車やハイブリッド車では、バッテリからの給電によりコンプレッサ等を駆動させるエアコンシステムを装備しており、車輌の停車中であってもエアコンを動作させることができる。とはいえ、EV車では、エアコンの使用によるバッテリ消費が走行距離を短くしてしまうし、ハイブリッド車では、標準装備されているバッテリ容量が小さいために、停車中にエアコンを長時間稼動させることができない。
一方、ガソリンや軽油を燃料とする内燃機関自動車は、走行用の内燃機関エンジンの駆動力でコンプレッサを駆動させるものであるため、停車時であっても、エンジンをアイドリング状態にすることで、燃料の続く限り、エアコンを継続的に使用することができる。しかし、昨今は、環境問題への配慮から停車時にエンジンを切るアイドリング・ストップが推奨されており、信号待ちの停車時などに自動でエンジンを停止するアイドリング・ストップ対応車が普及している。このため、アイドリング・ストップ機能によってエンジンが停止されている間は、エアコンを使用することができず、渋滞に巻き込まれた場合など非走行中は車内を適温に保つことができない。
そこで、アイドリング・ストップ制御によりエンジンが停止される状態になったときでも、車内温度を調整するために空調制御を行う必要がある場合には、アイドリング・ストップ禁止要求を行って、アイドリング・ストップ制御を禁止し、空調制御を継続できるようにした車両用空調装置が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2016−070172号公報
しかしながら、特許文献1に記載の車両用空調装置は、信号待ちなどの短時間であれば、アイドリング・ストップをキャンセルして車内空調制御を優先させても大きな問題は無いものの、駐車場に停車している間など比較的長時間に亘るに停車中に車内空調を使おうとした場合、空調のためのアイドリング状態とアイドリング・ストップ制御が交互に頻繁に繰り返される可能性が有り、望ましくない。
たとえば、特許文献1に記載の車両用空調装置を備えた車輌で車内温度調整が必要になると、アイドリング・ストップ制御を禁止して、車内空調制御を行うためにエンジンを稼働させてアイドリング状態となり、その後、空調制御が効いて適温になるとアイドリング・ストップ禁止が解除されてエンジンが切られ、その後、再び車内温度調整が必要になるとアイドリング・ストップ制御を禁止して、車内空調制御を再開させるためにエンジンを稼働させる、というサイクルが繰り返される可能性があるので、特許文献1に記載の車両用空調装置を備えた車輌は、到底アイドリング・ストップに対応しているとは言えないのである。昨今、地方自治体によってはアイドリング・ストップが条例で義務化されているため、特許文献1に記載の車両用空調装置を搭載した内燃機関自動車で、比較的長時間に亘る停車時にエアコンを使用することは、頻繁にアイドリングが繰り返される可能性があるため、大きな問題となってしまう虞がある。
また、既存の内燃機関自動車を改造して、特定の用途や目的に応じた装置等を取り付けた特装車にあっては、商用交流電源で動作する装置を車内で使えるように、内燃機関エンジンで駆動させる発動発電機を搭載しているものがある。例えば、特装車両である放送用移動中継車輌には、マイク、カメラ、各種編集設備が搭載されており、これらの搭載装置を利用するためには電力源が必要であるから、移動中あるいは移動先において必要な電力を得るために発電機を稼働させるのである。この種の特装車にはアイドルイング・ストップ制御義務が課されていないので、停車中であっても、搭載装置を動作させるための電源が必要なときには、エンジンをアイドリング状態にして発電機を稼働させることができる。なお、走行中に発電機で発電した電力を貯めておけるバッテリを備える特装車では、停車中でもバッテリから搭載装置へ電力を供給できるので、発電機を稼働させるためにエンジンをアイドリング状態にする必要が無く、アイドリング抑制に効果がある。
上述した発電機とバッテリを備える特装車では、商用交流電源を使えることから、家庭用のエアコン装置あるいは耐振動性等を高めた車載用エアコン装置を別途車内に取り付け、停車中でもバッテリあるいは外部の商用電源設備からエアコン装置へ電力を供給して車内空調を行えるようにしたものがある。
しかしながら、家庭用エアコン装置や車載用エアコン装置を車内に取り付ける場合、室内機および室外機を新たに設置する必要があり、そのための配管作業や搭載スペースの確保が必要となるため、狭小な車内スペースを有効に使えなくなってしまう。加えて、家庭用エアコン装置は、一般家庭での使用を前提に作られた大量生産品であるから、安価に導入できる反面、振動の多い車輌内に設置すれば故障が発生しやすいという問題がある。一方、車載用エアコン装置は振動の多い車輌内でも安定動作するように設計・製造されているので、車内に設置して使用しても故障しにくい反面、装置自体が高価な上に、配管作業にも高度な知識や技術が必要であり、総じて高コストとなる。
このように、内燃機関自動車をベースとした特装車が商用交流電源を供給できる機能を備えているといっても、単純に電動式のエアコン装置を取り付けて車内空調制御を行うのは非効率である。かといって、いずれは特装車に対してもアイドリング・ストップが義務化される可能性もあり、内燃機関エンジンの駆動力を使って動作するエアコンシステムを使い続けることは望ましくない。
そこで、本発明は、内燃機関エンジンを駆動させずに使用できるアイドリング・ストップ対応のエアコンシステムを、省スペース且つ低コストで内燃機関自動車に装備できるようにした内燃機関自動車用エアコンシステムの提供を目的とする。
上記の課題を解決するために、請求項1に係る発明は、燃料を内部で燃焼させる内燃機関エンジンにより走行用の駆動力を得る内燃機関自動車に装備され、ヒートポンプ式熱交換のために冷媒を断熱圧縮するコンプレッサを含む内燃機関自動車用エアコンシステムであって、前記コンプレッサには、内燃機関エンジンによって駆動力を得るエンジンコンプレッサに代えて、所要の駆動電圧が供給されることで動作する電動コンプレッサを用い、前記内燃機関エンジンの駆動力によって動作し、少なくとも前記電動コンプレッサの消費電力を超える発電能力を備えた大容量発電機と、前記大容量発電機の出力を適正に保持させるよう発電能力を制御すると共に、前記大容量発電機で発電した電力を適正電圧の直流に変換して出力する発電制御手段と、前記発電制御手段より得られる適正電圧で充電され、少なくとも前記電動コンプレッサを所要時間以上連続稼動させ得る蓄電容量を備えた大容量バッテリと、前記発電制御手段もしくは前記大容量バッテリから供給される適正電圧の直流を、前記電動コンプレッサの駆動電圧に変換して電動コンプレッサへ供給する機能を備えた直流電圧変換手段と、少なくとも、前記直流電圧変換手段により変換された駆動電圧が供給されて動作する電動コンプレッサをコントロールするコンプレッサ動作制御信号を出力し、エアコンの冷却能力を制御するエアコン制御手段と、を備えることを特徴とする。
また、請求項2に係る発明は、前記請求項1に記載の内燃機関自動車用エアコンシステムにおいて、前記直流電圧変換手段は、前記発電制御手段もしくは前記大容量バッテリから供給される適正電圧の直流を、内燃機関自動車が標準的に備える車輌バッテリの蓄電電圧に変換し、車輌バッテリおよび車輌電装品へ供給する機能を備えたことを特徴とする。
また、請求項3に係る発明は、前記請求項1又は請求項2に記載の内燃機関自動車用エアコンシステムにおいて、前記エアコン制御手段は、前記電動コンプレッサにより断熱圧縮された高温の冷媒が供給されるコンデンサに向けて熱交換用の空気を送るコンデンサファンと、気化した低温冷媒が供給されるエバポレータに向けて熱交換用の空気を送るエバポレータファンと、を制御することにより、エアコンの冷却能力を制御するようにしたことを特徴とする。
また、請求項4に係る発明は、前記請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の内燃機関自動車用エアコンシステムにおいて、前記エアコン制御手段は、車内の適所に設けられた車内温度検知手段から供給される車内温度情報と、利用者によって操作される操作パネルから供給される希望温度情報と、に基づいて、車内温度を希望温度に一致させるべく、エアコンの冷却能力を制御するようにしたことを特徴とする。
また、請求項5に係る発明は、前記請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の内燃機関自動車用エアコンシステムにおいて、前記大容量バッテリから諸情報を受け取り、大容量バッテリの諸情報を表示するバッテリ監視パネルを備えることを特徴とする。
また、請求項6に係る発明は、前記請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の内燃機関自動車用エアコンシステムにおいて、アイドリング時の内燃機関エンジンの回転数を上げて、前記大容量発電機の発電能力を高めるアイドルアップ装置を備えることを特徴とする。
本発明に係る内燃機関自動車用エアコンシステムによれば、内燃機関エンジンを駆動させずに使用できるアイドリング・ストップ対応のエアコンシステムを実現できる。しかも、内燃機関自動車に標準搭載されているエアコンシステムをベースとして用いるので、アイドリング・ストップ対応のエアコンシステムを省スペース且つ低コストで内燃機関自動車に装備できる。
本発明に係る内燃機関自動車用エアコンシステムの概略構成図である。 大容量発電機の概略縦断構造図である。
以下、本発明の実施形態を、添付図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態である内燃機関自動車用エアコンシステム1の概略構成を示し、既存の内燃機関自動車が標準的に備えている内燃機関エンジン100、ヒートポンプ式熱交換機能部110、車輌バッテリ120等を活かして、アイドリング・ストップに対応した内燃機関自動車(ガソリンエンジン車やディーゼル車)用のエアコンシステムを実現するものである。
内燃機関エンジン100の駆動力によって動作する大容量発電機10は、発電機制御手段20によって発電量を制御可能なものである。例えば、大容量発電機10は、発電制御手段20から給電線21を介して供給される界磁電流の増減により、三相交流出力が適宜な出力値となるようにコントロールされ、この三相交流を受けた発電制御手段20によって整流・電圧変換され、例えば直流24Vが生成・出力される。すなわち、発電制御手段20は、大容量発電機10に対する発電制御機能と、大容量発電機10で発電された三相交流を直流24Vに変換するAC/DCコンバータ機能とを併せ持つものである。無論、発電制御機能とAC/DCコンバータ機能を一体に設けた発電制御手段20とせずに、発電制御機能とAC/DCコンバータ機能を別々に設ける構成としても構わない。
上記発電制御手段20によって得られた直流24Vは大容量バッテリ30に供給され、その最大容量まで蓄電される。また、発電制御手段20によって得られた直流24Vは直流電圧変換手段40にも供給され、この直流電圧変換手段40によって、車輌バッテリ120の充電電圧(例えば、12V)やヒートポンプ式熱交換機能部110′(後に詳述)を駆動するための所要電圧(例えば、360V)に変換される。
大容量発電機10には、その利用目的に応じた発電能力を備えるものを用いる。例えば、本実施形態に係る内燃機関自動車用エアコンシステム1を実装する内燃機関自動車においては、少なくとも、アイドリング・ストップ対応のヒートポンプ式熱交換機能部110′における電動機能(特に、冷媒を断熱圧縮するコンプレッサの圧縮モータ)を駆動させるために十分な出力容量を備えていれば、大容量発電機10として用いることができる。また、車内に業務用機材が装備されている特装車では、エアコンに加えて業務用機材を動作させる必要があるので、ヒートポンプ式熱交換機能部110′の消費電力に加えて、各種業務用機材の消費電力を十分に賄える出力容量を備えていれば、大容量発電機10として用いることができる。
ここで、大容量発電機10の一例として、永久磁石を用いて大容量出力を可能とした構造を、図2に基づき説明する。
発電機10は、図2に示すように、一定強度の固定磁界を発生させる永久磁石11と、供給電流に応じた強度の磁界を発生させ得る電磁石12とを、ロータ13へタンデム型に配置した構造を備える。このとき、ロータ13の外周に配置したステータ14は、永久磁石用ステータコア14aと電磁石用ステータコア14bを別体に設けて離隔配置し、永久磁石用ステータコア14aを永久磁石11の磁極面と近接対向させると共に、ステータ14における電磁石用ステータコア14bを電磁石12の磁極部と近接対向させ、双方の磁界が干渉しないでステータ14へ誘導されるようにする。よって、永久磁石11により発生する回転磁界と電磁石12により発生する回転磁界が各々独立して同時にステータ14に作用することとなる。
永久磁石11は、例えば、ロータ13に取り付けられたヨーク15の外周面へ等間隔に16個設けるものとし、隣接する永久磁石11の磁極の向きを交互に変えることで、ステータ14に対向する面がN極の永久磁石11から湧き出る磁束が隣接する永久磁石11のS極に入る向きの磁路が16(8対)形成される。なお、永久磁石11として、希土類サマリウムコバルト磁石やネオジウム磁石などを用いれば、保磁力が高いため、負荷増大時に発生する電機子反作用の影響が少ないので、小型高出力の発電機を構成できる。
電磁石12は、例えば、円環状に等間隔で8個設けた爪状磁極部を対向状に噛み合わせるように配置したランデル型とし、外側がN極に励磁された爪状磁極部から対向側の隣接する爪状磁極部(外側がS極に励磁)に至る磁路が16(8対)形成される。ここで、電磁石12の爪状磁極部により形成される16の磁路は、永久磁石11により形成される16の磁路と軸方向に整列するように、ロータ13への取付時に位置調整しておく。
また、電磁石12の界磁コイル12aの一方端である第1給電部12b1を第1スリップリング16aに接続し、界磁コイル12aの他方端である第2給電部12b2を第2スリップリング16bに接続し、第1ブラシ17aおよび第2ブラシ17bを介して各々発電制御手段20からの第1給電線21a,第2給電線21bと導通させ、界磁電流の供給を受ける。
すなわち、第1給電線21aが高圧側(+側)で第2給電線21bが低圧側(−側)となるように界磁コイル12aへ給電したとき(以下、順方向電流という。)に発生する磁界の向きと、第1給電線21aが低圧側(−側)で第2給電線21bが高圧側(+側)となるように界磁コイル12aへ給電したとき(以下、逆方向電流という。)に発生する磁界の向きを逆転させることができる。
そして、電磁石12の界磁コイル12aに順方向電流を供給したときには、永久磁石11によって発生する磁界と同じ向きの磁界を電磁石12により発生させることができ、界磁コイル12aに逆方向電流を供給したときには、永久磁石11によって発生する磁界と逆向きの磁界を電磁石12により発生させることができる。
上記の永久磁石11および電磁石12により発生する磁界中に配置されるステータ14は、例えば、永久磁石11と対向するように設けた永久磁石用ステータコア14aと電磁石12と対向するように設けた電磁石用ステータコア14bを連結リング14dにより一体化すると共に、両コアにステータコイル14cを巻回して形成したもので、永久磁石11により発生する磁界および電磁石12により発生する磁界が、永久磁石用ステータコア14aおよび電磁石用ステータコア14bを介して同時にステータコイル14cに作用する。
上記構造の大容量発電機10においては、ロータ13の回転により、永久磁石11と電磁石12の回転磁界が同時にステータコイル14c(例えば、三相巻線)に作用すると、それらの合成磁界に応じた三相交流がステータコイル14cから出力される。例えば、界磁電流が順方向電流のときには、永久磁石11の回転磁界が電磁石12の回転磁界によって強められることから、ステータコイル14cに生ずる起電圧を高め、界磁電流が逆方向電流のときには、永久磁石11の回転磁界が電磁石12の回転磁界によって減衰されることから、ステータコイル14cに生ずる起電圧を低下させることができる。
したがって、発電制御手段20が大容量発電機10における電磁石12へ供給する界磁電流の向きや大きさを調整する界磁電流制御を行うことで、永久磁石用ステータコア14aと電磁石用ステータコア14bに巻回されたステータコイル14cに発生する起電圧を容易に調整することが可能となり、大容量バッテリ30や直流電圧変換手段40への定電圧供給を安定的に行う事ができるのである。
上記のようにして発電制御手段20によって得られる直流24Vで充電される大容量バッテリ30は、例えば、過電圧保護用のブレーカを介して給電線に接続されており、発電制御手段20から直流24Vが出力されているときは充電され、発電制御手段20から直流24Vが出力されていないときは放電し、給電線を介して直流電圧変換手段40へ直流24Vを供給する。なお、大容量バッテリ30の諸情報(例えば、蓄電状態(残存容量)、充電中/放電中といった運転状態、周囲環境の温度等)は、バッテリ監視パネル31によって確認可能である。
また、大容量バッテリ30には、その利用目的に応じた蓄電容量を備えるものを用い、本実施形態に係る内燃機関自動車用エアコンシステム1を実装する内燃機関自動車においては、少なくとも、アイドリング・ストップ対応のヒートポンプ式熱交換機能部110′における電動機能(特に、冷媒を断熱圧縮するコンプレッサの圧縮モータ)を所要時間以上連続稼働させるために十分な蓄電容量を備えていれば、大容量バッテリ30として用いることができる。例えば、本実施形態に係る内燃機関自動車用エアコンシステム1を設けた特装車であれば、装備している業務用機材とヒートポンプ式熱交換機能部110′の合計消費電力(kW)を標準的な業務継続時間(h)に亘って供給できる蓄電容量(Ah)を備えていれば、大容量バッテリ30として用いることができる。なお、リチウムイオン電池を直列接続して成るバッテリモジュールの数を増減させることで、蓄電容量を任意に調整できるバッテリ装置を用いれば、バッテリモジュールの使用数を調整することで目的に応じた蓄電容量にカスタマイズできるので、過不足ない適当な蓄電容量の大容量バッテリ30とすることができる。
上記発電制御手段20によって得られる直流24V、もしくは、上記大容量バッテリ30より得られる直流24Vは、直流電圧変換手段40の第1DC/DCコンバータ41および第2DC/DCコンバータ42へ供給され、それぞれ所要電圧に変換される。第1DC/DCコンバータ41は、例えば直流24Vを直流360Vに昇圧し、エアコン制御手段50によって制御される電動コンプレッサ60(ヒートポンプ式熱交換機能部110′に含まれ、所要の駆動電圧を受けて動作するコンプレッサ)へ供給する。一方、第2DC/DCコンバータ42は、例えば直流24Vを直流12Vに減圧し、車輌バッテリ120および車輌電装品130(直流12Vで駆動する車輌内の各種機器類や制御機能部等)へ供給する。なお、家庭用電源等で動作する業務用機材を装備している特装車においては、発電制御手段20または大容量バッテリ30より出力される直流24Vを単相交流100V,三相交流200Vに変換するDC/ACインバータを設けておくことで、車輌の走行中でも停車中でも業務用機材を使用することが可能となる。
ここで、ヒートポンプ式熱交換機能部110′について説明する。内燃機関自動車が標準的に備えているヒートポンプ式熱交換機能部110は、内燃機関エンジン100の駆動力を必要とするアイドリング・ストップ非対応であるが、エアコンの冷房機能を実現するためには必須のものである。このヒートポンプ式熱交換機能部110が内燃機関エンジン100の駆動力を使わずに動作するよう、完全電動化することで、本実施形態に係る内燃機関自動車用エアコンシステム1で用いるヒートポンプ式熱交換機能部110′となる。先ず、既存の内燃機関自動車が標準的に備えているアイドリング・ストップ非対応のヒートポンプ式熱交換機能部110について説明する。
内燃機関エンジン100の駆動力によって動作するエンジンコンプレッサ111(図1中、二点鎖線で示す)は、冷媒を断熱圧縮し、高温高圧の冷媒を第1配管112a(図1中、二点鎖線で示す)でコンデンサ113へ供給し、コンデンサファン114の送風でコンデンサ113を通過する冷媒を凝縮させ、液化した高温冷媒を第2配管112bでレシーバ115へ供給し、レシーバ115内で気液分離し、液状の高温冷媒のみを第3配管112cで膨張弁116へ供給し、膨張弁116で減圧し、断熱膨張により気化した低温冷媒を第4配管112dでエバポレータ117へ供給し、エバポレータファン118の送風でエバポレータ117内を通過する空気と低温冷媒とで熱交換することにより、エバポレータ117を通過する空気を冷却・除湿し、エバポレータ117を通過する間に熱交換した低温冷媒は第5配管112e(図1中、二点鎖線で示す)でエンジンコンプレッサ111へ戻される。
このように、内燃機関自動車が標準的に備えているヒートポンプ式熱交換機能部110では、エンジンコンプレッサ111を作動させるために内燃機関エンジン100を駆動させておく必要がある。よって、停車時にエアコンを使用するためには、内燃機関エンジン10をアイドリングさせておく必要があり、アドリングストップ非対応とならざるを得ない。
また、内燃機関自動車が標準的に備えているヒートポンプ式熱交換機能部110では、エンジンコンプレッサ111による圧縮冷媒吐出能力が、内燃機関エンジン100の回転数に依存しているため、内燃機関自動車が標準的に備えているエアコン・コントローラによって制御することができない。よって、車内温度を設定温度にする自動モードの場合、エアコン・コントローラは、コンデンサファン114やエバポレータファン118の送風量を制御することで、エバポレータ117を通過する空気の冷却度合いを調整し、設定温度へ近づけるのである。なお、マニュアルモードの場合は、エバポレータファンスイッチ142を操作することで風量の強・弱等を選択設定し、この風量設定に応じてエバポレータファン制御部143がエバポレータファン118のファンモータを制御し、エバポレータ117を通過する冷気の風量を調整する。
しかして、本実施形態に係る内燃機関自動車用エアコンシステム1で用いるヒートポンプ式熱交換機能部110′は、エンジンコンプレッサ111に代えて電動コンプレッサ60を用い、電動コンプレッサ60の吐出側とコンデンサ113を第1配管112a′にて接続するように変更し、電動コンプレッサ60の吸入側とエバポレータ117を第5配管112e′にて接続するように変更する。斯くすれば、第1DC/DCコンバータ41より直流360Vが供給される電動コンプレッサ60をエアコン制御手段50によって安定動作させることができ、内燃機関エンジン100が停止中であっても、ヒートポンプ式熱交換機能部110′を動作させて、冷房を使うことが可能となる。
しかも、電動コンプレッサ60は、エンジンコンプレッサ111を取り外して空いたスペースに取り付けることができ、コンデンサ113およびエバポレータ117から電動コンプレッサ60までの距離が変わらなければ、配管の長さも同じになるので、第1配管112aおよび第5配管112eをそのまま第1配管112a′および第5配管112e′として用いることができ、狭小なエンジンルーム内で配管を設置する作業も不要であるから、一層容易且つ廉価にヒートポンプ式熱交換機能部110′を導入できるという利点がある。
また、エアコン制御手段50は、既存の内燃機関自動車が標準的に備えているエアコン・コントローラへ、電動コンプレッサ60等に対する制御機能をソフトウェア的に追加することで構成できるので、コンデンサファン114やエバポレータファン118等の制御機能を流用でき、開発期間の短縮および開発コストの削減に有効である。加えて、エンジンコンプレッサ111に代えて用いる電動コンプレッサ60としては、EV車のエアコンシステムに採用されている既存の電動コンプレッサを流用することが可能であり、既存の電動コンプレッサであれば、その制御指令を汎用的な通信プロトコルであるCAN(Controller Area Network)通信で行う事ができるので、エアコン制御手段50の動作制御部51に対して、電動コンプレッサ60に対するコントロール機能を容易に組み込めるという利点がある。
ここで、内燃機関エンジン100が停止しているとき、すなわち車輌が停車しているときに、上述した内燃機関自動車用エアコンシステム1で冷房を使う場合の操作および各部の動作を説明する。
まず、車輌のキースイッチ141をオン(例えば、auto運転)にする。これにより、直流電圧変換手段40とエアコン制御手段50に起動信号(例えば、車輌バッテリ120より供給される12V電源)が供給され、第1,第2DC/DCコンバータ41,42による直流360V,12Vの生成が開始されると共に、エアコン制御手段50の動作制御部51および動作モード判定部52が動作を開始する。
上記直流電圧変換手段40が動作することで、第1DC/DCコンバータ41が生成した直流360Vが電動コンプレッサ60に供給されると共に、第2DC/DCコンバータ42が生成した直流12Vが車輌バッテリ120および車輌電装品130に供給される。このように、第1DC/DCコンバータ41と第2DC/DCコンバータ42を共に動作させることで、車輌バッテリ120がバッテリ上がりを起こす危険性を無くし、その給電先である車輌電装品130(例えば、直流電圧変換手段40、エアコン制御手段50、コンデンサファン114、エバポレータファン118等)の動作電源を安定的に確保できるようにしたので、内燃機関自動車用エアコンシステム1の動作安定性を高められるという利点がある。
なお、直流電圧変換手段40は、第1DC/DCコンバータ41と第2DC/DCコンバータ42を同時に起動させる構成に限定されるものではない。例えば、車輌バッテリ120の残容量(もしくは電圧値)が危険域まで減ったことを検知したときに限って、第2DC/DCコンバータ42を起動させ、車輌バッテリ120および車輌電装品130への直流12V給電を開始するようにしても良い。
次いで、エアコンのオートスイッチ53をオン(例えば、auto)に設定すると、エアコン制御手段50の動作モード判定部52は、車内温度の自動制御を行うオートモードが選択されたと判断し、車内温度を設定温度に近づける(理想的には、車内温度を設定温度に一致させる)ための制御情報を動作制御部51へ送信し、この制御情報に基づいて動作制御部51が電動コンプレッサ60、コンデンサファン114、エバポレータファン118の動作を制御する。このほか、エバポレータ117への内気循環と外気導入の混合比率を変えたり、胸元吹出口や足下吹出口等への風量比率を変えたりすることでも、車内温度の調整制御を行う事ができるので、かかる調整制御もエアコン制御手段50が行うようにしても良い。
なお、車内冷房の目標とする設定温度(利用者が希望する希望温度)は、エアコン操作パネル54を利用者が操作することにより希望温度情報として動作モード判定部52へ入力可能である。しかしながら、オートスイッチ53がオンになると同時にエアコン操作パネル54から希望温度情報が動作モード判定部52へ入力されるとは限らないので、新たな設定温度が入力されるまでは、既に記憶している前回の設定値を暫定的な設定温度として用いても良い。或いは、エアコン制御手段50内で予め不揮発性メモリに記憶されているデフォルト値を設定温度として読み出し、このデフォルト値を動作モード判定部52が暫定的な設定温度として用いるようにしても良い。
また、車内の温度情報は、適宜な箇所に設けた車内温度検知手段としての第1車内温度センサ55aおよび第2車内温度センサ55bから、それぞれの温度検知信号として動作モード判定部52へ入力される。なお、車内温度情報の取得数は、2カ所に限らず、3カ所以上から取得するようにしても良いし、代表的な1カ所のみから取得するようにしても良い。また、複数の車内温度情報が複数箇所から得られる場合、全ての車内温度の平均を車内温度として利用しても良いし、各車内温度情報の取得場所であるセンサ設置場所の温度として用い、車内温度を均一にするよう、吹出口に応じて送風量を調整するようにしても良い。
上記のようにして自動運転を開始したエアコン制御手段50が、電動コンプレッサ60、コンデンサファン114、エバポレータファン118等の動作を制御して、車内温度を設定温度にするための制御アルゴリズムは、特に限定されるものではなく、車内形状や送風位置等に応じて適宜に設定すれば良い。
なお、既存の内燃機関自動車が標準的に備えているエンジンコンプレッサ111は内燃機関エンジン100の駆動力によって従動的に動作するものであり、エンジンコンプレッサ111の能力をコントロールして温度制御することはできなかった。これに対して、本実施形態に係る内燃機関自動車用エアコンシステム1では、エアコン制御手段50が電動コンプレッサ60の制御を行う事で、ヒートポンプ式熱交換機能部110′の冷却能力を制御することが可能である。そこで、電動コンプレッサ60に対するエアコン制御手段50の動作制御の一例を、以下に説明する。
第1,第2車内温度センサ55a,55bから得られた車内温度と設定温度を受けた動作モード判定部52は、現在の車内温度と設定温度との温度差を動作制御部51へ出力し、この温度差に対応する回転数のコンプレッサ動作制御信号を動作制御部51が生成して電動コンプレッサ60へ出力し、これを受けた電動コンプレッサ60の制御部61が、コンプレッサ動作信号に応じた回転数で圧縮モータを駆動させる。
例えば、車内温度と設定温度との温度差が大きい場合には、エアコン制御手段50から電動コンプレッサ60へ高回転駆動が指示されるので、電動コンプレッサ60における圧縮モータの回転数が高くなり、電動コンプレッサ60からコンデンサ113へ単位時間当たりに供給される冷媒の量が多くなる。これにより、エバポレータ117を単位時間当たりに流れる冷媒の量を大きく増やすことができ、エバポレータ117内を通過する空気と熱交換可能な熱量を高めることにより、熱交換後の空気温度を一気に低くし、短時間で車内温度を下げる制御が可能となる。なお、電動コンプレッサ60への制御と併せてコンデンサファン114の回転数を上げると、コンデンサ113での凝集能力が高まるので、エバポレータ117での熱交換能力を一層高めることができる。
一方、車内温度と設定温度との温度差が小さい場合には、エアコン制御手段50から電動コンプレッサ60へ低回転駆動が指示されるので、電動コンプレッサ60における圧縮モータの回転数が低くなり、電動コンプレッサ60からコンデンサ113へ単位時間当たりに供給される冷媒の量が少なくなる。これにより、エバポレータ117を単位時間当たりに流れる冷媒の量を減らすことができ、エバポレータ117内を通過する空気と熱交換可能な熱量を低く抑えることにより、熱交換後の空気温度の低下を抑え気味にし、車内温度を下げ過ぎない制御が可能となる。なお、電動コンプレッサ60への制御と併せてコンデンサファン114の回転数を下げると、コンデンサ113での凝集能力を抑制できるので、エバポレータ117での熱交換能力の更なる抑制が可能となる。
このように、内燃機関自動車用エアコンシステム1によれば、内燃機関エンジン100が停止しているときでも、大容量バッテリ30から供給される電力を用いて、車内冷房の自動制御を行う事ができる。なお、車輌の停車中に大容量バッテリ30が空になってしまった場合など、アイドリングもやむを得ないときには、大容量発電機10および発電制御手段20によって必要十分な電力が得られるように、内燃機関エンジン100の回転数を上げて、大容量発電機10の発電能力を高めるアイドルアップ装置70を備えるようにしても良い。
また、本実施形態に係る内燃機関自動車用エアコンシステム1は、既存の内燃機関自動車と同様に、車内冷房をマニュアルで動作せることも可能である。
車内冷房をマニュアルで動作させる場合には、先ず、車輌のキースイッチ141をオンにして、直流電圧変換手段40とエアコン制御手段50を起動させ、エアコンのオートスイッチ53をオフ(例えば、manual)に設定する。この操作により、エアコン制御手段50の動作モード判定部52は、マニュアルモードが選択されたと判断し、マニュアルモードの動作指示を動作制御部51へ送信すると、これを受けた動作制御部51が予め定めた標準回転数で動作させるためのコンプレッサ動作制御信号を電動コンプレッサ60へ出力し、これを受けた電動コンプレッサ60の制御部61が、標準回転数で圧縮モータを駆動させる。また、エアコン制御手段50の動作制御部51は、コンデンサファン114のファンモータを予め定めた標準回転数で動作させる。
一方、オートスイッチ53のオン/オフは、エバポレータファン制御部143にも入力されており、オートスイッチ53がマニュアルに設定されることで、エバポレータファン制御部143はエバポレータファン118のファンモータの回転制御を開始する。エバポレータファン制御部143は、前述したようにエバポレータファンスイッチ142の設定に応じた風量となるように、エバポレータファン118を制御する。すなわち、車内冷房をマニュアルで動作させる場合は、電動コンプレッサ60およびコンデンサファン114は標準運転となって調整することができず、エバポレータファン118による風量調整のみ可能となる。
また、本実施形態に係る内燃機関自動車用エアコンシステム1は、停車中だけで無く、車輌走行中も車内冷房を動作させることができる。車輌走行中は、内燃機関エンジン100が駆動しているので、大容量発電機10および発電制御手段20を動作させて、直流24Vを供給し続けることが可能である。したがって、発電制御手段20からの直流24Vによって大容量バッテリ30を充電しつつ、直流電圧変換手段40を動作させることが可能であるから、オートスイッチ53の設定に応じた自動運転もしくはマニュアル運転で、車内冷房を使うことができる。
加えて、車輌の走行中は、内燃機関エンジン100が駆動しているので、既存の内燃機関自動車と同様に、車内暖房を使うことも可能である。すなわち、既存の内燃機関自動車では、内燃機関エンジン100の駆動力で動作するウォータポンプ(図示省略)を備えており、内燃機関エンジン100を冷やすための冷却水をウォータジャケット151に通し、内燃機関エンジン100から出る熱で高温になった冷却水を、循環路152によってヒータコア153内を通過させることにより、ヒータコア153を加温するのである。このヒータコア153は、エバポレータ117の出口側で冷風路と分岐する温風路に配置され、エバポレータ117を通過して除湿された冷気が温風路に入ると、温風路の通過中にヒータコア153で暖められて温風となり、吹出口から車内へ吹き出すこととなる。なお、エバポレータ117を通過した冷気が冷風路と温風路に分かれる流量比は、エア・ミックス・ドア154の位置によって調整することができる。
以上のように、内燃機関自動車用エアコンシステム1では、冷房動作機能のみを完全電動化してアイドリング・ストップ対応とし、暖房動作機能には、既存の内燃機関自動車と同様に内燃機関エンジン100の廃熱を利用する構成とすることもできる。そもそも、停車中の特装車で、各種の業務用機材が稼動しているとき、一般には、業務用機材から放出される熱が車内にこもりやすく、冬期においても特装車内で暖房が必要になる機会はそれほど多くないと考えられるからである。
しかしながら、発熱量の少ない業務用機材しか装備していない特装車では、冬期に暖房が必要となる可能性もあり、既存の内燃機関自動車と同様に内燃機関エンジン100の廃熱を利用する暖房動作機能に依存していると、車内暖房を使うためにアイドリングさせなければならない状況も考えられ、好ましくない。
そこで、本実施形態に係る内燃機関自動車用エアコンシステム1は、暖房動作機能も完全電動化してアイドリング・ストップに対応可能な構成とした。斯くするために、既存の内燃機関自動車に搭載されているエンジン連動型のウォータポンプに代えて、電気で駆動させる電動ウォータポンプ81を循環路152内適所に取り付けると共に、冷却水加熱用のブロックヒータ82を冷却水流路の適所に臨ませるものとした。
このように、暖房時もアイドリング・ストップ対応とした内燃機関自動車用エアコンシステム1においては、エアコン操作パネル54の操作によりエアコン制御手段50へ入力された設定温度から、動作モード判定部52が暖房動作を必要と判断すると、設定温度と車内温度との温度差を動作制御部51へ出力し、動作制御部51がヒートポンプ式熱交換機能部110′を制御することと併せて、電動ウォータポンプ81およびブロックヒータ82を動作させる。
設定温度と車内温度との温度差が大きい場合には、ブロックヒータ82の加熱量を高めると共に、電動ウォータポンプ81の流量を増やして、ヒータコア153での熱交換量を高めれば良い。逆に、設定温度と車内温度との温度差が小さい場合には、ブロックヒータ82の加熱量を低くすると共に、電動ウォータポンプ81の流量を減らして、ヒータコア153での熱交換量を低くすれば良い。なお、ブロックヒータ82による加熱量を変更制御できない場合には、電動ウォータポンプ81に対する制御のみで、温度調節を行うようにすれば良い。
電動ウォータポンプ81を用いる場合、車輌走行時も内燃機関エンジン100を冷却するために電動ウォータポンプ81を駆動させる必要がある。走行中における電動ウォータポンプ81の駆動制御は、エアコン制御手段50ではなく、エンジンコントロールユニット等の走行制御装置に持たせておくことが望ましい。このように、電動ウォータポンプ81によって内燃機関エンジン100を冷却する構造とすれば、エンジン冷却が必要なときに必要なだけ電動ウォータポンプ81を駆動させることができるので、内燃機関エンジン100の冷却をより最適にコントロールできるという利点もある。無論、内燃機関エンジン100の駆動力でウォータポンプを動作させる必要がない分、内燃機関エンジン100の負荷が軽減されるので、燃費向上にも効果がある。
また、ブロックヒータ82は、寒冷地等での冷却水凍結防止のために市販されている既存品を使用することができる。しかし、ブロックヒータ82による加熱量は、内燃機関エンジン100による加熱量に比べると、非常に低いものであるから、熱ロスを極力低く抑えるためには、ラジエータ(図示省略)やウォータジャケット151を通過させずに、最短となるように冷却水路を切り替えた循環路152で、ヒータコア153まで加熱した冷却水を供給できるようにしておくことが望ましい。
加えて、一般的には、車内暖房を行う場合でも、フロントガラスの曇りを抑制するために、ヒートポンプ式熱交換機能部110′を作動させて、エバポレータ117で除湿するものとなっているが、そのためにエバポレータ117で冷やされた空気がヒータコア153へ導かれることになり、ヒータコア153による空気の加熱温度が十分に高まらず、暖房の利きが悪くなる可能性もある。そこで、車輌の停車中であって、車内空気の除湿が必要とされない場合に限って、ヒートポンプ式熱交換機能部110′を作動させずに、エバポレータファン118でヒータコア153への送風量のみ調整する車内暖房を行えるようにしても良い。
このように、内燃機関エンジン100の駆動力を必要とせずに、車内冷暖房を行えるようにした内燃機関自動車用エアコンシステム1を用いれば、既存の内燃機関自動車を、アイドリング・ストップ対応のエアコンシステムを備えた内燃機関自動車にすることができる。しかも、既存の内燃機関自動車のエアコンシステムを流用しつつ、内燃機関エンジンと連動して駆動するコンプレッサとウォータポンプを夫々電動コンプレッサ60と電動ウォータポンプ81に変更するといった最小限の構成変更で内燃機関自動車用エアコンシステム1とすることができるので、省スペース且つ低コストで内燃機関自動車に装備することが可能である。
以上、本発明に係る内燃機関自動車用エアコンシステムの実施形態を添付図面に基づいて説明したが、本発明は、この実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の構成を変更しない範囲で、公知既存の等価な技術手段を転用することにより実施しても構わない。
1 内燃機関自動車用エアコンシステム
10 大容量発電機
20 発電制御手段
30 大容量バッテリ
40 直流電圧変換手段
41 第1DC/DCコンバータ
42 第2DC/DCコンバータ
50 エアコン制御手段
60 電動コンプレッサ
100 内燃機関エンジン
110′ ヒートポンプ式熱交換機能部
111 エンジンコンプレッサ
112a〜112e 第1〜第5配管
113 コンデンサ
114 コンデンサファン
115 レシーバ
116 膨張弁
117 エバポレータ
118 エバポレータファン

Claims (6)

  1. 燃料を内部で燃焼させる内燃機関エンジンにより走行用の駆動力を得る内燃機関自動車に装備され、ヒートポンプ式熱交換のために冷媒を断熱圧縮するコンプレッサを含む内燃機関自動車用エアコンシステムであって、
    前記コンプレッサには、内燃機関エンジンによって駆動力を得るエンジンコンプレッサに代えて、所要の駆動電圧が供給されることで動作する電動コンプレッサを用い、
    前記内燃機関エンジンの駆動力によって動作し、少なくとも前記電動コンプレッサの消費電力を超える発電能力を備えた大容量発電機と、
    前記大容量発電機の出力を適正に保持させるよう発電能力を制御すると共に、前記大容量発電機で発電した電力を適正電圧の直流に変換して出力する発電制御手段と、
    前記発電制御手段より得られる適正電圧で充電され、少なくとも前記電動コンプレッサを所要時間以上連続稼動させ得る蓄電容量を備えた大容量バッテリと、
    前記発電制御手段もしくは前記大容量バッテリから供給される適正電圧の直流を、前記電動コンプレッサの駆動電圧に変換して電動コンプレッサへ供給する機能を備えた直流電圧変換手段と、
    少なくとも、前記直流電圧変換手段により変換された駆動電圧が供給されて動作する電動コンプレッサをコントロールするコンプレッサ動作制御信号を出力し、エアコンの冷却能力を制御するエアコン制御手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関自動車用エアコンシステム。
  2. 前記直流電圧変換手段は、前記発電制御手段もしくは前記大容量バッテリから供給される適正電圧の直流を、内燃機関自動車が標準的に備える車輌バッテリの蓄電電圧に変換し、車輌バッテリおよび車輌電装品へ供給する機能を備えたことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関自動車用エアコンシステム。
  3. 前記エアコン制御手段は、
    前記電動コンプレッサにより断熱圧縮された高温の冷媒が供給されるコンデンサに向けて熱交換用の空気を送るコンデンサファンと、
    気化した低温冷媒が供給されるエバポレータに向けて熱交換用の空気を送るエバポレータファンと、
    を制御することにより、エアコンの冷却能力を制御するようにしたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の内燃機関自動車用エアコンシステム。
  4. 前記エアコン制御手段は、
    車内の適所に設けられた車内温度検知手段から供給される車内温度情報と、
    利用者によって操作される操作パネルから供給される希望温度情報と、
    に基づいて、車内温度を希望温度に一致させるべく、エアコンの冷却能力を制御するようにしたことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の内燃機関自動車用エアコンシステム。
  5. 前記大容量バッテリから諸情報を受け取り、大容量バッテリの諸情報を表示するバッテリ監視パネルを備えることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の内燃機関自動車用エアコンシステム。
  6. アイドリング時の内燃機関エンジンの回転数を上げて、前記大容量発電機の発電能力を高めるアイドルアップ装置を備えることを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の内燃機関自動車用エアコンシステム。
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