JP2018039182A - タイヤの製造方法 - Google Patents

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明宏 茂谷
Akihiro Shigetani
明宏 茂谷
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Abstract

【課題】モールド4からタイヤTを確実にしかも素早く引きはがすことができる、タイヤの製造方法の提供。
【解決手段】この製造方法では、モールド4と、圧縮空気によってモールド4を押さえ込むシリンダー8と、圧縮空気をシリンダー8に供給するエアライン10とを備える、製造装置が用いられる。圧縮空気は第一圧縮空気及び第二圧縮空気からなり、第二圧縮空気の圧力は第一圧縮空気の圧力よりも高い。タイヤの成形工程では、モールド4の押さえ込みのために、第一圧縮空気がエアライン10からシリンダー8に供給される。タイヤの取り出し工程では、モールド4の押さえ込みのために、第二圧縮空気がエアライン10からシリンダー8に供給される。
【選択図】図1

Description

本発明は、タイヤの製造方法に関する。
タイヤの製造では、複数のゴム部材がアッセンブリーされて、ローカバー(未加硫タイヤ)が得られる。ローカバーは、モールドに投入される。ローカバーはモールド内で加圧及び加熱され、タイヤが得られる。タイヤは、モールドから取り出される。タイヤの加硫機においては、ローカバーをモールドに投入し、このモールドからタイヤを取り出すという作業が繰り返し実行される。
モールドに投入されたローカバーは、このモールドのキャビティ面と当接する。これにより、タイヤの外面が形付けられる。タイヤをモールドから取り出すとき、タイヤはこのキャビティ面から引きはがされる。
氷雪路での走行が考慮されたタイヤ(以下、スタッドレスタイヤとも称される。)のトレッドは、アスファルト路面のような一般路面での走行が考慮されたタイヤ(以下、ノーマルタイヤとも称される。)のトレッドに比べて高い粘着性を有している。このため、スタッドレスタイヤには、ノーマルタイヤに比べてキャビティ面から引きはがしにくいという一面がある。スピュー切れや、取り出し不良等の発生は生産性に影響するので、タイヤのモールドからの取り出し、言い換えれば、タイヤの離型方法に関しては、様々な検討が行われている(例えば、特許文献1及び2)。
特開2014−117805公報 特開2014−231160公報
生産性の観点から、モールドからタイヤを取り出す際、このモールドからこのタイヤを確実にしかも素早く引きはがせることが望まれている。
本発明の目的は、モールドからタイヤを確実にしかも素早く引きはがすことができる、タイヤの製造方法の提供にある。
本発明は、ローカバーを収容しこのローカバーの外面にタイヤの外面を形付けるモールドと、上記モールドの開閉を行う開閉手段と、圧縮空気によって上記モールドを押さえ込むシリンダーと、上記圧縮空気を上記シリンダーに供給するエアラインとを備える、製造装置を用いて、上記タイヤを製造するための方法である。このタイヤの製造方法は、
(1)上記モールドに上記ローカバーを投入する工程
(2)上記モールドを閉じて上記ローカバーから上記タイヤを成形する工程
及び
(3)上記モールドを開いてこのモールドから上記タイヤを取り出す工程
を含む。このタイヤの製造方法では、上記圧縮空気が第一圧縮空気及び第二圧縮空気からなり、この第二圧縮空気の圧力がこの第一圧縮空気の圧力よりも高い。上記タイヤの成形工程では、上記モールドの押さえ込みのために、上記第一圧縮空気が上記エアラインから上記シリンダーに供給される。上記タイヤの取り出し工程では、上記モールドの押さえ込みのために、上記第二圧縮空気が上記エアラインから上記シリンダーに供給される。
好ましくは、このタイヤの製造方法では、上記第一圧縮空気の圧力は0.4MPa以上0.6MPa以下である。
好ましくは、このタイヤの製造方法では、上記第二圧縮空気の圧力は0.8MPa以上0.9MPa以下である。
好ましくは、このタイヤの製造方法では、上記タイヤの取り出し工程において、上記シリンダー内の圧力が規定圧力を超えると、上記開閉手段の動作が開始される。
好ましくは、このタイヤの製造方法では、上記第二圧縮空気の圧力と上記規定圧力との差は、0.05MPa以上0.10MPa以下である。
本発明に係るタイヤの製造装置は、
ローカバーを収容しこのローカバーの外面にタイヤの外面を形付けるモールドと、
上記モールドの開閉を行う開閉手段と、
圧縮空気によって上記モールドを押さえ込むシリンダーと、
上記圧縮空気を上記シリンダーに供給するエアラインと
を備えている。上記圧縮空気は第一圧縮空気及び第二圧縮空気からなり、この第二圧縮空気の圧力はこの第一圧縮空気の圧力よりも高い。上記エアラインは、上記シリンダーに供給する上記圧縮空気を、上記第一圧縮空気から上記第二圧縮空気に、又は、この第二圧縮空気からこの第一圧縮空気に切り替える、切替バルブを備えている。
本発明に係るタイヤの製造方法では、タイヤの取り出し工程において、高い圧力の第二圧縮空気がシリンダーに供給される。この製造方法では、モールドからタイヤを引きはがす力は大きい。この製造方法では、モールドからタイヤが確実にしかも素早く引きはがされる。この製造方法によれば、タイヤの生産性のさらなる向上を図ることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る製造方法のための製造装置の一部が示された概念図である。 図2は、図1の製造設備の他の一部が示された概念図である。 図3は、モールドが閉じられる様子が示された概念図である。 図4は、モールドが開かれる様子が示された概念図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1及び2には、タイヤの製造装置としての加硫機2が示されている。この加硫機2は、モールド4、フレーム6、シリンダー8及びエアライン10を備えている。図1において、符号Rは、未加硫状態にあるタイヤ、すなわち、ローカバーである。符号Bで示された部材は、ブラダーである。この加硫機2では、ブラダーBに換えて、剛体コアを用いることがある。
モールド4は、ローカバーRを加圧及び加熱してタイヤを形成する。このモールド4の内面は、ローカバーRと当接する。これにより、タイヤの外面が形付けられる。モールド4は、ローカバーRを収容し、このローカバーRの外面にタイヤの外面を形付ける。このモールド4の内面のうち、ローカバーRと当接する部分はキャビティ面と称される。この加硫機2では、このモールド4は、トレッドリング12及び上下一対のサイドプレート14を備えている。
トレッドリング12は、複数のセグメント16からなる。これらのセグメント16は、リング状に配置される。トレッドリング12は主に、タイヤのトレッドの部分を形作る。
それぞれのサイドプレート14は、リング状である。サイドプレート14は、一枚のプレートからなる。サイドプレート14は主に、タイヤのサイドウォールからビードまでの部分、すなわち、サイド部を形作る。
このモールド4は、割モールドである。セグメント16及びサイドプレート14が組み合わされた状態、つまり、モールド4が閉じられた状態において、前述のキャビティ面が構成される。
フレーム6は、モールド4を保持する。フレーム6は、複数のセクターシュー18、アクチュエーター20及び上下一対のコンテナプレート22を備えている。
それぞれのセクターシュー18は、それぞれのセグメント16の半径方向外側に位置している。セグメント16は、セクターシュー18に固定されている。
アクチュエーター20は、リング状である。このアクチュエーター20は、セクターシュー18の半径方向外側に位置している。セクターシュー18は、このアクチュエーター20にスライド可能な状態で連結されている。
それぞれのコンテナプレート22は、円板状である。下側のコンテナプレート22aに、モールド4が載せられる。このモールド4に、上側のコンテナプレート22bが載せられる。この加硫機2では、それぞれのコンテナプレート22にモールド4のサイドプレート14が固定されている。
この加硫機2は、図示されない駆動手段によって、アクチュエーター20が上下に動くように構成されている。特に詳述しないが、この駆動手段の動作は圧縮空気の供給によってコントロールされる。前述したように、セクターシュー18は、このアクチュエーター20にスライド可能な状態で連結されている。このため、例えば、図1に示された状態で、アクチュエーター20が上側のコンテナプレート22bに対して上方に動かされると、このアクチュエーター20の動きに合わせて、セクターシュー18は半径方向外向きにスライドしていく。セグメント16はセクターシュー18に固定されているので、このセクターシュー18の動きにより、セグメント16が外向きに動き、モールド4は開かれる。アクチュエーター20がセクターシュー18よりも上方に位置している状態で、アクチュエーター20がセグメント16に向かって下方に動かされると、このアクチュエーター20の動きに合わせて、セクターシュー18は半径方向内向きにスライドしていく。このセクターシュー18の動きにより、セグメント16が内向きに動き、モールド4は閉じられる。この加硫機2においては、アクチュエーター20とこれに付随して動くセクターシュー18とによって、モールド4が開閉される。本発明においては、このアクチュエーター20及びセクターシュー18で構成されるパーツは、モールド4の開閉手段24である。言い換えれば、この加硫機2は、モールド4の開閉を行う開閉手段24を備えている。
シリンダー8は、チューブ26、ピストン28、シャフト30及び押圧プレート32を備えている。チューブ26は、円筒状を呈している。ピストン28は、円盤状を呈している。このシリンダー8では、ピストン28の側面がチューブ26の内面と当接している。シャフト30は、ピストン28の中心部分を突き通している。このシャフト30に、ピストン28は固定されている。押圧プレート32は、円盤状を呈している。この押圧プレート32は、シャフト30の下端に固定されている。
図2に示されているように、ピストン28によって、チューブ26の内部の空間、言い換えれば、タンク34は、上下2つのタンク34a及びタンク34bに分けられている。このシリンダー8では、上側のタンク34b(以下、上タンク)及び下側のタンク34a(以下、下タンク)のそれぞれに、圧縮空気が供給される。上タンク34bに圧縮空気が供給されると、ピストン28は押し下げられる。これにより、シャフト30は下方に動く。下タンク34aに圧縮空気が供給されると、ピストン28は押し上げられる。これにより、シャフト30は上方に動く。このシリンダー8は、圧縮空気の供給によって、シャフト30がチューブ26に対して上下に往復動するように構成されている。前述したように、シャフト30の下端には押圧プレート32が取り付けられている。したがって、このシリンダー8は、圧縮空気の供給によって、押圧プレート32がチューブ26に対して上下に往復動するように構成されている。
図2に示されているように、この加硫機2では、押圧プレート32は上側のコンテナプレート22bの上方に位置している。このため、シャフト30が下方に動くと、押圧プレート32が上側のコンテナプレート22bを押し付ける。上側のコンテナプレート22bはモールド4に載せられているので、この押し付けにより、モールド4は押さえ込まれる。この加硫機2では、シャフト30が下方に動かされることにより、モールド4は押圧プレート32により押さえ込まれる。この加硫機2は、圧縮空気によってこのシリンダー8がモールド4を押さえ込むように構成されている。なお、この加硫機2では、シャフト30が上方に動かされると、この押圧プレート32による押さえ込みから、モールド4は解放される。
この加硫機2では、モールド4の押さえ込みのために、圧縮空気として、第一圧縮空気及び第二圧縮空気が用いられる。この加硫機2において用いられる圧縮空気は、第一圧縮空気及び第二圧縮空気からなる。この加硫機2では、第二圧縮空気の圧力は、第一圧縮空気の圧力よりも高い。
エアライン10は、圧縮空気をシリンダー8のタンク34に供給する。このエアライン10は、ストレージ36を備えている。この加硫機2では、ストレージ36は、コンプレッサーである。この加硫機2では、コンプレッサーにより、所定の圧力に調整された圧縮空気が準備される。所定の圧力に調整された圧縮空気が充填されたボンベを、ストレージ36として用いてもよい。
この加硫機2のエアライン10は、減圧弁38をさらに備えている。この減圧弁38は、ストレージ36と繋げられている。この減圧弁38は、ストレージ36から供給される圧縮空気の圧力を低下させる。このため、減圧弁38から排出される圧縮空気の圧力はストレージ36内の圧縮空気の圧力よりも低い。この加硫機2では、減圧弁38から排出される圧縮空気が第一圧縮空気である。ストレージ36内の圧縮空気が第二圧縮空気である。
この加硫機2では、ストレージ36とシリンダー8との間には、前述の減圧弁38以外に、切替バルブ40、ダウンバルブ42及びアップバルブ44が設けられている。エアライン10は、切替バルブ40、ダウンバルブ42及びアップバルブ44をさらに備えている。このエアライン10では、減圧弁38、切替バルブ40、ダウンバルブ42及びアップバルブ44は、ストレージ36とシリンダー8との間において、配管によって繋げられている。このエアライン10においては、ストレージ36の側が上流側であり、シリンダー8の側は下流側である。
この加硫機2では、切替バルブ40、ダウンバルブ42及びアップバルブ44はいずれも、三方ピストンバルブPVである。このピストンバルブPVは、第一の口J1、第二の口J2及び第三の口J3を備えている。このピストンバルブPVでは、開閉は電磁的に行われる。ピストンバルブPVの非通電時(OFF状態)においては、第一の口J1と第二の口J2とが連通する。ピストンバルブPVの通電時(ON状態)においては、第二の口J2と第三の口J3とが連通する。このピストンバルブPVでは、非通電時及び通電時いずれの場合においても、第一の口J1と第三の口J3とは連通しない。
切替バルブ40では、第一の口J1がストレージ36と繋げられている。第二の口J2は、分岐を介して、ダウンバルブ42の第一の口J1と、アップバルブ44の第一の口J1と繋げられている。第三の口J3は、減圧弁38と繋げられている。切替バルブ40のOFF状態では、第一の口J1と第二の口J2とが連通しているので、ストレージ36内の圧縮空気がそのまま下流側に供給される。この場合、高い圧力を有する第二圧縮空気が下流側に供給される。この切替バルブ40のON状態では、第二の口J2と第三の口J3とが連通するので、減圧弁38を通過した圧縮空気が下流側に供給される。この場合、低い圧力を有する第一圧縮空気が下流側に供給される。この加硫機2では、この切替バルブ40において、シリンダー8に供給する圧縮空気が、第一圧縮空気から第二圧縮空気に、又は、この第二圧縮空気からこの第一圧縮空気に切り替えられる。
ダウンバルブ42では、第一の口J1が前述の切替バルブ40と繋げられている。第二の口J2は、シリンダー8の上タンク34bと繋げられている。第三の口J3は、大気に開放されている。ダウンバルブ42のOFF状態では、第一の口J1と第二の口J2とが連通しているので、上流側から供給された圧縮空気が上タンク34bに供給される。このダウンバルブ42のON状態では、第二の口J2と第三の口J3とが連通するので、上タンク34b内に充填されていた圧縮空気が大気に開放される。
アップバルブ44では、第一の口J1が前述の切替バルブ40と繋げられている。第二の口J2は、シリンダー8の下タンク34aと繋げられている。第三の口J3は、大気に開放されている。ダウンバルブ42のOFF状態では、第一の口J1と第二の口J2とが連通しているので、上流側から供給された圧縮空気が下タンク34aに供給される。このダウンバルブ42のON状態では、第二の口J2と第三の口J3とが連通するので、下タンク34a内に充填されていた圧縮空気が大気に開放される。
この加硫機2では、切替バルブ40、ダウンバルブ42及びアップバルブ44における弁の切替、すなわち、ピストンバルブPVのON状態及びOFF状態は、コントローラー46によって一元管理されている。この加硫機2は、各ピストンバルブPVのON状態及びOFF状態をコントロールするためのコントローラー46をさらに備えている。このコントローラー46としては、中央演算処理装置(CPU)が例示される。
この加硫機2では、コントローラー46からの通電の指示によって、ピストンバルブPVが通電され、第二の口J2と第三の口J3とが連通される。つまり、このコントローラー46の通電の指示によって、ピストンバルブPVのON状態が実行される。コントローラー46からの通電停止、すなわち非通電の指示によって、ピストンバルブPVへの通電が停止され、第一の口J1と第二の口J2とが連通される。つまり、このコントローラー46の非通電の指示によって、ピストンバルブPVのOFF状態が実行される。
タイヤは、次のようにして製造される。このタイヤの製造では、成形機(図示されず)において、トレッド、サイドウォール等の部材がアッセンブリーされる。これにより、ローカバーRが得られる。ローカバーRは、加硫機2に搬送される。
加硫機2に搬送されたローカバーRは、モールド4に投入される。ローカバーRの投入の時、モールド4は開かれている。ローカバーRの投入後、モールド4は閉じられる。図3には、モールド4が閉じられていく様子が模式的に示されている。
ローカバーRが投入されると、シリンダー8の上タンク34bに圧縮空気が供給される。これにより、ピストン28が押し下げられ、押圧プレート32が下降していく。この押圧プレート32の下降により、上側のコンテナプレート22bが押し下げられ、図3(b)のように、セクターシュー18は、半径方向外向きに移動しつつ、アクチュエーター20に対して下降していく。このセクターシュー18の動きにより、セグメント16は半径方向外向きに移動していく。そして、図3(c)のように、セクターシュー18が下側のコンテナプレート22aに着地すると、モールド4の開閉手段24としてのアクチュエーター20を上下に動かす、前述の駆動手段(図示されず)が作動する。この駆動手段によって、図3(d)に示されているように、アクチュエーター20が下降させられる。このアクチュエーター20の下降により、セクターシュー18とともにセグメント16が半径方向内向きに移動していく。そして、図3(e)のように、セグメント16及びサイドプレート14が組み合わされ、モールド4が完全に閉じられる。これにより、モールド4は締め付けられる。
図3には示されていないが、ローカバーRの内側にはブラダーBが位置している。このブラダーBには気体が充填され、ブラダーBは膨張させられる。膨張したブラダーBは、ローカバーRの内面と当接する。モールド4とブラダーBとによって、タイヤの形態を形付けるキャビティが構成される。ローカバーRは、このキャビティに収容される。なお、ブラダーBに換えて剛体コアが用いられる場合には、モールド4と剛体コアとによって、このキャビティは構成される。
このタイヤの製造では、モールド4が閉じられると、ローカバーRはこのモールド4内で加圧及び加熱される。加圧及び加熱により、ローカバーRのゴム組成物が流動する。加熱によりゴムが架橋反応を起こし、タイヤが得られる。こうして、ローカバーRからタイヤが成形される。なお、このタイヤの製造では、ローカバーRからタイヤを成形するために設定される、モールド4の温度、ローカバーRの加熱時間等の成形条件については、特に、制限はない。言及がない限り、タイヤの製造において一般的に設定される成形条件が、このタイヤの製造にも適用される。
このタイヤの製造では、タイヤの成形が完了すると、モールド4は開かれる。図4には、このモールド4が開かれていく様子が模式的に示されている。この図4において、符号Tはタイヤを表している。
このタイヤの製造では、タイヤTの成形が完了すると、モールド4の締付が解除される。シリンダー8の上タンク34bに、圧縮空気が供給される。これにより、ピストン28が押し下げられ、押圧プレート32が上側のコンテナプレート22bを押し付ける。この上側のコンテナプレート22bによって、モールド4は押さえ込まれる。この上側のコンテナプレート22bによって、モールド4が押さえ込まれている状態が、図4(a)に示されている。モールド4が押さえ込まれると、モールド4の開閉手段24としてのアクチュエーター20を上下に動かす、前述の駆動手段(図示されず)が作動する。この駆動手段によって、図4(b)に示されているように、アクチュエーター20が上昇させられる。これにより、セクターシュー18とともにセグメント16が半径方向外向きに移動していく。そして、図4(c)のようにアクチュエーター20の上昇が完了すると、圧縮空気がシリンダー8の下タンク34aに供給される。これにより、ピストン28が押し上げられ、図4(d)に示されているように、この加硫機2のフレーム6のうち、上側のコンテナプレート22b及びセクターシュー18の部分が上昇させられる。そして、図4(e)に示されているように、このコンテナプレート22b及びセクターシュー18の部分がアクチュエーター20に収容され、モールド4が完全に開かれる。タイヤTがモールド4から取り出される。
このタイヤの製造方法は、
(1)ローカバーRを準備する工程
(2)モールド4にローカバーRを投入する工程
(3)モールド4を閉じてローカバーRからタイヤTを成形する工程
及び
(4)モールド4を開いてこのモールド4からタイヤTを取り出す工程
を含んでいる。
このタイヤの製造では、タイヤTを成形する工程において、エアライン10の切替バルブ40及びアップバルブ44はON状態に設定され、ダウンバルブ42はOFF状態に設定される。切替バルブ40では、第三の口J3と第二の口J2とが連通する。ダウンバルブ42では、第一の口J1と第二の口J2とが連通する。これにより、減圧弁38において減圧された第二圧縮空気、すなわち、第一圧縮空気が、モールド4の押さえ込みのために、エアライン10から、シリンダー8の上タンク34bに供給される。アップバルブ44においては、第二の口J2と第三の口J3とが連通する。これにより、シリンダー8の下タンク34aは大気に開放される。このタイヤTの成形工程では、第一圧縮空気を上タンク34bに供給することでピストン28が押し下げられ、押圧プレート32によってモールド4が押さえ込まれる。
このタイヤTの成形工程では、前述したように、ローカバーRの内側には、膨張したブラダーBが位置している。このブラダーBは、モールド4を開けるように作用する。このブラダーBによる作用は、押圧プレート32によるモールド4の押し込みに影響する。このため、押圧プレート32がモールド4を十分に押さえ込むことができるように、このタイヤの製造では、この押圧プレート32がモールド4を押し込むのに要する力(以下、第一フォース)が、ブラダーBがモールド4を開けようとする力(以下、第二フォース)よりも大きくなるように、加硫機2は設定される。特に、詳述しないが、この第二フォースは、ブラダーBに供給される圧縮気体(空気又は窒素)の圧力によってコントロールされる。
さらにこのタイヤTの成形工程では、アクチュエーター20の下降により、モールド4が締め付けられる。前述の第一フォースが大きすぎると、アクチュエーター20の下降が阻害され、モールド4が十分に締め付けられない恐れがある。このため、アクチュエーター20の下降により、モールド4が十分に締め付けられるように、このアクチュエーター20の下降に要する力(以下、第三フォース)が、第一フォースよりも大きくなるように、加硫機2は設定される。特に、詳述しないが、この第三フォースは、開閉手段24の動作のために駆動手段(図示されず)に供給される圧縮空気の圧力によってコントロールされる。
前述したように、タイヤTの成形工程では、第一圧縮空気をシリンダー8に供給することによってモールド4が押さえ込まれる。このタイヤの製造では、第一圧縮空気の圧力は第二圧縮空気の圧力よりも低い。モールド4の押さえ込みのために、低圧の第一圧縮空気がシリンダー8に供給されるので、この加硫機2では、第一フォースを第二フォースよりも大きく、この第一フォースを第三フォースよりも小さく設定しやすい。このタイヤの製造では、押圧プレート32によってモールド4が適切に押し込まれ、アクチュエーター20により、モールド4が十分に締め付けられる。このタイヤの製造では、ローカバーRはモールド4内において十分加圧及び加熱される。このタイヤの製造では、適切に加硫が施されたタイヤTが得られる。このタイヤTは、高品質である。
このタイヤの製造では、タイヤTを取り出す工程において、エアライン10の切替バルブ40及びダウンバルブ42はOFF状態に設定され、アップバルブ44はON状態に設定される。切替バルブ40及びダウンバルブ42のそれぞれにおいて、第一の口J1と第二の口J2とが連通する。これにより、ストレージ36内の第二圧縮空気がそのまま、モールド4の押さえ込みのために、エアライン10から、シリンダー8の上タンク34bに供給される。アップバルブ44においては、前述の、タイヤTの成形工程と同様、第二の口J2と第三の口J3とが連通する。これにより、シリンダー8の下タンク34aは大気に開放される。このタイヤTの取り出し工程では、第二圧縮空気を上タンク34bに供給することでピストン28が押し下げられ、押圧プレート32によってモールド4が押さえ込まれる。
このタイヤTの取り出し工程では、押圧プレート32によってモールド4を押さえ込みながら、アクチュエーター20を上昇させることで、セクターシュー18とともにセグメント16を半径方向外向きに動かし、モールド4が開かれる。このとき、押圧プレート32がモールド4を押し込むのに要する力、すなわち、第一フォースが不足すると、タイヤTをモールド4のキャビティ面から十分に引きはがすことができず、スピュー切れや、取り出し不良等が発生する恐れがある。このため、このタイヤTの取り出し工程において、押圧プレート32がモールド4をさらに十分に押さえ込むことができるように、第一フォースが、前述の成形工程における第一フォースよりも大きくなるように、加硫機2は設定される。
前述したように、タイヤTの取り出し工程では、第二圧縮空気を上タンク34bに供給することでピストン28が押し下げられ、押圧プレート32によってモールド4が押さえ込まれる。そしてこの第二圧縮空気の圧力は、第一圧縮空気の圧力よりも高い。このタイヤTの取り出し工程において、モールド4の押さえ込みのために、高圧の第二圧縮空気がシリンダー8に供給される。このタイヤの製造では、モールド4のキャビティ面からタイヤTを引きはがす力はかなり大きい。このタイヤの製造では、モールド4からタイヤTが確実にしかも素早く引きはがされる。このタイヤの製造方法によれば、タイヤTの生産性のさらなる向上を図ることができる。本発明によれば、モールド4からタイヤTを確実にしかも素早く引きはがすことができる、タイヤの製造方法が得られる。
このタイヤの製造では、第一圧縮空気の圧力は0.4MPa以上0.6MPa以下が好ましい。この圧力が0.4MPa以上に設定されることにより、タイヤTの成形工程において、押圧プレート32がモールド4を押し込むのに要する力、すなわち、第一フォースが十分に確保される。第一フォースが、ブラダーBがモールド4を開けようとする力、すなわち、第二フォースよりも大きいので、モールド4が押圧プレート32によって十分に押し込まれる。この圧力が0.6MPa以下に設定されることにより、第一フォースの大きさが適切に維持される。このため、アクチュエーター20により、モールド4が十分に締め付けられる。この加硫機2では、第一フォースが第二フォースよりも大きく、この第一フォースが第三フォースよりも小さく設定されるので、押圧プレート32によってモールド4が適切に押さえ込まれ、アクチュエーター20によってモールド4が十分に締め付けられる。このタイヤの製造では、ローカバーRはモールド4内において十分加圧及び加熱される。このタイヤの製造では、適切に加硫が施されたタイヤTが得られる。このタイヤTは、高品質である。
このタイヤの製造では、第二圧縮空気の圧力は0.8MPa以上0.9MPa以下が好ましい。この圧力が0.8MPa以上に設定されることにより、タイヤTの取り出し工程において、押圧プレート32が大きな力でモールド4を押し込む。このタイヤの製造では、モールド4のキャビティ面からタイヤTを引きはがす力が十分に確保される。このタイヤの製造では、モールド4からタイヤTが確実にしかも素早く引きはがされる。この圧力が0.9MPa以下に設定されることにより、上タンク34bの圧力が第二圧縮空気の圧力と同等の圧力に到達するまでの時間、すなわち、第二圧縮空気の充填時間が適切に維持される。このタイヤの製造では、良好な生産性が適切に維持される。
このタイヤの製造では、タイヤTの取り出し工程において、押圧プレート32がモールド4を押し込むのに要する力、すなわち、第一フォースは35kN以上に設定されるのが好ましい。第一フォースが35kN以上に設定されることにより、モールド4のキャビティ面からタイヤTを引きはがす力が十分に確保される。このタイヤの製造では、モールド4からタイヤTが確実にしかも素早く引きはがされる。この観点から、この第一フォースは50kN以上がより好ましく、60kN以上がさらに好ましい。この第一フォースは高いほど好ましいので、この第一フォースの上限は特に設定されない。なお、この第一フォースF(kN)は、シリンダー8に供給される圧縮空気の圧力P(MPa)、チューブ26の内径A(mm)及びシャフト30の外径B(mm)を用いて下記式のように表される。この式において、(A/2)×π−(B/2)×πは、具体的にはピストン28の面積である。
F = P×[(A/2)×π−(B/2)×π]×10−3
氷雪路面を走行するタイヤTとして、スタッドレスタイヤが知られている。このタイヤTのトレッドは高い粘着性を有しており、このタイヤの製造では、タイヤTがモールド4のキャビティ面と十分に密着し、モールド4から離れにくいことがある。前述したように、このタイヤの製造では、十分に大きい第一フォースによってモールド4が押さえ込まれるので、キャビティ面からタイヤTを引きはがす力が十分に確保される。このため、タイヤTの取り出し工程において高い圧力の第二圧縮空気を用いる、このタイヤの製造方法は、トレッドが高い粘着性を有する、スタッドレスタイヤにおいて、有効である。具体的には、モールド4との密着力が35kN以上であるタイヤTにおいて、このタイヤの製造方法は有効に作用する。つまり、このタイヤの製造方法は、スタッドレスタイヤにおいて実行されるのが好ましい。具体的には、このタイヤの製造方法は、モールド4との密着力が35kN以上であるタイヤTにおいて実行されるのが好ましい。なお、タイヤTの、モールド4との密着力は、モールド4からタイヤTを確実に引きはがすために設定される第一フォースの最小値によって表される。
このタイヤの製造が実行されるのは、前述のスタッドレスタイヤに限られない。通常のアスファルト路面での走行が主に考慮されたタイヤ(以下、サマータイヤ)に対しても、このタイヤの製造は実行できる。しかしサマータイヤの場合、トレッドは、スタッドレスタイヤのトレッドほど高い粘着性を有していない。このため、タイヤTの取り出し工程において、第二圧縮空気でなく、第一圧縮空気をシリンダー8の上タンク34bに供給しても、キャビティ面からタイヤTを引きはがすことができる。このため、この加硫機2において、サマータイヤを製造する場合には、タイヤTの取り出し工程において、第二圧縮空気でなく、第一圧縮空気をシリンダー8の上タンク34bに供給してもよい。低圧の第一圧縮空気の利用は、圧縮空気の使用量の低減に寄与するからである。この観点から、このタイヤの製造は、製造の対象がスタッドレスタイヤかサマータイヤであるかを判定する工程をさらに含み、この判定工程において、製造の対象がサマータイヤと判定された場合、タイヤTの取り出し工程において、コントローラー46によって切替バルブ40が調整され、エアライン10から第一圧縮空気がシリンダー8の上タンク34bに供給されるように、この加硫機2が構成されてもよい。
この加硫機2では、圧力媒体として、動力油ではなく、圧縮空気が、用いられている。これは、圧力媒体として動力油を用いた場合、動力油が加硫機2から漏れると、タイヤTも含めてこの加硫機2の周りが汚染されるためである。一方、圧縮空気は、非汚染性の点で、動力油よりも優れているが、動力油よりも圧縮されにくい。このため、圧力媒体として圧縮空気を用いた場合、例えば、シリンダー8の上タンク34bにこの圧縮空気を供給しても、この上タンク34bの内圧が、所定の圧力に達するまで、圧力媒体として動力油を用いた場合に比べて、時間がかかってしまう。このため、タイヤTの取り出し工程において、アクチュエーター20を上昇させるタイミング、言い換えれば、開閉手段24の動作開始のタイミングによっては、上タンク34b内の圧縮空気が不足し、押圧プレート32がモールド4を十分に押し込むことができない恐れがある。
この加硫機2では、エアライン10は圧力計48をさらに備えている。この圧力計48は、ダウンバルブ42と上タンク34bとの間に位置している。この加硫機2では、この圧力計48によって上タンク34bの内圧が把握される。
このタイヤの製造では、タイヤTの取り出し工程において、好ましくは、シリンダー8の上タンク34b内の圧力が規定圧力を超えると、開閉手段24の動作が開始される。これにより、開閉手段24の動作の開始の前に、上タンク34b内に圧縮空気が十分に供給される。開閉手段24が動作を開始するとき、言い換えれば、アクチュエーター20の上昇を開始するときに、押圧プレート32が十分な力、すなわち、十分な第一フォースでモールド4を押し込むことができるので、このタイヤの製造では、モールド4のキャビティ面からタイヤTを引きはがす力が十分に確保される。このタイヤの製造では、モールド4からタイヤTが確実にしかも素早く引きはがされる。
前述のように、タンク34b内の圧力が規定圧力に到達したことをトリガーにして、開閉手段24の動作を開始する場合には、このタイヤの製造では、コントローラー46の記憶手段に規定圧力を記憶させておき、圧力計48から伝送される上タンク34bの圧力が規定圧力を超えると、このコントローラー46が開閉手段24に動作開始の指示を出力するよう、加硫機2は構成される。
このタイヤの製造では、開閉手段24が動作を開始するときに、押圧プレート32が十分な力でモールド4を押し込むことができるとの観点から、第二圧縮空気の圧力と規定圧力との差は、0.05MPa以上が好ましく、0.10MPa以下が好ましい。
加硫機2を構成するパーツに故障等が生じると、上タンク34bに第二圧縮空気を供給しているにもかかわらず、上タンク34bの内圧が規定圧力に到達しないことが予想される。この場合、ローカバーRが過剰に加熱され、タイヤTにオーバーキュアが生じる恐れがある。このため、このタイヤの製造では、第二圧縮空気の供給時間を開閉手段24の開始のトリガーに設定してもよい。
このタイヤの製造では、タイヤTの取り出し工程において、モールド4を押し込むために上タンク34bに第二圧縮空気が供給され、ピストン28が押し下げられる。モールド4を全開するために、その後、下タンク34aに第二圧縮空気が供給され、このピストン28は押し上げられる。このとき、上タンク34bの内圧が一時的に高まり、シリンダー8、エアライン10等に破損が生じる恐れがある。
この加硫機2では、上タンク34bとダウンバルブ42との間に、第一の安全弁50aが設けられ、切替バルブ40と減圧弁38との間に第二の安全弁50bが設けられている。これらの安全弁50は、ピストン28の上下動による一時的な圧力の高まりによる、シリンダー8、エアライン10等の破損を防止する。この観点から、この加硫機2のエアライン10は、上タンク34bとダウンバルブ42との間に第一の安全弁50aを、そして、切替バルブ40と減圧弁38との間に第二の安全弁50bを備えているのが好ましい。なお、この場合、破損が確実に防止できるとの観点から、第一の安全弁50aが作動する圧力は、第二圧縮空気の圧力と同等以上に設定されるのが好ましい。具体的には、第一の安全弁50aが作動する圧力と第二圧縮空気の圧力との差は、0.00MPa以上0.05MPa以下が好ましい。同様の観点から、第二の安全弁50bが作動する圧力は、第一圧縮空気の圧力と同等以上に設定されるのが好ましい。具体的には、第二の安全弁50bが作動する圧力と第一圧縮空気の圧力との差は、0.00MPa以上0.05MPa以下が好ましい。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
図1−2に示された加硫機を用いてタイヤ(サイズ=275/40R19)を製造した。この加硫機では、シリンダーのチューブの内径は400mmであった。シャフトの外径は、70mmであった。このタイヤはスタッドレスタイヤであり、このタイヤの、モールドとの密着力は72kNであった。
この実施例1では、第一圧縮空気の圧力は0.6MPaに設定され、第二圧縮空気の圧力は0.8MPaに設定された。この実施例1では、タイヤの取り出し工程において、シリンダーの上タンクには第二圧縮空気が供給された。このことが、供給圧の欄に「0.8」として表されている。
この実施例1では、上タンクの圧力が規定圧力(0.70MPa)を超えると、開閉手段が動作を開始するように設定された。このことが、下記の表1における「事前充填」の欄に「Y」で表されている。この表1の「作動圧」の欄に示されているように、この実施例1では、アクチュエーターの上昇が開始されたときの上タンク内の圧力は、0.74MPaであった。
この実施例1では、モールドの締付を解除してから次のローカバーが投入されるまでの時間(サイクルタイム)は、82秒であった。
[実施例2]
事前充填を実施しなかった他は実施例1と同様にして、タイヤを製造した。事前充填を実施しなかったことが、「N」で表されている。この実施例2では、シリンダーに第二圧縮空気を供給してから2〜3秒後に開閉手段の動作を開始した。この実施例2では、作動圧は0.41MPaであり、サイクルタイムは79秒であった。
[実施例3]
第二圧縮空気の圧力を下記の表1に示される通りとし、事前充填を実施しなかった他は実施例1と同様にして、タイヤを製造した。この実施例3においても、シリンダーに第二圧縮空気を供給してから2〜3秒後に開閉手段の動作を開始した。この実施例3では、作動圧は0.45MPaであり、サイクルタイムは79秒であった。
[実施例4]
第二圧縮空気の圧力を下記の表1に示される通りとした他は実施例1と同様にして、タイヤを製造した。この実施例4では、上タンクの圧力が規定圧力(0.90MPa)を超えると、開閉手段が動作を開始するように設定された。この実施例4では、作動圧は0.95MPaであり、サイクルタイムは84秒であった。
[比較例1]
タイヤの取り出し工程において、第二圧縮空気ではなく、第一圧縮空気を上タンクに供給するとともに、事前充填を実施しなかった他は実施例1同様にして、タイヤを製造した。この比較例1では、シリンダーに第一圧縮空気を供給してから2〜3秒後に開閉手段の動作を開始した。この比較例1では、作動圧は0.31MPaであり、サイクルタイムは79秒であった。
[比較例2]
タイヤの取り出し工程において、第二圧縮空気ではなく、第一圧縮空気を上タンクに供給した他は実施例1同様にして、タイヤを製造した。この実施例4では、上タンクの圧力が規定圧力(0.50MPa)を超えると、開閉手段が動作を開始するように設定された。この比較例2では、作動圧は0.56MPaであり、サイクルタイムは81秒であった。
[参考例1−6]
参考例1−6では、スタッドレスタイヤでなく、サマータイヤを製造した。このタイヤのサイズは、275/40R19である。このタイヤの、モールドとの密着力は35kN未満であった。下記の表2に示されているように、参考例1では、下記の表1における比較例1と同じ条件が設定された。参考例2では、比較例2と同じ条件が設定された。参考例3では、実施例2と同じ条件が設定された。参考例4では、実施例1と同じ条件が設定された。参考例5では、実施例3と同じ条件が設定された。そして参考例6では、実施例4と同じ条件が設定された。
[有効性評価]
タイヤを1000本製造し、モールドからタイヤが離れずモールドとともに上昇するかどうか(くっつき)、スピュー切れが生じタイヤにベアが発生するかどうか(スピュー切れ)、そして、モールドとともにタイヤが上昇し、その後落下し、コンテナ等に破損を生じさせるようなことが起きるかどうか(破損)の観点から、タイヤの取り出し状況を確認した。この結果が、下記の表1−2に示されている。くっつき、スピュー切れ、又は、破損が確認されなかった場合が「N」で、これらが確認された場合が「Y」で示されている。
Figure 2018039182
Figure 2018039182
表1−2に示されるように、実施例の製造方法ではくっつきが防止されており、比較例の製造方法に比べて評価が高い。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。さらに事前充填を行うことでスピュー切れの発生が防止でき、第二圧縮空気の圧力を適切に設定することで、サイクルタイムの増加も抑えることができるという知見も得られており、事前充填の実施、そして、第二圧縮空気の適正化によって、本発明の優位性がさらに高められることも確認されている。
以上説明された方法は、種々のタイプのタイヤの製造にも適用されうる。
2・・・加硫機(製造装置)
4・・・モールド
6・・・フレーム
8・・・シリンダー
10・・・エアライン
12・・・トレッドリング
14・・・サイドプレート
16・・・セグメント
18・・・セクターシュー
20・・・アクチュエーター
22、22a、22b・・・コンテナプレート
24・・・開閉手段
26・・・チューブ
28・・・ピストン
30・・・シャフト
32・・・押圧プレート
34、34a、34b・・・タンク
36・・・ストレージ
38・・・減圧弁
40・・・切替バルブ
42・・・ダウンバルブ
44・・・アップバルブ
46・・・コントローラー
48・・・圧力計
50a、50b、50・・・安全弁

Claims (6)

  1. ローカバーを収容しこのローカバーの外面にタイヤの外面を形付けるモールドと、上記モールドの開閉を行う開閉手段と、圧縮空気によって上記モールドを押さえ込むシリンダーと、上記圧縮空気を上記シリンダーに供給するエアラインとを備える、製造装置を用いて、上記タイヤを製造するための方法であって、
    上記モールドに上記ローカバーを投入する工程と、
    上記モールドを閉じて上記ローカバーから上記タイヤを成形する工程と、
    上記モールドを開いてこのモールドから上記タイヤを取り出す工程と
    を含んでおり、
    上記圧縮空気が第一圧縮空気及び第二圧縮空気からなり、この第二圧縮空気の圧力がこの第一圧縮空気の圧力よりも高く、
    上記タイヤの成形工程では、上記モールドの押さえ込みのために、上記第一圧縮空気が上記エアラインから上記シリンダーに供給され、
    上記タイヤの取り出し工程では、上記モールドの押さえ込みのために、上記第二圧縮空気が上記エアラインから上記シリンダーに供給される、タイヤの製造方法。
  2. 上記第一圧縮空気の圧力が0.4MPa以上0.6MPa以下である、請求項1に記載のタイヤの製造方法。
  3. 上記第二圧縮空気の圧力が0.8MPa以上0.9MPa以下である、請求項1又は2に記載のタイヤの製造方法。
  4. 上記タイヤの取り出し工程において、上記シリンダー内の圧力が規定圧力を超えると、上記開閉手段の動作が開始される、請求項1から3のいずれかに記載のタイヤの製造方法。
  5. 上記第二圧縮空気の圧力と上記規定圧力との差が、0.05MPa以上0.10MPa以下である、請求項4に記載のタイヤの製造方法。
  6. ローカバーを収容しこのローカバーの外面にタイヤの外面を形付けるモールドと、
    上記モールドの開閉を行う開閉手段と、
    圧縮空気によって上記モールドを押さえ込むシリンダーと、
    上記圧縮空気を上記シリンダーに供給するエアラインと
    を備えており、
    上記圧縮空気が第一圧縮空気及び第二圧縮空気からなり、この第二圧縮空気の圧力がこの第一圧縮空気の圧力よりも高く、
    上記エアラインが、上記シリンダーに供給する上記圧縮空気を、上記第一圧縮空気から上記第二圧縮空気に、又は、この第二圧縮空気からこの第一圧縮空気に切り替える、切替バルブを備えている、タイヤの製造装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021014608A1 (ja) * 2019-07-24 2021-01-28 三菱重工機械システム株式会社 タイヤ加硫機、流体漏れ検出システム及び流体漏れ検出方法

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