JP2018035401A - 攪拌融解装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】供給される対象物質を効果的に融解することができる攪拌融解装置を提供する。【解決手段】対象物質を加熱して融解する融解装置1であって、対象物質が装入され装入された対象物質が融解した融体Mを収容する融解槽2と、融解槽2の側壁2W近傍に設けられた、融体を加熱する加熱装置3と、融解槽2の中央部に配置された攪拌装置10と、を備えており、攪拌装置10が、融解槽2内の融体Mの液面SF近傍に融解槽2の中央部から側壁2Wに向かう流れが生じるように融体M内に軸流を発生させ得るものである。装入された対象物質は側壁2W近傍に向かって移動するので、対象物質を高温の融体Mや加熱装置3によって加熱しやすくなる。すると、装入された対象物質の温度を短時間で上昇させることができるので、対象物質を効率よく融解させることができる。【選択図】図1

Description

本発明は、攪拌融解装置に関する。さらに詳しくは、ニッケルやコバルトなどを含む金属硫化物から塩素ガスにより金属成分を浸出させる金属硫化物の塩素浸出に使用される攪拌融解装置に関する。
ニッケルやコバルトなどを製錬する方法として、塩素浸出電解採取法がある(特許文献1参照)。この方法によってニッケルを製錬する場合、以下の手順で行われる。
まず、ニッケル硫化物を主成分とするニッケルマットを粉砕した後、これを塩化物溶液に分散させてその中に塩素ガスを吹き込む。すると、ニッケルを含む有価金属が塩化物溶液中に浸出され、ニッケルを含むニッケル浸出液が生成される(塩素浸出)。このニッケル浸出液から銅、コバルト、鉄などの不純物を除去すると、塩化ニッケル溶液が生成される。そして、塩化ニッケル溶液から電解採取することによって、ニッケルが生産される。
かかる塩素浸出電解採取法では、塩素浸出の際に、塩素浸出残渣が発生する。この塩素浸出残渣は、硫黄が主成分であるものの、ニッケルやコバルト等の有価金属が5〜15%程度含まれる。このため、有価金属のロスを最小限に抑えるために、塩素浸出残渣から金属硫化物を回収し、この金属硫化物を塩素浸出工程内に戻すことが行われている。
塩素浸出残渣から金属硫化物を回収する工程では、塩素浸出残渣の硫黄分を融解してから固液分離装置で硫黄を濾別・回収するプロセスが実用化されている。具体的には、塩素浸出残渣を洗浄脱水した後、振動フィーダーを介して、装入部から塩素浸出残渣が攪拌融解装置の融解槽に装入される。融解槽内には蛇管が設けられており、塩素浸出残渣中の硫黄分が融解された融体が蛇管からの熱によって120〜160℃に加熱されている。このため、融解槽に装入された塩素浸出残渣が120〜160℃の融体と接触することによって装入された塩素浸出残渣中の硫黄分も融体となる。そして、生成された融体を固液分離処理すれば、融解した硫黄分から金属硫化物を固形分として分離して回収することができる(特許文献2参照)。
かかる攪拌融解装置では、融解槽内に設けられている蛇管は、通常、融解槽の壁面近傍に設けられているので、融体は壁面部よりも融解槽の中央部の温度が低くなる。塩素浸出残渣は融解槽の中央部近傍に装入されるため、融解槽内の温度を均一に保つためには、融解槽の中央部にある融体の温度をできるだけ高くすることが望ましい。このため、融解槽の中央部に攪拌装置を設けて、融解槽内に軸流を発生させて融体を攪拌している。そして、融解槽内の底部に融解せずに沈降した塩素浸出残渣が堆積することを防ぐために、融解槽の中央を下降して融解槽の壁面に沿って上昇する軸流が発生するように融体を攪拌している。つまり、融解槽内の底部に塩素浸出残渣が堆積しても、その塩素浸出残渣を蛇管近傍に移動させることによって塩素浸出残渣中の硫黄分が融解しやすくなるように、融体を攪拌している。
特開2005−248245号公報 特開平04−066627号公報
松島知夫、小野健二、"硫黄製錬に関する基礎的研究(第8報) 液体硫黄の粘性について 東北大學選鉱製錬研究所報告第300号 1959年8月31日
一方、上述したような軸流は底部に堆積した塩素浸出残渣中の硫黄分を融解させる上では好ましいが、融解槽に新たに装入される塩素浸出残渣は融解槽の中央部近傍に供給されるので、新たに装入された塩素浸出残渣は、軸流によって融解槽の中央部に向かって移動し、融解槽の中央部を下降することになる。新たに装入された塩素浸出残渣は低温であり、また、融解槽内の気相部の空気がガス洗浄塔(特許文献2参照)に向かう流れによって吸引されて蒸発した水分等と共に熱が運ばれるため、融解槽内における中央部の温度はより一層低下することになる。つまり、融解槽内の温度を均一に保つために形成した軸流の影響によって、融解槽内の温度差が大きくなってしまう可能性がある。すると、新たな塩素浸出残渣が融体に装入されても塩素浸出残渣中の硫黄分が十分に融解せず、塩素浸出残渣が融体の液面付近で堆積してしまう可能性がある。
一方、上述したような軸流を形成しても、融解槽内における中央部の融体の温度を塩素浸出残渣中の硫黄分が融解できる温度まで高くすることができれば、上述したような問題は解消できる可能性がある。つまり、蛇管から供給する熱量を多くして、融解槽内の融体の温度を全体的に高くすれば、上述したような問題を解消できる可能性がある。
しかし、融解槽内の融体の温度を全体的に高くするために蛇管から供給する熱量を多くした場合、融解槽の壁面近傍に位置する融体の温度がとくに高くなる。非特許文献1にも示されているように(図4参照)、硫黄は温度を上げすぎると粘性が高くなる。融体の粘性が高くなると、融体を攪拌しても十分な軸流を形成できなくなり、高温の融体を融解槽の中央部に供給できなくなる。すると、蛇管から供給する熱量を多くしても融解槽の中央部に位置する融体の温度は高くならず、上述した場合と同様に、塩素浸出残渣が融体の液面付近で堆積してしまう可能性がある。
本発明は上記事情に鑑み、供給される対象物質を効果的に融解することができる攪拌融解装置を提供することを目的とする。
第1発明の攪拌融解装置は、対象物質を加熱して融解する融解装置であって、対象物質が装入され該装入された対象物質が融解した融体を収容する融解槽と、該融解槽の側壁近傍に設けられた、前記融体を加熱する加熱装置と、前記融解槽の中央部に配置された攪拌装置と、を備えており、該攪拌装置が、前記融解槽内の前記融体の液面近傍に該融解槽の中央部から側壁に向かう流れが生じるように前記融体内に軸流を発生させ得るものであることを特徴とする。
第2発明の攪拌融解装置は、第1発明において、前記攪拌装置が、前記融解槽の中央部に配置された回転軸と、該回転軸の軸方向に沿って互いに間隔を空けて設けられた複数の攪拌翼と、を備えており、前記複数の攪拌翼のうち、前記融解槽内の前記融体の液面近傍に位置する攪拌翼が、前記融解槽の中央部から側壁に向かう流れを増速する機能を有するものであることを特徴とする。
第3発明の攪拌融解装置は、第2発明において、前記対象物質を装入する装入部が設けられており、前記攪拌装置における前記融体の液面近傍に位置する攪拌翼は、その翼の先端が前記装入部よりも前記融解槽の中央側に位置する長さに形成されていることを特徴とする。
第1発明によれば、装入された対象物質は側壁近傍に向かって移動するので、対象物質を高温の融体や加熱装置によって加熱しやすくなる。すると、装入された対象物質の温度を短時間で上昇させることができるので、対象物質を効率よく融解させることができる。そして、対象物質を効率よく融解させることによって、低温の領域に対象物質が堆積するなどの問題が生じることを防ぐことができる。
第2発明によれば、装入された対象物質を壁面近傍の加熱装置に短時間で接近させることができるので、対象物質の融解を促進することができる。
第3発明によれば、装入された対象物質が攪拌翼に接触する可能性を低くすることができる。また、融体の流速が速くなっている領域に対象物質が装入される状態になるので、対象物質の移動を移動させやすくなる。
本実施形態の攪拌融解装置1の概略説明図である。 実施例1のシミュレーション結果を示した図であり、(A)は融解槽の縦断面の流線の計算結果であり、(B)は融体液面の温度分布の計算結果である。 比較例1のシミュレーション結果を示した図であり、(A)は融解槽の縦断面の流線の計算結果であり、(B)は融体液面の温度分布の計算結果である。 硫黄の温度と粘性の関係を示した図である。
本発明の攪拌融解装置は、固形の対象物質を融解する装置であって、対象物質を効果的に融解することができるようにしたことに特徴を有している。
本発明の攪拌融解装置が使用される設備や融解する対象物質はとくに限定されない。例えば、塩素浸出電解採取法によってニッケルを製造する設備において、塩素浸出残渣から金属硫化物を回収するために塩素浸出残渣を融解する攪拌融解装置として、本発明の攪拌融解装置を使用することができる。この場合には、攪拌融解装置において融解する対象物質が塩素浸出残渣になる。また、非鉄金属回収等の設備において、鉛、錫などの低融点金属を融解する攪拌融解装置として、本発明の攪拌融解装置を使用することができる。
以下の説明では、融解する対象物質が塩素浸出残渣である攪拌融解装置に本発明の攪拌融解装置を使用する場合を代表として説明する。
(本実施形態の攪拌融解装置1の概略説明)
図1に示すように、本実施形態の攪拌融解装置1は、融解槽2と、融解槽2内に配置された加熱装置3および攪拌装置10と、融解槽2に対象物質Sである塩素浸出残渣(以下塩素浸出残渣Sという)を供給する装入部5と、を備えている。
(融解槽2)
融解槽2は、上部に開口を有する中空な有底筒状の部材である。この融解槽2は、塩素浸出残渣S中の硫黄分が融解した融体Mを収容するものである。この融解槽2は、上部に天板2aが設けられており、この天板2aによって開口が塞がれている。この天板2aには、装入部5が取り付けられており、装入部5の排出口5hから塩素浸出残渣Sが融解槽2内に供給されるようになっている。
なお、図示しないが、融解槽2には、塩素浸出残渣Sが融解された融体Mが排出される排出口を有しており、この排出口から融体Mが次工程に供給されるようになっている。
また、装入部5には、振動フィーダー等から塩素浸出残渣Sが供給されるようになっているが、装入部5に塩素浸出残渣Sを供給する方法はとくに限定されない。
さらに、融解槽2の形状はとくに限定されないが、熱効率を向上させる上では丸型よりも融解槽2の水平断面あたりの蛇管などの加熱装置3の表面積を大きくとることができるので、断面が角型の槽が望ましい。また、融解槽2を角型の槽とした場合には、複数の融解槽2を並べて設置する場合に設置面積を小さくできるし、融解槽2と周囲の機器などの間に隙間(デッドスペース)ができないように設置できるという利点もある。
(加熱装置3)
図1に示すように、融解槽2の側壁2Wの近傍には、蛇管や電熱ヒーター等の加熱装置3が設けられている。この加熱装置3は、融解槽2の側壁2Wの内面に沿って攪拌装置10を囲むように配設されており、融体Mをその周囲から加熱できるようになっている。
(攪拌装置10)
図1に示すように、融解槽2内のほぼ中央部には、攪拌装置10が設けられている。この攪拌装置10は、塩素浸出残渣Sの融解を効果的に進行させかつ融体Mの温度を均一に近づけるために、融解槽2内の融体Mを攪拌するものである。この攪拌装置10は、融解槽2内のほぼ中央部に配置された回転軸11を備えている。この回転軸11の一端(図1では上端)は天板2aから外方に突出しており、モータ等の駆動源15に連結されている。また、回転軸11には、その軸方向に沿って複数段(図1では3段)の攪拌翼12(図1では攪拌翼12a〜12c)が設けられている。このため、駆動源15によって回転軸11を回転させれば、回転軸11に設けられた複数段の攪拌翼12によって融解槽2内の融体Mを攪拌することができる。
以上のような構成であるので、加熱装置3によって融解槽2内の融体Mを加熱しつつ攪拌装置10によって融体Mを攪拌すれば、融体Mを順次加熱装置3に接触させることができる。すると、融体Mを順次加熱できるので、融解槽2内の融体Mをある程度の温度(具体的には融体Mの状態を維持できる温度)に維持することができる。
そして、融解槽2内に塩素浸出残渣Sを装入すれば、融体Mは塩素浸出残渣Sよりも高温になっているので、塩素浸出残渣Sは融体Mと接触し混合することによって加熱される。すると、装入された塩素浸出残渣S中の硫黄分を融解槽2において溶融させることができる。
(攪拌装置10の説明)
ここで、融解槽2内に塩素浸出残渣Sを装入して融体Mと塩素浸出残渣Sとが接触すれば、融体Mによって塩素浸出残渣Sが加熱される代わりに、融体Mの温度が低下する。この温度低下は塩素浸出残渣Sが装入される融体Mの液面SFにおいて最も大きくなる。融体Mの液面SFは気体と接触しており、融体Mの内部よりも温度が低くなっている。塩素浸出残渣Sの装入によってさらに融体Mの液面SFの温度が低下すると、装入された塩素浸出残渣S中の硫黄の融解に時間がかかり、塩素浸出残渣S中の硫黄の融解効率が低下してしまう可能性がある。
そこで、本実施形態の攪拌融解装置1では、攪拌装置10により融体M内に形成される融体Mの流動を調整し、融体Mの液面SFの温度低下を抑えることによって、塩素浸出残渣S中の硫黄の融解効率の低下を防止している。
具体的には、本実施形態の攪拌融解装置1の攪拌装置10では、融体Mの液面SF近傍では、融解槽2の中央部から側壁2Wに向かう流れが生じるように融体内に軸流を発生させ得る攪拌翼12が採用されている。より詳しく言えば、攪拌装置10には、回転軸11が回転すると、融解槽2の中央部に融解槽2の底から回転軸11の軸方向に沿った上昇流が発生し、その上昇流が融体Mの液面SFにおいて融解槽2の中央部から側壁2Wに向かうように流れ、その後、側壁2Wと融解槽2の底に沿って流れて融解槽2の底部中央に戻るような軸流が発生する攪拌翼12が採用されている(図1の矢印参照)。
上述したような軸流を融体2内に発生させることができれば、装入された塩素浸出残渣Sは融体Mに混合すると同時に融解槽2の側壁2W近傍に向かって移動する。融解槽2の側壁2W近傍には加熱装置3が設けられており、また、融解槽2の側壁2W近傍の融体2は比較的温度が高くなっている。
したがって、装入された塩素浸出残渣Sを迅速に融解槽2の側壁2Wの近傍に移動させれば、装入された塩素浸出残渣Sに融体Mから供給される熱量が大きくなるので、装入された塩素浸出残渣Sの温度を短時間で上昇させることができる。したがって、塩素浸出残渣S中の硫黄分の温度も短時間で上昇するから、塩素浸出残渣S中の硫黄分を効率よく融解させることができる。
また、図1のような軸流は通常の対流と逆向きに流れるようになるので、加熱装置3によって加熱された融体Mは比重差により温度が低い融体が溜まりやすい融解槽2の底部に移動する。したがって、融解槽2内において低温の融体2と高温の融体2の混合を促進できるので、融解槽2内の融体M全体の温度を均一に保ちやすくなる。
(最上段の攪拌翼12aについて)
とくに、攪拌装置10において、最上段の攪拌翼12a、つまり、複数の攪拌翼12a〜12cのうち融解槽2内の融体Mの液面SF近傍に位置する攪拌翼12aは、融解槽2の中央部から側壁2Wに向かう流れを増速する機能を有する形状に形成されていることが望ましい。かかる形状とすれば、装入された塩素浸出残渣Sを融解槽2の壁面2W近傍の加熱装置3の位置まで短時間で移動させることができる。すると、塩素浸出残渣Sの温度を速く上昇させることができるので、塩素浸出残渣S中の硫黄分の融解を促進することができる。
上記機能を有する攪拌翼12aとしては、例えば、パドル型やプロペラ型、タービン型等が好ましい。しかし、融体Mの液面SF近傍における融解槽2の中央部から側壁2Wに向かう融体Mの流れを増速することができるのであれば、上記のごとき形状のものに限定されない。
(装入部5との相対的な位置)
なお、最上段の攪拌翼12aの大きさ、つまり、攪拌翼12aの翼の長さはとくに限定されない。しかし、装入部5から固形の塩素浸出残渣Sが装入されるので、装入された塩素浸出残渣Sが直接接触しないようになっていることが望ましい。例えば、装入部5の排出口5hよりも融解槽1の中央側に攪拌翼12aの翼の先端が位置する程度の長さとすれば、装入された塩素浸出残渣Sが直接攪拌翼12aの翼に接触しないようにすることができる。しかも、攪拌翼12aよりも先端側、つまり、融解槽2の側壁2W側では、融解槽2の中央部よりも融体Mの流れが増速されているので、塩素浸出残渣Sを融解槽1の側壁2Wに向けて移動させやすくなる。
(攪拌装置について)
図1では、攪拌装置10の回転軸11に3段の攪拌翼12a〜12cが設けられている場合を記載しているが、回転軸11に設ける攪拌翼の段数はとくに限定されない。例えば、1段や2段でもよいし4段以上でもよい。攪拌翼の段数は、融解槽内全体で融体Mの循環が良好となるように決定すればよい。一般的には、融解槽2の高さHと攪拌翼12の直径Dの比(H/D)が大きくなるほど段数を増すほうがよい。
また、攪拌翼の形状も上述したような融体Mの流れを形成できるものであれば、とく限定されない。例えば、プロペラや傾斜パドル等の攪拌翼を使用すれば、上述したような融体Mの流れ(軸流)を形成しやすくなる。また、フラットパドルや渦巻き型等の攪拌翼を使用すれば、上述したような融体Mの液面SFにおいて、融解槽2の中央部から側壁2Wに向かう流れを増速しやすくなる。
また、攪拌装置は、上述したような回転軸に複数の攪拌翼が設けられているものに限られず、アンカー翼やリボン型翼等を使用してもよい。上述したような融体Mの流れを形成できるものであればよい。
本発明の攪拌融解装置の効果を確認するために、塩素浸出残渣を装入しながら融解槽内の融体を加熱攪拌した場合の融解槽内の融体の流れと融体の液面の温度分布を数値シミュレーションによって確認した。
使用したモデルは、図1のように融解槽の中央に攪拌装置が設けられ、融解槽の側壁に沿って加熱装置として蛇管が設けられたものである。モデル各部のスペックは以下のとおりである。

1)融解槽
断面形状 :正方形
一辺の長さ:3900mm
高さ :3000mm

2)攪拌翼(最上段)
翼型 :傾斜パドル型
外径 :1000mm
高さ :78mm
羽根幅 :100mm
翼の傾き:45度

3)攪拌翼(中段)
翼型 :プロペラ型
外径 :1400mm
高さ :190mm
羽根幅 :400mm
翼の傾き:24度

4)攪拌翼(最下段)
翼型 :プロペラ型
外径 :1400mm
高さ :190mm
羽根幅 :400mm
翼の傾き:24度

5)蛇管表面温度:135℃
数値シミュレーションは、ANSYS社製汎用流体計算ソフトCFXを用いて行った。計算では、装入する塩素浸出残渣の量は装入口一つあたり115kg/分とし、装入する残渣の温度は20℃とした。塩素浸出残渣のニッケル粒子、硫黄、水の混合物を想定した比重1800kg/m3の均質スラリーとした。また、攪拌装置の回転数は104rpmとした。
結果を図2、図3に示す。
なお、図2(B)、図3(B)において、図中の3つの□は塩素浸出残差の投入位置(装入口の位置)を示している。
図2(A)に示すように、実施例1では、図1の矢印に示すような軸流が発生し、融体の液面付近の流速が2m/sec程度となっている。融解槽の側壁付近の蛇管回りの流速も1m/sec程度と良好で、融解槽全体で融体がよどみなく攪拌されていることがわかる。
図2(B)に示すように、融体の液面の温度は比較的流速の遅い中央部でも温度低下がなく、融体の液面全体でほぼ均一な温度であることが確認できる。
図3は比較例1の結果であるが、比較例1は、実施例1とまったく同じ構成の攪拌装置を使用し、回転軸の回転方向を反転させた場合である。つまり、実施例1と逆方向に対流る軸流を発生させた場合である。
図3(A)に示すように、比較例1では、塩素浸出残差の投入位置において、融体の液面付近の流速が1m/sec以下であり、装入された塩素浸出残差が未融解のまま液面に堆積する恐れが高いことがわかる。
図3(B)は、図3(A)と同じ条件で計算した融体の液面の温度の計算結果であるが、流速の遅い中央部での温度低下が著しく、液面中央部での融解が良好に進まない可能性が高いことが推測される。
以上の結果より、本発明の攪拌融解装置では、塩素浸出残渣を装入しても融体の液面での温度低下や未融解の塩素浸出残渣が堆積する可能性を低くできることが確認された。
本発明の攪拌融解装置は、塩素浸出残渣のような固形物を融解する攪拌融解装置に適している。
1 攪拌融解装置
2 融解槽
3 加熱装置
5 装入部
10 攪拌装置
11 回転軸
12 攪拌翼
M 融体
SF 液面
S 塩素浸出残渣

Claims (3)

  1. 対象物質を加熱して融解する融解装置であって、
    対象物質が装入され該装入された対象物質が融解した融体を収容する融解槽と、
    該融解槽の側壁近傍に設けられた、前記融体を加熱する加熱装置と、
    前記融解槽の中央部に配置された攪拌装置と、を備えており、
    該攪拌装置が、
    前記融解槽内の前記融体の液面近傍に該融解槽の中央部から側壁に向かう流れが生じるように前記融体内に軸流を発生させ得るものである
    ことを特徴とする撹拌融解装置。
  2. 前記攪拌装置が、
    前記融解槽の中央部に配置された回転軸と、
    該回転軸の軸方向に沿って互いに間隔を空けて設けられた複数の攪拌翼と、を備えており、
    前記複数の攪拌翼のうち、前記融解槽内の前記融体の液面近傍に位置する攪拌翼が、前記融解槽の中央部から側壁に向かう流れを増速する機能を有するものである
    ことを特徴とする請求項1記載の撹拌融解装置。
  3. 前記対象物質を装入する装入部が設けられており、
    前記攪拌装置における前記融体の液面近傍に位置する攪拌翼は、
    その翼の先端が前記装入部よりも前記融解槽の中央側に位置する長さに形成されている
    ことを特徴とする請求項2記載の撹拌融解装置。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111036102A (zh) * 2020-01-17 2020-04-21 长垣县源宏包装新材料有限公司 一种聚酯改性单体加热熔融装置

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