JP2018034328A - 成形用型ロール及びフィルムの製造方法 - Google Patents

成形用型ロール及びフィルムの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高い生産性を有する成形用型ロールの提供。
【解決手段】円筒状のロール本体(1)と、ロール本体(1)の外周面を覆う円筒状のスタンパ(9)と、ロール本体(1)の内側に設けられているロール径拡大手段(2、5)とを備える。ロール本体(1)は、ロール本体(1)の軸(X1)に沿う方向に延びる隙間と、隙間を挟む一端部(1a)と他端部(1b)と、を有する。ロール径拡大手段(2、5)は、ロール本体(1)の隙間を押し広げるように、ロール本体(1)の内周面を押すことによって、ロール本体(1)の径(R)を拡大する。
【選択図】図1

Description

本発明は成形用型ロール及びフィルムの製造方法に関する。
スタンパを外周面に有する成形用型ロールが利用されている。例えば、特許文献1では、母体ロールと、その母体ロールの外周面に貼り付けられた複数の板状スタンパとを含む成形ロールが開示されている。
特開平03−245330号公報
成形用型ロールの外周面において、スタンパが円周方向に継ぎ目の無い、すなわち、連なっている場合、成形面の表面形状をフィルムなどの被転写物に連続的に転写することができ、高い生産性で被転写物を生産することができる。しかし、特許文献1で開示される成形用ロールは、その外周面上において板状スタンパ同士の間において継ぎ目を無くすことが困難であった。
本発明は、高い生産性を有する成形用型ロールを提供する。
本発明にかかる成形用型ロールは、
円筒状のロール本体と、
前記ロール本体の外周面を覆う円筒状のスタンパと、
前記ロール本体の内側に設けられているロール径拡大手段と、を備え、
前記ロール本体は、前記ロール本体の軸に沿う方向に延びる隙間と、前記隙間を挟む一端部と他端部と、を有し、
前記ロール径拡大手段は、前記ロール本体の前記隙間を押し広げるように、前記ロール本体の内周面を押すことによって、前記ロール本体の径を拡大する。
また、前記ロール径拡大手段は、前記一端部と、前記他端部とをそれぞれ押すことによって、前記ロール本体の径を拡大することを特徴としてもよい。
このような構成によれば、成形面の表面形状をフィルムなどの被転写物に連続的に転写することができ、高い生産性で被転写物を生産することができる。
また、前記ロール本体の前記内側に配置されるロール径保持部をさらに含み、前記ロール径保持部は、前記一端部と前記他端部とを押し当てることによって、前記ロール本体の径を保持することを特徴としてもよい。
このような構成によれば、ロール本体の径を保持して、安定して高い生産性で被転写物を生産することができる。
また、前記ロール径拡大手段は、ターンバックルであることを特徴としてもよい。また、前記ロール径拡大手段は、空気圧シリンダであることを特徴としてもよい。
他方、本発明にかかるフィルムの製造方法は、上記した本発明にかかる成形用型ロールを用いて、前記スタンパの表面形状が転写されたフィルムを製造する。
本発明によれば、高い生産性を有する成形用型ロールを提供する。
実施の形態1にかかる成形用型ロールの側面図である。 実施の形態1にかかる成形用型ロールの正面図である。 実施の形態1にかかる成形用型ロールの要部の側面図である。 実施の形態1にかかる成形用型ロールの要部の正面図である。 実施の形態1にかかる成形用型ロールの要部の側面図である。 フィルムの製造方法を示す図である。 実施の形態2にかかる成形用型ロールの要部の側面図である。 実施の形態2にかかる成形用型ロールの要部の正面図である。
実施の形態1.
図1〜図5を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は、実施の形態1にかかる成形用型ロールの側面図である。図2は、実施の形態1にかかる成形用型ロールの正面図である。図3及び図5は、実施の形態1にかかる成形用型ロールの要部の側面図である。図4は、実施の形態1にかかる成形用型ロールの要部の正面図である。
図1及び図2に示すように、成形用型ロール10は、ロール本体1と、ターンバックル2と、ロール径保持部3と、円筒スタンパ9とを含む。なお、図1では、分かり易くするために、ターンバックル2の図示を省略した。
ロール本体1は、回転軸X1を中心とする外径Rの円筒体であり、例えば、鉄鋼材料などの金属材料からなる。鉄鋼材料として、例えば、JIS G3445に定められるSTKM(機械構造用炭素鋼鋼管)が挙げられる。ロール本体1は、回転軸X1に沿って略一直線に分割されている。言い換えると、ロール本体1は、回転軸X1に沿って延びる隙間を有し、端部1a、1bを有する。この隙間は、端部1aと端部1bとの間にある。ロール本体1は、与えられる力に応じて、その外径Rを拡大又は縮小するように、弾性変形可能な材料からなるとよい。また、外径、厚み及び長さ等のロール本体1の形状及びサイズは、適宜変更してもよい。ロール本体1は、レーザーを円筒体に照射して、隙間を形成することによって製造してもよいし、所定の厚みを有する平板を円筒状に曲げ加工することによって製造してもよい。また、ロール本体1は、フィルムの製造方法に必要な機械的強度を備えており、必要に応じて、表面処理を施してもよい。このような表面処理としては、例えば、ハードクロムメッキ処理等が挙げられる。
図3に示すように、ターンバックル2は、ロール本体1の隙間を跨ぐように、ロール本体1の内側に設けられている。ターンバックル2は、具体的には、ロール本体1の内周面に設けられているとよい。ターンバックル2は、支持部21、22と、オネジ部23、24と、胴部25とを含む。
支持部21は、ロール本体1の端部1aに設けられており、支持部22は、ロール本体1の端部1bに設けられている。図3に併せて図4を参照すると、オネジ部23は、支持部21に回転可能に支持されており、オネジ部24は、支持部22に回転可能に支持されている。オネジ部23は、回転軸X1と略平行な回転軸X2を中心に回転するとよい。また、オネジ部24は、回転軸X1と略平行な回転軸X3を中心に回転するとよい。オネジ部23、24は、それぞれオネジ23a、24aを有する。オネジ23aは、オネジ24aと反対方向に巻くとよい、又は、ねじ切りされているとよい。胴部25は、メネジ25aと、メネジ25bと、把持部25cとを有する筒状体である。メネジ25aは、胴部25の一端に設けられ、メネジ25bは、胴部25の他端に設けらていれる。把持部25cは、メネジ25aとメネジ25bとの間に設けられている。メネジ25a、25bは、それぞれオネジ23a、24aと締結される。把持部25cは、把持しやすい形状を有し、例えば、胴部25の外周面上において、複数の平面を有する。レンチやスパナなどの把持具を用いて把持部25cを把持すると、胴部25を、その軸を中心に容易に回転させることができる。
胴部25を回転させると、メネジ25a、25bが回転し、オネジ部23とオネジ部24とが胴部25から離間する、又は、接近する。これによって、支持部21、22を介してロール本体1の端部1aと端部1bとの距離が調整されて、ロール本体1の隙間を拡大する、又は、縮小する。また、ロール本体1の隙間の拡大又は縮小によって、ロール本体1の外径Rを拡大させる、又は、縮小させる。ロール本体1の外径Rは、円筒スタンパ9の内径と同じ、又は、わずかに大きいとよい。ロール本体1の外径Rは、後述するフィルムの製造方法において、円筒スタンパ9の成形面をフィルムに押し当てやすくなるような大きさとなるように調整されるとよい。ターンバックル2は、ロール本体1の隙間を押し広げるように、ロール本体1の内周面を押すことによって、ロール本体1の外径Rを拡大することができる。具体的には、ターンバックル2は、端部1aと、端部1bとをそれぞれ押すことによって、ロール本体1の外径Rを拡大してもよい。
図2では、ターンバックル2は、ロール本体1の内周面に3つ設けられているが、適宜、ターンバックル2はロール本体1の内周面に1つ、2つ、又は、4つ以上設けられていてもよい。
図1を参照すると、ロール径保持部3は、支持部31、32と、胴部33と、押し当てネジ34とを含む。
ロール径保持部3は、ロール本体1の内側に配置されている。具体的には、支持部31は、ロール本体1の端部1aに設けられており、支持部32は、ロール本体1の端部1bに設けられている。支持部31、32は、それぞれ、回転軸X1と略平行な軸31a、32aを有する。
胴部33の一端は、胴部33の長手方向(ここでは、Z軸方向)に移動可能、及び、回転可能に支持部31に支持されている。図1に併せて図5を参照すると、具体的には、胴部33は、その一端に孔33aを有し、孔33aは、軸31aが挿入可能な大きさを有する。また、胴部33の長手方向における孔33aの長さL1は、軸31aの直径よりも長い。長さL1は、ロール本体1の外径Rの拡大及び縮小に応じて、決定するとよい。
胴部33の他端は、胴部33の長手方向(ここでは、Z軸方向)に移動可能、及び、回転可能に支持部32に支持されている。具体的には、胴部33は、その他端に孔33bを有し、孔33bは、軸32aが挿入可能な大きさを有する。また、胴部33の長手方向における孔33bの長さL2は、軸32aの直径よりも長い。長さL2は、ロール本体1の外径Rの拡大及び縮小に応じて、決定するとよい。
胴部33は、メネジ33cを孔33aと孔33bとの間に有し、メネジ33cは胴部33の長手方向と交差する方向(ここでは、例えば、Y軸方向)に延びて、胴部33を貫通するように設けられている。
押し当てネジ34は、メネジ33cに嵌め合わされており、回転させることで、その軸方向(ここでは、Y軸方向)に移動することができる。押し当てネジ34は、ロール本体1の内周面に向かって突き出ている。ナット35が押し当てネジ34に締結されている。ナット35を用いて、押し当てネジ34の緩みを抑制することによって、押し当てネジ34の位置を固定してもよい。
図1に示すように、ガイドプレート4は、凹部4aを有する板状体である。ガイドプレート4は、端部1a、端部1bとの間を塞ぐように、ロール本体1の内周面上に配置されている。また、ガイドプレート4は、凹部4aがロール径保持部3の押し当てネジ34と接触するように、ロール本体1の内周面上に配置されている。ガイドプレート4は、押し当てネジ34から、ロール本体1の内周面へに向かって、所定の圧力で押し当てられていてもよい。押し当てネジ34によるガイドプレート4への圧力は、後述するフィルムの製造方法において、円筒スタンパ9の成形面をフィルムに押し当てたときに、端部1a、端部1bが円形状を保持することができるように調整されるとよい。
円筒スタンパ9は、ロール本体1の外径Rと同じ、又は、外径Rよりも大きい内径を有する円筒状体であり、円筒スタンパ9の外周面は、成形面を有する。成形面は、例えば、微細凹凸パターンを有し、その深さは、例えば、0.1〜100μmである。微細凹凸パターンは、複雑な3次元形状を含み、例えば、シリンドリカルレンズ、プリズムレンズ、マイクロレンズである。円筒スタンパ9は、ロール本体1の外周面を覆うように、ロール本体1に装着される。円筒スタンパ9は、例えば、金属材料からなる。このような金属材料として、Niが挙げられる。円筒スタンパ9は、1枚の矩形状の板状スタンパを丸めて、その端部同士を突き合わせて溶接することによって形成してもよいし、矩形状の板状スタンパ2枚の端部同士を溶接したりすることによって形成してもよい。
ここで、胴部25を回転させることで、ロール本体1の外径Rを拡大させる。ロール本体1の外径Rを拡大させることで、ロール本体1と円筒スタンパ9との密着性を高める。また、押し当てネジ34を回転させることで、ガイドプレート4をロール本体1の端部1a、1bに押し当てる。ロール本体1の端部1a、1bは、ロール本体1の回転軸X1へ向かう方向(ここでは、Y軸方向)に圧力を与えられても、変形しにくい。
(フィルムの製造方法)
次に、図6を用いて、実施の形態1にかかる成形用型ロールを用いたフィルムの製造方法について説明する。このフィルムの製造方法は、ロールトゥロール成形とも称してもよい。図6は、フィルムの製造方法を示す図である。
図6に示すように、まず、成形用型ロール10と、1対のロール73、74とを対向させる。円筒スタンパ9は、例えば、平面部9aと、凹部又は凸部9bとを有する。凹部又は凸部9bは、平面部9a上において、所定のパターンで配置されていてもよく、例えば、微細凹凸パターンを構成してもよい。図6に示す円筒スタンパ9の一例は、平面部9aと、凹部9bとを有する。
続いて、UV(Ultraviolet)ランプ75を、1対のロール73、74との間に配置する。より具体的には、UVランプ75は、所定の方向に紫外線を照射する。UVランプ75の向きは、その紫外線が成形用型ロール10の外周面に照射されるように、調整されている。
続いて、成形用型ロール10と、1対のロール73、74との間に、紫外線硬化性樹脂63を塗布したベースフィルム64を挟み込む。紫外線硬化性樹脂63及びベースフィルム64は、被転写物の一例である。ここで、図1に示すように、ガイドプレート4がロール本体1の端部1a、1bに押し当てているため、紫外線硬化性樹脂63及びベースフィルム64がロール本体1の端部1a、1bに圧力を与えても、端部1a、1bは変形しにくい。したがって、ロール本体1は、断面において、特に端部1a、1bで、外径Rを保持することができる。また、ロール本体1は、円筒形状を維持することができる。成形用型ロール10は、安定して紫外線硬化性樹脂63及びベースフィルム64に押圧することができる。
さらに、紫外線硬化性樹脂63及びベースフィルム64を成形用型ロール10と1対のロール73、74との間を通過させつつ、紫外線をUVランプ75から紫外線硬化性樹脂63及び円筒スタンパ9へ照射させることで、紫外線硬化性樹脂63を円筒スタンパ9の表面形状を転写させる。すると、紫外線硬化性樹脂63には、ベース層63aと、微細構造部63bとが形成されるため、微細構造付き樹脂フィルム60が形成される。微細構造部63bは、凹部9bが反転した形状と同じ形状を有する。
以上、実施の形態1にかかる成形用型ロールによれば、ロール本体の径を調節して、円筒状のロール本体と、円周方向に継ぎ目の無い、連続した円筒スタンパとの密着性を高めることができる。これによって、継ぎ目の無い円筒スタンパの成形面を被転写物に押し当て、成形面の表面形状を被転写物に連続的に転写できる。したがって、生産性が高い。
また、実施の形態1にかかる成形用型ロールによれば、ガイドプレートをロール本体の隙間へ押し当てて、ロール本体の径を保持することができる。そのため、安定して高い生産性で被転写物に転写することができる。
実施の形態2.
次に、図7及び図8を用いて、実施の形態2にかかる成形用型ロールについて説明する。図7は、実施の形態2にかかる成形用型ロールの要部の側面図である。図8は、実施の形態2にかかる成形用型ロールの要部の正面図である。実施の形態2にかかる成形用型ロールは、ターンバックルの代わりに空気圧シリンダを含むところを除いて、実施の形態1にかかる成形用型ロールと共通する構成を有する。その共通する構成については説明を省略し、異なる構成について説明する。
図7及び図8に示すように、成形用型ロール20(不図示)は、空気圧シリンダ5を含む。空気圧シリンダ5は、ロッド51、52と、シリンダ本体53とを含む。空気圧シリンダ5は、ロール本体1の内側に配置されている。ロッド51は、ロール本体1の一方の端部1aに設けられており、他方の端部1bに向かって延びる。ロッド52は、ロール本体1の他方の端部1bに設けられており、一方の端部1aに向かって延びる。シリンダ本体53は、ロッド摺動孔53a、53bと、把持部53cとを有する。ロッド摺動孔53aは、シリンダ本体53の一端に設けられており、ロッド摺動孔53bは、シリンダ本体53の他端に設けられている。ロッド摺動孔53aは、ロッド51が摺動可能に挿入されており、ロッド摺動孔53bは、ロッド52が摺動可能に挿入されている。把持部53cは、ロッド摺動孔53aとロッド摺動孔53bとの間に配置されている。把持部53cは、把持しやすい形状を有し、例えば、シリンダ本体53の外周面上において、複数の平面を有する。シリンダ本体53は、空気吸入口(図示略)を有し、空気吸入口から空気を送り入られて、ロッド51、52をシリンダ本体53から離れる方向(ここでは、+Z軸方向又は−Z軸方向)にそれぞれ押し出すことができる。所定の圧力に到達した後、空気送入口を閉じることで、ロッド51、52のシリンダ本体53に対する相対的な位置を維持することができる。空気圧シリンダ5は、ロール本体1の隙間を押し広げるように、ロール本体1の内周面を押すことによって、ロール本体1の外径Rを拡大することができる。具体的には、空気圧シリンダ5は、端部1aと、端部1bとをそれぞれ押すことによって、ロール本体1の外径Rを拡大してもよい。
以上、実施の形態2にかかる成形用型ロールによれば、実施の形態1にかかる成形用型ロールと同様に、ロール本体の径を調節して、ロール本体と円筒スタンパとの密着性を高めることができる。これによって、継ぎ目の無い円筒スタンパの成形面を被転写物に押し当て、成形面の表面形状を被転写物に連続的に転写できる。したがって、生産性が高い。
なお、実施の形態1及び2にかかる成形用型ロールでは、それぞれターンバックル、空気圧シリンダを用いたが、ロール径を拡大する技術的な手段、すなわち、ロール径拡大手段を用いてもよい。ロール径拡大手段として、様々な技術的な手段を使用することができ、例えば、油圧式シリンダ、リニアアクチュエータ等を使用してもよい。
次に、実施例1について説明する。
実施例1は、実施の形態1にかかる成形用型ロールと同じ構成を有する成形用型ロールである。用いた円筒スタンパは、以下の工程によって形成された。まず、厚み0.3mmを有するニッケルスタンパを2枚準備し、これらの合計した長さが1072.05mmになるように切断加工した。さらに、マイクロプラズマ溶接を用いて、切断加工したニッケルスタンパの端部同士を溶接することによって、円筒スタンパを形成した。円筒スタンパは、マイクロプラズマ溶接により溶接されたマイクロプラズマ溶接部を有する。この形成した円筒スタンパの成形面には、深さ1μmの円柱状の孔がピッチ2.5μmで300mm×500mmの範囲に刻まれている。
ロール本体として、外径341.243mm、外周長1071.5mmのロールを用いた。
用いたロール本体にこの円筒スタンパを被覆させた後で、ターンバックルによってこのロール本体の外径Rを拡大させる。これによって、円筒スタンパをロール本体に保持させる。ここで、ロール本体の外径Rは、341.5mmであった。
続いて、ガイドプレートをロール本体の隙間に押し当てることによって、成形用型ロールを形成した。
上記したフィルムの製造方法を用いて、フィルムを製造した。
紫外線硬化性樹脂としては、25℃において粘度100mPa・secを有するUV硬化樹脂を用いた。ベースフィルムとしては、厚み100μm、幅340mmを有するPET(ポリエチレンテレフタラート)フィルムを用いた。この用いたPETフィルムは高い透明性を有し、その両面には易接着処理が施されている。スロットダイを用いて、このUV硬化樹脂をこのPETフィルムに塗工した。ここで、塗工されたUV硬化樹脂は、厚み15μm、幅280mmであった。
微細構造付き樹脂フィルムの製造が完了した後も、被覆した円筒スタンパがロール本体に保持されていた。
微細構造付き樹脂フィルムの表面を評価した結果、円筒スタンパにおけるパターン部のパターン転写率は100%であった。また、厚みは幅方向で平均6±2μm、成形方向は平均6±3μmと、厚みのバラツキは小さかった。円筒スタンパの成形面の全域が、微細構造付き樹脂フィルムに転写することができていた。円筒スタンパの成形面の全域は、幅300mm、長さ500mmの長方形である。ロール本体の端部近傍をガイドプレートで押し当てているため、ロール本体の端部近傍における樹脂厚み変動も無かった。
円筒スタンパにおけるマイクロプラズマ溶接部の凸凹差は15μmであった。また、連続的に成形したフィルム500mを張力50Nで巻き取っても、シーム痕が無く、凸凹による品質の悪化は無かった。
ロール本体の端部近傍は、マイクロプラズマ溶接時に発生した傷などにより、成形用型ロールの成形面として使用不可の範囲は20mm程度であった。
なお、マイクロプラズマ溶接にかかった時間は1日であった。円筒スタンパをロール本体に嵌め込む工程と、ロール本体の外径Rを調整する工程とにかかった時間は、2時間程度であり、短時間で試験することができた。また、樹脂厚み、凸凹差は接触式膜厚計を用いて測定した。
また、1万メートルのフィルムを成形しても、実施例1の離型力は大きく変化しなかった。これは、マイクロプラズマ溶接を用いて、ニッケルスタンパを接合しているため、マイクロプラズマ溶接部は同じ種類の材料(ここでは、Ni)からなるためと考えられる。
(比較例)
次に、実施例1と比較することを目的として、比較例1及び比較例2について説明する。
比較例1は、まず、厚み0.3mmを有するニッケルスタンパ2枚を、ロール本体の外周面に粘着テープを介して貼り付けた。具体的には、ニッケルスタンパ同士の間には、2〜3mm程度の隙間ができるように、ニッケルスタンパをロール本体の外周面に張り付けた。
半田との密着性が良い銅テープをロール本体の外周面に貼った後で、半田を隙間部に埋めるように、半田付けを行った。半田層をスタンパ厚みより厚くなるように形成し、形成した半田層をサンドペーパーを用いてスタンパ厚みと同じ厚みによるよう研磨した。
このスタンパで成形したフィルムのパターン部の成形に問題は無かった。
隙間部における凸凹差が30μmあった。また、局部的に100μm近い凸凹差が生じていた。これは、半田層に巣が発生したからと考えられる。連続的に成形したフィルム100mを張力20Nで巻き取っても、シーム痕が発生しており、隙間部の凸凹により品質が悪化していた。
フィルムを50m程度で成形したところで、それ以上の成形ができなくなる場合もあった。この一因として、凸凹の凹部に入り込んだUV硬化樹脂が硬化して、隙間部における半田層の一部がフィルム側にもっていかれることが挙げられる。また、この別の一因として、UV硬化樹脂が半田側に残ったことが挙げられる。
ロール本体の端部近傍は、半田層を研磨した時に生じた傷などにより、成形用型ロールの成形面として使用できない囲は30mm程度であった。
スタンパを加工する工程にかかった時間は1日であった。また、ニッケルスタンパをロール本体の外周面に張り付ける工程にかかった時間は1日であった。また、半田付けと研磨にかかった時間は2日であった。
(比較例2)
比較例2では、比較例1と同様に、まず、厚み0.3mmを有するニッケルスタンパ2枚を、ロール本体の外周面に粘着テープを介して貼り付けた。具体的には、ニッケルスタンパ同士の間には、3mm程度の隙間ができるように、ニッケルスタンパをロール本体の外周面に張り付けた。
さらに、ニッケルスタンパと同じ種類の材料からなる棒を隙間に埋めて、溶接を行ない、その棒とニッケルスタンパとを一体化させた。サンドペーパーを用いて溶接部を平滑化した。
このスタンパで成形したフィルムのパターン部の成形に問題は無かった。
隙間部における凸凹差が50μmあった。また、大きなうねりが隙間部に発生したことを、目視で確認した。この一因として、隙間部は円筒状のロール本体の外周面において溶接され、溶接バラツキが生じたことが挙げられる。
連続的に成形(転写)したフィルム100mを張力20Nで巻き取っても、隙間部の凸凹により品質が悪化していた。
ロール本体の端部近傍は、溶接を行なった時や溶接部を研磨する時に生じた傷などにより、成形用型ロールの成形面として使用できない範囲は40mm程度であった。
溶接工程にかかった時間は、5日間であった。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、実施の形態1及び2にかかる成形用型ロールでは、円筒状のロール本体を用いたが、その長手方向に延びる軸を両端に有する円筒状のロール本体を用いてもよい。また、円筒状のロールは、中心軸と、その中心軸とロール本体の内周面とを接続する複数のスポークとを有してもよく、そのスポークは、ロール径拡大手段を備えてもよい。
10、20 成形用型ロール
1 ロール本体 1a、1b 端部
2 ターンバックル 3 ロール径保持部
4 ガイドプレート 5 空気圧シリンダ
9 円筒スタンパ
R 外径

Claims (6)

  1. 円筒状のロール本体と、
    前記ロール本体の外周面を覆う円筒状のスタンパと、
    前記ロール本体の内側に設けられているロール径拡大手段と、を備え、
    前記ロール本体は、前記ロール本体の軸に沿う方向に延びる隙間と、前記隙間を挟む一端部と他端部と、を有し、
    前記ロール径拡大手段は、前記ロール本体の前記隙間を押し広げるように、前記ロール本体の内周面を押すことによって、前記ロール本体の径を拡大する
    成形用型ロール。
  2. 前記ロール径拡大手段は、前記一端部と、前記他端部とをそれぞれ押すことによって、前記ロール本体の径を拡大する
    ことを特徴とする請求項1に記載の成形用型ロール。
  3. 前記ロール本体の前記内側に配置されるロール径保持部をさらに含み、
    前記ロール径保持部が、前記一端部と前記他端部とに押し当たることによって、前記ロール本体の径を保持する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の成形用型ロール。
  4. 前記ロール径拡大手段は、ターンバックルである
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の成形用型ロール。
  5. 前記ロール径拡大手段は、空気圧シリンダである
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の成形用型ロール。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載される成形用型ロールを用いて、前記スタンパの表面形状が転写されたフィルムを製造する
    フィルムの製造方法。
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