JP2018037481A - 太陽電池モジュールおよび太陽電池モジュールの製造方法 - Google Patents

太陽電池モジュールおよび太陽電池モジュールの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高品質な電極を備えることができる太陽電池モジュールを提供する。【解決手段】太陽電池モジュールは、基板1と、第1および第2の電極2と、第1の積層半導体3とを備える。第1および第2の電極は、基板の上に位置し、互いに離間している。第1の積層半導体は、第1の電極の上から第2の電極の上までの領域に位置する。第1の積層半導体は、第1導電型の第1半導体31と、第1導電型とは異なる第2導電型の第2半導体32とを備える。第1半導体は第1の電極の上に位置する。第2の半導体は第2の電極の上に位置する。【選択図】図3

Description

本開示は、太陽電池モジュールおよび太陽電池モジュールの製造方法に関する。
特許文献1には、光起電力素子が記載されている。この光起電力素子においては、n型単結晶シリコン基板の一方の表面に、第1のi型非晶質シリコン膜および反射防止膜がこの順で形成されている。またこの単結晶シリコン基板の他方の表面には、第2のi型非晶質シリコン膜が形成されている。そして、第2のi型非晶質シリコン膜の上に、p型非晶質シリコン膜およびn型非晶質シリコン膜が互いに離間して形成されている。p型非晶質シリコン膜の上には、裏面電極および集電電極がこの順で形成され、n型非晶質シリコン膜の上には、裏面電極および集電電極がこの順で形成される。このような光起電力素子において、主として、n型単結晶シリコン基板が発電層(光電変換層)となる。
特許第4155899号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、裏面電極が、発電層(光電変換層)の上に形成されている。よって、裏面電極は、発電層の機能を損ないにくい形成条件で形成される必要があり、裏面電極の高品質化の制限となり得る。
そこで本開示は、高品質な電極を備えることができる太陽電池モジュールを提供することを目的とする。
太陽電池モジュールおよび太陽電池モジュールの製造方法が開示される。一実施の形態において、太陽電池モジュールは、基板と、第1および第2の電極と、第1の積層半導体とを備える。第1および第2の電極は、基板の上に位置し、互いに離間している。第1の積層半導体は、第1の電極の上から第2の電極の上までの領域に位置する。第1の積層半導体は、第1導電型の第1半導体と、第1導電型とは異なる第2導電型の第2半導体とを備える。第1半導体は第1の電極の上に位置する。第2半導体は第2の電極の上に位置する。
また、他の一実施の形態において、太陽電池モジュールの製造方法は、上記一実施の形態にかかる太陽電池モジュールを製造する方法であって、第1工程と、第2工程とを備える。第1工程においては、第1および第2の電極を基板の上に形成する。第1工程の後の第2工程において、第1の電極の上から、第2の電極の上までの領域に、第1の積層半導体を形成する。
太陽電池モジュールおよび太陽電池モジュールの製造方法によれば、高品質な電極を実現できる。
太陽電池モジュールの構成の一例を概略的に示す平面図である。 太陽電池モジュールの構成の一例を概略的に示す分解斜視図である。 太陽電池モジュールの構成の一例を概略的に示す断面図である。 太陽電池モジュールの製造方法の一例を示すフローチャートである。 太陽電池モジュールの製造方法の一例を概略的に示す図である。 太陽電池モジュールの構成の一例を概略的に示す断面図である。 太陽電池モジュールの構成の一例を概略的に示す断面図である。 太陽電池モジュールの構成の一例を概略的に示す断面図である。
実施の形態.
以下、実施形態の各例ならびに各種変形例を図面に基づいて説明する。なお、図面においては同様な構成及び機能を有する部分については同じ符号が付されており、下記説明では重複説明が省略される。また、図面は模式的に示されたものであり、各図における各種構造のサイズ及び位置関係などは適宜変更され得る。
<太陽電池モジュール>
図1から図3は、太陽電池モジュール100の構成の一例を概略的に示す図である。図1は、太陽電池モジュール100の構成の一例を示す平面図であり、図2は、太陽電池モジュール100の構成の一例を概略的に示す分解斜視図であり、図3は、太陽電池モジュール100の構成の一例を概略的に示す断面図である。
太陽電池モジュール100は複数の光電変換セル10を備えている。図1から図3においては、3個または4個の光電変換セル10が示されているものの、実際には、太陽電池モジュール100は、より多くの光電変換セル10を備えていてもよい。
光電変換セル10の各々は、外部から入射された光(例えば太陽光、以下、外光とも呼ぶ)を電力に変換し、当該電力を出力する。これら複数の光電変換セル10は、後に詳述するように、互いに直列に接続される。この直列接続によって、複数の光電変換セル10の一組の両端から出力される電圧、つまり、太陽電池モジュール100の出力電圧は、光電変換セル10の各々から出力される電圧の総和となる。これによって、太陽電池モジュール100の出力電圧を向上することができる。
太陽電池モジュール100は、基板1と、複数の電極2と、複数の積層半導体3とを備えている。複数の電極2および複数の積層半導体3は基板1の上に位置している。後に詳述するように、積層半導体3は実質的に光電変換セル10の光電変換機能を実現する。また、各電極2は各光電変換セル10から電力を取りだすとともに、複数の光電変換セル10を相互に直列に接続する。
なお、図1においては、各構成を見やすくするために、各構成がY軸方向にずれて示されている。しかるに、実際には、各構成はずれていなくてもよい。また図2においては、各構成を見やすくするために、各構成の厚みを省略して示している。
<基板>
基板1は複数の電極2および複数の積層半導体3を支持するものであり、例えば透光性を有していてもよい。基板1の材料として、例えば、アクリルまたはポリカーボネート等の樹脂、あるいは、ガラスを採用すれば、透光性を有する基板が実現され得る。ここで、ガラスには、例えば、白板ガラス、強化ガラスおよび熱線反射ガラス等といった光透過率の高い材料が採用され得る。また、基板1は例えば平板状の形状を有していてもよく、その厚みは例えば数[mm]程度に設定され得る。基板1の+Z側の一主面(表面1aともいう、図3を参照)は略平坦であってよい。これによれば、基板1の表面1aの上に形成される各種の構成の厚みを均一に形成しやすい。また、基板1は平面視において例えば略矩形状の形状を有していてもよい(図1を参照)。
なお、各図面において、光電変換セル10の配列方向をX軸方向とするXYZ座標が付されている。Y軸は、X軸に垂直且つ基板1の表面1aに平行に配置されており、Z軸は基板1の表面1aに垂直に配置されている。図1においては、太陽電池モジュール100をZ軸方向に沿って見た平面図が示され、図3においては、XZ平面における太陽電池モジュール100の断面が示されている。
<電極>
複数の電極2は基板1の上に位置している。これら複数の電極2は、図1から図3に示すように、X軸方向において、間隔を空けて並んで配されている。換言すれば、隣り合う電極2の間には、これらを分離する領域としての溝P1が配されている(図3を参照)。つまり、隣り合う電極2は溝P1を介して離間している。具体的には、溝P1は電極2の+Z側の一主面(上面)から−Z側の一主面(下面)までの領域に配されている。電極2の各々は、平面視において、例えばY軸方向に長い長尺状の形状(例えば長方形の形状)を有していてもよい。言い換えれば、電極2の各々はY軸方向に沿って延在してもよい。この場合、この溝P1もY軸方向に沿って延在する。
電極2は、例えば、透光性を有する電極(例えば透明電極(TCO: Transparent Conductive Oxide))であってよい。具体的な一例として、電極2は、ITO(Indium Tin Oxide)、酸化亜鉛または酸化スズなどの透明導電材料で形成され得る。このような電極2は、例えば、スパッタリング法または真空蒸着法などの成膜方法を用いて形成され得る。
あるいは、電極2は、例えば、塗布液としての金属ペーストがスクリーン印刷等によって塗布された後に乾燥されて該金属ペーストが固化されることで形成されてもよい。金属ペーストは、例えば、透光性を有する樹脂等のバインダーに、光反射率が高く且つ導電性を有する粒子が添加されることで作製され得る。ここで、透光性を有する樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂等が採用され得る。また、金属ペーストに含まれる粒子としては、例えば、Cu、Al、NiならびにZnとAgとの合金等の金属粒子が採用され得る。この場合、電極2には、導電性を有する多数の粒子が含まれており、該多数の粒子が相互に接触し合うことで、電極2における導電性が確保され得る。
<積層半導体>
積層半導体3の各々は、光電変換を行う光電変換層として機能することができる。実質的には、光電変換セル10は積層半導体3によって形成され得る。なお、積層半導体3とともに電極2も含めて、光電変換セル10と把握することもできる。
複数の積層半導体3の各々は、隣り合う二つの電極2の上に位置している。よって、複数の積層半導体3もX軸方向において互いに間隔を空けて並んでいる。言い換えれば、隣り合う積層半導体3の間には、これらを分離する領域としての溝P2が配されている(図3を参照)。つまり、隣り合う積層半導体3は、溝P2を介して離間している。具体的には、溝P2は、積層半導体3の+Z側の一主面(上面)から−Z側の一主面(下面)までの領域に配されている。この溝P2は例えばY軸方向に沿って延在する。
以下では、代表的に、隣り合う二つの積層半導体3である積層半導体3A,3Bと、隣り合う三つの電極2である電極2A〜2Cとを用いて、これらの位置関係の一例を説明する。電極2A〜2Cは、X軸方向において、この順で配置されている。
例えば、積層半導体3Aは電極2A,2Bの上に位置している。より具体的に、図3の例においては、積層半導体3Aは、電極2Aのうち電極2B側の端部21Aの上から、電極2Bのうち電極2A側の端部21Bの上までの領域に、位置している。また積層半導体3Bは電極2B,2Cの上に位置している。より具体的に、図3の例においては、積層半導体3Bは、電極2Bのうち電極2C側の端部の上から、電極2Cのうち電極2B側の端部の上までの領域に、位置している。
このような構成においては、溝P2は電極2の上に位置する(図3参照)。例えば積層半導体3A,3Bについて説明すると、積層半導体3A,3Bを分離する溝P2は電極2Bの上に位置している。言い換えると、積層半導体3A,3Bは電極2Bの上において互いに離間している。
以上のように、図1から図3の例においては、複数の積層半導体3の各々が、隣り合う二つの電極2の端部の上に位置している。よって、電極2の個数は積層半導体3の個数よりも一つ多い。つまり、N(Nは自然数)個の積層半導体3に対して、(N+1)個の電極2が形成されるとよい。
ここで、第1から第Nの積層半導体3と、第1から第(N+1)の電極2とを導入して、これらの位置関係の一例を説明しておく。第1から第(N+1)の電極2がX軸方向に沿ってこの順で並んでいると仮定する。この場合、第k(kは1,2,・・・,N)の積層半導体3(例えば積層半導体3A)は、第kの電極2(例えば電極2A)のうち、第(k+1)の電極2(例えば電極2B)側の端部の上から、第(k+1)の電極2(例えば電極2B)のうち、第kの電極2(例えば電極2A)側の端部の上までの領域に位置している。
次に、積層半導体3の各々の具体的な構成の一例について説明する。以下では、一つの積層半導体3(例えば積層半導体3A)と接触する二つの電極2(例えば電極2A,2B)を一対の電極2とも呼ぶことがある。また一対の電極2の一方を一方の電極2と呼び、一対の電極2の他方を他方の電極2と呼ぶことがある。
図1から図3の例においては、複数の積層半導体3の各々は、互いに導電型の異なる半導体31〜33を備えている。半導体31は、第1導電型(例えばp型)の半導体であって、一方の電極2の上に位置している。図1から図3の例では、半導体31は、一方の電極2のうち他方の電極2側の端部の上に位置している。積層半導体3Aについて説明すると、半導体31は電極2Aのうち電極2B側の端部21Aの上に位置している。半導体31は、平面視において、例えば、Y軸方向に長い長尺状の形状(例えば長方形の形状)を有していてもよい。
半導体32は、第1導電型とは逆の第2導電型の半導体であって、他方の電極2の上に位置している。ここで、第1導電型の半導体および第2導電型の半導体とは、伝導担体(キャリア)が異なる半導体である。例えば半導体31がp型の半導体である場合には、半導体32はn型の半導体である。p型の半導体において、キャリアは正孔であり、n型の半導体において、キャリアは電子である。
図1から図3の例においては、半導体32は、他方の電極2のうち一方の電極2側の端部の上に位置している。積層半導体3Aについて説明すると、半導体32は電極2Bのうち電極2A側の端部21Bの上に位置している。半導体32は、平面視において、例えばY軸方向に長い長尺状の形状(例えば長方形の形状)を有していてもよい。
半導体33は第3導電型の半導体である。第3導電型はi型の半導体であり、真性半導体とも呼ばれる。半導体33は半導体31,32の上に位置している。より具体的には、半導体33は半導体31の上から半導体32の上までの領域に位置している。半導体33は、平面視において、例えばY軸方向に長い長尺状の形状(例えば長方形の形状)を有していてもよい。
このような積層半導体3は、いわゆるpin構造を有しており、光電変換層として機能することができる。具体的には、半導体33は、入射された外光を吸収して、正孔および電子を生成する。つまり、半導体33は光吸収層として機能する。生成された正孔は例えばp型の半導体31を介して一方の電極2へと移動し、生成された電子は例えばn型の半導体32を介して他方の電極2へと移動する。これにより、積層半導体3は光を吸収して発電することができる。つまり、積層半導体3は光電変換を行う。これにより、一対の電極2の間に電流が流れる。なお、この積層半導体3において、一対の電極2を繋ぐ電流経路上に、半導体31〜33が介在することになる。
図1から図3の例においては、電極2の各々が、隣り合う二つの光電変換セル10によって共用される。よって、電極2の各々は、隣り合う二つの光電変換セル10を相互に直列に接続する。このような構造において、−X側の端に位置する電極2、および、+X側の端に位置する電極2は、太陽電池モジュール100の出力端として機能する。太陽電池モジュール100の出力電圧は光電変換セル10の出力電圧の総和となる。
次に、積層半導体3の具体的な材料の一例について述べる。半導体31〜33は例えばアモルファスシリコンなどの非晶質系の半導体であってもよい。例えば半導体31には、第1導電型に対応する第1不純物(例えばホウ素など)を含むアモルファスシリコンを採用でき、半導体32には、第2導電型に対応する第2不純物(例えばリンなど)を含むアモルファスシリコンを採用でき、半導体33には、第1不純物および第2不純物をほとんど含まないアモルファスシリコンを採用できる。このような半導体31〜33は例えば化学気相成長(CVD:Chemical Vapor Deposition)法によって形成され得る。
積層半導体3の幅(X軸方向に沿う幅)は、例えば、1[μm]〜1000[μm]程度に設定され得る。電極2の幅(X軸方向に沿う幅)も、例えば、1[μm]〜1000[μm]程度に設定され得る。また、隣り合う積層半導体3の間の間隔(つまり溝P2のX軸方向に沿う幅)、および、隣り合う電極2の間隔(つまり溝P1のX軸方向に沿う幅)は、いずれも、例えば1[μ]〜100[μm]程度に設定され得る。また、半導体31〜33がアモルファスシリコンである場合、積層半導体3の厚みは、例えば、10[nm]〜50[nm]程度に設定され得る。
<製造方法>
図4および図5は、太陽電池モジュール100の製造方法の一例を示す図である。図4においては、各製造工程がステップS1〜S4で示されており、図5では、各ステップS1〜S4における基板1の上面図が示されている。まずステップS1にて、基板1が準備される。この基板1には、例えば所定の前処理(例えば洗浄処理などの処理)が施されていてもよい。次にステップS2にて、この基板1の上に、電極2が形成される。電極2の形成方法は特に制限されないものの、その一例について概説する。例えば、スパッタリング法、蒸着法または化学的気相成長(CVD)法等によって、電極層を基板1の上に形成する。そして、所定の位置において、この電極層に溝P1を形成して電極2を形成する。溝P1は例えば、フォトリソグラフィー法などによって形成され得る。
次に、積層半導体3の各々を、一方の電極2の上から他方の電極2の上までの領域に形成する。具体的には、まずステップS3にて、基板1および電極2の一組の上にそれぞれ所望の形状で半導体31,32を形成する。半導体31,32の形成方法も特に制限されないが、積層半導体3としてアモルファスシリコンを採用する場合、例えば、プラズマCVD法などによって、基板1および電極2の一組の上に、それぞれ半導体31,32を形成することができる。
具体的な一例として、半導体31が形成される領域以外の領域を覆う第1メタルマスクを基板1および電極2の上に配置する。次に、例えば、シラン(SiH)ガス、水素(H)ガスおよびジボラン(B)ガスを導入して、プラズマCVD法により、半導体31を形成する。そして、第1メタルマスクを取り外す。同様に、半導体32が形成される領域以外の領域を覆う第2メタルマスクを配置し、例えば、シラン(SiH)ガス、水素(H)ガスおよびホスフィン(PH)ガスを導入して、プラズマCVD法により、半導体32を形成する。そして、第2メタルマスクを取り外す。これにより、半導体31,32を形成することができる。なお、半導体31,32の形成順序は逆であってもよい。
次にステップS4にて、基板1、電極2および半導体31,32の一組の上に所望の形状で半導体33を形成する。半導体33の形成方法も特に制限されないが、積層半導体3としてアモルファスシリコンを採用する場合には、例えば、プラズマCVD法によって、半導体33を、基板1、電極2および半導体31,32の一組の上に形成することができる。具体的な一例として、半導体33が形成される領域以外の領域を覆う第3メタルマスクを基板1、電極2および半導体31,32の上に配置する。次に、例えば、シラン(SiH)ガスおよびアンモニア(NH)ガスを導入して、プラズマCVD法により、半導体33を形成する。
以上のようにして、太陽電池モジュール100を作製することができる。またこの太陽電池モジュール100によれば、上述のように、電極2は基板1を下地として形成される(ステップS2)。つまり、電極2は積層半導体3の上に形成される必要がない。
ここで、比較のために、光電変換セルが、積層半導体を表面電極と裏面電極とで挟む構造を有している場合について説明する。この構造においては、積層半導体は、例えば、p型の半導体と、i型の半導体と、n型の半導体とを備えており、i型の半導体がp型の半導体とn型の半導体とによって挟まれる。要するに、裏面電極、p型の半導体、i型の半導体、n型の半導体および表面電極がこの順で配置される。
したがって、表面電極および裏面電極の少なくともいずれか一方は、積層半導体を下地として形成される。例えば表面電極を積層半導体の上に形成する場合、その下地となる積層半導体の光電変換機能を損ないにくい形成条件を用いる必要がある。
また、積層半導体の内部にピンホールなどの欠陥が存在している場合には、表面電極の形成中に、その電極の材料が積層半導体の欠陥内に入り込み得る。これにより、表面電極と裏面電極とが短絡し得る。
一方で、本実施の形態では、上述のように、電極2は積層半導体3の上に形成される必要がない。よって、上記形成条件を用いる必要がない。したがって、より高品質な電極2を形成することができる。また、積層半導体3の上に電極2を形成しなければ、積層半導体3の内部に欠陥が存在していたとしても、その欠陥内に電極の材料が入り込むことがない。よって、これに起因した電極2同士の短絡を回避することができる。
また比較例においては、複数の光電変換セルを接続する場合、例えば第1の光電変換セルの表面電極と、第2の光電変換セルの裏面電極とを接続する配線(タブ配線)が配置され得る。このタブ配線は、第1の光電変換セルの表面電極から、第1の光電変換セルと第2の光電変換セルとの間を延在して、第2の光電変換セルの裏面電極へと至る。このようにタブ配線は第1の光電変換セルと第2の光電変換セルとの間を延在するので、第1の光電変換セルと第2の光電変換セルとの間の間隔は比較的広く設定され得る。よって、この構造においては、太陽電池モジュールのサイズが大きくなる。
一方で、本実施の形態では、基板1の上に形成された複数の電極2が複数の光電変換セル10を直列に接続するので、タブ配線は不要である。よって、光電変換セル10の間隔(積層半導体3の間隔)を狭く設定することができる。したがって、太陽電池モジュール100のサイズを低減することができる。
また、本実施の形態において、複数の電極2を同じ材質で形成することにより、製造工程を簡略化することができる。これにより、製造コストを低減できる。
<半導体31,32>
図3に例示するように、第1導電型(例えばp型)の半導体31は一方の電極2の上に位置するとともに、その側面も覆っていてもよい。ここでいう側面とは、一方の電極2の側面のうち、他方の電極2と向かい合う側面である。言い換えれば、当該側面は溝P1の輪郭の一部を形成する側面である。図3の積層半導体3Aを用いて説明すると、半導体31は、電極2Aの端部21Aの+Z側の表面(上面)のみならず、端部21Aの側面21aを覆っていてもよい。この側面21aは、電極2Bの端部21Bと向かい合う側面である。図3に例示するように、半導体31は、電極2Aの端部21Aの上面および側面21aに沿う略L字状の形状を有していてもよい。また半導体31は溝P1において基板1に接触してもよい。
同様に、第2導電型(例えばn型)の半導体32は他方の電極2の上に位置するとともに、その側面を覆っていてもよい。ここでいう側面は、他方の電極2の側面のうち、一方の電極2と向かい合う側面である。言い換えれば、当該側面は溝P1の輪郭の一部を形成する側面である。図3の積層半導体3Aを用いて説明すると、半導体32は、電極2Bの端部21Bの+Z側の表面(上面)のみならず、端部21Bの側面21bを覆っていてもよい。この側面21bは、電極2Aの端部21Aと向かい合う側面である。図3に例示するように、半導体32は、電極2Bの端部21Bの上面および側面21bに沿う略L字状の形状を有していてもよい。また半導体32は溝P1において基板1に接触していてもよい。
図3に例示するように、各積層半導体3において、半導体31,32はX軸方向において離間していてもよい。また、その半導体31,32によって挟まれる領域に、半導体33の一部が存在していても良い。図3の例においては、半導体33は、半導体31,32の上に位置する矩形状の本体部分と、半導体31,32の間の領域において、当該本体部分から基板1側へと突起する矩形状の突起部分とを有している。また半導体33(より具体的には突起部分)は溝P1において基板1に接触していてもよい。
このように、半導体33の一部(突起部分)が当該領域に存在していれば、当該領域においても半導体33が光を吸収して電子および正孔を生成する。よって、太陽電池モジュール100の発電効率を向上することができる。
また上述のように、半導体31は一方の電極2の端部の上面および側面を覆い、かつ、半導体32は他方の電極2の端部の上面および側面を覆っている。よって、半導体33は半導体31,32を介してそれぞれ一方の電極2および他方の電極2と対面する。これにより、半導体33は直接に電極2と接しにくい。よって、電極2の表面で生じるキャリア(電子または正孔)の再結合を抑制することができる。
<太陽電池モジュールの設置方向>
<基板が受光面側となるように太陽電池モジュールを設置>
図6は、太陽電池モジュール100の構成の一例を概略的に示す図である。太陽電池モジュール100の構成自体は図1と同様であるものの、図6においては、基板1は電極2に対して外光L1の入射側(紙面上側)に位置している。つまり、基板1を外光L1の入射側に向けて、太陽電池モジュール100を配置している。図6において、外光L1の進行方向がブロック矢印で示されている。この構造においては、例えば、基板1の表面1bが、太陽電池モジュール100の受光面としての役割を果たすことができる。表面1bは基板1の表面1aとは反対側の表面である。
この太陽電池モジュール100において、基板1および電極2は透光性を有している。なお、ここでいう「透光性」とは、積層半導体3によって吸収される波長帯域(以下、吸収波長帯域と呼ぶ)の光についての透光性である。例えば、積層半導体3が可視光を吸収して正孔と電子とを生成する場合、基板1および電極2は透明である。
この構造においては、外光L1の一部は基板1および電極2をこの順で通過して、積層半導体3へと入射し、外光L1の他の一部は電極2の相互間を通過して、つまり基板1を通過した後、電極2を経由せずに、積層半導体3へと入射する。積層半導体3は、入射された外光L1を吸収して、発電する。
さて、比較例にかかる構造においては、平面視における表面電極の広さは、積層半導体の広さと同程度に設定される。よって、ほとんどの外光は表面電極を経由して積層半導体へ入射される。外光の一部は表面電極で吸収され、発電には寄与しない。一方で、太陽電池モジュール100によれば、上述のように、外光L1の他の一部は電極2による吸収を受けずに積層半導体3へと入射することができる。したがって、電極2による吸収損失を低減できる。言い換えれば、太陽電池モジュール100の発電効率を向上することができる。
また、基板1が太陽電池モジュール100(より具体的には光電変換セル10)を保護する機能を発揮できるので、更なる保護部材を設ける必要はない。この場合には、製造コストを低減できる。もちろん、保護の向上などを目的として、基板1に新たな保護部材(例えば強化ガラスなど)を設けても構わない。
また、複数の太陽電池モジュール100をZ軸方向に重ねてもよい。かかる構造はタンデム構造とも呼ばれる。各太陽電池モジュール100の吸収波長帯域は、相互に異なっているとよい。これにより、第1の太陽電池モジュール100で吸収されない波長を有する光が、その次の第2の太陽電池モジュール100で吸収されて、発電に寄与する。これによれば、太陽電池モジュール100の全体としての発電効率を向上することができる。
<基板が設置面側となるように太陽電池モジュールを設置>
その一方で、基板1を上記構造とは反対側に向けた姿勢で、太陽電池モジュール100を設置してもよい。つまり、基板1が電極2に対して外光L1の入射側とは反対側に位置するように、太陽電池モジュール100を設置してもよい。この姿勢では、基板1は、太陽電池モジュール100が設置される設置面(例えば地面または屋根など)側に位置することになる。図7は、太陽電池モジュール100の構成の一例を概略的に示す断面図である。図7の例示では、封止層4およびカバー板5が設けられている。なお、封止層4およびカバー板5は、上述した構造に設けられていても構わない。
封止層4は電極2の一部および積層半導体3の上に位置している。より具体的には、封止層4は、積層半導体3の上の領域、および、溝P2における電極2の上の領域に、位置している。この封止層4は絶縁性を有しており、電極2および積層半導体3を封止する。また、基板1が電極2に対して設置面側に位置する場合、封止層4は透光性を有しているとよい。なぜなら、外光L1が封止層4を通過して積層半導体3へ入射するからである。このような封止層4としては、例えば共重合したエチレンビニルアセテート(EVA)を主成分とする樹脂、または、ポリビニルブチラール(PVB)を主成分とする樹脂などを採用できる。
カバー板5は板状の部材であって、封止層4の上に位置している。より具体的な一例として、カバー板5は封止層4の上の全面に位置していればよい。カバー板5は平面視において、例えば基板1と同程度の広さを有している。このカバー板5は、例えば、太陽電池モジュール100を保護するために設けられ得る。基板1が電極2に対して設置面側に位置する場合、カバー板5は透光性を有しているとよい。なぜなら、外光L1がカバー板5を通過して積層半導体3へ入射するからである。例えば、カバー板5の材料として、ガラス(例えば強化ガラス)を採用し得る。
このような太陽電池モジュール100は、例えば、図4のステップS1〜S4を実行した後に、封止層4およびカバー板5を形成することで、実現され得る。封止層4およびカバー板5の形成方法は任意の方法を採用すればよいものの、その一例について概説する。まず、電極2および積層半導体3が形成された基板1の上に、シート状の熱硬化性の封止材(例えばEVAシート)およびカバー板5を配置する。そして、この状態で周囲の圧力を低下させる。換言すれば、真空処理を施す。その状態で、熱を加えることで封止材を硬化させて、封止層4およびカバー板5を形成する。このような形成方法はラミネートとも呼ばれる。
基板1が電極2に対して設置面側に位置する場合には、外光L1は、カバー板5および封止層4を通過して、積層半導体3へと入射される。つまり外光L1は基板1および電極2を経由せずに、積層半導体3に入射される。そして、電極2は導電性を有することから、電極2の透光性は、例えば封止層4などに比して高めにくい。よって、基板1を電極2に対して外光L1の入射側とは反対側に向けて太陽電池モジュール100を設置すれば、太陽電池モジュール100の発電効率の向上できる。
またこの構造においては、外光L1は基板1および電極2を通過する必要がないので、基板1および電極2は透光性を有していなくてもよい。よって、基板1および電極2の材料選択性を向上することができる。
また、この構造においては、基板1は、光反射性を有する反射基板であってもよい。なお、ここでいう「光反射性」とは、吸収波長帯域の光についての反射性をいう。例えば、基板1が、吸収波長帯域についての光反射率の高い材料で形成されることで、反射基板を実現できる。例えば光反射率は数十%以上である。当該材料が例えば金属のように導電性を有する場合には、基板1は、表面1a側において、絶縁層を備えるとよい。電極2および積層半導体3はこの絶縁層の上に形成される。
基板1が光反射性を有していれば、外光L1のうち積層半導体3を通過した第1光が基板1において反射されて、再び積層半導体3へと入射される。また、外光L1のうち積層半導体3の相互間を通過する第2光も基板1において反射されて、積層半導体3へと入射される。
もし基板1および電極2が透光性を有するときには、この第2光は積層半導体3に入射されないので、光電変換に寄与しない。一方で、基板1が反射基板であれば、上述のように、この第2光も積層半導体3に入射される。よって、第2光も光電変換に寄与する。したがって、太陽電池モジュール100の発電効率を効果的に向上することができる。同様に、電極2は、反射性を有する反射電極であってもよい。例えば電極2として、高い光反射率を有する導電膜(例えば金属膜)を採用してもよい。
なお、タンデム構造を採用する場合、複数の太陽電池モジュール100がZ軸方向に積層される。よってこの場合、最下層の太陽電池モジュール100以外の太陽電池モジュール100の各々において、基板1および電極2は、より下層の太陽電池モジュールの吸収波長帯域についての透光性を有していているとよい。これによれば、外光は上層側の太陽電池モジュール100を通過して、下層の太陽電池モジュール100へと入射することができる。また、最下層の太陽電池モジュール100においては、基板1は反射基板であってもよく、および/または、電極2は反射電極であってもよい。反射の対象となる光の波長帯域は、複数の太陽電池モジュール100の吸収波長帯域に含まれる任意の帯域であってもよい。
<カバー板>
図7の太陽電池モジュール100によれば、カバー板5が太陽電池モジュール100を保護する機能を果たすことができる。例えばカバー板5として、強度の高い強化ガラスを採用し得る。よって図7の太陽電池モジュール100においては、基板1に保護機能を具備させる必要がない。したがって、基板1の材料選択性を向上することができる。
また、基板1の表面1aの表面粗さはカバー板5の表面粗さ(例えば封止層4側の表面の表面粗さ)よりも小さく設定されてもよい。基板1の表面1aの表面粗さを小さく設定することで、表面1aの上に形成される電極2および積層半導体3の膜厚の製造ばらつきを低減することができる。これによって、高品質な太陽電池モジュール100を製造することができる。
また、大きな表面粗さを有するカバー板5は、小さい表面粗さを有するカバー板に比べて安価である。したがって、太陽電池モジュール100の製造コストを低減することができる。
変形例.
上述の例では、積層半導体3がアモルファスシリコンで形成される場合の太陽電池モジュール100を述べたものの、積層半導体3はこれに限らない。以下では、積層半導体3の他の構成の例について説明する。
<ペロブスカイト太陽電池>
例えば積層半導体3として、ペロブスカイト太陽電池で用いる光電変換層を採用してもよい。以下、その具体例について説明する。
半導体31は、例えば、酸化ニッケル(II)(NiO)、チオシアン酸銅(I)(CuSCN)または酸化銅(I)(CuO)または有機半導体であってよい。有機半導体としては、例えば、[2,2',7,7'-テトラキス(N,N-ジ-p-メトキシフェニルアミノ)-9,9'-スピロビフルオレン](Spiro-OMeTAD)、ポリ[ビス(4-フェニル)(2,4,6-トリフェニルメチル)アミン](PTAA)、ポリ(3-ヘキシルチオフェン-2,5-ジイル)(P3HT)、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(4-スチレンスルホン酸塩)(PEDOT/PSS)を採用することができる。このような半導体31は例えば塗布法または蒸着法等によって形成され得る。この半導体31はいわゆる正孔輸送層としても機能する。
半導体33は、いわゆるペロブスカイト層であり、ペロブスカイト構造を有する化合物半導体を含んでいる。ここでいうペロブスカイト構造とは、ペロブスカイト(灰チタン石:CaTiO)の結晶構造である。以下、半導体33の一例について述べる。
半導体層33は、例えば、AMX(I)、AMX(II)、ANX(III)またはBMX(IV)の式で示されるペロブスカイト構造、あるいはこれらの式(I)、(II)、(III)、または(IV)の2種以上のペロブスカイト構造を含む混合物であればよい。なお式中、Aは、有機または無機の一価のカチオン(例えば、CH(NH)、CHNHまたはCs等)である。また、Bは、有機または無機の二価のカチオン(例えば、NH(CHNHまたはNH(CHNH等)である。また、Mは、Cu2+、Ni2+、Co2+、Fe2+、Mn2+、Cr2+、Pd2+、Cd2+、Ge2+、Sn2+、Pb2+、Eu2+、またはYb2+からなる群から選択される二価の金属カチオンである。また、Nは、Bi3+およびSb3+の群から選択される元素である。また、Xは、Cl、Br、I、NCS、CN、およびNCOから選択される元素である。
半導体33は例えば塗布法または蒸着法等によって形成され得る。この半導体33は光吸収層として機能する。
半導体32は、例えば、[6,6]-フェニル-C61-酪酸メチル(PCBM)、C60または酸化物半導体であってよい。酸化物半導体としては、例えば、酸化チタン(IV)(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム(III)(In)、酸化スズ(IV)(SnO)、または、酸化マグネシウム(MgO)を採用し得る。このような半導体32は例えば塗布法またはスパッタリング法等によって形成され得る。この半導体32は、いわゆるブロッキング層あるいは電子輸送層としても機能する。
半導体32,33の境界には、金属酸化物(例えば酸化チタン)の多孔膜が介在していてもよい。かかる多孔膜は、例えば、塗布法等によって形成し得る。
このような太陽電池モジュール100の製造工程においても、電極2を形成した後に、積層半導体3が形成される。よって、電極2を積層半導体3の上に形成する必要がない。したがって、電極2の形成条件についての制約が少なく、高品質に電極2を形成できる。ペロブスカイト層たる半導体33は熱および水分に対して脆弱であるので、半導体33の上に電極2を形成する必要がない本太陽電池モジュール100は特に好適である。また、積層半導体3の上に電極2を形成しなければ、積層半導体3の内部に欠陥が存在していたとしても、その欠陥に電極材料が入り込むことがなく、これに起因した電極2同士の短絡を回避できる。
<PN接合>
図8は、太陽電池モジュール100Aの構成の一例を概略的に示す断面図である。太陽電池モジュール100Aは、積層半導体3の構成という点で太陽電池モジュール100と相違する。太陽電池モジュール100Aにおいては、積層半導体3は半導体35,36を備えている。半導体35,36の導電型は互いに逆である。例えば半導体35としてp型の半導体が採用され、半導体36としてn型の半導体が採用され得る。半導体35,36の具体的な材料については後に詳述する。
積層半導体3は、太陽電池モジュール100と同様に、隣り合う一対の電極2の上に形成されている。積層半導体3Aについて説明すると、積層半導体3Aは電極2A,2Bの上に形成されている。
半導体35は一方の電極2と接しており、半導体36は他方の電極2と接している。図8の例においては、半導体36は他方の電極2のうち一方の電極2側の端部の上に位置している。積層半導体3Aについて説明すると、半導体36は、電極2Bのうち電極2A側の端部21Bの上に位置している。半導体36は、例えば、平面視において、Y軸方向に長い長尺状の形状(例えば長方形の形状)を有していてもよい。
半導体36は、図8に例示するように、他方の電極2の側面を覆っていてもよい。ここでいう側面は、一方の電極2と向かい合う側面である。積層半導体3Aについて説明すると、半導体36は、電極2Bの端部21Bの側面21bを覆っていてもよい。この側面21bは、電極2Aの端部21Aと向かい合う側面である。半導体36は、図8に例示するように、電極2Bの上面および側面21bに沿う略L字状の形状を有していてもよい。なお半導体36は、電極2Aとは離間している。また半導体36は溝P1において基板1に接触してもよい。
半導体35は一方の電極2および半導体36の上に位置している。より具体的には、半導体35は、一方の電極2のうち他方の電極2側の端部の上から、半導体36の上までの領域に位置している。積層半導体3Aについて説明すると、半導体35は、電極2Aのうち電極2B側の端部21Aの上から半導体36の上までの領域に位置している。半導体35は、例えば、平面視において、Y軸方向に長い長尺状の形状(例えば長方形の形状)を有していてもよい。この半導体35は光吸収層として機能できる。
半導体35は、図8に例示するように、一方の電極2の側面を覆っていてもよい。ここでいう側面は、他方の電極2と向かい合う側面である。積層半導体3Aについて説明すると、半導体35は、電極2Aの端部21Aの側面21aを覆っていてもよい。この側面21aは、電極2Bの端部21Bと向かい合う側面である。この場合、図8に例示するように、半導体36の一部が、一方の電極2(例えば電極2A)と半導体36との間に入り込む。つまり、半導体35は一対の電極2の間の溝P1において半導体36の側面を覆っている。また半導体35は溝P1において基板1に接触してもよい。
この構造においては、半導体36の+Z側の表面(上面)、および、これに接する半導体35の表面によるPN接合部のみならず、半導体36の側面、および、これに接する半導体35の表面によるPN接合部が形成される。前者のPN接合部は、主としてXY平面において広がり、後者のPN接合部は、主としてYZ平面において広がる。
これらのPN接合部に外光が入射すると、これらのPN接合部において光が吸収されて、電子および正孔が生成される。電子はn型の半導体36を経由して電極2へと流れ、正孔はp型の半導体35を介して電極2へと流れる。つまり、積層半導体3は光を吸収して発電する。これにより、一対の電極2の間に電流が流れる。なお、積層半導体3において、一対の電極2を繋ぐ電流経路上に、半導体35,36が介在することになる。
このような太陽電池モジュール100Aは、基板1に複数の電極2を形成した後で、積層半導体3を形成することによって、製造される。つまり、太陽電池モジュール100Aにおいても、電極2は積層半導体3の上に形成される必要がない。よって、電極2の形成条件についての制約が少なく、高品質に電極2を形成できる。また、電極2を積層半導体3の上に形成しなければ、たとえ積層半導体3の内部に欠陥が存在していたとしても、その欠陥に電極材料が入り込むことがなく、これに起因した電極2同士の短絡を回避することができる。
また図8の例においては、一対の電極2の間の溝P1において、半導体36の側面によるPN接合部が形成されている。よって、この一対の電極2の間の領域においても、積層半導体3は光電変換を行うことができる。したがって、太陽電池モジュール100の発電効率を向上することができる。
以下、半導体35,36の具体例について述べる。例えば半導体35,36は化合物半導体であってもよい。
<I-III-VI族化合物>
半導体35としては、例えば、カルコパイライト系の化合物半導体であるI−III−VI族化合物半導体等が採用され得る。I−III−VI族化合物半導体とは、I−III−VI族化合物を主に含む半導体である。なお、I−III−VI族化合物を主に含む半導体とは、半導体がI−III−VI族化合物を70mol%以上含むことを言う。I−III−VI族化合物は、I−B族元素(11族元素とも言う)とIII−B族元素(13族元素とも言う)とVI−B族元素(16族元素とも言う)とを主に含む化合物である。
I−III−VI族化合物としては、例えば、Cu(In,Ga)Se2(CIGSとも言う)、Cu(In,Ga)(Se,S)2(CIGSSとも言う)およびCuInSe2(CISとも言う)等が採用され得る。なお、Cu(In,Ga)Se2は、CuとInとGaとSeとを主に含む化合物である。また、Cu(In,Ga)(Se,S)2は、CuとInとGaとSeとSとを主に含む化合物である。
半導体35は、スパッタリング法または蒸着法等といった真空プロセスによって形成され得る。また、半導体35は、塗布法あるいは印刷法と称されるプロセスによっても形成され得る。
半導体36は例えば化合物半導体であってよい。具体的には、半導体36は、例えば、硫化インジウム(III)(In)、硫化カドミウム(CdS)、硫化亜鉛(ZnS)または酸化物半導体であってもよい。酸化物半導体としては、酸化チタン(IV)(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム(III)(In)、酸化スズ(IV)(SnO)、または、酸化マグネシウム(MgO)を採用できる。この半導体36は、化学浴槽堆積(CBD)法またはスパッタリング法などによって形成され得る。
積層半導体3の厚みは、例えば、10[nm]〜300[nm]に設定され得る。
<II-VI族化合物>
半導体35としては、例えば、II-VI族化合物半導体等が採用され得る。II−VI族化合物半導体とは、II−VI族化合物を主に含む半導体である。なお、II−VI族化合物を主に含む半導体とは、半導体がII−VI族化合物を70mol%以上含むことを言う。II-VI族化合物は、II族元素(2族元素または12族元素とも言う)とVI−B族元素(16族元素とも言う)とを主に含む化合物である。II-VI族化合物としては、例えばテルル化カドミウム(CdTe)等が採用され得る。この半導体35は例えば蒸着法などによって形成され得る。
半導体36は、例えば化合物半導体であってよい。具体的に、半導体36としては、例えば硫化カドミウム(CdS)等が採用され得る。この半導体36は例えば化学浴槽堆積(CBD)法またはスパッタリング法などによって形成され得る。
積層半導体3の厚みは、例えば、10[nm]〜300[nm]に設定され得る。
なお、化合物半導体としては、上記の他に、III-V族化合物半導体またはII-IV-V族化合物半導体を採用しても構わない。
また、積層半導体3は上述の構成に限らない。要するに、光を吸収して発電できる任意の構成を積層半導体3に採用すればよい。どのような積層半導体3を採用したとしても、本太陽電池モジュール100によれば、電極2を積層半導体3の上に形成する必要がないので、電極2を高品質に形成できるからである。
以上のように、太陽電池モジュールおよび太陽電池モジュールの製造方法は詳細に説明されたが、上記した説明は、全ての局面において例示であって、この開示がそれに限定されるものではない。また、上述した各種変形例は、相互に矛盾しない限り組み合わせて適用可能である。そして、例示されていない多数の変形例が、この開示の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
1 基板
2 電極
21A,21B 端部
21a,21b 側面
3 積層半導体
31,32,33,35,36 半導体
4 封止層
5 カバー板
S1〜S4 ステップ

Claims (10)

  1. 基板と、
    前記基板の上に位置し、互いに離間する第1および第2の電極と、
    前記第1の電極の上から前記第2の電極の上までの領域に位置する第1の積層半導体と
    を備え、
    前記第1の積層半導体は、
    前記第1の電極の上に位置する第1導電型の第1半導体と、
    前記第2の電極の上に位置する、第1導電型とは異なる第2導電型の第2半導体と
    を有する、太陽電池モジュール。
  2. 前記第1半導体は、前記第1の電極の側面のうち前記第2の電極と向かい合う側面を覆っており、
    前記第2半導体は、前記第2の電極の側面のうち前記第1の電極と向かい合う側面を覆っている、請求項1に記載の太陽電池モジュール。
  3. 前記第1の積層半導体は、i型の第3半導体を更に備え、
    前記第1半導体と前記第2半導体とは互いに離間しており、
    前記第3半導体は、前記第1半導体の上から前記第2半導体の上までの領域、および、前記第1半導体と前記第2半導体との間の領域に位置する、請求項2に記載の太陽電池モジュール。
  4. 前記基板の上において、前記第1および前記第2の電極と共に、相互に間隔を空けて並ぶ第3から第(N+1)(Nは2以上の整数)の電極と、
    前記第1の積層半導体と共に、相互に間隔を空けて並ぶ第2から第Nの積層半導体と
    を備え、
    第k(kは1,・・・,N)の積層半導体は、第kの電極のうち第(k+1)の電極側の第1端部の上から、第(k+1)の電極のうち第kの電極側の第2端部の上までの領域に位置しており、
    前記第1半導体は前記第1の電極の前記第1端部の上に位置し、
    前記第2半導体は前記第2の電極の前記第2端部の上に位置し、
    第k(kは2,・・・,N)の積層半導体は、
    前記第kの電極の前記第1端部の上に位置する第1導電型の半導体と、
    前記第(k+1)の電極の前記第2端部の上に位置する、第1導電型とは異なる第2導電型の半導体と
    を有する、請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の太陽電池モジュール。
  5. 前記第1の積層半導体の上に位置する封止層と、
    前記封止層の上に位置するカバー板と
    を備え、
    前記基板の前記第1および前記第2の電極側の表面の表面粗さは、前記カバー板の表面粗さよりも小さい、請求項1から請求項4のいずれか一つに記載の太陽電池モジュール。
  6. 前記基板、前記第1および前記2の電極は透光性を有しており、
    前記基板は、前記第1および前記2の電極に対して、外光の入射側に位置している、請求項1から請求項5のいずれか一つに記載の太陽電池モジュール。
  7. 前記基板は、前記第1および前記第2の電極に対して、外光の入射側とは反対側に位置している、請求項1から請求項5のいずれか一つに記載の太陽電池モジュール。
  8. 前記基板は反射基板である、請求項7に記載の太陽電池モジュール。
  9. 前記第1および前記第2の電極の各々は反射電極である、請求項7または請求項8に記載の太陽電池モジュール。
  10. 請求項1から請求項9のいずれか一つに記載の太陽電池モジュールを製造する方法であって、
    前記第1および前記第2の電極を前記基板の上に形成する第1工程と、
    前記第1工程の後に、前記第1の電極の上から、前記第2の電極の上までの領域に、前記第1の積層半導体を形成する第2工程と
    を備える、太陽電池モジュールの製造方法。
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